JP2005179511A - ラジカル重合性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属やプラスチック材料でできている基材への接着性が改良され、更に硬化塗膜の可とう性、靭性、および耐衝撃性に優れた塗膜を与え、その製造が容易であり、更にUV硬化性の各種用途において塗料の各用途に合わせた樹脂を選択することができ、尚かつ、粘度が低く、希釈性溶媒を減らすことが可能なラジカル重合性塗料組成物を提供すること。
【解決手段】 官能基数の異なる多官能性ソルビン酸エステルと多官能性官能性アクリル酸エステルとをディールス・アルダー反応により重合して得られる末端に不飽和二重結合を有する高分岐ポリエステルと、光重合開始剤とを含有する。
【選択図】 なし。

Description

本発明はアクリレート末端基を有する高分岐ポリエステルと光重合開始剤を含むラジカル重合性塗料組成物に関する。本発明のラジカル重合性組成物は、適切なUV光の照射により硬化して、硬化塗膜又は層を形成する為、ラジカル重合性の塗料又は印刷インキとして有用である。
デンドリマーに代表される高分岐型のアクリロイル基含有ポリマーは、アクリロイル基の数が多い為、UV架橋する際に高い架橋速度を示す他、工業的に入手可能な2〜6官能アクリレートよりは分子量が高いので、架橋後の収縮が少なくなり、その結果、金属ならびにポリエステルおよびポリオレフィンのようなプラスチック材料でできている基材への接着性が改良され、更に硬化塗膜の可とう性、靭性、および耐衝撃性に優れるという特徴を有する。
ここで、前記デンドリマーは、その分子構造の中心から周辺に向けて繰り返し単位として分技構造を規則的に有するマクロモノマーである。近年、かかるデンドリマーに関して合成により高分岐ポリマーを製造する研究がなされている。
デンドリマーは低分子モジュールから合成する必要があり工業的生産が困難であるという問題を有している。そこでデンドリマーに代わって、所謂「ハイパーブランチドポリマー」として知られる高分岐ポリマーが工業的生産性に優れる点から注目されている。この高分岐ポリマーはその分岐構造がデンドリマーほどの規則性を有していないものの、1段階又は2段階の反応で生産できるという工業的利点がある。
これらのデンドリマー及び高分岐ポリマーは、同様の構成単位から成り同程度の分子量を有する鎖状のランダムコイル状ポリマーに比べ、粘度が極めて低いという特質を有する。即ち、デンドリマー及び高分岐ポリマーは、溶液や溶融状態においてランダムコイル状の形態をとらず、密集した球状又は球形構造をとり、それゆえにコイル状高分子よりも流体力学的半径が極端に小さくなるからである。
したがって、理論上、粘度上昇の原因となるポリマー鎖の絡みが少なくなる。また、高分岐ポリマーは鎖状ポリマーに極めて少量加えることにより組成物の粘度を著しく低減できる、という有用性もある。また、前記高分岐ポリマーは、その外側分子末端に反応性官能基を有しており、他の様々な反応に利用可能である。よって、高分岐ポリマーの球状構造の直径が成長するにつれて、これら反応基の数も増大する。
このような高分岐ポリマーは、官能基Aと、該官能基Aと反応性を有する官能基Bとを有する所謂AB−モノマーを重縮合することでも製造することができる。例えばPCT国際公開公報WO93/17060には、トリメチロールプロパンやペンタエリトリトールなどの多官能性アルコールを2,2−ジメチロールプロピオン酸と1:3のモル比で縮合し、得られる6官能性ポリオールを更に2,2−ジメチルオールプロピオン酸と重縮合させて末端基に水酸基を有するハイパーブランチドポリマーを製造する方法が開示されている。
また、米国特許公報第5,834,118号にはポリオールを環状無水物と重縮合させる方法に基づく方法や、オランダ特許公報第1008189号にはジアルカノールアミンを環状無水物と重縮合させる方法が開示されている。
しかしながらこれらの方法によって製造される高分岐ポリマーは分子末端が水酸基やカルボキシル基である。UV効果ラッカー及び印刷インク、繊維強化ポリエステル成形成分、高強度ポリスチレン原料等の用途において工業的に有用なラジカル重合性又はラジカル架橋性を付与するためには該末端水酸基やカルボキシル基を更に修飾してアクリレート基やメタクリレート基を導入しなければならいという煩わしさがある。ところが例えば水酸基を修飾してアクリレート基又はメタクリレート基を導入するには、反応性の問題から非常に困難で修飾が不完全であり、また、ポリマーの特性を劣化させる、或いは架橋が不十分となるという問題を生じていた。
また多くの用途では、構成用のブロックとして利用できるABまたはAモノマーの数が少ないために、変性された高分岐ポリマーの構造が取りうる種類が非常に限られてしまう他、市販の高分岐型ポリエステルでは、アクリロイル基の導入により樹脂が高粘度化してしまう為、UV硬化性の硬化システムでは、大量の反応性希釈剤を用いて塗布に必要な粘度にまで稀釈しなければならないという煩わしさがあった。
PCT国際公開公報WO93/17060 米国特許公報第5,834,118号 オランダ特許公報第1008189号
本発明が解決しようとする課題は、金属やプラスチック材料でできている基材への接着性が改良され、更に硬化塗膜の可とう性、靭性、および耐衝撃性に優れた塗膜を与え、その製造が容易であり、更にUV硬化性の各種用途において塗料の各用途に合わせた樹脂を選択することができ、尚かつ、粘度が低く、希釈性溶媒を減らすことが可能なラジカル重合性塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意検討した結果、多官能性ソルビン酸エステルと多官能性アクリル酸エステルとを特定の条件下でディールス・アルダー反応させて得られる高分岐ポリエステルをUV硬化性の樹脂として使用することにより、硬化塗膜の機械的物性を改善すると共に、用途に合わせた特性を選択できること、反応性希釈剤の使用量を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は不飽和基含有高分岐ポリエステルと光重合開始剤とを必須の成分とするラジカル重合性塗料用組成物であって、前記不飽和基含有高分岐ポリエステルが、多官能性ソルビン酸エステルと多官能性官能性アクリル酸エステルとを、前記多官能性ソルビン酸エステルの1分子あたりの官能基数をm、前記多官能性官能性アクリル酸エステルの1分子あたりの官能基数をnとし、尚かつ、官能基数の高い方の化合物のモル数をn、官能基数の低い方の化合物のモル数をnとし、更に、m及びnのうち官能基数の高い方をfとしたときに、
(i) m及びnは、2〜6の自然数であり、mとnとの差が1以上であること、及び、
(ii) 次式(1)を満たすこと、
/n≧f−1 (1)
以上の条件に従い、50〜150℃の温度条件下に前記ディールス・アルダー反応を行うことにより得られるものであることを特徴とするラジカル硬化性組成物に関する。
本発明で用いる不飽和基含有高分岐ポリエステルは、前記したとおり、多官能ソルビン酸エステルと多官能アクリレートとをディールス・アルダー反応させることにより、1段の反応で製造することができる。この際、前記した通り、前記多官能性ソルビン酸エステルの1分子あたりの官能基数をm、前記多官能性アクリル酸エステルの1分子あたりの官能基数をnとし、尚かつ、官能基数の高い方の化合物のモル数をn、官能基数の低い方の化合物のモル数をnとし、更に、m及びnのうち官能基数の高い方をfとしたときに、
(i) m及びnは、2〜6の自然数であり、mとnとの差が1以上であること、及び、
(ii) 次式(1)を満たすこと、
/n≧f−1 (1)
以上の条件に従い、50〜150℃の温度条件下に前記ディールス・アルダー反応を行うことによりゲル化を生じることなく反応させることができる。
