JP6864739B2 - リチウム化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、リン酸リチウムから他の形態のリチウム化合物に効果的に転換できるリチウム化合物の製造方法に関する。
塩湖からリチウムを抽出したり、廃電池からリチウムを抽出するのに効果的な形態のリチウム化合物は、リン酸リチウムでありうる。
これは、リン酸リチウムの溶解度が非常に低いからであり、リン酸とリチウムとの反応で効果的にリン酸リチウムが析出できる。
ただし、高いリン酸の価格によって、リン酸リチウムの形態でリチウムを抽出する方法が経済性を有するには、抽出されたリン酸リチウムから高濃度のリン酸を回収して再利用できる技術が伴わなければならない。
また、リン酸リチウムは、非常に安定した物質であるため、商用化されるリチウム化合物への転換が容易でない。
そこで、リン酸リチウムをより反応性の良いリチウム化合物へと効果的に転換する方法が必要になる。
リン酸リチウムから効果的に他の形態のリチウム化合物に転換する方法を提供することができる。
また、リン酸リチウム内のリン酸を高濃度で回収すると同時に、リン酸の回収率を向上させることができる製造方法を提供しようとする。
さらに、製造工程で不純物が効果的に除去されて高純度のリチウム化合物を製造できる方法を提供しようとする。
一実施形態によるリチウム化合物の製造方法は、リン酸リチウムを準備する段階と、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階と、前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階と、前記硫酸リチウムを固相に分離する段階とを含み、前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階において、前記混合物の液相内のリン(P)および硫黄(S)の合計濃度が([P+S]mol/L)5mol/L以上であってもよい。
前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階の反応は、下記反応式1の反応を含むことができる。
[反応式1]
2LiPO+3HSO+nHO→3LiSOnHO+2HPO
また、前記リン酸リチウムを準備する段階は、固相のリン酸リチウム自体を準備する段階、または固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階であってもよい。
ここで、前記リン酸リチウムを準備する段階は、固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階であり、前記溶媒は、水またはリン酸であってもよい。
前記硫酸リチウムを固相に分離する段階において、固相の硫酸リチウムを分離して残る高濃度のリン酸濾液を回収する段階をさらに含んでもよい。
この時、前記回収された高濃度のリン酸濾液中のリン酸の濃度は、40重量%以上であってもよい。
前記回収された高濃度のリン酸濾液は、前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用できる。
あるいは、前記回収された高濃度のリン酸濾液は、前記リン酸リチウムを準備する段階の前のリン酸リチウムの生産に用いられる。
一方、前記リチウム化合物の製造方法は、前記硫酸リチウムを固相に分離する段階の後に、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階と、前記洗浄する段階に使用された洗浄水を、前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階とを含むことができる。
前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、純水(DI water)を用いることができる。
前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、アルコール系溶媒を用い、前記アルコール系溶媒を含む洗浄水は、蒸留によりアルコール系溶媒を回収して固相の硫酸リチウムを洗浄する段階に再使用することができる。
前記分離された硫酸リチウムを純水に溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する段階と、バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階とをさらに含んでもよい。
この時、前記転換された水酸化リチウムを炭化させて炭酸リチウムを得る段階をさらに含んでもよい。
一方、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、純水(DI water)を用い、2回以上の洗浄段階を含むことができる。
具体的には、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、n次洗浄によるn次洗浄水を得る段階と、前記n次洗浄水中の一部を、前記洗浄水を前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階と、前記n次洗浄水中に残る残液および追加の純水を混合して硫酸リチウムをn+1次洗浄する段階とを含むことができる。
前記リチウム化合物の製造方法は、前記n+1次洗浄水全体をn+2次洗浄に使用する段階と、前記n+2次洗浄によるn+2次洗浄水中の一部を、前記洗浄水を前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階と、前記n+2次洗浄水中に残る残液および追加の純水を混合して硫酸リチウムをn+3次洗浄する段階とを含むことができる。
一方、前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階において、前記電気透析装置は、対向するバイポーラ膜の間に、陰イオン分離膜および陽イオン分離膜が順次に位置する構造であってもよい。
前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階は、追加的な別途の酸(acid)の投入なしにpH3.5以下である工程条件を満足することができる。
前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階において、前記電気透析装置に投入される硫酸リチウムは、工程運転中、連続的に投入されうる。
前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階において、前記電気透析装置に投入される硫酸リチウムは、原料物質であると同時に、pH調節剤としての役割を果たすことができる。
一方、前記リチウム化合物の製造方法は、前記分離された硫酸リチウムを純水に溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する段階の前に、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階を含み、前記分離された固相の硫酸リチウムは、リチウムを除く陽イオン不純物を含み、前記陽イオン不純物は、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で一次的に精製され、前記一次的に精製されて残る陽イオン不純物は、前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階で二次的に精製される。
前記陽イオン不純物は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ニッケル(Ni)、およびカルシウム(Ca)からなる群より選択された少なくとも1種以上であってもよい。
前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で精製される陽イオン不純物の量は、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、50重量%以上であってもよい。
前記陽イオン不純物は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ニッケル(Ni)、またはこれらの組み合わせである陽イオンを含み、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で精製されるカリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ニッケル(Ni)、またはこれらの組み合わせである陽イオンの量は、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、95重量%以上であってもよい。
前記陽イオン不純物は、カルシウム(Ca)陽イオンを含み、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で精製されるカルシウム(Ca)陽イオン不純物の量は、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、50重量%以上であってもよい。
本実施形態によるリチウム化合物の製造方法は、前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウム水溶液、脱塩液、および硫酸水溶液に転換する段階の後に、前記バイポーラ電気透析装置で転換された水酸化リチウム水溶液を濃縮して結晶化する段階と、前記結晶化段階で発生する結晶化濾液を得る段階と、前記結晶化された水酸化リチウムを乾燥して粉末形態の水酸化リチウムを得る段階とをさらに含んでもよい。
ここで、前記硫酸リチウムを固相に分離する段階は、固相の硫酸リチウムを分離して残る高濃度のリン酸濾液を回収する段階をさらに含んでもよく、前記リン酸リチウムを準備する段階の前記リン酸リチウムは、前記回収された高濃度のリン酸濾液および前記結晶化濾液を用いて製造されうる。
また、前記リン酸リチウムを準備する段階の前記リン酸リチウムは、前記回収された高濃度のリン酸濾液、前記結晶化濾液、および塩基性物質を用いて製造されてもよい。
前記塩基性物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、リチウム、カリウム、およびナトリウムのうちの少なくとも1つを含むことができる。
一方、本実施形態は、前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階の後に、前記得られた硫酸リチウム水溶液に塩基性物質を投入してpHを10以上に制御する段階をさらに含んでもよい。
この時、前記塩基性物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、リチウム、カリウム、およびナトリウムのうちの少なくとも1つを含むことができる。
あるいは、前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階の後に、前記電気透析装置を用いて転換された水酸化リチウム水溶液または前記水酸化リチウム水溶液を濃縮して結晶化する段階で得られた結晶化濾液を、前記得られた硫酸リチウム水溶液に投入してpHを10以上に制御する段階をさらに含んでもよい。
本実施形態は、前記硫酸リチウム水溶液のpHを10以上に制御する段階の後に、固相分離により前記硫酸リチウム水溶液から陽イオン不純物を除去する段階をさらに含んでもよい。
前記陽イオン不純物は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、およびカルシウム(Ca)からなる群より選択された少なくとも1種以上であってもよい。
