JP6885153B2 - 溶接構造部材 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接構造部材に関する。
近年、自動車の燃費向上のために、車体の軽量化が進められている。そして、車体の軽量化を実現するために、高強度鋼板同士を溶接した溶接構造部材が車体の構成部材として用いられている。
車体の構成部材として用いられる溶接構造部材には、優れた疲労強度が求められる。しかしながら、高強度鋼板を用いた場合でも溶接構造部材の疲労強度を十分に向上させることは難しい。そこで、従来、溶接構造部材の疲労強度を向上させるための種々の技術が提案されている。
たとえば、特許文献1には、鋼板の表面に付加物を溶接した溶接構造物の疲労き裂発生防止法が開示されている。特許文献1に開示された技術では、鋼板の表面において、付加物の中心線から所定距離だけ離れた位置に、付加物の中心線と平行に、所定長さの溶接ビード(以下、補助ビードと記載する。)が設けられる。
特許文献1の技術では、上記のように鋼板の表面に補助ビードを設けることによって、付加物の端面の溶接部に生じている引張残留応力に、補助ビードによって生じる圧縮残留応力を重畳させることができる。これにより、上記引張残留応力を低減することができるので、付加物の端面近傍における疲労き裂の発生を抑制できると考えられる。
特開平8−118012号公報
ところで、車体は複数の部材を組み合せて構成されるので、溶接構造部材を車体の構成部材として利用する場合、溶接構造部材において、補助ビードを配置するための領域を十分に確保することができない場合がある。言い換えると、補助ビードを配置するための領域が制限される場合がある。
このような場合には、特許文献1の技術を適切に利用することができない。具体的には、付加物の端面の溶接部に生じている引張残留応力に、補助ビードによって生じる圧縮残留応力を適切に重畳させることができない。これにより、疲労き裂の発生を防止できるという、特許文献1に開示された効果を十分に得ることができない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、補助ビードを配置するための領域が制限されている場合でも、疲労強度を向上させることができる溶接構造部材を提供することを目的としている。
本発明は、下記の溶接構造部材を要旨とする。
(1)平面を有する第1板状部を含み、かつ金属からなるベース部材と、
前記ベース部材の前記平面に突き当てられた突き当て面、並びに前記突き当て面から前記平面に交差する方向に延びる互いに平行な第1面および第2面を有する第2板状部を含み、かつ金属からなる接合部材と、
前記突き当て面の前記第1面側の縁部に沿って延び、かつ前記ベース部材の前記平面と前記接合部材とを接合する溶接ビードと、
前記ベース部材の前記平面上に形成され、かつ前記溶接ビードに対して略平行に延びる補助ビードと、を備え、
前記接合部材の前記突き当て面、前記溶接ビードおよび前記補助ビードを、前記ベース部材の前記平面に対して垂直な方向に投影した場合に、
前記溶接ビードの延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とし、
前記溶接ビードは、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
前記補助ビードの後端は、前記突き当て面の前記端部よりも後方に4.0mmの位置よりも前方に位置し、かつ前記端部よりも前方に14.0mmの位置よりも後方に位置し、
前記補助ビードの前端は、前記突き当て面の前記端部よりも前方に位置し、
前記溶接ビードの延伸方向に直交する方向における前記補助ビードと前記突き当て面の前記第1面側の縁部との距離は、16.0mm以上39.0mm以下である、溶接構造部材。
(2)前記補助ビードの前後方向における長さは、14.0mm以上である、上記(1)に記載の溶接構造部材。
(3)前記溶接ビードの延伸方向に直交する方向における前記補助ビードと前記突き当て面の前記第1面側の縁部との距離は、24.0mm以上である、上記(1)または(2)に記載の溶接構造部材。
(4)前記第1板状部の厚みは、0.8mm以上4.5mm以下である、上記(1)から(3)のいずれかに記載の溶接構造部材。
本発明によれば、補助ビードを配置するための領域が制限されている場合でも、溶接構造部材の疲労強度を向上させることができる。
