JPH07157702A - 紫外線硬化型インキ用樹脂組成物 - Google Patents

紫外線硬化型インキ用樹脂組成物

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JPH07157702A
JPH07157702A JP30789893A JP30789893A JPH07157702A JP H07157702 A JPH07157702 A JP H07157702A JP 30789893 A JP30789893 A JP 30789893A JP 30789893 A JP30789893 A JP 30789893A JP H07157702 A JPH07157702 A JP H07157702A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 30モル%以上の一塩基酸と多塩基酸及び多
価アルコールとの縮合物を脂肪酸で変性したアルキド樹
脂(A)もしくはアルキド樹脂(A)を、更にイソシア
ネート化合物(C)で変性した樹脂(A1)を、2官能
以上の(メタ)アクリレート類(B)に溶解させて成る
紫外線硬化型インキ用樹脂組成物。 【効果】 本発明は、紫外線硬化型インキの持つ硬化
性、耐薬品性の特性を有し、かつ流動性、耐地汚れ性等
の印刷適性に優れた紫外線硬化型インキ用樹脂組成物を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は速乾性で印刷適性に優れ
る紫外線硬化型インキ用樹脂組成物に関する。本発明に
よる紫外線硬化型インキ用樹脂組成物は、顔料との濡
れ、インキビヒクルとしての流動諸特性、硬化性に優
れ、特にオフセット印刷用に適したインキ用樹脂組成物
を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、オフセット印刷インキとしては、
ロジン変性フェノール樹脂、ロジンマレイン酸樹脂、植
物油変性アルキド樹脂を高沸点石油系溶剤に溶解したワ
ニスを含む高粘度インキ用樹脂が使用されていた。一般
に、それらを用いたインキは乾燥が遅く、またインキビ
ヒクルが熱可塑性であることから、印刷物の耐摩耗性、
耐溶剤性などが十分ではなかった。一方、オフセット輪
転印刷においては、強制乾燥のための乾燥設備や冷却ロ
ーラー等の設備を必要とするため、多大な設備費がかか
る欠点があった。
【0003】この様な欠点を改良すべく、インキ用樹脂
組成物として紫外線硬化性のビヒクルが種々開発、実用
化されている。具体的には、例えば、エポキシアクリレ
ート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ポリエステル等がある。
【0004】これらは必要に応じて、アクリレートモノ
マーあるいはメタアクリレートモノマーで溶解させ、イ
ンキ用ワニスとして使用することが多い。しかしなが
ら、これら従来の紫外線硬化型インキ用樹脂組成物はゲ
ル弾性に乏しく、インキの流動性、耐地汚れ性等の印刷
適性が充分であると言えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、紫外線硬化インキの持つ硬化性、耐薬品性
の特性を有し、かつ印刷インキが必要とする流動性、耐
地汚れ性等の印刷適性を兼ね備えた紫外線硬化型インキ
用樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは紫外線硬化
型インキの優れた性能を損なうことなく、印刷適性を改
善する方法につき鋭意研究の結果、特定のバルキーな構
造を有し、更に脂肪酸変性したアルキド樹脂(A)を、
2官能以上の(メタ)アクリレート類(B)に溶解さ
せ、場合によってはイソシアネート化合物(C)で変性
することにより得られるインキワニスを使用することに
より、インキ流動性、耐地汚れ性等の印刷適性に優れる
こと、更に硬化後においても表面硬化性、耐摩耗性等の
耐久性をも向上させ得ることを見い出し、本発明を完成
させるに至った。
【0007】
【構成】即ち、本発明は、30モル%以上の一塩基酸と
多塩基酸及び多価アルコールとの縮合物を脂肪酸で変性
したアルキド樹脂(A)を、2官能以上の(メタ)アク
リレート類(B)に溶解させて成る紫外線硬化型インキ
用樹脂組成物である。
【0008】更に本発明は、特に脂肪酸で変性したアル
キド樹脂(A)の油長が、30%未満である紫外線硬化
型インキ用樹脂組成物を含むものである。また本発明に
は、脂肪酸で変性したアルキド樹脂(A)を、更にイソ
シアネート化合物(C)で変性したアルキド樹脂(A
1)を、2官能以上の(メタ)アクリレート類(B)に
溶解させて成る紫外線硬化型インキ用樹脂組成物を含む
ものである。
【0009】更に詳しくは、特に本発明のアルキド樹脂
(A)もしくはアルキド樹脂(A1)の一塩基酸が、芳
