JPH0939829A - 溶接部の応力緩和構造 - Google Patents

溶接部の応力緩和構造

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JPH0939829A
JPH0939829A JP21135495A JP21135495A JPH0939829A JP H0939829 A JPH0939829 A JP H0939829A JP 21135495 A JP21135495 A JP 21135495A JP 21135495 A JP21135495 A JP 21135495A JP H0939829 A JPH0939829 A JP H0939829A
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JP
Japan
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weld bead
welding
load
annular
welded portion
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JP21135495A
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English (en)
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Yasutaka Honma
康隆 本間
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引っ張り力が働く部分の応力集中を緩和する
こと。 【解決手段】 荷重(F)が加わる第1の部材(10)
を、この部材から前記荷重が伝達される第2の部材(1
2)に接合する、線状の溶接ビード(14)を有する溶
接部の応力を緩和する構造である。線状の溶接ビード
(14)の溶接ビード端(18)を囲む環状の溶接ビー
ド(20)を第2の部材(12)に設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶接部の応力緩和構
造に関し、たとえば、自動車のサスペンションアームを
支持するブラケットのような荷重が加わる部材を、フレ
ームまたはサスペンションメンバのような前記荷重が伝
達される部材に接合する溶接部の応力を緩和する構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】2つの部材の溶接部、すなわち荷重が加
わる部材と、この部材が溶接され、前記荷重が伝達され
る部材である母材との溶接部に生ずる線状の溶接ビード
を、荷重が加わる部材を越えて母材に延長して設け、こ
れによって溶接部を補強する溶接方法が提案されている
(特開昭62-259676 号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】荷重が加わる部材と母
材との溶接部では、溶接熱は両方の部材に及ぼされる
が、前記溶接ビードの延長部では、溶接熱は母材だけに
及ぼされる。そのため、前記提案に係る溶接方法では、
特に、母材が薄い板材である場合に溶接部と延長部とを
同じ溶接条件で溶接するとき、母材に溶け落ちまたは穴
あきが発生し、却って応力集中の原因となることがあ
る。
【0004】溶接部から延長部に至るいわゆる遷移域に
おいて、溶接電流を下げ、または溶接速度を高めること
によって、前記溶け落ちまたは穴あきを解消しうる。し
かし、前記遷移域で溶接条件を変更するため、ロボット
などによる自動溶接によって大量生産するとき、溶接不
良が散発的に発生するおそれがあり、溶接不良の手直し
に時間がかかってしまう。
【0005】ところで、疲労試験を繰り返した結果、溶
接部またはこの近傍に引っ張り力が働くと、その引っ張
り力が溶接部をはがすように作用して局部的な形状変化
が起こり、これによって応力集中が起こり易いことが判
明した。
【0006】そこで、本発明は、引っ張り力が働く部分
の応力集中を緩和できる、溶接部の応力緩和構造を提供
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、荷重が加わる
第1の部材を、この部材から前記荷重が伝達される第2
の部材に接合する、点状または線状の溶接ビードを有す
る溶接部の応力を緩和する構造であって、前記点状の溶
接ビードを、または前記線状の溶接ビードの少なくとも
溶接始端もしくは溶接終端を囲む環状の溶接ビードを前
記第2の部材に設けている。
【0008】
【作用および効果】環状の溶接ビードを第2の部材に設
けることによって、環状の溶接ビードで囲まれた第2の
部材の部分に熱収縮に基づく圧縮の残留応力が付加され
る。したがって、引っ張り力が加わる第2の部材の溶接
部の部分を環状の溶接ビードで囲むことにより、引っ張
り力を圧縮の残留応力と相殺させ、または減殺させて応
力集中を緩和することができる。
【0009】第1の部材と第2の部材との溶接は、第1
の部材に加わる荷重に耐える強度を有することが必要で
あるが、環状の溶接ビードは圧縮の残留応力を付加する
ものであればよく、特に強度を必要としない。換言する
と、環状の溶接ビードのための溶接は、第1の部材と第
2の部材との溶接とは関係なく、第1の部材と第2の部
材とを溶接した後、独自の溶接条件を選定して実行でき
ることから、溶接ビードを延長する場合に生じていた前
記不都合は起こらない。
【0010】引っ張り力が働く溶接部の部分を環状の溶