より具体的には、前記陽イオン不純物は、2価の陽イオン不純物であってもよい。
次に、前記電気透析装置を用いて転換された脱塩液を、前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階の溶媒として再使用する段階を含むことができる。
また、前記電気透析装置を用いて転換された硫酸水溶液は、濃縮工程を経た後、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階で再使用できる。
一実施形態によれば、リン酸リチウムから効果的に他の形態のリチウム化合物に転換することができる。
また、リン酸リチウム内のリン酸を高濃度で回収して本実施形態自体の工程内での再使用およびリン酸リチウム生産などの多様な方法で利用して経済性を確保することができる。
さらに、リン酸リチウムを低濃度のリン酸にスラリー化し、硫酸と反応させて硫酸リチウムを析出させた後、高濃度のリン酸を抽出し、析出した硫酸リチウムを洗浄した後、洗浄水で低濃度のリン酸を得ており、低濃度のリン酸は、再びリン酸リチウムのスラリー化に使用することによって、リン酸の回収率を高めることができる。
同時に、バイポーラ電気透析装置で生産された脱塩液および結晶化濾液をリチウム化合物の製造工程内で再利用することによって、脱塩液および結晶化濾液内のリチウムを再回収することができる。
また、硫酸リチウム水溶液のpHを調節して不純物を除去する工程を経ることによって、電気透析工程の安定した運用および高純度リチウム化合物の製造が可能である。同時に、生産された脱塩液および酸溶液の再利用が可能であり、これを廃水処理しても費用節減が可能なため、経済性を確保することができる。
回収濾液内のリン(P)および硫黄(S)の濃度に応じたリチウムの溶解度変化を測定したグラフである。 本発明の一実施形態による電気透析装置の模式図である。 本発明の一実施形態による電気透析装置の模式図である。 電気透析条件に関する実験結果である。 実施例によるリチウム化合物の製造工程で陽イオン不純物を除去する工程を例として示した。 実施例2による工程図である。 実施例3および5による工程図である。 実施例6による工程を示す工程図である。 実施例7による工程を示す工程図である。 実施例8による実験結果である。 実施例8による実験結果である。 リン酸リチウムから洗浄された固相の硫酸リチウムを得る工程を例として示した。 バイポーラ電気透析装置で生産された脱塩液および結晶化濾液をリチウム化合物の製造に再利用する工程を例として示したものである。 実施例10の工程中、リン酸リチウムの硫酸リチウム転換およびバイポーラ電気透析装置(BPED)を用いた水酸化リチウム転換工程を例として示した。 回収された高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液を用いて抽出したリン酸リチウムを硫酸リチウム転換により硫酸リチウム水溶液に製造する工程を例として示した。
以下、本発明の様々な実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
以下、本記載の一実施形態によるリチウム化合物の製造方法について説明する。
本記載の一実施形態によるリチウム化合物の製造方法は、リン酸リチウム(LP)を準備する段階と、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階と、前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウム(LS)に転換(conversion)される段階と、前記硫酸リチウムを固相に分離する段階とを含むことができる。
特に、本実施形態では、前記混合物の液相内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階において、混合物内のリン(P)および硫黄(S)の合計濃度が([P+S]mol/L)5mol/L以上であることを特徴とする。
これに関連し、本発明者らは、硫酸リチウムが水または低濃度のリン酸では溶解度が高いが、硫酸イオンが存在する高濃度のリン酸溶液ではその溶解度が急激に低下することを実験的に確認した。つまり、硫酸イオンが存在する高濃度のリン酸溶液で溶解度以上のリチウムは、硫酸リチウム(LiSO)形態で析出し、リン酸リチウムと硫酸との直接反応により高濃度のリン酸溶液を生成させる。この後、固液分離により析出した硫酸リチウムを分離することができ、これと同時に、高濃度のリン酸を含む濾液を直接回収することができる。
図1は、回収濾液内のリン(P)および硫黄(S)の濃度に応じたリチウムの溶解度変化を測定したグラフである。図1から明らかなように、リン酸および硫酸の濃度が高くなると、溶液内のリチウムの濃度が急激に低くなることを確認することができる。つまり、リチウムの大部分が硫酸リチウム形態で析出していることが分かる。
したがって、混合物の液相内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階において、混合物内のリン(P)および硫黄(S)の合計濃度が([P+S]mol/L)5mol/L以上の場合、リチウムの回収率を増加させることができる。
前記リン(P)および硫黄(S)の合計濃度は、例えば、([P+S]mol/L)6mol/L以上および15mol/L以下であってもよい。前記範囲の上限範囲は、理論上で計算された最大上限値である。つまり、リンおよび硫黄の合計濃度は、経済性を考慮した範囲内で高いほど回収濾液内のリン酸の濃度およびこれによるリチウム回収率が増加する。
より具体的には、混合物内のリン(P)および硫黄(S)の合計濃度は、5.5mol/L以上および15mol/L以下、6mol/L以上および15mol/L以下、7mol/L以上および15mol/L以下、8mol/L以上および15mol/L以下、9mol/L以上および15mol/L以下、10mol/L以上および15mol/L以下、または12mol/L以上および15mol/L以下であってもよい。
この範囲を満足する場合、硫酸リチウムの溶解度が減少して固相に析出できる。言い換えれば、硫酸リチウムが固相に析出した溶液内の残留リチウムの濃度が大きく減少できる。より具体的には、硫酸リチウムが固相に析出した溶液内の残留リチウムの濃度は、4mol/L以下、3mol/L以下、2mol/L以下、1mol/L以下、0.5mol/L以下であってもよい。これは、大部分のリチウムが析出したことを意味する。
より具体的には、使用されるリン酸リチウムは、粉末を使用することができる。リン酸リチウム粉末の大きさは、1〜200μmの粒度を有するか、それ以上でも良い。硫酸は、溶液相に5〜98重量%の濃度を有し、硫酸の濃度が高いほど高濃度のリン酸の抽出が可能である。
リン酸リチウム粉末を1〜50重量%のリン酸溶液または水と混合してスラリー化することができる。リン酸リチウム粉末をスラリー化する工程は省略できるが、リン酸リチウム粉末を硫酸と直接反応させる場合、反応の均一度が低下し、透過性の高い硫酸リチウムを析出させにくく、リン酸の回収率が低くなりうる。
前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階の反応は、下記反応式1の反応を含むことができる。つまり、リン酸リチウム粉末またはスラリーに硫酸を投入して、下記の反応式によりリン酸リチウムを硫酸リチウムに転換してリン酸を分離する。
[反応式1]
2LiPO+3HSO+nHO→3LiSOnHO+2HPO
転換された硫酸リチウムは、リン酸の濃度の上昇に伴って析出し、反応が進行するほどリン酸の濃度は上昇して、リン酸中のリチウムの溶解度は減少する。リン酸中のリチウムの溶解度は、リン酸のPとS元素の濃度に応じた関数で表され、その式は次の通りである。
下記数式1は、図1のデータを近似した値である。
[数式1]
濾液内のリチウム濃度=0.048*(P濃度+S濃度)−1.2773*(P濃度+S濃度)+9.4367(±0.6)
前記数式1におけるリチウム溶解度、P濃度およびS濃度の単位は、mol/Lである。
反応が完了したリン酸−硫酸リチウム混合物を固液分離により分離する。
分離された硫酸リチウムケーキをエタノールやメタノールなどの有機溶媒または水を用いて洗浄する。
洗浄液は、多量のリン酸を含んでおり、有機溶媒を用いた洗浄の場合、蒸留によりリン酸を回収し、洗浄液または回収されたリン酸は、リン酸リチウムスラリー製造工程に再使用できる。
一方、前記リン酸リチウムを準備する段階は、固相のリン酸リチウム自体を準備する段階、または固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階であってもよい。
リン酸リチウムをスラリー状態で準備する場合、硫酸との反応速度をより改善することができる。
また、前記リン酸リチウムを準備する段階は、固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階であり、前記溶媒は、水またはリン酸であってもよい。ただし、これに制限されるわけではない。
前記硫酸リチウムを固相に分離する段階において、固相の硫酸リチウムを分離して残る濾液である高濃度のリン酸濾液を回収する段階をさらに含んでもよい。
この時、前記回収された高濃度のリン酸濾液中のリン酸の濃度は、40重量%以上であってもよい。より具体的には、回収された高濃度のリン酸濾液中のリン酸の濃度は、50重量%以上、または60重量%以上であってもよい。この程度の高濃度のリン酸を含むリチウムの再回収は学界に報告されたことがない。
このように、前記回収された高濃度のリン酸濾液は、前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用できる。
あるいは、前記回収された高濃度のリン酸濾液は、前記リン酸リチウムを準備する段階の前のリン酸リチウムの生産に利用できる。
具体的な例を挙げると、リチウム含有溶液内にリン酸を投入すると、容易にリン酸リチウムが析出する。
本実施形態において、このようなリチウム含有溶液は、海水、塩水、鉱物浸出液、廃電池回収液などの多様な形態であってもよい。これは、当業界でよく知られているので、以下、説明を省略する。
前記硫酸リチウムを固相に分離する段階の後に、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階と、前記洗浄する段階に使用された洗浄水を、前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階とを含むことができる。
これは、分離された硫酸リチウムの表面に依然として濾液が残っていることがあり、硫酸リチウムの純度の側面および濾液内のリン酸の回収を目的として洗浄を行うことができる。
前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、純水(DI water)を用いることができる。この時、純水で洗浄をする場合、硫酸リチウムの水に対する溶解度が高い理由から、リチウムがやや洗浄水で損失することがある。ただし、この場合にも、結局は損失したリチウムがリン酸リチウムスラリー内に再び混合されるため、反応全体のリチウム回収率には影響を及ぼさなくなる。
一方、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、純水(DI water)を用い、2回以上の洗浄段階を含むことができる。
より具体的には、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、n次洗浄によるn次洗浄水を得る段階と、前記n次洗浄水中の一部を、前記洗浄水を前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階と、前記n次洗浄水中に残る残液および追加の純水を混合して硫酸リチウムをn+1次洗浄する段階とを含むことができる。
