JP2021163646A - 蓄電デバイス用組成物 - Google Patents

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雅人 田渕
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Abstract

【課題】蓄電デバイスにおける蓄電デバイス用部品においては、含有する水分量を低減することが求められており、蓄電デバイス用部品を高温で乾燥させることになる。しかし、ポリエーテル重合体は乾燥時の耐熱性が課題である。【課題を解決するための手段】ポリエーテル重合体とともに(メタ)アクリル架橋粒子を含有させることにより、蓄電デバイス用部品に用いられ、高温で乾燥された際にも、高い耐熱性を有することを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、蓄電デバイスにおけるセパレータに塗布する等に用いられる耐熱性に優れたポリエーテル重合体を含有する蓄電デバイス用組成物、該組成物を用いてなる蓄電デバイス用部品、及び該蓄電デバイス用部品を具備する蓄電デバイスに関するものである。
最近のマイクロエレクトロニクス化は、各種電子機器のメモリーバックアップ用電源に代表されるように、顕著になっている。すなわち、電池の電子機器内への収納、エレクトロニクス素子との一体化等に伴って、電池の小型化、軽量化、更には高エネルギー密度を有する蓄電デバイスが要望されている。更に近年、カムコーダ、携帯用通信機器、ラップトップコンピューター等の各種小型電子機器の小型化、軽量化に伴い、それらの駆動用電源として高エネルギー密度の蓄電デバイスの要求が高まってきており、それらの研究開発が盛んに行われている。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなどの高エネルギー密度な蓄電デバイスは、一対の電極とセパレータとを備え、電解質溶液が含浸された構成のものであり、産業用または民生用の種々の電気・電子機器に使用されている。
従来、電気化学反応を利用したリチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスはより一層の高容量化、高機能化、小型化、軽量化が求められている。例えば、蓄電デバイスの高容量化に対応するために、充放電時の自己発熱もしくは異常充電時などの異常発熱に耐えうる耐熱性、機械的強度が蓄電デバイスにおける蓄電デバイス用部品に求められている。
本出願人は、蓄電デバイスの高機能化、特に、急速充放電特性および高出力特性を向上させるために、セパレータにポリエーテル重合体を含有させることを行っている。(特許文献1、2参照)
特開2013−152857号公報 国際公開2019/194094号公報
蓄電デバイスにおける蓄電デバイス用部品においては、含有する水分量を低減することが求められており、蓄電デバイス用部品を高温で乾燥させることになる。しかし、ポリエーテル重合体は乾燥時における耐熱性に課題であることが明らかになった。
本発明者らは、上記課題を解決するために、ポリエーテル重合体とともに(メタ)アクリル架橋粒子を含有させることにより、蓄電デバイス用部品に用いられ、高温で乾燥された際にも問題がないような高い耐熱性を有することを見出した。
すなわち、本発明は、以下に関する。
項1 ポリエーテル重合体と(メタ)アクリル架橋粒子を含有する蓄電デバイス用組成物。
項2 (メタ)アクリル架橋粒子の平均粒子径が50〜350nmである項1記載の蓄電デバイス用組成物。
項3 項1又は2に記載の蓄電デバイス用組成物を用いてなる蓄電デバイス用部品。
項4 項3に記載の蓄電デバイス用部品を用いてなる蓄電デバイス。
本発明のポリエーテル重合体と(メタ)アクリル架橋粒子を含有する蓄電デバイス用組成物は高い耐熱性を有しているため、蓄電デバイス用部品に好適に用いることができ、蓄電デバイス用部品を十分に乾燥することが可能になり、含有する水分量を低減することができ、該蓄電デバイス用部品を用いてなる蓄電デバイスは良好な容量維持率を有する点で好ましい。
本明細書において、蓄電デバイスとは、二次電池(リチウムイオン二次電池及びニッケル水素二次電池等)、電気化学キャパシタを包含するものである。また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル」を意味し、これに類する表現についても同様である。
<1.蓄電デバイス用組成物>
本発明の蓄電デバイス用組成物はポリエーテル重合体と(メタ)アクリル架橋粒子を含有する。「蓄電デバイス用組成物」とは、蓄電デバイス用組成物が蓄電デバイス部品に用いられた後に、該蓄電デバイス部品が蓄電デバイスに具備することに基づいており、セパレータ用組成物等の蓄電デバイス部品用組成物として記載することもできる。
ポリエーテル重合体
ポリエーテル重合体としては、エチレンオキシド由来の構成単位を有することが好ましい。
エチレンオキシド由来の構成単位を有するポリエーテル重合体としては、式(1)由来の構成単位を0〜50モル%と、下記式(2)由来の構成単位を30〜100モル%と、下記式(3)由来の構成単位を0〜20モル%を含有するポリエーテル重合体であることが好ましい。なお、構成単位は繰り返し単位と記載することもできる。
式(1):
Figure 2021163646
[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、または−CHO(CR)である。R、R、Rは水素原子または−CHO(CHCHO)であり、nおよびRはR、R、Rの間で異なっていてもよい。Rは炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基であり、nは0〜12の整数である。]
式(2):
Figure 2021163646
式(3)
Figure 2021163646

[式中、Rはエチレン性不飽和基を有する基である。]
ここで式(1)由来の構成単位及び式(3)由来の構成単位は、それぞれ2種以上の異なるモノマーから誘導されるものであってもよい。
式(1)の化合物は市販品からの入手、またはエピハロヒドリンとアルコールからの一般的なエーテル合成法等により容易に合成が可能である。また、アリール基としては、フェニル基が挙げられる。
市販品から入手可能な化合物としては、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシヘプタン、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシへキサン、グリシジルフェニルエーテル、1,2−エポキシペンタン、グリシジルイソプロピルエーテルなどが使用できる。これら市販品のなかでは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテルが好ましく、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテルが特に好ましい。
合成によって得られる式(1)で表される単量体では、Rは−CHO(CR)が好ましく、R、R、Rの少なくとも一つが−CHO(CHCHO)であることが好ましい。Rは炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。nは0〜6が好ましく、0〜4がより好ましい。
式(2)の化合物は基礎化学品であり、市販品を容易に入手可能である。
