JPH08259623A - 反応性樹脂の製造方法 - Google Patents

反応性樹脂の製造方法

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JPH08259623A
JPH08259623A JP8617995A JP8617995A JPH08259623A JP H08259623 A JPH08259623 A JP H08259623A JP 8617995 A JP8617995 A JP 8617995A JP 8617995 A JP8617995 A JP 8617995A JP H08259623 A JPH08259623 A JP H08259623A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】種々の基材との密着力、耐薬品性及び耐候性に
優れた硬化膜を形成する工業的に有利な反応性樹脂の製
造方法の提供。 【構成】1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレー
トの1種以上の10重量%以上と、該(メタ)アクリレ
ート以外で1個のエチレン性不飽和基を有する単量体の
1種類以上の90重量%以下との共重合体であり、且つ
数平均分子量が1,000〜10,000である共重合
体中の水酸基に対して、1個以上のエチレン性不飽和基
と1個のカルボキシル基を有する単量体をエステル化反
応させるエチレン性不飽和基を有する反応性樹脂の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線或いは紫外線等
の活性エネルギー線の照射により、又は常温或いは加熱
によって硬化可能な反応性樹脂の製造方法、及び該製造
方法により得られる反応性樹脂からなる組成物に関する
ものであり、本発明により製造される反応性樹脂及びこ
れを含有する活性エネルギー線硬化型組成物は、塗料、
印刷インキ、接着剤、充填剤、成形材料及びレジスト等
として、各種産業分野において有用なものである。尚、
本明細書においては、アクリレート及び/又はメタクリ
レートを(メタ)アクリレートと、アクリル酸及び/又
はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業等で使用する有機溶剤、
洗浄剤等が大気中に放出されることによる地球規模での
大気汚染が進み、生物への影響が懸念されている。この
ため、各種塗料、インキ、接着剤等の用途に使用する組
成物において、ハイソリッド化、脱溶剤化の検討が行わ
れている。活性エネルギー線硬化型組成物は、これらの
問題を解決するものとして、塗料、インキ、接着剤等の
各種の用途に使用されてきている。この活性エネルギー
線硬化型組成物を構成する単量体、オリゴマー又は樹脂
としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリ
レート、ウレタンアクリレート等がよく使用されてい
る。しかしながら、近年、組成物が適用される基材が多
種多様化するに伴い、組成物と基材との密着力、接着力
が不足することが多くなってきている。これは、特にポ
リエステルアクリレートからなる組成物おいて顕著であ
り、エポキシアクリレートからなる組成物においても十
分であるとはいえない。この原因は、熱乾燥、熱硬化に
より徐々にひずみを緩和しながら硬化していく溶剤乾燥
型樹脂を使用する組成物や熱硬化型樹脂を使用する組成
物と比較して、活性エネルギー線硬化型組成物では、硬
化に要する時間が短いため、硬化時の体積収縮により生
じる応力ひずみを硬化膜中にためやすいことにある。こ
れに対して、ウレタンアクリレートからなる組成物は、
比較的密着性に優れているものの、耐薬品性や耐候性が
十分でなかったり、又親油性の(メタ)アクリレートと
配合する場合には、相溶性に問題があった。活性エネル
ギー線硬化型組成物と基材との密着力、接着力を向上さ
せる方法としては、硬化時の体積収縮率を低下させるた
めに、アクリルポリマー、ポリエステル、石油樹脂等の
非反応性物を組成物中に混合溶解して使用する方法があ
るが、この場合には組成物の粘度が上昇したり、組成物
の硬化物の耐薬品性の低下をもたらすこともしばしばあ
る。この粘度上昇の問題解決のために、組成物に有機溶
剤又は反応性希釈剤の低分子量(メタ)アクリレートの
配合する方法もあるが、有機溶剤の配合は、上記の大気
汚染等の環境問題があり、他方低分子量(メタ)アクリ
レートの配合は、この配合量が多くなってくると組成物
が皮膚刺激性を示すようになるという問題を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、硬化物
の物性が優秀な、例えば、種々の基材との密着力、耐薬
品性及び耐候性に優れた硬化膜を形成する工業的に有利
な反応性樹脂の製造方法について鋭意検討を行ったので
ある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記課
題を解決するため鋭意検討した結果、特定の方法による
反応性樹脂の製造方法及び該樹脂からなる組成物が有効
であることを見いだした。即ち、本発明の第1発明は、
1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートの1種
以上の10重量%以上と、該(メタ)アクリレート以外
で1個のエチレン性不飽和基を有する単量体の1種類以
上の90重量%以下との共重合体であり、且つ数平均分
