JP7081430B2 - 溶接構造部材 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接構造部材に関する。
近年、自動車の燃費向上のために、車体の軽量化が進められている。そして、車体の軽量化を実現するために、高強度の薄鋼板同士を溶接した溶接構造部材が車体材料として用いられている。
車体の構成部材として用いられる溶接構造部材には、優れた疲労強度が求められる。しかしながら、高強度薄鋼板を用いた場合でも溶接構造部材の疲労強度を十分に向上させることは難しい。そこで、従来、溶接構造部材の疲労強度を向上させるための種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1に開示された隅肉アーク溶接継手は、金属部材同士を接合するための隅肉ビードと、該隅肉ビードに重なるように形成された補剛用ビードとを備えている。特許文献1には、上記のように形成された補剛用ビードによって、溶接継手の疲労強度を向上させることができることが記載されている。
国際公開第2013/157557号
しかしながら、本発明者らの種々の検討の結果、上記のように隅肉ビードと補剛用ビードとを重ねて形成した場合、ビード同士が重なる部分において応力集中が生じるおそれがあることが分かった。この場合には、応力集中部において疲労強度が低下することが考えられる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、優れた疲労強度を有する溶接構造部材を提供することを目的としている。
本発明は、下記の溶接構造部材を要旨とする。
(1)平面を有する厚みが4.5mm以下の第1板状部を含む、金属製のベース部材と、
前記ベース部材の前記平面に突き当てられた突き当て面、並びに前記突き当て面から前記平面に交差する方向に延びる互いに平行な第1面および第2面を有する厚みが4.5mm以下の第2板状部を含む、金属製の接合部材と、
前記突き当て面の前記第1面側の縁部に沿って延び、かつ前記ベース部材の前記平面と前記接合部材とを接合する溶接ビード部と、
前記ベース部材の前記平面上に形成され、かつ前記溶接ビード部に対して略平行に延びる補剛ビード部と、を備え、
前記接合部材の前記突き当て面、前記溶接ビード部および前記補剛ビード部を、前記ベース部材の前記平面に対して垂直な方向に投影した場合に、
前記溶接ビード部の延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とし、
前記溶接ビード部は、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
前記補剛ビード部は、前記溶接ビード部の延伸方向に直交する方向において、前記突き当て面から見て、前記溶接ビード部と同じ側に設けられ、
前記補剛ビード部の幅は、前記補剛ビード部の後端から前方に行くにつれて増加した後、前記補剛ビード部の前端に向かって減少する、溶接構造部材。
(2)前記補剛ビード部のうち幅が最大となる部分は、前記突き当て面の前記前端から前方に5mmの位置よりも後方に位置する、上記(1)に記載の溶接構造部材。
(3)前記補剛ビード部の前後方向における中心は、前記突き当て面の前記端部から後方に0~10mmの範囲に位置する、上記(1)または(2)に記載の溶接構造部材。
(4)前記補剛ビード部のうち幅が最大となる部分は、前記補剛ビード部の前後方向における中心よりも前方に位置する、上記(1)から(3)のいずれかに記載の溶接構造部材。
本発明によれば、溶接構造部材の疲労強度を向上させることができる。
図1は、溶接構造部材の解析モデルを示す斜視図である。 図2は、解析モデルの左右方向における中央部を示す平面図である。 図3は、補剛ビード部を有する解析モデルを示す平面図である。 図4は、解析結果を示す図である。 図5は、解析結果を示す図である。 図6は、補剛ビード部を有する解析モデルを示す平面図である。 図7は、解析結果を示す図である。 図8は、解析結果を示す図である。 図9は、解析結果を示す図である。 図10は、補剛ビード部を有する解析モデルを示す平面図である。 図11は、補剛ビード部を有する解析モデルを示す平面図である。 図12は、解析結果を示す図である。 図13は、解析結果を示す図である。 図14は、解析結果を示す図である。 図15は、解析結果を示す図である。 図16は、本発明の一実施形態に係る溶接構造部材を示す斜視図である。 図17は、ベース部材および接合部材を示す正面図である。 図18は、ベース部材、接合部材の突き当て面、溶接ビード部および補剛ビード部を、ベース部材の平面に対して垂直な方向に投影した図である。 図19は、本発明の他の実施形態に係る溶接構造部材のベース部材、接合部材の突き当て面、溶接ビード部および補剛ビード部を、ベース部材の平面に対して垂直な方向に投影した図である。 図20は、本発明のその他の実施形態に係る溶接構造部材のベース部材、接合部材の突き当て面、溶接ビード部および補剛ビード部を、ベース部材の平面に対して垂直な方向に投影した図である。
