JP6384562B2 - 車両の車体前部構造 - Google Patents

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本発明は、バンパービームとフロントサイドフレームとの間にクラッシュカンが介装された車両の車体前部構造に関する。
従来、車両の車体前部に、車体前後方向に延びるフロントサイドフレームを左右一対設けて、車両の前方衝突時に該フロントサイドフレームが潰れることで衝撃荷重を吸収する技術が知られている。
ところが、車両の前方衝突は、フロントサイドフレームよりも車幅方向外側の車体部分で起こることがある。このように車体と衝突物とが車幅方向に小さな幅(例えば車幅の25%程度の幅)で重複する前方衝突は、スモールオーバーラップ衝突と呼ばれることがある。
このスモールオーバーラップ衝突の衝突物が、例えば電柱や交通標識のポール等の柱状のものである場合、該柱状の衝突物がフロントサイドフレームと前輪との間に入り込むような衝突形態となることがあり、この場合、フロントサイドフレームへの荷重伝達効率が低下する問題がある。また、例えば対向車両等、非柱状の衝突物とのスモールオーバーラップ衝突であっても、衝突物とフロントサイドフレームとが車幅方向にオーバーラップする場合に比べればフロントサイドフレームへの荷重伝達効率が劣ることになる。そのため、スモールオーバーラップ衝突の場合、フロントサイドフレームの変形による衝撃吸収量が少なくなりやすく、衝撃荷重が車室側へ伝達されやすくなる問題がある。
この問題に対して、特許文献1には、図10に示す車体前部構造が開示されている。図10に示す従来構造では、フロントサイドフレーム104の前端とバンパービーム110との間に、前方に向かって二股に分岐して延びる二股部材150が介装されている。該二股部材150は、フロントサイドフレーム104の前端から前方へ傾斜することなく延びる直進部材152と、フロントサイドフレーム104の前端から前方に向かって車幅方向外側へ傾斜した方向に延びる外側傾斜部材154とで構成され、直進部材152の後端部と外側傾斜部材154の後端部とがボルトで結合されている。この構造によれば、スモールオーバーラップ衝突の場合であっても、前記外側傾斜部材154で受けた衝撃荷重をフロントサイドフレーム104に伝達して、該フロントサイドフレーム104を効果的に変形させて衝撃を吸収することが可能となり、これにより、車室側へ伝わる衝撃を緩和することができる。
特開2004−066932号公報
ところで、一般的に、フロントサイドフレームの前端とバンパービームとの間にはクラッシュカンが介装される。この場合、例えば15km/h程度の低速衝突時には、フロントサイドフレームの破損を招くことなくクラッシュカンの変形のみにより衝撃荷重を吸収することが可能になり、修理費用の低減を図ることができる。
この点に関して、上記の図10に示す従来構造において、前記直進部材152がクラッシュカンのように低い剛性を有するものであれば、低速衝突時において直進部材152の変形によりフロントサイドフレーム104を破損させることなく衝撃荷重を吸収することが可能であると考えられ、この場合、該直進部材152を上記のクラッシュカンに見立てることができる。
しかしながら、図10に示す構造において、フロントサイドフレーム104の前方には前記直進部材152だけでなく前記外側傾斜部材154も配設されているため、低速衝突時の衝撃荷重が直進部材152の変形により吸収されるとき、該直進部材152だけでなく外側傾斜部材154も破損してしまい、その分だけ修理費用が高くなる問題がある。
一方、図10に示す従来構造において、直進部材152がクラッシュカンとして機能し得ないような剛性の大きなものであれば、低速衝突時であっても、衝撃がフロントサイドフレーム104に直接的に入力されて、フロントサイドフレーム104が損傷しやすくなるため、修理費用が一層高くなることがある。
また、一般に、バンパービームは、その両端がクラッシュカンとの結合部まで延びるように設けられるが、図10に示すような外側傾斜部材154を備えた構造を採用しようとする場合、バンパービーム110の両端を外側傾斜部材154との結合部まで更に延長させる必要がある。そのため、バンパー120の両端部を、長尺のバンパービーム110の両端部に干渉しないように角張らせた態様で後方へ屈曲させる必要があり、例えば図10の二点鎖線Rで示すように滑らかに後方へ湾曲させることができない。そのため、車体前部のデザインに関して制約を受ける問題もある。
