JP2018178115A - 多分岐ウレタン化合物含有重合性組成物 - Google Patents

多分岐ウレタン化合物含有重合性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性、ハンドリング性に優れ、また得られる硬化物が硬度、柔軟性、密着性に優れた硬化膜を得ることができる重合性組成物の提供。【解決手段】下記一般式(1)で表されるデンドリマー構造を有する重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、分子中に重合性不飽和基を1または2つ有する重合性化合物(B)とを含む重合性組成物。一般式(1)(式中、X1は下記に示す3価、4価または6価の有機残基であり、R1、R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状アルキレン基を示し、R3は水素原子またはメチル基を示し、mは、0、3、4、6の整数、nは、mが0の場合、3、4、6の整数であり、mが3、4、6の場合、n=2mの整数である。)【選択図】図1

Description

本発明は、成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合レジン、印刷インキ、印刷ニス、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、カラーフィルター用レジスト、ブラックマトリクス用レジスト、液晶用フォトスペーサー、リアプロジェクション用スクリーン材料、光ファイバー、プラズマディスプレー用リブ材、ドライフィルムレジスト、プリント基板用レジスト、ソルダーレジスト、半導体用フォトレジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト、エッチング用レジスト、マイクロレンズアレー、絶縁材、ホログラム材料、光学スイッチ、導波路用材料、オーバーコート剤、粉末コーティング、接着剤、粘着剤、離型剤、光記録媒体、粘接着剤、剥離コート剤、マイクロカプセルを用いた画像記録材料のための組成物、各種デバイスなどの分野において、良好な物性を持った重合物を得るための重合性組成物に関し、特に硬化性、保存安定性、低粘度、および硬度、柔軟性といった膜物性に優れた重合性組成物に関する。
近年、建材、家具、自動車の車体、ディスプレイ等に対し、対象物の表面を傷、衝撃、摩擦、荷重等から保護する目的で、オーバーコート用インキや塗料が広く用いられている。オーバーコート用インキまたは塗料は、地球環境または作業環境への配慮により、有機溶剤を含む樹脂溶液の使用が制限される中、対処法のひとつとして放射線硬化型化合物を用いた硬化性組成物の開発が進められてきた。
しかし、従来用いられてきた硬化性組成物は、オーバーコートとして求められる、摩擦によって傷を受けにくいような高硬度と、かつ、衝撃を受けて対象物が変形する場合においてもひび割れや剥離が生じないような柔軟性が求められていることに対して、これらの物性を発現させるために硬化性樹脂を添加しており、塗膜強度や柔軟性に優れる一方で、組成物の粘度が上昇することでハンドリング性が悪化し、また柔軟性に欠けるため硬化時にクラックが発生することがある。
このため、上記硬化性組成物の欠点が改良された低粘度かつ柔軟性に富んだ塗膜が得られる硬化性組成物がいくつか提案されている(特許文献1)が、用いられる用途によっては十分とは言えず、また基材密着性や耐擦傷性も十分でなく、更なる改良が求められている。
ところで、一般的にオリゴマーや高分子化合物は、モノマーが繰り返し直線的に繋がる構造を取るのに対し、中心にコアとなる分子を持ち、そこから側鎖が分岐して広がった分岐型高分子化合物が知られている。この中で、デンドリマーと呼ばれる分岐型化合物は化学構造が一義的であり、なおかつ、分子量が揃った構造を持っており(非特許文献1)、また、ハイパーブランチポリマーと呼ばれる分岐型化合物は、分岐構造を持つモノマーが繰り返し重合した構造を持つ(非特許文献2)。
これらの化合物は、コア部、インテリア部、表面部から成り、それぞれの部位に対し機能性構造を持たせることで様々な機能を発現させることができる。また表面官能基が多く存在する一方、一般的な直線型の高分子と比べ、側鎖が分岐して広がるデンドリマーあるいはハイパーブランチポリマーは、側鎖同士の絡み合いが起こりにくく、粘度が著しく低くなるといった特徴を持つ。これらの特徴を活用し、多分岐化合物は多種多様な分野へと応用展開されている。
ハイパーブランチポリマーは、分岐構造を持つモノマーが繰り返し重合した構造を持つため、比較的容易に製造可能といった利点を持つ。その反面、化学構造が一義的なデンドリマーに比べ、分子量分布が広く、均一な繰り返し単位構造を得難いといったデメリットを持つ。
一方デンドリマーは、置換反応や縮合反応によって合成されることが一般的だが、反応に伴う副生成物の存在や、反応収率が必ずしも定量的でないため、合成効率が低く、製造コストが非常に高くなるというデメリットを持つ。しかしながら、分岐した側鎖の結合回数に応じた世代数のデンドリマーは、ある程度の世代数を超えると、球状構造を取ることが知られており、ナノ材料として様々な分野での応用研究が成されている。
デンドリマーは、1分子のサイズが一定のナノサイズであることから、その内部あるいは表面に種々の官能基を導入することにより、光・電子材料としての機能発現が期待されている。球状構造を持つことにより、分子表面に置換基を導入した場合、その表面に官能基が濃縮されることにより反応性が大幅に向上し、また側鎖同士の絡み合いが抑制されることで粘度上昇を大幅に抑えることが可能となる。
これらの特性を利用し、デンドリマーの表面にアクリレート基を持つ硬化性多分岐ウレタン化合物が提案されている(特許文献2)が、ウレタン結合に起因する水素結合による粘度上昇が生じてしまい、ハンドリング性の悪化に繋がり、インキ、塗料等への展開においてはまだまだ向上の余地が残る。
国際公開第2008/047620号 特開2009−1527号公報
A.W.Bosman, H.M.Janseen and E.W.Weijer,Chem.Rev.,99,1665(1999). A.Hult,M.Johansson and E.Malstroem,Advances in Polymer Science,143,1(1999).
