JP2012104439A - 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
リチウムイオン二次電池の電解液としては、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3S
O2)2、LiCF3(CF2)3SO3等の電解質を 、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート等の高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の低粘度溶媒との混合溶媒に溶解させた非水系電解液が代表例として挙げられる。
例えば特許文献1には、電解液にウラシルなどの、水溶液中における第1段目の酸解離定数が8.0以上の化合物を含有することにより、サイクル特性を向上させることが提案されている。
特許文献3には、環内に不飽和結合を1つ有し、且つ、窒素原子を2つ以上含む環状化合物を電解液に含有させることにより、高温環境下においても良好な充放電サイクル特性を示す電池を得る方法が提案されている。
更にサイクル特性については、電池がおかれる様々な環境に対応するため、常温下のみならず高温下における特性も重要となっている。しかしながら、特許文献1乃至4に記載されている電解液を用いた非水系電解液二次電池では、未だ満足しうるものではなかった。
すなわち、本発明の要旨は、下記に存する。
(1)化学式(I)(Lは単結合、もしくは分岐していてもよい炭素数1以上20以下の有機基を表し、R1およびR2は各々独立に炭素数20以下の有機基を表す。A及びBは各々独立に16族のヘテロ原子を表す。)で表され、4〜6員環化合物(ただし、6員環化合物の場合は130より大きい分子量を有する)である含窒素環状化合物を含有する非水系電解液。
(3)炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有していることを特徴とする(1)及び(2)のいずれかに記載の非水系電解液。
(4)リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が(1)乃至(3)のいずれかに記載の非水系電解液であることを特徴とする非水系電解液二次電池。
<非水系電解液>
本発明の非水系電解液は、下記化学式(I)(Lは単結合、もしくは分岐していてもよい炭素数1以上20以下の有機基を表し、R1およびR2は各々独立に炭素数20以下の有機基を表す。A及びBは各々独立に16族のヘテロ原子を表す。)で表され、4〜6員環化合物(ただし、6員環化合物の場合は130より大きい分子量を有する)である含窒素環状化合物を含有する。
1,3−カルボニル尿素、1,3−ジメチル−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン、1,3−ジビニル−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン、1,3−ジアリル−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン、1,3‐ジフェニル‐1,3‐ジアゼチジン‐2,4‐ジオン、等の4員環含窒素環状化合物、
ヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1−エチルヒダントイン、1−ビニルヒダントイン、1−アリルヒダントイン、1−エチニルヒダントイン、1−プロパルギルヒダントイン、1−フェニルヒダントイン、3−メチルヒダントイン、3−ビニルヒダントイン、3−アリルヒダントイン、3−エチニルヒダントイン、3−プロパルギルヒダントイン、3−フェニルヒダントイン、1,3−ジメチルヒダントイン、1,3−ジエチルヒダントイン、1,3−ジビニルヒダントイン、1,3−ジアリルヒダントイン、1,3−ジエ
チニルヒダントイン、1,3−ジプロパルギルヒダントイン、1,3−ジフェニルヒダントイン、1‐アセチル‐3‐アセトキシヒダントイン、1−エトキシカルボニルヒダントイン、3−エトキシカルボニルヒダントイン、1,3‐ビス(メトキシメチル)ヒダントイン、3‐(2‐シアノエチル)ヒダントイン、3‐(2‐イソシアナトエチル)ヒダントイン、3‐(2‐チオシアナトエチル)ヒダントイン、3‐(2‐イソチオシアナトエチル)ヒダントイン、3−トシル−2,4−イミダゾリジンジオン、等の5員環含窒素環状化合物、
5‐フルオロヒダントイン、5−トリフルオロメチルヒダントイン、5−メチルヒダントイン、5‐メチレンヒダントイン、パラバン酸、1,3‐ジメチルイミダゾリジン‐2,4,5‐トリオン、ニルバノール、5‐メチル‐5‐(3‐フェナントリル)ヒダントイン、N‐カルボエトキシフェニトイン、スピロ[イミダゾリジン‐4,2’‐テトラリン]‐2,5‐ジオン、5,5‐ジメチルヒダントイン、5−エチル−5‐メチルヒダントイン、フェニトイン、3‐メチル‐5,5‐ジフェニル‐ヒダントイン、1,3‐ジメチル‐5,5‐ジフェニル‐ヒダントイン、3−エトキシカルボニル−5,5−ジフェニルヒダントイン、エトトイン、メフェニトイン、1‐フェニルスルホニル‐5,5‐ジフェニルヒダントイン、1,3‐ジフルオロ‐5,5‐ジメチルヒダントイン、メテトイン、等のLが分岐し、もしくはL上に置換基を有した5員環含窒素環状化合物、
1−エチルウラシル、1−ビニルウラシル、1−アリルウラシル、1−エチニルウラシル、1−プロパルギルウラシル、1−フェニルウラシル、3−エチルウラシル、3−ビニルウラシル、3−アリルウラシル、3−エチニルウラシル、3−プロパルギルウラシル、3−フェニルウラシル、1,3−ジメチルウラシル、1,3−ジエチルウラシル、1,3−ジビニルウラシル、1,3−ジアリルウラシル、1,3−エチニルウラシル、1,3−プロパルギルウラシル、1,3−ジフェニルウラシル、1‐アセチル‐3‐アセトキシウラシル、1−エトキシカルボニルウラシル、3−エトキシカルボニルウラシル、1,3‐ビス(メトキシメチル)ウラシル、1−メチルジヒドロウラシル、1−ビニルジヒドロウラシル、1−アリルジヒドロウラシル、1−フェニルジヒドロウラシル、3−メチルジヒドロウラシル、3−ビニルジヒドロウラシル、3−アリルジヒドロウラシル、3−フェニルジヒドロウラシル、1,3−ジメチルジヒドロウラシル、1,3−ジビニルジヒドロウラシル、1,3−ジアリルジヒドロウラシル、1,3−ジフェニルジヒドロウラシル、1‐アセチル‐3‐アセトキシジヒドロウラシル、1−エトキシカルボニルジヒドロウラシル、3−エトキシカルボニルジヒドロウラシル、1,3‐ビス(メトキシメチル)ジヒドロウラシル、等の6員環含窒素環状化合物、
