JP6802543B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の前部を形成する前部車体構造に関する。
自動車に乗車する乗員だけでなく、自動車と衝突したヒトや物体(以下、「衝突物」と称される)をも保護する機能が、自動車に要求されている。特許文献1は、衝突物を保護することができるバンパ構造を開示する。
特許文献1のバンパ構造は、エネルギ吸収バンパと、バンパ支持部材と、を有する。バンパ支持部材は、車幅方向に延びる角筒である。エネルギ吸収バンパは、角筒の上面及び下面に接続され、且つ、角筒の前方に突出する板材である。エネルギ吸収バンパは、バンパ支持部材にネジによって固定される。自動車が、衝突物に衝突すると、エネルギ吸収バンパは、変形され、衝突物への自動車の衝突の結果生じた衝突エネルギを吸収することができる。
特許文献2は、他のバンパ構造を開示する。特許文献2のバンパ構造は、U字状の断面をそれぞれ有する複数のパネル部材を備える。複数のパネル部材の上壁は、ネジによって締結される。複数のパネル部材の下壁は、リベットによって締結される。
特許文献1及び2のバンパ構造は、ネジやリベットを用いた締結作業を必要とする。したがって、これらのバンパ構造の製造には、時間がかかる。
特許文献3は、U字状の断面をそれぞれ有する2つのパネル部材によって形成されたバンパ構造を開示する。2つのパネル部材は、溶接技術によって接合されるので、特許文献3のバンパ構造は、特許文献1及び2の技術よりも生産効率において優れている。
特開平11−342812号公報 実開昭61−87763号公報 特開2008−44507号公報
特許文献3の開示技術に関して、溶接ガンは、パネル部材の上壁と下壁との間の空間に挿入される必要がある。したがって、上壁は、下壁から十分に離れていなければならない。すなわち、特許文献3の開示技術に基づいて製造されたパネル構造は、厚くなる。
自動車内へ空気を取り入れるための吸気口が、パネル構造に隣接して形成されることもある。厚いパネル構造が、用いられるならば、設計者は、吸気口に小さな面積を与えることを要求されることもある。
本発明は、効率的に生産可能な薄型のバンパレインフォースメント部材を有する前部車体構造を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る前部車体構造は、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント部材を備える。前記バンパレインフォースメント部材は、(i)前記車幅方向に延びる第1下板と、前記第1下板から後方に突出する下突出片と、前記第1下板の上方で前記車幅方向に延びる第1上板と、前記第1上板から後方に突出する上突出片と、前記第1下板と前記第1上板との間で前記車幅方向に延びる前板と、を有する前パネルと、(ii)前記前板の後方で、前記第1下板と前記第1上板との間に配置されたU字状の断面を有し、且つ、前記前パネルよりも高い剛性を有する後パネルと、を含む。前記後パネルは、前記下突出片に溶接され、下接合部を形成する下接合片と、前記上突出片に溶接され、上接合部を形成する上接合片と、を含む。前記下接合部は、前記上接合部と、平面視において部分的に重なるように、前記車幅方向において前記上接合部からずれた位置に形成される。
上記の構成によれば、後パネルの下接合片が溶接される前パネルの下突出片は、車幅方向に延びる第1下板から後方に突出し、且つ、後パネルの上接合片が溶接される前パネルの上突出片は、車幅方向に延びる第1上板から後方に突出するので、バンパレインフォースメント部材を製造する作業者は、溶接ガンを、第1下板と第1上板との間の空間に挿入しなくてもよい。したがって、バンパレインフォースメント部材は、薄くてもよい。
下接合部は、車幅方向において、上接合部からずれた位置に形成されるので、上接合部は、下突出片を下接合片に溶接する溶接ガンに干渉しない。同様に、下接合部は、上突出片を上接合片に溶接する溶接ガンに干渉しない。したがって、作業者は、バンパレインフォースメント部材を効率的に製造することができる。
前パネルは、後パネルよりも低い剛性を有するので、衝突物との衝突によって容易に変形される。すなわち、前パネルは、衝突物との衝突に起因する衝撃を効果的に吸収し、且つ、衝突物の損傷を軽減することに貢献することができる。一方、後パネルは、前パネルよりも高い剛性を有するので、後パネルの後方に配置された装置を、衝突物から保護することができる。
下接合部は、上接合部と、平面視において部分的に重なるので、衝突物との衝突下における衝撃力は、上接合部と下接合部とに分散されやすい。すなわち、衝突物との衝突下における応力集中は、後パネル及び前パネルの溶接部位に生じにくい。
上記の構成に関して、前記下接合部は、前記下接合部が前記平面視において狭まるように前記第1下板から後方に延びる第1側縁を含んでもよい。前記上接合部は、前記上接合部が前記平面視において狭まるように前記第1上板から後方に延びる第2側縁を含んでもよい。前記第1側縁は、前記第2側縁と、前記平面視において交差する。
上記の構成によれば、下接合部が平面視において狭まるように第1下板から後方に延びる第1側縁は、上接合部が平面視において狭まるように第1上板から後方に延びる第2側縁と、平面視において交差するので、下接合部の形成位置から上接合部の形成位置に亘って、剛性の変動は過度に大きくならない。したがって、衝突物との衝突下における応力集中は、後パネル及び前パネルの溶接部位に生じにくい。