本発明の目的は、硬化性、ハンドリング性に優れ、また得られる硬化物が硬度、柔軟性、密着性に優れた硬化膜を得ることができる重合性組成物を提供することである。
本発明者らは、上記諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるデンドリマー構造を有する重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、分子中に重合性不飽和基を1または2つ有する重合性化合物(B)とを含むことを特徴とする重合性組成物に関する。
一般式(1)
(式中、X1は下記に示す3価、4価または6価の有機残基であり、
1、R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状アルキレン基を示し、
3は水素原子またはメチル基を示し、
mは、0、3、4、6の整数、nは、mが0の場合、3、4、6の整数であり、mが3、4、6の場合、n=2mの整数である。)
(上記に示す3価、4価、または6価の有機残基における*は、一般式(1)と結合するサイトである。)
また、本発明は、組成物中の重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、重合性化合物(B)との質量比(A):(B)が5:95〜85:15であることを特徴とする重合性組成物に関する。
また、本発明は、さらに、重合開始剤(C)を含む上記の重合性組成物に関する。
さらに、本発明は、上記重合性組成物を含むインキに関する。
さらに、本発明は、上記重合性組成物を含む塗料に関する。
ざらに、本発明は、上記重合性組成物の硬化物に関する。
本発明により、硬化性、ハンドリング性に優れ、また得られる硬化物が硬度、柔軟性、密着性に優れた硬化膜を得ることができる重合性組成物を提供することが出来た。
図1は化合物(3)の1H−NMRスペクトルである。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
以下、アクリロイル基とメタクリロイル基を併せて「(メタ)アクリル基」と表記する。
<重合性多分岐ウレタン化合物(A)>
本発明の重合性組成物に用いる重合性多分岐ウレタン化合物(A)について説明する。
重合性多分岐ウレタン化合物(A)は、下記一般式(1)で表される多官能重合性化合物である。
一般式(1)
(式中、X1は下記に示す3価、4価または6価の有機残基であり、
1、R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状アルキレン基を示し、
3は水素原子またはメチル基を示し、
mは、0、3、4、6の整数、nは、mが0の場合、3、4、6の整数であり、mが3、4、6の場合、n=2mの整数である。)
(上記に示す3価、4価、または6価の有機残基における*は、一般式(1)と結合するサイトである。)
一般式(1)におけるXは、好ましくは下記に示す4価の有機残基である。
ここで、R1、R2、R4およびR5のアルキレン基としては、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状または分岐鎖状アルキレン基が挙げられ、具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではないが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基が挙げられ、より好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、イソプロピレン基が挙げられる。
一般式(1)におけるmは、0、3、4、6の整数、nは、mが0の場合、3、4、6の整数であり、mが3、4、6の場合、n=2mの整数であり、好ましくはmが0、nが4、またはmが4、nが8である。
[重合性多分岐ウレタン化合物の製造方法]
重合性多分岐ウレタン化合物(A)は、分子中に3、4または6個のアクリロイル基を有する多官能アクリレートモノマー(a)と、炭素数1〜12のアルキレン基を有する2級のアルカノールアミン(b)とをマイケル付加反応させてなるコア化合物に、活性水素と反応可能なイソシアネート基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(c)とを反応して製造される。
(多官能アクリレートモノマー(a))
多官能アクリレートモノマー(a)としては、例えば、以下のような構造を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(アルカノールアミン(b))
アルカノールアミン(b)としては、例えば、以下のような構造を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(イソシアネート基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(c))
イソシアネート基を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(c)としては、例えば、以下のような構造を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<重合性化合物(B)>
本発明で用いられる重合性化合物(B)とは、分子中に重合性不飽和基を1または2つ有する重合性化合物である。これらはいずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマーの化学形態を持つものである。
このような重合性化合物(B)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エステル、酸アミドや酸無水物が挙げられ、さらには、ウレタンアクリレート、アクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン等のアクリレート類、メタクリレート類、アリレート類、酸アミド類、スチレン類、他のビニル化合物類、ビニルシクロプロパン類やビニルオキシラン類の三員環化合物類、及び環状ケテンアセタール類等の重合性環状化合物類、などがあげられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に、本発明における重合性化合物(B)の具体例を挙げる。
重合性化合物(B)のうち、アクリレート類としては、以下に示す様な化合物が例示できる。
単官能アルキルアクリレート類の例:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能含ヒドロキシアクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート。
単官能含ハロゲンアクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。なお、EOとは、ポリオキシエチレン鎖を意味する。
単官能含エーテル基アクリレート類の例:
2−メトキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
単官能含カルボキシルアクリレート類の例:
β−カルボキシエチルアクリレート、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能アクリレート類の例:
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン。
二官能アクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン。なお、POとは、ポリオキシプロピレン鎖を意味する。
ビニルエーテル基含有アクリル酸エステル類の例:
アクリル酸−2−ビニロキシエチル、アクリル酸−3−ビニロキシプロピル、アクリル酸−1−メチル−2−ビニロキシエチル、アクリル酸−2−ビニロキシプロピル、アクリル酸−4−ビニロキシブチル、アクリル酸−1−メチル−3−ビニロキシプロピル、アクリル酸−1−ビニロキシメチルプロピル、アクリル酸−2−メチル−3−ビニロキシプロピル、アクリル酸−3−メチル−3−ビニロキシプロピル、アクリル酸−1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、アクリル酸−3−ビニロキシブチル、アクリル酸−1−メチル−2−ビニロキシプロピル、アクリル酸−2−ビニロキシブチル、アクリル酸−4−ビニロキシシクロヘキシル、アクリル酸−5−ビニロキシペンチル、アクリル酸−6−ビニロキシヘキシル、アクリル酸−4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、アクリル酸−3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、アクリル酸−2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、アクリル酸−p−ビニロキシメチルフェニルメチル、アクリル酸−m−ビニロキシメチルフェニルメチル、アクリル酸−o−ビニロキシメチルフェニルメチル、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、アクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル。
