JP7088171B2 - 電極用バインダー、電極材料、電極、及び蓄電デバイス - Google Patents
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Description
下記一般式(1)で示される化合物に由来する構成単位と(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有する非架橋重合体Bと、
を含む電極用バインダー。
CH2=C(R1)-CO-O-R2-O-R3 (1)
(式中、R1は水素、又は炭素数1~4のアルキル基、R2は炭素数1~12のアルキレン基、R3は炭素数1~12のアルキル基である。)
項2. 前記重合体Aと、前記非架橋重合体Bとの質量比率が、20:80~80:20である、項1に記載の電極用バインダー。
項3. 前記重合体Aがコア部を形成し、前非架橋重合体Bが前記コア部に結合した構造を有している、項1又は2に記載の電極用バインダー。
項4. 前記重合体Aと前記非架橋重合体Bとの混合物である、項1又は2に記載の電極用バインダー。
項5. 項1~4いずれかに記載の電極用バインダーを含有する電極用バインダー組成物。
項6. 項1~5いずれかに記載の電極用バインダー、又は電極用バインダー組成物を含む電極材料。
項7. 増粘剤を含まないことを特徴とする項6に記載の電極材料。
項8. 項6又は7に記載の電極材料を用いてなる電極。
項9. 項8に記載の電極を用いてなる蓄電デバイス。
本発明の電極用バインダーは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位と多官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する重合体Bと、下記一般式(1)で示される化合物に由来する構成単位と(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有する非架橋重合体Bとを含んでいる。
CH2=C(R1)-CO-O-R2-O-R3 (1)
(式中、R1は水素、又は炭素数1~4のアルキル基、R2は炭素数1~12のアルキレン基、R3は炭素数1~12のアルキル基である。)
CH2=C(R1)-CO-O-R2-O-R3 (1)
(式中、R1は水素、又は炭素数1~4のアルキル基、R2は炭素数1~12のアルキレン基、R3は炭素数1~12のアルキル基である。)
R2は、炭素数1~8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1~4のアルキレン基であることが特に好ましい。
R3は、炭素数1~8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~4のアルキル基であることが特に好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、反応性ノニオン界面活性剤としては、ラテムルPD-420、430、450(花王社製)、アデカリアソープER(アデカ社製)、アクアロンRN(第一工業製薬社製)、アントックスLMA(日本乳化剤社製)、アントックスEMH(日本乳化剤社製)等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、硫酸エステル型、カルボン酸型、又はスルホン酸型の金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、リン酸エステル型の界面活性剤等を挙げることができる。硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型が好ましく、硫酸エステル型が特に好ましい。硫酸エステル型のアニオン界面活性剤の代表例としてはドデシル硫酸等のアルキル硫酸金属塩、アンモニウム、又はアルキル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸金属塩、アンモニウム塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等が挙げられ、硫酸エステル型の反応性アニオン界面活性剤の具体例としては、ラテムルPD-104、105(花王社製)、アデカリアソープSR(アデカ社製)、アクアロンHS(第一工業製薬社製)、アクアロンKH(第一工業製薬社製)が挙げられる。好ましくは、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラテムルPD-104等が挙げられる。
これらノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤は1種または2種以上用いてもよい。
油溶性の重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、アセチルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル) などの油溶性のアゾ化合物の重合開始剤、レドックス系開始剤が好ましい。これら重合開始剤は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のバインダー組成物は、先述の「1.電極用バインダー」を溶媒とともに含有するものであり、電極用バインダーが溶媒に分散されるものであってよい。溶媒は、水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類を例示することができる。
本発明の電極材料は、少なくとも活物質、及び先述の「1.電極用バインダー」の欄で説明した本発明のバインダーを含有し、更に導電助剤を含有していてもよい。本発明の電極材料においては、本発明のバインダーを溶媒とともに含有する「2.電極用バインダー組成物」の欄で説明した本発明のバインダー組成物として含有してもよい。具体的には、正極に用いる正極材料としては正極活物質、及び本発明のバインダーを含有し、更に導電助剤を含有していてもよく、負極に用いる負極材料としては負極活物質、本発明のバインダーを含有し、更に導電助剤を含有していてもよい。
本発明の電極は、前述の「3.電極材料」の欄で説明した本発明の電極材料と、集電体とを備えることを特徴とする。本発明の電極材料の詳細については、前述の通りである。