子量が1,000〜10,000である共重合体中の水
酸基に対して、1個以上のエチレン性不飽和基と1個の
カルボキシル基を有する単量体をエステル化反応させる
ことを特徴とするエチレン性不飽和基を有する反応性樹
脂の製造方法であり、第2反応は、エステル化反応に使
用する共重合体が、150〜350℃の共重合温度にお
いて高温連続重合して得られたものであることを特徴と
する第1発明の反応性樹脂の製造方法であり、第3発明
は、第1発明又は第2発明の製造方法による反応性樹脂
を含有する活性エネルギー線硬化型組成物である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0005】本願発明の製造方法においては、反応性樹
脂の骨格となる共重合体として、1個以上の水酸基を有
する(メタ)アクリレート〔以下水酸基含有(メタ)ア
クリレートという〕の1種以上と、該(メタ)アクリレ
ート以外で1個のエチレン性不飽和基を有する単量体
(以下エチレン性不飽和単量体という)の1種類以上と
の共重合体を使用する。
【0006】水酸基含有(メタ)アクリレートとして
は、種々のものが使用でき、例えばヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びグリセリ
ンモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのモノ
又はポリ(メタ)アクリレート、並びにシクロヘキセン
オキシドと(メタ)アクリル酸との付加物等のエポキシ
ドと(メタ)アクリル酸との付加物が挙げられる。
【0007】エチレン性不飽和単量体は、前記水酸基含
有(メタ)アクリレート以外のものであれば種々のもの
が使用でき、例えば、スチレン、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、酢酸ビニル及び(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。(メタ)アクリレートの具体的とし
ては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レート及びイソボロニル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
【0008】本発明で使用する共重合体は、水酸基含有
(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体の合計
量に対して、10重量%以上の水酸基含有(メタ)アク
リレートが共重合されたものである必要があり、好まし
くは20〜90重量%である。水酸基含有(メタ)アク
リレートの共重合割合が、これより少ないと、後記の共
重合体と1個以上のエチレン性不飽和基と1個のカルボ
キシル基を有する単量体との反応で導入される、反応性
樹脂中のエチレン性不飽和基の割合が不十分になり、得
られる反応性樹脂が、硬化性、耐薬品性、耐磨耗性等に
劣るものとなる。
【0009】共重合体の数平均分子量は、1,000〜
10,000である必要があり、好ましくは1,000
〜5,000である。数平均分子量が10,000を超
えるものは、後記する1個以上のエチレン性不飽和基と
1個のカルボキシル基を有する単量体とのエステル化反
応における反応性が劣り、その結果反応性樹脂へのエチ
レン性不飽和基の導入割合が低下してしまったり、或い
はエステル化反応後の後理処理において、生成物と塩基
性水溶液又は水との分離が困難になることがある。又、
分子量が1,000より小さいものは、得られる反応性
樹脂が、基材との接着力、密着性が劣るものとなってし
まう。又、本発明においては、該共重合体の重量平均分
子量(Mw)の数平均分子量(Mn)の対する割合であ
る多分散度(Mw/Mn)が、2.5以下のものを使用
することが好ましい。この範囲にあるものは、後記する
エステル化反応性に優れ、又得られる反応性樹脂が低粘
度のものとなる。尚、本発明において、数平均分子量及
び重量平均分子量とは、溶媒としてテトラヒドロフラン
を使用し、GPCにより測定した分子量をポリスチレン
換算した値である。
【0010】水酸基含有(メタ)アクリレートとエチレ
ン性不飽和単量体の重合は、従来知られている方法に従
えば良く、例えば、重合溶媒及び熱重合開始剤の存在下
に、水酸基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽
和単量体とを加熱攪拌する溶液重合等が挙げられる。こ
の場合の反応温度は、使用する単量体、熱重合開始剤の
種類、分解温度又は半減期、重合溶媒の沸点等により適
宜選択すれば良いが、通常は50〜120℃が適当であ
る。熱重合開始剤は、特に限定されないが、一般的なア
ゾニトリル系の開始剤が取扱いが容易なため好ましい。
アゾニトリル系の開始剤としては、例えば、2,2'−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2-メチルブ
チロニトリル)及び2,2'−アゾビス(2,4-ジメチルバレ
ロニトリル)等が挙げられる。熱重合開始剤の使用量
は、水酸基含有(メタ)アクリレートとエチレン性不飽
和単量体の合計量100重量部に対して、0.01〜1
0重量部であることが好ましい。重合溶媒も特に限定さ
れないが、生成した共重合体を溶解できるものであれば
良い。例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水
