JP6876880B2 - リチウムイオン二次電池用電極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電極活物質層の端部に隣接し、かつ該端部を覆うように配置された絶縁樹脂層を備えるリチウムイオン二次電池用電極、及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、電力貯蔵用の大型定置用電源、電気自動車用等の電源として利用されており、近年では電池の小型化及び薄型化の研究が進展している。リチウムイオン二次電池は、金属箔の表面に電極活物質層を形成した両電極と、両電極の間に配置されるセパレータを備えるものが一般的である。セパレータは、両電極間の短絡防止や電解液を保持する役割を果たす。
ところで、リチウムイオン二次電池では、充放電の際、電極活物質が膨張収縮を起こす。このような電極活物質の膨張収縮によって、電極が破断するのを防ぐために、電極の端部に、電極活物質層の端部に近づくにつれて電極活物質層の厚みが薄くなるテーパー部が形成されたリチウムイオン二次電池が従来技術として知られている(例えば、特許文献1)。これにより、電極活物質層の端部に起因する段差を小さくすることができ、電極活物質層の端部の段差により集電体等が破断するのを抑制することができる。
国際公開第2012/081465号
負極電極が正極電極よりも容量が小さい場合、正極電極表面にリチウムが析出してしまい、析出したリチウムがセパレータを突き破り、短絡を引き起こすおそれがある。このため、負極電極が正極電極よりも容量が小さい場合、負極電極は正極電極に比べて電極活物質の塗工量を大きくする必要がある。しかし、この場合、電極活物質層が端部にテーパー部を有していると、負極活物質層と正極活物質層のテーパー部とが重なっている部分が生じ、電極の利用率が低下するおそれがある。これにより、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度が低下するおそれがある。また、電極活物質層が端部にテーパー部を有すると、テーパー部で電極活物質や導電助剤等の一部が脱離すること、いわゆる粉落ちが発生する場合がある。粉落ちが発生すると、リチウムイオン二次電池に短絡が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、電極の利用率を高くでき、かつ粉落ちの発生を抑制できるリチウムイオン二次電池用電極、及びその電極を備えたリチウムイオン二次電池を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、電極活物質層の厚さ(T)に対する、傾斜部の幅(W)の比(W/T)で表されるエッジファクターを所定値以上とし、かつ傾斜部の幅(W)を所定値未満とすることで、電極の利用率を高くでき、かつ粉落ちの発生を抑制できることを見出し、以下の本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下の[1]〜[7]である。
[1]集電体と、前記集電体上に設けられ、電極活物質と、バインダーを含む電極活物質層とを備え、前記電極活物質層の少なくとも一部の端部が、前記電極活物質層の中央部から離れるに従って厚さが小さくなる傾斜部により構成され、前記電極活物質層の厚さ(T)に対する、前記傾斜部の幅(W)の比(W/T)で表されるエッジファクターが3以上であり、かつ前記傾斜部の幅(W)が1000μm未満であるリチウムイオン二次電池用電極。
[2]前記電極活物質層が、さらに導電助剤を含む上記[1]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[3]前記電極活物質層におけるバインダーの含有量が、1.5質量%以上である上記[1]又は[2]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[4]前記集電体上に設けられる絶縁樹脂層を備え、前記絶縁樹脂層が、前記電極活物質層の前記傾斜部に隣接し、かつ該傾斜部を覆うように配置される上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[5]上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池。
[6]負極と、正極とを備え、前記正極及び負極の両方が、前記リチウムイオン二次電池用電極である上記[5]に記載のリチウムイオン二次電池。
[7]正極と、負極とがそれぞれが複数層設けられるように交互に配置され、各層を構成する正極それぞれの集電体の端部が纏められて正極端子に接続され、かつ各層を構成する負極それぞれの集電体の端部が纏められ負極端子に接続されるリチウムイオン二次電池であって、前記正極、又は前記負極の少なくとも一方が、前記リチウムイオン二次電池用電極により構成され、前記傾斜部は、前記集電体の纏められた端部側に設けられる上記[5]又は[6]に記載のリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、電極の利用率を高くでき、かつ粉落ちの発生を抑制できるリチウムイオン二次電池用電極、及びその電極を備えたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極の概略断面図である。 図2は、電極の利用率を説明するための図である。 図3は、電極活物質層用組成物の塗布に用いるダイヘッドの一例を示す図である。 図4は、電極活物質層用組成物の塗布を説明するための図である。 図5は、電極活物質層を形成した集電体の分割を説明するための図である。 図6は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極の変形例の概略断面図である。 図7は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極の変形例の概略断面図である。 図8は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池の概略断面図である。