本発明の蓄電デバイスは、前述の「4.電極」の欄で説明した正極と、負極と、電解液とを備えることを特徴としている。すなわち、本発明の蓄電デバイスに用いられる電極は、本発明の電極材料、即ち本発明のバインダーを含んでいる。本発明の電極の詳細については、前述の通りである。尚、本発明の蓄電デバイスについては、正極と、負極の少なくとも一方に、本発明のバインダーを含んだ電極材料を用いた電極を使用していればよく、本発明のバインダーを含んだ電極材料を用いていない電極については、公知の電極を用いることができる。
作製した電極の物性評価としては、屈曲試験と結着性試験を行った。評価結果を表1にまとめて示した。
<屈曲試験>
屈曲試験はマンドレル屈曲試験にて行った。具体的には電極を幅3cm×長さ8cmに切り、長さ方向の中央(4cm部分)の基材側(電極表面が外側を向くように)に直径2mmのステンレス棒を支えにして180°折り曲げたときの折り曲げ部分の塗膜の状態を観察した。この方法で5回測定を行い、5回とも電極表面のひび割れまたは剥離や集電体からの剥がれが全く生じていない場合を○、1回でも1箇所以上のひび割れまたは剥がれが生じた場合を×と評価した。
結着性試験はクロスカット試験にて行った。具体的には電極を幅3cm×長さ4cmに切り、1マスの1辺が1mmとなるように直角の格子パターン状にカッターナイフで切れ込みを入れ、縦5マス×横5マスの25マスからなる碁盤目にテープ(粘着テープ:ニチバン製)を貼り付け、電極を固定した状態でテープを一気に引き剥がしたとき、電極から剥がれずに残ったマスの数を計測した。試験は5回実施し、その平均値を求めた。
作製したコイン電池の特性評価としては、充放電による内部抵抗の測定を行った。評価結果を表2にまとめて示した。
<内部抵抗の測定>
(測定装置)
充放電評価装置:TSCAT-3100(東洋システム株式会社)
(測定方法)
作製したリチウムイオン電池を、定電流-定電圧充電により、4.2Vまで充電した。終止電流は1C相当であった。充電後、電池を10分間休止させた。次いで2Cでの定電流放電を実施し、電流値I(mA)及び10秒後の電圧降下ΔE(mV)より、充電状態が100%(SOC100%)でのリチウムイオン電池の内部抵抗R(Ω)=ΔE/Iを測定した。
上記のリチウムイオン電池を2Cでの定電流充電を10秒間実施し、SOC100%の状態に戻した状態で電池を10分間休止させた。次いで1Cで30分間の定電流放電を実施し、SOC50%の状態に調整し、電池を10分間休止させた。そして2Cでの定電流放電を実施し、電流値I(mA)及び10秒後の電圧降下ΔE(mV)より、充電状態が50%(SOC50%)でのリチウムイオン電池の内部抵抗R(Ω)=ΔE/Iを測定した。
更に上記のリチウムイオン電池を2Cでの定電流充電を10秒間実施し、SOC50%の状態に戻した状態で電池を10分間休止させた。次いで1Cで15分間の定電流放電を実施し、SOC25%の状態に調整し、電池を10分間休止させた。そして2Cでの定電流放電を実施し、電流値I(mA)及び10秒後の電圧降下ΔE(mV)より、充電状態が25%(SOC25%)でのリチウムイオン電池の内部抵抗R(Ω)=ΔE/Iを測定した。
重合体の平均粒径は以下の条件で測定した。
(測定装置)
動的光散乱を用いた粒度分布測定装置:ゼータサイザーナノ(スペクトリス株式会社)
(測定条件)
1.合成したエマルジョン溶液50μLをサンプリングする。
2.サンプリングしたエマルジョン溶液にイオン交換水700μLを3回添加して希釈する。
3.希釈液から液を2100μL抜き取る。
4.残った50μLのサンプルに700μLイオン交換水を添加・希釈して測定する。
バインダー組成物の粘度は以下の条件で測定した。
(測定装置)
コーンプレート型粘度計:VISCOMETER DV2T(ブルックフィールド社)
(測定方法)
作製したバインダー組成物0.5mLを25℃、10rpmの条件での粘度を測定した。
攪拌機付き反応容器に、メタアクリル酸メチル26.6質量部、アクリル酸0.6質量部、メタアクリル酸1.8質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)1.7質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)7.3質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.4質量部、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(花王:ラテムルPD-420)0.8質量部、イオン交換水680質量部及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を入れ、超音波ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し4時間重合して重合体Aを含むコア部を得た。次いで、アクリル酸メトキシエチル33.0質量部、アクリル酸5.0質量部を30分かけて添加して重合した。添加が終了した後、更に2時間重合してコア部の表面に結合する非架橋重合体Bを形成しバインダーを得た。得られたバインダーを冷却後、24%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、重合液のpHを3.0から7.8に調整し、エマルジョン溶液であるバインダー組成物A(重合転化率99%以上、固形分濃度10wt%)を得た。また、pH調製工程にてバインダー組成物Aの増粘現象が観察された。pH3.0のバインダー組成物Aの粘度は0mPa・s、pH7.8の粘度Aは440mPa・sであった。平均粒子径を測定するとpH3.0では0.175μmであったが、pH調製後のpH7.8の状態では1000nm以上のピークを複数観察した。pH調製後のバインダーはバインダー粒子同士で相互作用をしていると考えられ、単一の粒子径を測定することは困難であった。