多官能ソルビン酸エステルと多官能アクリル酸エステルとをディールス・アルダー反応させる具体的方法は、両者を水性溶媒中、好ましくは水性エマルション中で、50〜150℃、好ましくは50〜95℃の温度条件で反応させる方法が挙げられる。このようにして得られる不飽和基含有高分岐ポリエステルは、液状で、低粘度から高粘度にわたる樹脂であり、その数平均分子量は1,000〜50,000g/molである。また、ディールス・アルダー反応で消費しきれなかった多官能アクリレートがまだ残存しており、これは特に、前記モル比n/nがより大きい場合に残存しやすくなる。
一方、前記モル比n/nが小さい場合は、ディールス・アルダー反応によりゲル化が生じやすくなる。よって、不飽和基として末端アクリロイル基を有する不飽和基含有高分岐ポリエステルを製造するにあたり、ゲル化防止の観点からは、具体的には、多官能性ソルビン酸エステルと多官能性アクリル酸エステルとの反応比率は、下記の条件であることが好ましい。
Figure 2005179511
(上記a)〜f)の条件でディールス・アルダー反応させて得られる不飽和基含有高分岐ポリエステルについて、以下、不飽和基含有高分岐ポリエステルa)を「S」、不飽和基含有高分岐ポリエステルb)を「S」、不飽和基含有高分岐ポリエステルc)を「S」、不飽和基含有高分岐ポリエステルd)を「S」、不飽和基含有高分岐ポリエステルe)を「S」、及び不飽和基含有高分岐ポリエステルf)を「S」と略記する。)
多官能性ソルビン酸エステルと多官能性アクリル酸エステルは、その組み合わせにより、アクリロイル基を有する高分岐ポリエステルを多種多様に製造することができる。即ち、最終的に得られる不飽和基含有高分岐ポリエステルの構造的特性、たとえば、枝分かれ基の官能基数、枝分かれ基の間の距離、および枝分かれ基の間にあるセグメントの化学構造、およびそれらのアクリレート基含量、さらにはそれらの架橋反応性などに特徴を持たせることにより、活性線硬化性システムの各種の応用分野での要求に応えるよう樹脂を設計することができる。
塗料および印刷インキのようなUV架橋システムでは、アクリレート末端基を有する高分岐ポリエステルは、その分子量(数平均)が1,000〜50,000g/molの間、特に2,000〜10,000g/molである。また、未反応多官能アクリレートをまだ5〜30質量%含む液状高分岐ポリエステル混合物であることが好ましい。
この液状高分岐ポリエステル混合物の粘度は、0.5〜100Pa・sであることが好ましいが、0.5〜50Pa・sの範囲、特に0.5〜5Pa・sの範囲であることが好ましい。このような液状高分岐ポリエステル混合物に適する高分岐ポリエステルは、前記S、S、S、S、SおよびSの高分岐ポリエステルが好ましいが、なかでもS、S、SおよびSの高分岐ポリエステルは特に好ましい。
また、SおよびSの高分岐ポリエステルを製造する場合は、トリアクリレート、たとえば、トリメチロールプロパンおよびグリセリン、ならびにそれらのエトキシル化プロポキシル化誘導体でOH基1つあたり平均して0.5〜10のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド基を有するもののトリアクリレートとの反応で得ることができる。また、Sの高分岐ポリエステルを製造する場合はテトラアクリレート、たとえば、ジ−トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール、ならびにそれらのエトキシル化プロポキシル化誘導体でOH基1つあたり平均して0.5〜10のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド基を有するもののテトラアクリレートとの反応で得ることができる。
、S、S、S、SおよびSの高分岐ポリエステルは、自体公知の方法により、1〜500μmの厚みの塗膜として塗布することができる。具体的には、必要に応じて塗布をするのに適した粘度とするために使用する多官能アクリレートを用いて稀釈してから単独で塗布するか、または、2種以上の異なった高分岐ポリエステルの混合物として塗布するか、または、少なくとも1種の高分岐ポリエステル樹脂と、少なくとも1種の公知モノアクリレート、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレートまたはポリアクリレートとの混合物、あるいは前記液状高分岐ポリエステル混合物とモノアクリレート、ジアクリレート、トリアクリレートまたはポリアクリレートとの混合物として塗布することができる。
この際、液状高分岐ポリエステル混合物に0.1〜10質量%の1種または複数のラジカル光重合開始剤を添加してから、各種の性質の基材、たとえば紙、厚紙、木材、ガラス、アルミニウム板、ブリキ板、鋼板、ポリエステルまたはセルロースなどに、定法により塗布することができる。
塗布後は、活性線を照射をすることによってと塗膜を硬化させることができる。
尚、最適な結果を得るためには、使用する光重合開始剤の吸収領域と濃度は、特定の活性線源の波長および架橋させる塗膜の厚みに適合させておかねばならない。
ここでアクリレート末端基を有する高分岐ポリエステルと混合される前記モノアクリレートは、希釈剤として有用であり、具体的にはエトキシエチルアクリレート、ドデシルおよびイソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、および脂肪族または芳香族モノイソシアナートとヒドロキシアルキルアクリレートの反応生成物が挙げられる。
また、前記ジアクリレートは希釈剤又は架橋剤として有用であり、具体的には、ジ−およびトリ−プロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートでそのポリエチレングリコールの平均分子量が100〜1,000g/molの間のもの、ブタンジオール−1,4−ジアクリレート、およびヘキサンジオール−1,6−ジアクリレートなどが挙げられる。
次に、トリアクリレート又はテトラアクリレートは架橋剤として有用であり、具体的には、トリメチロールプロパンおよびグリセリン、ならびにそれらのエトキシル化プロポキシル化誘導体でOH基1つあたり平均して0.5〜10のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド基を有するもののトリアクリレート、ジ−トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール、ならびにそれらのエトキシル化プロポキシル化誘導体でOH基1つあたり平均して0.5〜10のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド基を有するもののテトラアクリレート、およびジ−ペンタエリスリトールのペンタ−またはヘキサ−アクリレートなどが挙げられる。
次に、本発明で用いる光重合開始剤は、活性線の照射によりフリーラジカルを発生させるものである。具体的には、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒドロキシアルキルアセトフェノン類、アミノアルキルフェノン類およびアシルホスフィンオキシド類であって、たとえば、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンジル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メトキシチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−2−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ジフェニルアシルフェニルホスフィンオキシド、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、およびビス(2,4,6−トリメチル−ベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドなどが挙げられる。