[リチウムイオン二次電池用電極]
以下、図1を参照して本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極について説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極の概略断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10は、集電体20と、集電体の両面上に設けられ電極活物質及びバインダーを含む電極活物質層30とを備える。そして、電極活物質層30の少なくとも一部の端部31が、電極活物質層30の中央部32から離れるに従って厚さが小さくなる傾斜部31により構成される。さらに、電極活物質層30の厚さ(T)に対する、傾斜部31の幅(W)の比(W/T)で表されるエッジファクターが3以上であり、かつ傾斜部31の幅(W)が1000μm未満である。
(電極活物質層の厚さ(T))
電極活物質層30の厚さ(T)は、特に限定されないが、片面あたり、好ましくは10〜100μmであり、より好ましくは20〜90μmである。なお、電極活物質層の位置によって電極活物質層の厚さが変わる場合は、傾斜部を除く電極活物質層の厚さの平均値を電極活物質層の厚さ(T)とする。
(電極活物質層の傾斜部の幅(W))
電極活物質層30における傾斜部31の幅(W)は1000μm未満である。傾斜部31の幅(W)が1000μm以上であると、電極活物質層の傾斜部とそれに対向する電極活物質層とが重なる部分が大きくなり、電極として利用されない部分が大きくなるおそれがある。そして、これにより電極の利用率が低下するおそれがある。例えば、図2に示す1組の負極10A及び正極10Bの場合、負極活物質層30Aの領域33Aは、正極10Bの正極活物質層10Bにおける傾斜部31B及び正極活物質層10Bが形成されていない集電体20Bと重なっている。この領域33Aは電極としてあまり利用されていない領域である。このような電極としてあまり利用されていない領域33Aが大きくなると、負極活物質層30Aにおいて電極として利用されていない領域が大きくなるので、電極の利用率が低くなる。したがって、電極活物質層30における傾斜部31の幅(W)が大きくなると、領域33Aも大きくなるので、電極の利用率は低くなる。電極の利用率の観点から、傾斜部31の幅(W)は、好ましくは990μm以下であり、より好ましくは950μm以下であり、さらに好ましくは900μm以下である。
(電極活物質層のエッジファクター)
電極活物質層30のエッジファクターは、電極活物質層30の厚さ(T)に対する、傾斜部31の幅(W)の比(W/T)で表される。電極活物質層30のエッジファクターは3以上である。電極活物質層30のエッジファクターが3未満であると、電極活物質層の傾斜部31において電極活物質の粉落ちが発生する場合がある。電極活物質の粉落ちの観点から、電極活物質層30のエッジファクターは、好ましくは4以上であり、より好ましくは5以上であり、さらに好ましくは6以上である。
(集電体)
集電体20を構成する材料としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性を有する金属が挙げられる。これらの中では、集電体20が正極集電体の場合、アルミニウム、チタン、ニッケル及びステンレス鋼が好ましく、アルミニウムがより好ましい。また、集電体20が負極集電体の場合、銅、チタン、ニッケル及びステンレス鋼が好ましく、銅がより好ましい。集電体20は、一般的に金属箔からなり、その厚さは、特に限定されないが、1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。集電体の厚さが上記範囲内であると、集電体のハンドリングが容易になるとともに、エネルギー密度低下を抑制できる。
(電極活物質層)
電極活物質層30は、電極活物質と、バインダーとを含む。電極が正極である場合、電極活物質層は正極活物質層となり、電極活物質は正極活物質となる。一方、電極が負極の場合、電極活物質層は負極活物質層となり、電極活物質は負極活物質となる。通常、負極の電極面積に比べて正極の電極面積は小さい。
<正極活物質>
正極活物質層に使用される正極活物質としては、例えば、金属酸リチウム化合物が挙げられる。金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等が例示できる。また、正極活物質として、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)等を使用してもよい。さらに、正極活物質として、リチウム以外の金属を複数使用したものを使用してもよく、三元系と呼ばれるNCM(ニッケルコバルトマンガン)系酸化物、NCA(ニッケルコバルトアルミニウム系)系酸化物等を使用してもよい。正極活物質として、これらの物質を1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<負極活物質>
