JP6865784B2 - 深紫外発光素子 - Google Patents

深紫外発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6865784B2
JP6865784B2 JP2019078464A JP2019078464A JP6865784B2 JP 6865784 B2 JP6865784 B2 JP 6865784B2 JP 2019078464 A JP2019078464 A JP 2019078464A JP 2019078464 A JP2019078464 A JP 2019078464A JP 6865784 B2 JP6865784 B2 JP 6865784B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light emitting
emission
deep ultraviolet
ultraviolet light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019078464A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019192908A (ja
Inventor
柴田 智彦
智彦 柴田
岳広 宮地
岳広 宮地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Electronics Materials Co Ltd
Original Assignee
Dowa Electronics Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Electronics Materials Co Ltd filed Critical Dowa Electronics Materials Co Ltd
Priority to US17/045,179 priority Critical patent/US11251338B2/en
Priority to PCT/JP2019/016694 priority patent/WO2019203322A1/ja
Priority to CN201980026705.1A priority patent/CN112005388A/zh
Priority to TW108113904A priority patent/TWI757598B/zh
Publication of JP2019192908A publication Critical patent/JP2019192908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6865784B2 publication Critical patent/JP6865784B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/26Materials of the light emitting region
    • H01L33/30Materials of the light emitting region containing only elements of Group III and Group V of the Periodic Table
    • H01L33/32Materials of the light emitting region containing only elements of Group III and Group V of the Periodic Table containing nitrogen
    • H01L33/325Materials of the light emitting region containing only elements of Group III and Group V of the Periodic Table containing nitrogen characterised by the doping materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/08Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies with a plurality of light emitting regions, e.g. laterally discontinuous light emitting layer or photoluminescent region integrated within the semiconductor body
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/36Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the electrodes
    • H01L33/38Semiconductor devices having potential barriers specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the electrodes with a particular shape

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Description

本発明は、深紫外発光素子に関する。
Al,Ga,InなどとNとの化合物からなるIII族窒化物半導体は、直接遷移型バンド構造をもつワイドバンドギャップ半導体であり、殺菌、浄水、医療、照明などの幅広い応用分野が期待される材料である。特に、発光層にIII族窒化物半導体を用いた発光素子は、III族元素の含有比率を調整することで深紫外光から可視光領域までをカバーすることができ、種々の光源への実用化が進められている。
波長200〜350nmの光は深紫外光と呼ばれ、深紫外光を発光する深紫外発光素子は、一般的には以下のとおりにして作製される。すなわち、サファイアやAlN単結晶等の基板上に、バッファ層を形成し、III族窒化物半導体からなるn型半導体層、発光層、p型半導体層を順次形成する。次いで、n型半導体層と電気的に接続するn側電極、p型半導体層と電気的に接続するp側電極をそれぞれ形成する。p型半導体層のp側電極側には、オーミック接触を取るため、ホール濃度を高めやすいp型GaNコンタクト層を形成するのが一般的である。また、発光層には、III族窒化物半導体からなる障壁層と井戸層とを交互に積層した多重量子井戸(MQW)構造が広く用いられている。