より具体的には、前記n+1次洗浄水全体をn+2次洗浄に使用する段階と、前記n+2次洗浄によるn+2次洗浄水中の一部を、前記洗浄水を前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階と、前記n+2次洗浄水中に残る残液および追加の純水を混合して硫酸リチウムをn+3次洗浄する段階とをさらに含んでもよい。
より具体的には、前記n次洗浄水中の一部を、前記洗浄水を前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階は、前記n次洗浄水中の30〜70重量%を、前記洗浄水を前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階であってもよい。
また、前記n次洗浄水中に残る残液および追加の純水を混合して硫酸リチウムをn+1次洗浄する段階において、追加の純水は、n次洗浄に使用された全体量を合わせる水準で追加されうる。
さらに、n+1次洗浄による洗浄水全体は、n+2次洗浄に使用できる。
つまり、回次を繰り返しても投入される追加の純水の量は、前記洗浄水を前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階に使用された溶媒の量だけが必要になると考えられる。
このような方法により、回収される濾液内のリン酸の濃度をより高濃度で回収することができ、回収される硫酸リチウムの純度も改善させることができる。
前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、アルコール系溶媒を用い、前記アルコール系溶媒を含む洗浄水は、蒸留によりアルコール系溶媒を回収して固相の硫酸リチウムを洗浄する段階に再使用することができる。
前記アルコール系溶媒の具体的な例としては、エタノールがありうる。
例えば、エタノールに対する硫酸リチウムの溶解度は非常に低いため、硫酸リチウムの洗浄段階により損失するリチウムの量は極めてわずかになる。
ただし、洗浄水を再使用するためには、エタノールを再び分離しなければならず、この時、蒸留などの方法によりエタノールを分離することができる。
分離されたエタノールは、もう一度固相の硫酸リチウムの洗浄に利用可能であり、蒸留後に残る濾液は、リン酸が主成分であるので、前述のように、リン酸リチウムスラリーに再使用可能である。
前記分離された硫酸リチウムを純水に溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する段階と、前記硫酸リチウム水溶液をバイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて水酸化リチウム(LH)に転換する段階とをさらに含んでもよい。
硫酸リチウムは、水に対する溶解度が高い物質であるので、水溶液相に容易に転換可能である。このような硫酸リチウム水溶液をバイポーラ膜と1価イオンおよび2価イオン分離膜とを備えた電気透析装置を用いて水酸化リチウムに転換することができる。
図2は、本発明の一実施形態による電気透析装置の模式図である。
前の工程で作られた硫酸リチウム固形分を電気透析装置に投入するために、純水(DI water)に溶解して原料溶液が作られる。
これを前記図2のようなバイポーラ電気透析装置を通して処理すると、陰イオン交換膜を通して移動するSO 2−は陽極側のバイポーラ膜で加水分解された水素と接して硫酸(HSO)として得られ、陽イオン交換膜を通して陰極に移動するリチウムイオンは、バイポーラ膜で発生するOHと反応してLiOHとして得られる。つまり、全体反応は次の通りである。
全体反応:LiSO+2HO→2LiOH+HSO
本発明の一実施形態では、前記水酸化リチウム収得工程を安定的で効果的に運用するために、投入される硫酸リチウム水溶液中のリチウム濃度の管理が簡単な運転方式およびpHの適切な範囲を導出した。また、これによりバイポーラ電気透析の電流効率および転換速度の改善が可能になる。
まず、図2で供給される硫酸リチウムは、既存の商品化製品である硫酸リチウムではない、前述した本発明の一実施形態による工程の産出物である硫酸リチウムであってもよい。
前述した本発明の一実施形態による製造工程の特性上、硫酸リチウムを溶解させる場合、商用化された硫酸リチウム水溶液のpH範囲(pH4以上)より低いPH3以下を維持する。
これは、前の工程で製造される硫酸リチウムを使用することから得られる特徴で、電気透析の円滑な動作のためのpH管理範囲であるpH3.5以下を満足する。これは、工程の安定性を確保するために、他の酸(一般に、硫酸リチウムの場合には硫酸)の投入によるpH調節が不必要であるという利点がある。
前記原液である硫酸リチウム水溶液のpHが3.5を超える場合には、透析膜を通した逆拡散が発生し、結果的に原液の急激なpH増加を発生させてpHが11を超え、バイポーラ工程の進行が不可能になりうる。
より具体的には、前記考案された工程で得られる硫酸リチウムを原料として、電気透析工程に投入される硫酸リチウムのpHが別途の酸の投入なしにpH3以下に管理されることを特徴とし、工程の進行中に発生するpHの上昇は、硫酸リチウム水溶液を少量投入してpH調節が可能となるようにして、追加される酸の使用なしに工程内で連続運転の条件になる原液のpH3.5の管理を可能にする。
この過程を図3に示した。
図3のように、硫酸リチウム水溶液の供給が行われる溶液タンクは、初期pHが3以下に管理され、工程が進行する間にpHが増加する場合、リチウム濃度基準30g/Lで予め製造しておいた硫酸リチウム水溶液を少量投入してpHを3以下に管理する。
この時、投入される30g/Lの硫酸リチウムは、pHの調節用途でかつ原料溶液として使用され、工程中に外部から酸の流入または副産物の発生なしに工程を安定的に維持する特徴を有する。
また、既存のバイポーラ電気透析の場合、前記初期溶液である硫酸リチウム水溶液の濃度管理が非常に厳しく行われるが、これは、初期溶液の濃度に応じて得られる水酸化リチウムの製造効率が決定される問題を有するからである。
つまり、初期濃度が低い場合、リチウムの収得時間が長くなり、初期濃度が高すぎる場合には、これによる初期溶液中の硫黄(SまたはSO 2−)が水酸化リチウム水溶液に移動して、制限値の数百ppmを超える数千ppmの値を有する。このような問題点を改善するために、初期投入される硫酸リチウムの濃度は非常に厳しく管理され、これは、工程管理の問題点として作用する。
本発明の一実施形態のように、図3の運転方式により、pHを調節することはもちろん、初期投入リチウム溶液の濃度変化が発生する場合、新たなリチウム供給源となる30g/Lの硫酸リチウム水溶液を供給して投入溶液の濃度の管理が可能となるようにした。
この時、使用される追加の投入溶液は、使用される溶液量の低減のために、飽和濃度水準であるリチウム濃度30g/L水準に運用され、その範囲は20g/L〜34g/Lで可能である。
前記試験結果を図4に示した。
図4の上段グラフのように、電気透析が進行する間に発生する原液濃度(青色線)は、反応時間に応じてリチウムが消耗して減少する。これによって、電気透析時間および効率が低下する。
本発明の一実施形態では、このようなリチウム濃度の低下によって発生する電気伝導度の低下が検知される場合、図4の下段グラフの赤色矢印部分で高濃度のリチウム原料溶液を投入して初期投入溶液のリチウム濃度を安定化させるようにした。
これにより、長時間安定した電気透析工程の保持が可能となるようにし、また、この過程で持続的にpHを3以下に維持するという利点がある。
このような工程の構成および初期pHおよび濃度の調節方式により電気透析工程を運営する場合、リチウムおよび硫黄(S)の転換率は、初期濃度への関連性が低くなり、工程の管理および運営が自由になるという利点がある。
また、このようなリチウムの水酸化リチウム形態の収得過程に対して、反対極では硫酸の収得が同時に発生するので、硫酸の回収が可能になる。前記条件で使用される硫酸リチウム水溶液の初期濃度の範囲は、4g/L〜25g/Lの範囲を有しうる。
さらに、前記工程の方法は、初期硫酸リチウム水溶液のリチウム濃度を高く維持する必要性がないので、リチウム濃度に比例する硫黄の濃度を低く維持することができる。これは、高濃度の水酸化リチウム水溶液を得るための方法として使用される高濃度の初期溶液の使用に現れる最終水酸化リチウム水溶液に移動する硫黄の濃度増加を抑制する主な方法になり、考案された方法により水酸化リチウム製品内の硫黄の濃度を最小化できるという利点を示す。
前記工程の付随的な利点は、リチウムが除去された初期供給原液は、最初の硫酸リチウム固形分を溶解させる用途に使用可能なため、工程内で発生する廃棄物または副産物がなく、リチウムの損失がない工程の構成が可能になる。
前記転換された水酸化リチウムを炭化(carbonation)させて炭酸リチウムを得る段階をさらに含んでもよい。
水酸化リチウムの炭化方法は、二酸化炭素などの炭素源との反応を例に挙げることができる。ただし、これに制限されるわけではなく、多様な方法が利用可能である。
一方、本開示の一実施形態によれば、前記分離された硫酸リチウムを純水に溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する段階の前に、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階をさらに含んでもよい。
つまり、本実施形態によるリチウム化合物の製造方法は、リン酸リチウムを準備する段階と、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階と、前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階と、前記硫酸リチウムを固相に分離する段階と、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階と、前記洗浄された固相の硫酸リチウムを純水に溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する段階と、バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階とを含み、前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階において、前記混合物の液相内のリン(P)および硫黄(S)の合計濃度が([P+S]mol/L)5mol/L以上であることを特徴とする。
この時、前記分離された固相の硫酸リチウムは、リチウムを除いた陽イオン不純物を含み、前記陽イオン不純物は、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で一次的に精製され、前記一次的に精製されて残る陽イオン不純物は、前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階で二次的に精製される。
図5には、理解のために、本実施形態により、陽イオン不純物を除去する工程を例として示した。
前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する工程で、洗浄された固相の硫酸リチウムは、陽イオン不純物が、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る工程に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、50%以上除去されたものであってもよい。
この時、前記陽イオン不純物は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ニッケル(Ni)、およびカルシウム(Ca)からなる群より選択された少なくとも1種以上であってもよい。