負極活物質層に使用される負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン等の炭素材料、スズ化合物とシリコンと炭素の複合体、リチウム等が挙げられるが、これら中では炭素材料が好ましく、グラファイトがより好ましい。負極活物質として、上記物質を1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<電極活物質の平均粒子径>
電極活物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、5〜25μmであることがさらに好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた電極活物質の粒度分布において、体積積算が50%での粒径(D50)を意味する。
<電極活物質の含有量>
電極活物質層30における電極活物質の含有量は、電極活物質層全量基準で、50〜99質量%が好ましく、60〜99質量%がより好ましく、80〜99質量%がさらに好ましく、90〜98質量%が特に好ましい。
<バインダー>
バインダーの具体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらバインダーは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、カルボキシメチルセルロース等は、ナトリウム塩等の塩の態様にて使用されていてもよい。
電極活物質層30におけるバインダーの含有量は、電極活物質の粉落ちの観点から、電極活物質層全量基準で、0.5質量%以上であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.0〜10質量%がさらに好ましい。バインダーの含有量を上記下限値以上とすることで、電極活物質や導電助剤等の粉落ちが発生しにくくなる。
<導電助剤>
電極活物質層30は、導電助剤をさらに含むことが好ましい。導電助剤は、上記電極活物質よりも導電性が高い材料が使用され、具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、棒状カーボン等の炭素材料等が挙げられる。導電助剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。電極活物質層30において、導電助剤が含有される場合、導電助剤の含有量は、電極活物質層全量基準で、0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。導電助剤の含有量が上述の範囲であると、電池抵抗の上昇による出力性能の低下を抑制できるとともに、導電助剤がバインダーを吸収してしまい、粉落ちが発生するのを抑制できる。なお、電極活物質層30が導電助剤をさらに含むことにより、電極活物質層30からの粉落ちは発生しやすくなる。しかし、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10では、上記したようにエッジファクター(W/T)の値を上記した範囲に調整することで粉落ちが発生しにくくなる。
電極活物質層30は、本発明の効果を損なわない範囲内において、電極活物質、導電助剤、及びバインダー以外の他の任意成分を含んでもよい。ただし、電極活物質層の総質量のうち、電極活物質、導電助剤、及びバインダーの総含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
[リチウムイオン二次電池用電極の製造方法]
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極の製造方法の一例では、まず、電極活物質層用組成物を集電体上に塗布して集電体上に電極活物質層を形成する。その後、電極活物質層を形成した集電体を加圧プレスし、分割して、リチウムイオン二次電池用電極を製造する。
なお、電極活物質層30の厚さ(T)及び電極活物質層の斜部の幅(W)は、電極活物質層用組成物の粘度を調整することにより制御することができる。また、電極活物質層用組成物の粘度は、例えば、電極活物質層用組成物中の固形分濃度を調節することにより制御することができる。
(電極活物質層形成工程)
電極活物質層形成工程においては、まず、電極活物質と、バインダーと、溶媒とを含む電極活物質層用組成物を用意する。電極活物質層用組成物に使用する溶媒には、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン(NMP)、エタノール、水等が挙げられる。電極活物質層用組成物は、必要に応じて配合される導電助剤等のその他成分を含んでもよい。電極活物質、バインダー等の詳細は上記で説明したとおりである。電極活物質層用組成物はスラリーの状態である。
電極活物質層30の傾斜部31の幅(W)を1000μm未満とする観点から、電極活物質が正極活物質である場合、電極活物質層用組成物の粘度は、好ましくは2500〜12000mPa・sであり、より好ましくは3000〜10000mPa・sである。一方、電極活物質が負極活物質である場合、電極活物質層用組成物の粘度は、好ましくは1600〜12000mPa・sであり、より好ましくは1800〜10000mPa・sである。なお、粘度とは、B型粘度計で60rpm、25℃の条件で、スピンドルの回転を開始してから2分後に測定した粘度である。