また、本発明ではその他の増感剤、たとえば、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、アントラセンおよびクマロンなどを添加して、光重合開始剤の効率を向上させてもよいが、その使用量は質量%にして全混合物の0.05〜2質量%の範囲が好ましい。
本発明のラジカル重合性塗料組成物を硬化させる為の活性線源としては、UV−A、UV−BまたはUV−Cの領域またはさらに、400nmを超える可視領域の光を放射するもので、各種の出力源から各種の形態で技術的に得られるもの、および電子線源が挙げられる。
本発明のラジカル重合性塗料組成物は、前記した各成分の他、必要に応じて、他の増感剤、および自体公知の塗料添加剤、たとえば、レベリング剤、消泡剤、UV安定剤および熱安定剤、顔料などを併用することができる。
本発明のラジカル重合性塗料組成物は、該組成物中のアクリレート末端基を有する不飽和基含有高分岐ポリエステルが従来の直鎖状ポリエステルアクリレートと比較して、分子量が高く、かつ、分子量分布が広いものであるにも拘わらず、粘度が著しく低いという特徴を有する。例えば、直鎖状ポリエステルアクリレート(UCB社(UCB company)製「エベクリル(Ebecryl)−657」)は、1分子あたり平均して4つのアクリロイル基を有しており、Mが2,110g/mol、分子量分布(Mw/Mn)が4.06で、低分子量成分を含み、粘度が138Pa・s(25℃)である。これに比較して、ジ−トリメチロールプロパンテトラソルベートおよびエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートから製造した、本発明で用いる不飽和基含有高分岐ポリエステルは、Mが3,250g/molで、分子量分布(Mw/Mn)が4.25で、ある程度の残存アクリレートを含み、その粘度は8.6Pa・s(25℃)である。このポリマーでの1分子あたりのアクリレート基の数は平均して9である。
前記高分岐ポリエステルは、上記組成で用いる場合のみならず、揮発性が低く、臭気が少ない高粘度な、芳香族ジグリシジルエーテルからのエポキシアクリレートや、ウレタンアクリレートなどのUVアクリレートまたは不飽和ポリエステル溶液などの反応性希釈剤としても極めて有用である。
例えば、トリメチロールプロパン−(2.5EO/OH)−トリソルベートとジプロピレングリコールジアクリレートとから製造し、そのMが1,350g/mol、Mが2,300g/molで、ジプロピレングリコールジアクリレートの残存量が20%、粘度が0.07Pa・s(25℃)であるSの高分岐ポリエステルの35質量%を、ビスフェノールA系の芳香族エポキシアクリレートで、粘度が103Pa・s(25℃)のもの65%に添加すると、粘度が0.8Pa・s(25℃)の塗料混合物が得られる。通常の光ラジカル重合開始剤を添加してから、これを、通常の塗料塗布装置を用いて各種の基材の上に5〜100μmの厚みの塗膜として塗布し、300〜500mJ/cmの間の照射線量でUV照射して架橋させると、優れた表面仕上がり性でアルミニウムによく接着する耐溶剤性の塗料塗膜を得ることができる。
このような反応性希釈剤として特に有効なのはSの高分岐ポリエステルで、これを製造するには、短鎖のエトキシル化またはプロポキシル化したトリメチロールプロパントリソルベートまたはグリセリントリソルベートと、短鎖のジオールたとえば、ブタンジオール−1,4、ヘキサンジオール−1,6、ジ−、トリ−またはテトラ−エチレングリコールもしくはジ−およびトリ−プロピレングリコールのジアクリレートとを、ディールス・アルダー反応させる方法が挙げられる。このようにして得られる高分岐ポリエステル混合物は、0.1〜2Pa・sの間の低粘度であり、照射により硬化させるために使用される各種の高粘度不飽和化合物に対して、非常に良好な溶媒作用を有している。
また、このSの高分岐ポリエステル樹脂は、芳香族グリシジルエーテルからのエポキシアクリレートと併用して、低粘度〜中間程度の粘度の混合物を製造する際にも有用である。この場合、これらの安価ではあるが高粘度のアクリレートを、5〜65質量%の間で使用しても、粘度を10Pa・s未満とすることができる。このような混合物は、無臭で、揮発性のアクリレートを少量しか含まず、高い架橋速度を示し、優れた仕上げ性を有していながら、他の活性線硬化性成分や顔料その他の添加物を混ぜ込むことが可能である。また、高分岐ポリエステル樹脂中に溶解させたエポキシアクリレート溶液の粘度がニュートン流体挙動を示すのも、多くの応用分野においては好ましく、前記高分岐ポリエステル樹脂をエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、又はポリエステルアクリレートと混合した場合に、このような特性を発現させることができる。これは、たとえばジプロピレングリコールジアクリレートのような低分子量のジアクリレート中にそれらを溶解させた溶液では、認められない現象である。
本発明のラジカル重合性塗料組成物は、その物性や組成に関わらず、濡れ性が非常によく、各種の広く使用されている基材の上に液状でコーティングした際のレベリング性に優れる。これによって、たとえ混合物の粘度が高くても凹凸が直ちに平坦化され、未乾燥塗膜(wet film)がその厚みが均等になってから活性線硬化によって架橋することができる。
また、驚くべきことであるが、高分岐ポリエステル樹脂の含量が20質量%を超えた場合でも、本発明のラジカル重合性塗料組成物は、空気中すなわちOの存在下で、たとえ硬化設備の速度を上げても、活性線硬化させれば、直ちにタックフリーで完全に硬化した表面が得られ、この反応性は使用したラジカル光重合開始剤の種類や、混合物中の他の成分の物性および量とは無関係に認められる。これに対して、従来のUV架橋性システムでは、酸素による表面硬化の阻害のために、表面にタックが残るため、活性線硬化により架橋させた部品を即座に積み上げたり巻き取る必要があれば、できるだけ効果が出るように硬化設備の速度を下げる必要がある。即ち、従来のUV架橋性システムでは、表面の硬化性を改良するには、いわゆるアミン系の相乗剤を添加し、とりわけ、純窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下で架橋させねばならなかったが、これはコスト的には高くつく。それとは対照的に、本発明のラジカル重合性塗料組成物は、活性線硬化をさせる場合の酸素による阻害性が著しく低下させられているので、通常の空気雰囲気下でも非常に高い架橋速度が可能となり、したがって、照射線量(mJ/cm)を低く抑えることができる。その理由は、ソルベートとアクリレート基のディールス・アルダー反応の間に形成され、空気中の酸素と反応し得るアリル基を含んでいる4−メチル−シクロ−2−ヘキセン−1,2−および−1,3−ジカルボン酸エステル基のためである。
本発明のラジカル重合性塗料組成物の中でも硬化速度が速く、タックフリーな塗膜が得られるようなものとして特に好ましいのは、20〜95質量%の間の量の1種または複数のS、S、SまたはSの高分岐ポリエステル樹脂と共に光重合開始剤、さらに必要に応じて他の一般的に使用されるUV架橋性アクリレートや添加剤を含んでいるものである。