具体的には、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、およびニッケル(Ni)は、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る工程に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、90%以上、より具体的には95%以上除去され、カルシウム(Ca)も、20%以上、より具体的には50%以上除去される。
したがって、前記洗浄された固相の硫酸リチウムを用いて水酸化リチウムを製造する場合、最終物の不純物含有量も顕著に低下させることができる。
つまり、前記固相の硫酸リチウムは、リチウムを除いた陽イオン不純物を含み、前記陽イオン不純物は、前記固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で一次的に精製されて残る少量の陽イオン不純物は、バイポーラ電気透析工程で二次的に精製されて高純度の水酸化リチウムとして回収される。
これにより、回収された水酸化リチウムおよび前記回収された水酸化リチウムから転換されたリチウム化合物(例えば、炭酸リチウム)は、不純物含有量が低くて、洗浄工程を経なくとも、あるいは最小限の洗浄工程だけでも、リチウム二次電池に適用可能で、経済性を顕著に向上させることができる。
本実施形態によるリチウム化合物の製造方法は、一変形例として、リン酸リチウムを準備する段階と、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階と、前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階と、前記硫酸リチウムを固相に分離する段階と、前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階と、前記硫酸リチウム水溶液をバイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて水酸化リチウム水溶液、脱塩液、および硫酸水溶液に転換する段階とを含むことができる。
図13には、バイポーラ電気透析装置で生産された脱塩液および結晶化濾液をリチウム化合物の製造に再利用する工程を例として示した。
図13を参照すれば、まず、リン酸リチウムを準備して、前記リン酸リチウムを硫酸リチウムに転換させる。
リン酸リチウムを硫酸リチウムに転換させる段階は、前記リン酸リチウムおよび硫酸を混合して混合物を得た後、前記混合物内の反応により行われる。
前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階において、前記混合物の液相内のリン(P)および硫黄(S)の合計濃度は、([P+S]mol/L)5mol/L以上であってもよい。
混合物の液相内のリンおよび硫黄の合計濃度および反応式に関する具体的な説明は、図1、反応式1および数式1に基づいて前述したものと同一であるので、ここでは省略する。
反応が完了したリン酸と硫酸リチウム混合物を固液分離により分離することによって、固相の硫酸リチウムを分離することができる。
次に、前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得た後、前記硫酸リチウム水溶液をバイポーラ膜を含む電気透析装置に投入して水酸化リチウム水溶液に転換する。溶媒としては純水(DI water)を用いることができる。
前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて水酸化リチウム水溶液に転換する工程では、脱塩液および硫酸水溶液が共に生産される。
硫酸リチウムは、水に対する溶解度が高い物質であるため、水溶液相に容易に転換可能である。このような硫酸リチウム水溶液をバイポーラ膜と1価イオンおよび2価イオン分離膜とを備えた電気透析装置を用いて水酸化リチウムに転換することができる。
再び図2を参照すれば、本実施形態の水酸化リチウム水溶液の転換工程に使用されるバイポーラ膜を含む電気透析装置は、陽極(+)が含まれている陽極セル、第1バイポーラ膜BP、陰イオン選択型透析膜A、陽イオン選択型透析膜C、第2バイポーラ膜BP、陰極(−)が含まれている陰極セルが順に配置された構造であってもよい。
前の段階で分離された固相の硫酸リチウムは、電気透析装置に投入するために、純水(DI water)を用いて固相の硫酸リチウムを溶解した後、硫酸リチウム水溶液を製造する。
前述した電気透析装置を用いて、前記のように製造した硫酸リチウム水溶液を前記陰イオン選択型透析膜Aと前記陽イオン選択型透析膜Cとの間に投入し、水を前記第1バイポーラ膜BPと前記陰イオン選択型透析膜Aとの間、および前記第2バイポーラ膜BPと前記陽イオン選択型透析膜Cとの間にそれぞれ投入してバイポーラ電気透析を準備する。
このように前記硫酸リチウム水溶液および前記水が投入されるバイポーラ電気透析装置に電気を印加すると、前記各バイポーラ膜で前記濃縮液である水の加水分解が起こり、前記硫酸リチウム水溶液内の陽イオンおよび陰イオンは、電気泳動効果によってそれぞれ前記陰極および前記陽極側に移動する。
つまり、SO 2−は、陽極側の第1バイポーラ膜で加水分解された水素と接して硫酸(HSO)として得られる。また、陽イオン選択型透析膜を通して陰極に移動するリチウムイオンは、第2バイポーラ膜で発生するOHと反応して水酸化リチウム(LiOH)として得られる。つまり、全体反応は次の通りである。
全体反応:LiSO+2HO→2LiOH+HSO
まとめると、バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いた転換工程で、水酸化リチウム水溶液(LiOH)および硫酸水溶液(HSO−)と共に脱塩液(LiSO)を得ることができる。
前記のような方法で得られた水酸化リチウム水溶液は、濃縮して結晶化する段階と、前記結晶化段階で発生する結晶化濾液を得る段階と、前記結晶化された水酸化リチウムを乾燥して粉末形態の水酸化リチウムを得る段階とを経て粉末の形態で回収することができる。
一方、前記硫酸リチウムを固相に分離する段階は、固相の硫酸リチウムを分離して残る高濃度のリン酸濾液を回収した後、これを用いてリン酸リチウムを製造する段階をさらに含んでもよい。
前記のように、回収された高濃度のリン酸濾液および前記水酸化リチウムの結晶化工程で得られた結晶化濾液を用いてリン酸リチウムを製造することができる。
このように製造されたリン酸リチウムは、本実施形態のリチウム化合物製造工程で、リン酸リチウムを準備する段階のリン酸リチウムで利用できる。
この時、リン酸リチウムを準備する段階のリン酸リチウムは、前述のように、回収された高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液を用いて製造されてもよい。また、前記リン酸リチウムは、回収された高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液と共に塩基性物質を用いてpHを9.5以上に調節して製造されてもよい。
高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液をリン酸リチウムの化学当量に合わせて調節して混合する場合、リン酸リチウムの抽出(extraction)に適したpHより低いpHを示すため、リン酸リチウムの抽出率が低くなりうる。つまり、結晶化濾液のpHが高いため、回収された高濃度のリン酸濾液に結晶化濾液の含有量を増加させて混合する方法でpHを9以上に調節してリチウムを回収することができる。
ただし、リン酸リチウムの製造時には、回収された高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液を化学当量に合わせて適切な比率で混合し、別途の塩基性物質を投入してpHを9.5以上に調節する場合、回収された高濃度のリン酸濾液に結晶化濾液だけを混合してpHを9以上に調節する場合と比較する時、リチウムの回収率をより向上させることができる。
前記塩基性物質は、回収された高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液の混合物のpHを9.5以上に調節するためのもので、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、リチウム、カリウム、ナトリウムのうちの少なくとも1つを含むことができる。
次に、前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階において、前記得られた硫酸リチウム水溶液には、水酸化リチウム水溶液または前記水酸化リチウム水溶液を濃縮して結晶化する段階で得られた結晶化濾液を投入することができる。このように、水酸化リチウム水溶液または結晶化濾液を投入することによって、硫酸リチウム水溶液のpHを10以上に調節して精製された硫酸リチウム水溶液を製造することができる。この時、精製された硫酸リチウム水溶液のpHは、11以上であってもよい。
本実施形態では、前記硫酸リチウム水溶液のpH10以上に制御する段階の後に、固相分離により前記硫酸リチウム水溶液から陽イオン不純物を除去する段階を含むことができる。つまり、硫酸リチウム水溶液のpHを前記のように調節する場合、初期硫酸リチウム水溶液に含まれている陽イオン不純物を効果的に低減させることができる。
前記陽イオン不純物は、例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、およびカルシウム(Ca)からなる群より選択された少なくとも1種以上であってもよいし、より具体的には、2価の陽イオン不純物であってもよい。
硫酸リチウム水溶液内に陽イオン不純物が存在する場合、バイポーラ電気透析装置の運転条件によって生成された析出物が、バイポーラ電気透析装置の溶液内に生成されることがある。この場合、バイポーラ電気透析装置のイオン交換膜の寿命に悪影響を及ぼすことがある。したがって、バイポーラ電気透析装置に投入する硫酸リチウム水溶液のpHを制御することによって、陽イオン不純物含有量が顕著に低い硫酸リチウム水溶液を投入することによって、バイポーラ電気透析装置を用いた転換工程をより安定的に運用することができる。
次に、pHを制御して不純物が除去された精製された硫酸リチウム水溶液は、再びpHを調節してバイポーラ電気透析装置に投入される。この時、不純物が除去された硫酸リチウムを希釈するために、図13に示すように、例えば、脱塩液を投入する方法でpHを調節することができる。
つまり、本発明の一実施形態において、バイポーラ電気透析装置に投入される不純物が除去された硫酸リチウム水溶液のpHは、バイポーラ電気透析装置の円滑な動作のためのpH管理範囲であるpH3.5以下に調節されうる。
バイポーラ膜を含む電気透析装置に投入される硫酸リチウム水溶液のpHが3.5を超える場合には、透析膜を通した逆拡散が発生しうる。これは、バイポーラ電気透析装置に投入された硫酸リチウム水溶液の急激なpH増加を招いてpHが11を超え、バイポーラ工程の進行が不能になりうる。
したがって、バイポーラ電気透析装置に連結されて硫酸リチウム水溶液の供給が行われる溶液タンクは、初期pHが3以下に管理されうる。工程が進行する間に溶液タンクのpHが増加する場合には、リチウム濃度を基準として30g/Lで予め製造しておいた硫酸リチウム水溶液を少量投入してpHを3以下に管理しうる。
この時、投入される30g/Lの硫酸リチウムは、pHの調節用途でかつ原料溶液として使用され、工程中に外部から酸の流入または副産物の発生なしに工程を安定的に維持する特徴を有する。
バイポーラ電気透析装置の運用に適したpH範囲に関するより詳細な内容は、図3および図4を参照して前述したものと同一であるので、ここでは省略する。