電極活物質層は、例えば、公知のコーティング方法で、上記電極活物質層用組成物を集電体の上に塗布し、乾燥することによって形成することができる。上記電極活物質層用組成物を集電体用シートの上に塗布する方法には、例えば、ダイコート法、スリットコート法、コンマコート法、リップコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、バーコート法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。これらの塗布方法の中で、電極活物質層の端部に傾斜部を容易に形成できるという観点から、ダイコート法が好ましい。以下、ダイコート法を例に挙げて、図3及び4を参照して電極活物質層用組成物の集電体上への塗布を説明する。
図3は、電極活物質層用組成物の塗布に用いるダイヘッドの一例を示す図である。ダイヘッド50には吐出口51が設けられている。ダイヘッド50に供給された電極活物質層用組成物は吐出口51から吐出される。
図4に示すように、符号121の方向に移動している集電体120の上に、ダイヘッド50から電極活物質層用組成物を吐出させる。これにより、集電体120の上に電極活物質層130を形成することができる。本発明の一実施形態では、電極活物質層用組成物の粘度を調節することで、電極活物質層130の側面131を傾斜させることができる。なお、電極活物質層130の側面131は電極活物質層30の傾斜部31に相当する。また、電極活物質層用組成物の粘度を調整することで、電極活物質層30の厚さ(T)及びエッジファクター(W/T)も調整できる(図1参照)。電極活物質層130が上に形成された集電体120は不図示の乾燥機の中を通過する。これにより、集電体120の上に形成された電極活物質層130は乾燥する。乾燥温度は、上記溶媒を除去できれば特に限定されないが、例えば40〜120℃、好ましくは50〜90℃である。また、乾燥時間は、特に限定されないが、例えば、30秒〜10分間である。
電極活物質層130の乾燥後、同様な方法で、集電体120の反対側の表面上にも電極活物質層130を形成する。
(加圧プレス工程)
上に電極活物質層130を形成した集電体120は、好ましくは加圧プレスする。加圧プレスすることで、電極密度を高めることができる。加圧プレスは、ロールプレス等により行えばよい。なお、加圧プレスの圧力は、集電体にシワ等の発生がなく、所望の電極密度が到達できれば、特に限定されない。加圧プレスの圧力は、例えばロールプレスの場合、線圧で、好ましくは100〜2000kN/mであり、より好ましくは200〜1000kN/mである。
(分割)
電極活物質層130を形成した集電体120は、例えば、図5の符号150の点線に沿って切断され、複数のリチウムイオン二次電池用電極に分割される。これにより、図1に示す、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10を製造することができる。
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10は以下のように変形することができる。
(変形例1)
以上の本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10は集電体20の両面上に、電極活物質層30を形成していた。しかし、図6に示すリチウムイオン二次電池用電極10Cのように、集電体20の一方の面上にのみ、電極活物質層30を形成してもよい。
(変形例2)
また、図7に示すリチウムイオン二次電池用電極10Dのように、リチウムイオン二次電池用電極10Dは集電体上に設けられる絶縁樹脂層40をさらに備えてもよい。この場合、絶縁樹脂層40は、電極活物質層30の傾斜部31に隣接し、かつ傾斜部31を覆うように配置される。これにより、電極間の短絡をより確実に防止できる。また、電極活物質層30の傾斜部31からの粉落ちをさらに抑制できる。
絶縁樹脂層40は、電極の端部における絶縁を確保できるものであればよく、樹脂成分を含む。樹脂成分としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有樹脂、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、及びポリビニルアルコール等が挙げられる。これらバインダーは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、カルボキシメチルセルロース等は、ナトリウム塩等の塩の態様にて使用されていてもよい。これらの高分子は、単独で用いてもよいし、これらの高分子を重ね合わせて複層体として用いてもよい。さらに、これらの高分子には、種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。また、樹脂成分には、必要に応じて、絶縁性微粒子も配合してもよい。絶縁性微粒子としては、無機粒子、有機粒子等が挙げられる。