5−トリフルオロメチルウラシル、6−トリフルオロメチルウラシル、5,6−ジメチルウラシル、5−フルオロ−1−メチルウラシル、5−フルオロ−3−メチルウラシル、5−フルオロ−1,3−ジメチルウラシル、5−トリフルオロ−1,3−ジメチルウラシル、5−メチル−1,3−ジメチルウラシル、6−フルオロ−1,3−ジメチルウラシル、6−トリフルオロ−1,3−ジメチルウラシル、6−メチル−1,3−ジメチルウラシル、5,6−ジフルオロ−1,3−ジメチルウラシル、5,6−ジ(トリフルオロ)−1,3−ジメチルウラシル、5,6−ジメチル−1,3−ジメチルウラシル、5−フルオロジヒドロウラシル、5−トリフルオロメチルジヒドロウラシル、5−メチルジヒドロウラシル、6−フルオロジヒドロウラシル、6−トリフルオロジヒドロウラシル、6−メチルジヒドロウラシル、5,6−ジメチルジヒドロウラシル、5−フルオロ−1,3−ジメチルジヒドロウラシル5−トリフルオロ−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、5−メチル−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、6−フルオロ−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、6−トリフルオロ−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、6−メチル−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、5,6−ジフルオロ−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、5,6−ジ(トリフルオロ)−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、5,6−ジメチル−1,3−ジメチルジヒドロウラシル、1−メチルバルビツル酸、3−メチルバルビツル酸、1,3−ジメチルバルビツル酸、5−フルオロ−1,3−ジメチルバルビツル酸、5−トリフルオロメチル−1,3−ジメチルバルビツル酸、アロキサン、1−メチルアロキサン、
1,3−ジメチルアロキサン、5−フルオロ−1,3−ジメチルアロキサン、バルビタール、メタルビタール、1,3−ジメチルバルビタール、フェノバルビタール、メホバルビタール、アロバルビタール、キナゾリン‐2,4(1H,3H)‐ジオン、1‐メチルキナゾリン‐2,4(1H,3H)‐ジオン、3−メチルキナゾリン‐2,4(1H,3H)‐ジオン、1,3‐ジメチルキナゾリン‐2,4(1H,3H)‐ジオン、6,7‐ジメトキシキナゾリン‐2,4(1H,3H)‐ジオン、3‐フェニル‐1,2,3,4‐テトラヒドロキナゾリン‐2,4‐ジオン、1,3‐ジフルオロ‐1,2,3,4‐テトラヒドロ‐2,4‐ジオキソ‐6‐キナゾリンスルホン酸リチウム、等のLが分岐し、もしくはL上に置換基を有した6員環含窒素環状化合物、
4−オキソ−2−イミダゾリジンチオン、4−チオキソイミダゾリジン−2−オン、イミダゾリジン‐2,4‐ジチオン、2‐チオキソヘキサヒドロピリミジン‐4‐オン、テトラヒドロ‐4‐チオキソ‐2(1H)‐ピリミジノン、ヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジチオン、4−オキソ−2−イミダゾリジンセロン、4−セレノキソイミダゾリジン−2−オン、イミダゾリジン‐2,4‐ジセロン、2‐セレノキソヘキサヒドロピリミジン‐4‐オン、テトラヒドロ‐4‐セレノキソ‐2(1H)‐ピリミジノン、ヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジセロン、4−オキソ−2−イミダゾリジンテロン、4−テルロキソイミダゾリジン−2−オン、イミダゾリジン‐2,4‐ジテロン、2‐テルロキソヘキサヒドロピリミジン‐4‐オン、テトラヒドロ‐4‐テルロキソ‐2(1H)‐ピリミジノン、ヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジテロン、5−メチル−2−チオウラシル、5−フルオロ−2−チオウラシル、5−トリフルオロメチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、5−メチル−4−チオウラシル、5−フルオロ−4−チオウラシル、5−トリフルオロメチル−4−チオウラシル、2,4−ジチオウラシル、5−メチル−2,4−ジオウラシル、5−フルオロ−2,4−ジオウラシル、5−トリフルオロメチル−2,4−ジオウラシル、等のA及びBが酸素以外の酸素族原子である含窒素環状化合物、
1−メタンスルホニルヒダントイン、1−トリフルオロメタンスルホニルヒダントイン、1−ビニルスルホニルヒダントイン、1−エチニルスルホニルヒダントイン、1,3−ジ(メタンスルホニル)ヒダントイン、1,3−ジ(メタンスルホニル)ウラシル、1,3−ジ(トリフルオロメタンスルホニル)ウラシル、1,3−ジ(ビニルスルホニル)ウラシル、1,3−ジ(トリフルオロメタンスルホニル)−5−フルオロウラシル、1,3−ジ(メタンスルホニル)バルビツル酸、1,3−ジ(トリフルオロメタンスルホニル)バルビツル酸、1,3−ジ(ビニルスルホニル)バルビツル酸、等のR1、R2が水素原子、炭素原子以外の原子を含む含窒素環状化合物、
等が挙げられ、中でも、中でも5員環又は6員環化合物が好ましい。
ヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1−エチルヒダントイン、1−ビニルヒダントイン、1−アリルヒダントイン、1−エチニルヒダントイン、1−プロパルギルヒダントイン、1−フェニルヒダントイン、5‐フルオロヒダントイン、5−トリフルオロメチルヒダントイン、5−メチルヒダントイン、5‐メチレンヒダントイン、より好ましくは、ヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1−エチルヒダントイン、1−ビニルヒダントイン、1−アリルヒダントイン、である。
シル、1−メチルバルビツル酸、3−メチルバルビツル酸、1,3−ジメチルバルビツル酸、1−フェニルウラシル、1,3−ジフェニルウラシル、より好ましくは、1−メチルウラシル、1,3−ジメチルウラシル、5−トリフルオロメチルウラシル、1,3−ジメチルバルビツル酸である。