式(3)の化合物において、Rはエチレン性不飽和基を含む置換基であり、炭素数としては2〜6であることが好ましい。エチレン性不飽和基含有のモノマー成分としては、アリルグリシジルエーテル、4−ビニルシクロヘキシルグリシジルエーテル、α−テルピニルグリシジルエーテル、シクロヘキセニルメチルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルフェニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、4,5−エポキシ−2−ペンテン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカンジエン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5−シクロオクテン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ソルビン酸グリシジル、ケイ皮酸グリシジル、クロトン酸グリシジル、グリシジル−4−ヘキセノエートが用いられる。好ましくは、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルである。
ポリエーテル重合体としては、式(1)由来の構成単位、式(2)由来の構成単位、及び式(3)由来の構成単位のモル比率が、(1)0〜50モル%、(2)30〜100モル%、及び(3)0〜20モル%であることが好ましく、(1)0〜40モル%、(2)45〜100モル%、及び(3)0〜15モル%であることがより好ましく、(1)0〜30モル%、(2)65〜100モル%、及び(3)0〜10モル%であることがさらに好ましい。
ポリエーテル重合体としては、式(2)由来の構成単位と、式(1)由来の構成単位及び/又は式(3)由来の構成単位を有することが好ましい。
ポリエーテル重合体としては、式(1)由来の構成単位と式(2)由来の構成単位を有する場合には、式(1)由来の構成単位のモル比率は1モル%以上有することが好ましく、3モル%以上有することがより好ましく、5モル%以上有することが特に好ましく、50モル%以下有することが好ましく、40モル%以下有することがより好ましく、30モル%以下有することが特に好ましい。式(2)由来の構成単位のモル比率は30モル%以上有することが好ましく、45モル%以上有することがより好ましく、50モル%以上有することがさらに好ましく、65モル%以上有することが特に好ましく、99モル%以下有することが好ましく、97モル%以下有することがより好ましく、95モル%以下有することが特に好ましい。
ポリエーテル重合体としては、式(2)由来の構成単位と式(3)由来の構成単位を有する場合には、式(2)由来の構成単位のモル比率は30モル%以上有することが好ましく、45モル%以上有することがより好ましく、65モル%以上有することが特に好ましく、80モル%以上有することが最も好ましく、99モル%以下有することが好ましく、97モル%以下有することがより好ましく、95モル%以下有することが特に好ましい。式(3)由来の構成単位のモル比率は0.5モル%以上有することが好ましく、1モル%以上有することがより好ましく、1.5モル%以上有することが特に好ましく、20モル%以下有することであってもよいが、15モル%以下有することが好ましく、12モル%以下有することがより好ましく、10モル%以下有することが特に好ましい。
ポリエーテル重合体としては、式(1)由来の構成単位と式(2)由来の構成単位と式(3)由来の構成単位を有する場合には、式(1)由来の構成単位のモル比率は1モル%以上有することが好ましく、3モル%以上有することがより好ましく、5モル%以上有することが特に好ましく、50モル%以下有することが好ましく、40モル%以下有することがより好ましく、30モル%以下有することが特に好ましい。式(2)由来の構成単位のモル比率は30モル%以上有することが好ましく、45モル%以上有することがより好ましく、65モル%以上有することが特に好ましく、98.5モル%以下有することが好ましく、96モル%以下有することがより好ましく、93.5モル%以下有することが特に好ましい。式(3)由来の構成単位のモル比率は0.5モル%以上有することが好ましく、1モル%以上有することがより好ましく、1.5モル%以上有することが特に好ましく、15モル%以下有することが好ましく、12モル%以下有することがより好ましく、10モル%以下有することが特に好ましい。
ポリエーテル重合体の重合組成のモル比率は、H−NMRにより各ユニットの積分値を求め、その算出結果から組成を決定することができる。
ポリエーテル重合体は、ブロック重合体、ランダム重合体何れの重合タイプでも良い。ランダム重合体がよりポリエチレンオキシドの結晶性を低下させる効果が大きいので好ましい。
ポリエーテル重合体の重量平均分子量に関しては、重量平均分子量の下限が10万以上であることが好ましく、15万以上であることがより好ましく、30万以上であることが更に好ましく、重量平均分子量の上限は300万以下であることが好ましく、270万以下であることがより好ましく、250万以下が特に好ましい。ポリエーテル重合体の分子量測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を算出した。尚、溶媒にはDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を用いる。
ポリエーテル重合体の合成は次のようにして行える。開環重合触媒として有機アルミニウムを主体とする触媒系、有機亜鉛を主体とする触媒系、有機錫−リン酸エステル縮合物触媒系などの配位アニオン開始剤、または対イオンにKを含むカリウムアルコキシド、ジフェニルメチルカリウム、水酸化カリウムなどのアニオン開始剤を用いて、各モノマーを溶媒の存在下又は不存在下、反応温度10〜120℃、撹拌下で反応させることによってポリエーテル重合体が得られる。
(メタ)アクリル架橋粒子
(メタ)アクリル架橋粒子は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと架橋基として(メタ)アクリロイル基を2以上有するモノマーを重合させることにより得られ、(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位と(メタ)アクリロイル基を2以上有するモノマー由来の構成単位とを有する重合体である。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、芳香族基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを例示することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、炭素数3〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが更に好ましく、炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、及び(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを例示することができる。
芳香族基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール−(メタ)アクリル酸−安息香酸エステル、2−(メタ)アクリロイロキシエチル-フタル酸等が例示され、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシプロピル等が好ましい。