例えば、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)中に、M(数平均分子量)=2,310、M(重量平均分子量)=9,700g/mol、残存トリメチロールプロパントリアクリレート含量23質量%、粘度40Pa・s(25℃)のSの高分岐ポリエステル樹脂を10〜80質量%、3部のジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドおよび2部の2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−l−オンを含む5質量%の塗料を、厚みが250μmの未乾燥塗膜を形成した後、活性線照射により完全に硬化したタックフリーな仕上げ品で耐溶媒性の極めて良好なものを得ることができる。ここで、光照射は、無電極Feドーピング中圧水銀ランプ(D−バルブ)(メサズ・ヒュージョン・システムズ(Messrs. FUSION SYSTEMS)製)を使用し、出力120W/cm、ベルトスピードが50〜75m/分(これは、タックフリー照射線量が50〜65mJ/cmに相当)で実施することが好ましい。
上記のような高分岐ポリエステル樹脂の濃度範囲では、その塗料の粘度は0.03〜5Pa・sの範囲であったが、特に1Pa・s未満では塗料の作業性に劣るため濃度範囲は10〜70質量%であることが好ましい。
残存アクリレート含量が10〜30%の範囲のS、S、SまたはSのタイプの高分岐ポリエステル混合物が、作業性が良好な粘度であればそれらの混合物を1種または複数の重合開始剤を添加してから単独で基材に塗布し、低線量の照射で硬化させることもよい。
フリーラジカル重合で架橋できるアクリレート、メタクリレートおよび不飽和ポリエステル混合物はすべて、重合または架橋をさせると収縮が起きる。一般的に言って、アクリレートの二重結合のフリーラジカル重合によって起きる体積収縮率は、2官能、3官能および多官能アクリレートの活性線硬化の場合、10体積%以上、典型的には12〜18体積%の範囲である。収縮率の大きさで影響を受ける塗料の性質は各種あるが、たとえば、基材への接着性、表面の仕上がり状態、それに厚手の塗膜や成形物の場合には寸法精度などが挙げられる。
従って、UVおよび電子線硬化のアクリレート系塗料は、一般に収縮の程度が大きいために、アルミニウムフォイルおよびシート状アルミニウムのような基材や、ポリエステル、ポリオレフィンおよびポリアミドのようなプラスチック材料に対する接着性が悪い。このアクリレート系塗料の収縮の原因は、活性線硬化に用いるアクリレートのためのアクリレート二重結合あたりの当量が低いほど、その体積収縮が大きくなるからである。しかしながら、本発明で用いる高分岐ポリエステルは、アクリレート二重結合あたりの当量が高く、しかも同時に巨大分子あたりのアクリレート基の数が多い。そのため本発明の塗料組成物を活性線照射により硬化させた場合、従来からのアクリレート系塗料に比較して、かなり低い体積収縮率を示す。
例えば、トリメチロールプロパン−(2.5EO/OH)−トリソルベートおよびDPGDAから製造した高分岐SポリエステルでそのM=1,530、M=4,160g/mol、残存DPGDA含量が11%、粘度が1.02Pa・sのもの50〜80質量%と、ビスフェノールA系のエポキシアクリレート50〜20質量%、とを含む高分岐ポリエステル混合物を、3部のジフェニル−(2,4,6−トリ−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシドおよび2部の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを含む重合開始剤混合物5質量%の存在下に、150〜200mJ/cmの照射線量で架橋させた際の体積収縮率は5.2〜4体積%である。尚、この硬化反応の際、無電極Feドーピング中圧水銀ランプ(D−バルブ)(メサズ・フュージョン・システムズ(Messrs. FUSION SYSTEMS)製)を使用し、出力120W/cm、ベルトスピード20〜35m/分(タックフリー照射線量で200〜130mJ/cmに相当)とすると、全くタックフリーで完全に硬化された厚み6〜50μmの塗料仕上げ面が得られる。このものは、アルミニウムフォイルおよび未処理PETフィルム上では非常に良好な耐溶媒性を示し、そこでは、これらの基材への接着性も良好で、塗料の表面に押しつけた粘着テープ(テサ(TESA、登録商標)−4104)は30分後でもそれらを剥がすことができず、また屈曲性のある基材を曲げても、それらの塗料塗膜が剥離することはなかった。
これとは対照的に、50〜80質量%のDPGDAと50〜20質量%のエポキシアクリレートを含む混合物は、同じ条件下で架橋させたときに、収縮率が8.7〜10.5%の範囲となり、アルミニウムには接着せず、未処理のPETフィルムからは剥離した。DPGDA/エポキシアクリレート混合物中ではDPGDA含量が高くなるにつれて、収縮率も高くなるのに対し、高分岐ポリエステル樹脂の含量が高くなると、収縮率は低下する。
上記の条件でUV架橋させた後では、DPGDA中に20〜80質量%の前記高分岐ポリエステル樹脂を含む混合物を用いた塗料から得られた2〜50μmの厚みの塗膜の収縮率は10〜4%で、高分岐ポリエステル樹脂の含量が50質量%を超え、体積収縮率が9%未満に相当するような場合には、アルミニウムおよびPETに対する良好な接着性を示した。
官能基数が高いS、S、SまたはSの高分岐ポリエステルを含む塗料では、同様の低収縮率が得られ、それらは50〜100mJ/cmのような低照射線量で架橋させることが可能であった。
このような硬化時の収縮性に特に好適なのは、このタイプの高分岐S、S、SまたはSの高分岐ポリエステルで、それらは、4官能または6官能のソルビン酸エステルと、エトキシル化またはプロポキシル化したジオール、トリオールまたはテトラオールのジアクリレート、トリアクリレートまたはテトラアクリレートとから製造することができる。例えば、10〜90質量%、好ましくは20〜60質量%の1種または複数のこのタイプの高分岐ポリエステルと、反応性希釈剤としての1種または複数の低粘度アクリレート、たとえば、エトキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジ−またはトリ−プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、またはトリメチロールプロパントリアクリレートとを、0.1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%の1種または複数の光重合開始剤と組み合わせることによって、10体積%未満の低収縮率で、各種の金属およびポリマー基材への接着性が非常に良好のものを得ることができ、同時に、1Pa・s未満、好ましくは0.5Pa・s未満の低粘度で、タックフリーな表面と内部における硬化を低照射線量で得ることができる。
本発明のラジカル重合性塗料組成物の粘度は、0.1〜10Pa・s、好ましくは0.1〜2Pa・sである。
この低収縮タイプのラジカル重合性塗料組成物には、他の一般に使用される添加物を加えることもできる。例えば、公知の高分子量ウレタンアクリレートおよびポリエステルアクリレート、アミン系相乗剤、湿潤剤および潤滑剤、消泡剤、安定剤、および着色顔料もしくは白色顔料が挙げられる。
本発明のラジカル重合性塗料組成物は、厚みが1〜500μmの間、好ましくは2〜50μmの間の塗膜を得ることができるが、このコーティングは、非常に良好な表面仕上がり性、光沢、低収縮性、およびアルミニウム板、鋼板およびブリキ板ならびにたとえばPETのような多くのプラスチック材料に対する良好な接着性を有しており、また、完全に架橋させるために必要な照射線量も低く50〜100mJ/cmの範囲で充分であり、それによって直ちにタックフリーな表面が得られる。使用するアクリレート末端基を有する高分岐ポリエステルと、必要に応じて用いる追加のアクリレートを選択することによって、特定の用途に適した機械的、化学的性質を有するコーティングとすることができる。