重合性化合物(B)のうち、メタクリレート類としては、以下に示す様な化合物が例示できる。
単官能アルキルメタクリレート類の例:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能含ヒドロキシメタクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート。
単官能含ハロゲンメタクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
単官能含エーテル基メタクリレート類の例:
2−メトキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
単官能含カルボキシルメタクリレート類の例:
β−カルボキシエチルメタクリレート、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能メタクリレート類の例:
ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等。
二官能メタクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン。
ビニルエーテル基含有メタクリル酸エステル類の例:
メタクリル酸−2−ビニロキシエチル、メタクリル酸−3−ビニロキシプロピル、メタクリル酸−1−メチル−2−ビニロキシエチル、メタクリル酸−2−ビニロキシプロピル、メタクリル酸−4−ビニロキシブチル、メタクリル酸−1−メチル−3−ビニロキシプロピル、メタクリル酸−1−ビニロキシメチルプロピル、メタクリル酸−2−メチル−3−ビニロキシプロピル、メタクリル酸−3−メチル−3−ビニロキシプロピル、メタクリル酸−1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、メタクリル酸−3−ビニロキシブチル、メタクリル酸−1−メチル−2−ビニロキシプロピル、メタクリル酸−2−ビニロキシブチル、メタクリル酸−4−ビニロキシシクロヘキシル、メタアリル酸−5−ビニロキシペンチル、メタクリル酸−6−ビニロキシヘキシル、メタクリル酸−4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−p−ビニロキシメチルフェニルメチル、メタクリル酸−m−ビニロキシメチルフェニルメチル、メタクリル酸−o−ビニロキシメチルフェニルメチル、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、メタクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、メタクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、メタクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、メタクリル酸−2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル。
重合性化合物(B)のうち、アリレートとしては、以下に示す様な化合物が例示できる。
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート。
ラジカル重合性化合物のうち、酸アミド類としては、以下に示す様な化合物が例示できる。
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
重合性化合物(B)のうち、他のビニル化合物類としては、以下に示す様な化合物が例示できる。
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等。
重合性化合物(B)のうち、重合性環状化合物類としては、以下に示す様な化合物が例示できる。
三員環化合物類としては、例えば、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第17巻、3169頁(1979年)記載のビニルシクロプロパン類、マクロモレキュラー・ケミー・ラピッド・コミュニケーション(Makromol.Chem.Rapid Commun.)、第5巻、63頁(1984年)記載の1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第23巻、1931頁(1985年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、4331頁(1983年)記載の2−フェニル−3−ビニルオキシラン類、日本化学会第50春期年会講演予稿集、1564頁(1985年)記載の2,3−ジビニルオキシラン類。
環状ケテンアセタール類としては、例えば、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第20巻、3021頁(1982年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、373頁(1983年)記載の2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、152頁(1985年)記載のジオキソラン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第20巻、361頁(1982年)、マクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第183巻、1913頁(1982年)およびマクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第186巻、1543頁(1985年)記載の2−メチレン−4−フェニル−1,3−ジオキセパン、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、第15巻、1711頁(1982年)記載の4,7−ジメチル−2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.Preprints)、第34巻、154頁(1985年)記載の5,6−ベンゾ−2−メチレン−1,3−ジオセパン。
また本発明の重合性組成物には、必要に応じて、分子中に重合性不飽和基を3つ以上有する重合性化合物(b)を使用することができる。これらはいずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマーの化学形態を持つものである。
このような重合性化合物(b)の例としては、分子中に重合性不飽和基を3つ以上有するウレタンアクリレート、アクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン等のアクリレート類、メタクリレート類、アリレート類、酸アミド類、スチレン類、他のビニル化合物類、ビニルシクロプロパン類やビニルオキシラン類の三員環化合物類、及び環状ケテンアセタール類等の重合性環状化合物類、オリゴマー類、プレポリマー類、などがあげられる(但し、重合性多分岐ウレタン化合物(A)を除く)。以下に、重合性化合物(b)の具体例を挙げる。
三官能アクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のアクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
三官能メタクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のメタクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
上記の重合性化合物(B)および重合性化合物(b)は、以下に示すメーカーの市販品として、容易に入手することができる。例えば、共栄社油脂化学工業(株)社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」および「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学(株)社製の「NKエステル」および「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業(株)社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学(株)社製の「アロニックスM」シリーズ、大八化学工業(株)社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業(株)社製の「特殊アクリルモノマー」シリーズ、三菱レイヨン(株)社製の「アクリエステル」および「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬(株)社製の「カヤラッド」および「カヤマー」シリーズ、(株)日本触媒社製の「アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」シリーズ、日本合成化学工業(株)社製の「NICHIGO−UV紫光ウレタンアクリレートオリゴマー」シリーズ、信越酢酸ビニル(株)社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、(株)興人社製の「機能性モノマー」シリーズ等が挙げられる。
