JP6868754B1 - 接着層のトナー画像のみへの転移方法と用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】Bシートの接着層をAシート上の画像に転移させてから布地へ転写するトナー画像転写法で、引き剥がし作業を改善し、接着層の画像への転移が向上する方法を提供する。【解決手段】Aシート5とBシート6を熱プレスして引き剥がす作業で、Aシートを熱プレス機テーブル側に保持させ、Bシートの一端を棒状体1に保持させることで、シート全幅でゆがみの無い均一な引きはがし力がかかるようにさせる。【選択図】図1

Description

本発明は、トナー画像転写シートの接着層のトナー画像のみへの転移に関する。
Tシャツ等の布地面に画像を転写する手法として、剥離紙上に形成されたポリウレタン樹脂層にトナー画像を形成した後、カッティングで不要部分を除き、残った転写したい部分だけをアプリケーションテープで拾い上げて布地に移載して熱圧着させる手法が普及している。さらに、AシートとBシートが対になった転写シートを用い、Aシートにトナー画像を形成した後で両シートを重ね合わせて加熱プレスし、温度が一定範囲に維持されている間に両シートを剥すことで、Bシートの接着層をAシートのトナー画像のみに転移させ、その後にTシャツへ熱プレスして、カッティング作業を省略する画像転写手法も公知である(特許文献1参照)。
同様なAB両シートを用いて、スクリーン印刷用の製版をする方法も、特許文献2に提案されている。転写対象物がTシャツでなく、スクリーン印刷版に張った紗に代わるだけで、スクリーン印刷用製版でのカッティングフイルムを不要に出来る提案である。
特開平9−87980 号 特開WO2009−070366 号
以上に述べたように、特許文献1や2のような手法を採れば、カッティング工程を省いて画像転写が可能になるが、トナー画像部分のみへの接着層の転移を不良無く安定して繰り返すのは難しかった。トナー画像部分のみへの接着層転移は、熱プレス後の特定の狭い温度範囲でのみ達成されるからである。重ね合わせられたAB両シートの引き剥がし作業で時間がかかれば、温度が下がり過ぎて転移不良が発生し易くなる。引き剥がし作業は、剥離に適した温度範囲内で、迅速に行わなければならない。又、引き剥がしを一定速度で進めて行くのも大切で、ばらつくと接着層の転移不良が発生し易い。さらには、左手でAシートを押さえて、右手でBシートを引っ張って行く手法では、力がシート幅いっぱい均一に働かず、手でつかんだ部分に集中する。引きはがし力の集中はシートのゆがみを生じさせ、接着層の場所による転移不良原因になっていた。
接着層は画像部のみに接着するので、画像の無い部分は引き剥がし抵抗は無い。この抵抗の大小のため、片手作業は引き剥がし速度の一定化が難しい。又、引きはがし力の集中問題もあり、引きはがし作業は両手で出来る方が良い。この目的で、Aシート背面を冷却剥離接着シートを介して熱プレス機テーブル側に保持させる手法も、一部で用いられている。熱プレスされるとAシートが接着して保持され、温度が下がると接着力が無くなるのでAシートを取り外せるシートである。便利ではあるが、繰り返し使用すると紙紛の付着などの原因で次第に接着力が低下して、短期間で使用できなくなる。Aシートを取り外せる程度に温度が下がる冷却時間は作業が出来ない課題もあった。
本発明は、AB両シートの引き剥がし時に、ファスナーを使用してAシートを熱プレステーブル側に保持させるか、Bシートの上端部を保持させた棒状体をBシートの下端方向へ移動させて引き剥がすことで、厳密な温度と時間の管理をしなくても容易に画像の形に精密に接着層を転移させることが出来る方法と用具を提供することを目的としたものである。