上記の構成に関して、前記後パネルは、前記下接合片が形成された第1区間と前記第1区間よりも低い剛性を有する第2区間とを含む単一のパネル部材であってもよい。前記単一のパネル部材が前方に湾曲するように、前記第2区間は、屈曲されてもよい。前記前パネルは、前記第2区間に重なる第1端部から延びる第1パネル部材と、前記第1端部に重なる第2端部から、前記第1パネル部材の延設方向とは反対方向に延びる第2パネル部材と、を含んでもよい。
上記の構成によれば、第2区間は、下接合片が形成された第1区間よりも低い剛性を有するので、作業者は、第2区間で後パネルを曲げ、単一のパネル部材として形成された後パネルに前方へ湾曲する形状を容易に与えることができる。第2区間は、第1パネル部材の第1端部及び第2パネル部材の第2端部に重ねられるので、バンパレインフォースメント部材は、第2区間の形成位置においても高い剛性を有することができる。
単一のパネル部材として形成された後パネルとは異なり、前パネルは、第1パネル部材と第2パネル部材とを含み、且つ、後パネルよりも低い剛性を有するので、前パネルのU字形状の断面は、容易に形成される。
上記の構成に関して、前記後パネルは、前記第1下板に重なる第2下板と、前記第1上板に重なる第2上板と、含んでもよい。前記第1下板及び前記第2下板は、前記下接合部が連なる第1領域と、前記第1領域に隣接し、且つ、前記第1領域から上方にずれ、第1段差部を形成する第2領域と、を含んでもよい。前記第1上板及び前記第2上板は、前記上接合部が連なる第3領域と、前記第3領域に隣接し、且つ、前記第3領域から下方にずれ、第2段差部を形成する第4領域と、を含んでもよい。前記第1段差部は、前記第2段差部から前記車幅方向においてずれた位置に形成されてもよい。
上記の構成によれば、後パネルは、前パネルの第1上板と第2下板との間に配置されるので、第2下板は、第1下板よりも狭く、且つ、第2上板は、第1上板よりも狭くなる。したがって、後パネルのU字形状の断面は、容易に形成される。
第1下板及び第2下板は、第1領域と、第1領域から上方にずれ、第1段差部を形成する第2領域と、を含むので、ヒケやシワといった形状的不具合は、下突出片及び下接合片に生じにくい。したがって、作業者は、下接合片を、下突出片に適切に溶接し、下接合部を形成することができる。第1上板及び第2上板は、第3領域と、第3領域から下方にずれ、第2段差部を形成する第4領域と、を含むので、ヒケやシワといった形状的不具合は、上接合部を形成する上突出片及び上接合片に生じにくい。したがって、作業者は、上接合片を、上突出片に適切に溶接し、上接合部を形成することができる。
第2領域は、第1領域から上方にずれるので、応力集中は、第1領域と第2領域との間の第1段差部に集中しやすい。第4領域は、第3領域から下方にずれるので、応力集中は、第3領域と第4領域との間の第2段差部に集中しやすい。しかしながら、第1段差部は、第2段差部から車幅方向においてずれた位置に形成されるので、応力が集中する位置は、車幅方向において分散される。
上記の構成に関して、前記前パネルは、前記後パネルの形成に用いられる板材よりも薄い板材から形成されてもよい。
上記の構成によれば、前パネルは、後パネルの形成に用いられる板材よりも薄い板材から形成されるので、前パネルのU字状の断面は、容易に形成される。加えて、前パネルは、衝突物との衝突によって変形され、衝突物との衝突に起因する衝撃を効果的に吸収し、且つ、衝突物の損傷を軽減することに貢献することができる。
上述の前部車体構造のバンパレインフォースメント部材は、薄く、且つ、効率的に生産可能である。
前部車体構造として例示されるサブフレームの概略的な斜視図である。 図1に示されるサブフレームの概略的な側面図である。 図1に示されるサブフレームのバンパレインフォースメント部材の概略的な展開斜視図である。 図3に示されるバンパレインフォースメント部材の概略的な縦断面図である。 図3に示されるバンパレインフォースメント部材の他のもう1つの概略的な縦断面図である。 図3に示されるバンパレインフォースメント部材の概略的な平図である。 図3に示されるバンパレインフォースメント部材の前パネルの概略的な正面図である。 図3に示されるバンパレインフォースメント部材の後パネルの概略的な正面図である。
図1は、自動車の前部車体構造として例示されるサブフレーム100の概略的な斜視図である。図1を参照して、サブフレーム100が説明される。
サブフレーム100は、フレーム構造体110と、2つのクラッシュカン121,122と、バンパレインフォースメント部材200と、を備える。フレーム構造体110は、全体的に矩形状の枠構造を形成する。2つのクラッシュカン121,122は、フレーム構造体110から前方に延びる。クラッシュカン121は、クラッシュカン122の左方に配置される。バンパレインフォースメント部材200は、クラッシュカン121,122の前端に取り付けられる。バンパレインフォースメント部材200は、車幅方向に延設される。
フレーム構造体110は、支持構造体111と、2つのフロントサイドメンバ112,113と、クロスメンバ114と、2つの突出部材115,116と、2つの柱状部材117,118と、2つの連結部材131,132と、を含む。図1は、2つのロアアームLAL,LARを示す。支持構造体111は、2つのロアアームLAL,LARを支持する。左側のロアアームLALは、左側の前輪(図示せず)に連結される。右側のロアアームLARは、右側の前輪(図示せず)に連結される。フロントサイドメンバ112は、フロントサイドメンバ113の左方に配置される。フロントサイドメンバ112,113は、支持構造体111から前方に延設される。クロスメンバ114は、フロントサイドメンバ112,113の間で車幅方向に延びる。すなわち、クロスメンバ114は、バンパレインフォースメント部材200と略平行である。