素、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、
メチルプロピレングリコールアセテート、カルビトール
アセテート及びエチルカルビトールアセテート等の酢酸
エステル、並びにアセトン及びメチルエチルケトン等の
ケトン類等が挙げられる。重合溶媒の使用量は、得られ
る共重合体の固形分濃度として10〜90重量%となる
量であることが好ましい。又、本発明では、得られる共
重合体の分子量分布が小さくなることから、水酸基含有
(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和単量体とから
なる単量体混合物、重合溶媒及び熱重合開始剤からなる
反応液を加熱攪拌して反応開始した後、単量体混合物、
重合溶媒及び熱重合開始剤からなる混合液を反応液に滴
下して重合する方法が好ましい。
【0011】本発明の第2発明は、第1発明で使用する
共重合体として、水酸基含有(メタ)アクリレートとエ
チレン性不飽和単量体とを、150〜350℃で連続重
合して得られる共重合体を使用するものである。この高
温連続重合法によれば、熱重合開始剤を用いる必要がな
いか、又は熱重合開始剤を用いる場合でも少量の使用で
目的の分子量の共重合体が得られるため、熱や光により
ラジカル種を発生するような不純物をほとんど含有しな
い純度の高い共重合体が得られるため、後で述べる共重
合体と1個以上のエチレン性不飽和基と1個のカルボキ
シル基を有する単量体とのエステル化反応を安定に行う
ことができ、最終的に得られる反応性樹脂、さらには反
応性樹脂を使用する組成物の保存安定性及び塗膜の耐候
性が優れたものとなる。又、従来の溶液重合により得ら
れるものより多分散度の低い共重合体を得ることができ
る。
【0012】高温連続重合法としては、特開昭57−5
02171号、同59−6207号及び同60−215
007号等に開示された公知の方法に従えばよい。例え
ば、加圧可能な反応器を溶媒で満たし、加圧下で所定温
度に設定した後、水酸基含有(メタ)アクリレートとエ
チレン性不飽和単量体、及び必要に応じて重合溶媒とか
らなる単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給
し、単量体混合物の供給量に見合う量の反応液を抜き出
す方法が挙げられる。反応溶媒を使用する場合、反応開
始時に反応器に仕込む溶媒と単量体混合物に混合する反
応溶媒は同一であっても異なっていてもよい。溶媒又は
重合溶媒としては、上記溶液重合で述べたものと同様の
ものが使用できる他、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリプロピレングリコール等のアルコールを使
用することができる。重合溶媒としてアルコールを使用
した場合には、共重合体製造後に反応液中にそのまま残
した状態で次のエステル化反応に使用すれば、反応性樹
脂と反応性希釈剤としての活性エネルギー性単量体を同
時に製造することもできる。重合溶媒の配合割合として
は、単量体混合物100重量部に対して200重量部以
下であることが好ましい。又、単量体混合物には、必要
に応じて、熱重合開始剤を混合することもでき、この場
合に使用できる熱重合開始剤も前記溶液重合で挙げたも
のと同様のものが使用できる。熱重合開始剤を単量体混
合物に配合する場合の配合量としては、単量体混合物1
00重量部に対して0.001〜5重量部であることが
好ましい。反応温度は、150〜350℃であることが
好ましい。150℃に満たない場合には、得られる共重
合体の分子量が大きくなりすぎたり、反応速度が遅くな
ってしまうことがあり、他方350℃を超える場合に
は、分解反応が発生して反応液に着色が見られたり、後
で述べるエステル化反応が不安定になったり、得られる
反応性樹脂が不安定になることがある。圧力は、反応温
度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するも
ので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応温度を維持
できる圧力であればよい。単量体混合物の滞留時間は、
2〜60分であることが好ましい。滞留時間が2分に満
たない場合は、未反応単量体が多くなってしまい、共重
合体の収率が低下することがあり、他方滞留時間が60
分を超える場合は、生産性が悪くなってしまうことがあ
る。
【0013】本発明では、上記の共重合体中の水酸基に
対して、1個以上のエチレン性不飽和基と1個のカルボ
キシル基を有する単量体〔以下カルボキシル基含有不飽
和単量体という〕をエステル化反応させる。
【0014】カルボキシル基含有不飽和単量体の例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮
酸、アクリル酸又はメタクリル酸のマイケル付加による
2量体以上のオリゴマー、ω−カルボキシポリカプロラ
クトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸モノヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。こ
れらの中でも、(メタ)アクリル酸が、得られる反応性
樹脂中のエチレン性不飽和基含有割合が高くなり、得ら
れる反応性樹脂が反応性に優れるものとなるため好まし
い。
【0015】共重合体中の水酸基に対する、カルボキシ
ル基含有不飽和単量体の反応割合は、共重合体中の全水
酸基1モルに対して、1モル前後が最も好ましく、0.
