JP6876282B1 - (メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、非特許文献1に記載の方法では、溶媒としてエーテルを単独で用いており、粗生成物の純度が低いことから、高純度のものを得るために粗生成物について蒸留や再結晶を行う必要がある。
(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と、アミノ基を有する化合物と、を反応させて(メタ)アクリル酸アミド化合物を製造する方法であって、
前記(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と、水に混和しない溶媒と、を含む混合物に、前記アミノ基を有する化合物の水溶液を添加することを特徴とする(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
但し、本発明においては、上記の「水と混和しない溶媒」とは、水と任意の比率で混合した時に均一な溶液を形成することができない溶媒を示しており、水に対して溶解しないというものではない。水に対する溶解度としては明確な規定はないが、概ね30g/100mL以下の溶媒が該当する。
(1)(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と、アミノ基を有する化合物と、を反応させて(メタ)アクリル酸アミド化合物を製造する方法であって、前記(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と、水に混和しない有機溶媒と、を含む混合物に、前記アミノ基を有する化合物の水溶液を加えることを特徴とする(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(2)前記アミノ基を有する化合物の水溶液の代わりに、前記アミノ基を有する化合物の中和塩の水溶液を添加した後にアルカリ水溶液を加える、上記(1)に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(3)前記アミノ基を有する化合物の中和塩の水溶液の代わりに、前記アミノ基を有する化合物の固体の中和塩を用いる、上記(2)に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(4)前記水に混和しない有機溶媒の水への溶解度が30g/100mL以下である、上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(5)前記水に混和しない有機溶媒の水への溶解度が2g/100mL以上、30g/100mL以下である、上記(4)に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(6)前記水に混和しない有機溶媒が酢酸エチル、トルエン、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸ブチル及びメチルエチルケトンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、上記(5)に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(7)前記水に混和しない有機溶媒が酢酸エチルである、上記(6)に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(8)前記アミノ基を有する化合物がアミノ基とカルボン酸エステル構造とを有する化合物である、上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(9)前記アミノ基とカルボン酸エステル構造とを有する化合物がサルコシンを母核とするアミノ酸誘導体である、上記(8)に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(10)前記アミノ基とカルボン酸エステル構造とを有する化合物がプロリンを母核とするアミノ酸誘導体である、上記(8)に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
(11)純度95%以上の(メタ)アクリル酸アミド化合物および(メタ)アクリル酸アミド化合物とアミノ基を有する化合物との付加体が5%以下であることを特徴とする組成物。
(12)上記(11)に記載の組成物を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物。
カルボン酸クロリドのような酸ハロゲン化物を用いた酸アミドの製造方法は反応によって発生する塩化水素を中和するアルカリ化合物を共存させることで速やかに進行し、高収率で目的物質を得ることができる。(下記反応式(1)参照)
更に、(メタ)アクリル酸クロリドと水に混和しない溶媒とを含む混合物にアミノ基を有する化合物の中和塩の水溶液を加えた後にアルカリ水溶液を加えることや、(メタ)アクリル酸クロリドと水に混和しない溶媒とを含む混合物にアミノ基を有する化合物の固体の中和塩を加えた後に、アルカリ水溶液を加えることでアミド化反応を進めることができる。いずれの場合も反応系内に添加または生成されたアミノ基を有する化合物は、大量に存在する(メタ)アクリル酸クロリドとの反応によってすみやかに消費され(メタ)アクリル酸アミド化合物を生成する。このため、生成した(メタ)アクリル酸アミド化合物とアミノ基を有する化合物が共存しにくく、副反応の付加反応が進行しにくい状態をつくることができる。また、アミド化反応が進行する際の反応系内は水に混和しない溶媒と水との不均一な混合溶媒となっていて、その界面でアミド化反応が進行するために、従来のカルボン酸ハロゲン化物とアミノ化合物の均一溶媒系に比べて反応を非常にマイルドに進行することが可能となり、大きなスケールでの合成を安全に行うことができ工業化に適した方法である。