本発明第一の課題解決手段は、上記目的を達成するために、トナー画像を載せるAシートと接着層を形成したBシートが対になったトナー画像転写シートにおいて、画像部分のみに接着層を転移させるための熱プレスしたAB両シートの引き剥がし工程で、Aシートの少なくとも上端部を熱プレス機テーブル側に保持させる一方で、Bシートはその上端部を保持して下端方向へ捲り上げて行く方法を採るが、Aシート上端部の前記保持手段が、少なくとも一方が熱プレス機テーブル側へ取り付けられた対になったファスナーでAシート上端部を両側から挟んで結合させて熱プレス機テーブル側へ固定させる保持手段か、又は、Bシート上端部の前記保持手段が、棒状体に設けられた開閉可能なクランプ部でBシート上端部を挟み付けた後、棒状体に設けられたホールド機構でクランプ部の挟み付け状態を維持させる手段か、少なくともいずれか一方の手段を採用していることを特長とするAB両シートの引き剥がし方法である。
また、第二の課題解決手段は、第一の課題解決手段において、対になったファスナーでAシート上端部を両側から挟む前記結合作業を熱プレス前に終えておくことを特長とする請求項1のるAB両シートの引き剥がし方法である。
第三の課題解決手段は、前記第一、又は第二の課題解決手段において、前記対になったファスナーが面ファスナーであって、Aシートを挟む対になった面ファスナーが結合できるように、Aシートの面ファスナーが被さる範囲内の一部に貫通穴が開けられることを特長とする請求項1、又は2のいずれかのるAB両シートの引き剥がし方法である。
第四の課題解決手段は、前記第一〜第三の課題解決手段において、前記ホールド機構が、前記棒状体に指し込まれた軸方向にスライド可能なスリーブを挟み付け状態の前記クランプ部にスライドして被せて開かないようにホールドする機構であることを特長とする請求項1〜3のいずれかのるAB両シートの引き剥がし方法である。
第五の課題解決手段は、前記第一〜第四の課題解決手段において、Bシート上端部を保持した下端方向への前記移動手段が、棒状体を丸パイプ状に形成して、Bシートを挟み付けて締め付け状態を維持させてBシート背面上を回転移動させる手段であることを特長とする請求項1〜4のいずれかのるAB両シートの引き剥がし方法。
第六の課題解決手段は、対になったファスナーの少なくとも一方が溝の中に取り付けられているか、又は、対になったファスナーの少なくとも一方を溝の中に格納できるような構造のフェルト、又はスポンジゴムシート(以下、テーブルパッド)であって、熱プレス工程で熱プラテンとテーブルパッドとの間に挟まれるファスナーが熱や圧力で変形したり、結合不良を起したり、熱プレス転写圧の障害にならないだけ溝が深く、且つテーブルパッドに載置されるAシートの少なくとも上端部を保持させる対になったファスナーの結合が容易に行える程度に溝が浅い、ことを特長とする熱プレス機テーブル側に載置されるテーブルパッドである。
第七の課題解決手段は、前記第六の課題解決手段において、前記対になったファスナーが面ファスナーであることを特長とするテーブルパッドである。
第八の課題解決手段は、閉めた時にBシートを挟み付けることの出来る開閉可能なクランプ部と、Bシートを挟み付けたクランプ部にスライドして被せて開かないようにホールド出来る軸方向にスライド可能なスリーブとを備えたことを特長とする棒状体である。
第九の課題解決手段は、前記第八の課題解決手段において、棒状体軸方向にスライド可能な前記スリーブの軸方向外側に、ベアリングか、又は摺動材を備えていることを特長とする棒状体である。
上記第一の課題解決手段による作用は、接着層の転移を、場所による転移ムラなどが無く、高い成功率で安定して行なえるようになることである。Bシートの引き剥がしを一定速度で進め易いこと、引き剥がしでシートのゆがみ発生を抑えられること、この二つの作業効果による。