(メタ)アクリル架橋粒子における(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位の下限は、70モル%以上であることが好ましく、75モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが特に好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位の上限は、99.95モル%以下であることが好ましく、95モル%以下であることがより好ましく、90モル%以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位において、芳香族基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位の構成単位の比率の上限は、60モル%以下であることが好ましく、55モル%以下であることがより好ましく、50モル%以下であることが特に好ましい。芳香族基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位の構成単位の比率の下限は、0モル%であってもよく、20モル%以上であってよい。
(メタ)アクリロイル基を2以上有するモノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を2〜5の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであることが好ましく、(メタ)アクリロイル基を2〜4の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであることが特に好ましい。
(メタ)アクリロイル基を2以上有するモノマーとしては、式(4)に示されるモノマーを例示することができる。
Figure 2021163646
式(4)において、Rは、それぞれ同一または異なって、水素原子又はメチル基であり、Rは、2〜5価の炭素数2〜100の有機基であり、mは2〜5の整数である。
(メタ)アクリロイル基を2個有するモノマーの具体例としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を3個有するモノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルコハク酸、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンEO付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO付加トリ(メタ)アクリレート及びトリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を4個有するモノマーの具体例としては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールEO付加テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を5個有するモノマーの具体例としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を2以上有するモノマー由来の構成単位の下限は0.05モル%以上であることが好ましく、0.1モル%以上であることがより好ましく、0.2モル%以上であることが特に好ましい。(メタ)アクリロイル基を2以上有するモノマー由来の構成単位の比率の上限は、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、3モル%以下であることが特に好ましい。
本発明の(メタ)アクリル架橋粒子は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー由来の構成単位と(メタ)アクリロイル基を2以上有するモノマー由来の構成単位以外の構成単位を有してもよく、水酸基を有するモノマーに由来する構成単位、(メタ)アクリル酸モノマーに由来する構成単位を有してもよい。
水酸基を有するモノマーとしては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−プロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−テトラメチレングリコール−モノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上併用できる。これらの中でもポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
水酸基を有するモノマー由来の構成単位を有する場合において、その下限は0.5モル%以上であることが好ましく、1.0モル%以上であることがより好ましく、2.0モル%以上であることが特に好ましい。水酸基を有するモノマー由来の構成単位の上限は、15モル%以下であることが好ましく、12モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸から選択される化合物に由来する構成単位を例示することができ、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
(メタ)アクリル酸モノマーに由来する構成単位を有する場合において、その下限は3モル%以上であることが好ましく、4モル%以上であることがより好ましく、5モル%以上であることが特に好ましい。また、(メタ)アクリル酸モノマーに由来する構成単位の比率の上限は、15モル%以下であることが好ましく、13モル%以下であることがより好ましく、12モル%以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル架橋粒子の平均粒子径は、50〜350nmであることが好ましく、70〜320nmであることがより好ましく、80〜300nmであることが特に好ましい。
(メタ)アクリル架橋粒子の平均粒子径(D50)は、動的光散乱を用いた粒度分布測定装置を測定することが好ましく、動的光散乱を用いた粒度分布測定装置としてはゼータサイザーナノ(スペクトリス株式会社)を例示することができる。
(メタ)アクリル架橋粒子の配合量は、ポリエーテル重合体100質量部に対して、5〜1500質量部であることが好ましく、15〜1200質量部であることがより好ましく、25〜1000質量部であることが特に好ましく、100〜1000質量部であってよい。
(メタ)アクリル架橋粒子を得る方法としては、一般的な乳化重合法、ソープフリー乳化重合法等を使用することができる。具体的には、攪拌機、及び加熱装置付きの密閉容器に室温でモノマー、乳化剤、重合開始剤、水、必要に応じて分散剤、連鎖移動剤、pH調整剤等を含んだ組成物を不活性ガス雰囲気下で攪拌することでモノマー等を水に乳化させる。乳化の方法は撹拌、剪断、超音波等による方法等が適用でき、撹拌翼、ホモジナイザー等を使用することができる。次いで、攪拌しながら温度を上昇させて重合を開始させることで、重合体が水に分散した球形の重合体のラテックスを得ることができる。重合時のモノマーの添加方法は、一括仕込みの他に、モノマー滴下やプレエマルジョン滴下等でもよく、これらの方法を2種以上併用してもよい。尚、プレエマルジョン滴下とは先にモノマー、乳化剤、水等を予め乳化させておき、その乳液を滴下していく添加方法を指す。