攪拌機付き反応容器に、メタアクリル酸メチル26.6質量部、アクリル酸0.6質量部、メタアクリル酸1.8質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)1.7質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)7.3質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.4質量部、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(花王:ラテムルPD-420)0.8質量部、イオン交換水680質量部及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を入れ、超音波ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し4時間重合して重合体Aを含むコア部を得た。次いで、アクリル酸メトキシエチル25.0質量部、アクリル酸13.0質量部を30分かけて添加して重合した。添加が終了した後、更に2時間重合してコア部の表面に結合する非架橋重合体Bを形成しバインダーを得た。得られたバインダーを冷却後、24%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、重合液のpHを2.8から7.8に調整し、エマルジョン溶液であるバインダー組成物B(重合転化率99%以上、固形分濃度10wt%)を得た。pH調製工程にてバインダー組成物Bの増粘現象が観察された。pH2.8のバインダー組成物Bの粘度は0mPa・s、pH7.8の粘度は350mPa・sであった。平均粒子径を測定するとpH2.8では0.172μmであったが、pH調製後のpH7.8の状態では1000nm以上のピークを複数観察した。pH調製後のバインダーはバインダー粒子同士で相互作用をしていると考えられ、単一の粒子径を測定することは困難であった。
攪拌機付き反応容器に、メタアクリル酸メチル55.6質量部、アクリル酸1.4質量部、メタアクリル酸3.9質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)3.6質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)15.6質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム2質量部、イオン交換水150質量部及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.2質量部を入れ、超音波ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し4時間重合した。次いで、アクリル酸2-エチルヘキシル18.2質量部、アクリル酸0.2質量部、メタアクリル酸0.6質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)0.6質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)0.4質量部を30分かけて添加して重合した。添加が終了した後、更に2時間重合し、その後冷却した。冷却後、24%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、重合液のpHを2.4から7.8に調整し、エマルジョン溶液であるバインダー組成物C(重合転化率99%以上、固形分濃度39wt%)を得た。pH調製工程において、バインダー組成物Cの増粘現象は観察されなかった。得られた重合体の平均粒子径は0.182μmであった。
攪拌機付き反応容器に、メタアクリル酸メチル41.0質量部、アクリル酸1.0質量部、メタアクリル酸2.9質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)2.9質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)11.5質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム1.5質量部、イオン交換水680質量部及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を入れ、超音波ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し4時間重合した。次いで、アクリル酸2-エチルヘキシル13.6質量部、アクリル酸0.1質量部、メタアクリル酸0.4質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)0.4質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)0.3質量部を30分かけて添加して重合した。添加が終了した後、更に2時間重合し、その後冷却した。冷却後、24%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、重合液のpHを2.6から7.8に調整し、エマルジョン溶液であるバインダー組成物D(重合転化率99%以上、固形分濃度10wt%)を得たpH調製工程において、バインダー組成物の増粘現象は観察されなかった。得られた重合体の平均粒子径は0.175μmであった。
攪拌機付き反応容器に、メタアクリル酸メチル26.6質量部、アクリル酸0.6質量部、メタアクリル酸1.8質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)1.7質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)7.3質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.4質量部、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(花王:ラテムルPD-420)0.8質量部、イオン交換水680質量部及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を入れ、超音波ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し4時間重合した。次いで、アクリル酸メトキシエチル38.0質量部を30分かけて添加して重合した。添加が終了した後、更に2時間重合し、その後冷却した。冷却後、24%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、重合液のpHを2.6から7.8に調整し、エマルジョン溶液であるバインダー組成物E(重合転化率99%以上、固形分濃度10wt%)を得た。pH調製工程で、バインダー組成物の増粘現象は観察されなかった。得られた重合体の平均粒子径は0.199μmであった。