Aシートをテーブル側に保持させるので、両手をBシートの引き剥がしに使える。引き剥がし抵抗に大小があっても、片手作業より速度変化を抑えられる。Aシートのテーブル側保持では対になったファスナーが用いられるので、冷却剥離接着シートのように接着力が低下して短期間で使用出来なくなることは無い。
両シートのうちの一方だけでも、引き剥がし中のゆがみを軽減できれば、接着層の転移ムラ発生を抑えてくれる。。ファスナーでのAシートの保持、棒状体でのBシートの挟み付けのいずれも、シート幅方向を広くつかむ。引き剥がし力をシート長さ方向である下端方向へ働かせるなら、ゆがみは起こり難い。それぞれのシートの保持は上端部8〜12mm幅程度が好ましい。Bシート上端部は熱プレス前に捲りやすいよう折り返しておく。Bシートの上端の接着層に紙テープなどを貼り付けておくのも捲るのに役立つ。
熱プラテンがテーブル上方に開放される二つ折り式(clamshell型)転写機がある。Bシートの挟み付けは、市販の幅広クリップのようなものでも可能だが、プレス機奥の熱プラテン下方のBシート上端部付近は、スペースを確保しにくい。本発明の棒状体のような横に細長い形状が有効である。
Aシートの保持には、テーブル側へ取り付けたファスナーの一方に他方を被せるが、位置に束縛の無いのフリーな他方を被せるよりは、同じ位置に被るような角度で他方もテーブル側に取り付けられている方が作業が楽になる。
上記第二の課題解決手段による作用は、引き剥がし作業を迅速に開始できることである。熱プレス後は短時間で剥離処理を終えないと温度が降下してきて、接着層のトナー画像への転移不良が発生する。対になったファスナーでAシート上端部を両側から挟む前記結合作業を熱プレス前に終えているなら、熱プレス後すぐに接着層の保持、引き剥がしにかかれる。
上記第三の課題解決手段による作用は、対になったファスナーを結合させた時の厚みが他のファスナーと比較して薄くなるので、熱プレス圧が掛からないよう設ける溝の深さを浅めにできる。又、結合と分離作業の繰り返しに長期耐久性があり、Aシートの面ファスナーが被さる範囲内にパンチング穴などの貫通穴が開けられていれば、Bシートの引き剥がし力に耐える十分な結合力が得られる。貫通穴は、事務機用パンチング穴あけ機で、Aシート幅方向に直径4〜7mm程度の多数の丸穴を開けるなどをすればよい。耐熱性の高い面ファスナーとしては、ナイロンや、ポリエステル系のものがある。
上記第四の課題解決手段による作用は、クランプ部構造が簡易になり、低コストで製造できることである。棒状体クランプ部のAシート加圧面にゴム体やスプリングを使用しているなら、棒状体に指し込まれた軸方向にスライド可能なスリーブをスライドして被せるだけでクランプが開かないようにホールドできる。ゴムやスプリング弾性による反発力で、指し込んだスリーブは脱落しなくなる。
上記第五の課題解決手段による作用は、棒状体とスリーブを丸パイプ状にすれば、Bシートの引き剥がしは、回転させながらの移動で可能になる。棒状体のBシート背面上での移動が回転移動で可能になれば、一定速度で進ませ易く、引き剥がし速度の変化による不良を減らせる。又、棒状体の回転移動で熱プレス後の高温になったテーブル側のスポンジゴムにAシートを押し付けることが出来るので、作業中に温度が下がってくる従来方式に比べて、最適温度維持に役立つことである。棒状体を事前に温めておけば、さらに有効である。