(メタ)アクリル酸ハロゲン化物としては、通常、(メタ)アクリル酸の塩化物である、アクリル酸クロリド又はメタクリル酸クロリドを用いるが、その他のハロゲン化物、例えば臭化物なども用いることができる。これらの中では原料供給面からアクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドが好ましい。
また、反応の際に発熱による温度上昇が発生するが、この際の温度範囲については用いる溶媒の沸点以下にする必要があり、通常50℃以下、好ましくは30℃以下に冷却するのが好ましい。
本発明の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法においては、副反応が抑制されて高収率、高純度で(メタ)アクリル酸アミド化合物を製造することが可能となる。従って、本願発明の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法によれば、(メタ)アクリル酸アミド化合物の含有量が95質量%以上であり、(メタ)アクリル酸アミド化合物とアミノ基を有する化合物との付加体の含有量が5%以下である組成物を得ることができる。
(メタ)アクリル酸アミド化合物は活性エネルギー線の照射によって重合する重合性のモノマーである。従って、本発明の(メタ)アクリル酸アミド化合物を含む組成物を重合性成分として含む活性エネルギー線硬化型組成物は、副反応によって生成した重合性を有しない付加体の含有量が少なくなるため、粘度が低く、硬化性及び密着性に優れたものとなる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させるために用いる活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液にさらに重合性モノマー、開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3〜40mPa・sが好ましく、5〜15mPa・sがより好ましく、6〜12mPa・sが特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34´×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
以下ではアミノ基を有する化合物としてアミノ酸であるサルコシンを用い、そのカルボン酸をメチルエステル化した化合物の塩酸塩(サルコシンメチルエステル塩酸塩)を代表的な化合物として用いて本発明の効果を説明する。
実施例中の「部」および「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
得られた化合物の構造は1H−NMRスペクトルによって確認し、純度はGC−MSによって確認した。
サルコシン(200g、2.245mol/東京化成工業製)をメチルアルコール(900mL/関東化学工業製)に加えて約−5℃に冷却した。塩化チオニル(534g、4.49mol/関東化学工業製)をゆっくりと滴下し、滴下後、室温下で撹拌した。反応溶液が透明になった後、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去して白色固体を得た。収量312g、収率は質量換算で約100%であった。ここで得られたサルコシンメチルエステル・塩酸塩を用いて以下のアクリル酸アミド化合物(N−アクリロイルサルコシンメチルエステル)の合成検討を行った。
300mL四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(9.96g,110mmol)と酢酸エチル(80mL)を入れてアイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。300mLビーカーにてサルコシンメチルエステル・塩酸塩水溶液[(13.96g,100mmol)+(水40mL)]と炭酸カリウム水溶液[(20.73g,150mmol)+(水40mL)]とを混合してサルコシンメチル水溶液を調製した。アクリル酸クロリドの酢酸エチル溶液にこのサルコシンメチル水溶液を約30分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は−3℃以下であった。反応液を酢酸エチル(80mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:無色液体、収量:14.4g、収率:91.5%
GC−MS分析・・・純度:97.1%、付加体割合:0.2%、その他成分:2.7%
3L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(228g,2.52mol、1.1eq.)と酢酸エチル(900mL)とを入れてアイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。3Lビーカーにてサルコシンメチルエステル・塩酸塩水溶液[(319.7g,2.29mol)+(水500mL)]と炭酸カリウム水溶液[(465.5g,3.37mol)+(水800mL)]を混合してサルコシンメチル水溶液を調製した。アクリル酸クロイドの酢酸エチル溶液にこのサルコシンメチル水溶液を約30分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は17℃以下であった。反応液を酢酸エチル(900mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:無色液体、収量:255.6g、収率:72.4%
GC−MS分析・・・純度:86.5%、付加体割合:9.5%、その他成分:4.0%