非水系電解液中の化学式(I)で表される含窒素環状化合物の含有量は、通常0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、また、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下より好ましくは5質量%以下である。該含窒素環状化合物の含有量が、0.001質量%以上とすることにより、高温サイクル特性が良くなり、20質量%以下であることにより、抵抗が低くなり、電池の初期容量が維持されるという点での本発明の効果をより奏する傾向にある。
本発明の非水系電解液は、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することができる。
炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物は、負極の表面に安定な保護被膜を形成し、負極と電解液成分との副反応を抑制し、サイクル特性や高温保存後の特性を向上することができる。
炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート、1,2−ジエチルビニレンカーボネート、フルオロビニレンカーボネート、トリフルオロメチルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート化合物;ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−n−プロピル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート化合物;1,1−ジメチル−2−メチレンエチレンカーボネート、1,1−ジエチル−2−メチレンエチレンカーボネート等のメチレンエチレンカーボネート化合物;エチニルエチレンカーボネート、1,2−ジエチニルエチレンカーボネート等のエチニルエチレンカーボネート化合物等が挙げられる。これらのうち、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネートがサイクル特性や高温保存後の容量維持特性向上の点から好ましく、中でもビニレンカーボネート又はビニルエチレンカーボネートがより好ましく、特にビニレンカーボネートが好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物やモノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩と併用しても良く、サイクル特性向上や高温保存特性向上の点から、併用するのが好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネート化合物としては、例えば、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカー
ボネート、4,4,5−トリフルオロエチレンカーボネート、テトラフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、4−フルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロ−4−メチルエチレンカーボネート、4,4,5−トリフルオロ−5−メチルエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。これらのうち、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4−フルオロ−5−メチルエチレンカーボネートがサイクル特性向上や高温保存特性向上の点から好ましく、フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、がより好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩のカウンターカチオンとしては特に限定はないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、及び、NR1
R2R3R4(式中、R1〜R4は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を表
わす。)で表されるアンモニウム等が例示として挙げられる。
また、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物やフッ素原子を有する環状カーボネート化合物と併用して用いても良く、サイクル特性向上や高温保存後の特性向上の点から併用するのが好ましい。
非水系電解液中における炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の合計の割合は、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。割合が小さすぎると、電池のサイクル特性や高温保存特性を向上させるという効果を十分に発揮できない場合がある。逆に割合が大きすぎると、高温保存時にガス発生量が増大したり、低温での放電特性が低下する場合があるので、通常、40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
本発明の非水系電解液に用いる電解質に制限は無く、目的とする非水系電解液二次電池に電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に用いることができる。
本発明の非水系電解液をリチウム二次電池に用いる場合には、通常は、電解質としてリチウム塩を用いる。
、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−テトラフル
オロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(CF3SO2)2、LiPF4(C2F5SO2)2、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2、L
iBF2(C2F5SO2)2等の含フッ素有機リチウム塩;リチウムビス(オキサラト)ボ
レート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート等の含ジカルボン酸錯体リチウム塩; 等が挙げられる。