添加剤として無機粒子を用いると、通常は絶縁層の剛性を高くできることや乾燥収縮の低減ができる。このような無機粒子の材料としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アルミニウムの水和物(ベーマイト(AlOOH))、ギブサイト(Al(OH))、酸化ケイ素、酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン(チタニア)、BaTiO、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物粒子、窒化アルミニウム、窒化硼素等の窒化物粒子、シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶粒子、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子、タルク、モンモリロナイト等の粘土微粒子等が挙げられる。これらの中でも、電解液中での安定性と電位安定性の観点から酸化物粒子が好ましく、中でも吸水性が低く耐熱性(例えば180℃以上の高温に対する耐性)に優れる観点から酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムの水和物、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムがより好ましく、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムの水和物、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムがより好ましく、酸化アルミニウムが特に好ましい。
有機粒子としては、通常は重合体の粒子を用いる。有機粒子は、当該有機粒子の表面の官能基の種類及び量を調整することにより、水に対する親和性を制御でき、ひいては絶縁層に含まれる水分量を制御できる。また有機粒子は、通常は金属イオンの溶出が少ない点で、優れる。このような有機粒子の材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の各種重合体化合物等が挙げられる。粒子を形成する上記重合体化合物は、例えば、混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体、架橋体等であっても使用しうる。また、有機粒子は、2種以上の重合体化合物の混合物により形成されていてもよい。
これらの無機粒子及び有機粒子は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極及びその変形例は、本発明のリチウムイオン二次電池用電極の一実施形態にすぎない。したがって、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極及びその変形例は、本発明のリチウムイオン二次電池用電極を限定しない。
[リチウム二次イオン電池]
図8を参照して、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池を説明する。図8は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池の概略断面図である。図8に示すように、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池1は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10を備える。電極の利用率を高くでき、かつ粉落ちの発生を抑制できるという観点から、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池1は、負極10と、正極10とを備え、正極10及び負極の両方が本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池1は、正極10と、負極10とがそれぞれが複数層設けられるように交互に配置されることが好ましい。また、各層を構成する正極10それぞれの集電体20の端部が纏められて正極端子2に接続され、かつ各層を構成する負極10それぞれの集電体20の端部が纏められ負極端子3に接続されることが好ましい。そして、正極10、又は負極10の少なくとも一方が、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池用電極10により構成され、傾斜部31は、集電体20の纏められた端部側に設けられることが好ましい。これにより、電極の利用率を高くでき、かつ粉落ちの発生を抑制できるリチウムイオン二次電池用電極を備えたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池1において、積層された電極10は、筐体6,7に収納されていることが好ましい。なお、筐体6,7は、角型、円筒型、ラミネート型等のいずれでもよい。
本発明の一実施形態のおけるリチウムイオン二次電池1は、好ましくは正極10及び負極10の間に配置されるセパレータ8をさらに備える。セパレータ8が設けられることで、正極10及び負極10の間の短絡がより一層効果的に防止される。また、セパレータ8は、後述する電解質9を保持してもよい。
セパレータ8としては、多孔性の高分子膜、不織布、ガラスファイバー等が挙げられ、これらの中では多孔性の高分子膜が好ましい。多孔性の高分子膜としては、オレフィン系多孔質フィルムが例示される。