接ビードで囲んでいるため、前記部分の強度が大きくな
り、板厚を大きくしたのと同等の結果となることと、環
状の溶接ビードがストッパとしての機能を有することか
ら、仮に、環状の溶接ビードで囲まれた部分に亀裂が発
生しても、亀裂の進行を環状の溶接ビードで抑えること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】荷重が加わる第1の部材、たとえ
ばブラケットを、この部材から前記荷重が伝達される第
2の部材、たとえば自動車のサスペンションメンバに接
合する溶接部は、一般には、すみ肉溶接または突合せ溶
接による線状の溶接ビードを有する。すなわち、ブラケ
ットとサスペンションメンバとはある長さにわたって線
状に溶接され、溶接ビードが線状に伸びることとなる。
また、特殊な場合には、溶接部はスポット溶接による点
状の溶接ビードを有する。
【0012】荷重がサスペンションメンバの表面に対し
て平行または斜めの方向からブラケットに加わるとき、
線状の溶接部には引っ張り力と圧縮力とが働くが、前述
のように、溶接部またはこの近傍には引っ張り力による
応力集中が起こるから、引っ張り力が働くこととなる溶
接ビードの溶接始端または溶接終端を環状の溶接ビード
で囲むようにする。荷重が、サスペンションアームに働
く駆動力と制動力のように、ブラケットに対して両方の
向きに加わるとき、溶接始端および溶接終端にそれぞれ
引っ張り力と圧縮力とが働くため、溶接始端と溶接終端
とを環状の溶接ビードで囲む。この場合、溶接ビードの
長さが比較的短いとき、溶接ビードの全体を環状の溶接
ビードで囲むようにしてもよい。点状の溶接ビードを有
する溶接部が引っ張り力を受けるとき、点状の溶接ビー
ドを環状の溶接ビードで囲む。環状の溶接ビードは、円
形、楕円形、四角形、多角形その他の形状である。環状
の溶接ビードは、これによって囲むべき溶接ビードと同
じ面にあることが好ましいが、裏面に設けることもでき
る。
【0013】
【実施例】図1に示す実施例では、荷重Fが加わる第1
の部材10はブラケットであり、この部材から前記荷重
Fが伝達される第2の部材12はサスペンションメンバ
である。ブラケット10はすみ肉溶接によってサスペン
ションメンバ12に接合され、溶接部は線状の溶接ビー
ド14を有する。ブラケット10に揺動可能に支持され
たアーム16から荷重Fが矢印の向きに加わるとき、溶
接部の溶接ビード14のうち、荷重の向きに対して反対
側となる溶接ビードの端18およびこの近傍には引っ張
り力が、また荷重の向きに対して同じ側となる溶接ビー
ドの端19およびこの近傍には圧縮力が働く。そこで、
引っ張り力が働く溶接ビード14の端18を囲むよう
に、円形の溶接ビード20をサスペンションメンバ12
に設けてある。円形の溶接ビード20は、溶接ビード1
4の端18が実質的に中心に位置するように描いてあ
る。
【0014】溶接ビード14は強度継手であるから、所
定の溶接材料により所定の溶接条件で溶接する。これに
対して、環状の溶接ビード20はいわば肉盛溶接であ
り、強度を要しない。したがって、任意の溶接材料、任
意の溶接条件を選定でき、溶接ビード14を得る溶接装
置とは別の溶接装置により、また同じ溶接装置であって
も全く異なる溶接条件で溶接できる。このようにして
も、環状の溶接ビード20は、溶接ビード14を延長す
るものではなく、前述した問題は起こらない。
【0015】環状の溶接ビード20をサスペンションメ
ンバ12に設けることによって、環状の溶接ビード20
で囲まれたサスペンションメンバ12の部分22に、図
2に示すように、熱収縮に基づく圧縮の残留応力Aが付
加される。この場合、溶接ビード20は環状であり、部
分22を囲んでいるため、部分22のあらゆる箇所に圧
縮の残留応力が付加されることとなり、部分22に生ず
る引っ張り力に有効に対処する。
【0016】図1に示したものと実質的に同じ第1の部
材10と第2の部材12とからなり、溶接ビード14の
長さを80mmに定めたテストピースに、アーム16を第2
の部材12の表面と平行にして1000N の荷重Fを加え
た。その結果、溶接ビード端18の引っ張り力に基づく
応力は、溶接ビード端18を環状の溶接ビードで囲まな
いものでは170MPaとなり、溶接ビード端18を環状の溶
接ビード20で囲んだものでは120MPaとなった。したが
って、溶接ビード端を環状の溶接ビードで囲むことによ
り、約27%応力を緩和できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接部の応力緩和構造を示す斜視
図である。
【図2】本発明に係る溶接部の応力緩和構造の作用を示
す模式図である。
【符号の説明】
10 第1の部材 12 第2の部材 14 溶接ビード 18 溶接ビード端 20 環状の溶接ビード 22 囲まれた部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷重が加わる第1の部材を、この部材か
    ら前記荷重が伝達される第2の部材に接合する、点状ま
    たは線状の溶接ビードを有する溶接部の応力を緩和する
    構造であって、前記点状の溶接ビードを、または前記線
    状の溶接ビードの少なくとも溶接始端もしくは溶接終端
    を囲む環状の溶接ビードを前記第2の部材に設けた、溶
    接部の応力緩和構造。
JP21135495A 1995-07-28 1995-07-28 溶接部の応力緩和構造 Pending JPH0939829A (ja)

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