さらに、重合性化合物(B)および重合性化合物(b)は、以下に示す文献に記載のものも挙げることができる。例えば、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、遠藤剛編、「熱硬化性高分子の精密化」、(1986年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、(2002年、シーエムシー)が挙げられる。
本発明に用いられる重合性化合物(B)は、ただ一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いても構わない。
本発明に用いられる重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、重合性化合物(B)との混合割合は、必要に応じて任意に変更することが可能であるが、本発明中の重合性組成物中の重合可能な化合物の固形分に対し、重合性多分岐ウレタン化合物(A)の含有率は、5〜85%が好ましい。ただし、重合可能な化合物とは、重合性ウレタン化合物(A)と重合性化合物(B)とを合わせたもの(重合開始剤(C)およびその他の非重合性成分を除く)である。5%以上であれば、本発明の重合性組成物の硬化性と、硬化物の硬度が向上し、また、85%以下である場合、重合性組成物のハンドリング性と、硬化物の柔軟性および密着性が向上する。
また、本発明の重合性組成物は、重合性化合物(B)以外の重合性化合物(b)を用いなくとも十分な硬化性、および、硬化物の硬度と柔軟性の両立を達成可能だが、さらなる硬化性の向上や、硬化膜の膜特性の向上のため、重合性化合物(B)以外の重合性化合物(b)を用いることができる。重合性化合物(b)は、ただ一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いても構わない。
さらに、本発明に用いられる重合性化合物(b)は、任意の比率で二種以上用いても構わない。重合性化合物(b)は、重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、重合性化合物(B)とを足し合わせた組成物に対し、重合性化合物(b)の含有率が0〜20%であることが好ましい。20%以下であれば、本発明の重合性組成物の硬化性を向上させることができ、なおかつ、硬化後の膜物性の硬度および柔軟性を両立させることが可能である。
また本発明の重合性組成物には、必要に応じて、分子中に重合性不飽和基を有するオリゴマー類またはプレポリマー類を使用することができる。これらはいずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマーの化学形態を持つものである。
オリゴマー類、プレポリマー類の例:
Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101。
本発明に用いられるオリゴマー類またはプレポリマー類は、ただ一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いても構わず、また重合性化合物(b)と任意の組合せで用いても構わない。オリゴマー類またはプレポリマー類は、重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、重合性化合物(B)とを足し合わせた組成物に対し、オリゴマー類またはプレポリマー類の含有率が0〜20%であることが好ましい。20%以下であれば、本発明の重合性組成物の硬化性を向上させることができ、なおかつ、組成物の良好なハンドリング性を維持することができる。
<重合開始剤(C)>
本発明における重合開始剤(C)について説明する。本発明における重合性組成物は、熱、または紫外線、可視光線、近赤外線等、電子線等の活性エネルギー線によるエネルギーの付与により重合し、目的とする化合物を得ることが可能である。この際用いられる重合開始剤としては、特に限定されるものではないが、好ましくはラジカル重合開始剤である。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤とは、紫外線等の活性エネルギー線照射により、活性種であるラジカルを発生する化合物であり、発生したラジカルは、重合性多分岐ウレタン化合物(A)および/または重合性化合物(B)に対して、速やかにラジカル重合反応を開始させ、硬化することができる。
ラジカル重合開始剤としては、従来公知の重合開始剤を用いることが可能である。具体的には、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン類;
(1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(0−ベンゾイルオキシム)])、(1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(0−アセチルオキシム))等のオキシムエステル等;
その他フェニルグリオキシリックメチルエステル等が挙げられる。
より具体的には、イルガキュア(登録商標)651(ベンジルジメチルケタール)、イルガキュア(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−ケトン)、イルガキュア(登録商標)127(2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)、イルガキュア(登録商標)369E(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン)、イルガキュア(登録商標)379EG(2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン)、イルガキュア(登録商標)TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド)、イルガキュア(登録商標)819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)、イルガキュア(登録商標)MBF、イルガキュア(登録商標)754、イルガキュア(登録商標)OXE01(1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(0−ベンゾイルオキシム)])、イルガキュア(登録商標)OXE02(1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(0−アセチルオキシム))、イルガキュア(登録商標)500(BASF社製)、アデカオプトマーN1414(3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−N−オクチルカルバゾール)、アデカオプトマーN1717(N,N’−オクタメチレンビスアクリジン)(ADEKA社製)、Esacure1001M(1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン)(Lamberti社製)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(MACROMOLECULES)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(COORDINATION CHEMISTRY REVIEW)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開昭54−99185号公報、特開昭63−264560号公報ならびに特開平10−29977記載のアミノケトン化合物、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166、特開2008−094770、特開2009−40762、特開2010−15025、特開2010−189279、特開2010−189280公報、特表2010−526846、特表2010−527338、特表2010−527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61−24558号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アミノケトンに代表されるアセトフェノン類、ホスフィン類、オキシムエステル化合物が好ましく用いられる。
これらは単独または複数の組み合わせで使用することが可能であり、硬化物に求める特性に応じて、任意に混合使用が可能であり、これらの重合開始剤(C)を用いる場合の使用量は、重合性多分岐ウレタン化合物(A)と併用可能な重合性化合物(B)の総量100質量部に対して0.01から200質量部の範囲で含有され、0.1〜100質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量が0.01質量部以上であれば、活性エネルギー線照射により発生する活性種であるラジカルの量が十分となり、所望の硬化速度を得ることが出来る。また、ラジカル重合開始剤の使用量が200質量部以下の場合は、重合組成物中の低分子成分量は重合反応後の硬化物の特性を阻害する量には達しないため、硬化物の特性は十分に発揮される。