また、特許文献1には、AlxGa1-xN材料(但し、0.7≦x≦1.0)からなるn型コンタクト層上に、AlyGa1-yN材料(但し、0≦y≦0.5)からなる中間層を介してn電極を形成した窒化物発光素子が開示されている。
深紫外発光素子の発光中心波長は深紫外領域にある。ただし、その発光スペクトルの裾は、肉眼では感知できない紫外線領域よりも、可視光側の長波長の領域にも及ぶ。そのため、深紫外発光素子の発光状態を肉眼で観察すると、深紫外発光素子が青色の光を発しているかのように見えるのが通常である。
特開2010−161311号公報
深紫外発光素子の被照射体の一例として、肉類等の食品が挙げられる。深紫外発光素子が発光する深紫外光を食品等に照射することにより、食品等の殺菌や、菌の増殖を抑えることができる。深紫外光を食品等に照射する状況として、食品等を店舗棟の売り場やレストラン等に陳列しながら行うことも想定される。
従来技術の深紫外発光素子が、深紫外光を発光しつつ、青色や紫色の可視光を発光することは前述のとおりである。肉類等の食品に青色や紫色の可視光が照射された場合には、肉眼では肉類等の色が変色して見えてしまうため、外観が損なわれる場合があった。
また、深紫外発光素子が発光しているかどうかを確認するために、上述した青色や紫色の可視光を活用する方法もある。しかし、目を守るための紫外光をカットする眼鏡等を使用している場合、青色や紫色の可視光も同時にカットされるため、上記方法を採用しても深紫外発光素子が発光しているかどうかを確認することが困難な場合もあった。
そこで、本発明は、被照射体の演色性にも配慮した深紫外発光素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した結果、深紫外光の1次発光に起因する、青紫色を含む2次発光と、黄緑色を含む2次発光とを同時に得つつ、それらの発光の強度比を同程度とすることで、深紫外光以外の光が白色(または白色に近いシアン色)となる深紫外発光素子が得られることに着目し、以下の発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)III族窒化物半導体からなるn型半導体層、発光層およびp型半導体層を順次有する深紫外発光素子であって、
前記深紫外発光素子の発光スペクトルは、200nm以上350nm以下の波長域に1次発光ピーク波長を有し、
前記1次発光ピーク波長の発光強度を100%とした場合における2次発光の発光強度を相対発光強度として、前記発光スペクトルは、
波長域430〜450nmの全域において0.03〜10%の相対発光強度を有する青紫色の2次発光成分と、
波長域540〜580nmの全域において0.03〜10%の相対発光強度を有する黄緑色の2次発光成分とをさらに有し、
波長560nmにおける発光強度に対する、波長435nmにおける発光強度の比が、0.5〜2であることを特徴とする深紫外発光素子。
(2)前記p型半導体層が、前記青紫色の2次発光成分を発する第1コンタクト層を含み、
前記n型半導体層が、前記黄緑色の2次発光成分を発する第2コンタクト層を含む、上記(1)に記載の深紫外発光素子。
(3)前記第1コンタクト層と前記第2コンタクト層とが交互に並ぶ位置にある、上記(2)に記載の深紫外発光素子。
(4)前記第1コンタクト層は、Mg濃度が1×1018/cm3以上のMgドープAlxGa1-xN層(0≦x≦0.3)であり、
前記第2コンタクト層は、Si濃度が1×1018/cm3以上のSiドープAlyGa1-yN層(0≦y≦0.3)である、上記(2)または(3)に記載の深紫外発光素子。
本発明によれば、被照射体の演色性にも配慮した深紫外発光素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に従う深紫外発光素子の模式断面図である。 本発明の一実施形態に従う深紫外発光素子の平面図である。 本発明の一実施形態に従う深紫外発光素子の別の態様の平面図である。 発明例1の発光時の金属顕微鏡写真である。 比較例1の発光時の金属顕微鏡写真である。 発明例1の発光時のデジタルカメラ写真である。 比較例1の発光時のデジタルカメラ写真である。 発明例1および比較例1の発光スペクトルを示すグラフである。
本発明に従う実施形態の説明に先立ち、以下の点について予め説明する。まず、本明細書においてAl組成比を明示せずに単に「AlGaN」と表記する場合は、III族元素(Al,Gaの合計)とNとの化学組成比が1:1であり、III族元素AlとGaとの比率は不定の任意の化合物を意味するものとする。この場合、III族元素であるInについての表記がなくとも、III族元素としてのAlとGaに対して5%以内の量のInを含んでいてもよいものとする。また、後述の第1コンタクト層と第2コンタクト層については10%以内のInを含んでいてもよいこととする。また、単に「AlN」または「GaN」と表記する場合は、それぞれGaおよびAlは組成比に含まないことを意味するが、単に「AlGaN」と表記することによって、AlNまたはGaNのいずれかであることを排除するものではない。なお、Al組成比の値は、フォトルミネッセンス測定およびX線回折測定などによって測定することができる。
また、本明細書において、電気的にp型として機能する層をp型層と称し、電気的にn型として機能する層をn型層と称する。一方、MgやSi等の特定の不純物を意図的には添加しておらず、電気的にp型またはn型として機能しない場合、「i型」または「アンドープ」と言う。アンドープの層には、製造過程における不可避的な不純物の混入はあってよく、具体的には、キャリア密度が小さい(例えば4×1016/cm3未満)場合に「アンドープ」である、と本明細書において称する。また、MgやSi等の不純物濃度の値は、SIMS分析によるものとする。
また、エピタキシャル成長により形成される各層の厚みは、光干渉式膜厚測定器を用いて測定することができる。さらに、各層の厚みのそれぞれは、隣接する各層の組成が十分異なる場合(例えばAl組成比が、0.01以上異なる場合)、透過型電子顕微鏡による成長層の断面観察から算出できる。また、隣接する層のうち、Al組成比が同一であるか、または、ほぼ等しい(例えば0.01未満)ものの、不純物濃度の異なる層の境界および厚みについては、両者の境界ならびに各層の厚みは、TEM−EDSに基づく測定によるものとする。そして、両者の不純物濃度は、SIMS分析により測定できる。また、量子井戸構造や超格子構造のように各層の厚みが薄い場合にはTEM−EDSを用いて厚みを測定することができる。
本発明における1次発光とは、深紫外発光素子の発光スペクトル(横軸を波長とし、縦軸を発光強度とする)において、最も発光強度の大きい発光を指す。また、その発光強度が最大となる波長を1次発光ピーク波長とする。そして、本発明による深紫外光発光素子における1次発光ピーク波長は200nm以上350nm以下の範囲内の深紫外光である。本発明を、中心発光波長が250nm以上320nm以下である深紫外発光素子に供すると、さらに効果的である。