香族カルボン酸である紫外線硬化型インキ用樹脂組成物
であり、またアルキド樹脂(A)もしくはアルキド樹脂
(A1)の多価アルコールが、3官能以上であることを
特徴とする紫外線硬化型インキ用樹脂組成物をも本発明
に含むものである。
【0010】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明で用いられるアルキド樹脂(A)は、30モル%以上
の一塩基酸と多塩基酸及び多価アルコールとの縮合物を
脂肪酸で変性したアルキド樹脂であり、その重量平均分
子量は800〜60000のものが好ましく、更に好ま
しくは、1000〜55000のものである。
【0011】重量平均分子量800以下では、ゲル弾性
発現力が低下するために印刷適性に劣り、また6000
0以上では高粘度となって取り扱いにくく、実用的でな
い。またアルキド樹脂(A)は、一塩基酸を必須成分と
し、一塩基酸を30モル%以上、好ましくは35〜70
%含有するものである。
【0012】一塩基酸が多く入ることにより、樹脂がご
わごわとしたバルキー構造をとり、インキの粘弾性、流
動性を向上せしめて、印刷適性が向上する。一方、アル
キド樹脂(A)中の一塩基酸が30モル%以下である
と、ポリマーがバルキー構造をとりにくく、印刷適性が
劣り、好ましくない。
【0013】更に、該アルキド樹脂(A)をイソシアネ
ート化合物(C)で変性しない場合には、該アルキド樹
脂(A)の油長は30%未満が望ましい。30%以上で
は、耐地汚れ性等の印刷適性が低下する為、好ましくな
い。本発明のアルキド樹脂(A)の酸価は、通常0.1
〜80の範囲で、好ましくは2〜50である。50を越
えるとインキの流動性が低下し、好ましくない。
【0014】本発明で使用するアルキド樹脂の製造方法
は、特に制限はなく、塊状重合、溶剤重合等の直接エス
テル化やエステル交換法など公知の方法が適用できる。
本発明で使用できる一塩基酸としては、アビエチン酸、
安息香酸、パラターシャリーブチル安息香酸、カプロン
酸等がある。
【0015】多塩基酸としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、(無水)フタル酸、(無水)トリメリット酸、
(無水)ピロメリット酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロ(無水)フタル酸等の飽和多塩基酸及び(無水)マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒドロ(無
水)フタル酸等の不飽和多塩基酸がある。これらの酸は
単独または併用して使用される。
【0016】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、平均分子量200〜4000のテトラメチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
【0017】ビスフェノールAのエチレンオキサイド及
びプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA
のエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加
物、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が使用でき
る。
【0018】とりわけ3官能以上のグリセリン、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、トリス−2
−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等を使
用することにより分岐度が増し、インキの粘弾性にプラ
スの効果を与える。これらの多価アルコールは単独また
は併用して使用される。
【0019】また、ポリエポキシドによりエポキシエス
テル化してもよい。使用するポリエポキシドとしては、
(メチル)エピクロルヒドリンとビスフェノールAとの
反応生成物であるビスフェノール型ジエポキシドが最も
好ましいが、その他にエチレングリコールジ(メチル)
グリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジ(メ
チル)グリシジルエーテル等の脂肪族エーテル型ジエポ
キシド、ジ(メチル)グリシジルフタレート、ジ(メチ
ル)グリシジルテトラヒドロフタレート等のエステル型
ジエポキシドも使用することができる。
【0020】一塩基酸、多塩基酸及び多価アルコールと
の縮合物を変性する脂肪酸としては、アマニ油脂肪酸、
大豆油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、
キリ油脂肪酸、トール油脂肪酸等がある。これらの脂肪
酸は単独または併用して使用される。