5〜2.0モルであることができる。この割合が0.5
モルに満たない場合には、エステル化の反応速度が遅く
なる他、カルボキシル基含有不飽和単量体の2重結合に
対する反応性樹脂中の水酸基のミカエル付加等の副反応
が起こり、反応液の粘度が上昇したり、後処理における
中和分離が困難になったり、得られる反応性樹脂中のエ
チレン性不飽和基の割合が低くなり、該樹脂の反応性が
乏しくなってしまう場合がある。他方2.0モルを超え
る場合には、未反応のカルボキシル基含有不飽和単量体
量が増えるばかりで経済的ではないことに加えて、反応
後の後処理が煩雑になる場合がある。
【0016】上記共重合体とカルボキシル基含有不飽和
単量体とのエステル化反応は、従来より知られた方法に
従えばよい。例えば、共重合体とカルボキシル基含有不
飽和単量体とを、触媒の存在下加熱攪拌する方法が挙げ
られる。この場合、反応は脱水反応であるため、反応系
内より水を留去して反応を行うことが好ましく、このた
めにベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸
ブチル及び/又はメチルイソブチルケトン等の水と完全
には混合しない溶媒を用いて、共沸により反応で生成す
る水を反応系外に留去しながら反応を行うことが好まし
い。この場合の溶媒の使用量は、得られる反応性樹脂の
固形分濃度が20〜80重量%となる量が好ましい。触
媒としては、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸等の酸性触媒を用いる。好ましい触媒量は、反
応液に対して0.1〜5重量%である。反応温度は、使
用する溶剤の沸点等によって適宜決定すれば良いが、一
般的には60〜140℃で行うことが好ましい。又、こ
の反応では、反応を安定に行うために、ハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤
を添加したり、分子状酸素を吹き込むことが好ましい。
重合禁止剤を使用する場合は、反応液に対して10wt
ppm〜2重量%で使用することが好ましい。反応終了
後は、反応液より使用した酸性触媒を除去するために、
反応液と水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性水溶液を混
合することが好ましい。反応液は、塩基性水溶液の混合
の後に、水相を分離し、油相中の溶剤を減圧で留去する
ことにより、所望の反応性樹脂を得ることができる。
【0017】本発明の第1発明又は第2発明により得ら
れる反応性樹脂は、電子線或いは紫外線等の活性エネル
ギー線の照射により、又は常温或いは加熱によって硬化
可能なものであり、反応性樹脂は、そのままで又は種々
の成分と配合し組成物の形態で、塗料、印刷インキ、接
着剤、充填剤、成形材料及びレジスト等の種々の用途に
使用できる。反応性樹脂を硬化させるための、活性エネ
ルギー線の照射方法及び加熱方法は、ラジカル重合性化
合物の硬化方法として知られている、一般的な方法を採
用すればよい。
【0018】本発明の第3発明は、第1発明又は第2発
明で得られる反応性樹脂を含有する活性エネルギー線硬
化型組成物である。この場合、粘度の調整等の必要に応
じて、反応性希釈剤である活性エネルギー線硬化型単量
体を配合することができる。活性エネルギー線硬化型単
量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エチレン
グリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、メトキ
シエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テ
トラエチレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレ
ート、トリプロピレングリコールのモノ又はジ(メタ)
アクリレート等の、グリコールのモノ又はジ(メタ)ア
クリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート又はペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の
ポリオール又はそのアルキレンオキサイドの(メタ)ア
クリル酸エステル化物等が挙げられる。活性エネルギー
線硬化型単量体は、反応性樹脂100重量部当たり1〜
150重量部の割合で配合することが好ましい。
【0019】又組成物には、必要に応じて硫酸バリウ
ム、酸化珪素、タルク、クレー及び炭酸カルシウム等の
充填剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グ
リーン、酸化チタン及びカーボンブラック等の着色用顔
料、密着性付与剤及びレベリング剤等の各種添加剤、並
びにハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジンン及びN−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンアルミニウム塩等の重合禁止剤を配合する
こともできる。これらを配合する場合の配合割合として
は、反応性樹脂100重量部に対して、100重量部以
下であることが好ましい。重合禁止剤を配合する場合の
配合割合としては、組成物中に10wtppm〜2重量
%であることが好ましい。
【0020】活性エネルギー線として、紫外線照射によ
る硬化を行う場合には、組成物に光重合開始剤を配合す
る。電子線による硬化を行う場合には、光重合開始剤を
配合する必要はない。光重合開始剤としては、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイ
ンとそのアルキルエーテル、アセトフェノン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジ
エトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジク
ロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−
メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン、
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノ
ン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、1−クロ
ロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のア
ントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,
4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサント
ン及び2,4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサ
ントン、アセトフェノンジメチルケタール及びベンジル
ジメチルケタール等のケタール、ベンゾフェノン等のベ
ンゾフェノン類、並びにキサントン類等が挙げられる。
上記光開始剤は、単独又は安息香酸系、アミン系等の光