そこで、本発明は、バンパービームとフロントサイドフレームとがクラッシュカンを介して結合される車両の車体前部構造において、低速衝突によりクラッシュカンが破損する場合の修理費用を抑制し、車体前部のデザイン自由度を良好に維持しつつ、スモールオーバーラップ衝突時において車室側に伝わる衝撃を緩和することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の車体前部構造は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
車体の前部において車幅方向に延びるバンパービームと、それぞれ車体前後方向に延び、前記バンパービームの両端部にクラッシュカンを介して前端部が連結された左右一対のフロントサイドフレームと、を備えた車両の車体前部構造であって、
前記フロントサイドフレームから車幅方向外側に突出する第1突設部が、車体前方側から入力された荷重の直接的な伝達を前記フロントサイドフレームのみに対して行うように設けられ、
該第1突設部の車幅方向外側の側面は、平面視において車体後方に向かって車幅方向内側へ傾斜するように形成され、
前記第1突設部は、車体正面視において車幅方向内側に開放した断面形状を有し、
前記第1突設部の前記断面形状は、車幅方向内側に向かって徐々に広がっていることを特徴とする。
また、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記第1突設部は、前記フロントサイドフレームの車幅方向外側の側面から車幅方向外側へ延びる上壁部と、該上壁部よりも車体下方側に配置されて、前記フロントサイドフレームの車幅方向外側の側面から車幅方向外側へ延びる下壁部と、前記上壁部と前記下壁部との車幅方向外側端部同士を繋ぐ側壁部と、を備え、
前記上壁部は、車幅方向内側に向かって車体上方側に傾斜しており、
前記下壁部は、車幅方向内側に向かって車体下方側に傾斜していることを特徴とする。
さらに、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、
前記上壁部の傾斜は、前記下壁部の傾斜よりも大きいことを特徴とする。
またさらに、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記第1突設部の前記断面形状は、該第1突設部の前端から後端にかけて連続して、車幅方向内側に向かって徐々に広がっていることを特徴とする。
請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、所謂スモールオーバーラップ衝突の際、その衝撃荷重を、フロントサイドフレームから車幅方向外側に突出する第1突設部で受けることができる。また、第1突設部の車幅方向外側の側面は、平面視において車体後方に向かって車幅方向内側へ傾斜するように形成されているため、第1突設部において前方から受けた衝撃荷重をフロントサイドフレームへ効果的に伝達することができる。
したがって、この発明によれば、スモールオーバーラップ衝突時において、車体前部において衝撃荷重が効果的に吸収および分散されるため、車室側に伝わる衝撃を緩和することができる。
さらに、特に請求項2に記載の発明によれば、前記第1突設部が、上壁部、下壁部および側壁部を備えた軽量部材であるため、前方から第1突設部に衝撃荷重が入力されたとき、該第1突設部とフロントサイドフレームの側面との接合部にかかる負荷が軽減される。このことから、スモールオーバーラップ衝突の際、フロントサイドフレームから第1突設部が容易に引き剥がされることが回避され、第1突設部からフロントサイドフレームへの荷重伝達を確実に実現することができる。
本発明の一実施形態に係る車両の車体前部構造を示す側面図である。 図1に示す車体前部構造を図1の矢印A方向から見た平面図である。 図1に示す車体前部構造において左側フロントサイドフレーム及びその周辺部を示す拡大平面図である。 図1に示す車体前部構造において左側フロントサイドフレームの下方の構造を示す底面図である。 左側フロントサイドフレーム及び第1突設部を車体前方側から見た正面図である。 図5に示す第1突設部及びその周辺部を車幅方向外側の斜め後方から見た斜視図である。 図5に示す第1突設部を車幅方向外側から見た側面図である。 図1に示す車体前部構造においてスモールオーバーラップ衝突が生じたときの状態の一例を示す平面図である。 本発明の別の実施形態に係る車両の車体前部構造を示す平面図である。 従来例に係る車両の車体前部構造を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「前後」、「左」、「右」、「左右」等の方向を示す用語は、特段の説明がある場合を除いて、自動車の進行方向を「前」とした場合の方向を指すものとする。