iN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミドが好ましく、特にLiPF6、LiBF4が好ましい。
また、これらのリチウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。中でも、特定の無機リチウム塩の2種の併用や、無機リチウム塩と含フッ素有機リチウム塩との併用により、高温保存時のガス発生が抑制され、若しくは高温保存後の劣化が抑制されるので好ましい。
,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、及びリチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミド等の含フッ素有機リチウム塩とを併用することが好ましい。
上、特に好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下、最も好ましくは3質量%以下である。この範囲未満の場合には所望する効果が得られないことがあり、この範囲を超える場合は高負荷放電特性等の電池の特性が低下することがある。
SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、及びリチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミド等の含フッ素有機リチウム塩とを併用する場合、両者の合計に占める無機リチウム塩の含有割合は、70質量%以上、99質量%以下であることが望ましい。
度上昇のため電気伝導度が低下する場合があり、電池性能が低下する場合がある。
非水溶媒も、従来から非水系電解液の溶媒として公知のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、環状カルボン酸エステル類、鎖状カルボン酸エステル類、含硫黄有機溶媒、含燐有機溶媒等が挙げられる。
具体的には例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート等の対称鎖状アルキルカーボネート類;エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート等の非対称鎖状アルキルカーボネート類等のジアルキルカーボネートが挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが電池特性向上の点から好ましい。
鎖状エーテル類としては、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等及び、これらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した化合物として、ビス(トリフルオロエトキシ)エタン、エトキシトリフルオロエトキシエタン、メトキシトリフルオロエトキシエタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ―3―メトキシ―4―トリフルオロメチル−ペンタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ―3―エトキシ―4―トリフルオロメチル−ペンタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ―3―プロポキシ―4―トリフルオロメチル−ペンタン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、2,2−ジフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル等が挙げられる。
鎖状カルボン酸エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、プロピ
オン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル等及びトリフルオロ酢酸プロピル、トリフルオロ酢酸ブチル等のこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した化合物等が挙げられ、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸メチルがより好ましい。
含燐有機溶媒としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸メチルジエチル、リン酸エチレンメチル、リン酸エチレンエチル等及びこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した化合物が挙げられる。
これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよいが、2種以上の化合物を併用するのが好ましい。例えば、アルキレンカーボネート類や環状カルボン酸エステル類等の高誘電率溶媒と、ジアルキルカーボネート類や鎖状カルボン酸エステル類等の低粘度溶媒とを併用するのが好ましい。
プロピレンカーボネートを含有する場合には、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの容量比(エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート)は、1.0以上が好ましく、より好ましくは1.2以上、特に好ましくは1.5以上である。更に、非水溶媒全体に占めるプロピレンカーボネートの割合は、下限は、通常0.1容量%以上、好ましくは1容量%以上、より好ましくは2容量%以上、また上限は、通常20容量%以下、好ましくは8容量%以下、より好ましくは5容量%以下である。この濃度範囲でプロピレンカーボネートを含有すると、エチレンカーボネートとジアルキルカーボネートとの組み合わせの特性を維持したまま、更に低温特性が優れるので好ましい。
、より好ましくは25容量%以上、更に好ましくは30容量%以上であり、また、上限は、通常90容量%以下、好ましくは80容量%以下、より好ましくは75容量%以下、更に好ましくは、70容量%以下となる範囲で含有させると、高温保存時におけるガス発生が抑制されるので好ましい。
また、上記アルキレンカーボネート類とジアルキルカーボネート類を主体とする組合せにおいては、他の溶媒を混合してもよい。