また本発明の重合性組成物には、樹脂を使用することができる。ここで樹脂とは、分子中にラジカル重合可能な骨格を有しない樹脂を意味する。また、これらは、いずれも常温、常圧で液体ないし固体の化学形態を持つものである。
分子中にラジカル重合可能な骨格を有しない樹脂としては、例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂(ポリアクリル酸エステル樹脂とポリメタクリル酸エステル樹脂を合わせてポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂と称す。以下同様。)、ポリエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体樹脂(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ブタジエンーアクリルニトリル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリホルムアルデヒド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルエステル樹脂、ポリビニルアミド樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、赤松清監修「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」、657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。
さらに本発明の重合性組成物は、いわゆるアルカリ現像型のフォトレジスト材料として画像形成用に用いる等の目的のために、上記のポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂のうち、下記に示すカルボキシル基含有樹脂を添加して用いても良い。カルボキシル基含有樹脂はアルカリ水溶液に対する溶解性を有するため、本発明の重合性組成物を用いて作成した膜を部分的に硬化すれば、アルカリ水溶液に対する溶解度の違いから、いわゆるネガ型レジストのパターンを形成することが可能である。ここでカルボキシル基含有樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとの共重合体樹脂が挙げられる。これらの共重合体樹脂は単独であるいは2種以上混合しても差し支えない。
ここで、(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18の(メタ)アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の水酸基含有アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の窒素含有(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルホリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル等のその他(メタ)アクリル酸エステル類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとしては、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、テトラヒドリフルフリルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、アクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
本発明の重合性組成物は、成膜性を高めるため、上記のラジカル重合可能な骨格を有しない樹脂と混合し、ガラス板やアルミニウム板、その他の金属板、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン等のポリマーフィルムに塗布して使用することが可能である。
また、本発明の重合性組成物は増感剤を用いなくとも十分な感度を有しているが、さらなる感度向上や、硬化後の膜特性を向上させる目的で、増感剤を併用することが可能である。
本発明の重合性組成物と混合して併用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン誘導体類、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体類、ベンゾイン誘導体類、フルオレン誘導体類、ナフトキノン誘導体類、アントラキノン誘導体類、キサンテン誘導体類、チオキサンテン誘導体類、キサントン誘導体類、チオキサントン誘導体類、クマリン誘導体類、ケトクマリン誘導体類、シアニン誘導体類、メロシアニン誘導体類、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素類、アクリジン誘導体類、アジン誘導体類、チアジン誘導体類、オキサジン誘導体類、インドリン誘導体類、アズレン誘導体類、アズレニウム誘導体類、スクアリリウム誘導体類、ポルフィリン誘導体類、テトラフェニルポルフィリン誘導体類、トリアリールメタン誘導体類、テトラベンゾポルフィリン誘導体類、テトラピラジノポルフィラジン誘導体類、フタロシアニン誘導体類、テトラアザポルフィラジン誘導体類、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体類、ナフタロシアニン誘導体類、サブフタロシアニン誘導体類、ピリリウム誘導体類、チオピリリウム誘導体類、テトラフィリン誘導体類、アヌレン誘導体類、スピロピラン誘導体類、スピロオキサジン誘導体類、チオスピロピラン誘導体類、金属アレーン錯体類、有機ルテニウム錯体類などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。
上記、増感剤の中でチオキサントン誘導体類としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、クマリン類としては、クマリン1、クマリン338、クマリン102等を挙げることができ、ケトクマリン類としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる増感剤の使用量は、重合開始剤(C)100質量部に対して、0.01〜100質量部の範囲が好ましく、さらに0.1〜50質量部の範囲がより好ましい。
本発明の重合性組成物は、粘度調整をはじめとする塗工適性の向上等を目的として、必要に応じて溶媒を添加して使用することも可能である。本発明の重合性組成物に添加して使用することのできる溶媒は特に限定されず、本発明の重合性組成物と均一に混合することのできる溶媒であればいかなるものも使用可能である。例えば、アルコール系、ケトン系、エステル系、芳香族系、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系などの公知の溶媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の重合性組成物は保存時の重合を防止する目的で重合防止剤(重合禁止剤)を添加することが可能である。
本発明の重合性組成物に添加可能な重合防止剤の具体例としては、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、クペロン等を挙げることができ、これらの重合防止剤は、重合性開始剤(C)100質量部に対して0.001から5質量部の範囲で添加されるのが好ましい。
また、本発明の重合性組成物はさらに重合を促進する目的で、アミンやチオール、ジスルフィドなどに代表される重合促進剤や連鎖移動剤を添加することが可能である。
本発明の重合性組成物に添加可能な重合促進剤や連鎖移動剤の具体例としては、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノアセトフェノン、N−フェニルグリシン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、オクチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、シクロへキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルジメチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、フェニルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、アニリンアクリル酸 2−(ジメチルアミノ)エチル等のアミン類、USP第4414312号明細書や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−291561号公報記載のジスルフィド類、USP第3558322号明細書や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類が挙げられる。
