JP2009070615A - 非水系電解液及び非水系電解液電池 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、近年の非水系電解液電池に対する高性能化の要求はますます高くなっており、電池特性の改善が要望されている。
例えば、特許文献1には、高温保存時の電池性能劣化が抑制された電池を作製するために、ホスフィン酸エステルを含有する電解液が提案されている。
さらに、特許文献3にも、難燃性に優れた電池を作成するために、ホスホノアセテート類を含有する電解液を含有する電解液が提案されている。
特許文献2及び特許文献3に記載されている電解液を用いた非水系電解液二次電池では、電解液中に含まれるホスホノアセテート類がカルボニル基のα位に水素原子を有しているため、負極側での還元分解時に、水素の脱離反応が生じやすいと推定され、電池特性の面で、未だ満足しうるものではなかった。
本発明の非水系電解液は、常用の非水系電解液と同じく、電解質及びこれを溶解する非水溶媒を含有するものであり、通常、これらを主成分とするものである。
電解質としては、通常、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、この用途に用いることが知られているものであれば特に制限がなく、任意のものを用いることができ、具体的には以下のものが挙げられる。
これらのリチウム塩は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒も、従来から非水系電解液の溶媒として公知のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、炭素−炭素不飽和結合をもたない環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、環状カルボン酸エステル類、鎖状カルボン酸エステル類、含硫黄有機溶媒、含燐有機溶媒等が挙げられる。
本発明に係る非水系電解液は、上述の電解質と非水溶媒を含有するが、これに更に下記一般式(1)で表される化合物を含有していることを特徴としている。
また、R3及びR4は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、RO基から選ばれる基であることが好ましく、アルキル基、アルケニル基、RO基から選ばれる置換基であることが特に好ましい。
メチル(ジメチルホスフィニル)フォルメート、
メチル(ジエチルホスフィニル)フォルメート、
メチル(ジプロピルホスフィニル)フォルメート、
メチル[ビス(トリフルオロメチル)ホスフィニル]フォルメート、
メチル[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィニル]フォルメート、
エチル(ジメチルホスフィニル)フォルメート、
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エチル(ジプロピルホスフィニル)フォルメート、
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エチル[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィニル]フォルメート、
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エチル(エトキシフルオロホスフィニル)フォルメート等
メチル(ジメチルホスフィニル)アセテート、
メチル(ジエチルホスフィニル)アセテート、
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エチル(ジメチルホスフィニル)アセテート、
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エチル(ジプロピルホスフィニル)アセテート、
エチル[ビス(トリフルオロメチル)ホスフィニル]アセテート、
エチル[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフィニル]アセテート、
メチル(ジメチルホスフィニル)フルオロアセテート、
メチル(ジエチルホスフィニル)フルオロアセテート、
エチル(ジメチルホスフィニル)フルオロアセテート、
エチル(ジエチルホスフィニル)フルオロアセテート、
メチル−2−(ジメチルホスフィニル)プロピオネート、
メチル−2−(ジエチルホスフィニル)プロピオネート、
エチル−2−(ジメチルホスフィニル)プロピオネート、
エチル−2−(ジエチルホスフィニル)プロピオネート、
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メチル(ジフルオロホスフィニル)アセテート、
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メチル(メトキシメチルホスフィニル)アセテート、
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エチル(メトキシメチルホスフィニル)アセテート、
エチル(エトキシエチルホスフィニル)アセテート、
メチル(メトキシフルオロホスフィニル)アセテート、
エチル(エトキシフルオロホスフィニル)アセテート、
トリメチルホスホノフルオロアセテート、
メチル(ジエチルホスホノ)フルオロアセテート、
トリエチルホスホノフルオロアセテート、
トリメチル−2−ホスホノプロピオネート、
メチル−2−ジエチルホスホノプロピオネート、
トリエチル−2−ホスホノプロピオネート、
エチル−2−ジメチルホスホノプロピオネート、
メチル−2−[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ]プロピオネート、
エチル−2−[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホノ]プロピオネート、
トリメチル−2−ホスホノブチレート、
メチル−2−ジエチルホスホノブチレート、
トリエチル−2−ホスホノブチレート、
エチル−2−ジメチルホスホノブチレート等
メチル−3−(ジメチルホスフィニル)プロピオネート、
メチル−3−(ジエチルホスフィニル)プロピオネート、
エチル−3−(ジメチルホスフィニル)プロピオネート、
エチル−3−(ジエチルホスフィニル)プロピオネート、
メチル−3−(ジメチルホスフィニル)ブチレート、
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メチル−3−(メトキシメチルホスフィニル)プロピオネート、