一方、前記電気透析装置を用いて転換された脱塩液は、前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階の溶媒として再使用することができる。この場合、別途の溶媒を使用しなくて良いので、経済的であり、脱塩液に残留しているリチウムを硫酸リチウム水溶液の製造時に回収できるので、製造工程でリチウム回収率を向上させることができる。
また、前記電気透析装置を用いて転換された硫酸水溶液は、濃縮工程を経た後、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階において、再使用できる。
前述のように、バイポーラ電気透析装置で生産された硫酸水溶液および脱塩液を次のバッチで再利用できるので、本実施形態によるリチウム化合物製造工程の生産性を向上させることができる。
また、製造工程で、固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させた後、硫酸リチウム水溶液のpHを10以上に調節する工程を経る場合、バイポーラ電気透析工程を進行させて生産される硫酸水溶液および脱塩液の不純物含有量も非常に低減されるので、廃水処理により放流する場合にも廃水処理費用を低減させることができて、優れた経済性を確保することができる。
以下、本発明の実施例および比較例を記載する。しかし、下記の実施例は本発明の一実施例に過ぎず、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記表1のような条件に対して、リン酸リチウムを硫酸と反応させた後、固液分離により高濃度のリン酸濾液の回収実験を進行させた。その結果は表2の通りである。
リン酸リチウムは廃電池から抽出されたリン酸リチウムを使用し、前記リン酸リチウムを105℃で24時間乾燥後に重量変化を測定した結果、含水率は35%水準となった。乾燥したリン酸リチウムの成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して、反応式1による1当量に相当する硫酸量を算出し、使用した硫酸の純度は95%であった。
リン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸は濃度30〜50重量%のリン酸溶液を使用し、前記リン酸溶液はリン酸溶液(大井化金)と超純水とを85:15の比率(リン酸溶液:超純水)で混合して製造した。
前記リン酸溶液とリン酸リチウムとを反応器内で混合してスラリー化した後、200rpmで撹拌し、硫酸を投入した。この時、硫酸の投入速度は約10g/分であった。
硫酸の投入完了後、反応物スラリーは約40分間追加の撹拌を実施し、この後、通常の減圧濾過により固液分離を実施し、濾過(filtering)時の圧力は約50mbarであった。回収された液相の試料を採取してICP分析による成分を分析し、その結果は表2の通りである。
試験の結果、回収された液相はリン酸の濃度が51〜62重量%である高濃度のリン酸濾液として現れ、6.5〜11g/Lのリチウムを含有していた。リチウムの含有量はリン酸成分中のリン(P)と硫黄(S)含有量の合計に反比例する関係を示した。
Figure 0006864739
Figure 0006864739
実施例2
図6は、実施例2による工程図である。具体的には、エタノール洗浄段階を含んでいる。
下記表3のような条件に対して、リン酸リチウムを硫酸と反応させた後、固液分離により高濃度のリン酸濾液の回収実験を進行させた。また、回収された硫酸リチウムを洗浄した洗浄水に対する成分分析も進行させた。その結果は表4、5、および6の通りである。
リン酸リチウムは廃電池から抽出されたリン酸リチウムを使用し、含水率の差による試験誤差を低減するために、105℃で24時間乾燥により含有された水分を除去した後に使用した。乾燥したリン酸リチウムの成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して、反応式1による当量比に相当する硫酸量を算出し、使用した硫酸の純度は95%であった。
リン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸は濃度21〜30重量%のリン酸溶液を使用し、前記リン酸溶液はリン酸溶液(大井化金)と超純水とを85:15の比率(リン酸溶液:超純水)で混合して製造した。
前記リン酸溶液とリン酸リチウムとを反応器内で混合してスラリー化した後、200rpmで撹拌し、硫酸を投入した。この時、硫酸の投入速度は約10g/分であった。
硫酸の投入完了後、反応物スラリーは約40分間追加の撹拌を実施し、この後、通常の減圧濾過により固液分離を実施し、濾過時の圧力は約50mbarであった。
固液分離後、固形分ケーキをエタノールを用いて洗浄し、洗浄は通常の減圧濾過を実施し、ケーキ上に均一に定量のエタノールを噴射する方式で行われた。実験番号サンプル4の場合、400gのエタノール噴射後、500gのエタノールを追加的に噴射し、サンプル5およびサンプル6は500gのエタノールを噴射した。
回収されたリン酸濾液、洗浄水(エタノール)、固形分はICPを用いて成分を分析した。
Figure 0006864739
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Figure 0006864739
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試験の結果、回収された液相はリン酸の濃度が45〜54重量%である高濃度のリン酸濾液であることを確認し、7.5〜12.1g/Lのリチウムを含有していた。また、リチウムの含有量はリン酸成分中のリン(P)と硫黄(S)含有量の合計に反比例する関係を示した。洗浄水(エタノール)にはPが45〜59g/L、Sが3.7〜12.2g/L水準に存在し、リチウムを含む他の元素の含有量は1g/L以下となった。固形物はリチウムと硫黄が主成分であり、含有されたPは0.76〜1.25重量%水準で90%以上のPが高濃度のリン酸濾液および洗浄水(エタノール)として回収されたことが分かる。
実施例3
図7は、実施例3による工程図である。具体的には、純水(DI water)洗浄段階を含んでいる。
下記表7のような条件に対して、リン酸リチウムを硫酸と反応させた後、固液分離により高濃度のリン酸回収実験を進行させた。また、回収された硫酸リチウムを洗浄した洗浄水に対する成分分析も進行させた。その結果は表8、9、および10の通りである。
リン酸リチウムは廃電池から抽出されたリン酸リチウムを使用し、含水率の差による試験誤差を低減するために、105℃で24時間乾燥により含有された水分を除去した後に使用した。乾燥したリン酸リチウムの成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して、反応式1による当量比に相当する硫酸量を算出し、使用した硫酸の純度は95%であった。
リン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸は濃度21〜30重量%のリン酸溶液を使用し、前記リン酸溶液はリン酸溶液(大井化金)と超純水とを85:15の比率(リン酸溶液:超純水)で混合して製造した。
前記リン酸溶液とリン酸リチウムとを反応器内で混合してスラリー化した後、200rpmで撹拌し、硫酸を投入した。この時、硫酸の投入速度は約10g/分であった。
硫酸の投入完了後、反応物スラリーは約40分間追加の撹拌を実施し、この後、通常の減圧濾過により固液分離を実施し、濾過時の圧力は約50mbarであった。
固液分離後、固形分ケーキを水(超純水)を用いて洗浄し、洗浄は通常の減圧濾過を実施し、ケーキ上に均一に定量の水を噴射する方式で行われた。
回収されたリン酸および洗浄水はICPを用いて成分を分析し、固形分は105℃で24時間乾燥後、ICPを用いて成分を分析した。
Figure 0006864739
Figure 0006864739
Figure 0006864739
Figure 0006864739
試験の結果、回収された液相は49〜59重量%の高濃度のリン酸濾液として現れ、8.7〜9.8g/Lのリチウムを含有していた。リチウムの含有量はリン酸成分中のリン(P)と硫黄(S)含有量の合計に反比例する関係を示した。洗浄水にはPが116〜147g/L、Sが64〜70g/L水準に存在し、リチウムの含有量は21.2〜23.5g/Lで洗浄水成分中のリン(P)と硫黄(S)含有量の合計に反比例する関係を示した。
固形物はリチウムと硫黄が主成分であり、含有されたPは0.52〜1.09重量%水準で90%以上のPが高濃度のリン酸濾液および洗浄水として回収されたことが分かる。
実施例4
前記サンプル7で回収された洗浄水を用いて工程循環サイクルを試験した。
前記サンプル7で得られた洗浄水はリン酸リチウムをスラリー化するのに再使用され、この循環は2回繰り返された。
その結果を下記表11に示した。
Figure 0006864739
その結果、工程が連続的に行われた場合、Pの回収率は94〜96%水準であり、Liの回収率は96〜98%水準に現れることを確認することができた。
実施例5
実施例5も、図7による工程で進行させた。実施例5は、図面に別途に表していないが、前回次の洗浄液を再使用する連続工程を含んでいる。
下記表12のような条件に対して、リン酸リチウムを硫酸と反応させた後、固液分離により高濃度のリン酸回収実験を進行させた。また、回収された硫酸リチウムを洗浄した洗浄水に対する成分分析も進行させた。その結果は表13、14および15の通りである。
リン酸リチウムは廃電池から抽出されたリン酸リチウムを使用し、含水率の差による試験誤差を低減するために、105℃で24時間乾燥により含有された水分を除去した後に使用した。乾燥したリン酸リチウムの成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して、反応式1による当量比に相当する硫酸量を算出し、使用した硫酸の純度は95%であった。
リン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸は前回次の実験で回収された洗浄液を使用し、その濃度は26〜26.5重量%であった。
前記リン酸溶液とリン酸リチウムとを反応器内で混合してスラリー化した後、200rpmで撹拌し、硫酸を投入した。この時、硫酸の投入速度は約10g/分であった。
硫酸の投入完了後、反応物スラリーは約40分間追加の撹拌を実施し、この後、通常の減圧濾過により固液分離を実施し、濾過時の圧力は約50mbarであった。
固液分離後、固形分ケーキを水(超純水)を用いて洗浄し、洗浄は通常の減圧濾過を実施し、ケーキ上に均一に定量の水を噴射する方式で行われた。
回収されたリン酸および洗浄水はICPを用いて成分を分析し、固形分は105℃で24時間乾燥後、ICPを用いて成分を分析した。
Figure 0006864739
Figure 0006864739
Figure 0006864739
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試験の結果、前回次の洗浄液を再使用する連続工程によって回収された液相は63〜65.7重量%の高濃度のリン酸濾液として現れ、6.9〜6.6g/Lのリチウムを含有していた。リチウムの含有量はリン酸成分中のリン(P)と硫黄(S)含有量の合計に反比例する関係を示した。
洗浄水にはPが110〜113g/L、Sが72g/L水準に存在し、リチウムの含有量は25〜25.8g/Lで洗浄水成分中のリン(P)と硫黄(S)含有量の合計に反比例する関係を示した。固形はリチウムと硫黄が主成分であり、含有されたPは1.03〜1.19重量%水準で90%以上のPがリン酸溶液および洗浄水として回収されたことが分かる。
この結果は、図3に示す前回次の洗浄液を再使用する連続工程が安定的に実現できることを表す。