本発明の重合性組成物には、基材への密着性を向上させる目的で、表面調整剤を加えることができる。表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、370、375、377、350、352、354、355、356、358N、361N、357、390、392、UV3500、UV3510、UV3570」テゴケミー社製「Tegorad−2100,2200、2250、2500、2700」等が挙げられる。これら表面調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
本発明における併用してもよい表面調整剤は、重合性組成物中に0〜5.0質量%の範囲で用いられる。
本発明の重合性組成物はさらに目的に応じて、染料、有機および無機顔料、顔料分散剤、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、着色剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、色素前駆体、紫外線吸収剤、発砲剤、防カビ剤、帯電防止剤、磁性体、樹脂型分散剤等の分散剤シランカップリング剤や4級アンモニウムクロライド等の貯蔵安定剤、可塑剤、表面張力調整剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、赤外吸収剤、界面活性剤、チキソトロピー剤、抗菌剤、シリカ等の微粒子やその他種々の特性を付与する添加剤、希釈溶剤等と混合して使用しても良い。
本発明の重合性組成物は重合反応に際して、熱、または紫外線、可視光線、近赤外線等、電子線等の活性エネルギー線によるエネルギーの付与により重合し、目的とする重合物を得ることが可能であるが、エネルギーの付与をする光源として、250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源による活性エネルギー線の照射が好ましい。250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源の例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ、重水素ランプ、蛍光灯、Nd−YAG3倍波レーザー、He−Cdレーザー、窒素レーザー、Xe−Clエキシマレーザー、Xe−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザー、365nm、375nm、385nmに発光波長を有するLEDランプ光源などの各種光源が挙げられる。なお本明細書でいう、紫外線や可視光、近赤外線等の活性エネルギー線の定義は久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)によった。
故に、本発明の重合性組成物は、様々な基材上に印字や塗布することが可能であり、各種インキ、インクジェットインキ、オーバーコートニス、各種刷版材料、フォトレジスト、電子写真、ダイレクト刷版材料、光ファイバー、ホログラム材料等の感光材料やマイクロカプセル等の各種記録媒体、さらには接着剤、粘着剤、粘接着剤、剥離コート剤、封止剤および各種塗料に応用することが可能である。
本発明の重合性組成物を印字や塗布する基材は、ガラス、プラスチック、金属および紙からなる群から適宜選択することができる。さらに、複数の基材から構成される複合基材も選択することができる。これらの基材は、板、フィルム、紙のように平坦な形状のものでもよいし、立体的な形状のものでもよい。プラスチック製のフィルムとしては、透明であるものが好ましい。
プラスチックの基材としては、たとえば、ポリエステル系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー等の透明ポリマーが挙げられる。
ポリエステル系ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。セルロース系ポリマーとしては、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。ポリアクリル系ポリマーとしては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
プラスチックの基材として、ポリスチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、およびポリアミド系ポリマー等の透明ポリマーも挙げられる。
ポリスチレン系ポリマーとしては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体ポリマー等が挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィンポリマー、エチレン・プロピレン共重合体ポリマー等が挙げられる。ポリアミド系ポリマーとしては、ナイロンや芳香族ポリアミドポリマー等が挙げられる。
さらに、ポリイミド系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニルスルフィド系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、ポリビニルブチラール系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、およびポリエポキシ系ポリマー、ならびに前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマー等も挙げられる。特に複屈折率の少ないものが好適に用いられる。
以下、実施例において本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。なお、下記の実施例における表中の配合量の数字は質量部を表す。
<重合性多分岐ウレタン化合物(A)(化合物(1)〜(11))の製造方法>
(合成例1)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、トリメチロールプロパントリアクリレート8.0部、ジエタノールアミン8.5部、テトラヒドロフラン(THF)60部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(9)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として16部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(9)で表される前駆体化合物15部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.8部、THF50部を仕込み室温で撹拌した。ここに、イソシアナトメチルアクリレート16部、THF50部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(10)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色高粘度液体の化合物(1)として28部得た。
(合成例2)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート5.0部、ジエタノールアミン6.0部、テトラヒドロフラン(THF)60部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(11)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として9.6部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(11)で表される前駆体化合物8.0部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.8部、THF30部を仕込み室温で撹拌した。ここに、2−イソシアナトエチルアクリレート12部、THF30部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(12)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色高粘度液体の化合物(2)として18部得た。
(合成例3)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、合成例(2)で得た化学式(12)で表されるアクリレートデンドリマー7.0部、ジエタノールアミン3.1部、THF50部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(13)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として11部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(13)で表される前駆体化合物9.0部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.0部、THF20部を仕込み室温で撹拌した。ここに、2−イソシアナトエチルアクリレート7.0部、THF20部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(14)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色ペースト状の化合物(3)として15部得た。化合物(3)の1H−NMRのチャートを図1に示す。