図1は、溶接構造部材の解析モデルを示す斜視図である。 図2は、解析モデルの左右方向における中央部を示す平面図である。 図3は、補助ビードを有する解析モデルを示す平面図である。 図4は、解析結果を示す図である。 図5は、解析結果を示す図である。 図6は、解析結果を示す図である。 図7は、解析結果を示す図である。 図8は、本発明の一実施形態に係る溶接構造部材を示す斜視図である。 図9は、ベース部材および接合部材を示す正面図である。 図10は、ベース部材、接合部材の突き当て面、溶接ビードおよび補助ビードを、ベース部材の平面に対して垂直な方向に投影した図である。 図11は、本発明の他の実施形態に係る溶接構造部材のベース部材、接合部材の突き当て面、溶接ビードおよび補助ビードを、ベース部材の平面に対して垂直な方向に投影した図である。 図12は、本発明のその他の実施形態に係る溶接構造部材のベース部材、接合部材の突き当て面、溶接ビードおよび補助ビードを、ベース部材の平面に対して垂直な方向に投影した図である。
(本発明者らによる検討)
本発明者らは、溶接構造部材の疲労強度を向上させるために、種々の検討を行なった。具体的には、溶接構造部材の解析モデルを作成してFEM解析を行なうことによって、溶接構造部材の疲労強度についての検討を行なった。
図1は、溶接構造部材の解析モデルを示す斜視図である。図1に示すように、解析モデル10は、第1方向D1に延びるベース部材12、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる接合部材14、およびベース部材12と接合部材14とを接合する溶接ビード16を備えている。ベース部材12および接合部材14はそれぞれ、開断面形状を有している。以下の説明では、第1方向D1を左右方向とし、第2方向D2を上下方向とする。
図2は、解析モデル10の左右方向における中央部を示す平面図である。図2に示すように、解析モデル10の平面視において、溶接ビード16は、接合部材14の外面に沿って設けられている。以下の説明では、平面視において、第1方向(左右方向)D1に直交する方向を前後方向とする。
図1を参照して、ベース部材12には、複数の穴12a〜12gが形成されている。また、図示していないが、前後方向において穴12gに対向する位置にも穴12hが形成されている。接合部材14には、2つの穴14a,14bが形成されている。図1および図2を参照して、溶接ビード16の両端は、接合部材14の前端部14c,14dよりも前方に突出している。
なお、本発明者らのこれまでの研究により、解析モデル10では、接合部材14を上方に引っ張った場合に、接合部材14の前端部14c,14dと溶接ビード部16との境界部18a,18bの近傍において、最大主応力の値が大きくなり易いことが分かっている。このため、解析モデル10と同様の構成を有する溶接構造部材では、上記境界部18a,18bの近傍において亀裂が発生し易いと考えられる。そのため、溶接構造部材の疲労強度を向上させるためには、境界部18a,18bの近傍の応力を低減させることが重要である。このような観点から、本発明者らは、以下に説明する解析を行なった。
以下に、解析モデル10の詳細な構成を示す。
(ベース部材)
厚み:2.6mm
上下方向(第2方向D2)の長さ:50mm
左右方向(第1方向D1)の長さ:300mm
前後方向(第1方向D1および第2方向D2に直交する方向)の長さ:150mm
穴12b,12cの中心間距離:230mm
穴12a,12dの中心間距離:230mm
穴12f,12gの中心間距離:230mm
穴12e,12hの中心間距離:230mm
穴12b,12aの中心間距離:100mm
穴12c,12dの中心間距離:100mm
上面13から穴12f,12g,12e,12hの中心までの上下方向の距離:25mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
(接合部材)
厚み:2.6mm
上下方向の長さ:80mm
左右方向の長さ:70mm
前後方向の長さ:80mm
穴14aの位置:側壁部15aの中央
穴14bの位置:側壁部15bの中央
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
(溶接ビード)
幅W(図2参照):4.3mm
上下方向の長さ:5mm
接合部材の前端部から前方へ突出する部分の長さLB(図2参照):13.7mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
FEM解析では、ベース部材12の複数の穴12a〜12hに固定治具(剛体)を配置してベース部材12を固定するとともに、接合部材14の穴14a,14bに円柱状の部材(剛体)を通し、その部材を介して接合部材14を上方(ベース部材12から離れる方向)に2.0kNの力で引っ張った。そして、解析モデル10において、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。その結果、最大主応力の最大値は、830MPaであった。なお、解析モデル10は、左右対称形状を有しているので、境界部18aの近傍に生じる最大主応力と、境界部18bの近傍に生じる最大主応力は等しい。