200mL四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(9.96g,110mmol)と酢酸エチル(80mL)を入れ、撹拌しながらサルコシンメチルエステル・塩酸塩の水溶液[(13.96g,100mmol)+(水40mL)]を加えてアイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(20.73g,150mmol)+(水40mL)]を30分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は13℃以下であった。反応液を酢酸エチル(80mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:無色液体、収量:14.5g、収率:92.2%
GC−MS分析・・・純度:95.7%、付加体割合:2.5%、その他成分:1.8%
炭酸カリウム水溶液の滴下時間を30分から10分にした以外は実施例1−3と同様に合成を行った。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。
外観:無色液体、収量:14.7g、収率:93.8%
GC−MS分析・・・純度:96.7%、付加体割合:1.4%、その他成分:1.9%
200mL四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(9.96g,110mmol)と酢酸エチル(80mL)を入れ、撹拌しながらサルコシンメチルエステル・塩酸塩(13.96g,100mmol)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(20.73g,150mmol)+(水40mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は20℃以下であった。反応液を酢酸エチル(80mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:無色液体、収量:15.7g、収率:99.9%
GC−MS分析・・・純度:97.6%、付加体割合:0.6%、その他成分:1.8%
1L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(49.8g,550mmol)と酢酸エチル(400mL)を入れ、撹拌しながらサルコシンメチルエステル・塩酸塩(69.8g,500mmol)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(103.7g,750mmol)+(水200mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は11℃以下であった。反応液を酢酸エチル(200mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:77.7g、収率:98.9%
GC−MS分析・・・純度:99.8%、付加体割合:0%、その他成分:0.2%
3L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(223.6g,2470mmol)と酢酸エチル(900mL)を入れ、撹拌しながらサルコシンメチルエステル・塩酸塩(313g,2242mmol)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(465.5g,3.37mol)+(水900mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は12℃以下であった。反応液を酢酸エチル(900mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:342.4g、収率:97.0%
GC−MS分析・・・純度:99.7%、付加体割合:0%、その他成分:0.3%
3L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(223.6g,2470mmol)と酢酸エチル(900mL)を入れ、撹拌しながらL−プロリンメチルエステル・塩酸塩(378.1g,2245mmol/Combi−Brocks社製)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(465.5g,3.37mol)+(水900mL)]を15分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は26℃以下であった。反応液を酢酸エチル(900mL)で2回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルプロリンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:389.4g、収率:94.7%
GC−MS分析・・・純度:99.5%、付加体割合:0%、その他成分:0.5%
1L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(99.6g,1100mmol)とトルエン(400mL)を入れ、撹拌しながらサルコシンメチルエステル・塩酸塩(139.6g,1000mmol)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(207.3g,1.50mol)+(水400mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。反応液を酢酸エチル(400mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:145.7g、収率:92.7%
GC−MS分析・・・純度:98.1%、付加体割合:1.9%、その他成分:0.0%
