JP4310590B2 - ロジンエステル系樹脂および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なロジンエステル系樹脂および当該ロジンエステル系樹脂を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、紫外線もしくは電子線などの照射により高速硬化し、特にオフセットインキのビヒクルとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、樹脂と反応性希釈剤を主成分としてなり、印刷インキ、塗料、接着剤、オーバープリントワニス等のさまざまな分野で使用されている。特にオフセットインキでは、反応性希釈剤として硬化性、塗膜硬度等が優れることから、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートやジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が汎用されている。
【0003】
一方、オフセットインキに使用される樹脂も各種のものが提案されているが、前記反応性希釈剤と相溶性が良く、オフセット印刷適性に優れた樹脂はあまり知られていない。前記反応性希釈剤と相溶性の良い樹脂としては、ジアリルフタレート樹脂があげられ、専ら活性エネルギー線硬化性のインキバインダーとして使用されている。しかし、ジアリルフタレート樹脂は耐乳化性が悪く、各種基材との密着性も不充分である。また、ジアリルフタレート樹脂はアルミキレート化に適する官能基(カルボン酸等)を有しないため、アルミキレート化ができず、オフセットインキに要求される粘弾性を付与することが困難であり、印刷適性が十分ではない。したがって、このようなジアリルフタレート樹脂を用いたオフセットインキには、画像再現性不足やミスチング等の問題が生じるため、当該オフセットインキを使用できる用途がカルトン紙、ビジネスフォーム等、画像再現性のあまり要求されない分野に限定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジアリルフタレート樹脂に代わる新規なビヒクルとなりうる樹脂を提供せんとするものである。すなわち、本発明は、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等の活性エネルギー線硬化性オフセットインキに汎用されている反応性希釈剤に対し良好な相溶性を示し、硬化性、密着性、耐乳化性に優れ、しかもアルミキレート化が可能で、オフセットインキに要求される粘弾性を付与しうる新規な樹脂及び当該樹脂を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ロジン類と3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を付加反応し、更にロジン類のカルボン酸とポリオールをエステル化反応させて得られた新規なロジンエステル系樹脂が、活性エネルギー線硬化性オフセットインキのビヒクルに適し、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ロジン類と3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を付加反応し、更に当該ロジン類のカルボン酸とポリオールとをエステル化反応することにより得られるロジンエステル系樹脂;ロジン類と3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を付加反応し、更に当該ロジン類のカルボン酸とポリオールとをエステル化反応するロジンエステル系樹脂の製造方法;前記ロジンエステル系樹脂、および反応性希釈剤を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のロジンエステル系樹脂は、ロジン類と多官能性の(メタ)アクリロイル基含有化合物を付加反応し、更に当該ロジン類のカルボン酸とポリオールとをエステル化反応することにより得られる。
【0008】
ロジン類としてはガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のいわゆる原料ロジンがあげられる。原料ロジンは、前記アクリロイル基含有化合物を付加反応させ得る、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、レボビマル酸、パラストリン酸等のロジン骨格中に共役二重結合を有する数種類の樹脂酸を含む混合物である。原料ロジンは、ロジン種、生産地等によって違いはあるが、前記共役二重結合を有する樹脂酸を、原料ロジン1モル中に0.6〜0.8モル程度含んでいる。なお、不均化ロジン、水素化ロジン、無色ロジン等の安定化ロジンは、ロジン骨格中に共役二重結合をほとんど含んでいないため、本発明のロジン類としては適当でないが、ロジン骨格中に共役二重結合が残存するように、不均化及び水素化を調節した部分安定化ロジンを使用しうる。また、前記原料ロジンを主成分とし、網目構造化を調節する目的で安定化ロジンを併用することも可能である。勿論、ロジンを用いず、例えばアビエチン酸を単独で使用することも可能であるが、経済的に有効ではない。
【0009】