そして、本発明による深紫外発光素子は、その発光スペクトル(例えば200nm〜860nmの範囲)において、前記1次発光のほかに、青紫色の波長帯(430〜450nm、代表波長:435nm)における2次発光成分と、黄緑色の波長帯(540〜580nm、代表波長:560nm)における2次発光成分とを有する。
上記の2次発光は1次発光により光励起されて発光するものであるため、2次発光の発光強度は1次発光のそれよりも低い。そこで、発光スペクトルの縦軸を対数表示とし、1次発光ピーク波長の発光強度を100%とした場合における2次発光の発光強度を相対発光強度(%)と定義する。本発明において、2次発光成分の相対発光強度は10%以下であり、より好ましくは1%以下である。また、相対発光強度は0.03%以上であり、より好ましくは0.05%以上である。相対発光強度が0.03%未満の場合、2次発光の強度が小さすぎて、本発明の効果である演色性に寄与しない恐れがあるためである。
すなわち、本発明に従う深紫外発光素子において、
・波長域430〜450nmの全域において相対発光強度が0.03〜10%の発光成分がある場合に、青紫色の2次発光成分があると判断し、
・波長域540〜580nmの全域において相対発光強度が0.03〜10%の発光成分がある場合に、黄緑色の2次発光成分があると判断するものとする。
そして、本発明者が鋭意検討した結果、発光素子の発光スペクトルを測定したときの435nm(青紫色)と560nm(黄緑色)の発光強度の比が、0.5〜2であることにより、深紫外光以外の光が白色(または白色に近いシアン色)となることを見出した。また、発光スペクトルを測定したときの560nm(黄緑色)の発光強度に対する435nm(青紫色)の発光強度の比が、0.6〜1.8である好ましく、0.8〜1.5であることがより好ましい。
なお、本発明による深紫外発光素子は、白色光が発光の主とする白色の発光素子ではなく、あくまで深紫外光を主として発する深紫外発光素子であることは、1次発光ピーク波長の発光強度に基づき当然に理解される。
発光スペクトルの測定を行う際の発光素子への通電は、2次発光が十分に行われるよう、1次発光の出力が得られれば良く、例えば40mA以上が好ましく、発光出力が5mW以上となるようにすることが好ましい。また、発光スペクトルの測定は、例えば、AlNサブマウントに実装されたLEDチップをPCB(printed circuit board)基板に実装し、直流電源を用いて150mAを通電し、光ファイバーを通じて分光装置で測定を行えばよい。
評価装置としては、浜松ホトニクス製PMA−11シリーズ 分光測光装置C7473(計測可能波長範囲200〜950nm)を用いる。測定手順としては、迷光成分のキャンセルのため、バックグランド測定を行った後、実際のLEDのスペクトル測定を行う。計測波長範囲の下限は深紫外発光素子の1次発光ピーク波長に合わせて設定してよい(例えば波長240nm)。また、本発明において、可視光成分が重要であるため赤外光は測定しなくてもよく、計測波長範囲の上限を例えば860nmに設定してもよい。
また、発光強度は、校正されたキセノンランプでキャリブレーションした値を用いるものとする。
1次発光の発光強度に対して2次発光の発光強度は小さいため、発光スペクトルの縦軸(発光強度)を対数表示とすることで2次発光を確認する。
なお、1次発光の波長が長波長である(例えばピーク波長が350nm)場合は、1次発光の裾が青紫色に及び、2次発光成分の範囲が分かりにくい場合があるが、その場合であっても、波長域430〜450nmおよび波長域540〜580nmの相対強度が前述の条件を満足しつつ、435nmを代表値とした発光強度と、黄緑色(560nm)の発光強度との比が、上記範囲であれば白色(または白色に近いシアン色)の発光が観察される。
以下、図面を参照して本発明に従う実施形態について説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、各図において、説明の便宜上、基板および各層の縦横の比率を実際の比率から誇張して示している。
(深紫外発光素子100)
本発明の一実施形態に従う深紫外光発光素子100は、図1Aに示すように、基板10上に、n型半導体層20、発光層30およびp型半導体層40を順次有し、さらに随意に他の構成を有するものである。
また、p型半導体層40が、発光層30からの1次発光で励起されて青紫色を含む2次発光を発する第1コンタクト層50を含み、n型半導体層20が、1次発光で励起されて黄緑色を含む2次発光を発する第2コンタクト層60を含むことが好ましい。さらに、図1A,図1Bに例示するように、第1コンタクト層50と第2コンタクト層60とが交互に並ぶ位置にあることが好ましい。なお、図1Aは、図1BのA−A断面図に対応する。そして、第1コンタクト層50および第2コンタクト層60が交互に並ぶ位置にあるとは、例えば、第1コンタクト層50および第2コンタクト層60を同一面上に平面視した仮想平面(図1B参照)において、第1コンタクト層50の形状は、間隙を介して互いに平行な複数の細片からなる短冊型形状であり、かつ、前記短冊型形状の間隙において第2コンタクト層60の少なくとも一部が前記複数の細片に対して互いに平行に配置されることをいう。第1コンタクト層50および第2コンタクト層60を平面視した仮想平面において、交互に並んでおらず、例えば第1コンタクト層50が大部分となる偏在領域と第2コンタクト層60が大部分となる偏在領域とが生じている場合は、発光素子として青紫色と黄緑色の両方が見えるようになる恐れがあるため、第1コンタクト層50および第2コンタクト層60が交互に並ぶ位置にある方が好ましい。また、図2に例示するように、n型半導体層20および第2コンタクト層60をドット状に配列してもよい。
なお、第2コンタクト層60は、発光層30を除去して一部を露出させたn型半導体層20の表面に設けることができ、図1Aでは、該第2コンタクト層60上に、n側電極90が設けられている。
図1Aに示す態様は、p型電極80とn型電極90とが同じ側に存在するフィリップチップ型の深紫外発光素子100を例にしているが、本発明は図1Aのようなフィリップチップ型の素子に限定されない。p型電極とn型電極とが異なる側(対向する方向)に存在する垂直型の深紫外発光素子としてもよい。ただし、垂直型の素子においても、第1コンタクト層50と第2コンタクト層60とは互いに平行に配置されることが好ましい。
深紫外発光素子100の、第1コンタクト層50および第2コンタクト層60を平面視した仮想平面において、第1コンタクト層50および第2コンタクト層60の面積比は同程度であることが好ましく、例えば第2コンタクト層の面積に対する第1コンタクト層の面積の比は、0.5〜2の間であることが好ましい。そうすることで、黄緑色の波長帯(540〜580nm、代表波長:560nm)における2次発光成分の発光強度に対する青紫色の波長帯(430〜450nm、代表波長:435nm)における2次発光成分の発光強度の比が、上記範囲になりやすい。