(その他の化合物)
本発明に係る非水系電解液は、本発明の効果を損ねない範囲で、従来公知の過充電防止剤等の種々の他の化合物を助剤として含有していてもよい。
ニル)ホスフェート、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(2−t−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(3−t−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(4−t−アミルフェニル)ホスフェート、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)ホスフェー
ト、トリス(3−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフ
ェニル)ホスフェート等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェ
ニル、4−フルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の上記芳香族化合物の部分フ
ッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等が挙げられる。
、シス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、シス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン、メチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、トリフェニルホスフェート、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の上
記芳香族化合物の部分フッ素化物が好ましく、ターフェニルの部分水素化体、シクロペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、シス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、シス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、メチルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、トリフェニルホスフェート、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、トリス(4−シクロヘキシルフェニル)ホスフェート、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼンがより好ましく、ターフェニルの部分水素化体及び
シクロヘキシルベンゼンが特に好ましい。
−スルホレン、2−スルホレン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジビニルスルホン、ジフェニルスルホン、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びN−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシル等の炭化水素化合物;フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン等のフッ化ベンゼン;2−フルオロトルエン、2−フルオロトルエン、4−フルオロトルエン、ベンゾトリフルオライド等のフッ化トルエン;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル等のニトリル化合物;メチルジメチルホスフィネート、エチルジメチルホスフィネート、エチルジエチルホスフィネート、トリメチルホスホノフォルメート、トリエチルホスホノフォルメート、トリメチルホスホノアセテート、トリエチルホスホノアセテート、トリメチル−3−ホスホノプロピオネート、トリエチル−3−ホスホノプロピオネート等の含リン化合物等が挙げられる。これらの中で、高温保存後の電池特性向上の点からエチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブテンスルトン、ブスルファン、1,4−ブタンジオールビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート)等の含硫黄化合物;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル等のニトリル化合物が好ましい。
非水系電解液中におけるこれらの助剤の含有割合は、本願発明の効果を発現するためには、特に制限はないが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.2質量%以上であり、通常8質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。これらの助剤を添加することにより、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上させることができる。この下限より低濃度では助剤の効果がほとんど発現しない場合がある。また、逆に濃度が高すぎると高負荷放電特性等の電池の特性が低下する場合がある。
また、上記助剤のうちフッ化ベンゼン、フッ化トルエンは溶媒としても使用することが可能であり、そのときのフッ化ベンゼン、フッ化トルエンの濃度は、非水系電解液全体に対し8質量%以上、50質量%以下の範囲とすることが好ましい。
本発明の請求項1に係る非水系電解液は、非水溶媒に、電解質、化学式(I)で表される含窒素環状化合物と、必要に応じて他の化合物を溶解することにより調製できる。非水系電解液の調製に際しては、各原料は、電解液とした場合の水分を低減させるため予め脱水しておくのが好ましい。通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下、特に好ましくは10ppm以下までそれぞれ脱水するのがよい。また、電解液調製後に、脱水、脱酸処理等を実施してもよい。
本発明の非水系電解液は、非水系電解液電池の中でも二次電池用、即ち非水系電解液二次電池、例えばリチウム二次電池用の非水系電解液として用いるのに好適である。以下、本発明の非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池について説明する。