前記ロジンと付加反応させる3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物としては、(メタ)アクリロイル基を3〜6個有する各種の化合物を使用できる。(メタ)アクリロイル基の官能基数が大きいほど、後のエステル化の際に網目構造をとりやすくなり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘弾性が高まりやすいが、反応性希釈剤との相溶性が悪くなる傾向にあるため、3〜6官能のものを使用する。尚、単官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物のみを使用した場合には、その付加生成物が1個のカルボン酸しか持たず、後のエステル化の際に網目構造をとらないが、本発明の目的を損なわない範囲で、単官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を、多官能性の(メタ)アクリロイル基含有化合物と併用することもできる。
【0010】
3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加グリセリントリアクリレート、プロピレンオキサイド付加グリセリントリアクリレート等の3官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を挙げることができる。なお、多官能性の(メタ)アクリロイル基含有化合物は、単独使用するのはもちろんのこと、適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0011】
前記ロジン類に対する3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物の使用量は、ロジン類中の共役二重結合1当量に対し、3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物の(メタ)アクリロイル基が1当量を超えない範囲で使用される。通常は、ロジン類1当量(ロジン1モルを1当量)に対して、3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物の(メタ)アクリロイル基が0.3〜0.8当量程度である。(メタ)アクリロイル基の当量は、0.5当量以上とするのが好ましく、また0.75当量以下とするのが好ましい。(メタ)アクリロイル基の当量が0.3当量より少ないと、反応生成物中に含まれる2個以上のカルボン酸基を持つロジン類のアクリレート付加物の比率が少なくなり、後のエステル化の際網目構造をとりにくく、目的とするロジンエステル系樹脂が得られにくい。0.8当量より多い場合には、(メタ)アクリロイル基の当量がロジン類に含まれる前記共役二重結合を有する樹脂酸の当量を超えることになり、製造中に(メタ)アクリロイル基同士の重合反応が起こりやすいため好ましくない。
【0012】
上記付加反応の方法は、特に制限されないが、ロジン類を加熱溶融した後に、3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を滴下して仕込む方法が、(メタ)アクリロイル基同士の重合反応を避けやすく、適当である。滴下終了後の反応温度は通常180〜250℃程度、反応時間は通常3〜8時間程度である。高温反応であるため、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましい。触媒や重合禁止剤、着色防止剤等の使用はすべて任意である。
【0013】
かかる付加反応により、通常、複数のカルボン酸を持つロジン類の(メタ)アクリレート付加物と、(メタ)アクリレート付加されていない1個のカルボン酸を持つロジン類の混合物が得られる。
【0014】
本発明では、次いで、前記混合物とポリオールとのエステル化反応を行う。ポリオールを反応させることにより、任意の網目構造を持つロジンエステル系樹脂を合成できる。
【0015】
ポリオールとしては各種のものを使用できるが、通常、2〜4官能程度のポリオールを使用するのが好ましい。5官能以上のポリオールを使用した場合には、網目構造化が進み過ぎる場合がある。これらポリオールは、官能基数が大きいほど、また分子量が小さいほど網目構造をとりやすく、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘弾性が高まるが、一方で反応性希釈剤との相溶性が悪くなる傾向にあるため、ポリオールの官能基数は使用する目的に応じて適宜に決定される。また、使用できる反応性希釈剤が限定され、特に相溶性が要求される用途には、2官能のポリオールを使用するのが好ましい。その場合、適度な網目構造を持たせるためには、多官能性の(メタ)アクリロイル基含有化合物は3〜6官能のものを使用するのが好ましい。
【0016】
ポリオールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2官能のポリオール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3官能のポリオール;ペンタエリスリトール等の4官能のポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA等を挙げることができる。これらポリオールは、単独使用するのはもちろんのこと、適宜組み合わせて使用することも可能である。尚、単官能のアルコールを使用した場合には、そのエステル化物が網目構造をとらないので、本発明には不適である。但し、ポリオールを主成分とし、網目構造化を調節する目的で単官能のアルコールを併用することは可能である。
【0017】
前記ロジン類の(メタ)アクリレート付加物を含む混合物に対するポリオールの使用量は、当該混合物中のカルボン酸基1当量に対し、ポリオールの水酸基0.5〜1.5当量程度である。ポリオールの水酸基当量は、0.7当量以上が好ましく、また0.9当量以下とするのが好ましい。ポリオールの水酸基当量が0.5当量より少ないと、前記ロジンの(メタ)アクリレート付加物等を含む混合物が過剰になり、網目構造化があまり起こらず目的とする樹脂組成物が得られにくい。1.5当量より多いと、ポリオールが過剰になり、網目構造化があまり起こらず目的とする樹脂組成物が得られにくい。0.7〜0.9モルとした場合には、カルボン酸基が残り、後のアルミキレート化反応が起こりやすいためより好ましい。