また、本実施形態に従う深紫外光発光素子100は、基板10上に必要によりバッファ層(例えばAlN層)を介してもよく、n型半導体層20の一部上のn側電極90と、p型半導体層40上のp側電極80をさらに有することができる。
以下、図1A,図1Bを参照しつつ、本実施形態に従う深紫外発光素子100の特徴的な構成の一つである第1コンタクト層50と第2コンタクト層60の好適態様について、さらに詳細に説明する。
<第1コンタクト層>
本実施形態に従う第1コンタクト層50は、p型半導体層40のどの位置に配置されていてもよいが、p型電極80との界面にあることが好ましい。当該p型半導体層40の組成に関しては、発光層30から発せられる深紫外線を吸収して2次発光するよう組成を適宜調整する必要がある。第1コンタクト層50は、p型のAlxGa1-xN(0≦x≦0.3)においてp型ドーパントであるMgがドーピングされた場合の、不純物準位の励起波長が青色〜青紫色であることを利用することができる。発光層30からの深紫外光でも観察できる程度に励起発光するには、膜厚方向の平均Mg濃度(以下、単にMg濃度と記載する。)を例えば1×1018/cm3以上とすることが好ましい。そのため、p型電極80に接してオーミックコンタクトを得る層(コンタクト層)を兼ねることが好ましい。第1コンタクト層50のp型AlxGa1-xNは、10%以内のInを含んでいても良い。また、2次発光の発光強度および/またはp型電極80とのオーミックコンタクトを得る目的のため、第1コンタクト層50のMg濃度を5×1018/cm3以上とすることがより好ましい。一方、高抵抗化を防ぐためであるため、Mg濃度を1×1021/cm3以下とすることが好ましく、5×1020/cm3以下とすることがより好ましい。なお、第1コンタクト層50は超格子構造であってもよい。この場合、超格子構造の最もAl組成の低い層が上記Al組成x(0≦x≦0.3)の範囲内であることが好ましい。
<第2コンタクト層>
本実施形態に従う第2コンタクト層60は、n型半導体層20とn型電極90との間にあることが好ましい。第2コンタクト層60は、n型のAlyGa1-yN(0≦y≦0.3)においてn型ドーパントであるSiがドーピングされた場合の、不純物準位の励起波長が黄色または黄緑色であることを利用することができる。発光層からの深紫外光でも観察できる程度に励起発光するには、膜厚方向の平均Si濃度(以下、単にSi濃度と記載する。)は例えば1×1018/cm3以上であることが好ましい。なお、Siの濃度を多くする(例えば1×1019/cm3以上)方が、長波長の発光成分が増えて黄緑よりも黄色に近く見える発光をしやすくなる。その結果、より白色に近い発光に見えやすくなるため、Si濃度は1×1019/cm3以上であることがより好ましい。また、第2コンタクト層60がn型電極90に接してオーミックコンタクトを得る層(コンタクト層)を兼ねることが好ましい。Si濃度の上限は特に限定されるものではないが、結晶性の顕著な劣化が発生しない1×1021/cm3以下が好ましく、1×1021/cm3以下がより好ましい。また、第2コンタクト層60のn型AlyGa1-yNは、10%以内のInを含んでいても良い。また、第2コンタクト層60の厚みに関しては、当該励起発光を十分に生じさせるため、0.1μm以上とすることが好ましい。特に、第2コンタクト層60としては、電極とのコンタクト抵抗を低減でき、かつ後述するマスクとの選択成長が比較的容易なGaN層を用いることが好ましい。ただし、5%以下の不純物(例えば、Al、In)を含む場合でも同様の効果が期待できるため、本明細書におけるは、「GaN層」は5%以下でAlやInを含んでもよい。
また、他の実施形態として、素子の一部に、発光層30からの発光ピーク波長で励起されて赤色を発する層をさらに含むことができる。青紫色と黄緑色による白色は、赤色の対象物に対して演色性が悪い場合があるため、赤色を発する層を有している方が、さらに演色性が向上する。
赤色を発する層は、n型半導体層20、p型半導体層40のいずれに配置されていても良く、上記の第1コンタクト層50や第2コンタクト層60と縦に積層されていてもよいし、第1コンタクト層50や第2コンタクト層60の横に並ぶ(部分的に置き換えられる)ようにしてもよい。
赤色を発する層としては、III族元素であるAl、Ga、Inと、V族元素であるP、Asを含む化合物半導体であって、p型化またはn型化しているものを用いることができる。こうしたIII−V族半導体材料として、GaAs、GaPなどの二元系化合物半導体材料、GaAsP,AlGaAsなどの三元系化合物半導体材料、AlInGaP、AlInAsPなどの四元系化合物半導体材料を例示することができる。さらに、Eu等の希土類ドープや量子ドットを用いることもできる。
なお、バンドギャップの視点からすると、上述した赤色を発する層を構成する半導体材料は、p型やn型のGaNよりもさらに狭いバンドギャップを持つため、一般的には深紫外光を吸収(または2次発光)するものとして認識される。しかしながら、屈折率を考慮すると、AlGaNとGaNとの界面での反射率は1%程度であるところ、AlGaNとAlGaAsとの界面や、AlGaNと赤色を発する層の上記材料との界面の反射率はGaNとの界面での反射率(1%程度)よりも遙かに大きい。そこで、波長280nmの光に対して10%以上の反射率、結晶性や平坦性の影響を加味してより好ましくは15%以上の反射率となる半導体材料を部分的に用いることで、コンタクト層の一部を深紫外光の反射層として用いることが可能である。なお、上述したGaAsなどの上記の半導体材料は、深紫外領域での反射率は高いものの、青色や紫色などの可視光領域(400nm以上)では反射率が非常に低くなる。そのため、深紫外発光素子であるからこそ、赤色を発する層としてのみでなく反射層としての機能も兼ねることができる。
ここで、第1コンタクト層50、第2コンタクト層60、および赤色を発する層の厚さは、それぞれ1nm〜1000nmとすることが好ましく、より好ましくは10〜500nmである。また、各層を単層構造としてもよいし、深紫外線を透過する層(発光層から発せられる深紫外線を透過するバンドギャップになるようにAl組成を調整したAlGaNやAlN)と上述の深紫外線を吸収して励起発光する層とを組み合わせた超格子構造としてもよい。コンタクト層として設ける場合は、厚くしても構わない。
なお、本発明において、上述した赤色の発光は必須ではない。そのため、波長域581〜750nmの全域における相対発光強度は、0.10%未満であってもよい。