1L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(108.6g,1200mmol)とシクロペンチルメチルエーテル(400mL)を入れ、撹拌しながらサルコシンメチルエステル・塩酸塩(153.5g,1100mmol)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(228.1g,1.65mol)+(水400mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。反応液を酢酸エチル(400mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:160.3g、収率:92.7%
GC−MS分析・・・純度:99.2%、付加体割合:0.8%、その他成分:0.0%
1L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(108.6g,1200mmol)と酢酸ブチル(400mL)を入れ、撹拌しながらサルコシンメチルエステル・塩酸塩(153.5g,1100mmol)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(228.1g,1.65mol)+(水400mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。反応液を酢酸エチル(400mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:160.3g、収率:89.5%
GC−MS分析・・・純度:99.6%、付加体割合:0.4%、その他成分:0.0%
1L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(99.6g,1100mmol)とメチルエチルケトン(400mL)を入れ、撹拌しながらL−プロリンメチルエステル・塩酸塩(165.6g,1000mmol/Combi−Brocks社製)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(207.3g,1.50mol)+(水400mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。反応液を酢酸エチル(400mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルプロリンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:180.1g、収率:98.3%
GC−MS分析・・・純度:99.6%、付加体割合:0.4%、その他成分:0.0%
3Lの四つ口フラスコにサルコシンメチルエステル・塩酸塩(312g、2235mmol)と水(900mL)を加えて撹拌して溶解させた。そこに炭酸カリウム水溶液[炭酸カリウム(465g、3.37mol/関東化学工業製)を水900mLに溶解したもの]を加えた。反応混合物をアイスバス(氷と塩化ナトリウム)によって約10℃に冷却して、アクリル酸クロリド(213.3g、2.36mol/富士フィルム和光純薬工業製)を180分かけてゆっくりと滴下した。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。反応系内の温度は20℃以下を保つようにした。反応液を酢酸エチル(900mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:黄色液体、収量:242.8g、収率:68.8%
GC−MS分析・・・純度:47.4%、付加体割合:47.8%、その他成分:4.8%
前記比較例1−1において反応系の冷却を液体窒素+エタノールにして約−5℃まで冷却してアクリル酸クロリドの滴下時間を15分に短縮した以外は比較例1−1と同様にしてN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。この際、短時間でアクリル酸クロリドを滴下したため反応が一気に進行して激しく発泡した。
外観:黄色液体、収量:307.3g、収率:87.1%
GC−MS分析・・・純度:79.7%、付加体割合:14.1%、その他成分:6.2%
前記比較例1−1において反応系の冷却を液体窒素+エタノールにして約−5℃まで冷却してアクリル酸クロリドの滴下時間を1分に短縮した以外は比較例1−1と同様にしてN−アクリロイルサルコシンメチルエステルの粗生成物を得た。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。この際、短時間でアクリル酸クロリドを滴下したため反応が一気に進行して激しく発泡して一部がフラスコから噴き出した。
外観:淡黄色液体、収量:322.2g、収率:91.3%
GC−MS分析・・・純度:99.4%、付加体割合:0.4%、その他成分:0.2%
1L四つ口フラスコにアクリル酸クロリド(99.6g,1100mmol)とテトラヒドロフラン(THF)(400mL)を入れ、撹拌しながらL−プロリンメチルエステル・塩酸塩(165.6g,1000mmol/Combi−Brocks社製)の固体を加え、アイスバスで−5℃〜−10℃に冷却した。次に炭酸カリウム水溶液[(207.3g,1.50mol)+(水400mL)]を10分かけて滴下した。反応フラスコ内の温度は15℃以下であった。反応液を酢酸エチル(400mL)で3回抽出し、抽出液を濃縮してN−アクリロイルプロリンメチルエステルの粗生成物を得た。
外観:淡黄色液体、収量:180.1g、収率:68.9%
GC−MS分析・・・純度:96.4%、付加体割合:3.4%、その他成分:0.2%