本発明のリチウムイオン二次電池は、電解質9を備える。電解質は特に限定されず、リチウムイオン二次電池1で使用される公知の電解質9を使用すればよい。電解質9としては例えば電解液を使用する。電解質9は、例えば、積層した電極10を筐体6,7に収納した後に、筐体6,7の中に充填される。
電解液としては、有機溶媒と、電解質塩を含む電解液が例示できる。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、又はこれら溶媒の2種類以上の混合物が挙げられる。電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF及びLiN(COCFCF、リチウムビスオキサレートボラート(LiB(C)等のリチウムを含む塩が挙げられる。また、有機酸リチウム塩−三フッ化ホウ素錯体、LiBH等の錯体水素化物等の錯体が挙げられる。これらの塩又は錯体は、1種単独で使用してもよいが、2種以上の混合物であってもよい。また、電解質9は、上記電解液にさらに高分子化合物を含むゲル状電解質であってもよい。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のポリアクリル系ポリマーが挙げられる。なお、ゲル状電解質は、セパレータとして使用されてもよい。
以上の本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池は以下のように変形することができる。
(変形例1)
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池は、正極及び負極として本発明の一実施形態のリチウムイオン二次電池用電極10を備えていたが、正極及び負極として本発明の一実施形態のリチウムイオン二次電池用電極の変形例10C,10Dを備えてもよい。
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池及びその変形例は、本発明のリチウムイオン二次電池の一実施形態にすぎない。したがって、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池及びその変形例は、本発明のリチウムイオン二次電池を限定しない。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の評価方法により、得られたリチウムイオン二次電池用電極を評価した。
(粉落ち)
リチウムイオン二次電池用電極の作製で、電極活物質層用スラリーを両面に塗布した集電体をローラにより加圧プレスしたときの電極端部からの電極活物質の滑落を調べ、以下の基準で評価した。
○:電極活物質の滑落なし
×:電極活物質の滑落あり
(利用率)
正極及び負極を積層し、お互いに対向している正極電極活物質層の傾斜部の幅(W1)と負極電極活物質層の傾斜部の幅(W2)の合計(W1+W2)を余剰部の長さとし、以下の基準で評価した。
○:余剰部の長さが1500μm未満
×:余剰部の長さが15000μm以上
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質としてのNCA系酸化物(平均粒子径10μm)、導電助剤としてのアセチレンブラック、電極用バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)及び溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)を混合して正極活物質層用スラリーを得た。正極活物質層用スラリー中のNCA系酸化物の含有量は62質量%であり、アセチレンブラックの含有量は1.4質量%であった。また、PVdFの含有量は1.6質量%であり、NMPの含有量は35質量%であった。この正極活物質層用スラリーの固形分濃度は67.2質量%であった。また、この正極活物質層用スラリーの粘度は9060mPa・sであった。なお、粘度は、B型粘度計で60rpm、25℃の条件で、スピンドルの回転を開始してから2分後に測定したものである。この正極活物質層用スラリーを、ダイコーターを使用して、正極集電体としての厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥し、正極活物質層をアルミニウム箔上に形成した。
その後、電極活物質層を形成したアルミニウム箔を、400kN/mの線圧でローラにより加圧プレスし、さらに電極寸法の100mm×200mm角に打ち抜いて、両面に電極活物質を有する正極とした。該寸法のうち、正極極活物質が塗布された面積は100mm×180mmであった。なお、両面に形成された正極活物質層の厚さは、片面あたり50μmであった。
[実施例2〜4及び比較例1]
実施例2〜4及び比較例1において、表1に示すように、正極活物質層用スラリーの粘度を変更した。これにより、下記の表4に示す電極活物質層の厚さ(T1)、傾斜部の幅(W)及びエッジファクター(W/T)を有する実施例2〜4及び比較例1の正極を作製した。
[実施例5]
(負極の作製)