本発明で用いられる乳化剤は特に限定されない。乳化剤は界面活性剤であり、この界面活性剤には反応性基を有する反応性界面活性剤が含まれる。乳化重合法おいて一般的に用いられるノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤等を使用することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、反応性のノニオン性界面活性剤としては、ラテムルPD−420、430、450(花王社製)、アデカリアソープER(アデカ社製)、アクアロンRN(第一工業製薬社製)、アントックスLMA(日本乳化剤社製)、アントックスEMH(日本乳化剤社製)等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、硫酸エステル型、カルボン酸型、又はスルホン酸型の金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、リン酸エステル型の界面活性剤等を挙げることができる。硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型が好ましく、硫酸エステル型が特に好ましい。硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤の代表例としてはドデシル硫酸等のアルキル硫酸金属塩、アンモニウム、又はアルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸金属塩、アンモニウム塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、硫酸エステル型の反応性アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラテムルPD−104、105(花王社製)、アデカリアソープSR(アデカ社製)、アクアロンHS(第一工業製薬社製)、アクアロンKH(第一工業製薬社製)が挙げられる。好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラテムルPD−104等が挙げられる。
これらノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤は1種または2種以上用いてもよい。
反応性界面活性剤の反応性とは、反応性二重結合を含有し、重合時にモノマーと重合反応することを意味する。すなわち、反応性界面活性剤は、重合体を作製する重合の際にモノマーの乳化剤として働くと共に、重合後は重合体の一部に共有結合して取り込まれた状態となる。そのため、乳化重合及び作製した重合体の分散が良好であり、電極用バインダーとしての物性(屈曲性、結着性)が優れている。
乳化剤の構成単位の量は乳化重合法おいて一般的に用いられる量であればよい。具体的には、仕込みのモノマー量(100質量部)に対して、0.01〜25質量部の範囲であり、好ましくは0.05〜20質量部、更に好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明で用いられる重合開始剤は特に限定されず、乳化重合法、懸濁重合法おいて一般的に用いられる重合開始剤を使用することができる。好ましくは乳化重合法である。乳化重合法では水溶性の重合開始剤、懸濁重合法では油溶性の重合開始剤が使われる。
その水溶性の重合開始剤の具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩に代表される水溶性の重合開始剤、2−2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、またはその塩酸塩または硫酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンアミジン)、又はその塩酸塩又は硫酸塩、3,3’−[アゾビス[(2,2−ジメチル−1−イミノエタン−2,1−ジイル)イミノ]]ビス(プロパン酸)、2,2’‐[アゾビス(ジメチルメチレン)]ビス(2‐イミダゾリン)などの水溶性のアゾ化合物の重合開始剤が好ましい。
油溶性の重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、アセチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)などの油溶性のアゾ化合物の重合開始剤、レドックス系開始剤が好ましい。これら重合開始剤は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の使用量は乳化重合法または懸濁重合法おいて一般的に用いられる量であればよい。具体的には、仕込みのモノマー量(100質量部)に対して、0.01〜10質量%の範囲であり、好ましくは0.01〜5質量部、更に好ましくは0.02〜3質量部である。
連鎖移動剤は、必要に応じて用いることができる。連鎖移動剤の具体例としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上用いてもよい。これらの連鎖移動剤の量は特に限定されないが、通常、仕込モノマー量100質量部に対して0〜5質量部にて使用される。
(メタ)アクリル架橋粒子の重合時間及び重合温度は特に限定されない。使用する重合開始剤の種類等から適宜選択できるが、一般的に、重合温度は20〜100℃であり、重合時間は0.5〜100時間である。
蓄電デバイス用組成物には、熱重合開始剤、光反応開始剤、架橋助剤、溶媒等を含有しても良い。
熱重合開始剤として、有機過酸化物系、アゾ化合物系等から選ばれるラジカル開始剤が挙げられる。
有機過酸化物系としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
アゾ化合物系としてはアゾニトリル化合物、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物等、通常架橋用途に使用されているものが用いられ、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)・二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2'−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられる。
本発明に用いることができる光反応開始剤として、アルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、チタノセン類、トリアジン類、ビスイミダゾール類、オキシムエステル類などが挙げられる。アルキルフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系の光反応開始剤が好ましい。光反応開始剤として、種類以上併用することも可能である。
アルキルフェノン系光反応開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オンなどが挙げられる。2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンが好ましい。
ベンゾフェノン系光反応開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾイルベンゾエートなどが挙げられる。ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド系光反応重合開始剤の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