攪拌機付き反応容器に、メタアクリル酸メチル26.6質量部、アクリル酸0.6質量部、メタアクリル酸1.8質量部、ポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日油製:ブレンマーPE-90)1.7質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学製:A-TMPT)7.3質量部、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.4質量部、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(花王:ラテムルPD-420)0.8質量部、イオン交換水680質量部及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を入れ、超音波ホモジナイザーを用いて十分乳化させた後、窒素雰囲気下で60℃に加温し4時間重合した。次いで、アクリル酸38.0質量部を30分かけて添加したが、滴下途中に凝集が生じ、最終的に全体が固化した。その為、バインダー組成物を得ることはできなかった。
[電極の実施作製例1]
正極活物質としてニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム95質量部に、導電助剤としてアセチレンブラック2質量部、鱗片状黒鉛1重量部、バインダー組成物の実施合成例1で得られたバインダー組成物Aの固形分として2質量部を加え、さらにスラリーの固形分濃度が55質量%となるように水を加えて遊星型ミルを用いて十分に混合して正極用スラリーを得た。
バインダー組成物の実施合成例2で得られたバインダー組成物Bを使用した以外は、電極の実施作製例1と同様にして正極を作製した。得られた正極の厚みは34μmであった。屈曲性試験と結着性試験の評価結果を表1の実施例2に示す。
正極活物質としてニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム95質量部に、導電助剤としてアセチレンブラック2質量部、鱗片状黒鉛1重量部、バインダー組成物の実施合成例1で得られたバインダー組成物Cの固形分として2質量部を加え、さらにスラリーの固形分濃度が55質量%となるように水を加えて遊星型ミルを用いて十分に混合したが、部材の凝集がほぐれず、正極用スラリーを得ることはできなかった。
その為、正極活物質としてニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム94質量部に、導電助剤としてアセチレンブラック2質量部、鱗片状黒鉛1重量部、バインダー組成物の比較合成例1で得られたバインダー組成物C3質量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩1質量部を加え、さらにスラリーの固形分濃度が55質量%となるように水を加えて遊星型ミルを用いて十分に混合して正極用スラリーを得た。
バインダー組成物の比較合成例2で得られたバインダー組成物Dを使用した以外は、電極の比較作製例1と同様にして正極を作製した。なお、比較作製例2においても、比較作製例1と同じく、正極用スラリーの作製において、遊星型ミルを用いて十分に混合したが、部材の凝集がほぐれず、正極用スラリーおよびを得ることはできなかった。その為、比較作製例1と同じく、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩1質量部を加えて正極用スラリーを得た。得られた正極の厚みは34μmであった。屈曲性試験と結着性試験の評価結果を表1の比較例2に示す。
正極活物質としてニッケル・マンガン・コバルト酸リチウム94質量部に、導電助剤としてアセチレンブラック2質量部、鱗片状黒鉛1重量部、バインダー組成物の比較合成例3で得られたバインダー組成物Eの固形分として3質量部を加え、さらにスラリーの固形分濃度が55質量%となるように水を加えて遊星型ミルを用いて十分に混合したが、部材の凝集がほぐれず、正極用スラリーを得ることはできなかった。
[コイン電池の実施製造例1]
アルゴンガスで置換されたグローブボックス内において、電極の実施作製例1で得た正極、セパレータとして厚み18μmのポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン多孔質膜を1枚、更に対極として厚さ300μmの金属リチウム箔を貼り合わせた積層物に、電解液として1mol/Lの6フッ化リン酸リチウムのエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジエチルカーボネート(体積比3:5:2)を十分に含浸させてかしめ、試験用2032型コイン電池を製造した。内部抵抗測定の評価結果を表2の実施例1に示す。
電極の実施作製例2で得た正極を用いた以外は、電池の実施作製例1と同様にしてコイン電池を作製した。内部抵抗測定の評価結果を表2の実施例2に示す。
電極の比較作製例1で得た正極を用いた以外は、電池の実施作製例1と同様にしてコイン電池を作製した。内部抵抗測定の評価結果を表2の比較例1に示す。
電極の比較作製例2で得た正極を用いた以外は、電池の実施作製例1と同様にしてコイン電池を作製した。内部抵抗測定の評価結果を表2の比較例2に示す。
Claims (9)
- (メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位と多官能(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有する重合体Aと、
下記一般式(1)で示される化合物に由来する構成単位と(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を有する非架橋重合体Bと、
を含む電極用バインダー。
CH2=C(R1)-CO-O-R2-O-R3 (1)
(式中、R1は水素、又は炭素数1~4のアルキル基、R2は炭素数1~12のアルキレン基、R3は炭素数1~12のアルキル基である。) - 前記重合体Aと、前記非架橋重合体Bとの質量比率が、20:80~80:20である、請求項1に記載の電極用バインダー。
- 前記重合体Aがコア部を形成し、前非架橋重合体Bが前記コア部に結合した構造を有している、請求項1又は2に記載の電極用バインダー。
- 前記重合体Aと前記非架橋重合体Bとの混合物である、請求項1又は2に記載の電極用バインダー。
- 請求項1~4いずれかに記載の電極用バインダーを含有する電極用バインダー組成物。
- 請求項1~5いずれかに記載の電極用バインダー、又は電極用バインダー組成物を含む電極材料。
- 増粘剤を含まないことを特徴とする請求項6に記載の電極材料。
- 請求項6又は7に記載の電極材料を用いてなる電極。
- 請求項8に記載の電極を用いてなる蓄電デバイス。
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