JP5471333B2 - 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池 - Google Patents
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Description
また、リチウムイオン二次電池の負極活物質としては主にリチウムイオンを吸蔵、放出することができる炭素材料が用いられており、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等が代表例として挙げられる。更に高容量化を目指してシリコンやスズ等を用いた金属又は合金系の負極も知られている。正極活物質としては主にリチウムイオンを吸蔵、放出することができる遷移金属複合酸化物が用いられており、遷移金属の代表例としてはコバルト、ニッケル、マンガン、鉄等が挙げられる。
特許文献2には、亜リン酸エステル類を10〜1000ppm含有する電解液を用いることにより、高温保存時の電池性能劣化を抑制できることが提案されている。
高容量化する方法として、例えば、電極の活物質層を加圧して高密度化して、電池内部の活物質以外の占める体積を極力少なくする方法や、正極の利用範囲を広げて高電位まで使用する方法が検討されている。
しかし、電極の活物質層を加圧して高密度化すると、活物質を均一に使用することができにくくなり、不均一な反応により一部リチウムが析出したり、活物質の劣化が促進されたりして、十分な特性が得られないという問題が発生しやすくなる。また、正極の利用範囲を広げて高電位まで使用すると、正極の活性は更に高くなり、正極と電解液との反応により劣化が促進される問題が発生しやすくなる。
更に高容量化によって電池内部の空隙は減少し、電解液の分解で少量のガスが発生した場合でも電池内圧が顕著に上昇するという問題も発生する。
よって、高温保存特性については、電池特性の劣化に加えて、ガス発生を抑制することが求められるが、特許文献1、2に記載されている電解液を用いた非水系電解液二次電池では、未だ満足しうるものではなかった。
すなわち、本発明の要旨は、下記に示すとおりである。
(1)電解質及び非水溶媒を含む二次電池用の非水系電解液であって、6員環構造を有し、かつフッ素を含有する環状亜リン酸エステル化合物を、非水系電解液中に0.2〜5質量%含有することを特徴とする非水系電解液。
(2)更に、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、上記(1)に記載の非水系電解液。
(3)リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに上記(1)又は(2)に記載の非水系電解液を含む、非水系電解液電池。
本発明の非水系電解液は、一般的な非水系電解液と同様に、通常はその主成分として、電解質及びこれを溶解する非水溶媒を有し、更に環状亜リン酸エステル化合物を非水系電解液中に0.001〜5質量%含有する。
本発明の非水系電解液に含有される環状亜リン酸エステル化合物は、環状構造を有する亜リン酸エステル化合物であれば特に限定されないが、化合物の分子量は、通常122以上であり、通常2000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下である。
環状亜リン酸エステル化合物の環は5員環又は6員環が好ましく、具体的には、5員環を有する化合物として2位に基RO−を有する置換1,3,2−ジオキサホスホラン化合物、又は6員環を有する化合物として2位に基RO−を有する置換1,3,2−ジオキサホスホリナン化合物が挙げられる。これらの基RO−において、Rは1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい有機基であり、特に有機基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基であることが好ましい。1個以上のフッ素原子で置換されている有機基としては、例えば、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数2〜12のフルオロアルケニル基、炭素数6〜12のフルオロアリール基、又は炭素数7〜12のフルオロアラルキル基が挙げられる。
Rは、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい有機基である。
Rは、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい有機基である。
上記式(1)で示される置換1,3,2−ジオキサホスホラン化合物の具体例として、R1〜R4がいずれも水素である化合物としては、2−メトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−プロポキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−ブトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−ペンチルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−ヘキシルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホランが挙げられる。
4−エチル−2−メトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−プロポキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ブトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ペンチルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ヘキシルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン等が挙げられる。
5員環構造を有し、フッ素を含有する環状亜リン酸エステル化合物としては、2位の基RO−を構成する有機基がフッ素を含有している基、具体的には、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数2〜12のフルオロアルケニル基、炭素数6〜12のフルオロアリール基、又は炭素数7〜12のフルオロアラルキル基を有する化合物であることが好ましい。具体例としては、2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、
4−メチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、
4−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、
4,5−ジメチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン等が挙げられる。
4−メチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、
4−エチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、
4,5−ジメチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン等が挙げられる。
4−メチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−メチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、
4−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、
4,5−ジメチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホラン、4,5−ジメチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン等が好ましい。