重合開始促進剤と組み合わせて用いることもできる。光
重合開始剤は、組成物中に0.1〜10重量%配合する
ことが好ましい。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示し、本発明をよ
り具体的に説明する。尚、以下において、部及び%は重
量基準である。 実施例1 電熱式ヒータを備えた容量300mlの加圧式攪拌槽型
反応器を、ジエチレングリコールモノエチルエーテルで
満たし、温度を250℃にして、圧力調節器により圧力
をゲージ圧で25〜27kg/cm2 に保った。次い
で、反応器の圧力を一定に保ちながら、水酸基含有(メ
タ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート16部及び2−ヒドロキシエチルアクリレート2
0部、エチレン性不飽和単量体として2−エチルヘキシ
ルアクリレート54部及びスチレン10部とからなる単
量体混合物A−1を、一定の供給速度(23g/分、滞
留時間:14分)で原料タンクから反応器に連続供給を
開始し、単量体混合物A−1供給量に相当する反応物を
出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反
応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められ
たが、ヒータを制御することにより、反応温度を270
〜271℃を保持した。温度が安定した単量体混合物A
−1供給開始から1時間後を、次のエステル化反応の原
料としての反応液の抜き出し開始点とした。これから2
時間50分反応を継続した結果、3905gの単量体混
合液A−1を供給し、3894gの反応液を回収した。
反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮
発成分を分離し、3301gの濃縮液(共重合体B−
1)を得た。ガスクロマトグラフより、濃縮液中には未
反応モノマーは存在していなかった。溶媒としてテトラ
ヒドロフランを使用し、液体クロマトグラフより求めた
分子量をポリスチレン換算した共重合体B−1の数平均
分子量(以下Mnと略する)は2010、重量平均分子
量(以下Mwと略する)は3700であり、多分散度は
1.8であった。又、濃縮液の水酸基濃度は2.80m
eq/gであった。攪拌器、冷却管及び水分離器(ディ
ーンスタークトラップ)を備えたフラスコに、共重合体
B−1を500g(水酸基1.4モル)、アクリル酸1
01g(1.4モル)、トルエン600g、p−トルエ
ンスルホン酸12g及びハイドロキノン0.3gを仕込
み、加熱攪拌してトルエン還流し、水の生成が見られな
くなるまで反応を続けたところ、8時間で水分離器に2
2g(1.2モル)の水が除去された。冷却後、反応液
に200gの10%NaOH水溶液を注ぎ、30分間攪
拌した。その後、分液ロートへ反応液を移し、水層を分
離して触媒及び未反応のアクリル酸を反応液から除い
た。油相をフラスコに移し、溶剤を減圧で留去すること
により、反応性樹脂C−1を550g得た。得られた反
応性樹脂C−1を、100℃で6時間加熱し、加熱安定
性について評価したところ、樹脂に何ら変化は見られ
ず、加熱安定性に優れるものであった。
【0022】実施例2 実施例1と同様の反応器にジエチレングリコールモノエ
チルエーテルを満たし、実施例1と同様の条件を設定し
た。次いで、水酸基含有(メタ)アクリレートとして2
−ヒドロキシエチルメタクリレート40部、エチレン性
不飽和単量体として2−エチルヘキシルアクリレート4
0部及びスチレン20部とからなる単量体混合物A−2
を使用し、供給速度を24〜25g/分(滞留時間:1
3〜14分)とした以外は実施例1と同様にして、反応
を開始した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した
後、重合熱による温度上昇が認められが、ヒータを制御
することにより、反応温度を265〜266℃に保持し
た。温度が安定した単量体混合物A−2供給開始から1
時間後を、次のエステル化反応原料としての反応液の抜
き出し開始点とした。これから47分反応を継続した結
果、1160gの単量体混合物A−2を供給し、101
4gの反応液を回収した。反応液を薄膜蒸発器に導入し
て、未反応モノマー等の揮発成分を分離し、867gの
濃縮液(共重合体B−2)を得た。ガスクロマトグラフ
より、濃縮液中に未反応モノマーは存在していなかっ
た。実施例1と同様の方法で液体クロマトグラフから求
めた共重合体B−2のMnは1280、Mwは2810
であり、多分散度は2.2であった。又共重合体B−2
の水酸基濃度は2.72meq/gであった。共重合体
B−2を500g(1.36モル)、アクリル酸98g
(1.36モル)、トルエン600g、p−トルエンス
ルホン酸11.5g及びハイドロキノン0.3gを使用
した以外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、
7時間で水分離器に22.5g(1.25モル)の水が
除去された。冷却後、反応液に150gの10%NaO
H水溶液を注ぎ、30分間攪拌した。その後、実施例1
と同様に後処理したところ、反応性樹脂C−2を550
g得た。反応性樹脂C−2について、実施例1と同様に
加熱安定性試験を行ったところ、樹脂に何ら変化は見ら
れなられず、加熱安定性に優れるものであった。
【0023】実施例3 実施例1と同様の反応器に、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルを満たし、温度を220℃にし、圧力調
節器により圧力をゲージ圧で25〜27kg/cm2
保った。次いで、水酸基含有(メタ)アクリレートとし
て2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート20部、エチレン性不飽和
単量体として2−エチルヘキシルアクリレート70部、
並びに重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキシド1
部とからなる単量体混合物A−3を使用し、供給速度を
23〜24g/分(滞留時間:13〜14分)とした以
外は実施例1と同様にして、反応を開始した。反応開始
直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度
上昇が認められが、ヒータを制御することにより、反応
温度を243〜244℃に保持した。温度が安定した単
量体混合物A−3供給開始から1時間後を、次のエステ
ル化反応原料としての反応液の抜き出し開始点とした。
これから1時間20分反応を継続した結果、1875g
の単量体混合物A−3を供給し、1834gの反応液を
回収した。反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノ
マー等の揮発成分を分離し、1787gの濃縮液(共重
合体B−3)を得た。実施例1と同様の方法でガスクロ
マトグラフより、濃縮液中に未反応モノマーは存在して
いなかった。液体クロマトグラフから求めた共重合体B
−3のMnは2220、Mwは4700であり、多分散
度は2.1であった。又、共重合体B−3の水酸基濃度
は2.63meq/gであった。共重合体B−3を50
0g(水酸基1.36モル)、アクリル酸98g(1.