(本発明者らによる検討)
本発明者らは、溶接構造部材の疲労強度を向上させるために、種々の検討を行なった。具体的には、溶接構造部材の解析モデルを作成してFEM解析を行なうことによって、溶接構造部材の疲労強度についての検討を行なった。
図1は、溶接構造部材の解析モデルを示す斜視図である。図1に示すように、解析モデル10は、第1方向D1に延びるベース部材12、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びる接合部材14、およびベース部材12と接合部材14とを接合する溶接ビード部16を備えている。ベース部材12および接合部材14はそれぞれ、開断面形状を有している。以下の説明では、第1方向D1を左右方向とし、第2方向D2を上下方向とする。
図2は、解析モデル10の左右方向における中央部を示す平面図である。図2に示すように、解析モデル10の平面視において、溶接ビード部16は、接合部材14の外面に沿って設けられている。以下の説明では、平面視において、第1方向(左右方向)D1に直交する方向を前後方向とする。
図1に示すように、ベース部材12には、複数の穴12a~12gが形成されている。また、前後方向において穴12gに対向する位置にも穴12hが形成されている。接合部材14には、2つの穴14a,14bが形成されている。図1および図2に示すように、溶接ビード部16の両端は、接合部材14の前端部14c,14dよりも前方に突出している。
なお、本発明者らのこれまでの研究により、解析モデル10では、接合部材14を上方に引っ張った場合に、接合部材14の前端部14c,14dと溶接ビード部16との境界部18a,18bの近傍において、最大主応力の値が大きくなり易いことが分かっている。このため、解析モデル10と同様の構成を有する溶接構造部材では、上記境界部18a,18bの近傍において亀裂が発生し易いと考えられる。そのため、溶接構造部材の疲労強度を向上させるためには、境界部18a,18bの近傍の応力を低減させることが重要である。このような観点から、本発明者らは、以下に説明する解析を行なった。
以下に、解析モデル10の詳細な構成を示す。
(ベース部材)
厚み:2.6mm
上下方向(第2方向D2)の長さ:50mm
左右方向(第1方向D1)の長さ:300mm
前後方向(第1方向D1および第2方向D2に直交する方向)の長さ:150mm
穴12b,12cの中心間距離:230mm
穴12a,12dの中心間距離:230mm
穴12f,12gの中心間距離:230mm
穴12e,12hの中心間距離:230mm
穴12b,12aの中心間距離:100mm
穴12c,12dの中心間距離:100mm
上面13から穴12f,12g,12e,12hの中心までの上下方向の距離:25mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
(接合部材)
厚み:2.6mm
上下方向の長さ:80mm
左右方向の長さ:70mm
前後方向の長さ:80mm
穴14aの位置:側壁部15aの中央
穴14bの位置:側壁部15bの中央
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
(溶接ビード部)
幅WB(図2参照):4.3mm
高さ(上下方向の長さ):5.0mm
接合部材の前端部から前方へ突出する部分の長さLB(図2参照):13.7mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
FEM解析では、ベース部材12の複数の穴12a~12hに固定治具(剛体)を配置してベース部材12を固定するとともに、接合部材14の穴14a,14bに円柱状の部材(剛体)を通し、その部材を介して接合部材14を上方(ベース部材12から離れる方向)に2.0kNの力で引っ張った。そして、解析モデル10において、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。その結果、最大主応力の最大値は、830MPaであった。なお、解析モデル10は、左右対称形状を有しているので、境界部18aの近傍に生じる最大主応力と、境界部18bの近傍に生じる最大主応力は等しい。
さらに、本発明者らは、図3に示すように、上述の解析モデル10において、接合部材14の外側でかつベース部材12の上面13に、前後方向に延びる一対の補剛ビード部20を形成して、上述の解析と同様に、接合部材14を上方に2.0kNの力で引っ張った。そして、上記境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。なお、本発明者らは、補剛ビード部20の前後方向における長さL、および前後方向における補剛ビード部20の中心位置Pが異なる複数の解析モデル10を作成して、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。補剛ビード部20の形状は直方体とし、接合部材14と補剛ビード部20との左右方向における距離dは5.3mmとした。