さらに、本発明者らは、図3に示すように、上述の解析モデル10において、接合部材14の外側でかつベース部材12の表面に一対の補助ビード20を形成して、上述の解析と同様に、接合部材14を上方に2.0kNの力で引っ張った。そして、上記境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。なお、本発明者らは、接合部材14と補助ビード20との左右方向における距離d、補助ビード20の前後方向における長さL、前後方向における補助ビード20の後端の位置Pが異なる複数の解析モデル10を作成して、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。
以下に、補助ビード20の詳細な構成を示す。
(補助ビード)
幅(左右方向の長さ):6mm
高さ(上下方向の長さ):2mm
前後方向の長さL:14.0mm、20.0mm、26.0mm、32.0mm
距離d:5.3mm、8mm、10mm、12mm、16mm、24mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
図4は、接合部材14と補助ビード20との左右方向における距離dを5.3mmに設定した解析モデルにおいて、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値と補助ビード20の後端の位置Pとの関係を示す図である。なお、補助ビード20の長さLは、14.0mm、20.0mm、26.0mmおよび32.0mmに設定した。
図4および後述の図5〜図7では、補助ビード20の後端の位置Pは、接合部材14の前端部14c,14dの位置Pからの前後方向における距離で示す。位置Pが正の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも前方の位置であることを意味し、位置Pが負の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも後方の位置であることを意味する。
なお、図3に示したように、溶接ビード16の両端部(接合部材14の前端部14c,14dよりも前方に突出した部分)の幅は、溶接ビード16の他の部分の幅よりも大きい。このため、距離dを5.3mmに設定した場合には、溶接ビード16の端部と補助ビード20との間にほとんど隙間が生じない。
図4に示すように、本発明者らの解析の結果、距離dが5.3mmに設定されている場合には、補助ビード20の後端の位置によっては、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値が、補助ビード20を有していない解析モデルにおける最大主応力の最大値(830MPa)よりも大きくなる場合があることが分かった。言い換えると、補助ビードを形成したとしても、補助ビードの位置によっては、溶接構造部材の疲労強度を向上させることができないばかりか逆に悪化させてしまう場合があることが分かった。
図4に示した結果からは、特に、位置Pの値が約−4.0mm以上である場合に、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値が、補助ビード20を形成していない場合よりも大きくなる場合があることが分かった。すなわち、補助ビード20の後端が、接合部材14の前端(位置P)から後方に約4.0mmの位置よりも前方に位置している場合には、補助ビード20を形成することによって、溶接構造部材の疲労強度が低下するおそれがあることが分かった。
ところで、溶接構造部材を車体の構成部材として用いる場合、他の構成部材との関係から、補助ビードを形成するための領域を十分に確保できない場合がある。このため、接合部材14の前端(位置P)から後方に約4.0mmの位置よりも後方には、補助ビードを形成することができない場合があり得る。この場合、補助ビードを形成しても、溶接構造部材の疲労強度を向上させることができないばかりか逆に低下させるおそれがある。そこで、本発明者らは、上記のように補助ビードを形成するための領域に制限がある場合でも、溶接構造部材の疲労強度を向上させることができる構成について、さらに検討を進めた。
図5は、補助ビード20の長さを14.0mmに設定した解析モデルにおいて、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値と補助ビード20の後端の位置Pとの関係を示す図である。また、図6は、補助ビード20の長さを20mmに設定した解析モデルにおいて、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値と補助ビード20の後端の位置Pとの関係を示す図であり、図7は、補助ビード20の長さを26mmに設定した解析モデルにおいて、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値と補助ビード20の後端の位置Pとの関係を示す図である。なお、距離dは、5.3mm、8.0mm、10.0mm、12.0mm、16.0mmおよび24.0mmに設定した。