柱状部材117は、左側のフロントサイドメンバ112の前端に溶接される。柱状部材118は、右側のフロントサイドメンバ113の前端に溶接される。連結部材131は、柱状部材117の上端に溶接される。連結部材132は、柱状部材118の上端に溶接される。連結部材131,132は、サブフレーム100を、サブフレーム100の上方の車体に連結するために用いられる。クラッシュカン121の後端は、柱状部材117に連結される。クラッシュカン122の後端は、柱状部材118に連結される。
突出部材115は、フロントサイドメンバ112及び柱状部材117に溶接される。突出部材115は、フロントサイドメンバ112及び柱状部材117から左方に突出する。突出部材116は、フロントサイドメンバ113及び柱状部材118に溶接される。突出部材116は、フロントサイドメンバ113及び柱状部材118から右方に突出する。
バンパレインフォースメント部材200は、左端部201と、右端部202と、中央部203と、を含む。左端部201は、クラッシュカン121の前端から左方に突出する。突出部材115は、バンパレインフォースメント部材200の左端部201の後方に位置する。右端部202は、クラッシュカン122の前端から右方に突出する。突出部材116は、バンパレインフォースメント部材200の右端部202の後方に位置する。中央部203は、左端部201と右端部202との間で車幅方向に延びる。
サブフレーム100が搭載された自動車(図示せず)が、バンパレインフォースメント部材200の中央部203の延設領域において衝突物と衝突するならば、衝撃力は、中央部203に加わる。このとき、クラッシュカン121,122は、圧縮変形されるので、クラッシュカン121,122の後方のフレーム構造体110へ伝達される衝撃力を効果的に吸収する。したがって、フレーム構造体110へ伝達される衝撃力は、大幅に低減される。
自動車が、クラッシュカン121の左側の領域において衝突物と衝突するならば(すなわち、Small Overlap衝突(以下、「SOL衝突」と称される)が生ずるならば)、衝突物は、バンパレインフォースメント部材200の左端部201及び突出部材115に順次衝突する。この間、クラッシュカン121,122は、ほとんど圧縮されない。同様に、自動車が、クラッシュカン122の右側の領域において衝突物と衝突するならば、衝突物は、クラッシュカン121,122をほとんど圧縮変形することなく、バンパレインフォースメント部材200の右端部202及び突出部材116に順次衝突する。したがって、SOL衝突に起因する大きな衝撃力は、突出部材115,116のうち一方に伝達される。
突出部材115が、大きな衝撃力を受けると、柱状部材117周りのモーメントが発生する。この結果、突出部材115とフロントサイドメンバ112との溶接部位において、フロントサイドメンバ112を右方(すなわち、車幅方向において内方)に屈曲させる力が、フロントサイドメンバ112に作用する。フロントサイドメンバ112は、右方に屈曲するので、フロントサイドメンバ112の後方の部位(たとえば、サブフレーム100の後方の車室(図示せず))へ伝達される衝撃力は、小さくなる。同様に、突出部材116が、大きな衝撃力を受けると、柱状部材118周りのモーメントが発生する。この結果、突出部材116とフロントサイドメンバ113との溶接部位において、フロントサイドメンバ113を左方(すなわち、車幅方向において内方)に屈曲させる力が、フロントサイドメンバ113に作用する。フロントサイドメンバ113は、左方に屈曲するので、フロントサイドメンバ113の後方の部位(たとえば、サブフレーム100の後方の車室)へ伝達される衝撃力は、小さくなる。したがって、サブフレーム100は、車室を、SOL衝突に起因する衝撃力から効果的に保護することができる。
図2は、サブフレーム100の概略的な側面図である。図1及び図2を参照して、サブフレーム100が更に説明される。
図2は、メインフレームMFMを示す。サブフレーム100は、メインフレームMFMの下方に配置される。サブフレーム100は、図1を参照して説明された連結部材131,132を用いて、メインフレームMFMに連結される。既知の様々な連結構造が、サブフレーム100及びメインフレームMFMの連結に適用されてもよい。本実施形態の原理は、サブフレーム100及びメインフレームMFMの連結に用いられる特定の連結構造に限定されない。
メインフレームMFMは、メインバンパビームMBBを含む。サブフレーム100のバンパレインフォースメント部材200と同様に、メインバンパビームMBBは、車幅方向に延びる。
図2に示されるように、バンパレインフォースメント部材200は、メインバンパビームMBBより前方に位置する。したがって、バンパレインフォースメント部材200は、メインバンパビームMBBより先に衝突物に当たることができる。衝突物が、歩行者であるならば、バンパレインフォースメント部材200は、歩行者の脛に当たる。この結果、歩行者は、自動車のボンネットに跳ね上げられやすくなり、歩行者が自動車から受ける衝撃力は、小さくなる。
図3は、バンパレインフォースメント部材200の概略的な展開斜視図である。図3を参照して、バンパレインフォースメント部材200が説明される。