また、S、S、SまたはSの高分岐ポリエステルを50〜90質量%含むこのタイプの塗料はまた、たとえばアルミニウムまたはPETのような金属およびポリマー基材にはそれ自体は接着性を有さない活性線硬化性塗料および印刷インキのための、活性線硬化性プライマーとして好適かつ有利に使用できる。この場合はコーティングを2段で実施し、低収縮性のために基材に対する接着性が非常に優れている本発明による混合物をまず、塗膜の厚みが1〜15μmになるように塗布し、活性線硬化をさせる。その後で、通常の顔料無添加または顔料添加のアクリレート混合物を、塗膜の厚みが1〜100μmになるように塗布し、活性線硬化をさせる。このようにすれば、紙、厚紙または木材用に開発した活性線硬化性塗料および印刷インキを、金属およびプラスチック材料のコーティングにも使用できるようになる。このタイプの複合塗膜は、上記のような基材に対する接着性が良好な上に、塗膜間の接着性も非常に良好な点で注目に値するが、この理由は、上層の塗膜を架橋させている間に、2枚の塗膜の間で分子レベルで共役結合が生成するためである。プライマーとして特に有利なものは、高分岐ポリエステルを含むこのタイプの混合物で、活性線硬化をさせた後に、鉛筆硬度が3Bから1Hの比較的柔らかい塗膜を形成するものである。
プライマーとして好適な高分岐ポリエステルは例えばエトキシル化ペンタエリスリトールテトラソルベートまたはエトキシル化ジペンタエリスリトールヘキサソルベートと、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレートとから製造されるものが挙げれ、この高分岐ポリエステルは単独で塗布してもよいし、あるいは、10〜60質量%、好ましくは20〜40質量%の1種または複数の低粘度単官能アルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、エポキシアクリレート、またはウレタンアクリレート、たとえば、ドデシルまたはイソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピルアクリレート、または脂肪族または芳香族モノイソシアナートとヒドロキシアルキルアクリレートとの反応生成物との混合物として用いても良い。或いは、10〜60質量%、好ましくは20〜40質量%の1種または複数のジアクリレート、たとえばジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートまたはヘキサンジオール−1,6−ジアクリレートとの混合物、あるいは、10〜60質量%、好ましくは20〜40質量%の単官能アクリレートと多官能アクリレートの混合物として用いても良い。
このようにして製造したプライマー用のラジカル重合性塗料組成物は、必要に応じて、1〜20質量%、好ましくは3〜10質量%の1種または複数の多官能の接着性向上用のエポキシ、ポリエステルまたはウレタンアクリレートや、1〜10質量%の1種または複数の適当な光重合開始剤を添加し、塗膜の厚みが1〜20μm、好ましくは2〜10μmとなるように金属およびポリマー基材、たとえばアルミニウムフォイルやポリエステルフィルムに塗布し、20〜500mJ/cm、好ましくは50〜250mJ/cmの間の照射線量で架橋させる。この直後に、活性線硬化性クリアコート、顔料添加塗料または印刷インキを、塗膜の厚みが1〜100μm、好ましくは3〜50μmの間になるように塗布することができ、20〜500mJ/cm、好ましくは50〜250mJ/cmの間の照射線量を用いてもう一度照射工程にかけることによって、プライマーの上で架橋させることができる。
この方法の利点は、他の基材で使用することを目的として配合、最適化されている既存の活性線硬化性塗料および印刷インキを、上述の基材たとえばアルミニウムおよびPETなどの上でもコーティングとしても使用でき、そして、高分岐ポリエステルを含むこのプライマーの架橋を、活性線硬化性のトップコートまたは印刷インキと同じ架橋速度で実施することができるところにある。これによって、コーティングラインまたは印刷プレス上で高速で、アルミニウムおよびプラスチック材料に、接着性の良好な活性線硬化でのコーティングまたは印刷をすることが可能となる。
本発明によれば、金属やプラスチック材料でできている基材への接着性が改良され、更に硬化塗膜の可とう性、靭性、および耐衝撃性に優れた塗膜を与え、その製造が容易であり、更にUV硬化性の各種用途において塗料の各用途に合わせた樹脂を選択することができ、尚かつ、粘度が低く、希釈性溶媒を減らすことが可能なラジカル重合性塗料組成物を提供できる。
特に、アクリレート末端基を有する高分岐ポリエステルを含むことによって、アルミニウム板、ブリキ板および鋼板などの金属基材や、たとえばポリエステルフィルムのような多くのプラスチック材料に対する良好な接着性を有するようになる。
従って、活性線硬化型の塗料、印刷インキ、或いはプライマーコート剤として有用である。
合成例1 アクリレート基を有する高分岐ポリエステルの合成例(HBAPE 1−5):
300mLのHOと0.370gのドデシル硫酸ナトリウム(NaDS)を、磁気撹拌棒、温度計、ガス注入管および還流冷却器付きの1Lの3頚フラスコに入れ、このフラスコにダイアフラムポンプによる脱気とN注入を2回繰り返した。146.4g(0.20mol)のTMP−(EO)2.5−トリソルベートおよび135.8g(0.60mol)のヘキサンジオール−1,6−ジアクリレート(HDDA)と0.140gのBHTとの混合物をNであらかじめパージしておいてから、その水相の中に撹拌しながら15分間以内に投入し、そのエマルションを油浴上で93℃まで加熱し、21.5時間撹拌した。次いでその混合物を冷却し、撹拌を停止すると2相に分離した。下層の濁りのある有機層を300mLのトルエンと混合し、樹脂中に含まれる水分を共沸蒸留により除去した。トルエンを除去した後の樹脂の収量は266.9gで、理論収率の95%であった。以下の測定値が得られた。
=2,100g/mol、M=10,100g/mol、残存HDDA=20%、粘度=0.83Pa・s(25℃)。
合成例2(HBAPE−2)
290g(1.2mol)のジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)および0.12gのフェノチアジンを200mLの工業用キシレンに溶解させた溶液を、磁気撹拌棒、温度計、ガス注入管および還流冷却器付きの1Lの3頚フラスコの中でN下で139℃に加熱し、次いで83g(0.2mol)のトリメチロールプロパントリソルベートを3.5時間かけて滴下した。この温度でさらに35分間撹拌を続けてから、ダイアフラムポンプで真空にして、キシレンを留去した。透明でやや黄味を帯びた樹脂が370g得られ、このものの分析値は下記のとおりであった。
=1,360g/mol、M=2,300g/mol、残存DPGDA=16%、粘度=0.1Pa・s(25℃)。
合成例3(HBAPE−3)
300mLのHOを、磁気撹拌棒、温度計、ガス注入管および還流冷却器付きの1Lの3頚フラスコに入れ、このフラスコにダイアフラムポンプによる脱気とN注入を2回繰り返した。146.4g(0.20mol)のTMP−(EO)2.5−トリソルベートおよび145.4g(0.60mol)のDPGDAと0.140gのBHTとの混合物をNであらかじめパージしておいてから、その水相の中に撹拌しながら15分間以内に投入し、そのエマルションを油浴上で93℃まで加熱し、18時間撹拌した。次いでその混合物を冷却し、撹拌を停止すると2相に分離した。下層の濁りのある有機層を分離し、樹脂中に含まれる水分をダイアフラムポンプによる真空で除去すると、透明な樹脂が得られた。収率は理論量の89.3%であった。以下の測定値が得られた。
=1,530g/mol、M=4,160g/mol、残存DPGDA=11%、粘度=1.02Pa・s(25℃)。
合成例4(HBAPE−4)