図5〜7に示したように、距離dを16.0mm以上に設定した全ての解析モデルにおいて、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値が、補助ビード20を有していない解析モデルにおける最大主応力の最大値(830MPa)よりも大きくなることを防止できた。すなわち、距離dを16.0mm以上に設定することによって、補助ビード20の後端が、接合部材14の前端(位置P)から後方に約−4mmの位置よりも前方に位置している場合であっても、補助ビード20を形成しない場合に比べて、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を低減することができた。
また、図5〜7に示した結果からは、補助ビード20の後端が、接合部材14の前端(位置P)から後方に約−4mmの位置よりも前方に位置している場合であっても、特に、距離dを24.0mm以上に設定した場合に、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を十分に低減できることが分かった。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
(本発明の実施形態の説明)
以下、本発明の実施形態に係る溶接構造部材について図面を用いて説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る溶接構造部材を示す斜視図である。
図8を参照して、溶接構造部材30は、第1方向D1に延びるベース部材32と、第2方向D2に延びる接合部材34と、ベース部材32と接合部材34とを接合する溶接ビード36と、補助ビード38とを備えている。
なお、図8に示した例では、第2方向D2が第1方向D1に対して垂直であるが、第2方向D2が第1方向D1に対して傾斜していてもよい。すなわち、本実施形態では、接合部材34は、ベース部材32に対して垂直になるようにベース部材32に溶接されているが、接合部材34が、ベース部材32に対して傾斜するようにベース部材32に溶接されてもよい。なお、以下においては、第1方向D1を左右方向とし、第2方向D2を上下方向とする。
図9は、ベース部材32および接合部材34を示す正面図である。なお、図9においては、溶接ビード36および補助ビード38の図示は省略している。図8および図9を参照して、ベース部材32は、第1板状部42を含む。第1板状部42は、平面42aを有する。なお、本実施形態では、第1板状部42のみによってベース部材32が構成されているが、ベース部材が、第1板状部42に加えて他の形状を有する部分(たとえば、柱状部または他の板状部等)を備えていてもよい。例えば、ベース部材32が、図1に示したベース部材12と同様の形状を有していてもよい。
図9を参照して、接合部材34は、第2板状部44を含む。第2板状部44は、ベース部材32の平面42aに突き当てられた突き当て面44a、並びに突き当て面44aから平面42aに交差する方向(本実施形態では、第2方向D2)に延びる第1面44bおよび第2面44cを有する。第1面44bおよび第2面44cは、互いに平行に設けられる。なお、本実施形態では、第2板状部44のみによって接合部材34が構成されているが、接合部材が、第2板状部44に加えて他の形状を有する部分(たとえば、柱状部または他の板状部等)を備えていてもよい。例えば、接合部材が、図1に示した接合部材14と同様の形状を有していてもよい。
ベース部材32および接合部材34の材料としては、例えば、鋼等の種々の金属材料を用いることができる。具体的には、たとえば、ベース部材32および接合部材34の材料として、引張強度が270MPa以上の鋼板を用いることができる。特に、溶接構造部材30の強度を十分に確保するためには、たとえば、ベース部材32および接合部材34の材料として高強度鋼板(たとえば、引張強度が590MPa以上の鋼板)が用いられる。溶接構造部材30の強度をより向上させるためには、ベース部材32および接合部材34として用いられる鋼板の引張強度は、780MPa以上であることが好ましく、980MPa以上であることがより好ましく、1180MPa以上であることがさらに好ましい。また、ベース部材32および接合部材34としては、さらに高強度の鋼板(たとえば、引張強度が1500MPa以上の鋼板)を用いることもできる。ベース部材32の第1板状部42の厚みおよび接合部材34の第2板状部44の厚みはそれぞれ、たとえば、自動車の足回り部材の材料として使用される鋼板の厚みと同程度である。具体的には、第1板状部42および第2板状部44の厚みはそれぞれ、たとえば、0.8mm〜4.5mmの範囲に設定される。