図1は、本実施形態に係る車両の車体前部構造を概略的に示す側面図であり、図2は同じくその概略平面図を示す。
図1及び図2に示すように、車両1のダッシュパネル2よりも前方には、左右一対のフロントサイドフレーム4(4a,4b)がそれぞれ車体前後方向に延設されている。また、車両1の車体前部にはバンパービーム10が車幅方向に延設されている。
バンパービーム10の両端部には、第1クラッシュカン6を介してフロントサイドフレーム4の前端部が連結されている。第1クラッシュカン6の後端部には、車体前後方向に略直交する面に沿って配設された第1取付プレート7が例えば溶接により固着され、フロントサイドフレーム4の前端部には、車体前後方向に略直交する面に沿って配設された第1セットプレート8が例えば溶接により固着されている。そして、第1クラッシュカン6とフロントサイドフレーム4との連結部では、互いに重ね合わされた第1取付プレート7と第1セットプレート8とが例えばボルトの締結により結合されている。
このような構造により、前方からバンパービーム10に衝撃荷重が入力されたとき、低速衝突の場合など衝撃荷重が比較的小さい場合には、フロントサイドフレーム4が破損することなく第1クラッシュカン6のみが潰れることにより衝撃が吸収され、衝撃荷重が第1クラッシュカン6のみの変形では吸収できないほど大きい場合には、フロントサイドフレーム4が潰れることにより衝撃を効果的に吸収して、車室側に伝わる衝撃が抑制されるようになっている。
さらに、左右のフロントサイドフレーム4a,4b間には、パワーユニット30が配設されている。パワーユニット30は、支持部材40を介して例えば懸架により左右のフロントサイドフレーム4に支持されている。なお、図1では、支持部材40の図示を省略している。
パワーユニット30としては、例えば、エンジン、トルクコンバータ及び変速機を備えたものが搭載され、パワーユニット30の重量は、車両1全体の重量の例えば10〜20%程度を占める。
ただし、本発明において、左右のフロントサイドフレーム間に配設されるパワーユニットの構成は、車両の動力源を備えたものであれば特に限定されるものでなく、例えば、電気自動車の場合であれば、モータと減速機とを備えたパワーユニットが搭載されてもよく、ハイブリッド車であれば、エンジンとモータと変速機とを備えたパワーユニットが搭載されてもよい。
図3は、左側フロントサイドフレーム4a及びその周辺部を示す拡大平面図であり、この図3には、パワーユニット30の左端部の具体的形状の一例が示されている。図3に示すように、パワーユニット30は、左側フロントサイドフレーム4aに対向し且つ平面視において略平行に配設された平行面部32を有する。該平行面部32は、例えば変速機のケースの一部で構成されるが、パワーユニット30における別の部材または部分で構成されるものであってもよい。なお、図示は省略するが、パワーユニット30の右端部にも、左端部と同様、右側フロントサイドフレーム4bに対向し且つ平面視において略平行に配設された平行面部が設けられている。
図4の底面図に示すように、フロントサイドフレーム4の下方には、前輪14用のサスペンション部材(図示せず)を支持するサブフレーム16が配設されている。なお、図4では、サブフレーム16の左半部及びその周辺部のみが図示されているが、サブフレーム16の右半部及びその周辺部も左右対称の同様の構造となっている。
サブフレーム16は、フロントサイドフレーム4a,4bの下方において車体前後方向に延びるように配設された左右一対の前部縦メンバ18と、該前部縦メンバ18の後端から後方へ延びる後部縦メンバ20と、左右の前部縦メンバ18の前端部同士を繋ぐように車幅方向に延びる前部横メンバ22と、左右の後部縦メンバ20同士を繋ぐように車幅方向に延びる後部横メンバ24とを有する。
サブフレーム16の前部縦メンバ18の前端部には、例えば平面視において略三角形状の第2クラッシュカン24が連結されている。第2クラッシュカン24の後端部には、車体前後方向に略直交する面に沿って配設された第2取付プレート25が例えば溶接により固着され、前部縦メンバ18の前端部には、車体前後方向に略直交する面に沿って配設された第2セットプレート26が例えば溶接により固着されている。そして、第2クラッシュカン24と前部縦メンバ18との連結部では、互いに重ね合わされた第2取付プレート25と第2セットプレート26とが例えばボルトの締結により結合されている。
第2クラッシュカン24は第1クラッシュカン6の下方に配設されている。したがって、低速衝突時に第1クラッシュカン6が潰れるとき、第1クラッシュカン6と共に第2クラッシュカン24も潰れることが可能となっており、これにより、低速衝突時の衝撃を一層効果的に吸収できるようになっている。