錨形撹拌器、接点温度計、ガス注入管および還流冷却器付き3Lのフラットフランジ式反応容器に、1740mLのHOを入れ、それに0.8gのBHTを禁止剤として溶解させ、真空ポンプによる脱気とN注入を3回繰り返した。219g(0.339mol)のペンタエリスリトール−(0.75EO/OH)−テトラソルベートおよび580.4g(1.356mol)の1,1,1−トリメチロールプロパン−(1EO/OH)−トリアクリレート(TMPEOTA)の混合物をNであらかじめパージしておいてから、撹拌しながらその水相に30分かけて投入し、油浴を用いて1.5時間の間に91〜93℃まで加熱し、少量のNを流しながら、その温度で18.5時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、冷却している間に、濁った2層に分離した。下層の有機層からダイアフラムポンプによる真空を用いて水を除去した。735.4gのクリアな樹脂が残り、これは理論量の92%であった。以下の測定値が得られた。
=3,050g/mol、M=9,400g/mol、残存TMPEOTA=29%、粘度=2.0Pa・s(25℃)。
合成例5(HBAPE−5)
アンカー型撹拌器、接点温度計、ガス注入管および還流冷却器付き3Lのフラットフランジ式反応容器に、1250mLのHOを入れ、それに0.8gのBHTを禁止剤として溶解させ、ダイアフラムポンプによる脱気とN注入を3回繰り返した。156.5g(0.25mol)のジ−トリメチロールプロパンテトラソルベートおよび429g(1.0mol)の1,1,1−トリメチロールプロパン−(1EO/OH)−トリアクリレート(TMPEOTA)の混合物をNであらかじめパージしておいてから、撹拌しながらその水相に30分かけて投入し、油浴を用いて1.5時間で95〜98℃まで加熱し、少量のNを流しながら、その温度で18時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、冷却している間に、濁った2層に分離した。下層の有機層からダイアフラムポンプによる真空を用いて水を除去した。493gのクリアな樹脂が残り、これは理論量の84%であった。以下の測定値が得られた。
=3,250g/mol、M=13,100g/mol、残存TMPEOTA=26%、粘度=8.6Pa・s(25℃)。
合成例6(HBAPE−6)
アンカー型撹拌器、接点温度計、ガス注入管および還流冷却器付き3Lのフラットフランジ式反応容器に、1600mLのHOを入れ、それに0.7gのフェノチアジンを禁止剤として溶解させ、ダイアフラムポンプによる脱気とN注入を3回繰り返した。240g(0.17mol)のジ−ペンタエリスリトール−(2EO/OH)−ヘキサソルベート(ジ−ペンタエリスリトール−(2EO/OH)(ポリオールDPP130(パーストープ(Perstorp)社ポリオール)とソルビン酸を直接エステル化して合成したもの)、および448g(1.05mol)の1,1,1−トリメチロールプロパン−(1EO/OH)−トリアクリレート(TMPEOTA)の混合物をNであらかじめパージしておいてから、撹拌しながらその水相に20分かけて投入し、油浴を用いて1.5時間以内に90〜92℃まで加熱し、少量のNを流しながら、その温度で15時間撹拌を続けた。撹拌を停止すると、冷却している間に、濁った2層に分離した。下層の有機層からダイアフラムポンプによる真空を用いて水を除去した。627gのクリアな樹脂が残り、これは理論量の91.1%であった。以下の測定値が得られた。
=7,000g/mol、M=75,200g/mol、残存TMPEOTA=27%、粘度=13.2Pa・s(25℃)。
(塗膜評価方法)
特に記さない限り、この実施例における活性線硬化性組成物は、液状の成分を混合することにより製造し、必要があれば短時間60〜70℃に加温した。組成物の粘度は、ICI式円板・円錐型粘度計(EITインスツルメンツ(EIT Instruments)製)を用い、25℃で測定した。混合物は、塗料アプリケーターを用いて、ガラス板(18×12×0.2cm)、アルミニウムフォイルまたはポリエステルフィルム上に、未乾燥塗膜の厚みが6.7、12または50μmになるように塗布し、UV照射システム(フュージョン・システムス(FUSION SYSTEMS)、米国、メリーランド州、ゲーサーズバーグ(Gaithersburg))により照射したが、この装置に用いられているのは、その主波長が350〜440nmである、無電極高周波出力Feドーピング水銀高圧電源を有するF−300ランプ水銀ランプ(D−バルブ)、および、LC−6型コンベアベルトで、そのベルトスピードは15〜75m/分の範囲で変更可能であるが、塗料の塗膜を硬化させてその表面をタックフリーにするには、大抵の場合、その1つまたは複数のスピードで充分であった。1回の照射パスの間に投射される320〜450nmの波長のUV線量(mJ/cm)を各種のベルトスピードについて、ユビキュア線量計(UVICURE Radiometer)(EIT社、米国、バージニア州、スターリング(Sterling))を用いて測定し、その測定値をベルトスピードに対してグラフ上にプロットして、このキャリブレーションカーブを用いて、塗料の表面をタックフリーにしたり、塗料塗膜を完全に硬化させたりするのに必要な最低のUV線量を決定した。投射線量は、1×16m/分の時でl90mJ/cm、1×25m/分の時で130mJ/cm、1×35m/分の時で90mJ/cm、1×50m/分の時で55mJ/cm、そして1×70m/分の時で40mJ/cmとなった。
架橋密度の定性的な指標としての耐溶媒性の試験は、照射した塗料塗膜をメチルエチルケトン(MEK)に浸した吸い取り紙でこすって調べた。MEK抵抗性(MEK−DS)は、75回以上往復(DS)させても塗膜の剥がれ、膨潤あるいは表面の摩耗が認められないものを、非常に良好とみなした。5回未満の往復でも抵抗性の無いものは、架橋が不充分とみなした。
架橋させた塗膜のタックフリー性は指紋法で試験した。親指で押しても表面に指紋が残らなければ、その表面はタックフリーになったものとみなした。
硬化させた塗膜の鉛筆硬度は、8B〜7Hの鉛筆のセット(フェーバーカステル(Faber−Castell)社製)を用いて調べた。
DIN53157に規定されているケーニッヒ振り子型硬度試験(Konig pendulum hardness)は、ガラス上に50μm以上の厚みの未乾燥塗膜からのものについて測定した。
架橋させた塗膜の接着性は、粘着フィルムテープ(TESA−4104(バエイエルスドルフ(Beiersdorf AG)社))を用いて試験したが、親指で押さえつけてから30分後に架橋させた塗膜から剥がした(30分接着性試験(30’ adhesive test))。硬化させた塗膜が基材の上に残れば、接着性は良好(+)とし、粘着テープと共に全体が基材から剥がれたら不良(−)とした。いくつかの場合では、JIS K5400に詳述されている碁盤目試験を実施したが、その方法は、ナイフの刃先を使って架橋させた塗膜上に、それぞれ長さ4cmの十字の線を角度45度で刻み、先に述べた粘着テープを親指でそれに押しつけてから、一時に剥がす。この場合、基材からの塗膜の剥がれを、0%、25%、50%および100%を尺度に用いて区別した。
活性線硬化による塗料塗膜の体積収縮率は、20℃(±0.1℃)での密度から、以下に式にしたがって計算した。
体積収縮率(%)=[δ20(架橋塗膜の比重)−δ20(塗料の比重)]×100/δ20 (架橋塗膜の比重)
液状塗料混合物の比重は、5mlゲイリュサック・ピクノメーターを用いて秤量し、小数点以下3桁まで正確に測定した。架橋させた塗膜の比重を測定するには、試験する塗料混合物の厚み50μmの未乾燥塗膜を、ガラス板の上で、1×16m/分のベルトスピードで完全にUV架橋させ、約2×1cmの寸法の塗料の細片をガラス板から取り出し、2から40質量%まで濃度のヨウ化カリウム(KI)を入れた一連の試験管に順に入れていくが、この溶液の比重δ20は、あらかじめピクノメーターを使用して塗料の場合と同程度の精度で測定してある。架橋させた塗膜がKI溶液と同じ比重になれば、浮く。必要に応じて、塗膜の密度に、2本の隣り合った溶液の中間値を与えることもあった。ある種の架橋させた多官能アクリレートで体積収縮率が公知のもので比較してみると、絶対誤差は±0.3〜0.5%であると推定された。