【0021】アルキド樹脂(A)を2官能以上の(メ
タ)アクリレート類(B)に溶解させるにあたっては、
JIS K 5400のガードナー粘度計を用い、
〔(A)+(B)]/酢酸ブチル=4/1(Wt.%)
でU〜Zを目標に、(メタ)アクリレート類(B)を加
える。
【0022】この粘度に調製するとき、(メタ)アクリ
レート類は、通常全体の20〜80重量%である。溶解
温度は80℃〜120℃の範囲が好ましいが、(メタ)
アクリレート類の分解温度以下、更には脂肪酸の重合温
度以下で行うことが必要である。
【0023】次に本発明の、30モル%以上の一塩基酸
と多塩基酸及び多価アルコールとの縮合物を脂肪酸で変
性したアルキド樹脂(A)を、更にイソシアネート化合
物(C)で変性した樹脂(A1)を、2官能以上の(メ
タ)アクリレート類(B)に溶解させて成る紫外線硬化
型インキ用樹脂組成物について説明する。
【0024】アルキド樹脂(A)と反応させるイソシア
ネート化合物のイソシアネート基の当量は、アルキド樹
脂(A)の水酸基当量の10〜100%、好ましくは4
0〜100%の範囲である。 ウレタン化反応は反応温
度40〜95℃で行ない、ウレタン化により、分子量が
高くなると同時に、ゲル弾性が付与された組成物を得る
ことができ、顔料との濡れ、インキビヒクルとしての流
動諸特性、硬化後の印刷物として耐摩耗性、耐溶剤性、
耐薬品性が向上する。
【0025】該組成物の重量平均分子量は、2000〜
200000の範囲であり、好ましくは20000〜1
00000である。ここでイソシアネート化合物との反
応は、アルキド樹脂合成後に直ちに行っても、アルキド
樹脂に(メタ)アクリレート類を混合した後に行っても
良い。また(メタ)アクリレートの混合は、アルキド樹
脂合成後とウレタン化反応後に分割して行っても良い。
【0026】本発明で言うイソシアネート化合物は、脂
肪族、芳香族または脂環式ジイソシアネートモノマーな
いしはトリイソシアネートモノマー類であり、それら自
体が公知であるようなものは、いずれも使用し得るが、
それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するに留
めれば、トリレンジイソシアネート、水添トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネート、
【0027】水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレ
ンジイソシアネート、トリメチルキシレンジイソシアネ
ート、水添キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、1,3−ビス(α,αージメチ
ルイソシアネートメチル)ベンゼン、シクロヘキシル−
1,4−ジイソシアネート
【0028】、オキサジアジントリオンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートもしくはトリフェニル
メタンジイソシアネート等であり、これらは単独使用で
も、2種類以上の併用でも良い。
【0029】本発明で使用される(メタ)アクリレート
類としては、例えば2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオ
ネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、
【0030】1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバ
リン酸ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレン
オキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、
【0031】2,2’−ジ(ヒドロキシプロポキシフェ
ニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2’−
ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ
(メタ)アクリレート、2,2’−ジ(グリシジルオキ
シフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付加物等の
2官能アクリレート、
【0032】同様に、例えばトリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、
【0033】テトラメチロールメタンテトラ(メタ)ア
クリレート、グリセリン等の多価アルコールの(メタ)
アクリレート及びこれらにエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイドを開環付加してなるポリオールのアクリ