以上のように構成された車両1の車体前部構造では、さらに、フロントサイドフレーム4から車幅方向外側に突出する第1突設部50と、サブフレーム16の前部縦メンバ18から車幅方向外側に突出する第2突設部70とが設けられている。以下、第1突設部50及び第2突設部70の構成について説明する。
先ず、図3及び図5〜図7を参照しながら、第1突設部50の構成について説明する。なお、ここでは、図3及び図5〜図7に示す左側フロントサイドフレーム4aに突設された左側の第1突設部50の構成について説明するが、右側フロントサイドフレーム4bに突設された右側の第1突設部50の構成も、左右対称の形状となる点を除けば、左側の第1突設部50の構成と同様である。
図3に示すように、第1突設部50は、平面視において略三角形状であり、第1突設部50の車幅方向外側の側面、すなわち前記側壁部55は、平面視において車体後方に向かって車幅方向内側へ傾斜するように形成されている。
これにより、例えば図8に示すように車両1と柱状の衝突物99とのスモールオーバーラップ衝突が生じたとき、その衝撃荷重を、第1突設部50で受けて、該第1突設部50からフロントサイドフレーム4へ効果的に伝達することができる。
図3に戻って、第1突設部50の後端部と、パワーユニット30の前記平行面部32の前端部とは、車体前後方向に長さLだけオーバーラップして配設されている。このオーバーラップした範囲において、フロントサイドフレーム4とパワーユニット30の平行面部32とは、略一定の間隔を空けて近接して対向配置されている。そのため、スモールオーバーラップ衝突の際、第1突設部50から伝わる衝撃により車幅方向内側に突出するように折れ曲がるフロントサイドフレーム4を、パワーユニット30の平行面部32に確実に当てることができる。このようにして、重量の大きなパワーユニット30で衝撃荷重を受けることで、フロントサイドフレーム4を例えば図8に示すような態様で安定的に変形させてフロントサイドフレーム4による衝撃吸収を確実に実現しつつ、パワーユニット30への荷重分散も図ることができる。
また、第1突設部50の前端は、車体前後方向において第1クラッシュカン6とフロントサイドフレーム4との連結部と同じ位置に配設されている。そのため、低速衝突時にフロントサイドフレーム4が損傷することなく第1クラッシュカン6のみの変形により衝撃吸収されるとき、第1突設部50の損傷を回避して修理費用を抑制することができる。
さらに、第1突設部50が第1クラッシュカン6よりも後側に設けられていることにより、図2に示すように、バンパー12の両端部を、第1クラッシュカン6の車幅方向外側の空間において第1突設部50に干渉することなく配設することができる。したがって、例えば、バンパー12の両端部が第1クラッシュカン6の側方で且つ第1突設部50の前方の空間を通るように後方へ滑らかに湾曲するようなデザインを採用することができるなど、車体前部のデザイン自由度を良好に維持することができる。
図5の前面図に示すように、第1突設部50は、フロントサイドフレーム4の車幅方向外側の側面に接合された上下一対のフランジ部51,52と、上側のフランジ部51の下端から車幅方向外側へ延びる上壁部53と、下側のフランジ部52の上端から車幅方向外側へ延びる下壁部54と、上壁部53と下壁部54との車幅方向外側端部同士を繋ぐ側壁部55とを備えた断面略ハット状の軽量部材である。
このように、第1突設部50は、車体正面視において車幅方向内側に開放した断面形状を有する。第1突設部50において、上壁部53は、車幅方向内側に向かって車体上方側に傾斜しており、下壁部54は、車幅方向内側に向かって車体下方側に傾斜している。上壁部53の傾斜は、下壁部54の傾斜よりも大きい。第1突設部50の前記断面形状は、車幅方向内側に向かって拡開している。第1突設部50の前記断面形状は、該第1突設部50の前端から後端にかけて連続して、車幅方向内側に向かって拡開している(図6参照)。第1突設部50は、車体前方側から入力された荷重の直接的な伝達をフロントサイドフレーム4のみに対して行うように設けられている。
この第1突設部50は、例えば折り曲げ成形により形成されている。そのため、第1突設部50の材料として、プレス成形には使用できないような高強度材料を使用することができ、これにより、第1突設部50の板厚の低減、ひいては第1突設部50の一層の軽量化を図ることができる。
第1突設部50の前端は、上述の第1セットプレート8に例えば溶接により接合されている。具体的には、第1突設部50の前端において、上壁部53、側壁部55、下壁部54及び下側フランジ部52が例えば線溶接により第1セットプレート8に接合されている。