5−メチル−2−メトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−プロポキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ブトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ペンチルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ヘキシルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
4−エチル−2−メトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−プロポキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ブトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ペンチルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ヘキシルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5−エチル−2−メトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−プロポキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ブトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ペンチルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ヘキシルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン等が挙げられる。
5,5−ジエチル−2−メトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−プロポキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ブトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ペンチルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ヘキシルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン等が挙げられる。
6員環構造を有し、フッ素を含有する環状亜リン酸エステル化合物の具体例としては、2位の基RO−を構成する有機基がフッ素を含有している基、具体的には、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数2〜12のフルオロアルケニル基、炭素数6〜12のフルオロアリール基、又は炭素数7〜12のフルオロアラルキル基を有する化合物であることが好ましい。具体例としては、2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
4−メチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5−メチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
4−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5,5−ジメチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5,5−ジエチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン等が挙げられる。
4−メチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5−メチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
4−エチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5,5−ジメチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5,5−ジエチル−2−ビニルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−(1−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−(2−プロペニルオキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−フェノキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ベンジルオキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン等が挙げられる。
4−メチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−メチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5−メチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−メチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
4−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、4−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5−エチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5−エチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5,5−ジメチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジメチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、
5,5−ジエチル−2−トリフルオロメトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン、5,5−ジエチル−2−ペンタフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホリナン等が好ましい。
本発明の非水系電解液に用いる電解質に制限は無く、目的とする非水系電解液二次電池に電解質として用いられるものであれば公知のものを任意に用いることができる。
本発明の非水系電解液をリチウム二次電池に用いる場合には、通常、電解質としてリチウム塩を用いる。
電解質の具体例としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4等の無機リチウム塩;LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、リチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミド、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiPF4(CF3)2、LiPF4(C2F5)2、LiPF4(CF3SO2)2、LiPF4(C2F5SO2)2、LiBF2(CF3)2、LiBF2(C2F5)2、LiBF2(CF3SO2)2、LiBF2(C2F5SO2)2等の含フッ素有機リチウム塩;リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート等の含ジカルボン酸錯体リチウム塩等が挙げられる。
特に、2種以上の無機リチウム塩の併用、例えばLiPF6とLiBF4との併用や、無機リチウム塩と含フッ素有機リチウム塩との併用、例えばLiPF6、LiBF4のいずれか1種以上と、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、リチウム環状1,2−テトラフルオロエタンジスルホニルイミド、及びリチウム環状1,3−ヘキサフルオロプロパンジスルホニルイミドから選ばれる少なくとも1種以上とを併用することが好ましい。