メチル−3−(エトキシエチルホスフィニル)プロピオネート、
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エチル−3−(エトキシエチルホスフィニル)プロピオネート等
メチル(ジメチルホスフィニル)フォルメート、
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エチル(ジメチルホスフィニル)フォルメート、
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エチル(エトキシフルオロホスフィニル)フォルメート等
メチル(ジメチルホスフィニル)アセテート、
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エチル(ジメチルホスフィニル)アセテート、
エチル(ジエチルホスフィニル)アセテート、
メチル(ジメチルホスフィニル)フルオロアセテート、
メチル(ジエチルホスフィニル)フルオロアセテート、
エチル(ジメチルホスフィニル)フルオロアセテート、
エチル(ジエチルホスフィニル)フルオロアセテート、
メチル−2−(ジメチルホスフィニル)プロピオネート、
メチル−2−(ジエチルホスフィニル)プロピオネート、
エチル−2−(ジメチルホスフィニル)プロピオネート、
エチル−2−(ジエチルホスフィニル)プロピオネート、
メチル−2−(ジメチルホスフィニル)ブチレート、
メチル−2−(ジエチルホスフィニル)ブチレート、
エチル−2−(ジメチルホスフィニル)ブチレート、
エチル−2−(ジエチルホスフィニル)ブチレート、
メチル(ジフルオロホスフィニル)アセテート、
エチル(ジフルオロホスフィニル)アセテート、
メチル(メトキシメチルホスフィニル)アセテート、
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メチル(メトキシフルオロホスフィニル)アセテート、
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トリメチルホスホノフルオロアセテート、
メチル(ジエチルホスホノ)フルオロアセテート、
トリエチルホスホノフルオロアセテート、
トリメチル−2−ホスホノプロピオネート、
メチル−2−ジエチルホスホノプロピオネート、
トリエチル−2−ホスホノプロピオネート、
エチル−2−ジメチルホスホノプロピオネート、
トリメチル−2−ホスホノブチレート、
メチル−2−ジエチルホスホノブチレート、
トリエチル−2−ホスホノブチレート、
エチル−2−ジメチルホスホノブチレート等
本発明に係る非水系電解液は、本発明の効果を損ねない範囲で、炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物や従来公知の過充電防止剤などの種々の他の化合物を助剤として含有していてもよい。
炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネート化合物は、負極の表面に安定な保護被膜を形成するため、電池のサイクル特性を向上させることができる。
2種類以上を併用する場合は、ビニレンカーボネートとビニルエチレンカーボネートとを併用するのが好ましい。
フッ素原子を有する環状カーボネート化合物も、負極の表面に安定な保護被膜を形成するため、電池のサイクル特性を向上させることができる。
また、フッ素原子を有する環状カーボネート化合物は炭素−炭素不飽和結合を有する環状カーボネートと併用して用いても良く、サイクル特性向上の点からは、ビニレンカーボネートやビニルエチレンカーボネートと併用するのが好ましい。
過充電防止剤としては、ビフェニル、2−メチルビフェニル等のアルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、シス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−プロピル−4−フェニルシクロヘキサン、シス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、トランス−1−ブチル−4−フェニルシクロヘキサン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物等が挙げられる。
2種以上を併用する場合は、特に、ターフェニルの部分水素化体やシクロヘキシルベンゼンとt−ブチルベンゼンやt−アミルベンゼンとの組み合わせや、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン等の酸素を含有しない芳香族化合物から選ばれるものと、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の含酸素芳香族化合物から選ばれるものとを併用するのが、過充電防止特性と高温保存特性のバランスの点から好ましい。
他の助剤としては、特に制限されるものではないが、次のようなものが挙げられる。
エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート、メトキシエチル−メチルカーボネート等のカーボネート化合物;
無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物及びフェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;
コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジアリル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジアリル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ビス(トリフルオロメチル)、マレイン酸ビス(ペンタフルオロエチル)、マレイン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)等のジカルボン酸ジエステル化合物;
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ジビニル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のスピロ化合物;
エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブテンスルトン、メチルメタンスルホネート、エチルメタンスルホネート、メチル−メトキシメタンスルホネート、メチル−2−メトキシエタンスルホネート、ブスルファン、ジエチレングリコールジメタンスルホネート、1,2−エタンジオールビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート)、1,4−ブタンジオールビス(2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート)、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;
1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;
ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシル等の炭化水素化合物;
フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等のフッ化ベンゼン及びフッ化トルエン;
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル等のニトリル化合物;
モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ジフルオロリン酸ナトリウム等のフルオロリン酸塩;
本発明に係る非水系電解液は、非水溶媒に、電解質、一般式(1)で表される化合物及び必要に応じて配合される他の化合物を溶解することにより調製することができる。非水系電解液の調製に際しては、各原料は、電解液とした場合の水分を低減させるため予め脱水しておくのが好ましく、水分濃度が通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下、特に好ましくは10ppm以下までそれぞれ脱水するのがよい。また、電解液調製後に、脱水、脱酸処理等を実施してもよい。
本発明の非水系電解液電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が上記した本発明の非水系電解液であることを特徴とするものである。
前述の如く、本発明の非水系電解液は、非水系電解液電池の中でも二次電池用、即ち非水系電解液二次電池、例えばリチウム二次電池用の電解液として用いるのに好適であることから、以下、本発明の非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池について説明する。
本発明に係る非水系電解液二次電池は、上記本発明の非水系電解液を用いて作製される以外は従来公知の非水系電解液二次電池と同様、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であり、通常、正極と負極とを本発明に係る非水系電解液が含浸されている多孔膜を介してケースに収納することで得られる。従って、本発明に係る二次電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型、大型等のいずれであってもよい。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料や金属化合物、リチウム金属及びリチウム合金などを用いることができる。これらの負極活物質は1種を単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。なかでも好ましいものは炭素質材料、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物である。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はないが、リチウムと少なくとも1種の遷移金属を含有する物質が好ましく、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられる。
活物質を結着する結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和結合を有するポリマー及びその共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系ポリマー及びその共重合体などが挙げられる。
増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が挙げられる。
導電材としては、銅又はニッケル等の金属材料、グラファイト又はカーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。
電極の製造は、常法によればよい。
例えば、負極又は正極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー化し、これを集電体に塗布、乾燥した後に、プレスすることによって形成することができる。
また、正極活物質層の乾燥、プレス後の密度は、通常2.0g/cm3以上であり、好ましくは2.5g/cm3以上、より好ましくは3.0g/cm3以上である。
正極と負極の間には、短絡を防止するために多孔膜(セパレータ)を介在させる。この場合、電解液は多孔膜に含浸させて用いる。多孔膜の材質や形状は、電解液に安定であり、かつ保液性に優れていれば、特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等が好ましい。
尚、下記実施例及び比較例で得られた電池の各評価方法を以下に示す。
非水系電解液二次電池を、電極間の密着性を高めるためにガラス板で挟んだ状態で、25℃において、0.2Cに相当する定電流で4.2Vまで充電した後、0.2Cの定電流で3Vまで放電した。これを3サイクル行って電池を安定させ、4サイクル目は、0.5Cの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電を実施し、0.2Cの定電流で3Vまで放電して、初期放電容量を求めた。
ここで、1Cとは電池の基準容量を1時間で放電する電流値を表し、0.2Cとはその1/5の電流値を表す。
容量評価試験の終了した電池を、エタノール浴中に浸して体積を測定した後、60℃において、0.5Cの定電流で定電流充電を行い、4.25Vに到達した後、定電圧充電に切り替え、1週間連続充電を行った。
電池を冷却させた後、エタノール浴中に浸して体積を測定し、連続充電の前後の体積変化から発生したガス量を求めた。
発生ガス量の測定後、25℃において0.2Cの定電流で3Vまで放電させ、連続充電試験後の残存容量を測定し、初期放電容量に対する連続充電試験後の放電容量の割合を求め、これを連続充電後の残存容量(%)とした。