以下に、補剛ビード部20の詳細な構成を示す。
(補剛ビード部)
幅W1(左右方向の長さ):5.0mm
高さ(上下方向の長さ):2.0mm
前後方向の長さL1:20.0mm、26.0mm、32.0mm、35.0mm、38.0mm
距離d:5.3mm
ヤング率:210000MPa
ポアソン比:0.3
図4は、補剛ビード部20の長さL1を32.0mmに設定した解析モデルにおいて、補剛ビード部20の中心位置Pと境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値との関係を示す図である。
図4および後述の他の図において、補剛ビード部20の中心位置Pは、接合部材14の前端部14c,14dの位置Pからの前後方向における距離で示す。位置Pが正の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも前方の位置であることを意味し、位置Pが負の値で示されている場合には、位置Pが位置Pよりも後方の位置であることを意味する。
図4に示すように、本発明者らの解析の結果、補剛ビード部20の長さL1が32.0mmに設定されている場合には、補剛ビード部20の中心位置を適切に調整することによって、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を、補剛ビード部を有していない解析モデルにおける最大主応力の最大値(830MPa)よりも十分に小さくできることが分かった。
図5は、各解析モデルの補剛ビード部20の長さL1と、各解析モデルにおいて最大主応力の最大値が最も低くなったときの値(最大主応力最大値の最小値)との関係を示す図である。図5に示した結果から、補剛ビード部20の長さL1を長くすることによって、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を小さくできることが分かった。
上記の結果を踏まえて、本発明者らは、さらに、補剛ビード部の形状と、境界部18a,18bの近傍に生じる応力との関係について詳細な検討を行った。具体的には、図6に示すように、上述の補剛ビード部20に代えて、前後方向において幅が変化する補剛ビード部30を形成した解析モデル10を作成し、上述の解析と同様の条件で解析を行った。なお、図6に示す補剛ビード部30は、半楕円柱形状を有している。本解析では、補剛ビード部30の長さL2を32.0mmとし、高さを2.0mmとして、補剛ビード部30の最大幅W2および前後方向における中心位置Pが異なる複数の解析モデル10を作成して、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。
図7および図8に解析結果を示す。なお、図7は、補剛ビード部30の中心位置Pと境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値との関係を示す図である。また、図8は、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力最大値の最小値と補剛ビード部30の最大幅W2との関係を示す図である。
図7に示すように、本解析でも、補剛ビード部30の中心位置を適切に調整することによって、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を、補剛ビード部を有していない解析モデルにおける最大主応力の最大値(830MPa)よりも十分に小さくできることが分かった。本解析では、補剛ビード部30の中心位置Pを、接合部材14の前端部14c,14dの位置P(図6参照)から後方に0~10mmの範囲に位置付けることによって、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を効果的に低減できることが分かった。特に、補剛ビード部30の中心位置Pが、前端部14c,14dの位置Pから後方に5mm程度に位置する場合に、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値の低下量が大きくなることも分かった。また、図8に示すように、補剛ビード部30の最大幅W2を大きくすることによって、応力低減効果が向上することも分かった。
図9は、補剛ビード部20を形成した場合の解析結果と、補剛ビード部30を形成した場合の解析結果とを比較した図である。なお、上述の解析では、補剛ビード部20を形成する場合には、幅W1(図3参照)を5.0mmに固定して長さL1(図3参照)を変化させ、補剛ビード部30を形成する場合には、長さL2(図6参照)を32.0mmに固定して最大幅W2(図6参照)を変化させている。したがって、評価基準を統一するために、図9では、補剛ビード部20,30の体積と、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値の最小値とを比較している。