負極活物質としてグラファイト(平均粒子径10μm)と、負極用バインダーとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、負極用バインダーとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、溶媒として水とを混合し、負極活物質層用スラリーを得た。なお、負極活物質層用スラリー中の負極活物質の含有量は50質量%であり、導電助剤の含有量は0.5質量%であり、バインダーの含有量は1.5質量%であり、溶媒の含有量は48質量%であった。なお、この負極活物質層用スラリーの固形分濃度は52.0質量%であった。また、この負極活物質層用スラリーの粘度は5460mPa・sであった。なお、粘度は、B型粘度計で60rpm、25℃の条件で、スピンドルの回転を開始してから2分後に測定したものである。この負極活物質層用スラリーを、ダイコーターを使用して、負極集電体としての厚さ12μmの銅箔の両面に塗布し、予備乾燥後、100℃で真空乾燥し、負極活物質層を銅箔上に形成した。
その後、両面に負極活物質層用スラリーを塗布した負極集電体を、300kN/mの線圧でローラにより加圧プレスし、さらに電極寸法の110mm×210mm角に打ち抜いて、両面に負極活物質層を有する負極とした。該寸法のうち、負極活物質が塗布された面積は110mm×190mmであった。なお、両面に形成された負極活物質層の厚さは、片面あたり50μmであった。
[実施例6〜8及び比較例1]
実施例6〜8及び比較例2において、表2に示すように、負極活物質層用スラリーの粘度を変更した。これにより、下記の表5に示す電極活物質層の厚さ(T1)、傾斜部の幅(W)及びエッジファクター(W/T)を有する実施例2〜4及び比較例1の負極を作製した。
[実施例9〜15及び参考例1,2]
表3に示すように、正極活物質層用スラリーの粘度を変更して、実施例9〜15及び参考例1,2の正極を作製した。また、表3に示すように、負極活物質層用スラリーの粘度を変更して、実施例9〜15及び参考例1、2の負極を作製した。そして、それぞれの実施例及び参考例の正極及び負極を組み合わせて、利用率評価用の正極及び負極の組とした。
測定及び評価結果を次の表4〜6に示す。
Figure 0006876880
Figure 0006876880
Figure 0006876880
Figure 0006876880
Figure 0006876880
Figure 0006876880
以上の実施例1〜8に示すように、電極活物質層のエッジファクター(W/T)を3以上とし、かつ傾斜部の幅(W)を1000μm未満とすることにより、電極の粉落ちが抑制されることがわかった。一方、比較例1,2では、エッジファクターが3よりも小さかったため、粉落ちが発生した。
以上の実施例9〜14に示すように、電極活物質層のエッジファクター(W/T)を3以上とし、かつ傾斜部の幅(W)を1000μm未満とすることにより、電極の利用率が高くなることがわかった。一方、参考例1では、負極における電極活物質層の傾斜部の幅が1000μm以上であり、参考例2では、正極における電極活物質層の傾斜部の幅が1000μm以上であったため、電極の利用率が低下した。
1 リチウムイオン二次電池
2 正極端子
3 負極端子
6,7 筐体
8 セパレータ
9 電解質
10,10A〜10D リチウムイオン二次電池用電極(正極,負極)
20,20A,20B,120 集電体
30,30A,30B,130 電極活物質層
31 端部(傾斜部)
32 中央部
50 ダイヘッド
51 吐出口
131 電極活物質層の側面

Claims (5)

  1. 集電体と、前記集電体上に設けられ、電極活物質と、導電助剤と、バインダーとを含む電極活物質層とを備え、
    前記電極活物質層の少なくとも一部の端部が、前記電極活物質層の中央部から離れるに従って厚さが小さくなる傾斜部により構成され、
    前記電極活物質層の厚さ(T)に対する、前記傾斜部の幅(W)の比(W/T)で表されるエッジファクターが3〜13.16であり、かつ前記傾斜部の幅(W)が1000μm未満であり、
    前記バインダーの含有量が、前記電極活物質層全量基準で、1.0〜10質量%であり、
    前記導電助剤の含有量が、電極活物質層全量基準で、1〜10質量%であるリチウムイオン二次電池用電極。
  2. 前記集電体上に設けられる絶縁樹脂層を備え、
    前記絶縁樹脂層が、前記電極活物質層の前記傾斜部に隣接し、かつ該傾斜部を覆うように配置される請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  3. 請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えるリチウムイオン二次電池。
  4. 負極と、正極とを備え、
    前記正極及び負極の両方が、前記リチウムイオン二次電池用電極である請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 正極と、負極とがそれぞれが複数層設けられるように交互に配置され、各層を構成する正極それぞれの集電体の端部が纏められて正極端子に接続され、かつ各層を構成する負極それぞれの集電体の端部が纏められ負極端子に接続されるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極、又は前記負極の少なくとも一方が、前記リチウムイオン二次電池用電極により構成され、
    前記傾斜部は、前記集電体の纏められた端部側に設けられる請求項3又は4に記載のリチウムイオン二次電池。
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