このように、第1セットプレート8には、フロントサイドフレーム4だけでなく第1突設部50も接合されるため、第1セットプレート8は、従来構造に比べて車幅方向外側へ延長された形状を有する。
なお、第1セットプレート8には、複数の開口部36,38が形成されており、これにより、第1セットプレート8の軽量化が図られている。また、フロントサイドフレーム4は、フロントフレームインナ46とフロントフレームアウタ47とが接合されてなる管状部材である。フロントフレームインナ46の内側側面と、フロントフレームアウタ47の外側側面とにはそれぞれ車体前後方向に延びる突条部48,49が設けられており、これにより、フロントサイドフレーム4の強度が高められている。さらに、第1セットプレート8へのフロントサイドフレーム4の接合は、フロントフレームインナ46と第1セットプレート8との例えば線溶接によりなされている。
図6及び図7に示すように、第1突設部50の上下の各フランジ部51,52は、車体前後方向に延設されており、例えば車体前後方向に間隔を空けた複数箇所でスポット溶接されることにより、フロントサイドフレーム4のフロントフレームアウタ47に接合されている。
第1突設部50の側壁部55は、略鉛直方向に沿って配設されている。また、側壁部55は、上下方向の幅H(図7参照)が車体後方に向かって徐々に大きくなるように形成されており、これにより、側壁部55において、前方から入力された衝撃荷重を上下に分散させながら後方へ伝達することができる。さらに、側壁部55の上下方向の幅は、該側壁部55の後端部において最大とされているため、側壁部55の後端部からパワーユニット30への荷重伝達を上下方向に広い範囲で実現することができる。なお、側壁部55は、上述のように前端部が第1セットプレート8に接合されているが、後端部はフロントサイドフレーム4に接合されていない。
側壁部55の上下方向略中央部には、ビード加工による凹溝56が車体前後方向に延びるように形成されており、これにより、前方からの荷重入力に対する強度が高められている。この凹溝56は、車体後方側に向かって徐々に浅くなるように形成されている。
また、上述したように、第1突設部50は断面略ハット状の軽量部材であるため、前方から第1突設部50に衝撃荷重が入力されたとき、該第1突設部50の上下一対のフランジ部51,52とフロントサイドフレーム4との接合部にかかる負荷は軽減される。
さらに、上述のように、第1突設部50の前端部とフロントサイドフレーム4の前端部とは同一の第1セットプレート8に接合されているため、スモールオーバーラップ衝突による衝撃荷重が第1突設部50に入力されるとき、その衝撃荷重は、第1セットプレート8を介してフロントサイドフレーム4にも分散されて入力され、第1突設部50に過度の衝撃荷重が集中的にかかることが回避される。
これらのことから、スモールオーバーラップ衝突の際、衝突物99から第1突設部50に衝撃荷重が直接的に入力されても、第1突設部50はフロントサイドフレーム4から容易に引き剥がされることがなく、第1突設部50により、衝撃荷重を確実に受けてフロントサイドフレーム4へ確実に伝達することができる。
続いて、図4を参照しながら、第2突設部70の構成について説明する。
上述のように、第2突設部70は、サブフレーム16の前部縦メンバ18から車幅方向外側に突出するように設けられている。第2突設部70は、例えば、車幅方向内側に向けて開放する断面コ字形の軽量部材で構成されている。
第2突設部70の車幅方向内側端部は、例えば線溶接によりサブフレーム16の前部縦メンバ18に接合され、第2突設部70の前端は、例えば線溶接により第2セットプレート26に接合されている。
このように、第2セットプレート26には、サブフレーム16だけでなく第2突設部70も接合されるため、第2セットプレート26は、従来構造に比べて車幅方向外側へ延長された形状を有する。
第2突設部70は、平面視において略三角形状であり、第1突設部50と比較して、前端および車幅方向内側端部の位置が略一致し、車幅方向外側端部は第1突設部50よりも内側となるように配設されている。すなわち、第2突設部70は、平面視において第1突設部50に重なるように設けられている。
したがって、第1突設部50と同様、該第1突設部50の下方に配置された第2突設部70によっても、スモールオーバーラップ衝突時の衝撃荷重を受けることができ、該衝撃荷重を第2突設部70からサブフレーム16へ効果的に伝達して、サブフレーム16による衝撃吸収を促進することができる。これにより、スモールオーバーラップ衝突時の衝撃荷重を、フロントサイドフレーム4とサブフレーム16とに分散しつつ、これらフロントサイドフレーム4とサブフレーム16とによって効果的に吸収することができ、車室側に伝わる衝撃を一層効果的に緩和することができる。