バンパレインフォースメント部材200は、前パネル210と、後パネル220と、を含む。後パネル220は、車幅方向に延びる単一のパネル部材である一方で、前パネル210は、複数のパネル部材(以下、「中央パネル211」、「左パネル212」及び/又は「右パネル213」と称される)に分割された分割構造を有する。
中央パネル211は、図1を参照して説明された中央部203の一部を形成する。中央パネル211は、前板311と、上板312と、下板313と、を含む。前板311は、車幅方向に延び、バンパレインフォースメント部材200の前端縁面の一部を形成する。上板312は、前板311の上縁から後方に屈曲される。下板313は、前板311の下縁から後方に屈曲され、上板312に対向する。したがって、前板311、上板312及び下板313は、中央パネル211のU字状の断面を形成する。後パネル220の一部は、上板312と下板313との間の空間に配置される。
中央パネル211は、左端部315と、右端部316と、を含む。左端部315の一部を形成する前板311には、貫通穴317が形成される。貫通穴317は、左パネル212を中央パネル211に連結するために用いられる。右端部316の一部を形成する前板311には、貫通穴318が形成される。貫通穴318は、右パネル213を中央パネル211に連結するために用いられる。
左パネル212は、左端部325と、右端部326と、を含む。右端部326の少なくとも一部は、中央パネル211の左端部315を形成する上板312及び下板313の間の空間に配置される。左端部325は、図1を参照して説明されたバンパレインフォースメント部材200の左端部201を形成する。
左パネル212は、前板321と、上板322と、下板323と、を含む。前板321、上板322及び下板323は、左端部325から右端部326まで延びる。上板322は、前板321の上縁から後方に折り曲げられる。下板323は、前板321の下縁から後方に折り曲げられ、上板322に対向する。したがって、前板321、上板322及び下板323は、左パネル212のU字状の断面を形成する。後パネル220の一部は、上板322と下板323との間の空間に配置される。
左パネル212の右端部326は、中央パネル211の左端部315に挿入される。したがって、左パネル212の前板321、上板322及び下板323は、中央パネル211の前板311、上板312及び下板313にそれぞれ重なる。貫通穴328は、左パネル212の右端部326を形成する前板321に形成される。左パネル212の貫通穴328が中央パネル211の貫通穴317に重なるように、左パネル212は、中央パネル211に連結される。ピンや他の棒状部材は、貫通穴317,328に挿通される。この結果、左パネル212は、中央パネル211に対して精度よく位置決めされる。その後、左パネル212の右端部326は、中央パネル211の左端部315に溶接される。
他のもう1つの貫通穴327は、左パネル212の左端部325に位置する前板321に形成される。貫通穴327は、左パネル212を後パネル220に連結するために用いられる。
右パネル213は、左端部335と、右端部336と、を含む。左端部335の少なくとも一部は、中央パネル211の右端部316を形成する上板312及び下板313の間の空間に配置される。右端部336は、図1を参照して説明されたバンパレインフォースメント部材200の右端部202を形成する。
右パネル213は、前板331と、上板332と、下板333と、を含む。前板331、上板332及び下板333は、左端部335から右端部336まで延びる。上板332は、前板331の上縁から後方に折り曲げられる。下板333は、前板331の下縁から後方に折り曲げられ、上板332に対向する。したがって、前板331、上板332及び下板333は、右パネル213のU字状の断面を形成する。後パネル220の一部は、上板332と下板333との間の空間に配置される。
右パネル213の左端部335は、中央パネル211の右端部316に挿入される。したがって、右パネル213の前板331、上板332及び下板333は、中央パネル211の前板311、上板312及び下板313にそれぞれ重なる。貫通穴337は、右パネル213の左端部335を形成する前板331に形成される。右パネル213の貫通穴337が中央パネル211の貫通穴318に重なるように、右パネル213は、中央パネル211に連結される。ピンや他の棒状部材は、貫通穴318,337に挿通される。この結果、右パネル213は、中央パネル211に対して精度よく位置決めされる。その後、右パネル213の左端部335は、中央パネル211の右端部316に溶接される。
他のもう1つの貫通穴338は、右パネル213の右端部336に位置する前板331に形成される。貫通穴338は、右パネル213を後パネル220に連結するために用いられる。
図4A及び図4Bは、バンパレインフォースメント部材200の概略的な縦断面図である。図1、図3乃至図4Bを参照して、バンパレインフォースメント部材200が更に説明される。
図3を参照して説明された中央パネル211が、左パネル212と右パネル213とに連結されると、中央パネル211、左パネル212及び右パネル213の前板311,321,331は、バンパレインフォースメント部材200の左端部201(図1を参照)及び右端部202(図1を参照)間で車幅方向に延びる第1前板341を形成する。中央パネル211、左パネル212及び右パネル213の上板312,322,332は、バンパレインフォースメント部材200の左端部201及び右端部202間で車幅方向に延びる第1上板342を形成する(図1を参照)。中央パネル211、左パネル212及び右パネル213の下板313,323,333は、バンパレインフォースメント部材200の左端部201及び右端部202間で車幅方向に延びる第1下板343を形成する(図1を参照)。本実施形態に関して、前板は、第1前板341によって例示される。