熱重合開始剤の量はポリエーテル重合体100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲内が好ましく、更に好ましくは0.1〜4.0質量部である。
光反応開始剤の量はポリエーテル重合体100質量部に対して0.01〜6.0質量部の範囲内が好ましく、更に好ましくは0.1〜4.0質量部である。
光反応開始剤を用いる場合には、架橋助剤を併用してもよい。架橋助剤は、通常、多官能性化合物(例えば、CH=CH−、CH=CH−CH−、CF=CF−を少なくとも2個含む化合物)である。架橋助剤の具体例は、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェート、ヘキサフルオロトリアリルイソシアヌレート、N−メチルテトラフルオロジアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどである。
溶媒としては、水、非プロトン性有機溶媒を例示することができる。非プロトン性有機溶媒としては、非プロトン性のニトリル類、エーテル類及びエステル類が好ましい。具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、バレロニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル類、エチレングリコールジメチルエーテル(1,2−ジメトキシエタン)、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,6−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、クラウンエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ−テル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル(メチルエチルカーボネート)、炭酸ジエチル(ジエチルカーボネート)、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル、炭酸エチレン(エチレンカーボネート)、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、安息香酸メチル、安息香酸エチ、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のエステル類が挙げられる。
溶媒としては、量は特に限定されないが、ポリエーテル重合体100質量部に対して100〜3000質量部程度であればよい。
蓄電デバイス用組成物は正極、負極、セパレータ等の蓄電デバイスに用いられる部品に用いられる。一方で、部品としてセパレータを用いる際には、セパレータにセラミックコーティングを施すことがある。その際には、蓄電デバイス用組成物に無機粒子を含有させ、セパレータに塗布等することにより、セラミックコーティングされたセパレータとすることもできる。
蓄電デバイス用組成物に無機粒子を含有させる場合には、ポリエーテル重合体100質量部に対して、無機粒子200〜5000質量部含有させればよく、300〜3000質量部含有させることが好ましく、500〜2000質量部含有させることが特に好ましい。
無機粒子としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛及び酸化鉄などの酸化物系セラミックス、窒化ケイ素、窒化チタン及び窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス等を例示することができる。
<2.蓄電デバイス用部品>
蓄電デバイス用部品は、「1.蓄電デバイス用組成物」を用いて作製される。具体的には、正極、負極、セパレータ等の蓄電デバイスに用いられる部品に蓄電デバイス用組成物を塗布、浸漬等することにより作製される。尚、塗布、浸漬等した後に、乾燥させることにより、溶媒等を除去してもよい。
本塗布する方法としては、特に制約はないが、蓄電デバイス用組成物を、その粘度、目的の塗工膜の厚みに応じてマイクログラビア、スロットダイ、ナイフコーティング等から適した方式で蓄電デバイス用部品上に塗布することができる。
乾燥方法としては、ヒーター式、熱風乾燥式、赤外線照射式、真空式等の乾燥設備を用いることができる。
蓄電デバイスに用いられる部品に蓄電デバイス用組成物を塗布、浸漬等後に紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより、又は熱を加えることにより、前記のポリエーテル共重合体の架橋物を担持させることができる。
本発明で用いられるポリエーテル共重合体を架橋させるために用いる光の活性エネルギー線は、紫外線、可視光、電子線等を用いることができる。この中でも特に装置の価格、制御のしやすさから紫外線が好ましい。
架橋反応は、熱による場合は、室温から200℃ぐらいの温度設定で10分から24時間程度加熱することによって行なうことができる。紫外線による場合では、キセノンランプ、水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプを用いることができ、例えば、電解質を波長365nm、光量1〜50mW/cmで0.1〜30分間照射することによって行うことができる。
架橋反応は、光反応開始剤、熱重合開始剤を含有させた蓄電デバイス用組成物を用いて、蓄電デバイスに用いられる部品に塗布後、又は蓄電デバイスに用いられる部品を浸漬後に、蓄電デバイスに用いられる部品を乾燥前・乾燥時・乾燥後に行ってもよい。
蓄電デバイスに用いられる部品としては、正極、負極、セパレータを例示することができる。正極、負極、セパレータは公知のものを使用することができる。正極、負極、セパレータの公知のものとしては以下を例示するが、特に限定されることはない。
正極
正極は集電体上に正極活物質を含有する正極材料層を有する。
集電体の材料は、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。集電体用金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、銅、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面から銅、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましく、正極に用いる集電体としては、例えばアルミニウム箔等の金属箔が好適に用いられる。
正極材料層としては、正極活物質を含有し、導電助剤、結着剤、増粘剤等を含有してもよい。
正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物、又は特定の高分子を使用することができる。
例えば、リチウムの溶解・析出を利用したリチウム電池とする場合、TiS、MoS 、NbS、V等のリチウムを含まない金属硫化物あるいは酸化物、さらにはポリアセチレン、ポリピロール等の高分子を使用することもできる。
リチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン電池とする場合には、LixMO(式中Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.10以下である。)で示されるリチウム複合酸化物、またはLixMPO(式中Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上、1.10以下である。)で示されるリチウム複合リン酸化物等を使用することができる。このリチウム複合酸化物またはリチウムリン酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn、Al、Fe等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としてはLiCoO 、LiNiO、LiNiCoMn1-y-z (式中、0<y,z<1である)、LiNiCoAl1-y-z (式中、0<y,z<1である)、LiMn、LiFePO等を挙げることができる。
リチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物質となる。正極活物質には、これらの正極活物質の複数種を併せて使用してもよい。
導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、グラファイト等の導電性カーボンなどの炭素化合物や、導電性ポリマー、金属粉末等が挙げられるが、導電性カーボンが特に好ましい。
結着剤としては、例えばフッ素系結着剤やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体から選ばれる1種以上の化合物を用いることができる。また、耐酸化性、少量で充分な密着性、極板に柔軟性が得られるためアクリル系重合体を用いることが好ましい。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等もしくはこれらのアルカリ金属塩等が用いられる。
負極
負極は、集電体上に負極活物質を含有する負極材料層を有する。
負極に用いる集電体の材料は、正極の集電体に用いるものと同様のものを使用できる。これらの中で導電性、耐電圧性の面から銅、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使用するのが好ましく、負極に用いる集電体としては、例えば銅箔等の金属箔の金属箔が好適に用いられる。
負極材料層としては、負極活物質を含有し、導電助剤、結着剤、増粘剤等を含有してもよい。
負極活物質としては、例えば、リチウムの溶解・析出を利用したリチウム電池とする場合、金属リチウムや、リチウムを吸蔵・放出することが可能なリチウム合金等を用いることができる。
リチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン電池とする場合には、難黒鉛化炭素系や黒鉛系の炭素材料を使用することができる。より具体的には、黒鉛類、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズカーボンファイバー等の炭素繊維、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、及び活性炭などの炭素材料を使用することができる。
導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、グラファイト等の導電性カーボンなどの炭素化合物や、導電性ポリマー、金属粉末等が挙げられるが、導電性カーボンが特に好ましい。
結着剤としては、例えばフッ素系結着剤やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体から選ばれる1種以上の化合物を用いることができる。また、耐酸化性、少量で充分な密着性、極板に柔軟性が得られるためアクリル系重合体を用いることが好ましい。特に有機系活物質を溶解しないことから水に溶解するような水系の結着剤が好ましい。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等もしくはこれらのアルカリ金属塩等が用いられる。
セパレータ
セパレータに用いられる多孔質膜の材質は特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができ、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂等のポリオレフィン系樹脂やポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維等のポリエステル系繊維、コットンやレーヨン等のセルロース系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のナイロン系繊維、パラ系アラミド、メタ系アラミド等のアラミド系繊維等のポリアミド系繊維よりなる不織布等が挙げられる。これらの繊維は単独でも用いることが出来るが、2種以上の複合材としても用いることが出来る。
多孔質膜の膜厚は3〜40μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。この範囲とすることにより、セパレータとして充分な機械的強度が得られるとともに、セパレータを備える蓄電デバイスは良好な電気的特性が得られる。
<3.蓄電デバイス>
本発明の蓄電デバイスは、正極、負極、正極と負極との間に介在するセパレータ、電解質を有し、先述の「2.蓄電デバイス用部品」を少なくとも1種を用いられておればよい。「2.蓄電デバイス用部品」を用いられていない場合には、公知のものを使用することができ、正極、負極、セパレータについては、先述の正極、負極、セパレータを使用することができる。
電解質
電解質は、非プロトン性有機溶媒に電解質塩を溶解させたものであり、常温溶融塩(イオン性液体)を用いることもできる。
本発明においては、以下に挙げる電解質塩化合物が好ましく用いられる。即ち、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウムイオンから選ばれた陽イオンと、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、硝酸イオン、AsF 、PF 、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7,7,8,8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、XSO 、[(XSO)(XSO)N]、[(XSO)(XSO)(XSO)C]、及び[(XSO)(XSO)YC]から選ばれた陰イオンとからなる化合物が挙げられる。但し、X、X、X、およびYは電子吸引基である。好ましくはX、X、及びXは各々独立して炭素数が1〜6のパーフルオロアルキル基又は炭素数が6〜18のパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基又はシアノ基である。X、X及びXは各々同一であっても、異なっていてもよい。
金属陽イオンとしては遷移金属の陽イオンを用いる事ができる。好ましくはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn及びAg金属から選ばれた金属の陽イオンが用いられる。又、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca及びBa金属から選ばれた金属の陽イオンを用いても好ましい結果が得られる。電解質塩化合物として前述の化合物を2種類以上併用することが可能である。
特に、リチウムイオンキャパシタにおいて電解質塩化合物としては、Li塩化合物が好適に用いられる。
Li塩化合物としては、リチウムイオンキャパシタに一般的に利用されているような、広い電位窓を有するLi塩化合物が用いられる。たとえば、LiBF、LiPF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN[CFSC(CSO]などを挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いても、2種類以上を混合して用いても良い。