非水溶媒も、従来から非水系電解液の溶媒として公知のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、環状カルボン酸エステル類、鎖状カルボン酸エステル類、含硫黄有機溶媒、含リン有機溶媒等が挙げられる。
具体的には、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート等の対称鎖状アルキルカーボネート類;エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート等の非対称鎖状アルキルカーボネート類等のジアルキルカーボネートが挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが電池特性向上の点から好ましい。
鎖状カルボン酸エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル等及びトリフルオロ酢酸プロピル、トリフルオロ酢酸ブチル等のこれらの化合物の水素の一部をフッ素で置換した化合物等が挙げられる。中でも、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、吉草酸メチルがより好ましい。
プロピレンカーボネートを含有する場合には、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの容量比は、99:1〜40:60が好ましく、特に好ましくは95:5〜50:50である。更に、非水溶媒全体に占めるプロピレンカーボネートの割合は、下限は、通常0.1容量%以上、好ましくは1容量%以上、より好ましくは2容量%以上、また上限は、通常20容量%以下、好ましくは8容量%以下、より好ましくは5容量%以下である。この濃度範囲でプロピレンカーボネートを含有すると、エチレンカーボネートとジアルキルカーボネートとの組み合わせの特性を維持したまま、更に低温特性が優れるので好ましい。
全非水溶媒中におけるジメチルカーボネートに対するエチルメチルカーボネートの容量比(ジメチルカーボネート/エチルメチルカーボネート)の下限値は、電解液の電気伝導度の向上と保存後の電池特性を向上させるため、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.5以上である。容量比(ジメチルカーボネート/エチルメチルカーボネート)の上限値は、低温での電池特性を向上させるため、好ましくは40以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下、特に好ましくは8以下である。
好ましい非水溶媒の他の例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートよりなる群から選ばれた1種の有機溶媒、又は該群から選ばれた2以上の有機溶媒からなる混合溶媒を全体の60容量%以上を占めるものである。この混合溶媒を用いた非水系電解液は、高温で使用しても溶媒の蒸発や液漏れが少なくなる。中でも、非水溶媒に占めるエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの合計が、70容量%以上、好ましくは80容量%以上、更に好ましくは90容量%以上であり、かつエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートの容量比が30:70〜60:40であるものを用いると、一般にサイクル特性と高温保存特性等のバランスがよくなる。
なお、本明細書において、非水溶媒の容量は25℃での測定値であるが、エチレンカーボネートのように25℃で固体のものは融点での測定値を用いる。
本発明に係る非水系電解液は、更に、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有するものが好ましい。
炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物は、負極の表面に安定な保護被膜を形成し、負極と電解液成分との副反応を抑制し、サイクル特性を向上することができる。
一般に炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物を含有させた場合、高温保存時にガス発生量が増大する傾向があるが、環状亜リン酸エステル化合物と併用することにより、高温保存時にガス発生量を抑制できるので好ましい。
炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、1,2−ジメチルビニレンカーボネート、1,2−ジエチルビニレンカーボネート、フルオロビニレンカーボネート、トリフルオロメチルビニレンカーボネート等のビニレンカーボネート化合物;ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−エチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−n−プロピル−2−ビニルエチレンカーボネート、1−メチル−2−ビニルエチレンカーボネート、1,1−ジビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネート等のビニルエチレンカーボネート化合物;1,1−ジメチル−2−メチレンエチレンカーボネート、1,1−ジエチル−2−メチレンエチレンカーボネート等のメチレンエチレンカーボネート化合物等が挙げられる。これらのうち、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2−ジビニルエチレンカーボネートがサイクル特性や高温保存後の容量維持特性向上の点から好ましく、中でも、ビニレンカーボネート又はビニルエチレンカーボネートがより好ましく、特にビニレンカーボネートが好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
2種以上を併用する場合は、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネートとを併用することが好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネート化合物としては、例えば、フルオロエチレンカーボネート、1,2−ジフルオロエチレンカーボネート、1,1−ジフルオロエチレンカーボネート、1,1,2−トリフルオロエチレンカーボネート、テトラフルオロエチレンカーボネート、1−フルオロ−2−メチルエチレンカーボネート、1−フルオロ−1−メチルエチレンカーボネート、1,2−ジフルオロ−1−メチルエチレンカーボネート、1,1,2−トリフルオロ−2−メチルエチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。これら中でも、フルオロエチレンカーボネート、1,2−ジフルオロエチレンカーボネート、1−フルオロ−2−メチルエチレンカーボネートがサイクル特性向上や高温保存特性向上の点から好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物や次に記載するモノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩と併用しても良く、サイクル特性向上や高温保存特性向上の点を考慮するとから、併用することが好ましい。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩のカウンターカチオンは、特に限定はされないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、及び、NR1R2R3R4(式中、R1〜R4は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜12の有機基を表わす。)で表されるアンモニウム等が例示として挙げられる。
上記アンモニウムのR1〜R4で表わされる炭素数1〜12の有機基として、特に限定はされないが、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環基等が挙げられる。中でも、R1〜R4として、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は窒素原子含有複素環基等が好ましい。
モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩の具体例としては、モノフルオロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、ジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸カリウム等が挙げられ、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウムが好ましく、ジフルオロリン酸リチウムがより好ましい。
例えば炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物とフッ素原子を有する環状カーボネート化合物とを併用して用いても良く、サイクル特性向上や高温保存後の特性向上の点を考慮すると、併用することが好ましい。
本発明に係る非水系電解液は、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の過充電防止剤等の種々の他の化合物を助剤として含有してもよい。
これらは2種以上併用して用いてもよい。
また、上記助剤のうちフッ化ベンゼン、フッ化トルエンは溶媒としても使用することが可能であり、そのときのフッ化ベンゼンの濃度は、非水系電解液全体に対し8質量%以上、50質量%以下の範囲とすることが好ましい。
本発明に係る非水系電解液は、非水溶媒に、電解質、環状亜リン酸エステル化合物と、必要に応じて他の化合物を溶解することにより調製することができる。非水系電解液の調製に際しては、各原料は、電解液とした場合の水分を低減させるため予め脱水しておくことが好ましい。通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下、特に好ましくは10ppm以下までそれぞれ脱水するのがよい。また、電解液調製後に、脱水、脱酸処理等を実施してもよい。
本発明に係る非水系電解液が、高温保存時における特性劣化の抑制とガス発生を抑制する理由は明らかではなく、本発明は下記の作用機構に限定されるものではないが、次のように推察される。
従来から用いられている亜リン酸エステル化合物は、吸着又は一部酸化分解して、正極表面上にリン原子含む保護層を形成し、活性の高い正極と電解液成分との副反応を抑制していると考えられる。これに対して、本発明の非水系電解液に含まれる環状亜リン酸エステル化合物は、環状構造を有することにより亜リン酸部位の構造が規定されて正極表面上への吸着能が高まるため、高温保存時における特例劣化を抑制する効果がより向上するとともに、酸化分解して結合が切れた場合でもガス化しにくいため、ガス発生を抑制することができると考えられる。
本発明の非水系電解液二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が上記した電解液であることを特徴とするものである。
本発明に係る非水系電解液二次電池は、上記本発明の電解液を用いて作製される以外は従来公知の非水系電解液二次電池と同様、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であり、通常、正極と負極とを本発明に係る非水系電解液が含浸されている多孔膜を介してケースに収納することで得られる。従って、本発明に係る二次電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等のいずれであってもよい。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はない。その具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。
これらの負極活物質は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。中でも好ましいものは炭素質材料、合金系材料である。
炭素質材料の中では、特に、黒鉛や黒鉛の表面を黒鉛に比べて非晶質の炭素で被覆したものが好ましい。
黒鉛の表面を非晶質の炭素で被覆したものとして好ましいのは、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.338nmである黒鉛を核材とし、その表面に該核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料が付着しており、かつ核材と核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料との割合が重量比で99/1〜80/20であるものである。これを用いると、高い容量で、かつ電解液と反応しにくい負極を製造することができる。
・ケイ素及び/又はスズと酸素との元素比が通常0.5以上であり、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下のケイ素及び/又はスズの酸化物。
・ケイ素及び/又はスズと窒素との元素比が通常0.5以上であり、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下のケイ素及び/又はスズの窒化物。
・ケイ素及び/又はスズと炭素との元素比が通常0.5以上であり、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下のケイ素及び/又はスズの炭化物。
中でも、
(a)1.2≦x≦1.4、1.5≦y≦1.7、z=0
(b)0.9≦x≦1.1、1.9≦y≦2.1、z=0
(c)0.7≦x≦0.9、2.1≦y≦2.3、z=0
の構造が、電池性能のバランスが良好なため特に好ましく、特に好ましい代表的な組成は、(a)ではLi4/3Ti5/3O4、(b)ではLi1Ti2O4、(c)ではLi4/5Ti11/5O4である。
また、Z≠0の構造については、例えば、Li4/3Ti4/3Al1/3O4が好ましいものとして挙げられる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はない。リチウムと少なくとも1種の遷移金属を含有する物質が好ましく、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられる。
活物質を結着する結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和結合を有するポリマー及びその共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系ポリマー及びその共重合体等が挙げられる。
増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が挙げられる。
導電材としては、銅又はニッケル等の金属材料、グラファイト又はカーボンブラック等の炭素材料等が挙げられる。
電極は、常法にしたがって製造することができる。例えば、負極又は正極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー化し、これを集電体に塗布、乾燥した後に、プレスすることによって形成することができる。
また、活物質に結着剤や導電材等を加えたものをそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成型によりペレット電極としたり、蒸着・スパッタ・メッキ等の手法で集電体上に電極材料の薄膜を形成することもできる。
また、正極活物質層の乾燥、プレス後の密度は、通常2.0g/cm3以上であり、好ましくは2.5g/cm3以上、より好ましくは3.0g/cm3以上である。
正極と負極の間には、短絡を防止するために多孔膜(セパレータ)を介在させる。この場合、電解液は多孔膜に含浸させて用いる。多孔膜の材質や形状は、電解液に安定であり、かつ保液性に優れていれば、特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等が好ましい。
本発明に係る電池に使用する電池の外装体の材質も任意であり、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン、ラミネートフィルム等が用いられる。