ル酸エステル化物、トリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス
(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メ
タ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アク
リレートと、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイ
ソシアヌレート等の多官能アクリレートである。
【0034】本発明の紫外線硬化型インキ用樹脂組成物
には、光開始剤、光増感剤を含有させることが好まし
い。本発明で使用できる光開始剤、光増感剤としては、
通常の紫外線硬化型樹脂組成物で使用される光開始剤、
光増感剤が使用できる。
【0035】例えば、光開始剤としては、アセトフェノ
ン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベ
ンゾイルベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインエーテ
ル類、ベンジルジメチルケタール、α−アシロキシムエ
ステル、チオキサントン類、アントラキノン類及びその
誘導体、アシルホスフィンオキシド及びその誘導体等が
挙げられる。
【0036】光増感剤としては、アミン類、尿素類、イ
オウ化合物、ニトリル類、リン化合物、窒素化合物、塩
素化合物等を使用する事ができる。これら等から選ばれ
る1種または数種の光開始剤または光増感剤の使用量
は、使用する樹脂の配合、用途によっても異なるが、通
常、樹脂100部に対して、光開始剤を0.5〜45
部、好ましくは2〜20部を使用する。
【0037】本発明においては、印刷インキとしての適
性を高める目的で、適宜にオリゴマーあるいは二重結合
を含まない任意の樹脂を更に使用しても良く、例えば、
エポキシアクリレート、ロジン変性エポキシアクリレー
ト、脂肪酸変性エポキシアクリレート、ポリエステルア
クリレート、ウレタンアクリレート、あるいはジアリル
フタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル、エポキシ
樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂等の添加
用に適した樹脂を挙げることができる。
【0038】本発明の紫外線硬化型インキ用樹脂組成物
には、製造時の熱重合の防止や貯蔵安定性を保つ為に、
ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、
t−ブチルーカテコール、p−ベンゾキノン、2,5−
t−ブチルーハイドロキノン、フェノチアジン等の熱重
合防止剤を0.01〜1%程度配合することが好まし
い。更に、本発明の樹脂組成物には、公知の着色剤、顔
料、表面平滑剤、消泡剤、粘度調整剤等を添加すること
ができる。
【0039】本発明の紫外線硬化型インキ用樹脂組成物
は、通常の印刷方法もしくは塗布方法にて基材、例え
ば、紙、フィルム、シート等の上に印刷し、その後、紫
外線を照射して硬化させる。硬化に際しては通常の、例
えば、低圧または高圧水銀灯、メタルハライドランプ、
キセノンランプ、無電極放電ランプ、カーボン・アーク
灯などが使用できる。標準的な紫外線硬化条件は、出力
80〜160W/cm2の高圧水銀灯またはメタルハラ
イドランプを用いた紫外線照射装置により、1灯当たり
5〜40m/分のライン速度である。
【0040】次に本発明を実施例によって説明するが、
本発明は、実施例のみに限定されるものではない。実施
例中の部とは、特に記載しない限り重量部を表す。
【0041】
【実施例】
(合成例1)ネオペンチルグリコール部20部、ペンタ
エリスリトール220部、アジピン酸20部、イソフタ
ル酸270部、安息香酸370部、アマニ油脂肪酸10
0部を、不活性ガスの存在下で210℃で6時間反応さ
せ、固形分酸価30、重量平均分子量53000のアル
キド樹脂を得た。その50部を、エチレンオキサイド変
性トリメチロールプロパントリアクリレート50部に溶
解し、樹脂組成物(1)を得た。
【0042】(合成例2)ネオペンチルグリコール18
部、ペンタエリスリトール207部、アジピン酸20
部、イソフタル酸220部、安息香酸335部、アマニ
油脂肪酸200部を、不活性ガスの存在下で220℃で
3時間反応させ、固形分酸価19、重量平均分子量18
000のアルキド樹脂を得た。その65部を、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート35部に溶解し、樹
脂組成物(2)を得た。
【0043】(合成例3)ネオペンチルグリコール20
部、ペンタエリスリトール220部、アジピン酸23
部、イソフタル酸225部、安息香酸412部、サフラ
ワー油脂肪酸100部を、不活性ガスの存在下で220