また、第2突設部70の前端部とサブフレーム16の前端部とは同一の第2セットプレート26に接合されているため、スモールオーバーラップ衝突による衝撃荷重が第2突設部70に入力されるとき、その衝撃荷重は、第2セットプレート26を介してサブフレーム16にも分散されて入力され、第2突設部70に過度の衝撃荷重が集中的にかかることが回避される。そのため、サブフレーム16から第2突設部70が容易に引き剥がされることを防止して、第2突設部70からサブフレーム16への荷重伝達を効果的に実現することができる。
なお、本実施形態では、平面視において第2突設部70全体が第1突設部50に重なるように構成されているが、平面視において第2突設部70と第1突設部50とが部分的に重なる場合であっても、同様の効果を得ることができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、第1突設部50の前端が、車体前後方向において第1クラッシュカン6とフロントサイドフレーム4との連結部と同じ位置に設けられる場合について説明したが、例えば図9に示すように、第1突設部50の前端を、車体前後方向において第1クラッシュカン6とフロントサイドフレーム4との連結部に比べて後側に配置するようにしてもよく、これによっても同様の効果を得ることができる。なお、この場合、第1セットプレート8は、例えば図9に示すように屈曲した形状とすることで、同一の第1セットプレート8に対して、フロントサイドフレーム4の前端と第1突設部50の前端とを接合することができる。
以上のように、本発明によれば、バンパービームとフロントサイドフレームとがクラッシュカンを介して結合される車両の車体前部構造において、低速衝突によりクラッシュカンが破損する場合の修理費用を抑制し、車体前部のデザイン自由度を良好に維持しつつ、スモールオーバーラップ衝突時において車室側に伝わる衝撃を緩和することが可能となるから、この種の車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 車両
4 フロントサイドフレーム
6 第1クラッシュカン
8 第1セットプレート
10 バンパービーム
12 バンパー
14 前輪
16 サブフレーム
24 第2クラッシュカン
26 第2セットプレート
30 パワーユニット
50 第1突設部
53 第1突設部の上壁部
54 第1突設部の下壁部
55 第1突設部の側壁部
56 ビード加工による凹溝
70 第2突設部

Claims (4)

  1. 車体の前部において車幅方向に延びるバンパービームと、それぞれ車体前後方向に延び、前記バンパービームの両端部にクラッシュカンを介して前端部が連結された左右一対のフロントサイドフレームと、を備えた車両の車体前部構造であって、
    前記フロントサイドフレームから車幅方向外側に突出する第1突設部が、車体前方側から入力された荷重の直接的な伝達を前記フロントサイドフレームのみに対して行うように設けられ、
    該第1突設部の車幅方向外側の側面は、平面視において車体後方に向かって車幅方向内側へ傾斜するように形成され、
    前記第1突設部は、車体正面視において車幅方向内側に開放した断面形状を有し、
    前記第1突設部の前記断面形状は、車幅方向内側に向かって徐々に広がっていることを特徴とする車両の車体前部構造。
  2. 前記第1突設部は、前記フロントサイドフレームの車幅方向外側の側面から車幅方向外側へ延びる上壁部と、該上壁部よりも車体下方側に配置されて、前記フロントサイドフレームの車幅方向外側の側面から車幅方向外側へ延びる下壁部と、前記上壁部と前記下壁部との車幅方向外側端部同士を繋ぐ側壁部と、を備え、
    前記上壁部は、車幅方向内側に向かって車体上方側に傾斜しており、
    前記下壁部は、車幅方向内側に向かって車体下方側に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の車両の車体前部構造。
  3. 前記上壁部の傾斜は、前記下壁部の傾斜よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の車両の車体前部構造。
  4. 前記第1突設部の前記断面形状は、該第1突設部の前端から後端にかけて連続して、車幅方向内側に向かって徐々に広がっていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の車体前部構造。
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