上記した本発明の非水系電解液二次電池の作動電圧は通常2V〜6Vの範囲である。
尚、下記実施例及び比較例で得られた電池の各評価方法を以下に示す。
非水系電解液二次電池を、ガラス板で挟んで加圧した状態で、25℃において、0.2Cに相当する定電流で4.1Vまで充電した後、0.2Cの定電流で3Vまで放電した。これを3サイクル行って電池を安定させた。次いで、0.5Cの定電流で4.3Vまで充電後、4.3Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電を実施し、0.2Cの定電流で3Vまで放電して、初期放電容量を求めた。
ここで、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、例えば、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
容量評価試験の終了した電池を、エタノール浴中に浸して体積を測定した後、25℃において0.5Cの定電流で4.3Vまで充電後、4.3Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電した。その後、85℃で3日間保存した。
電池を十分に冷却させた後、エタノール浴中に浸して体積を測定し、保存前後の体積変化から発生したガス量(高温保存後の発生ガス量)を求めた。
次に、25℃において0.2Cの定電流で3Vまで放電させ、高温保存特性試験後の残存容量を測定し、初期放電容量に対する保存試験後の放電容量の割合を求め、これを高温保存後の残存容量(%)とした。
容量評価試験の終了した電池を、25℃において、0.5Cの定電流で4.3Vまで充電後、4.3Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電し、0.5Cの定電流で3Vまで放電をするサイクル試験を実施した。1サイクル目の放電容量を100とした場合の100サイクル後の放電容量(%)を求めた。
<非水系電解液の調製>
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(容量比2:3:5)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート1質量%と5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン0.5質量%を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.2モル/リットルの割合となるように溶解して電解液を調製した。
正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co01/3Mn1/3O2)94質量%と、導電材としてアセチレンブラック3質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した。これを厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布、乾燥した後、正極活物質層の密度が3.1g/cm3になるようにプレスして正極を作製した。
負極活物質として人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)98質量部に、増粘剤、バインダーとしてそれぞれ、カルボキシメチルセルロースナトリウムの水性ディスパージョン(カルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度1質量%)100質量部、及び、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン(スチレン−ブタジエンゴムの濃度50質量%)2質量部を加え、ディスパーザーで混合してスラリー化した。このスラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に均一に塗布、乾燥した後、負極活物質層の密度が1.6g/cm3になるようにプレスして負極を作製した。
上記の正極、負極、及びポリエチレン製のセパレータを、正極、セパレータ、負極、セパレータ、正極の順に積層して電池要素を作製した。この電池要素をアルミニウム(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋内に正・負極の端子を突設させながら挿入した後、非水系電解液を袋内に注入し、真空封止を行ない、シート状の非水系電解液二次電池を作製した。
この非水系電解液二次電池を用いて、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を実施した。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナンに代えて、5,5−ジメチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナンを使用した以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(容量比2:3:5)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート1質量%とフルオロエチレンカーボネート0.5質量%と5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン0.5質量%を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.2モル/リットルの割合となるように溶解して調製した電解液を使用した以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(容量比2:3:5)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート1質量%とジフルオロリン酸リチウム0.5質量%と5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン0.5質量%を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.2モル/リットルの割合となるように溶解して調製した電解液を使用した以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナンを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナンに代えて、トリエチルホスファイトを使用した以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナンに代えて、トリフルオロエチルホスファイトを使用した以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒(容量比2:3:5)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート1質量%と5,5−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1,3,2−ジオキサホスホリナン10質量%を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.2モル/リットルの割合となるように溶解して調製した電解液を使用した以外、実施例1と同様にして非水系電解液二次電池を作製し、高温保存特性評価試験及びサイクル特性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- 電解質及び非水溶媒を含む二次電池用の非水系電解液であって、6員環構造を有し、かつフッ素を含有する環状亜リン酸エステル化合物を、該非水系電解液中に0.2〜5質量%含有することを特徴とする非水系電解液。
- 更に、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する、請求項1に記載の非水系電解液。
- リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに請求項1又は2に記載の非水系電解液を含む、非水系電解液電池。
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