これらの方法は何れも、反応が比較的マイルドに進行することからスケールを大きくする際の危険性が低く工業化に適した合成方法であると言える。
保持時間10.8min.のピーク:N−アクリロイルサルコシンメチルエステル
保持時間14.8min.のピーク:N−アクリロイルサルコシンメチルエステルとサルコシンメチルエステルの付加物からなる副生物
GC−MS測定条件
装置:GCMS−QP2010Plus(SHIMADZU)
カラム:DB−5MS(Agilent J&W GC Columns)Length:30m/Diam.:0.25mm/Film:0.25μm
上記装置、カラムを用いてスキャンモードで測定を行った。
装置:ECX−500(JEOL)
上記装置を用いて溶媒(クロロホルム−d)、内部標準物質(テトラメチルシラン)で調製したサンプルで測定を行った。
−活性エネルギー線硬化型組成物の作製−
実施例1−1〜実施例1−8、及び比較例1−1、比較例1−2の各活性エネルギー線硬化型化合物950mgと、光重合開始剤(商品名:IRGACURE907、成分名:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、BASFジャパン株式会社製)50mgを、マグネティックスターラーを用いて混合し、実施例2−1〜実施例2−8及び比較例2−1、比較例2−2の活性エネルギー線硬化型組成物を作製した。
上記実施例2−1〜実施例2−8及び比較例2−1、比較例2−2の各活性エネルギー線硬化型組成物の粘度、光硬化性および密着性を、下記のようにして評価した。結果を下記表2に示す。
得られた活性エネルギー線硬化型化合物の粘度を、コーンプレート型回転粘度計(装置名:VISCOMETER TVE−22L、東機産業株式会社製)により、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を25℃にて測定した。
各組成物をそれぞれプラスチック製の組成物収容容器に充填し、吐出手段としてのインクジェットヘッド(株式会社リコー製、「MH5440」)、活性エネルギー線照射手段としてのUV−LED(インテグレーションテクノロジージャパン社製「LEDZERO」、波長395nm、照射面における照度1.0W/cm2)、吐出を制御するコントローラー、及び組成物収容容器からインクジェットヘッドへの供給経路を備えた像形成装置に組み込んだ。
組成物の粘度が10mPa・s〜12mPa・sとなるように適宜インクジェットヘッドの温調を行い、汎用的なフィルム材料である市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製、「コスモシャインA4100」、厚み188μm)上に組成物を膜厚10μmでインクジェット吐出し、UV−LEDで紫外線照射を行って、印刷画像を作製した。
塗膜を指触して粘着感のない状態に達したものを硬化と判定し、硬化に必要な照射積算光量を求めた。結果を表2に示した。硬化に要する照射積算光量が1.0J/cm2以下であった場合を実用可能であるとした。
硬化塗膜の基材との密着性は、包装材料や産業資材として幅広く使用されている汎用的なフィルム材料として、市販のPETフィルム(東洋紡株式会社製、エステルフィルムE5100、平均厚み:100μm)を使用し、前記PETフィルムのコロナ処理面と未処理面に活性エネルギー線硬化型組成物をインクジェット吐出して、UV照射機(LH6(Dバルブ)、フュージョンシステムズジャパン株式会社製)により光照射して硬化させたベタ塗膜に対して、JIS−K−5600−5−6に示されるクロスカット法による測定し、下記評価基準に基づいて、「密着性」を評価した。結果を表2に示した。
[評価基準]
A:剥がれが見られなかった
B:5%以上20%未満の小さな剥がれのみの場合であった
C:全体の20%以上50%未満の剥がれが見られた
D:50%以上の剥がれが見られた
Claims (6)
- (メタ)アクリル酸ハロゲン化物と、アミノ基を有する化合物と、を反応させて(メタ)アクリル酸アミド化合物を製造する方法であって、
前記アミノ基を有する化合物が、サルコシン又はプロリンを母核とするアミノ酸誘導体に相当するアミノ基とカルボン酸エステル構造とを有する化合物であり、
前記(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と、水への溶解度が30g/100mL以下である有機溶媒と、を含む混合物に、前記アミノ基を有する化合物の水溶液を加えることを特徴とする(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。 - 前記アミノ基を有する化合物の水溶液を加える代わりに、前記アミノ基を有する化合物の中和塩の水溶液を添加した後にアルカリ水溶液を加える、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
- 前記アミノ基を有する化合物の水溶液を加える代わりに、前記アミノ基を有する化合物の固体の中和塩を添加した後に、アルカリ水溶液を加える、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
- 前記有機溶媒の水への溶解度が2g/100mL以上、30g/100mL以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
- 前記有機溶媒が、酢酸エチル、トルエン、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸ブチル及びメチルエチルケトンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
- 前記有機溶媒が酢酸エチルである、請求項5に記載の(メタ)アクリル酸アミド化合物の製造方法。
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