図4A及び図4Bに示されるように、後パネル220は、前パネル210の第1上板342と第1下板343との間に配置される。後パネル220は、第2前板441と、第2上板442と、第2下板443と、を含む。第2前板441は、第1前板341の後方に位置する。第1前板341と同様に、第2前板441は、バンパレインフォースメント部材200の左端部201及び右端部202間で車幅方向に延びる。第2上板442は、第2前板441の上縁から後方に屈曲される。第2上板442は、第1下板343の上方で車幅方向に延びる第1上板342に重なる。第2下板443は、第2前板441の下縁から後方に屈曲され、前パネル210の第1下板343に重なる。したがって、第2前板441、第2上板442及び第2下板443は、前パネル210の第1上板342と第1下板343との間の空間内に配置されたU字状の断面を形成する。
前パネル210及び後パネル220のU字状の断面は、一般的な曲げ加工によって形成されてもよい。第2前板441から第2上板442の後端縁までの距離及び第2前板441から第2下板443の後端縁までの距離は、第1前板341から第1上板342の後端縁までの距離及び第1前板341から第1下板343の後端縁までの距離よりもそれぞれ短い。したがって、後パネル220のU字状の断面は、前パネル210のU字状の断面よりも、曲げ加工によって形成されやすい。サブフレーム100を設計する設計者は、前パネル210の形成に用いられる板材よりも厚い板材を、後パネル220の形成に用いられる板材として選択してもよい。設計者は、490MPaを超える引張強度を有する高張力鋼板を、後パネル220の形成に用いられる板材として選択することもできる。
前パネル210は、後パネル220よりも低い剛性を有する。したがって、自動車が、衝突物と衝突したとき、前パネル210は、衝突物によって容易に変形される。この結果、衝突物の損傷は、軽減される。一方、後パネル220は、前パネル210よりも高い剛性を有するので、後パネル220の後方に配置された様々な自動車設備を衝突物から保護することができる。
図3に示されるように、クラッシュカン121,122の前端は、第2上板442と第2下板443との間の空間に挿入される。衝突物が、クラッシュカン121,122の間で、後パネル220に衝突すると、後パネル220への衝突物の衝突に起因する衝撃力は、車幅方向に伝播され、クラッシュカン121,122の圧縮変形に利用される。
図4Aに示されるように、前パネル210は、第1下板343から後方に突出する下突出片344を含む。下突出片344は、下突出片344の真上に位置する第1上板342の後端縁よりも後方の領域として定義されてもよい。
後パネル220は、第2下板443から後方に突出する下接合片444を含む。下接合片444は、下接合片444の真上に位置する第2上板442の後端縁よりも後方の領域として定義されてもよい。下接合片444は、形状及び大きさにおいて、下突出片344と略一致している。下接合片444は、下突出片344に溶接される。この結果、下突出片344及び下接合片444は、下接合部510を形成する。
図4Bに示されるように、前パネル210は、第1上板342から後方に突出する上突出片345を含む。上突出片345は、上突出片345の真下に位置する第1下板343の後端縁よりも後方に領域として定義されてもよい。
後パネル220は、第2上板442から後方に突出する上接合片445を含む。上接合片445は、上接合片445の真下に位置する第2下板443の後端縁よりも後方に領域として定義されてもよい。上接合片445は、形状及び大きさにおいて、上突出片345と略一致している。上接合片445は、上突出片345に溶接される。この結果、上突出片345及び上接合片445は、上接合部520を形成する。
図3に示されるように、貫通穴446,447は、後パネル220の第2前板441に形成される。貫通穴446は、第2前板441の左端に形成され、左パネル212の前板321に形成された貫通穴327に連なる。ピンや他の棒状部材は、貫通穴327,446に挿通される。この結果、左パネル212は、後パネル220に対して精度よく位置決めされる。貫通穴447は、第2前板441の右端に形成され、右パネル213の前板331に形成された貫通穴328に連なる。ピンや他の棒状部材は、貫通穴328,447に挿通される。この結果、右パネル213は、後パネル220に対して精度よく位置決めされる。
図5は、バンパレインフォースメント部材200の概略的な平面図である。図4A乃至図5を参照して、バンパレインフォースメント部材200が説明される。
バンパレインフォースメント部材200は、複数の上接合部と、複数の下接合部と、を含む。図5は、複数の下接合部として、下接合部511,512,513を示す。図5は、複数の上接合部として、上接合部521,522,523,524を示す。下接合部511,512,513それぞれは、図4Aを参照して説明された下接合部510に対応する。下接合部510に関する説明は、下接合部511,512,513それぞれに援用される。上接合部521,522,523,524それぞれは、図4Bを参照して説明された上接合部520に対応する。上接合部520に関する説明は、上接合部521,522,523,524それぞれに援用される。