36モル)、トルエン600g、p−トルエンスルホン
酸11.5g及びハイドロキノン0.3gを使用した以
外は実施例1と同様にして反応を行ったところ、8時間
で水分離器に22.5g(1.25モル)の水が除去さ
れた。冷却後、反応液に150gの10%NaOH水溶
液を注ぎ、30分間攪拌した。その後、実施例1と同様
に後処理したところ、反応性樹脂C−3を550g得
た。反応性樹脂C−3について、実施例1と同様に加熱
安定性試験を行ったところ、樹脂に何ら変化は見られな
られず、加熱安定性に優れるものであった。
【0024】実施例4 実施例1と同様の反応器に、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルを満たし、温度を250℃にし、圧力調
節器により圧力をゲージ圧で25〜27kg/cm2
保った。次いで、水酸基含有(メタ)アクリレートとし
て2−ヒドロキシエチルメタクリレート50部、エチレ
ン性不飽和単量体としてメチルメタクリレート30部及
びスチレン20部、並びに溶媒としてトリプロピレング
リコール(以下TPGと略する)100部とからなる単
量体混合物A−4を使用し、供給速度を26〜27g/
分(滞留時間:12〜13分)とした以外は実施例1と
同様にして、反応を開始した。反応開始直後に、一旦反
応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められ
が、ヒータを制御することにより、反応温度を269〜
270℃に保持した。温度が安定した単量体混合物A−
4供給開始から1時間後を、次のエステル化反応原料と
しての反応液の抜き出し開始点とした。これから2時間
反応を継続した結果、3167gの単量体混合物A−4
を供給し、3008gの反応液を回収した。反応液を薄
膜蒸発器に導入して、未反応モノマー、溶媒等の揮発成
分を分離し、940gの濃縮液を得た。ガスクロマトグ
ラフより、濃縮液中の未反応モノマーの濃度は2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートが2.3%、メチルメタク
リレート及びスチレンは0%であった。実施例1と同様
の方法で液体クロマトグラフから求めた共重合体(共重
合体B−4)の含有率は45%で、TPGの含有率は5
0%であった。実施例1と同様の方法で液体クロマトグ
ラフから求めた共重合体B−4のMnは1090、Mw
は1430であり、多分散度は1.3であった。又、濃
縮液の水酸基濃度は6.92meq/gであり、共重合
体B−4の水酸基濃度は3.80meq/gであった。
濃縮液B−3を500g(水酸基3.46モル)、アク
リル酸249g(3.46モル)、トルエン700g、
p−トルエンスルホン酸13.2g及びハイドロキノン
0.3gを使用した以外は実施例1と同様にして反応を
行ったところ、7時間で水分離器に52.9g(2.9
4モル)の水が除去された。尚、本反応において、濃縮
液B−3中に含有するTPGは、アクリル酸と反応して
トリプロピレングリコールジアクリレート(以下TPG
DAと略する)を生成する。冷却後、反応液に250g
の10%NaOH水溶液を注ぎ、30分間攪拌した。そ
の後、実施例1と同様に後処理したところ、反応性樹脂
C−4を273g、TPGDA358g及びその他の化
合物19gからなる組成物650g得た。反応性樹脂C
−4について、実施例1と同様に加熱安定性試験を行っ
たところ、樹脂に何ら変化は見られなられず、加熱安定
性に優れるものであった。
【0025】実施例5 水酸基含有(メタ)アクリレートとしてヒドロキシエチ
ルメタクリレート10部及びヒドロキシエチルアクリレ
ート20部、エチレン性不飽和単量体として2−エチル
ヘキシルアクリレート70部を混合したものを単量体混
合物A−5とした。還流冷却器、温度計、滴下ロート、
窒素置換用ガラス管及び撹拌機を取り付けた4つ口フラ
スコに、単量体混合物A−5を15部、メチルイソブチ
ルケトン(以下MIBKとする)を100部及び2,2'−
アゾビスイソブチロニトリルを1部仕込み、窒素を吹き
込みながら90℃において重合反応を開始した。この
後、単量体混合物A−5の85部、25部のMIBK及
び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル6部からなる溶液