図8を参照して、溶接ビード36は、ベース部材32の平面42aと接合部材34とを接合する。本実施の形態では、溶接ビード36は、突き当て面44a(図9参照)の第1面44b側の縁部に沿って延びるように形成されている。補助ビード38は、ベース部材32の平面42a上において、溶接ビード36に対して略平行に延びるように形成される。溶接ビード36および補助ビード38はそれぞれ、たとえば、アーク溶接によって形成される。
図10は、ベース部材32、接合部材34(第2板状部44)の突き当て面44a、溶接ビード36および補助ビード38を、ベース部材32の平面42a(図8参照)に対して垂直な方向(本実施形態では、第2方向D2)に投影した図である。なお、本実施形態では、図10に示すように、溶接ビード36の延伸方向における突き当て面44aの端部46a,46bごとに、前後方向を規定する。具体的には、突き当て面44aの端部46aを基準とした場合、該端部46aから溶接ビード36の延伸方向に見て突き当て面44aが存在する方向を後方、その逆方向を前方とする。また、突き当て面44aの端部46bを基準とした場合、端部46bから溶接ビード36の延伸方向に見て突き当て面44aが存在する方向を後方、その逆方向を前方とする。
以下、接合部材34、溶接ビード36および補助ビード38の位置関係を説明するが、該位置関係は、図10に示した投影図における位置関係のことである。
図10を参照して、溶接ビード36は、接合部材34の突き当て面44aと補助ビード38との間を、突き当て面44aに沿って前後方向に延びている。突き当て面44aの端部46aを基準として、溶接ビード36は、端部46aよりも前方に突出している。同様に、突き当て面44aの端部46bを基準として、溶接ビード36は、端部46bよりも前方に突出している。本実施形態では、溶接ビード36のうち、端部46aを基準として、端部46aよりも前方に突出する部分の長さLBは、たとえば、20mm以下である。溶接ビード36のうち、端部46bを基準として、端部46bよりも前方に突出する部分の長さについても同様である。
突き当て面44aの端部46aを基準として、補助ビード38の後端は、端部46aよりも後方に4.0mmの位置よりも前方に位置し、かつ端部46aよりも前方に14.0mmの位置よりも後方に位置している。また、突き当て面44aの端部46aを基準として、補助ビード38の前端は、端部46aよりも前方に位置している。補助ビード38と突き当て面44aの第1面44b(図9参照)側の縁部との左右方向(溶接ビード36の延伸方向に直交する方向)における距離d(補助ビード38と第1面44b(図8参照)との左右方向における距離)は、16.0mm以上39.0mm以下に設定される。なお、距離dは、24.0mm以上に設定されることが好ましい。また、補助ビード38の前後方向における長さは、14.0mm以上に設定されることが好ましく、50.0mm以下に設定されることが好ましい。
本実施形態に係る溶接構造部材30では、補助ビード38を形成するための領域が制限されている場合でも、上記のように補助ビード38を形成することにより、溶接ビード36の延伸方向における第2板状部44の一方の端部と溶接ビード36との境界部近傍において、大きな応力が発生することを抑制することができる。これにより、溶接構造部材30の疲労強度を向上させることができる。
なお、上述の実施形態では、1つの補助ビード38を有する溶接構造部材30について説明したが、補助ビード38の数は、上述の例に限定されない。
図11は、本発明の他の実施形態に係る溶接構造部材30aのベース部材32、接合部材34(第2板状部44)の突き当て面44a、溶接ビード36および補助ビード38,38aを、ベース部材32の平面42a(図9参照)に対して垂直な方向に投影した図である。なお、図11に示す溶接構造部材30aが上述の溶接構造部材30と異なるのは、突き当て面44aの端部46bの近傍にも、溶接ビード36に対して略平行に延びるように補助ビード38aが形成されている点である。以下の説明において、補助ビード38aの前後方向は、端部46bを基準として規定された前後方向を意味する。
本実施形態では、突き当て面44aの端部46bを基準として、補助ビード38aの後端は、端部46bよりも後方に4.0mmの位置よりも前方に位置し、かつ端部46bよりも前方に14.0mmの位置よりも後方に位置している。また、突き当て面44aの端部46bを基準として、補助ビード38aの前端は、端部46bよりも前方に位置している。補助ビード38aと突き当て面44aの第1面44b(図9参照)側の縁部との左右方向(溶接ビード36の延伸方向に直交する方向)における距離は、上述の距離dと同様に設定される。補助ビード38aの前後方向における長さは、補助ビード38と同様に設定される。