図9に示した結果から、補剛ビード部の体積が同じ場合には、補剛ビード部の長さを長くするよりも、前後方向において補剛ビード部の幅を変化させて、補剛ビード部の最大幅を大きくする方が、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を効果的に低減できることが分かった。なお、所定の応力低減効果を期待して補剛ビード部を形成する場合には、直線状の補剛ビード部を形成するよりも、前後方向において幅が変化する補剛ビード部を形成する方が、補剛ビード部の体積を小さくすることができる。このため、前後方向において幅が変化する補剛ビード部を形成する場合には、補剛ビード部を形成することによる溶接構造部材の重量増加を抑制することができる。
本発明者らはさらに、前後方向において幅を変化させた補剛ビード部30において、幅が最大となる部分(最大幅W2を示す部分)の前後方向における位置と、境界部18a,18bの近傍に生じる応力との関係について検討を行った。具体的には、上述の補剛ビード部30の代わりに、図10および図11に示す補剛ビード部30a,30bを形成した解析モデル10を作成して、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。
なお、図10に示す補剛ビード部30aが上述の補剛ビード部30と異なるのは、補剛ビード部30aの幅が最大となる部分(破線で示す部分)の位置Pが、補剛ビード部30aの前後方向における中心位置Pよりも3mm前方に位置している点である。また、図11に示す補剛ビード部30bが上述の補剛ビード部30と異なるのは、補剛ビード部30bの幅が最大となる部分(破線で示す部分)の位置Pが、補剛ビード部30aの前後方向における中心位置Pよりも3mm後方に位置している点である。
なお、図10および図11に示す補剛ビード部30a,30bにおいて、破線よりも前方の部分および破線よりも後方の部分はそれぞれ、平面視において1/4楕円形状を有している。本解析では、補剛ビード部30a,30bの長さL2は32.0mmとし、最大幅W2は7.5mmとして、補剛ビード部30a,30bの前後方向における中心位置Pを変化させて、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力を求めた。
図12~図15に解析結果を示す。具体的には、図12および図13は、補剛ビード部30a,30bの中心位置Pと境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値との関係を示す図である。図12および図13に示すように、本解析でも、補剛ビード部30を形成する場合と同様に、補剛ビード部30a,30bの中心位置Pを適切に調整することによって、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値を、補剛ビード部を有していない解析モデルにおける最大主応力の最大値(830MPa)よりも十分に小さくできることが分かった。
図14は、補剛ビード部30,30a,30bを形成した解析モデルにおいて境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値が最も低くなったときの値を比較した図である。なお、図14に示す補剛ビード部30の解析結果は、最大幅W2を7.5mmに設定した場合の解析結果である。図14に示すように、境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値の最小値は、補剛ビード部30aを形成した解析モデル10において最も低くなった。この結果から、補剛ビード部のうち幅が最大となる部分を、補剛ビード部の前後方向における中心よりも前方に位置付けることによって、応力低減効果がさらに向上することが分かった。
図15は、補剛ビード部30,30a,30bの幅が最大になる部分(幅最大部)の位置と境界部18a,18bの近傍に生じる最大主応力の最大値との関係を示す図である。なお、補剛ビード部30の幅が最大になる部分は、図6に示すように、補剛ビード部30の前後方向における中心位置Pに等しい。一方、図10および図11に示すように、補剛ビード部30a,30bの幅が最大になる部分の前後方向における位置は、位置Pである。
なお、図15において、補剛ビード部の幅最大部の位置は、接合部材14の前端部14c,14dの位置Pからの前後方向における距離で示す。幅最大部の位置が正の値で示されている場合には、幅最大部の位置が位置Pよりも前方の位置であることを意味し、幅最大部の位置が負の値で示されている場合には、幅最大部の位置が位置Pよりも後方の位置であることを意味する。