容量評価試験の終了した電池を、45℃において、0.5Cの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電し、1Cの定電流で3Vまで放電をするサイクル試験を300サイクル実施した。その後、25℃において0.5Cの定電流で4.2Vまで充電後、4.2Vの定電圧で電流値が0.05Cになるまで充電を実施し、1Cの定電流で3Vまで放電して、サイクル試験後の1C放電容量を測定した。
初期放電容量に対するサイクル試験後の1C放電容量の割合を求め、これをサイクル試験後の1C放電容量(%)とした。
<負極の製造>
X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、結晶子サイズ(Lc)が652nm、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が12μm、BET法による比表面積が7.5m2/g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析から求めたR値(=IB/IA)が0.12、1570〜1620cm-1の範囲にあるピークの半値幅が19.9cm-1である天然黒鉛粉末94重量部とポリフッ化ビニリデン6重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリドンを加えスラリー状にした。このスラリーを厚さ12μmの銅箔の片面に均一に塗布、乾燥した後、負極活物質層の密度が1.67g/cm3になるようにプレスして負極とした。
LiCoO2 90重量部、カーボンブラック4重量部及びポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製、商品名「KF−1000」)6重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンを加えスラリーし、これを厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布、乾燥した後、正極活物質層の密度が3.2g/cm3になるようにプレスして正極とした。
乾燥アルゴン雰囲気下、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合物(容量比2:3:3)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート2重量%とトリエチル−2−ホスホノプロピオネート0.5重量%を混合し、次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0モル/リットルの割合となるように溶解して電解液とした。
上記の正極、負極、及びポリエチレン製のセパレータを、負極、セパレータ、正極、セパレータ、負極の順に積層して電池要素を作製した。この電池要素をアルミニウム(厚さ40μm)の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる袋内に正極負極の端子を突設させながら挿入した後、上記電解液を袋内に注入し、真空封止を行い、シート状電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、トリエチル−2−ホスホノプロピオネートに代えて、トリエチル−2−ホスホノブチレートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、トリエチル−2−ホスホノプロピオネートに代えて、トリエチルホスホノフルオロアセテートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、トリエチル−2−ホスホノプロピオネートに代えて、エチル(ジエチルホスフィニル)アセテートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合物(容量比2:3:3)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート1重量%、フルオロエチレンカーボネート1重量%及びトリエチル−2−ホスホノプロピオネート0.5重量%を混合した。次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0モル/リットルの割合となるように溶解して調製した電解液を使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合物(容量比2:3:3)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート2重量%を混合した。次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0モル/リットルの割合となるように溶解して調製した電解液を使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートの混合物(容量比2:3:3)に、非水系電解液中の含有量としてビニレンカーボネート1重量%及びフルオロエチレンカーボネート1重量%を混合した。次いで十分に乾燥したLiPF6を1.0モル/リットルの割合となるように溶解して調製した電解液を使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、トリエチル−2−ホスホノプロピオネートに代えて、エチルジエチルホスフィネートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例1の電解液において、トリエチル−2−ホスホノプロピオネートに代えて、トリエチルホスホノアセテートを使用した以外、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池を作製し、連続充電特性及びサイクル試験後の電池特性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- 電解質及び非水溶媒を含む非水系電解液において、該非水系電解液が、下記一般式(1)で表される化合物を含有していることを特徴とする非水系電解液。
- 非水系電解液に占める一般式(1)で表される化合物の合計の割合が、0.001〜10重量%であることを特徴とする請求項1に記載の非水系電解液。
- リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極及び正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液電池であって、該非水系電解液が請求項1又は2に記載の非水系電解液であることを特徴とする非水系電解液電池。
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