本発明の非水系電解液二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が上記本発明の非水系電解液であることを特徴とするものである。
(電池構成)
本発明に係る非水系電解液二次電池は、上記本発明の非水系電解液を用いて作製される以外は従来公知の非水系電解液二次電池と同様、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であり、通常、正極と負極とを上記本発明の非水系電解液が含浸されている多孔膜を介してケースに収納することで得られる。従って、本発明の非水系電解液二次電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等のいずれであってもよい。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はない。その具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。
これらの負極活物質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。中でも好ましいものは炭素質材料、合金系材料である。
炭素質材料のBET法による比表面積は、通常0.3m2/g以上、好ましくは0.5
m2/g以上、より好ましくは0.7m2/g以上、更に好ましくは0.8m2/g以上で
あり、通常25.0m2/g以下、好ましくは20.0m2/g以下、より好ましくは15.0m2/g以下、更に好ましくは10.0m2/g以下である。
また、金属単体又は合金を用いるよりは単位質量当りの容量には劣るものの、サイクル特性に優れることから、ケイ素及び/又はスズを含有する以下の化合物も好ましい。
・ケイ素及び/又はスズと窒素との元素比が通常0.5以上であり、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下のケイ素及び/又はスズの窒化物。
また、これらの合金系材料は粉末のものでも薄膜状のものでもよく、結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
また、リチウムチタン複合酸化物のリチウムやチタンの一部が、他の金属元素、例えば、Na、K、Co、Al、Fe、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素で置換されているものも好ましい。
放出の際の構造が安定であることから好ましい(Mは、Na、K、Co、Al、Fe、Mg、Cr、Ga、Cu、Zn及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表わす)。
(a)1.2≦x≦1.4、1.5≦y≦1.7、z=0
(b)0.9≦x≦1.1、1.9≦y≦2.1、z=0
(c)0.7≦x≦0.9、2.1≦y≦2.3、z=0
特に好ましい代表的な組成は、(a)ではLi4/3Ti5/3O4、(b)ではLi1Ti2O4、(c)ではLi4/5Ti11/5O4である。
また、Z≠0の場合の構造については、例えば、Li4/3Ti4/3Al1/3O4が好ましいものとして挙げられる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はない。リチウムと少なくとも1種の遷移金属を含有する物質が好ましく、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物等が挙げられる。
リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等が好ましく、具体例としては、LiCoO2等のリチウム・コバルト複合酸
化物、LiNiO2等のリチウム・ニッケル複合酸化物、LiMnO2、LiMn2O4、Li2MnO3等のリチウム・マンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部を他の金属で置換したもの、即ち、LiCoO2等のリ
チウム・コバルト複合酸化物のCoの一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属で置換したもの、LiNiO2
等のリチウム・ニッケル複合酸化物のNiの一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属で置換したもの、LiMnO2、LiMn2O4、Li2MnO3等のリチウム・マンガン複合酸化物のMnの一部
をAl、Ti、V、Cr、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。置換されたものの中では、LiNi1-a-bMnaCobO2(a,bは0以上1未満の数字を表すが、a,bが共に0の場合を除く)、LiNi1-c-d-eCocAldMgeO2(c,d,eは0以上1未満の数字を表すが、c,d,eが共に0の場合を除く)が好ましく、更にはLiNi1-a-bMnaCobO2(0
≦a<0.4、0≦b<0.4)、LiNi1-c-d-eCocAldMgeO2(0≦c<0.3
、0≦d<0.1、0≦e<0.05)が好ましく、特にLiNi1/3Co01/3Mn1/3O2
、LiNi0.5Co0.3Mn0.2O2、LiNi0.5Mn0.5O2、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2、LiNi0.85Co0.10Al0.03Mg0.02O2が好ましい。
e2(PO4)3、LiFeP2O7等のリン酸鉄類、LiCoPO4等のリン酸コバルト類
、これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部を他の金属で置換したもの、即ち、LiFePO4、Li3Fe2(PO4)3、LiFeP2O7等のリ
ン酸鉄類のFeの一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Nb、Si等の他の金属で置換したもの、LiCoPO4等のリン酸
コバルト類のCoの一部をAl、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Nb、Si等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