実施例6
図8は、実施例6による工程を示す工程図である。具体的には、洗浄段階を2サイクル以上行った連続的な工程を示す。
下記表16のような条件に対して、リン酸リチウムを硫酸と反応させた後、固液分離により高濃度のリン酸回収実験を進行させた。また、回収された硫酸リチウムを洗浄した洗浄水に対する成分分析も進行させた。その結果は表17、18、および19の通りである。
リン酸リチウムは廃電池から抽出されたリン酸リチウムを使用し、含水率の差による試験誤差を低減するために、105℃で24時間乾燥により含有された水分を除去した後に使用した。乾燥したリン酸リチウムの成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して、反応式1による当量比に相当する硫酸量を算出し、使用した硫酸の純度は70%であった。
リン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸は、サンプル12、13、14の場合、濃度40重量%のリン酸溶液を使用し、前記リン酸溶液は85%リン酸溶液(大井化金)と超純水とを混合して製造した。サンプル15の場合、リン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸としてサンプル8から得られた回収洗浄液を使用し、細部組成は表9の通りである。
前記リン酸溶液とリン酸リチウムとを反応器内で混合してスラリー化した後、200rpmで撹拌し、硫酸を投入した。この時、硫酸の投入速度は約10g/分であった。
硫酸の投入完了後、反応物スラリーは約40分間追加の撹拌を実施し、この後、通常の減圧濾過により固液分離を実施し、濾過時の圧力は約50mbarであった。
固液分離後、固形分ケーキを洗浄する工程は洗浄1/2、洗浄2/2の2段階で進行させ、洗浄2/2段階の投入洗浄水としては超純水を使用し、洗浄1/2段階の投入洗浄水としては前回次の洗浄2/2段階の回収洗浄液を用いた。
ただし、サンプル9の場合は、洗浄1/2、洗浄2/2とも超純水を用いた。これは、連続工程が最初に始まる1サイクルでは、投入される次の回次の洗浄液が存在しないからである。
洗浄は通常の減圧濾過を実施し、ケーキ上に均一に定量の水を噴射する方式で行われた。
回収されたリン酸および洗浄水はICPを用いて成分を分析し、固形分は105℃で24時間乾燥後、ICPを用いて成分を分析した。
Figure 0006864739
Figure 0006864739
Figure 0006864739
Figure 0006864739
試験の結果、洗浄を洗浄1/2、洗浄2/2の2段階で進行させ、洗浄1/2段階を前回次の洗浄2/2回収洗浄液を用いる図4の工程は、リン酸濃度30〜40重量%の洗浄1/2回収洗浄液およびリン酸濃度15〜7重量%の洗浄2/2回収洗浄液を得ることができた。
固形はリチウムと硫黄が主成分であり、含有されたPは0.80〜1.74重量%水準で90%以上のPがリン酸溶液および洗浄水として回収されたことが分かる。
実施例1、2、3、および5の結果において、リン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸の濃度が高いほど回収リン酸の濃度が高くなることが分かり、実施例6に示す2段階の洗浄による前回次の洗浄液をリン酸リチウムをスラリー化するためのリン酸として再使用する連続工程は、高濃度の回収リン酸が得られることを表す。
実施例1、2、3、5、および6で回収されたリン酸および洗浄水のリン、硫黄、およびリチウム成分の関係を数式で表すと、
リチウム濃度=0.048*(P濃度+S濃度)−1.2773*(P濃度+S濃度)+9.4367(±0.6)を満足することが分かり、前記数式におけるリチウム溶解度、P濃度およびS濃度の単位はmol/Lである。
実施例7
図9は、実施例7による工程を示す工程図である。具体的には、洗浄段階を2サイクル以上行った連続的な工程を示す。固液分離後、固形分ケーキを洗浄する工程は洗浄1/2、洗浄2/2の2段階で進行させ、洗浄2/2段階の投入洗浄水としては超純水(water)を使用し、洗浄1/2段階の投入洗浄水としては前回次の洗浄2/2段階の回収洗浄液を用いた。
洗浄は通常の減圧濾過を実施し、ケーキ上に均一に定量の水を噴射する方式で行われた。
各段階での投入されたリン酸リチウムの量や、硫酸の濃度および量、回収されたリン酸の量および洗浄液に含まれているリン酸の量は図9に示された通りである。
実施例8
前記考案されたバイポーラ電気透析を利用した硫酸リチウム水溶液の原料を用いた水酸化リチウム水溶液の製造例を示した。
使用された初期溶液のリチウム濃度の範囲は7.1g/L〜17.3g/Lであり、この時得られるリチウム転換率(水酸化リチウム製造)は94.5〜96.1%およびS転換率(硫酸製造)は96.8〜97.8%投入される原料溶液の濃度変化に対する影響性が非常に少なく、これは、初期濃度に関係なくリチウムおよび硫黄の転換率を維持できる結果を示すので、工程の運用上の大きな利点となる。
Figure 0006864739
試験結果を図10および図11に示した。
まず、図10は、バイポーラ電気透析工程で得られる水酸化リチウムの濃度変化を、図11は、得られる硫酸の濃度変化を示したものである。
この時、工程中でリアルタイムにリチウムの濃度を定量化できないので、リチウムイオンの増加に伴う電気伝導度の増加を利用して得られた水酸化リチウム水溶液中のリチウム濃度を定量化してリアルタイムに工程を制御するので、時間の変化に対する濃度ではない、時間の変化に対する伝導度の変化で示すものである。
つまり、前記図表にて、電気伝導度は、水酸化リチウムの場合、リチウム濃度の変動を示し、硫酸水溶液の場合、硫酸溶液の濃度変化を示すものとなる。
前記図10で、緑色dotsの場合、初期投入される硫酸リチウム水溶液のリチウムの濃度が7g/Lであり、赤色dotsは12g/L、青色dotsの場合は17.25g/Lで、一般的な場合には、このような投入される溶液量が同一の場合、初期リチウム濃度の差は最終的に得られるリチウム濃度を決定し、7g/Lの時より、17g/Lの時の最終濃度が比例して高くなければならない。
しかし、本発明の一実施例のような、図10のように、初期に移動するイオンの速度は濃度と関係なく同一であり、結果的に3つの濃度の変化に対する実際のリチウム濃度変化の推移は(傾きおよび概型)ほぼ同一に現れる。
これは、初期濃度に関係なく水酸化リチウムの収得が可能であることを裏付けるものであり、この時、緑色つまり、低いリチウム濃度の場合、それ以上移動させるリチウムイオンがない場合、反応が中断されて約90分で終了したものとなる。
本発明の考案内容のように、持続的にイオン供給およびpH低下のために高濃度(30g/L)の原液を投入する場合、反応は持続する。前記図10の実施例は、このような追加的な初期溶液の再供給なしに反応結果を確認したもので、電気エネルギーを用いて溶液中のリチウムを移動させる過程に、初期投入溶液のリチウム濃度の保持が問題にならないことを表すものである。
図11の場合、水酸化リチウムの収得と同時に起こる硫酸の収得過程も、前記説明したリチウムイオンと同一に、硫黄(SまたはSO 2−)のイオン移動も、初期濃度の変動と相関性がないことを表すものである。
結果的に、前記図10、および11の実施例を通じて、初期投入される硫酸リチウム水溶液の濃度の変動幅が広く維持できることと、工程中に初期溶液のリチウム濃度が低下する場合ごとに高濃度の硫酸リチウム溶液(30g/L)の少量投入をする場合、工程の安定的運用が可能であることを表す。
比較例1
商用リン酸溶液の濃度別組成および密度は次の通りである。一般に、リン酸内のLiのような元素の含有量は極微量で、P+Sの含有量によりLi含有量を制御する技術については学界に報告されたことがない。
下記の表21は、商用リン酸(大井化金)の濃度に応じた成分変化を示す。
Figure 0006864739
実験例1
実施例1、2、3、5、および6で回収されたリン酸および洗浄水のリン、硫黄、およびリチウム成分の関係を数式で表すと、
リチウム濃度=0.048*(P濃度+S濃度)−1.2773*(P濃度+S濃度)+9.4367(±0.6)を満足することが分かり、前記数式におけるリチウム溶解度、P濃度、およびS濃度の単位はmol/Lである。
上記式を用いて、リン酸リチウムを硫酸リチウムとリン酸とに分離して回収する場合、回収されるLiの固相と液相の比率を表22に示した。計算では、リン酸リチウムは理論的な化学式(LiPO)の形態でLiとPO 3−以外には何らかの不純物がなく、スラリー化のために追加的に投入するリン酸および水はなく、投入する硫酸の純度は100%で、回収リン酸のS濃度は50g/Lと仮定した。
Figure 0006864739
前記結果から明らかなように、リン酸リチウムを硫酸リチウムとリン酸とに分離して固相の硫酸リチウムが存在するには、少なくとも5mol/L以上のP+S濃度が必要であることを理論的に計算することができる。
製造例1〜5
図12には、リン酸リチウムから洗浄された固相の硫酸リチウムを得る工程を例として示した。
図12のような条件でリン酸リチウムを硫酸と反応させた後、固液分離により硫酸リチウムを製造した。リン酸リチウムは塩水から抽出されたリン酸リチウムを使用し、リン酸リチウムの成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して下記表23に示した。
Figure 0006864739
ただし、表23で省略された単位はg/Lである。
前記リン酸リチウムをスラリー状態で製造するための溶媒として前のバッチで得られた1次洗浄水の一部を用い、前記溶媒と固相のリン酸リチウムとを反応器内で混合してスラリー化した後、200rpmで撹拌し、硫酸を投入した。
この時、硫酸の投入速度は約1kg/分であった。
硫酸の投入完了後、反応物スラリーは約40分間追加の撹拌を実施し、この後、通常の減圧濾過により固液分離を実施し、濾過時の圧力は約50mbarであった。
固液分離後、固形分ケーキを洗浄する工程は、1次洗浄、2次洗浄の2段階で進行させた。この時、2次洗浄工程の投入洗浄水としては超純水を使用し、1次洗浄工程の洗浄水としては、前回次の2次洗浄工程で回収された2次洗浄液を用いた。
回収された固相の硫酸リチウムは105℃で24時間乾燥後、ICPを用いて成分を分析し、結果は下記表24に示した。
Figure 0006864739
表24を参照すれば、製造例1〜5で製造された硫酸リチウムとも、リン酸リチウムに存在していたK、Na、Mg、B、およびNiなどの不純物が95%以上除去され、Caの場合は50%以上減少したことを確認することができる。
実施例9
バイポーラ電気透析を利用した硫酸リチウム水溶液の原料を用いた水酸化リチウム水溶液の製造例である。
具体的には、表23のリン酸リチウムを用いて、製造例1〜5と同様の方法で固相の硫酸リチウムを製造した。
製造された固相の硫酸リチウム固形分を超純水に溶かしてリチウム(Li)濃度20g/Lの硫酸リチウム水溶液化し、ICPを用いて成分を分析し、その結果は表25に示した。
Figure 0006864739
前記のように製造された硫酸リチウム水溶液をバイポーラ電気透析を利用して水酸化リチウム水溶液に転換した。転換された水酸化リチウム水溶液、回収した硫酸溶液、および脱塩液の成分を、ICPを用いて成分を分析し、その結果は表4に示した。
Figure 0006864739
バイポーラ電気透析により製造された水酸化リチウム水溶液を真空減圧濃縮により結晶化してLiOHHOケーキを製造し、製造されたケーキの重量対比1倍数の超純水で洗浄後、低温乾燥してLiOHHO粉末を製造した。製造されたLiOHHO粉末はICPを用いて成分を分析し、その結果は表27に示した。
Figure 0006864739