この実施例における%は、すべて質量%である。
実施例1
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−3とジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)とを、a)0:100、b)20:80、c)50:50、d)65:35およびe)80:20の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに3部のジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシドおよび2部の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンからなる光重合開始剤混合物(光重合開始剤混合物1)を5%混合した。これらの混合物を、ガラス板の上には50μmの未乾燥塗膜として、アルミニウムフォイルおよびPETフィルム上には厚み12μmの未乾燥塗膜として塗布し、前述のUVランプを使用し、ベルトスピード1×20m/分(線量150mJ/cmに相当)で架橋させた。架橋させた塗料の塗膜のb)〜e)は直ちに、タックフリーとなり、高光沢、透明で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表2に示す。
Figure 2005179511
実施例2
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−2と芳香族エポキシアクリレートEPAC−1(ライヒホールド(REICHHOLD GmbH)社製)とを、a)50:50、b)65:35およびc)80:20の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに実施例1で記述した光重合開始剤混合物1を5%ずつ混合した。UV架橋は、1×16m/分(=190mJ/cm)で実施した。全ての混合物の架橋させた塗膜は直ちに、タックフリーとなり、高光沢、透明で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表3に示す。
Figure 2005179511
実施例3
比較例として、DPGDA、EPAC−1および光重合開始剤を同じ重量比で含む塗料混合物を同一の条件下で架橋させた。ランプから取り出すと、架橋させた塗膜はすべて、タックが残り、表面がべたべたしていた。結果を表4に示す。
Figure 2005179511
実施例4
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−1とEPAC−1(ライヒホールド(REICHHOLD GmbH)社製)とを、a)50:50、b)65:35およびc)80:20の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを4%ずつ加えた。これらの混合物を、ガラス板の上には厚み50μmの未乾燥塗膜として、アルミニウムフォイルおよびPETフィルム上には厚み12μmの未乾燥塗膜として塗布し、ベルトスピード1×16m/分(線量190mJ/cmに相当)でUV架橋させた。架橋させた塗料の塗膜のa)〜c)は直ちに、タックフリーとなり、透明、高光沢で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表5に示す。
Figure 2005179511
実施例5
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−1とジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)とを、a)20:80、b)35:65、c)50:50、d)65:35およびe)80:20の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに光重合開始剤混合物1を5%ずつ混合した。これらの混合物を、ガラス板の上には厚み50μmの未乾燥塗膜として、アルミニウムフォイルおよびPETフィルム上には厚み12μmの未乾燥塗膜として塗布し、ベルトスピード1×16m/分(線量190mJ/cmに相当)でUV架橋させた。架橋させた塗料の塗膜のa)〜e)は直ちに、タックフリーとなり、高光沢、透明で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表6に示す。
Figure 2005179511
実施例6
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−1とヘキサンジオール−1,6−ジアクリレート(HDDA)とを、a)20:80、b)35:65、c)50:50、d)65:35およびe)80:20の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに光重合開始剤混合物1を5%ずつ混合した。これらの混合物を、ガラス板の上には厚み50μmの未乾燥塗膜として、アルミニウムフォイルおよびPETフィルム上には厚み12μmの未乾燥塗膜として塗布し、ベルトスピード1×16m/分(線量190mJ/cmに相当)でUV架橋させた。架橋させた混合物の塗膜のa)〜e)は直ちに、タックフリーとなり、高光沢、透明で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表7に示す。
Figure 2005179511
実施例7
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−4とジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)とを、a)0:100、b)20:80、c)50:50、d)65:35、e)80:20およびf)100:0の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに光重合開始剤混合物1を5%ずつ混合した。これらの混合物を、ガラス板の上には厚み50μmの未乾燥塗膜として、アルミニウムフォイルおよびPETフィルム上には厚み12μmの未乾燥塗膜として塗布し、次いでベルトスピード1×50m/分(線量55mJ/cmに相当)でUV架橋させた。架橋させた塗料の塗膜のc)〜f)は直ちに、タックフリーとなり、高光沢で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表8に示す。
Figure 2005179511
実施例8
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−5とジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)とを、a)30:70、b)40:60、c)50:50およびd)80:20の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに光重合開始剤混合物1を5%ずつ混合した。これらの混合物を、ガラス板の上には厚み50μmの未乾燥塗膜として、アルミニウムフォイルおよびPETフィルム上には厚み12μmの未乾燥塗膜として塗布し、ベルトスピード1×20m/分(線量150mJ/cmに相当)でUV架橋させた。架橋させた塗料の塗膜のa)〜d)は直ちに、タックフリーとなり、高光沢、透明で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表9に示す。