また、これら正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質(表面付着物質)が付着したものを用いることもできる。表面付着物質としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
活物質を結着する結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和結合を有するポリマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系ポリマー等が挙げられる。
増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が挙げられる。
充填剤としてはアルミナ、シリカ等の金属酸化物等が挙げられる。
電極の製造は、常法によればよい。例えば、負極又は正極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー化し、これを集電体に塗布、乾燥した後に、プレスすることによって形成することができる。
負極活物質に黒鉛を用いた場合、負極活物質層の乾燥、プレス後の密度は、通常、1.0g/cm3以上、好ましくは1.2g/cm3以上、より好ましくは1.3g/cm3以
上であり、また、通常、2.2g/cm3以下、好ましくは2.0g/cm3以下、より好ましくは1.9g/cm3以下である。負極活物質層の密度が上記範囲を上回ると、負極活物質粒子が破壊され初期不可逆容量が増加したり、活物質層内部への電解液の浸透性が低下し高率充放電特性の悪化を招く場合がある。また、上記範囲を下回ると、活物質間の導電性が低下し、単位容積あたりの容量が低下する場合がある。
.0g/cm3以上、より好ましくは2.2g/cm3以上であり、また、通常、5.0g
/cm3以下、好ましくは4.5g/cm3以下、より好ましくは4.0g/cm3以下で
ある。正極活物質層の密度が上記範囲を上回ると、活物質層内部への電解液の浸透性が低下し、高率充放電特性の悪化を招く場合がある。また、上記範囲を下回ると、活物質間の導電性が低下し、高率充放電特性の悪化を招く場合がある。
(セパレータ、外装体)
正極と負極の間には、短絡を防止するために多孔膜(セパレータ)を介在させる。この場合、電解液は多孔膜に含浸させて用いる。多孔膜の材質や形状は、電解液に安定であり、かつ保液性に優れていれば、特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等が好ましい。
上記した本発明の非水系電解液二次電池の作動電圧は通常2V〜6Vの範囲である。
(作用機構)
本発明に係る非水系電解液が、高温保存時における特性劣化の抑制とガス発生を抑制する理由は明らかではなく、また、本発明は下記作用機構に限定されるものではないが、次のように推察される。
尚、下記実施例及び比較例で得られた電池の各評価方法を以下に示す。
[初期容量評価]
非水系電解液二次電池を、ガラス板で挟んで加圧した状態で、25℃において、0.2Cに相当する定電流で4.1Vまで充電した後、0.2Cの定電流で3Vまで放電した。これを3サイクル行って電池を安定させた。次いで、0.7Cの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電を実施した。この後、0.2Cの定電流で3Vまで放電して、初期放電容量を求めた。
ここで、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、例えば、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
容量評価試験の終了したシート状電池を、45℃において0.7Cの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電を実施し、次いで1Cの定電流で3Vまで放電した。この充放電サイクルを1サイクルとし、100サイクル繰り返した後の放電容量の、初期放電容量に対する割合を求め、これをサイクル後容量維持率(%)とした。
但し、電解液が完全に溶解しなかった場合には、初期容量評価及びサイクル特性評価試験を実施せず、評価結果に「溶解せず」と記載した。
<非水系電解液の調製>
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの混合溶媒(容量比3:7)に、非水系電解液中の含有量としてヒダントイン(5員環化合物)0.1質量%を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1モル/リットルの割合となるよ
うに溶解して電解液を調製した。
正極活物質としてのリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)94質量%と、導電材と
してアセチレンブラック3質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン3質量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で、ディスパーザーで混合してスラリー化した。これを厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布、乾燥した後、正極活物質層の密度が3.1g/cm3になるようにプレスして正極を作製した。
負極活物質として人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)98質量部に、増粘剤、バインダーとしてそれぞれ、カルボキシメチルセルロースナトリウムの水性ディスパージョン(カルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度1質量%)100質量部、及び、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン(スチレン−ブタジエンゴムの濃度50質量%)2質量部を加え、ディスパーザーで混合してスラリー化した。このスラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に均一に塗布、乾燥した後、負極活物質層の密度が1.6g/cm3になるようにプレスして負極を作製した。