表23および表25を参照すれば、本発明の一実施例のように、リン酸リチウムを硫酸リチウムに転換する工程によって製造された固相の硫酸リチウムには、リン酸リチウムに存在していたK、Na、Mg、B、およびNiなどの不純物が95%以上除去され、Caの場合は50%以上減少したことを確認することができる。
また、表26を参照すれば、硫酸リチウムに一部存在していたP、Caなどの不純物が除去されたことを確認することができ、表27を参照すれば、製造されたケーキの重量対比1倍数である極少量の超純水で洗浄したLiOHHO粉末は、リチウム二次電池用リチウム化合物に使用できるだけ不純物が制御されたことを確認することができる。
要するに、リン酸リチウムから転換された後に分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する工程で、リチウムを除いた陽イオン不純物が一次的に精製される。また、前記一次的に精製されて残る少量の陽イオン不純物は、バイポーラ電気透析工程で二次的に精製されて高純度の水酸化リチウムとして回収される。
前記回収された水酸化リチウムおよび前記回収された水酸化リチウムから転換されたリチウム化合物(例えば、炭酸リチウム)は、不純物含有量が低くて、洗浄工程を経ていなかったり、最小限の洗浄工程だけでもリチウム二次電池に適用可能で、経済性を顕著に向上させることができる。
実施例10
(1)硫酸リチウム転換および水酸化リチウム転換
図14には、実施例10の工程中、リン酸リチウムの硫酸リチウム転換およびバイポーラ電気透析装置(BPED)を用いた水酸化リチウム転換工程を例として示した。
具体的には、リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物内の反応によりリン酸リチウムを硫酸に転換した後、固相の硫酸リチウムを分離する。この後、前のバッチでバイポーラ電気透析装置で生産された脱塩液を用いて前記固相の硫酸リチウムを溶解した後、バイポーラ電気透析を利用して水酸化リチウムに転換する。
図14のような条件に対して、硫酸リチウムを脱塩液を用いて硫酸リチウム水溶液の製造を試験した。溶解に用いられた脱塩液の成分を表28に示し、製造された硫酸リチウム水溶液(LS溶液)サンプル1〜5に対する成分を表29に示した。各成分はICP(Inductively Coupled Plasma)により測定した。
Figure 0006864739
ただし、表28で省略された単位はg/Lである。
Figure 0006864739
ただし、表29で省略された単位はg/Lである。
脱塩液は1.62g/Lのリチウムを含有しており、4.36g/Lの硫黄(S)、0.314g/Lのリン(P)を含有し、少量のナトリウム(Na)成分が検出された。脱塩液を用いて製造した硫酸リチウム水溶液は約34g/L水準のリチウムを含むことを確認することができた。
したがって、脱塩液を用いて固相の硫酸リチウムを溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する場合、脱塩液に残留しているリチウムを硫酸溶液として回収することにより、工程のリチウム回収率を高めることを確認することができる。
前記のように製造された硫酸リチウム水溶液を同一の脱塩液および超純水を用いて希釈した後、バイポーラ電気透析装置を用いて水酸化リチウムに転換した。バイポーラ電気透析装置に投入した硫酸リチウム水溶液(LS原液)および製造された水酸化リチウム水溶液(BASE)、硫酸(acid)、および脱塩液(salt)の成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して表30に示した。
Figure 0006864739
ただし、表30で省略された単位はg/Lである。
表30を参照すれば、前のバッチのバイポーラ電気透析装置で生産された脱塩液を用いて硫酸リチウム水溶液を製造した後、水酸化リチウムに転換する場合、前記水酸化リチウム水溶液に含まれるリチウムの含有量が24.176g/Lであることを確認することができる。したがって、脱塩液内のリチウムが転換された水酸化リチウム水溶液の成分として再回収されることを示す図14のような工程が成功的に行われることが分かる。
(2)硫酸リチウム水溶液の不純物除去
図14に示した工程で製造された硫酸リチウム水溶液に対して、pH変化に応じた成分をICP(Inductively Coupled Plasma)により測定して下記表31に示した。ここで、硫酸リチウム水溶液のpHは、前のバッチのバイポーラ電気透析装置で得られた水酸化リチウム水溶液を投入して調節した。
Figure 0006864739
製造された硫酸リチウム水溶液はpHが2.5水準であり、相当量のリン(P)およびマグネシウム(Mg)などの不純物を含む。このような不純物の量は、硫酸リチウム製造工程および投入されたリン酸リチウムの純度に応じて変化することができる。
表31を参照すれば、硫酸リチウム水溶液のpHを10以上に調節する場合、リン(P)とマグネシウム(Mg)などの2価以上の陽イオン不純物が0.003g/L以下で除去されることを確認することができる。したがって、硫酸リチウム水溶液のpHを10以上に調節することによって、不純物が除去された高純度硫酸リチウム水溶液の製造が可能であることが分かる。
一方、硫酸リチウム水溶液のpH調節は、水酸化リチウムなどのアルカリ性リチウム水溶液を投入することによって行うことができる。したがって、本実現例では、アルカリ性リチウム水溶液としてバイポーラ電気透析装置で得られる水酸化リチウム水溶液または前記水酸化リチウム水溶液の結晶化工程で得られる結晶化濾液を用いることによって、別途のアルカリ溶液を投入せずに硫酸リチウム水溶液のpHを10以上に容易に調節することができる。
次に、pHを10以上に調節して精製された硫酸リチウム水溶液を超純水を用いて希釈した後、バイポーラ電気透析装置を用いて水酸化リチウムに転換した。バイポーラ電気透析装置に投入した硫酸リチウム水溶液(LS原液)および製造された水酸化リチウム水溶液(BASE)、硫酸(acid)、脱塩液(salt)の成分をICP(Inductively Coupled Plasma)を用いて測定した後、表32に示した。
Figure 0006864739
ただし、表32で省略された単位はg/Lである。
表32を参照すれば、pHを調節して精製された硫酸リチウム水溶液をバイポーラ電気透析装置を用いて水酸化リチウム溶液に転換する場合、共に生産された硫酸および脱塩液内のリン(P)および2価以上の陽イオン不純物の濃度が0.003g/L以下であることを確認することができる。
一方、硫酸リチウム水溶液内に2価以上の陽イオン不純物が存在する場合、バイポーラ電気透析装置の運転条件に応じて生成された析出物が、バイポーラ電気透析装置の溶液内に生成される。この場合、バイポーラ電気透析装置のイオン交換膜の寿命に悪影響を及ぼすことがある。したがって、バイポーラ電気透析装置に投入する硫酸リチウム水溶液内の2価の陽イオン不純物を除去することによって、バイポーラ電気透析装置を用いた転換工程をより安定的に運用することができる。
また、バイポーラ電気透析装置で水酸化リチウム溶液と共に生産された硫酸水溶液および脱塩液内に残留するリン(P)が除去されて、硫酸水溶液および脱塩液を次のバッチで再利用することができる。したがって、これによってリチウム化合物の製造工程の生産性を画期的に向上させることができる。
さらに、バイポーラ電気透析装置で生産された硫酸水溶液および脱塩液を廃水処理により放流する場合にも、廃水処理費用を顕著に低減させることができるので、経済性を向上させることができる。
(3)結晶化濾液および回収リン酸を用いたリン酸リチウムの製造
バイポーラ電気透析装置で生産された結晶化濾液は、リン酸リチウムの製造工程にも用いることができる。
リン酸リチウムを硫酸リチウムに転換した後、固相の硫酸リチウムを分離する工程で、これを分離して残る濾液である高濃度のリン酸を回収することができる。
図14を参照すれば、前記高濃度のリン酸および結晶化濾液を用いて、本実施例によるリチウム化合物製造工程の原料であるリン酸リチウムを製造することができる。
この時、バイポーラ電気透析装置で生産された結晶化濾液は、水酸化リチウム水溶液を用いて水酸化リチウム(LiOH・HO)を製造する過程で発生する濾過液および洗浄水を含んでおり、通常、20g/L以上のリチウムを含む。
結晶化濾液および回収された高濃度のリン酸濾液を用いてリン酸リチウムを製造する工程で、pHに応じた濾液成分およびリチウム回収率を下記表33に示した。
Figure 0006864739
回収された高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液を用いてリン酸リチウムを抽出する場合、pH9以上で約87.7%のリチウム回収率を示した。
また、水酸化ナトリウム(NaOH)を追加して回収された高濃度のリン酸濾液および結晶化濾液の混合物に対するpHを9.5に調整する場合、リチウムの回収率を約98%まで向上させることができる。
ここで、リチウム回収率は、回収された高濃度のリン酸および結晶化濾液に含まれているリチウム総量対比、リン酸リチウムに回収されたリチウムの量である。このようなリチウム回収率は、回収された高濃度のリン酸および結晶化濾液のリチウム濃度に応じて異なる。
図15には、前述のように回収された高濃度のリン酸および結晶化濾液を用いて抽出したリン酸リチウムを、硫酸リチウム転換により硫酸リチウム水溶液に製造する工程を例として示した。
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造可能であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。そのため、以上に述べた実施例はあらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。

Claims (33)

  1. リン酸リチウムを準備する段階と、
    前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階と、
    前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階と、
    前記硫酸リチウムを固相に分離する段階とを含み、
    前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階において、前記混合物の液相内のリン(P)および硫黄(S)の合計濃度が([P+S]mol/L)5mol/L以上であり、
    前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階、および前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階は、リン酸リチウムと硫酸との直接反応により高濃度のリン酸溶液を生成させ、前記高濃度のリン酸溶液は硫酸イオンが存在する高濃度のリン酸溶液であり、
    前記硫酸イオンが存在する高濃度のリン酸溶液で溶解度以上のリチウムは、固相の硫酸リチウム(LiSO)形態で析出
    前記リン酸リチウムを準備する段階は、
    固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階であり、前記溶媒は、水またはリン酸である、
    リチウム化合物の製造方法。
  2. 前記混合物内の反応により前記リン酸リチウムが硫酸リチウムに転換される段階の反応は、下記反応式1の反応を含む、請求項1に記載のリチウム化合物の製造方法。
    [反応式1]
    2LiPO+3HSO+nHO→3LiSOnHO+2HPO
  3. 前記硫酸リチウムを固相に分離する段階は、
    固相の硫酸リチウムを分離して残る高濃度のリン酸濾液を回収する段階をさらに含む、請求項1または2に記載のリチウム化合物の製造方法。