本実施形態に係る溶接構造部材30aでは、溶接ビード36の延伸方向における第2板状部44の両端部と溶接ビード36との境界部近傍において、大きな応力が発生することを抑制することができる。
上述の実施形態では、接合部材34が、平面視において直線状に延びる第2板状部44を有する場合について説明したが、第2板状部44の形状は上述の例に限定されない。
図12は、本発明のその他の実施形態に係る溶接構造部材30bのベース部材32、接合部材34(第2板状部44)の突き当て面44a、溶接ビード36および一対の補助ビード38を、ベース部材32の平面42a(図9参照)に対して垂直な方向に投影した図である。なお、図12に示す溶接構造部材30bが上述の溶接構造部材30と異なるのは、接合部材34の第2板状部44が平面視においてV字形状を有している点、溶接ビード36が平面視においてV字状に延びるように形成されている点、および一対の補助ビード38を有している点である。
本実施形態では、上記のように、第2板状部44が平面視においてV字形状を有しているので、突き当て面44aも、平面視においてV字形状を有している。溶接ビード36は、接合部材34(第2板状部44)の外面に沿ってV字状に延びるように設けられている。
本実施形態では、図12に示すように、上記突き当て面44aの一対の端部(溶接ビード36の延伸方向における端部)ごとに、上述の実施形態と同様に前後方向を定義して、上記一対の端部に対してそれぞれ補助ビード38が形成される。これにより、第2板状部44の両端部と溶接ビード36との境界部近傍において、大きな応力が発生することを抑制することができる。その結果、溶接構造部材30bの疲労強度を向上させることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、上述の解析モデル10と同様に、接合部材が平面視においてU字形状を有している場合にも、上記突き当て面の端部ごとに前後方向を定義して、本発明を適用できる。
本発明によれば、溶接構造部材において補助ビードを配置するための領域が制限されている場合でも、疲労強度を向上させることができる。したがって、本発明に係る溶接構造部材は、たとえば、車体の構成部材として好適に用いることができる。
10 解析モデル
12,32 ベース部材
14,34 接合部材
16,36 溶接ビード
20,38,38a 補助ビード
30,30a,30b 溶接構造部材

Claims (4)

  1. 平面を有する第1板状部を含み、かつ金属からなるベース部材と、
    前記ベース部材の前記平面に突き当てられた突き当て面、並びに前記突き当て面から前記平面に交差する方向に延びる互いに平行な第1面および第2面を有する第2板状部を含み、かつ金属からなる接合部材と、
    前記突き当て面の前記第1面側の縁部に沿って延び、かつ前記ベース部材の前記平面と前記接合部材とを接合する溶接ビードと、
    前記ベース部材の前記平面上に形成され、かつ前記溶接ビードに対して略平行に延びる補助ビードと、を備え、
    前記接合部材の前記突き当て面、前記溶接ビードおよび前記補助ビードを、前記ベース部材の前記平面に対して垂直な方向に投影した場合に、
    前記溶接ビードの延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とし、
    前記溶接ビードは、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
    前記補助ビードの後端は、前記突き当て面の前記端部よりも後方に4.0mmの位置よりも前方に位置し、かつ前記端部よりも前方に14.0mmの位置よりも後方に位置し、
    前記補助ビードの前端は、前記突き当て面の前記端部よりも前方に位置し、
    前記溶接ビードの延伸方向に直交する方向における前記補助ビードと前記突き当て面の前記第1面側の縁部との距離は、16.0mm以上39.0mm以下である、溶接構造部材。
  2. 前記補助ビードの前後方向における長さは、14.0mm以上である、請求項1に記載の溶接構造部材。
  3. 前記溶接ビードの延伸方向に直交する方向における前記補助ビードと前記突き当て面の前記第1面側の縁部との前記距離は、24.0mm以上である、請求項1または2に記載の溶接構造部材。
  4. 前記第2板状部の厚みは、0.8mm以上4.5mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の溶接構造部材。
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