Figure 2005179511
実施例9
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−5とウレタンモノアクリレートのゲノマー(Genomer、商標)−1122(G−1122)(ラーン・ヘミー(RAHN−Chemie)、チューリッヒ)とをa)20:80、b)35:65、c)50:50およびd)65:35の重量比で含む塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに光重合開始剤混合物1を5%ずつ混合した。これらの塗料混合物をアルミニウムパネル(Q−パネル)とPETフィルムに6.7μmの厚みの未乾燥塗膜として塗布し、ベルトスピード1×25m/分(線量130mJ/cmに相当)でUV架橋させた。架橋させた塗料の塗膜のa)〜d)は直ちに、タックフリーとなり、高光沢、透明で、欠陥は認められなかった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表10に示す。
Figure 2005179511
実施例10
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−6と、希釈剤としてのa)DPGDA、b)HDDAまたはc)ゲノマー(Genomer、商標)1122(G−1122)とをそれぞれ57:43の重量比で含む塗料混合物を、それぞれ10gずつ調製し、それぞれに光重合開始剤混合物1を7%ずつ混合した。これらの塗料混合物をアルミニウムフォイルとPETフィルムに6.7μmの厚みの未乾燥塗膜として塗布し、ベルトスピード1×70m/分(線量40mJ/cmに相当)でUV架橋させた。塗料a)〜d)を架橋させたこれらの塗膜は、ランプから取り出すと直ちに、タックフリーとなり、高光沢、透明であった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表11に示す。
Figure 2005179511

実施例11
アルミニウムフォイルおよびPETフィルムを実施例10の塗料混合物でコーティングして厚み6.7μmの未乾燥塗膜とし、UVランプの下でベルトスピード1×50m/分(線量55mJ/cmに相当)で架橋させた。市販されているUV架橋性印刷インキの14HF29(クリアコート)および14HF53(白色インキ)(サン・ヨーロッパ(SUN Europe)社)(光重合開始剤配合済み)の厚み6.7μmの未乾燥塗膜をさらに、実施例10の塗料混合物a)からc)をUV架橋させた塗膜に塗布し、同じベルトスピードでUV架橋させた。比較のためにこの2種類の市販品だけを、両方の基材に同じ塗膜厚みになるように塗布し、同一の条件でUV架橋させた。実施した試験の結果を表12に示す。
Figure 2005179511
実施例12
高分岐ポリエステル樹脂HBAPE−4に、希釈剤としての、DPGDAをa)70:30およびb)80:20の重量比で、またはゲノマー(Genomer、商標)−1122(G−1122)をc)50:50およびd)65:35の重量比で、またはHDDAをe)65:35およびf)80:20の重量比で混合した塗料混合物をそれぞれ10gずつ調製し、それぞれに4%のビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(Irgacure、商標)−801(チバ(CIBA)社)を加熱下に溶解させた。これらの混合物をアルミニウムパネル(Q−パネル)とPETフィルムに6.7μmの厚みの未乾燥塗膜として塗布し、次いでベルトスピード1×50m/分(線量55mJ/cmに相当)でUV架橋させた。混合物a)〜f)を架橋させたこれらの塗膜は、ランプから取り出すと直ちに、タックフリーとなり、無色で高光沢であった。それらについて実施した塗膜試験の結果を表13に示す。
Figure 2005179511
実施例13
アルミニウムフォイルおよびPETフィルムを、高分岐ポリエステルHBAPE−4を70%、DPGDAを30%含み光重合開始剤混合物1を5%添加した塗料混合物の厚み6.7μmの未乾燥塗膜でコーティングし、それをUVランプの下でベルトスピード1×35m/分(線量90mJ/cmに相当)でUV架橋させた。架橋させた塗膜はすべて、直ちにタックフリーとなった。先にコーティングしたそれぞれの試料の上に、以下に記す塗料をトップコートとして、未乾燥塗膜の厚みが6.7μmになるように塗布し、同一のベルトスピードでUV架橋させた。
a)87%DPGDA+13%エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPEOTA)+5%光重合開始剤混合物1
b)市販のクリアコート14HF29(サン・ヨーロッパ(SUN Europe)社)(光重合開始剤含有)
c)市販の白色印刷インキ14HF28(サン・ヨーロッパ(SUN Europe)社)(光重合開始剤含有)
比較のために、塗料a)〜c)をプライマーとして6.7μmの厚みの未乾燥塗膜の形で両方の基材の上に直接塗布し、同一のベルトスピードでUV架橋させた。基材の上で直接架橋させた塗膜上と、プライマー/トップコートの組み合わせの上での塗膜試験の結果を表14に示す。コーティングしたアルミニウムフォイルとPETフィルムをさらに、塗膜のクラックまたは剥離が観察できるまで、曲げてみた。トップコートの塗膜だけを剥離させようと試みたが、両方の塗膜が剥離した。このことは、塗膜の界面での接着性が良好なことを示しており、これはトップコートのb)とc)のMEK抵抗性が、基材上で直接架橋させた場合に比較して、優れていることからも確認できた。アルミニウムフォイル上とPETフィルム上での架橋塗膜の性質における差は、PETフィルムが反射性でないことから来ている。
Figure 2005179511
(表中、TCとはトップコートの種類を示す。)

Claims (6)

  1. 不飽和基含有高分岐ポリエステルと光重合開始剤とを必須の成分とするラジカル重合性塗料用組成物であって、前記不飽和基含有高分岐ポリエステルが、多官能性ソルビン酸エステルと多官能性官能性アクリル酸エステルとを、前記多官能性ソルビン酸エステルの1分子あたりの官能基数をm、前記多官能性官能性アクリル酸エステルの1分子あたりの官能基数をnとし、尚かつ、官能基数の高い方の化合物のモル数をn、官能基数の低い方の化合物のモル数をnとし、更に、m及びnのうち官能基数の高い方をfとしたときに、
    (i) m及びnは、2〜6の自然数であり、mとnとの差が1以上であること、及び、
    (ii) 次式(1)を満たすこと、
    /n≧f−1 (1)
    以上の条件に従い、50〜150℃の温度条件下に前記ディールス・アルダー反応を行うことにより得られるものであることを特徴とするラジカル硬化性組成物。
  2. 前記光重合開始剤が、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒドロキシアルキルアセトフェノン類、アミノアルキルフェノン類およびアシルホスフィンオキシド類からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1記載のラジカル重合性組成物。
  3. 前記光重合開始剤を組成物中0.1〜10重量%の割合で含有する請求項1又は2記載のラジカル重合性組成物。
  4. 前記不飽和基含有高分岐ポリエステルの分子量が1,000〜50,000g/molである請求項1記載のラジカル重合性組成物。
  5. 多官能性官能性アクリル酸エステルを組成物中5〜30質量%の割合で含有する請求項1記載のラジカル重合性組成物。
  6. 粘度が0.1〜10Pa・sである請求項5記載のラジカル重合性組成物。
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