図15に示した結果から、補剛ビード部の幅最大部が、接合部材14の前端部14c,14dの位置Pから前方に5mmの位置よりも後方に位置していることが好ましく、位置Pから後方に15mmの位置よりも前方に位置することが好ましいことが分かった。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
(本発明の実施形態の説明)
以下、本発明の実施形態に係る溶接構造部材について図面を用いて説明する。図16は、本発明の一実施形態に係る溶接構造部材を示す斜視図である。
図16に示すように、溶接構造部材31は、第1方向D1に延びるベース部材32と、第2方向D2に延びる接合部材34と、ベース部材32と接合部材34とを接合する溶接ビード部36と、補剛ビード部38とを備えている。
なお、図16に示した例では、第2方向D2が第1方向D1に対して垂直であるが、第2方向D2が第1方向D1に対して傾斜していてもよい。すなわち、本実施形態では、接合部材34は、ベース部材32に対して垂直になるようにベース部材32に溶接されているが、接合部材34が、ベース部材32に対して傾斜するようにベース部材32に溶接されてもよい。なお、以下においては、第1方向D1を左右方向とし、第2方向D2を上下方向とする。
図17は、ベース部材32および接合部材34を示す正面図である。なお、図17においては、溶接ビード部36および補剛ビード部38の図示は省略している。図16および図17を参照して、ベース部材32は、第1板状部42を含む。第1板状部42は、平面42aを有する。なお、本実施形態では、第1板状部42のみによってベース部材32が構成されているが、ベース部材が、第1板状部42に加えて他の形状を有する部分(例えば、柱状部または他の板状部等)を備えていてもよい。例えば、ベース部材32が、図1に示したベース部材12と同様の形状を有していてもよい。
図17に示すように、接合部材34は、第2板状部44を含む。第2板状部44は、ベース部材32の平面42aに突き当てられた突き当て面44a、並びに突き当て面44aから平面42aに交差する方向(本実施形態では、第2方向D2)に延びる第1面44bおよび第2面44cを有する。第1面44bおよび第2面44cは、互いに平行に設けられる。なお、本実施形態では、第2板状部44のみによって接合部材34が構成されているが、接合部材が、第2板状部44に加えて他の形状を有する部分(例えば、柱状部または他の板状部等)を備えていてもよい。例えば、接合部材が、図1に示した接合部材14と同様の形状を有していてもよい。
ベース部材32および接合部材34の材料としては、例えば、鋼等の種々の金属材料を用いることができる。具体的には、例えば、ベース部材32および接合部材34の材料として、引張強度が270MPa以上の鋼板を用いることができる。特に、溶接構造部材31の強度を十分に確保するためには、例えば、ベース部材32および接合部材34の材料として高強度鋼板(例えば、引張強度が590MPa以上の鋼板)が用いられる。溶接構造部材31の強度をより向上させるためには、ベース部材32および接合部材34として用いられる鋼板の引張強度は、780MPa以上であることが好ましく、980MPa以上であることがより好ましく、1180MPa以上であることがさらに好ましい。また、ベース部材32および接合部材34としては、さらに高強度の鋼板(例えば、引張強度が1500MPa以上の鋼板)を用いることもできる。本実施形態では、ベース部材32および接合部材34として薄板が用いられる。ベース部材32の第1板状部42の厚みおよび接合部材34の第2板状部44の厚みはそれぞれ4.5mm以下であり、自動車の足回り部材として使用される鋼板の厚みと同程度である。本実施形態では、第1板状部42および第2板状部44の厚みはそれぞれ、例えば、0.8mm~4.5mmの範囲に設定される。
図16に示すように、溶接ビード部36は、ベース部材32の平面42aと接合部材34とを接合する。本実施形態では、ベース部材32と接合部材34とは、溶接ビード部36によって隅肉溶接されている。溶接ビード部36は、突き当て面44a(図17参照)の第1面44b側の縁部に沿って延びるように形成されている。補剛ビード部38は、ベース部材32の平面42a上において、溶接ビード部36に対して略平行に延びるように形成される。
本実施形態では、溶接ビード部36は、1本のビード36aによって構成されているが、複数のビードによって構成されてもよい。また、本実施形態では、補剛ビード部38は、複数(本実施形態では3本)のビード38aによって構成されているが、1本のビードによって構成されてもよい。溶接ビード部36および補剛ビード部38はそれぞれ、例えば、アーク溶接によって形成される。なお、溶接ビード部36および補剛ビード部38の材料としては、公知の種々の溶接材料を用いることができる。