上述した第1コンタクト層50、第2コンタクト層60、および赤色を発する層以外の深紫外発光素子の構成は従来公知のIII族窒化物半導体発光素子と同様の構成を使用することができる。以下、本実施形態に適用可能な構成の具体的態様を説明するが、以下に例示するものに限らず、任意の構成とすることができる。
<基板>
基板10としては、発光層30による発光を透過して基板側から深紫外光を取り出すことのできる基板を用いることが好ましく、例えばサファイア基板またはAlN単結晶基板などを用いることができる。また、基板10として、サファイア基板の表面にアンドープのAlN層をエピタキシャル成長させたAlNテンプレート基板を用いてもよい。基板10の発光層側若しくはその反対側、又はAlNテンプレート基板のAlN層の表面は、光取り出し効率向上のため、凹凸形状としてもよい。AlN層の転位低減を目的として、1500℃以上でのアニール処理を施してもよい。
<バッファ層>
基板10とn型半導体層20との間には、バッファ層を設けることも好ましい。基板10と、n型半導体層20との格子不整合を緩和するためである。バッファ層としてアンドープのIII族窒化物半導体層を用いることができ、バッファ層は超格子構造やIII族元素の組成比を結晶成長方向に組成傾斜させた組成傾斜層を含む構成とすることもできる。
<n型半導体層>
n型半導体層20は必要によりバッファ層を介し、基板10上に設けられる。n型半導体層20を基板10上に直接設けてもよい。n型半導体層20は、一般的なn型層とすることができ、例えばAlGaNよりなることができる。n型半導体層20には、n型のドーパントがドープされることでn型層として機能し、n型ドーパントの具体例として、シリコン(Si),ゲルマニウム(Ge),錫(Sn),硫黄(S),酸素(O),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr)等を挙げることができる。n型ドーパントのドーパント濃度は、n型として機能することのできるドーパント濃度であれば特に限定されず、例えば1.0×1018atoms/cm3〜1.0×1020atoms/cm3とすることができる。また、n型半導体層20のバンドギャップは、発光層30(量子井戸構造とする場合は井戸層)のバンドギャップよりも広く、発光する深紫外光に対し透過性を有することが好ましい。また、n型半導体層20を単層構造や複数層からなる構造の他、III族元素の組成比を結晶成長方向に組成傾斜させた組成傾斜層や超格子構造を含む構成することもできる。n型半導体層20は、n型電極90とのコンタクト部を形成するだけでなく、基板から発光層に至るまでに結晶性を高める機能を兼ねる。n型半導体層20が第2コンタクト層60を含んでもよいことは前述のとおりである。
<発光層>
発光層30はn型半導体層20上に設けられる。また、本実施形態における発光層30は、当該発光層30による発光の中心発光波長が深紫外光の200〜350nmとなるよう設けられる。250nm以上320nm以下となるように設けることがより好ましい。
発光層30は、単層構造により構成してもよいが、Al組成比の異なるAlGaNよりなる井戸層および障壁層を繰り返し形成した多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造で構成することが好ましい。なお、深紫外光を放出する層は、単層構造の場合は発光層それ自体であり、多重量子井戸構造の場合は井戸層である。
深紫外光を放出する井戸層(AlwGa1-wN)のAl組成比wは、深紫外光の200〜350nmとなるよう、または、中心発光波長が250nm以上320nm以下となるよう設定する。このようなAl組成比wは、例えば0.3〜0.6の範囲内とすることができる。多重量子井戸構造の場合、障壁層(AlbGa1-bN)のAl組成比bは、井戸層のAl組成比wよりも高くする。例えば、b>wの条件の下、障壁層のAl組成比bを0.40〜0.95とすることができる。また、井戸層および障壁層の繰り返し回数は、特に制限されず、例えば1〜10回とすることができる。発光層30の厚み方向の両端側(すなわち最初と最後)を障壁層とすることが好ましく、井戸層および障壁層の繰り返し回数をnとすると、この場合は「n.5組の井戸層および障壁層」と表記することとする。また、井戸層の厚みを0.5nm〜5nm、障壁層42の厚みを3nm〜30nmとすることができる。
<p型半導体層>
発光層30上に設けられるp型半導体層40は、発光層30の側から、p型電子ブロック層、p型クラッド層、p型コンタクト層を任意に含んでよい。また、p型クラッド層を省略して、発光層30上にp型電子ブロック層およびp型コンタクト層の順に形成することもできる。前述の第1コンタクト層50がp型コンタクト層を兼ねてもよい。
また、上述したp型電子ブロック層は電子を堰止めし、電子を発光層30(多重量子井戸構造の場合には井戸層)内に注入して、電子の注入効率を高めるための層として用いられる。この目的のため、p型電子ブロック層のAl組成比zを、0.5≦z≦1とすることが好ましい。なお、Al組成比zが0.5以上であれば、p型電子ブロック層はIII族元素としてのAlとGaに対して5%以内の量のInを含んでいてもよい。ここで、発光層30が前述の障壁層を有する多重量子井戸構造である場合、Al組成比zは上記条件を満足しつつ、障壁層のAl組成比bよりも高くすることが好ましい。すなわち、z>bである。
p型電子ブロック層の厚みは特に制限されないが、例えば10nm〜80nmとすることが好ましい。p型電子ブロック層の厚みがこの範囲であれば、高い発光出力を確実に得ることができる。なお、p型電子ブロック層の厚みは、障壁層の厚みよりは厚いことが好ましい。また、p型電子ブロック層にドープするp型ドーパントとしては、マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn),カルシウム(Ca),ベリリウム(Be),マンガン(Mn)等を例示することができ、Mgを用いることが一般的である。p型電子ブロック層のドーパント濃度は、p型の半導体層として機能することのできるドーパント濃度であれば特に限定されず、例えば1.0×1018atoms/cm3〜5.0×1021atoms/cm3とすることができる。寿命の改善を目的として、p型電子ブロック層の一部に炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの元素を意図的に添加することもできる。もちろん、1.0×1016atoms/cm3以下の意図しない原料又は装置起因の不純物(例えば、水素(H)、炭素(Si)、シリコン(Si)、酸素(酸素)が含まれることはありうる。
また、p型クラッド層は、発光層30における深紫外光を放出する層のAl組成比より高く、一方、p型電子ブロック層のAl組成比zより低いAl組成比を持つ層である。つまり、p型電子ブロック層とp型クラッド層は、いずれも深紫外光を放出する層のAl組成比より高いAl組成比を持つ層であり、発光層30から発光された深紫外光を実質的に透過する層である。