【0018】
上記エステル化反応の方法は、特に制限されず、たとえばロジンの(メタ)アクリレート付加物等を含む混合物とポリオールを同時に仕込む方法によればよい。通常、反応温度180〜270℃程度、反応時間は8〜20時間程度である。高温反応であるため、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましい。触媒、着色防止剤等の使用はすべて任意である。
【0019】
かくして得られた本発明のロジンエステル系樹脂と反応性希釈剤から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製するにあたっては、通常、該樹脂組成物5〜70重量部程度、好ましくは15〜60重量部に対し、反応性希釈剤95〜30重量部程度、好ましくは85〜40重量部となる割合で使用するのがよい。
【0020】
反応性希釈剤としては、各種のものを使用できるが、オフセットインキに使用するには、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを使用するのが好ましい。これら反応性希釈剤は、樹脂成分との相溶性や硬化性を考慮して決定される。また、反応性希釈剤は単独使用するのはもちろんのこと、適宜組み合わせて使用することもできる。
【0021】
また、本発明の樹脂組成物を、電子線等により硬化させる場合には、光開始剤は必要とされないが、紫外線照射により硬化させる場合には光開始剤を使用する。光開始剤の使用量は、該樹脂組成物と反応性希釈剤の合計100重量部に対して、1〜20重量部程度、好ましくは5〜15重量部とするのがよい。光開始剤としてはダロキュアー1173、イルガキュアー651、イルガキュアー184、イルガキュアー907(以上チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製登録商標)、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、p−ジメチルアセトフェノン、チオキサントン、アルキルチオキサントン、アミン類などがあげられる。
【0022】
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、重合禁止剤、顔料、着色剤、充填剤等の各種公知の添加剤を、目的に応じて、適宜に選択して使用することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等の活性エネルギー線硬化性オフセットインキに汎用されている反応性希釈剤に対し良好な相溶性を示し、硬化性、密着性、耐乳化性に優れ、しかもアルミキレート化ができ、オフセットインキに要求される粘弾性を付与しうる新規な樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することができる。これら樹脂組成物は印刷インキ、金属インキ、塗料、接着剤、オーバープリントワニス等の各種用途に適用できる。
【0024】
【実施例】
以下に製造例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、各例中、部及び%は特記しない限りすべて重量基準である。
【0025】
製造例1
攪拌装置、冷却管、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に中国産ガムロジン320部、メトキノン(重合禁止剤)0.4部を仕込み、加熱溶融した。攪拌を開始し、200℃に昇温後、プロピレンオキサイド付加グリセリントリアクリレート(商品名ビームセット720、荒川化学工業(株)製)105.6部(ロジン1モル(1当量)に対して0.7当量のアクリロイル基含有量に相当する)を1時間かけて滴下した。次いで、220℃で5時間、240℃で1時間反応し、ディールスアルダー付加反応を完結させ、ロジンのプロピレンオキサイド付加グリセリントリアクリレート付加物を得た。酸価は134であった。
【0026】
製造例2〜4
製造例1において使用したアクリロイル基含有化合物を表1に示すように代えた他は、製造例1と同様に反応を行い目的のロジンのアクリレート付加物を得た。
【0027】
【表1】
【0028】
表1中、▲1▼:商品名ビームセット710,荒川化学工業(株)製、▲1▼:商品名ビームセット700,荒川化学工業(株)製、である。
【0029】
実施例1
攪拌装置、分水器付き冷却管、温度計および窒素導入管を備えた反応装置に、製造例1で得たロジンのアクリレート付加物700部、ジエチレングリコール61.9部(ロジンのアクリレート付加物のカルボン酸1当量に対し、0.7当量の水酸基含有量に相当する)を仕込んだ。加熱溶融後、攪拌を開始し、220℃で2時間、240℃で2時間反応し、更に260℃で6時間反応させた後、同温度で1時間50mmHgの条件で減圧蒸留してロジンエステル系樹脂を得た。酸価は28であった。
【0030】
実施例2〜4及び比較例1〜3
実施例1において使用したロジンのアクリレート付加物、ポリオールを表2に示すように代えた他は、実施例1と同様に反応を行いロジンエステル系樹脂を得た。
【0031】
【表2】
【0032】
表2中、▲4▼:商品名ファントールPL305,東邦理化工業(株)製、▲5▼:商品名ファントールPL3010,東邦理化工業(株)製、である。
【0033】
実施例5