図18は、ベース部材32、接合部材34(第2板状部44)の突き当て面44a、溶接ビード部36および補剛ビード部38を、ベース部材32の平面42a(図17参照)に対して垂直な方向(本実施形態では、第2方向D2)に投影した図である。なお、本実施形態では、図18に示すように、溶接ビード部36の延伸方向における突き当て面44aの端部46a,46bごとに、前後方向を規定する。具体的には、突き当て面44aの端部46aを基準とした場合、該端部46aから溶接ビード部36の延伸方向に見て突き当て面44aが存在する方向を後方、その逆方向を前方とする。また、突き当て面44aの端部46bを基準とした場合、端部46bから溶接ビード部36の延伸方向に見て突き当て面44aが存在する方向を後方、その逆方向を前方とする。
以下、接合部材34、溶接ビード部36および補剛ビード部38の位置関係を説明するが、該位置関係は、図18に示した投影図における位置関係のことである。
図18に示すように、溶接ビード部36は、接合部材34の突き当て面44aと補剛ビード部38との間を、突き当て面44aに沿って前後方向に延びている。より具体的には、溶接ビード部36は、左右方向(第1方向D1)における突き当て面44aの両縁部のうち、第1面44b(図17参照)側の縁部に沿って延びている。突き当て面44aの端部46aを基準として、溶接ビード部36は、端部46aよりも前方に突出している。同様に、突き当て面44aの端部46bを基準として、溶接ビード部36は、端部46bよりも前方に突出している。本実施形態では、溶接ビード部36のうち、端部46aを基準として、端部46aよりも前方に突出する部分の長さLBは、例えば、20mm以下である。溶接ビード部36のうち、端部46bを基準として、端部46bよりも前方に突出する部分の長さについても同様である。
補剛ビード部38は、溶接ビード部36の延伸方向(前後方向)に直交する方向(左右方向)において、突き当て面44aから見て、溶接ビード部36と同じ側に設けられている。本実施形態では、例えば、前後方向における補剛ビード部38の長さが、左右方向における補剛ビード部38の長さよりも長くなるように、補剛ビード部38が形成される。なお、図18に示した例では、突き当て面44aの端部46aを基準として、補剛ビード部38の後端は、端部46aよりも後方に位置し、補剛ビード部38の前端は、端部46aよりも前方に位置している。しかしながら、補剛ビード部38の後端が、端部46aよりも前方に位置していてもよく、補剛ビード部38の前端が、端部46aよりも後方に位置していてもよい。
本実施形態では、補剛ビード部38は、幅(左右方向における長さ)が、補剛ビード部38の後端から前方に行くにつれて増加した後、補剛ビード部38の前端に向かって減少するように形成されている。本実施形態では、補剛ビード部38の前後方向における中央部が、左右方向において溶接ビード部36から離れる方向に膨らむように、複数のビード38aが設けられている。
本実施形態では、補剛ビード部38において幅が最大となる部分(幅最大部)の前後方向における位置Pは、突き当て面44aの端部46aから前方に5mmの位置よりも後方に位置していることが好ましい。また、上記位置Pは、補剛ビード部38の前後方向における中心の位置Pよりも前方に位置することが好ましい。さらに、補剛ビード部38の前後方向における中心位置Pは、突き当て面44aの端部46aから後方に0~10mmの範囲に位置していることが好ましい。なお、補剛ビード部38の幅最大部は、端部46aの近傍に設けられることが好ましい。
なお、補剛ビード部38の後端は、例えば、突き当て面44aの端部46aから後方に40mmの位置よりも前方に位置することが好ましく、端部46aから後方に30mmの位置よりも前方に位置することがより好ましく、端部46aから後方に25mmの位置よりも前方に位置することがさらに好ましい。この場合、補剛ビード部38を配置するための領域が制限されていても、本発明を好適に利用できる。なお、補剛ビード部38の前後方向における長さLは、例えば、10.0mm以上に設定され、14.0mm以上に設定されることが好ましい。また、補剛ビード部38の長さLは、50.0mm以下に設定されることが好ましい。補剛ビード部38の最大幅(左右方向における最大長さ)は、例えば、5.0~9.0mmに設定される。また、本実施形態では、左右方向における補剛ビード部38と突き当て面44aとの距離dは、例えば、16.0mm未満に設定される。距離dは、5.3mm以上に設定されることが好ましい。
本実施形態に係る溶接構造部材31では、上記のように補剛ビード部38を形成することにより、溶接ビード部36の延伸方向における第2板状部44の一方の端部と溶接ビード36との境界部近傍において、大きな応力が発生することを抑制することができる。これにより、溶接構造部材31の疲労強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、突き当て面44aの端部46aの近傍であれば、補剛ビード部38が指定位置(設計上、指定された位置)から多少ずれた位置に形成されたとしても、同様の応力抑制効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、溶接ビード部36の外側に、補剛ビード部38を形成すればよい。これらの結果、溶接構造部材31の疲労強度を容易に向上させることができる。