上記第六の課題解決手段による作用は、本課題解決手段のテーブルパッド使用によって、第一〜第三の課題解決手段による各作用が得られることである。対になったファスナーの一方の溝部への密着力は、BシートをAシートから引き剥がす力に耐える強度が無ければならない。耐熱糸で縫い付けたり、シリコン接着剤などを用いれば十分な強度が得られる。ファスナーを支持体に固着させて、支持体を溝の中に格納できるような構造のテーブルパッドの場合なら、BシートをAシートから引き剥がす力で支持体が溝から飛び出さない格納構造が必要である。これは、溝部の上方に支持体を通過させない程度のストッパーを設けておけば可能である。溝部に取り付けられるファスナーの対になった他方も、テーブル側に取り付けてあった方がAシートを挟む作業を迅速化できる。
ファスナーは、熱プレスで押しつぶされないよう、溝部の深さが十分深くないといけない。押しつぶされるかどうかは、溝の深さだけでなく、テーブルパッドの硬度にも影響を受ける。テーブルパッドが柔らかければ熱プレスで圧縮されるので、下降した熱プラテンにファスナーが潰される危険が高まる。熱プレス機のテーブルに接着されているスポンジゴムシートの硬度は、ショア硬度A10〜50程度が一般的である。本発明で用いられるテーブルパッドも同様硬度の使用が好ましく、プレス圧でファスナーの結合に問題を生じないよう、溝の中のファスナー高さの基本は、テーブルパッド表面と同じレベル以下である。面ファスナーは結合のためのフックとループ起毛素材が樹脂製で熱軟化するものが多いので、テーブルパッド表面からは数ミリ下方になるようにするのがより好ましい。硬質素材でファスナーを作製した場合は、熱の結合への影響は少ないが、位置が高過ぎるとプレス圧の障害になるので、これらの高さもテーブルパッド表面と同レベル以下にするのが好ましい。
ファスナーの溝には結合不良を起こさない程度に深いだけでなく、Aシートの上端部の挟み付けを容易に行える程度に浅いことも望まれる。Aシートの上端部を容易に押し込むためには溝側のファスナー上面がテーブルパッド表面下方の4mm以内の浅さにするのが好ましい。より好ましくは2mm以内である。
溝は、テーブル側に取り付けるファスナーをテーブル側表面から適切な位置まで下がった高さに保持するために設けるものだが、一定幅である必要は無く、さらには、Aシート上端位置よりも熱プレス機の奥側は、高さをテーブル側表面まで戻さなくてもよい。下がったままL字型にカットされた形でもよい。AB両シートの加圧に影響が小さいからである。
Bシート引き剥がし作業中に、テーブルパッドが熱プレス機シリコンスポンジゴムの上で滑らないようにするには、テーブルパッドの先端に熱プレス機テーブルに引っ掛けるフックを設ければよい。テーブルパッドは一体物でなく、溝部を持つ先端部とAシートを載せる載置部との二つのパーツの突合せから構成することも出来る。Bシート引き剥がし力は載置部にはかからないので、フックは先端部側に取り付ける。
上記第七の課題解決手段による作用は、引き剥がし力に耐える十分な結合力が得られることと、対になったファスナーの結合時の厚さが2〜3mm程度と他のファスナーより薄いので、溝に埋め込むのが容易になることである。耐熱性の点では不利になるが、本発明が対象とするトナー画像の熱転写方法でのプレス温度は170℃以下程度が多く、ナイロンや、ポリエステル系樹脂製のファスナーが使用できる。
上記第八の課題解決手段による作用は、容易にAシートの上端部の挟み付けと、挟み付け状態の維持が出来ることである。棒状体は、開閉可能なクランプ部でBシート上端部の挟み付けと挟み付け状態の維持が出来る。クランプ部の開閉機構としては、ヒンジ方式が採用できる。通常はヒンジを開いておいて、折り返したBシートをくわえるように指し込んだ後、ヒンジを閉じてホールド機構でクランプ部の挟み付け状態を維持させればよい。クランプ部のBシート上端部の挟み付け面にはゴムなどの柔軟材を付けておくと密着が良くなりBシートが抜けにくくなる。
クランプ開閉機構としてのヒンジは、材と材の接点となる固定軸を支柱として回転出来る代表的なものだけでなく、材と材の接点部厚みを薄くして、あるいは布などの柔軟剤で繋いで、ある程度の範囲の回転が出来るようにした固定軸の無いヒンジも採用できる。