31部を6時間にわたり連続滴下して重合反応を行っ
た。得られた反応液を減圧で溶剤を留去して共重合体B
−5を得た。実施例1と同様の方法で求めた共重合体B
−5のMnは8800、Mwは19000であり、多分
散度は2.2であった。水酸基濃度は2.60meq/
gであった。共重合体B−5を500g(水酸基1.3
0モル)、アクリル酸94g(1.30モル)、トルエ
ン550g、p−トルエンスルホン酸11.5g及びハ
イドロキノン0.3gを使用した以外は実施例1と同様
にして反応を行ったところ、11時間で水分離器に1
8.7g(1.04モル)の水が除去された。冷却後、
反応液に250gの10%NaOH水溶液を注ぎ、30
分間攪拌した。その後、実施例1と同様に後処理したと
ころ、反応性樹脂C−5を530.0g得た。反応性樹
脂C−5について、実施例1と同様に加熱安定性試験を
行ったところ、樹脂に若干の粘度上昇が見られた程度で
あった。
【0026】比較例1 水酸基含有(メタ)アクリレートとしてヒドロキシエチ
ルメタクリレート10部及びヒドロキシエチルアクリレ
ート20部、エチレン性不飽和単量体として2−エチル
ヘキシルアクリレート70部混合したものを単量体混合
物A−6とした。実施例5と同様のフラスコに、単量体
混合物A−6を15部、MIBKを100部及び2,2'−
アゾビスイソブチロニトリルを1部仕込み、窒素を吹き
込みながら85℃において重合反応を開始した。この
後、単量体混合物A−6の85部、25部のMIBK及
び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる溶液
28部を4時間にわたり連続滴下して重合反応を行っ
た。得られた反応液を減圧で溶剤を留去して、共重合体
B−6を得た。実施例1と同様の方法で求めた共重合体
B−6のMnは27200、Mwは71000であり、
多分散度は3.5であった。又、共重合体B−6の水酸
基濃度は2.58meq/gであった。共重合体B−6
を500g(水酸基1.29モル)、アクリル酸93g
(1.29モル)、トルエン550g、p−トルエンス
ルホン酸11.5g及びハイドロキノン0.3gを使用
した以外は実施例1と同様にして反応を行ったが、14
時間でも水分離器に15.9g(0.88モル)の水し
か除去されなかった。この反応は遅く、反応率68%ま
でしか進まなかった。冷却後、反応液に120gの10
%NaOH水溶液を注ぎ、30分間攪拌した。その後、
実施例1と同様に後処理したが、有機層と水層が分離し
なかったため、反応性樹脂を分離することができなかっ
た。
【0027】比較例2 実施例1と同様の反応器に、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルを満たし、、温度を250℃にし、圧力
調節器により圧力をゲージ圧で25〜27kg/cm2
に保った。次いで、水酸基含有(メタ)アクリレートと
して2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、エチレ
ン性不飽和単量体として2−エチルヘキシルアクリレー
ト50部、スチレン20部及びメチルメタクリレート2
5部とからなる単量体混合物A−7を使用し、供給速度
を24〜25g/分(滞留時間:13〜14分)とした
以外は実施例1と同様にして、反応を開始した。反応開
始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温
度上昇が認められが、ヒータを制御することにより、反
応温度を265〜266℃に保持した。温度が安定した
単量体混合物A−7供給開始から1時間後を、次のエス
テル化反応原料としての反応液の抜き出し開始点とし
た。これから50分を継続した結果、1230gの単量
体混合物A−7を供給し、1224gの反応液を回収し
た。反応液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等
の揮発成分を分離し、967gの濃縮液(共重合体B−
7)を得た。ガスクロマトグラフより、濃縮液中に未反
応モノマーは存在していなかった。実施例1と同様の方
法で液体クロマトグラフから求めた共重合体B−7のM
nは1380、Mwは2940であり、多分散度は2.