攪拌装置、冷却管、温度計および空気導入管を備えた反応装置に、実施例1で得たロジンエステル系樹脂40部、反応性希釈剤としてジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(商品名エベクリル140、ダイセルユーシービー(株)製、以下DTMPTAという)56部、及びメトキノン(重合禁止剤)0.1部を仕込み、エアーバブリング下、90℃1時間攪拌溶解した。次いで、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート(商品名ALCH,川研ファインケミカル(株)製)0.8部(対樹脂2%に相当する)をDTMPTA4部で希釈した希釈剤をゆっくり添加し、更に90℃で3時間保温しゲルワニスを得た。(ロジンエステル系樹脂/反応性希釈剤の比率(重量比)は4/6である)。
【0034】
実施例6〜8および比較例4〜6
実施例5において使用した、実施例1で得たロジンエステル系樹脂、反応性希釈剤及び当該樹脂と反応性希釈剤の比率を表3に示すように変えた他は、実施例5と同様にしてゲルワニスを調製した。
【0035】
【表3】
【0036】
表3中、▲6▼:商品名ビームセット750、荒川化学工業(株)製、▲7▼:ジアリルフタレート樹脂、ダイソー(株)製、である。
【0037】
(各種性能試験方法)
上記実施例及び比較例で得られたロジンエステル系樹脂及びゲルワニスに対し、以下の方法を用いて性能試験を行った。
【0038】
1.相溶性:実施例1〜4、比較例1〜3及びDAP(ジアリルフタレート樹脂、ダイソー(株)製)各30部を下記3種の反応性希釈剤各70部に溶解し、室温におけるワニスの透明度を目視判定した。評価結果を表4に示す。
【0039】
使用反応性希釈剤
1)ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート(以下BA(EO)DAと略す)<商品名ビームセット750、荒川化学工業(株)製>
2)トリメチロールプロパントリアクリレート(以下TMPTAと略す)<商品名ビスコート295、大阪有機化学工業(株)製>
3)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(以下DTMPTAと略す)<商品名エベクリル140、ダイセルユーシービー(株)製>
【0040】
【表4】
【0041】
2.粘弾性:E型粘度計(東京計器(株)製)を使用し、実施例5〜8及び比較例4〜6の25℃での粘度を0.5rpm、2.5rpm、5rpmの順に測定した。また、0.5rpm/5rpmの粘度比を算出した。この粘度比の数値が大きいほど、粘弾性が大きい。評価結果を表5に示す。
【0042】
3.耐乳化性(水分離性):実施例5〜8及び比較例4〜6の各10部をキシレン20部に溶解した。ガラス試験管(内径18mmX高さ180mmX厚さ1.2mm、商品名PYREX(登録商標) TEST18、岩城硝子(株)製)に蒸留水7.5部を入れ、次にキシレン溶液7.5部を入れて栓をした。これを上下に20回振とうし、乳化させた後、静置して水層と有機層が完全に分離するまでの時間を測定した。水分離性と耐乳化性は相関があり、水分離性が良好であるほど、インキに適用した場合の耐乳化性が良好である。評価結果を表6に示す。
【0043】
4.硬化性:実施例5〜8及び比較例4〜6の各100部に対し、光重合開始剤としてイルガキュアー184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製登録商標)5部を配合し、60℃で混合した。カルトン紙にRIテスター(インキ盛り0.3g)で塗布し、次いで高圧水銀空冷ランプ(120W/cm、照射距離10cm)でベルトスピードを変えて紫外線照射し、硬化皮膜がタックフリーになる最高ベルトスピードを測定した。このスピードの速いもの、即ち照射線量が少なくても硬化しているものが、硬化性良好である。評価結果を表6に示す。
【0044】
5.ミスチング:実施例5〜8及び比較例4〜6の各1gをインコメーターのゴムロール上に載せ、1,200rpmの条件で作動した際に霧状物が飛散する状態を目視で判断し、5段階評価した。数値の大きいものがミスチング性良好である。評価結果を表6に示す。
【0045】
6.密着性:実施例5〜8及び比較例4〜6の各100部に対し、光重合開始剤としてイルガキュアー184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製登録商標)5部を配合し、60℃で混合した。1.5ミルのサイコロ型アプリケータを使用し、アクリル板(以下、Acrと略す)、ABS板、FRP板(以上、日本テストパネル(株)製)に塗布し、高圧水銀空冷ランプ(120W/cm、照射距離10cm、ベルトスピード40m/分)で紫外線照射し硬化した。各試験基材に対し、セロファンテープ剥離試験を行い、コーティング層と基材との密着性を、以下の評価基準で評価した。
○:コーティング剤層が剥離しない。
△:コーティング剤層が50%程度剥離する。
×:コーティング剤層が完全に剥離する。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
Claims (5)
- ロジン類と3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を付加反応し、更に当該ロジン類のカルボン酸とポリオールとをエステル化反応することにより得られるロジンエステル系樹脂。
- ポリオールが2〜4官能ポリオールである請求項1記載のロジンエステル系樹脂。
- ポリオールが2官能ポリオールである請求項2記載のロジンエステル系樹脂。
- ロジン類と3〜6官能の(メタ)アクリロイル基含有化合物を付加反応し、更に当該ロジン類のカルボン酸とポリオールとをエステル化反応するロジンエステル系樹脂の製造方法。
- 請求項1〜3いずれかに記載のロジンエステル系樹脂、および反応性希釈剤を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
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