上記第九の課題解決手段による作用は、棒状体軸方向外側のベアリングか、又は摺動材を持ってBシート背面上を軽く押しながら移動することで回転移動が可能になることである。摺動材は、自己潤滑性で低摩擦のスリーブリング形状各種素材が使用でき、ベアリングより低コストで厚みを薄く出来るので有利である。
ここで言葉の定義などの補足をする。本発明で言う対になったファスナーとは、面ファスナーのような柔軟なテープ状の物だけを意味するのでなく、バネホックや、NS極で引き合うマグネットボタン、さらには鋲と耐熱発泡ボードの組み合わせ、のような硬質素材を並べて、少なくとも一方をテープ状、あるいは板状に出来、結合と分離を繰り返し行える物を意味している。
熱プレス機のテーブル側という表現は、テーブルに標準装備されているシリコンスポンジゴムだけでなく、標準装備シリコンスポンジゴムに載せた本発明のテーブルパッドも含んで意味している。Aシートの上端部をテーブル側に保持させるとは、標準装備シリコンスポンジゴムに保持させるか、テーブルパッドに保持させるかのいずれかの意味である。標準装備シリコンスポンジゴムにAシートを直接保持させる場合は、シリコンスポンジゴムへ溝を設けてファスナーを取り付ける。
熱プレス機で布への昇華転写を行う場合は、布の下側に、デュポン社のアラミド繊維Nomexに代表されるフェルトが敷かれる。テーブルパッド素材として、このようなフェルトも使用できる。シリコンスポンジゴムシート同様、厚さは7〜10mm程度が好ましい。
上述したように、本発明によれば、Aシートをテーブル側に保持させ、両手でBシートを保持して引き剥がして行くことが出来、いずれのシート上端部の保持もシート幅全体を挟んでの保持が可能なので、引き剥がし作業でのシートのゆがみ発生が抑えられ、接着層の画像部への転移は不良なく、安定した品質で繰り返せるようになる。
熱プレスした時の、AシートとBシート、本発明の棒状体とプレス機テーブル側のテーブルパッドとの位置関係を示す模式図である。 本発明の棒状体を示す立体図である。
本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1の矢印で示すように、熱プレス後、Aシート5からBシート6を引き剥がすために、幅10mm程度のBシート上端折り返し部7に向かってクランプ部をわずかに開いた状態で棒状体1を下降させる。Bシート上端折り返し部7をクランプ部で挟んだ後は、棒状体1に装着してあるスリーブ10をスライド移動して棒状体可動クランプ板3に被さる位置で止めて挟み付け状態を維持させる。クランプ部挟み付け面12にゴム体を取り付ければ、クッションになってスリーブ10の脱着と、Bシートの抜け落ち防止に役立つ。
Aシート5、Bシート6は、テーブルパッド2に載っている。テーブルパッド2はその奥側にフック11を取り付けて熱プレス機テーブル奥に引っ掛けてあれば、引き剥がし作業中に滑ることは無い。テーブルパッド2には、溝部4を設けて置き、対になったファスナーの一方のテープ8を格納している。図1では、対になったファスナーの他方のテープ9が左外側に垂らしてあるが、熱プレス時、あるいは熱プレス後のBシート6の引き剥がし前には対になったファスナーの一方のテープ8とAシート5上端部を挟んで結合させる。結合の後に、Bシート上端折り返し部7を挟んだ棒状体1を、図1矢印に示す右下方向に向かって移動して、Bシート6が引き剥がされる。
図2の棒状体可動クランプ板3の開閉は、ヒンジ部13によって可能になっている。棒状体1の移動を回転で行なうためには、スリーブ10の外側同軸上に、ベアリング、又は摺動材を指し込んでおく。