上記の正極、負極、及びポリエチレン製のセパレータを、正極、セパレータ、負極、セパレータ、正極の順に積層して電池要素を作製した。この電池要素をアルミニウム(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋内に正・負極の端子を突設させながら挿入した後、非水系電解液を袋内に注入し、真空封止を行ない、シート状の非水系電解液二次電池を作製した。
この非水系電解液二次電池を用いて、高温サイクル特性評価試験を実施した。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、ヒダントインに代えて、1−メチルヒダントイン(5員環化合物)とした以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例2の電解液において、1−メチルヒダントインの含有量を0.1%に代えて0.5%とした以外、実施例2と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例2の電解液において、1−メチルヒダントインの含有量を0.5%に代えて1%とした以外、実施例2と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例2の電解液において、1−メチルヒダントインの含有量を0.5%に代えて3%とした以外、実施例2と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評
価試験を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1の電解液において、ヒダントインに代えて、1−アリルヒダントイン(5員環化合物)とした以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、ヒダントインに代えて、1,3−ジメチルウラシル(6員環化合物、分子量140)とした以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例7の電解液において、1,3−ジメチルウラシルの含有量を0.1%に代えて0.5%とした以外、実施例9と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
実施例7の電解液において、1,3−ジメチルウラシルの含有量を0.1%に代えて1%とした以外、実施例9と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例7の電解液において、1,3−ジメチルウラシルの含有量を0.1%に代えて3%とした以外、実施例9と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
実施例8の電解液において、1,3−ジメチルウラシルに代えて、5−トリフルオロメチルウラシル(6員環化合物、分子量180)とした以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例8の電解液において、1,3−ジメチルウラシルに代えて、1,3−ジメチルバルビツル酸(6員環化合物、分子量156)とした以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
乾燥アルゴン雰囲気下、フルオロエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(容量比3:7)に、非水系電解液中の含有量として1−メチルヒダントイン0.5質量%を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1モル/リットルの割合となるよう
に溶解して電解液を調製した以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表3に示す。
実施例13の電解液において、1−メチルヒダントインに代えて、1,3−ジメチルウラシルとした以外、実施例14と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表3に示す。
(実施例15)
実施例13の電解液において、1−メチルヒダントインに代えて、5−トリフルオロメチルウラシルとした以外、実施例14と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表3に示す。
実施例13の電解液において、1−メチルヒダントインに代えて、1,3−ジメチルバルビツル酸とした以外、実施例14と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例1の電解液において、ヒダントインを含有しない以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1及び表2に示す。
実施例8の電解液において、ヒダントインに代えて、ウラシル(6員環化合物、分子量:112)とした以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例8の電解液において、ヒダントインに代えて、5−フルオロウラシル(6員環化合物、分子量:130)とした以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表2に示す。
実施例13の電解液において、1−メチルヒダントインを含有しない以外、実施例13と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温サイクル特性評価試験を行った。評価結果を表3に示す。
Claims (4)
- 電解液に含まれる化学式(I)の化合物が0.001質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載の非水系電解液。
- 炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有していることを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の非水系電解液。
- リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が請求項1乃至3のいずれかに記載の非水系電解液であることを特徴とする非水系電解液二次電池。
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