p型クラッド層を設ける場合、単層構造としてもよいし、複数層構造としてもよいし、組成傾斜層としてもよい。p型クラッド層が超格子積層体構造を有する場合はAl組成比と厚さの積の和を合計厚さで割ることから計算される平均組成比を当該超格子積層体のAl組成比とする。また、本発明において、p型クラッド層を設けなくてもよい。例えば、p型半導体層がp型電子ブロック層およびp型コンタクト層のみによって構成されていてもよい。
なお、p型コンタクト層内において、局所的にSi等の異種ドーパントを混在させたり、局所的にアンドープ領域を混在させたりすることによりp型ドーパントの発光層30への移動を制御することを行うことも好ましい。
<n側電極>
n側電極90は、n型半導体層20の露出面上または第2コンタクト層60表面の一部領域上または全面に設けることができる。n側電極90として、例えばTi含有膜およびこのTi含有膜上に形成されたAl含有膜を有する金属複合膜とすることができる。なお、図1A,図1Bおよび図2に示す深紫外発光素子100では、発光層30、p型半導体層40の一部がエッチング等により除去され、露出したn型半導体層20に設けられる第2コンタクト層60上にn側電極90が設けられたものである。
<p側電極>
p側電極80は、p型コンタクト層に用いる前述の材料上に形成される公知の電極材料を使用することができる。
(深紫外発光素子の製造方法)
深紫外発光素子100は、基板10上に、n型半導体層20を形成する工程と、n型半導体層20上に発光層30を形成する工程と、発光層30上にp型半導体層40を形成する工程とにより製造することができる。p型半導体層40を形成する工程が第1コンタクト層50を形成する工程をさらに含むことが好ましい。また、n型半導体層を形成する工程において第2コンタクト層60を形成する工程を含んでもよいし、これとは別に第2コンタクト層60を形成する工程むことも好ましい。前述した2次発光成分の相対強度と、波長560nmにおける発光強度に対する、波長435nmにおける発光強度の比との関係を満足するように、各工程における各層の作製条件を適宜設定すればよい。
なお、各工程においては、有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法や分子線エピタキシ(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、HVPE法、スパッタ法などの公知の薄膜成長方法により形成することができ、例えばMOCVD法を用いて形成することができる。
また、バッファ層、p側電極80、n側電極90についても、一般的な手法を用いて形成することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(発明例1)
まず、サファイア基板(直径2インチ、厚さ:430μm、面方位:(0001))上に、MOCVD法により、中心膜厚0.60μm(平均膜厚0.61μm)のAlN層(成長温度1300℃)を成長させ、AlNテンプレート基板とした。膜厚については、光干渉式膜厚測定機(ナノスペックM6100A;ナノメトリックス社製)を用いて、ウェハー面内の中心を含む、等間隔に分散させた計25箇所の膜厚を測定した。次いで、上記AlNテンプレート基板を熱処理炉に導入し、炉内を窒素ガス雰囲気とした後に、炉内の温度を昇温してAlNテンプレート基板に対して熱処理を施した。その際、加熱温度は1650℃、加熱時間は4時間とした。
続いて、MOCVD法により、アンドープのAl0.55Ga0.45Nからなる組成の厚み1.0μmのバッファ層を形成した。次に、Al0.65Ga0.35Nからなり、Siドープした厚み1.0μmのn型半導体層を上記バッファ層上に形成した。なお、SIMS分析の結果、n型半導体層のSi濃度は2.0×1019atoms/cm3であった。
続いて、n型半導体層上に、Al0.45Ga0.55Nからなる厚み7nmの障壁層およびAl0.20Ga0.80Nからなる厚み3nmの井戸層を交互に3組繰り返して積層した量子井戸構造を形成し、さらにAlNからなる1nmの層を形成し、発光層とした。井戸層より放出される深紫外光の発光ピーク波長は310nmである。障壁層の形成にあたってはSiドープも行った。
その後、発光層上に、水素ガスをキャリアガスとして、Al0.55Ga0.45Nからなる厚み40nmのp型電子ブロック層を形成した。なお、p型電子ブロック層の形成にあたり、Mg源としてCP2Mgガスをチャンバに供給してMgをドープした。SIMS分析の結果、p型電子ブロック層のMg濃度は2.0×1018atoms/cm3であった。
続いて、p型電子ブロック層上にMgドープしたp型GaNコンタクト層(Mg濃度2×1019/cm3、厚さ0.3μm)を形成した。その後、図1A、図1Bに示したように、n型半導体層の一部をドライエッチングにより露出させた。この際、p型GaNコンタクト層(及びその下の層)の形状は、間隙を介して互いに平行な複数の細片からなる短冊型形状であり、その間隙においてn型半導体層が露出しているようにした。
露出させたn型半導体層の一部以外をCVD法によるSiO2膜で覆うことでマスクとし、再度、MOCVDにより、露出するn型半導体層(Al0.65Ga0.35N)上にn型GaNコンタクト層(Si濃度2×1019/cm3、厚さ0.3μm)を形成した。
上記n型GaNコンタクト層上に、Ti(20nm)とAl(600nm)の積層からなるn型電極を、図1Bに示すように櫛歯形状となるように形成し、さらに、各々の短冊形状のp型GaNコンタクト層上のSiO2膜を除去して、p型GaNコンタクト層上にNi(10nm)とAu(300nm)の積層からなるp型電極を形成した。コンタクトアニールを実施した後、n型電極の一部と、p型電極の一部を露出するようにSiO2絶縁膜を形成し、n型電極と接続するn型パッド電極部と、各々の短冊形状のp型電極と接続するp型パッド電極部とを形成した。n型とp型のそれぞれのパッド電極は、各電極上にTi/Pt/Au0.75Sn0.25合金/Auの順に形成した。
n型とp型のそれぞれのパッド電極を、AuSn半田を用いてサブマウント上にフリップチップ実装した後、100mAを通電し、金属顕微鏡を用いて光取り出し側(サファイア基板側)からカメラ撮影したところ、図3Aのように、p型GaNコンタクト層側は青色に、n型GaNコンタクト層側は黄色に観察され、測定時の発光素子はデジタルカメラでの写真および肉眼で図4Aのように白色に光っているように見えた。
さらに、発明例1の深紫外発光素子に150mA通電した時の、スペクトルアナライザー(浜松ホトニクス製、PMA−11シリーズ 分光測光装置C7473)を用いて計測波長範囲260〜860nmで測定した発光スペクトルを図5に示す。