なお、上述の実施形態では、1つの補剛ビード部38を有する溶接構造部材31について説明したが、補剛ビード部38の数は、上述の例に限定されない。例えば、図19に示す溶接構造部材31aのように、突き当て面44aの端部46bの近傍にも同様に、補剛ビード部38を形成してもよい。
上述の実施形態では、接合部材34が、平面視において直線状に延びる第2板状部44を有する場合について説明したが、第2板状部44の形状は上述の例に限定されない。
図20は、本発明のその他の実施形態に係る溶接構造部材31bのベース部材32、接合部材34(第2板状部44)の突き当て面44a、溶接ビード部36および一対の補剛ビード部38を、ベース部材32の平面42a(図16参照)に対して垂直な方向に投影した図である。なお、図20に示す溶接構造部材31bが上述の溶接構造部材31と異なるのは、接合部材34の第2板状部44が平面視においてV字形状を有している点、溶接ビード部36が平面視においてV字状に延びるように形成されている点、および一対の補剛ビード部38を有している点である。
本実施形態では、上記のように、第2板状部44が平面視においてV字形状を有しているので、突き当て面44aも、平面視においてV字形状を有している。溶接ビード部36は、接合部材34(第2板状部44)の外面に沿ってV字状に延びるように設けられている。
本実施形態では、図20に示すように、上記突き当て面44aの一対の端部(溶接ビード部36の延伸方向における端部)ごとに、上述の実施形態と同様に前後方向を定義して、上記一対の端部に対してそれぞれ補剛ビード部38が形成される。これにより、第2板状部44の両端部と溶接ビード部36との境界部近傍において、大きな応力が発生することを抑制することができる。その結果、溶接構造部材31bの疲労強度を向上させることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、上述の解析モデル10と同様に、接合部材が平面視においてU字形状を有している場合にも、上記突き当て面の端部ごとに前後方向を定義して、本発明を適用できる。
本発明によれば、優れた疲労強度を有する溶接構造部材が得られる。したがって、本発明に係る溶接構造部材は、たとえば、車体の構成部材として好適に用いることができる。
10 解析モデル
12,32 ベース部材
14,34 接合部材
16,36 溶接ビード部
20,30,38 補剛ビード部
31,31a,31b 溶接構造部材

Claims (4)

  1. 平面を有する厚みが4.5mm以下の第1板状部を含む、金属製のベース部材と、
    前記ベース部材の前記平面に突き当てられた突き当て面、並びに前記突き当て面から前記平面に交差する方向に延びる互いに平行な第1面および第2面を有する厚みが4.5mm以下の第2板状部を含む、金属製の接合部材と、
    前記突き当て面の前記第1面側の縁部に沿って延び、かつ前記ベース部材の前記平面と前記接合部材とを接合する溶接ビード部と、
    前記ベース部材の前記平面上に形成され、かつ前記溶接ビード部に対して略平行に延びる補剛ビード部と、を備え、
    前記接合部材の前記突き当て面、前記溶接ビード部および前記補剛ビード部を、前記ベース部材の前記平面に対して垂直な方向に投影した場合に、
    前記溶接ビード部の延伸方向における前記突き当て面の端部を基準として、該端部から前記延伸方向に見て前記突き当て面が存在する方向を後方、その逆方向を前方とし、
    前記溶接ビード部は、前記突き当て面の前記端部よりも前方に突出しており、
    前記補剛ビード部は、前記溶接ビード部の延伸方向に直交する方向において、前記突き当て面から見て、前記溶接ビード部と同じ側に設けられ、
    前記補剛ビード部の幅は、前記補剛ビード部の後端から前方に行くにつれて増加した後、前記補剛ビード部の前端に向かって減少する、溶接構造部材。
  2. 前記補剛ビード部のうち幅が最大となる部分は、前記突き当て面の前記端部から前方に5mmの位置よりも後方に位置する、請求項1に記載の溶接構造部材。
  3. 前記補剛ビード部の前後方向における中心は、前記突き当て面の前記端部から後方に0~10mmの範囲に位置する、請求項1または2に記載の溶接構造部材。
  4. 前記補剛ビード部のうち幅が最大となる部分は、前記補剛ビード部の前後方向における中心よりも前方に位置する、請求項1から3のいずれかに記載の溶接構造部材。
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