非プロトン性有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジプロピルカーボネート、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を使用することができ、単独でも使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。
本発明において、電解質塩の含有量は、0.1〜3.0mol/Lであること、特に、1.0〜2.0mol/Lであることが好ましい。電解質塩の含有量が0.1mol/L未満であると、電解質溶液の抵抗が大きく、大電流・低温放電特性が低下し、3.0mol/Lを超えると溶解性が悪く、結晶が析出したりする。
常温溶融塩とは、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいい、常温とは電源が通常作動すると想定される温度範囲をいう。電源が通常作動すると想定される温度範囲とは、上限が120℃程度、場合によっては60℃程度であり、下限は−40℃程度、場合によっては−20℃程度である。
常温溶融塩はイオン性液体とも呼ばれており、ピリジン系、脂肪族アミン系、脂環族アミン系の4級アンモニウム有機物カチオンが知られている。4級アンモニウム有機物カチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウム、トリアルキルイミダゾリウム、などのイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオンなどが挙げられる。特に、イミダゾリウムカチオンが好ましい。
イミダゾリウムカチオンとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらのカチオンを有する常温溶融塩は、単独で用いてもよく、または2種以上を混合して用いても良い。
<蓄電デバイスの製造方法>
本発明の蓄電デバイスは、セパレータを介して、正極と負極とを積層し、電解質を注入して作製することができる。
本発明を実施するための具体的な形態を以下に実施例を挙げて説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[合成例1(ポリエーテル共重合用触媒の製造)]
撹拌機、温度計及び蒸留装置を備えた3つ口フラスコにトリブチル錫クロライド10g及びトリブチルホスフェート35gを入れ、窒素気流下に撹拌しながら250℃で20分間加熱して留出物を留去させ残留物として固体状の縮合物質を得た。以下の重合例で重合触媒として用いた。
ポリエーテル共重合体のモノマー換算組成はH NMRスペクトルにより求めた。
ポリエーテル共重合体の分子量測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリスチレン換算により重量平均分子量を算出した。GPC測定は(株)島津製作所製RID−6A、昭和電工(株)製ショウデックスKD-807、KD-806、KD-806MおよびKD-803カラム、および溶媒にDMFを用いて60℃で行った。
[重合例1(ポリエーテル共重合体の製造)]
内容量3Lのガラス製4つ口フラスコの内部を窒素置換し、これに重合触媒として触媒の合成例1で示した縮合物質1gと水分10ppm以下に調整したグリシジルエーテル化合物(a):
Figure 2021163646
150g、及び溶媒としてn−ヘキサン1000gを仕込み、化合物(a)の重合率をガスクロマトグラフィーで追跡しながら、エチレンオキシド150gを逐次添加した。このときの重合温度は20℃とし、10時間反応を行った。重合反応はメタノールを1mL加え反応を停止した。デカンテーションによりポリマーを取り出した後、常圧下40℃で24時間、更に減圧下45℃で10時間乾燥してポリマー280gを得た。得られたポリエーテル共重合体の重量平均分子量およびモノマー換算組成分析結果を表1に示す。
Figure 2021163646
<平均粒子径の測定>
アクリル架橋粒子の平均粒子径(D50)は以下の条件で測定した。
(測定装置)
動的光散乱を用いた粒度分布測定装置:ゼータサイザーナノ(スペクトリス株式会社)
(測定条件)
1.合成したエマルジョン溶液50μLをサンプリングする。
2.サンプリングしたエマルジョン溶液にイオン交換水700μLを3回添加して希釈する。
3.希釈液から液を2100μL抜き取る。
4.残った50μLのサンプルに700μLイオン交換水を添加・希釈して測定する。
[重合例2(アクリル架橋粒子Aの製造)]
ビーカーに、アクリル酸n−ブチル105.1g、メタクリル酸ベンジル75.2g、アクリル酸2.8g、メタクリル酸7.9g、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油製:ブレンマーPE−90)7.4g、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A−TMPT)1.3g、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム2.0g、イオン交換水300.0g及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.24gを入れ、超音波ホモジナイザーを用いて、十分攪拌し乳液とした。攪拌機付き反応容器を窒素雰囲気下、55℃に加温し2時間かけて乳液を添加した。乳液の添加後、更に1時間重合し、その後冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを2.3から7.8に調整し、エマルジョン溶液であるアクリル架橋粒子A(重合転化率99%以上、固形分濃度40.3wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は118nmであった。重合体の合成に用いたモノマーの仕込みモル比を表2に示す。
Figure 2021163646
[重合例3(アクリル架橋粒子Bの製造)]
ビーカーに、アクリル酸n−ブチル178.4g、アクリル酸3.1g、メタクリル酸8.8g、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE−90)8.3g、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A−TMPT)1.4g、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム6.0g、イオン交換水300.0質量部及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.72gを入れ、超音波ホモジナイザーを用いて、十分攪拌し乳液とした。攪拌機付き反応容器を窒素雰囲気下、55℃に加温し2時間かけて乳液を添加した。乳液の添加後、更に1時間重合し、その後冷却した。冷却後、28%アンモニア水溶液を用いて、重合液のpHを2.5から8.0に調整し、エマルジョン溶液であるアクリル架橋粒子B(重合転化率99%以上、固形分濃度39.8wt%)を得た。得られた重合体の平均粒子径は273nmであった。重合体の合成に用いたモノマーの仕込みモル比率(mol%)を表3に示す。
Figure 2021163646
<蓄電デバイス用組成物の物性評価>