(比較例1)
n型GaNコンタクト層を再成長せず、n型半導体層(Al0.65Ga0.35N)上にn型電極を形成した以外は、発明例1と同様にして比較例1に係る深紫外発光素子を作製した。
発明例1と同様にして観察したところ、図3B、4Bのようにp型GaNコンタクト層側が青色に観察される以外の色は観察されず、測定時の発光素子は金属顕微鏡での写真(図3B)および肉眼で青色に光っているように見えた(図4B)。また、発光波長について、発明例1と同様にして測定したスペクトルアナライザーでの測定結果を図5に示す。
発明例1と、比較例1との発光スペクトルについてより詳細に検討した。図5に示すように、発明例1では、青紫色の波長(435nm)を含む2次発光と、黄緑色の波長(560nm)を含む2次発光が観察された。青紫色の波長(435nm)を含む2次発光は、430〜450nmの全域において相対発光強度は0.07〜0.09%であった。黄緑色の波長(560nm)を含む2次発光は、540〜580nmの全域において相対発光強度は0.06〜0.08%であった。これに対して、比較例1では、黄緑色の波長(560nm)を含む2次発光は観察されなかった。発明例1および比較例1のそれぞれにおける、560nmの発光強度に対する435nmの発光強度の比は、下記表1のとおりである。
Figure 0006865784
(発明例2)
発明例1におけるp型GaNコンタクト層に替えて、Al0.41Ga0.59N層(2.5nm)とAl0.21Ga0.79N層(5.0nm)を順に7組繰り返した合計14層の超格子構造としたMgドープp型コンタクト層を形成した。また、このp型コンタクト層の表面側(Al0.21Ga0.79N層)に高濃度領域(Mg濃度は3.0×1020atoms/cm3)を形成した。その他の作製条件は、発明例1と同様として発明例2に係る深紫外発光素子を作製した。発明例2に係る深紫外発光素子においても、青紫色を含む2次発光が生じることが確認され、発明例1と同様のn型GaNコンタクト層による黄緑色を含む2次発光との組み合わせによって肉眼で白色に観察された。なお、発明例2における、波長560nmにおける発光強度に対する、波長435nmにおける発光強度の比は、0.5〜2の範囲内であることが確認された。また、この場合、深紫外光の反射率の高いp型電極(例えば、Rhおよびその合金、Alおよびその合金)を適用することもできる。
(発明例3)
発明例1の深紫外発光素子を構成する各層の組成について、バッファ層の組成をAl0.70Ga0.30Nに、n型半導体層の組成をAl0.65Ga0.35Nに、障壁層の組成をAl0.64Ga0.36Nに、井戸層の組成をAl0.45Ga0.55Nに、ブロック層の組成をAl0.68Ga0.32Nにそれぞれ変更した。その他の条件は発明例1と同様にして発明例3に係る深紫外発光素子を作製した。なお、発明例3は、発明例1と同様にn型GaNコンタクト層(Si濃度2×1019/cm3、厚さ0.3μm)を再成長により形成したものである。発明例3についても、発明例1と同様、発光時には肉眼で白色に観察された。なお、発明例3の深紫外発光素子における、波長560nmにおける発光強度に対する、波長435nmにおける発光強度の比は、0.5〜2の範囲内であることが確認された。以上のことから、発光波長が310nm以外の場合でも、青紫色の波長(435nm)を含む2次発光を発するp型コンタクト層を有し、かつ、黄緑色の波長(560nm)を含む2次発光を発するn型GaNコンタクト層を再成長し、2次発光強度比を調整して同様の効果を得ることができた。
(比較例2)
発明例3に係る深紫外発光素子では、n型GaNコンタクト層を再成長したところ、比較例2においては前述の比較例1と同様、n型GaNコンタクト層を再成長させなかった。その他の条件は発明例3と同様として、比較例2に係る深紫外発光素子を作製した。比較例2では、p型GaNコンタクト層側が青色に観察される以外に、別の色は観察されなかった。
本発明によれば、被照射体の演色性にも配慮した深紫外発光素子を提供することができる。
10 基板
20 n型半導体層
30 発光層
40 p型半導体層
50 第1コンタクト層
60 第2コンタクト層
80 p側電極
90 n側電極
100 深紫外発光素子

Claims (4)

  1. III族窒化物半導体からなるn型半導体層、発光層およびp型半導体層を順次有する深紫外発光素子であって、
    前記深紫外発光素子の発光スペクトルは、200nm以上350nm以下の波長域に1次発光ピーク波長を有し、
    前記1次発光ピーク波長の発光強度を100%とした場合における2次発光の発光強度を相対発光強度として、前記発光スペクトルは、
    波長域430〜450nmの全域において0.03〜10%の相対発光強度を有する青紫色の2次発光成分と、
    波長域540〜580nmの全域において0.03〜10%の相対発光強度を有する黄緑色の2次発光成分とをさらに有し、
    波長560nmにおける発光強度に対する、波長435nmにおける発光強度の比が、0.5〜2であることを特徴とする深紫外発光素子。
  2. 前記p型半導体層が、前記青紫色の2次発光成分を発する第1コンタクト層を含み、
    前記n型半導体層が、前記黄緑色の2次発光成分を発する第2コンタクト層を含む、請求項1に記載の深紫外発光素子。
  3. 前記第1コンタクト層と前記第2コンタクト層とが交互に並ぶ位置にある、請求項2に記載の深紫外発光素子。
  4. 前記第1コンタクト層は、Mg濃度が1×1018/cm3以上のMgドープAlxGa1-xN層(0≦x≦0.3)であり、
    前記第2コンタクト層は、Si濃度が1×1018/cm3以上のSiドープAlyGa1-yN層(0≦y≦0.3)である、請求項2または3に記載の深紫外発光素子。
JP2019078464A 2018-04-20 2019-04-17 深紫外発光素子 Active JP6865784B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/045,179 US11251338B2 (en) 2018-04-20 2019-04-18 Deep ultraviolet light-emitting element
PCT/JP2019/016694 WO2019203322A1 (ja) 2018-04-20 2019-04-18 深紫外発光素子
CN201980026705.1A CN112005388A (zh) 2018-04-20 2019-04-18 深紫外发光元件
TW108113904A TWI757598B (zh) 2018-04-20 2019-04-19 深紫外發光元件