図5に示されるように、下接合部511,512,513は、形状及び大きさにおいて、一致していなくてもよい。設計者は、下接合部511,512,513の形状及び大きさを、バンパレインフォースメント部材200に要求される性能(たとえば、前パネル210と後パネル220との間の溶接強度)や他の設計要求に適合するように決定してもよい。
同様に、上接合部521,522,523,524は、形状及び大きさにおいて、一致していなくてもよい。設計者は、上接合部521,522,523,524の形状及び大きさを、バンパレインフォースメント部材200に要求される性能(たとえば、前パネル210と後パネル220との間の溶接強度)や他の設計要求に適合するように決定してもよい。
下接合部512と上接合部521,522との間の関係及び上接合部521と下接合部511,512との間の関係が、以下に説明される。これらの関係に関する説明は、下接合部513と上接合部523との間の関係に援用される。
下接合部512の大部分は、上接合部521,522の間に形成された凹部に露出する。すなわち、下接合部512は、上接合部521,522から車幅方向にずれた位置に形成される。したがって、バンパレインフォースメント部材200を製造する作業者は、下突出片344(図4Aを参照)及び下接合片444(図4Aを参照)を、上接合部521,522に妨げられることなく溶接し、下接合部512を形成することができる。
上接合部521の大部分は、下接合部511,512の間に形成された凹部に露出する。すなわち、上接合部521は、下接合部511,512から車幅方向にずれた位置に形成される。したがって、作業者は、上突出片345(図4Bを参照)及び上接合片445(図4Bを参照)を、下接合部511,512に妨げられることなく溶接し、上接合部521を形成することができる。
下接合部512は、左縁531と右縁532とを含む。左縁531及び右縁532は、後方に向けて狭まる下接合部512の上面形状(平面視形状)を形成する。
上接合部521は、左縁541と右縁542とを含む。左縁541及び右縁542は、後方に向けて狭まる上接合部521の上面形状(平面視形状)を形成する。
上接合部522は、左縁543と右縁544とを含む。左縁543及び右縁544は、後方に向けて狭まる上接合部522の上面形状(平面視形状)を形成する。
下接合部512の左縁531は、上接合部521の右縁542に、平面視において交差する。したがって、下接合部512の左端部は、上接合部521の右端に、平面視において重なる。同様に、下接合部512の右縁532は、上接合部522の左縁543に、平面視において交差する。したがって、下接合部512の右端部は、上接合部522の左端に、平面視において重なる。この結果、上接合部521,522及び下接合部512の形成領域における剛性変動は、過度に大きくならない。したがって、応力集中は、上接合部521,522及び下接合部512の形成領域に生じにくくなる。本実施形態に関して、第1側縁は、下接合部512の左縁531又は右縁532によって例示される。第2側縁は、上接合部521の右縁542又は上接合部522の左縁543によって例示される。
下接合部511は、左縁533と右縁534とを含む。左縁533及び右縁534は、後方に向けて狭まる下接合部511の上面形状(平面視形状)を形成する。
上接合部521の左縁541は、下接合部511の右縁534に、平面視において交差する。したがって、上接合部521の左端部は、下接合部511の右端に、平面視において重なる。同様に、上接合部521の右縁542は、下接合部512の左縁531に、平面視において交差する。したがって、上接合部521の右端部は、下接合部512の左端に、平面視において重なる。この結果、上接合部521及び下接合部511,512の形成領域における剛性変動は、過度に大きくならない。したがって、応力集中は、上接合部521及び下接合部511,512の形成領域に生じにくくなる。
<他の特徴>
設計者は、上述の配設構造に様々な特徴を与えることができる。以下に説明される特徴は、上述の実施形態に関連して説明された設計原理を何ら限定しない。
(後パネルの低剛性部位)
上述の如く、後パネルは、高張力鋼から形成されてもよい。この場合、後パネルを前方に湾曲させる曲げ加工は、困難になることもある。したがって、局所的に低い剛性を有する部位が、後パネルに形成されてもよい。
図3に示される如く、後パネル220は、全体的に前方に膨出するように湾曲している。後パネル220は、低い剛性を有する区間610,620を含む。第2上板442、第2下板443、下接合部510(図4Aを参照)及び上接合部520(図4Bを参照)は、区間610,620に形成されない。したがって、第2前板441のみが、区間610,620に存在する。4つの切欠部611,612,613,614は、区間610において、第2前板441に形成される。4つの切欠部621,622,623,624は、区間620において、第2前板441に形成される。したがって、区間610,620は、後パネル220の他の部位よりも低い剛性を有することになる。この結果、バンパレインフォースメント部材200を製造する作業者は、区間610,620において、後パネル220を屈曲させることができる。したがって、後パネル220は、前方へ容易に湾曲される。本実施形態に関して、第1区間は、区間610,620以外の後パネル220の部位によって例示される。第2区間は、区間610,620のうち一方によって例示される。