蓄電デバイス用組成物(コーティング溶液)の耐熱性は、貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”の温度依存性により評価した。
蓄電デバイス用組成物(コーティング溶液)を用いて厚さ380μmのフィルム状に成型加工したサンプルを作製した。物性評価としては、動的粘弾性率測定(正弦波)によって、一定周波数における粘弾性率の温度依存性の測定を行った。試験結果を表4にまとめて示した。
(測定装置)
充放電評価装置:Rheogel−E4000HP(株式会社ユービーエム)
(測定方法)
動的粘弾率性測定
作製したフィルムを幅5.1mm、長さ21.8mmに切り取り、測定サンプルとした。測定波は正弦波、測定周波数は10Hzとして、20℃から200℃まで2℃/分の速度で昇温し、貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”の温度依存性を評価する。
<作製した電池の特性評価>
蓄電デバイス用組成物を用いた蓄電デバイスの特性を以下のように評価した。正極シート、金属リチウム、非水電解質溶液とセパレータを用いてコイン電池を作製し、作製した電池の容量維持率の測定を行った。評価結果を表4にまとめて示した。尚、本願では、コイン電池の評価においては負極にリチウム箔を用いて、評価を行った。
(測定装置)
充放電評価装置:TOSCAT−3100(東洋システム株式会社)
(測定方法)
容量維持率
作製したコイン電池を、0.5Cで定電流充電を行い、4.3Vまで充電を実施し電池を10分間休止させた。次いで0.5Cでの定電流放電を実施し、2.5Vまで放電させた。充放電は40℃で実施した。上記のサイクルを1サイクルとし、100サイクル目の電池放電容量を1サイクル目における電池放電容量で割り、100分率した値を評価した。
[実施例1]
<ポリエーテル重合体とアクリル架橋粒子で構成された蓄電デバイス用組成物1(コーティング溶液1)の作製>
重合例1で得られたポリエーテル共重合体1を0.4質量部、重合例2で得られたアクリル架橋粒子A(固形分濃度40.3wt%)を1.5質量部、シリカ粒子分散液(固形分濃度10.0wt%)を48.5質量部、純水を49.6質量部の割合で溶解分散させた蓄電デバイス用組成物1(コーティング溶液1)を作製した。蓄電デバイス用組成物1(コーティング溶液1)については、物性評価を行い、結果を表4に示す。
<正極の作製>
正極活物質には、10μmのLiNi0.80Co0.15Al0.05を用いた。この正極活物質90質量部に対して、導電助剤としてアセチレンの熱分解によって製造された球状炭素微粒子を3質量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを7質量部、N−メチル−2−ピロリドン50質量部を溶媒としてステンレスボールミルを用いて1時間攪拌したのち、アルミニウム集電体上に100μmギャップのバーコーターを用いて塗布し、80℃真空状態で12時間以上乾繰後、ロールプレスして正極シート1とした。
<セパレータ1の作製>
膜厚が15μmのポリプロピレン多孔質膜上に蓄電デバイス用組成物1(コーティング溶液1)を塗布・乾燥し、膜厚16μmのセパレータ1を作製した。
<非水電解質溶液の作製>
エチレンカーボネート(EC)を15質量部と、プロピレンカーボネート(PC)を15質量部と、ジエチルカーボネートを50質量部と、電解質塩であるLiBFを20質量部とを混合して、非水電解質溶液を作製した。
<蓄電デバイスの製造>
最後に、負極としてリチウム箔と正極シート1とをセパレータ1を介して圧着し、積層体を形成した。そして、積層体をアルミラミネートへ収容し、非水電解質溶液を注入してコイン電池1を作製した。コイン電池の特性評価として、容量維持率の測定を行った。評価結果を表4にまとめて示した。
[実施例2]
<ポリエーテル重合体とアクリル架橋粒子で構成された蓄電デバイス用組成物2(コーティング溶液2)の作製>
重合例1で得られたポリエーテル共重合体1を0.4質量部、重合例3で得られたアクリル架橋粒子B(固形分濃度40.3wt%)を1.5質量部、シリカ粒子分散液(固形分濃度10.0wt%)を48.5質量部、純水を49.6質量部の割合で溶解分散させた蓄電デバイス用組成物2(コーティング溶液2)を作製した。蓄電デバイス用組成物2(コーティング溶液2)については、物性評価を行い、結果を表4に示す。
<セパレータ2の作製>
膜厚が15μmのポリプロピレン多孔質膜上にコーティング溶液2を塗布・乾燥し、膜厚16μmのセパレータ2を作製した。
<非水電解質溶液の作製>
エチレンカーボネート(EC)を15質量部と、プロピレンカーボネート(PC)を15質量部と、ジエチルカーボネートを50質量部と、電解質塩であるLiBFを20質量部とを混合して、非水電解質溶液を作製した。
<蓄電デバイスの製造>
最後に、負極としてリチウム箔と正極シート1とをセパレータ2を介して圧着し、積層体を形成した。そして、積層体をアルミラミネートへ収容し、非水電解質溶液を注入してコイン電池2を作製した。コイン電池の特性評価としては、実施例1と同様に容量維持率の測定を行った。評価結果を表4にまとめて示した。
[比較例1]
<ポリエーテル重合体で構成された蓄電デバイス用組成物3(コーティング溶液3)の作製>
重合例1で得られたポリエーテル共重合体1を1.9質量部、シリカ粒子分散液(固形分濃度10.0wt%)を48.5質量部、純水を49.6質量部の割合で溶解分散させた蓄電デバイス用組成物3(コーティング溶液3)を作製した。蓄電デバイス用組成物3(コーティング溶液3)については、物性評価を行ったが、130℃以上で溶融し、評価することができなかった。結果を表4に示す。
<セパレータ3の作製>
膜厚が15μmのポリプロピレン多孔質膜上にコーティング溶液1を塗布・乾燥し、膜厚20μmのセパレータ3を作製した。
<非水電解質溶液の作製>
エチレンカーボネート(EC)を15質量部と、プロピレンカーボネート(PC)を15質量部と、ジエチルカーボネートを50質量部と、電解質塩であるLiBFを20質量部とを混合して、非水電解質溶液を作製した。
<蓄電デバイスの製造>
最後に、負極としてリチウム箔と正極シート1とをセパレータ3を介して圧着し、積層体を形成した。そして、積層体をアルミラミネートへ収容し、非水電解質溶液を注入してコイン電池3を作製した。コイン電池の特性評価としては、実施例1と同様に容量維持率の測定を行った。評価結果を表4にまとめて示した。
Figure 2021163646
表4より、本願の蓄電デバイス用組成物は130℃以上の高温においても合成ゴムの弾性率を示しており、130℃以上の高温に対する耐熱性を有することが示された。
表4より、本願の蓄電デバイス用組成物をセパレータに塗布することで、100サイクル目の容量維持率も良好であることが示された。
本発明の蓄電デバイス用組成物は優れた耐熱性を有しており、セパレータ等の蓄電デバイス用部品に好適に用いられ、該蓄電デバイス用部品を具備する蓄電デバイスは良好な容量維持率を有しており、有用に用いられる。

Claims (4)

  1. ポリエーテル重合体と(メタ)アクリル架橋粒子を含有する蓄電デバイス用組成物。
  2. (メタ)アクリル架橋粒子の平均粒子径が50〜350nmである請求項1記載の蓄電デバイス用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用組成物を用いてなる蓄電デバイス用部品。
  4. 請求項3に記載の蓄電デバイス用部品を用いてなる蓄電デバイス。
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