  4. 前記回収された高濃度のリン酸濾液中のリン酸の濃度は、40重量%以上である、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  5. 前記リン酸リチウムを準備する段階は、
    固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階であり、
    前記回収された高濃度のリン酸濾液は、
    前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用される、請求項またはに記載のリチウム化合物の製造方法。
  6. 前記回収された高濃度のリン酸濾液は、
    前記リン酸リチウムを準備する段階の前のリン酸リチウムの生産に用いられる、請求項またはに記載のリチウム化合物の製造方法。
  7. 前記リン酸リチウムを準備する段階は、
    固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階であり、
    前記硫酸リチウムを固相に分離する段階の後に、
    前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階と、
    前記洗浄する段階に使用された洗浄液を、前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階とを含
    前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、純水を用いる、
    請求項1または2に記載のリチウム化合物の製造方法。
  8. 前記分離された固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する段階と、
    バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウム水溶液、脱塩液、および硫酸水溶液に転換する段階と
    をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  9. 前記転換された水酸化リチウムを炭化させて炭酸リチウムを得る段階をさらに含む、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  10. 前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、純水を用い、
    2回以上の洗浄段階を含む、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  11. 前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階は、
    n次洗浄によるn次洗浄液を得る段階と、
    前記n次洗浄液中の一部を、前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階と、
    前記n次洗浄液中に残る残液および追加の純水を混合して硫酸リチウムをn+1次洗浄する段階とを含む、請求項10に記載のリチウム化合物の製造方法。
  12. 前記リチウム化合物の製造方法は、
    前記n+1次洗浄液全体をn+2次洗浄に使用する段階と、
    前記n+2次洗浄によるn+2次洗浄液中の一部を、前記固相のリン酸リチウムを溶媒中にスラリー状態で準備する段階の溶媒として再使用する段階と、
    前記n+2次洗浄液中に残る残液および追加の純水を混合して硫酸リチウムをn+3次洗浄する段階と
    をさらに含む、請求項11に記載のリチウム化合物の製造方法。
  13. 前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階において、
    前記電気透析装置は、対向するバイポーラ膜の間に、陰イオン分離膜および陽イオン分離膜が順次に位置する構造である、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  14. 前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階は、
    追加的な別途の酸の投入なしにpH3.5以下である工程条件を満足する、請求項13に記載のリチウム化合物の製造方法。
  15. 前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階において、
    前記電気透析装置に投入される硫酸リチウムは、工程運転中、連続的に投入される、請求項14に記載のリチウム化合物の製造方法。
  16. 前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階において、
    前記電気透析装置に投入される硫酸リチウムは、原料物質であると同時に、pH調節剤としての役割を果たす、請求項14に記載のリチウム化合物の製造方法。
  17. 前記分離された硫酸リチウムを純水に溶解させて硫酸リチウム水溶液を製造する段階の前に、前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階をさらに含み、
    前記分離された固相の硫酸リチウムは、リチウムを除いた陽イオン不純物を含み、
    前記陽イオン不純物は、
    前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で一次的に精製され、
    前記一次的に精製されて残る陽イオン不純物は、
    前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウムに転換する段階で二次的に精製される、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  18. 前記陽イオン不純物は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ニッケル(Ni)、およびカルシウム(Ca)からなる群より選択された少なくとも1種以上である、請求項17に記載のリチウム化合物の製造方法。
  19. 前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で精製される前記陽イオン不純物の量は、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、50重量%以上である、請求項17に記載のリチウム化合物の製造方法。
  20. 前記陽イオン不純物は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ニッケル(Ni)、またはこれらの組み合わせである陽イオンを含み、
    前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で精製される前記陽イオン不純物の量は、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、95重量%以上である、請求項19に記載のリチウム化合物の製造方法。
  21. 前記陽イオン不純物は、カルシウム(Ca)陽イオンを含み、
    前記分離された固相の硫酸リチウムを洗浄する段階で精製されるカルシウム(Ca)陽イオン不純物の量は、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階に投入されるリン酸リチウムに含まれている陽イオン不純物の総量(100重量%)を基準として、50重量%以上である、請求項19に記載のリチウム化合物の製造方法。
  22. 前記バイポーラ膜を含む電気透析装置を用いて前記硫酸リチウム水溶液を水酸化リチウム水溶液、脱塩液、および硫酸水溶液に転換する段階の後に、
    前記バイポーラ電気透析装置で転換された水酸化リチウム水溶液を濃縮して結晶化する段階と、
    前記結晶化段階で発生する結晶化濾液を得る段階と、
    前記結晶化された水酸化リチウムを乾燥して粉末形態の水酸化リチウムを得る段階と
    をさらに含む、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  23. 前記硫酸リチウムを固相に分離する段階は、
    固相の硫酸リチウムを分離して残る高濃度のリン酸濾液を回収する段階をさらに含み、
    前記リン酸リチウムを準備する段階の前記リン酸リチウムは、
    前記回収された高濃度のリン酸濾液および前記結晶化濾液を用いて製造される、請求項22に記載のリチウム化合物の製造方法。
  24. 前記リン酸リチウムを準備する段階の前記リン酸リチウムは、
    前記回収された高濃度のリン酸濾液、前記結晶化濾液、および塩基性物質を用いて製造される、請求項23に記載のリチウム化合物の製造方法。
  25. 前記塩基性物質は、
    水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、リチウム、カリウム、およびナトリウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項24に記載のリチウム化合物の製造方法。
  26. 前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階の後に、
    前記得られた硫酸リチウム水溶液に塩基性物質を投入してpHを10以上に制御する段階をさらに含む、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  27. 前記塩基性物質は、
    水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、リチウム、カリウム、およびナトリウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項26に記載のリチウム化合物の製造方法。
  28. 前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階の後に、
    前記電気透析装置を用いて転換された水酸化リチウム水溶液または前記水酸化リチウム水溶液を濃縮して結晶化する段階で得られた結晶化濾液を、
    前記得られた硫酸リチウム水溶液に投入してpHを10以上に制御する段階をさらに含む、請求項22に記載のリチウム化合物の製造方法。
  29. 前記硫酸リチウム水溶液のpHを10以上に制御する段階の後に、
    固相分離により前記硫酸リチウム水溶液から陽イオン不純物を除去する段階をさらに含む、請求項26または28に記載のリチウム化合物の製造方法。
  30. 前記陽イオン不純物は、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、およびカルシウム(Ca)からなる群より選択された少なくとも1種以上である、請求項29に記載のリチウム化合物の製造方法。
  31. 前記陽イオン不純物は、2価の陽イオン不純物である、請求項30に記載のリチウム化合物の製造方法。
  32. 前記電気透析装置を用いて転換された脱塩液を、
    前記固相の硫酸リチウムを溶媒に溶解させて硫酸リチウム水溶液を得る段階の溶媒として再使用する段階を含む、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
  33. 前記電気透析装置を用いて転換された硫酸水溶液は、
    濃縮工程を経た後、前記リン酸リチウムと硫酸とを混合して混合物を得る段階で再使用される、請求項に記載のリチウム化合物の製造方法。
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