本実施例では、開閉可能なクランプ部を備えた棒状体と、面ファスナーを溝部に接着したテーブルパッドを用意して、Bシートの上端部を保持させた棒状体をBシートの上方で移動させて引き剥がす手法を試みた。
トナー画像転写紙は、ABシートが対になったTCダーク(商標・サンリュウ社)A4サイズを、画像形成には、OKI C 941dnプリンタ(商標・沖データ社)を用いた。面ファスナーは、雄雌テープの結合厚さが2.5mm程度になる市販のナイロンを主素材とした耐熱タイプを選んだ。これを幅10mm長さ350mmに切断して、基材の柔らかなループ状起毛側テープをテーブルパッド溝部に接着した。硬めのフック状起毛側テープは、その一端のみ溝部横に接着し、ループ状起毛側テープに引き伸ばして被せることが出来るようにした。
棒状体は、外径21.7mm、肉厚2.8mmの鋼パイプ中央の350mm幅を半割パイプ状に切り出して分離し、パイプ本体側とこの半割パイプ側を、ヒンジ開閉の軸の代わりに耐熱テープで貼り繋いだ。パイプ外側だけでなく、開閉を阻害しない範囲で内側からも貼り合わせ補強した。半割パイプの他方のBシート挟み付け面には2mm厚さのシリコンゴムシートを貼った。挟み付け状態維持のための内径22mmのスリーブを棒状体可動クランプ板の両側に10mm程度被せてBシートを保持出来た。テーブルパッドとしては、8mm厚さでショア硬度A40のシリコンスポンジゴムシートを用い、接着したループ状起毛側テープ表面がテーブルパッド表面より2mm下になるようを溝部を形成した。
事務用パンチング機を用いて5.5mm直径の貫通穴を間隔9.5mmでTCダークのAシートの上端部に開けおき、熱プレス前にこの貫通穴を通じて面ファスナー雄雌テープを結合させAシートを溝部に保持させた。Aシートに重ね合わせたBシートは接着層側上端部10mm幅程度に紙テープを貼って折り返しておいた。165℃20秒間の熱プレス後、折り返し部を垂直に引き上げ、棒状体を降ろしてクランプ部で折り返し部を挟み込んだ。
この棒状体を、Bシート下端方向へ移動して、接着層の画像部のみへの転写を完了した。場所によるムラが無く、良好な転写結果が得られた。又、従来手法よりも、容易に作業できた。
本実施例では、実施例1で用いた棒状体と、バネホックを並べて作製したファスナーを取り付けたテーブルパッドを用意して、Bシートの引き剥がしを棒状体の回転移動で行う手法を試みた。クランプ部外周に1.5mm厚さのシリコンゴムシートを貼り合わせて、クランプ部締め付け維持用のスリーブが棒状体回転を阻害しないようにした。
トナー画像転写紙としては、ABシートが対になったスクリーン印刷用版を製作できるEXO stencil(商標・Neenah Paper社)を、画像形成には、OKI C 941dnプリンタを用いた。バネホックは外形11mmのものを用い、パンチング機穴間隔38mmに合うよう配置した。溝側は1mmステンレス板材にバネホック雄側を並べて固定し、シリコン接着剤で溝部に取り付けた。対になるもう一方はフッ素樹脂ベルト材に雌側を並べて耐熱糸で縫いつけた。溝側は1mmステンレス板上側をテーブルパッド表面より4mm低い位置にすると、結合時のバネホック高さは0.5mmテーブルパッド表面より低く出来た。
条件93℃で25秒間と熱プレス条件は異なるが、実験1と同様な作業で進めた。棒状体の移動はBシート下端方向への回転移動で行った。場所によるムラが無く、良好な転写結果が得られた。
本発明は、カッティング工程無しにトナー画像転写をする作業において、容易に安定して画像の形を精密に転写できる方法と用具の提供であり、布地への転写やスクリーン印刷用製版目的で広く活用され得る。
1 棒状体
2 テーブルパッド
3 棒状体可動クランプ板
4 溝部
5 Aシート
6 Bシート
7 Bシート上端折り返し部
8 対になったファスナーの一方のテープ