℃で3時間反応させ、固形分酸価32、重量平均分子量
7000のアルキド樹脂を得た。その70部をエチレン
オキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト30部に溶解し、樹脂組成物(3)を得た。
【0044】(合成例4)ネオペンチルグリコール15
部、ペンタエリスリトール210部、アジピン酸23
部、イソフタル酸230部、安息香酸420部、アマニ
油脂肪酸102部を、不活性ガスの存在下で220℃で
3時間反応させ、固形分酸価27、重量平均分子量85
00のアルキド樹脂を得た。
【0045】その60部を、エチレンオキサイド変性ト
リメチロールプロパントリアクリレート40部に溶解し
て得られた樹脂組成物100部に、更にTDI−100
を1.5部添加して80℃で3時間反応させ、固形分酸
価14、重量平均分子量36000の樹脂組成物(4)
を得た。
【0046】(合成例5)ネオペンチルグリコール17
部、ペンタエリスリトール195部、アジピン酸15
部、イソフタル酸207部、安息香酸266部、サフラ
ワー油脂肪酸300部を、不活性ガスの存在下で220
℃で3時間加熱して、固形分酸価32、重量平均分子量
10000のアルキド樹脂を得た。
【0047】その50部を、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート50部に溶解して得られた樹脂組成物
100部に、更にMDIを3.2部添加して75℃で4
時間反応させ、固形分酸価13、重量平均分子量700
00の樹脂組成物(5)を得た。
【0048】(合成例6)ネオペンチルグリコール12
部、ペンタエリスリトール135部、トリメチロールエ
タン100部、アジピン酸23部、イソフタル酸200
部、安息香酸430部、アマニ油脂肪酸100部を、不
活性ガスの存在下で210℃で5時間反応して、固形分
酸価20、重量平均分子量8900のアルキド樹脂を得
た。
【0049】その65部をエチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリアクリレート35部に溶解して
得られた樹脂組成物100部に、更にTDI−100を
0.8部添加して80℃で3時間反応させ、固形分酸価
12、重量平均分子量23000の樹脂組成物(6)を
得た。
【0050】(合成例7)ネオペンチルグリコール15
部、ペンタエリスリトール167部、アジピン酸8部、
イソフタル酸180部、安息香酸130部、アマニ油脂
肪酸500部を、不活性ガスの存在下で210℃で5時
間反応して、固形分酸価30、重量平均分子量7000
のアルキド樹脂を得た。その65部をジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート35部に溶解し、樹脂組成物
(7)を得た。
【0051】(合成例8)ネオペンチルグリコール25
部、トリメチロールプロパン328部、アジピン酸25
部、イソフタル酸468部、安息香酸154部を、不活
性ガスの存在下で220℃で5時間反応して、固形分酸
価20、重量平均分子量20000のポリエステル樹脂
を得た。その65部をエチレンオキサイド変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート35部に溶解し、樹脂
組成物(8)を得た。
【0052】(実施例1〜6及び比較例1、2)表1及
び表2に示した組成(重量部)の混合物を、三本ロール
ミルにて練肉し、所定の紫外線硬化型樹脂組成物を得
た。表1及び表2中の顔料(*1)は、大日本インキ化学工
業株式会社製シムラーファーストイエロー GTF23
5Dを、光開始剤(*2)は、日本チバガイギー株式会社製
イルガキュア651と、日本化薬株式会社製カヤキュア
EPAを、7部/2部で用いた。
【0053】また表1及び2中の樹脂(*3)は、合成例1
〜8によって得られた樹脂組成物を実施例1〜6、比較
例1、2に使用した。
【0054】
【0055】
【0056】得られたインキの各種特性を、表3に示し
た。 表中のインコメーター値、スプレッドメーター値
は、JIS−K−5701平版インキ及び凸版インキの
試験方法に準じて測定した。
【0057】硬化性は、出力80W/cmの高圧水銀灯
を用いた紫外線照射装置により、ラインスピードを変え
て印刷表面のスクラッチを調べたとき、スクラッチの出
なかった照射スピードを示している。照射スピードの速
いもの、すなわち照射量の少ないときでも硬化している
ものが硬化性良好である。
【0058】ミスチングはインコメーター1200rp
mにおいて、インキが周辺に霧状に飛散する程度を目視
判定して、5段階で評価した。このとき数値の大きいも
のの方が良好な結果を表す。
【0059】CRI値は、得られたインキの耐地汚れ性
を、インコメーター(株式会社東洋精機製作所製)を用
いる下記の方法で求めた値である。即ち、装置温度を2