(合成例4)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート7.0部、ジオクタノールアミン26部、テトラヒドロフラン(THF)50部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(15)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として32部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(15)で表される前駆体化合物30部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.8部、THF50部を仕込み室温で撹拌した。ここに、8−イソシアナトオクチルアクリレート36部、THF50部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(16)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色高粘度液体の化合物(4)として55部得た。
(合成例5)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、合成例(4)で得た化学式(16)で表されるアクリレートデンドリマー10部、ジブタノールアミン4.7部、THF75部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(17)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として12部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(17)で表される前駆体化合物13部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)0.5部、THF20部を仕込み室温で撹拌した。ここに、4−イソシアナトブチルメタクリレート10部、THF20部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(18)で表されるメタクリレートデンドリマーを濃褐色ペースト状の化合物(5)として19部得た。
(合成例6)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラアクリレート7.0部、ジドデカノールアミン35部、テトラヒドロフラン(THF)50部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(19)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として39部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(19)で表される前駆体化合物38部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.8部、THF50部を仕込み室温で撹拌した。ここに、12−イソシアナトドデシルアクリレート44部と、THF50部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(20)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色高粘度液体の化合物(6)として72部得た。
(合成例7)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、合成例(6)で得た化学式(20)で表されるアクリレートデンドリマー10部、ジイソプロパノールアミン2.4部、THF75部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(21)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として11部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(21)で表される前駆体化合物11部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)0.5部、THF20部を仕込み室温で撹拌した。ここに、3−イソシアナト−2−メチル−プロピルアクリレート5.0部、THF20部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(22)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色ペースト状の化合物(7)として13部得た。
(合成例8)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート7.0部、ジメタノールアミン5.0部、テトラヒドロフラン(THF)50部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(23)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として11部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(23)で表される前駆体化合物10部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.3部、THF40部を仕込み室温で撹拌した。ここに、3−イソシアナトプロピルアクリレート17部と、THF40部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(24)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色高粘度液体の化合物(8)として25部得た。
(合成例9)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、合成例(8)で得た化学式(24)で表されるアクリレートデンドリマー10部、ジメタノールアミン3.0部、THF70部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(25)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として10部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(25)で表される前駆体化合物10部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.0部、THF20部を仕込み室温で撹拌した。ここに、3−イソシアナトプロピルアクリレート9.0部、THF20部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(26)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色ペースト状の化合物(9)として18部得た。
(合成例10)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5.0部、ジエタノールアミン5.0部、テトラヒドロフラン(THF)40部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(27)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として9.1部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(27)で表される前駆体化合物9.0部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.0部、THF30部を仕込み室温で撹拌した。ここに、2−イソシアナトエチルアクリレート13部と、THF30部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(28)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色高粘度液体の化合物(10)として20部得た。
(合成例11)
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、合成例(10)で得た化学式(28)で表されるアクリレートデンドリマー10部、ジエタノールアミン4.0部、THF70部を仕込み、室温で4時間撹拌してから1時間還流し、1H−NMRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(29)で表される前駆体化合物を無色透明粘性液体として13部得た。
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、化学式(29)で表される前駆体化合物11部、ジ− n − ブチルチンジラウリレート0.1部、クペロン(重合禁止剤)1.0部、THF20部を仕込み室温で撹拌した。ここに、2−イソシアナトエチルアクリレート9部、THF20部を混合したものを2時間かけて滴下し、5時間還流し、FT−IRで反応が完結していることを確認した。エバポレーターで溶媒を留去し、下記化学式(30)で表されるアクリレートデンドリマーを濃褐色ペースト状の化合物(11)として17部得た。