9 対になったファスナーの他方のテープ
10 スリーブ
11 フック
12 クランプ部挟み付け面
13 ヒンジ部

Claims (9)

  1. トナー画像を載せるAシートと接着層を形成したBシートが対になったトナー画像転写シートにおいて、画像部分のみに接着層を転移させるための熱プレスしたAB両シートの引き剥がし工程で、Aシートの少なくとも上端部を熱プレス機テーブル側に保持させる一方で、Bシートはその上端部を保持して下端方向へ捲り上げて行く方法を採るが、
    Aシート上端部の前記保持手段が、少なくとも一方が熱プレス機テーブル側へ取り付けられた対になったファスナーでAシート上端部を両側から挟んで結合させて熱プレス機テーブル側へ固定させる保持手段か、
    又は、Bシート上端部の前記保持手段が、棒状体に設けられた開閉可能なクランプ部でBシート上端部を挟み付けた後、棒状体に設けられたホールド機構でクランプ部の挟み付け状態を維持させる手段か、
    少なくともいずれか一方の手段を採用していることを特長とするAB両シートの引き剥がし方法。
  2. 対になったファスナーでAシート上端部を両側から挟む前記の結合させる作業を熱プレス前に終えておくことを特長とする請求項1のAB両シートの引き剥がし方法。
  3. 前記対になったファスナーが面ファスナーであって、Aシートを挟む対になった面ファスナーが結合できるように、Aシートの面ファスナーが被さる範囲内の一部に貫通穴が開けられることを特長とする請求項1、又は2のいずれかのAB両シートの引き剥がし方法。
  4. 前記ホールド機構が、前記棒状体に指し込まれた軸方向にスライド可能なスリーブを挟み付け状態の前記クランプ部にスライドして被せて開かないようにホールドする機構であることを特長とする請求項1〜3のいずれかのAB両シートの引き剥がし方法。
  5. Bシート上端部を保持した下端方向への前記捲り上げて行く方法が、棒状体を丸パイプ状に形成して、
    Bシートを挟み付けて締め付け状態を維持させてBシート背面上の回転移動であることを特長とする請求項1〜4のいずれかのAB両シートの引き剥がし方法。
  6. 請求項1に記載のAB両シートの引き剥がし方法を構成するAシート上端部の保持手段において用いられるフェルト、又はスポンジゴムシート(以下、テーブルパッド)であって、
    対になったファスナーの少なくとも一方が溝の中に取り付けられているか、又は、対になったファスナーの少なくとも一方を溝の中に格納できるような構造を持ち、
    熱プレス工程で熱プラテンとテーブルパッドとの間に挟まれるファスナーが熱や圧力で変形したり、結合不良を起したり、熱プレス転写圧の障害にならないだけ溝が深く、
    且つテーブルパッドに載置されるAシートの少なくとも上端部を保持させる対になったファスナーの結合が容易に行える程度に溝が浅い、
    ことを特長とする熱プレス機テーブル側に載置されるテーブルパッド。
  7. 前記対になったファスナーが面ファスナーであることを特長とする請求項6の熱プレス機テーブル側に載置されるテーブルパッド。
  8. 請求項1に記載のAB両シートの引き剥がし方法を構成するBシート上端部の前記保持手段において用いられる棒状体であって、
    閉めた時にBシートを挟み付けることの出来る開閉可能なクランプ部と、
    Bシートを挟み付けたクランプ部にスライドして被せて開かないようにホールド出来る軸方向にスライド可能なスリーブとを備えたことを特長とする棒状体。
  9. 棒状体軸方向にスライド可能な前記スリーブの軸方向外側に、ベアリングか、又は摺動材を備えていることを特長とする請求項8記載の棒状体。
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