区間610は、中央パネル211の左端部315及び左パネル212の右端部326の重畳位置に対応して形成される。後パネル220は、区間610において、低い剛性を有するけれども、前パネル210は、中央パネル211の左端部315及び左パネル212の右端部326の重畳位置において高い剛性を有するので、区間610における剛性の変化は、過度に大きくならない。したがって、過度の応力集中は、区間610に生じない。
区間620は、中央パネル211の右端部316及び右パネル213の左端部335の重畳位置に対応して形成される。後パネル220は、区間620において、低い剛性を有するけれども、前パネル210は、中央パネル211の右端部316及び右パネル213の左端部335の重畳位置において高い剛性を有するので、区間620における剛性の変化は、過度に大きくならない。したがって、過度の応力集中は、区間620に生じない。
本実施形態に関して、第1パネル部材は、中央パネル211によって例示される。第2パネル部材は、左パネル212又は右パネル213によって例示される。
(バンパレインフォースメント部材の上面及び下面における段差)
下突出片、下接合片、上突出片及び上接合片にヒケやシワといった形状的な不具合が生ずるならば、下接合部及び上接合部は、適切に形成されないこともある。下突出片、下接合片、上突出片及び上接合片の形状的な不具合を防止する技術が説明される。
図6Aは、前パネル210の概略的な正面図である。図6Bは、後パネル220の概略的な正面図である。図4A、図4B、図6A及び図6Bを参照して、前パネル210及び後パネル220が説明される。
図6A及び図6Bは、第1領域乃至第4領域を示す。第1領域及び第3領域は、図6A及び図6B間で、位置的に一致する。図4Aを参照して説明された下接合部510は、第1領域において、第1下板343及び第2下板443に連なる。図4Bを参照して説明された上接合部520は、第3領域において、第1上板342及び第2上板442に連なる。
第2領域は、第1領域に隣接する。第1領域とは異なり、下接合部510は、第2領域に対応する位置には存在しない。第2領域は、第1領域から上方にずれた位置に形成される。したがって、段差部が、第1領域と第2領域との間の境界に形成される。本実施形態に関して、第1段差部は、第1領域と第2領域との間の境界に形成された段差部によって例示される。
第1領域から上方にずれた第2領域の形成の結果、ヒケやシワといった形状的な不具合は、第1領域に生じにくくなる。したがって、下突出片344(図4Aを参照)及び下接合片444(図4Aを参照)は、平坦な表面を有することができる。この結果、作業者は、下接合片444を下突出片344に適切に溶接し、下接合部510を形成することができる。一方、形状的な不具合は、第2領域に生ずることもあるけれども、第2領域において溶接はなされないので、第2領域の形状的な不具合は、バンパレインフォースメント部材200の性能に悪影響を与えにくい。
第4領域は、第3領域に隣接する。第3領域とは異なり、上接合部520は、第4領域に対応する位置には存在しない。第4領域は、第3領域から下方にずれた位置に形成される。したがって、段差部が、第3領域と第4領域との間の境界に形成される。本実施形態に関して、第2段差部は、第3領域と第4領域との間の境界に形成された段差部によって例示される。
第3領域から下方にずれた第4領域の形成の結果、ヒケやシワといった形状的な不具合は、第3領域に生じにくくなる。したがって、上突出片345(図4Bを参照)及び上接合片445(図4Bを参照)は、平坦な表面を有することができる。この結果、作業者は、上接合片445を上突出片345に適切に溶接し、上接合部520を形成することができる。一方、形状的な不具合は、第4領域に生ずることもあるけれども、第4領域において溶接はなされないので、第4領域の形状的な不具合は、バンパレインフォースメント部材200の性能に悪影響を与えにくい。
図6A及び図6Bに示されるように、第1領域と第2領域との間の境界に形成された段差部は、第3領域と第4領域との間の境界に形成された段差部から車幅方向においてずれた位置に形成される。応力集中は、これらの段差部に生じやすいけれども、上側の段差部の形成位置は、下側の段差部の形成位置からずれているので、応力は、バンパレインフォースメント部材200の延設方向(すなわち、車幅方向)において分散される。
上述の様々な特徴は、様々な車両の全体的な設計に適合するように、組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
上述の実施形態に関して、バンパレインフォースメント部材の特徴的な構造は、サブフレームに適用される。代替的に、又は、追加的に、上述の特徴的な特徴は、メインフレームや衝突物に衝突し得る他の部位に適用されてもよい。
上述の実施形態に関して、前パネルは、複数のパネル部材に分割可能な分割構造を有する。しかしながら、前パネルは、後パネルと同様に、単一のパネル部材であってもよい。
上述の実施形態の原理は、様々な車両の設計に好適に利用される。
100・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サブフレーム(前部車体構造)
200・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バンパレインフォースメント部材
210・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前パネル