6℃一定にして、インコメーターの回転数を次第に上げ
ていき、平版非画線部に地汚れのなくなった時の回転数
をCRI値(CriticalRotation Index;臨界回転指数)
として評価する方法により行った。
【0060】本試験方法では、低い回転数でも地汚れが
発生しない事が望ましく、即ち、CRI値が小さいほ
ど、耐地汚れ性に優れたインキであることを意味する。
以下にインコメーターでの操作法を記載する。
【0061】インコメーターの3本のロール表面を2
6℃恒温とする。 トップロール上に水無し平版(ある画像パターンを有
するもの)を両面テープ(長さ250mm、幅5mm)
にて取り付ける。 1.32mlのインキをバイブレーションロール上に
乗せ、トップロールを金属ロールから外した状態で金属
ロールを回転させてインキを均一に付ける。
【0062】10r.p.mずつ回転数を上げてい
き、各回転数ごとにトップロールを金属ロールに5秒程
度乗せて版面にインキを付ける。 回転数の上昇に伴い版上非画線部にインキが付着しな
くなる。
【0063】
【0064】表3から明らかなように、実施例のインキ
は比較例のインキに比べ、流動性、硬化性、耐地汚れ性
に優れていた。また実施例の紫外線硬化型インキ用樹脂
組成物は、従来から用いられている紫外線硬化型インキ
用樹脂組成物と同様の耐溶剤性、耐薬品性を有してい
た。
【0065】
【発明の効果】本発明は、紫外線硬化型インキの持つ硬
化性、耐薬品性の特性を有し、かつ流動性、耐地汚れ性
等の印刷適性に優れた紫外線硬化型インキ用樹脂組成物
を提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30モル%以上の一塩基酸と多塩基酸及
    び多価アルコールとの縮合物を脂肪酸で変性したアルキ
    ド樹脂(A)を、2官能以上の(メタ)アクリレート類
    (B)に溶解させて成る紫外線硬化型インキ用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 脂肪酸で変性したアルキド樹脂(A)の
    油長が、30%未満であることを特徴とする請求項1記
    載の紫外線硬化型インキ用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 30モル%以上の一塩基酸と多塩基酸及
    び多価アルコールとの縮合物を脂肪酸で変性したアルキ
    ド樹脂(A)を、更にイソシアネート化合物(C)で変
    性した樹脂(A1)を、2官能以上の(メタ)アクリレ
    ート類(B)に溶解させて成る紫外線硬化型インキ用樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 アルキド樹脂(A)もしくはアルキド樹
    脂(A1)の一塩基酸が、芳香族カルボン酸であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の紫
    外線硬化型インキ用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 アルキド樹脂(A)もしくはアルキド樹
    脂(A1)の多価アルコールが、3官能以上であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の紫
    外線硬化型インキ用樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348516A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Dainippon Ink & Chem Inc 活性エネルギー線硬化型インキ用樹脂組成物
KR20030097390A (ko) * 2002-06-20 2003-12-31 건설화학공업(주) 내후성이 우수한 알키드 변성 아크릴수지의 제조방법 및이를 함유한 도료 조성물
JP2006028403A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Fuji Photo Film Co Ltd インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法
KR100649609B1 (ko) * 2004-12-16 2006-11-28 한국조폐공사 광가변 요판잉크용 전색제 및 이를 사용한 광가변요판잉크 조성물과 그 전색제 제조방법
KR101865833B1 (ko) * 2014-10-30 2018-07-13 애경화학 주식회사 내식성이 우수한 수용성 에폭시, 알키드 하이브리드 아크릴 수지 및 그 제조방법

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