(実施例1)
重合性多分岐ウレタン化合物(A)として化合物(1)と、重合性化合物(B)とを、表1記載の配合で混合し、さらに重合開始剤(C)としてイルガキュア(登録商標)TPO(BASF社製 光重合開始剤)5質量部とを配合して、重合性組成物を得た。得られた重合性組成物を用いて、以下の方法で硬化性試験、ハンドリング性評価、および、硬化物の硬度試験、柔軟性試験、密着性試験を実施した。結果を表1に示す。
(実施例2〜28)
重合性多分岐ウレタン化合物(A)として表1記載の化合物と、また、重合性化合物(B)として表1記載の化合物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で重合性組成物を得た。得られた重合性組成物を用いて、硬化性試験、ハンドリング性評価、および、硬化物の硬度試験、柔軟性試験、密着性試験を実施した。結果を表1に示す。
(比較例1〜8)
重合性多分岐ウレタン化合物(A)の代わりに、表1記載の多分岐アクリレート化合物と、重合性化合物(B)とを、表1記載の配合で混合し、さらに重合開始剤(C)としてイルガキュア(登録商標)TPO(BASF社製 光重合開始剤)5質量部とを配合して、重合性組成物を得た。得られた重合性組成物を用いて、以下の方法で硬化性試験、ハンドリング性評価、および、硬化物の硬度試験、柔軟性試験、密着性試験を実施した。結果を表1に示す。
<硬化性試験>
調製した重合性組成物を、KコントロールコーターのNo.2バーを用いて、ウェット膜厚が12μmとなるようにPETフィルム上に塗工した後、塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード50m/分で活性化エネルギー線として紫外線照射を実施して硬化物を得た。照射後の硬化物の表面を綿布で擦って、皮膜に傷がつかなくなるまで照射を繰り返し、硬化性の判定を実施した。
判定方法
◎:照射回数1回(良好)
○:照射回数2〜3回(使用可)
△:照射回数4回(使用不可)
×:照射回数5回以上(不良)
<粘度試験(ハンドリング性評価)>
E型粘度計(TVE‐25L、東機産業社製、コーンロータ)を用いて測定を行った。測定条件は、25℃の循環チラー環境にて、適宜測定に適する回転数に合わせた後、3分後の測定値を粘度として用いた。本発明の重合性組成物は、25℃での粘度が5〜100mPa・sであればハンドリング性が良いと言える。
判定方法
◎50mPa・s以下(良好)
○50Pa・s超過 100mPa・s以下(使用可)
×:100mPa・s超過(不良)
<硬度試験>
硬化性試験で得られた硬化物に対して、JIS K5600−5−4に準拠し、鉛筆硬度試験機(HEIDON社製Scratching Tester HEIDON−14)を用い、鉛筆の芯の硬さを種々変えて、荷重750g(7.35N)にて5回試験をした。5回中、1回も傷がつかない、もしくは1回のみ傷がつく時の芯の硬さを、その硬化物の鉛筆硬度とした。実用的な要求物性を考慮して、以下を判定基準とした。
判定方法
○:2H以上(良好)
×:2H未満(不良)
<柔軟性試験>
調製した重合性組成物を、KコントロールコーターのNo.2バーを用いて、ウェット膜厚が12μmとなるようにPETフィルム上に塗工した後、塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード50m/分で活性化エネルギー線として紫外線照射を実施した。照射後の反応硬化物の硬化物面とは反対方向に180度折り曲げた後、90度まで戻したときの硬化物面の割れの有無を、柔軟性の指標とした。
判定方法
○:割れなし(良好)
×:割れあり(不良)
<密着性試験>
調製した重合性組成物を、KコントロールコーターのNo.2バーを用いて、ウェット膜厚が12μmとなるようにPETフィルム上に塗工した後、塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯100W/cm1灯)を用いて、コンベアスピード50m/分で活性化エネルギー線として紫外線照射を実施した。照射後の反応硬化物の硬化物面にセロハン粘着テープを貼り、90度の角度をつけ強制剥離したときの剥離の程度で評価した。
判定方法
○:剥離なし(良好)
×:一部・全て剥離(不良)
<重合性化合物(B)>
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート(ダイセル・オルネクス社製)
VEEA:アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル (日本触媒社製)
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製)
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)
<比較化合物>
PVEEA:ポリアクリル酸−2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル (日本触媒社製)
SUBARU−501:デンドリマー型多官能アクリレート (大阪有機化学工業社製)
UN−3320HS:ウレタンアクリレートオリゴマー (根上工業社製)
U−15HA:ウレタンアクリレートオリゴマー (新中村化学工業社製)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート (東亞合成社製)
本発明の重合性組成物(実施例1〜28)は、硬化性、ハンドリング性に優れ、また得られる硬化物は硬度、柔軟性、密着性に優れ、全ての特性の両立が可能であることが明らかとなった。多分岐ウレタンアクリレート(A)以外の多分岐アクリレート化合物を用いた重合性組成物(比較例1〜8)では、組成物の硬化性は十分であるものはハンドリング性および硬化物の柔軟性、密着性の観点で不十分となり、また一方で、組成物のハンドリング性、柔軟性、密着性が良好なものは硬化性および硬化物の硬度が不足する結果となり、すべての特性の両立は困難であることが判明した。
上記の重合性組成物の硬化性試験、ハンドリング性評価、および、硬化物の硬度試験、柔軟性試験、密着性試験に示されるように、本発明の重合性組成物は、優れた硬化性、ハンドリング性を示し、また、得られる硬化物は硬度、柔軟性、密着性に優れ、種々の用途に使用可能な重合性組成物であることが示された。
本発明の重合性組成物を使用する際、種々の用途において、使用制限されることがない。本発明により、高感度化や特性向上が期待できる用途の例としては、重合あるいは架橋反応を利用した成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合レジン、印刷インキ、印刷ニス、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、カラーフィルター用レジスト、ブラックマトリクス用レジスト、液晶用フォトスペーサー、リアプロジェクション用スクリーン材料、光ファイバー、プラズマディスプレー用リブ材、ドライフィルムレジスト、プリント基板用レジスト、ソルダーレジスト、半導体用フォトレジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト、エッチング用レジスト、マイクロレンズアレー、絶縁材、ホログラム材料、光学スイッチ、導波路用材料、オーバーコート剤、粉末コーティング、接着剤、粘着剤、離型剤、光記録媒体、粘接着剤、剥離コート剤、マイクロカプセルを用いた画像記録材料のための組成物、各種デバイスなどが挙げられる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるデンドリマー構造を有する重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、分子中に重合性不飽和基を1または2つ有する重合性化合物(B)とを含むことを特徴とする重合性組成物。
    一般式(1)

    (式中、X1は下記に示す3価、4価または6価の有機残基であり、
    1、R2、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状アルキレン基を示し、
    3は水素原子またはメチル基を示し、
    mは、0、3、4、6の整数、nは、mが0の場合、3、4、6の整数であり、mが3、4、6の場合、n=2mの整数である。)
    (上記に示す3価、4価、または6価の有機残基における*は、一般式(1)と結合するサイトである。)
  2. 組成物中の重合性多分岐ウレタン化合物(A)と、重合性化合物(B)との質量比(A):(B)が5:95〜85:15である請求項1記載の重合性組成物。
  3. さらに、重合開始剤(C)を含む請求項1または2記載の重合性組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の重合性組成物を含むインキ。
  5. 請求項1〜3いずれか記載の重合性組成物を含む塗料。
  6. 請求項1〜3いずれか記載の重合性組成物の硬化物。
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