211・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中央パネル(第1パネル部材)
212・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左パネル(第2パネル部材)
213・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右パネル(第2パネル部材)
220・・・・・・・・・・・・・・・・・・・後パネル
341・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1前板(前板)
342・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1上板
343・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第1下板
344・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下突出片
345・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上突出片
442・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2上板
443・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2下板
444・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下接合片
445・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上接合片
510〜513・・・・・・・・・・・・・・・下接合部
520〜525・・・・・・・・・・・・・・・上接合部
531・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左縁(第1側縁)
532・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右縁(第1側縁)
542・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右縁(第2側縁)
543・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左縁(第2側縁)
610,620・・・・・・・・・・・・・・・区間(第2区間)

Claims (5)

  1. 車幅方向に延びるバンパレインフォースメント部材を備え、
    前記バンパレインフォースメント部材は、
    (i)前記車幅方向に延びる第1下板と、前記第1下板から後方に突出する下突出片と、前記第1下板の上方で前記車幅方向に延びる第1上板と、前記第1上板から後方に突出する上突出片と、前記第1下板と前記第1上板との間で前記車幅方向に延びる前板と、を有する前パネルと、
    (ii)前記前板の後方で、前記第1下板と前記第1上板との間に配置されたU字状の断面を有し、且つ、前記前パネルよりも高い剛性を有する後パネルと、を含み、
    前記後パネルは、前記下突出片に溶接され、下接合部を形成する下接合片と、前記上突出片に溶接され、上接合部を形成する上接合片と、を含み、
    前記下接合部は、前記上接合部と、平面視において部分的に重なるように、前記車幅方向において前記上接合部からずれた位置に形成される
    自動車の前部車体構造。
  2. 前記下接合部は、前記下接合部が前記平面視において狭まるように前記第1下板から後方に延びる第1側縁を含み、
    前記上接合部は、前記上接合部が前記平面視において狭まるように前記第1上板から後方に延びる第2側縁を含み、
    前記第1側縁は、前記第2側縁と、前記平面視において交差する
    請求項1に記載の前部車体構造。
  3. 前記後パネルは、前記下接合片が形成された第1区間と前記第1区間よりも低い剛性を有する第2区間とを含む単一のパネル部材であり、
    前記単一のパネル部材が前方に湾曲するように、前記第2区間は、屈曲され、
    前記前パネルは、前記第2区間に重なる第1端部から延びる第1パネル部材と、前記第1端部に重なる第2端部から、前記第1パネル部材の延設方向とは反対方向に延びる第2パネル部材と、を含む
    請求項1又は2に記載の前部車体構造。
  4. 前記後パネルは、前記第1下板に重なる第2下板と、前記第1上板に重なる第2上板と、含み、
    前記第1下板及び前記第2下板は、前記下接合部が連なる第1領域と、前記第1領域に隣接し、且つ、前記第1領域から上方にずれ、第1段差部を形成する第2領域と、を含み、
    前記第1上板及び前記第2上板は、前記上接合部が連なる第3領域と、前記第3領域に隣接し、且つ、前記第3領域から下方にずれ、第2段差部を形成する第4領域と、を含み、
    前記第1段差部は、前記第2段差部から前記車幅方向においてずれた位置に形成される
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の前部車体構造。
  5. 前記前パネルは、前記後パネルの形成に用いられる板材よりも薄い板材から形成される
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の前部車体構造。
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