1であった。又、共重合体B−7の水酸基濃度は0.3
8meq/gであった。共重合体B−7を500g(水
酸基0.19モル)、アクリル酸20g(0.28モ
ル)、トルエン500g、p−トルエンスルホン酸1
1.5g及びハイドロキノン0.3gを使用した以外は
実施例1と同様にして反応を行ったところ、7時間で水
分離器に3.2g(0.18モル)の水が除去された。
冷却後、反応液に100gの10%NaOH水溶液を注
ぎ、30分間攪拌した。その後、実施例1と同様に後処
理したところ、反応性樹脂C−7を505g得た。反応
性樹脂C−7について、実施例1と同様に加熱安定性試
験を行ったところ、樹脂に何ら変化は見られなられず、
加熱安定性に優れるものであった。
【0028】○参考例1 実施例1で得られた反応性樹脂C−1の60部、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート〔東亞合成(株)製
アロニックスM−220〕40部及び光重合開始剤のイ
ルガキュアー184〔チバガイギー(株)製〕2部を攪
拌混合し、活性エネルギー線硬化型組成物を製造した。
得られた組成物及び硬化膜について、以下の評価を行っ
た。それらの結果を表2に示す。
【0029】●評価 ・硬化性試験 得られた組成物を、ボンデライト鋼板PB−144〔日
本テストパネル(株)製〕に膜厚10ミクロンで塗布し
た。これを80W/cm、集光型高圧水銀灯1灯を用い
て、ランプ高10cmで紫外線を照射し、硬化に要した
照射量を測定した。尚、表1及び表2における◎、○、
△及び×は以下の意味を示す。 ◎:500mJ/cm2未満で完全に硬化 ○:500以上1000mJ/cm2未満で硬化 △:1000mJ/cm2以上で硬化 ×:1000mJ/cm2以上でも硬化しない
【0030】・硬度 得られた硬化膜について、JISの「手かき法K540
0」に従い評価した。
【0031】・ラビング試験 アセトンを染み込ませた綿棒を使用して、得られた硬化
膜をこすり、硬化膜の状態を観察した。尚、表1及び表
2における◎、○、△及び×は以下の意味を示す。 ◎:100回を超えても硬化膜に変化無し ○:50回を超え100回以下で硬化膜が白化 △:20〜50回で硬化膜が白化 ×:20回未満で硬化膜が白化
【0032】・耐候性試験 得られた塗膜を、スガ試験機製カーボンアークフェード
メーター使用して、83℃、1000時間試験した。試
験後の硬化膜の色差を、ΔEにより評価した。尚、表1
及び表2における◎、○、△及び×は以下の意味を示
す。 ◎:<1,○:1〜2,△:2〜3,×:>3
【0033】・密着性試験 上記硬化性試験において、ボンデライト鋼板の代わり
に、白色塩ビ291A〔日本テストパネル(株)製〕又
はナラ板単板使用した以外は同様にして、組成物の硬化
を行った。得られた硬化膜について、JISの「碁盤目
試験K5400」に従い評価した。尚、表1及び表2に
おける◎、○、△及び×は以下の意味を示す。 ◎:碁盤目100全てが残る ○:碁盤目100に対して、90〜99残る △:碁盤目100に対して、50〜90が残る ×:碁盤目100に対して、50未満がが残る
【0034】○参考例2〜9 表1に示す組成物を使用した以外は、参考例1と同様に
活性エネルギー線硬化型組成物を製造した。得られた組
成物及び硬化膜について、参考例1と同様に評価を行っ
た。それらの結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】1)TPGDA:トリプロピレングリコー
ルジアクリレート〔アロニックスM−220;東亞合成
(株)製〕 ※尚参考例4におけるTPGDAは、トリプロピレング
リコールとアクリル酸のエステル化反応により生成した
もの 2)TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレ
ート〔アロニックスM−309;東亞合成(株)製〕 3)光開始剤:イルガキュア184〔チバガイギー
(株)製〕
【0037】○比較参考例1〜8 表2に示す組成物を使用した以外は、参考例1と同様に
活性エネルギー線硬化型組成物を製造した。得られた組
成物及び硬化膜について、参考例1と同様に評価を行っ
た。それらの結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】1)TPGDA:トリプロピレングリコー
ルジアクリレート〔アロニックスM−220;東亞合成
(株)製〕 2)TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレ
ート〔アロニックスM−309;東亞合成(株)製〕 3)光開始剤:イルガキュア184〔チバガイギー
(株)製〕
【0040】
【発明の効果】本発明の反応性樹脂の製造方法によれ
ば、問題なく反応性樹脂を製造することができ、又本発
明の製造方法により得られる反応性樹脂、又は該樹脂か
らなる組成物は、硬化性、密着性、耐薬品性及び耐候性
に優れているため、塗料、印刷インキ、接着剤、充填
剤、成形材料及びレジスト等の種々の用途に使用でき、
その工業的価値はきわめて大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリ
    レートの1種以上の10重量%以上と、該(メタ)アク
    リレート以外で1個のエチレン性不飽和基を有する単量
    体の1種類以上の90重量%以下との共重合体であり、
    且つ数平均分子量が1,000〜10,000である共
    重合体中の水酸基に対して、1個以上のエチレン性不飽
    和基と1個のカルボキシル基を有する単量体をエステル
    化反応させることを特徴とするエチレン性不飽和基を有
    する反応性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】エステル化反応に使用する共重合体が、1
    50〜350℃の共重合温度において高温連続重合して
    得られたものであることを特徴とする請求項1記載の反
    応性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の製造方法によ
    る反応性樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型組成
    物。
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