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018081703 2018-04-20
JP2018081703 2018-04-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019192908A JP2019192908A (ja) 2019-10-31
JP6865784B2 true JP6865784B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=68390936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019078464A Active JP6865784B2 (ja) 2018-04-20 2019-04-17 深紫外発光素子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6865784B2 (ja)
CN (1) CN112005388A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6839320B1 (ja) 2020-05-13 2021-03-03 日機装株式会社 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
JP6892538B1 (ja) 2020-05-13 2021-06-23 日機装株式会社 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
CN113823722A (zh) * 2020-06-18 2021-12-21 丰田合成株式会社 发光元件及其制造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100666189B1 (ko) * 2005-06-30 2007-01-09 서울반도체 주식회사 발광 소자
JP2011151419A (ja) * 2005-05-30 2011-08-04 Sharp Corp 発光装置とその製造方法
JP2008263083A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Toyoda Gosei Co Ltd 面光源及び液晶表示装置
JP5641173B2 (ja) * 2009-02-27 2014-12-17 独立行政法人理化学研究所 光半導体素子及びその製造方法
JP5711831B2 (ja) * 2014-02-07 2015-05-07 株式会社ヴィーネックス 光学読取装置
JP2016171127A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 Dowaエレクトロニクス株式会社 Iii族窒化物半導体発光素子およびその製造方法
JP6548024B2 (ja) * 2015-09-24 2019-07-24 国立研究開発法人情報通信研究機構 凹凸構造を含む基板の製造方法及び半導体発光素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019192908A (ja) 2019-10-31
CN112005388A (zh) 2020-11-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6849641B2 (ja) 深紫外発光素子およびその製造方法
JP6803411B2 (ja) 深紫外発光素子およびその製造方法
KR102491456B1 (ko) Iii족 질화물 반도체 발광소자 및 그 제조 방법
JP3920315B2 (ja) 窒化物系半導体発光素子
JP3551101B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP6865784B2 (ja) 深紫外発光素子
US8318594B2 (en) Method for fabricating nitride-based semiconductor device having electrode on m-plane
JP6079628B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP5042380B2 (ja) 半導体素子およびその製造方法
JP2008311532A (ja) 白色発光装置及び白色発光装置の形成方法
JP6753995B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子及びその製造方法
JP2001352101A (ja) 発光装置
WO2015182207A1 (ja) エピタキシャルウエハ、半導体発光素子、発光装置及びエピタキシャルウエハの製造方法
JP2003110138A (ja) 窒化物半導体発光ダイオード
JP2007081368A (ja) 窒化物系半導体発光素子
WO2020153308A1 (ja) 深紫外発光素子用の反射電極の製造方法、深紫外発光素子の製造方法および深紫外発光素子
WO2019203322A1 (ja) 深紫外発光素子
KR101560952B1 (ko) 발광 다이오드용 에피택셜 웨이퍼
JP6793863B2 (ja) 深紫外発光素子用の反射電極の製造方法、深紫外発光素子の製造方法および深紫外発光素子
KR20100020438A (ko) 반도체 소자
JP2003037291A (ja) 発光素子
JP5263881B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子
JP2017139247A (ja) エピタキシャルウエハ、半導体発光素子、発光装置及びエピタキシャルウエハの製造方法
US20230369538A1 (en) High efficiency ultraviolet light-emitting devices incorporating a novel multilayer structure
JP3835446B2 (ja) 窒化物半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210222

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210222

TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210308

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6865784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250