実施例に係る移動間仕切装置につき、図1から図14を参照して説明する。以下、図2の紙面下側を移動間仕切装置の正面側(前方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
本実施例の移動間仕切装置1は、図1に示されるように、天井部Cに設けられるレールユニット3から吊支部材4,4(連結杆42,42)により吊支され、該レールユニット3に沿って移動可能な複数の間仕切パネル2,2,…を幅方向に直列に連接して壁面を形成し、オフィス、展示ホール、会議場等の室内空間Yを所定の区画に仕切る用途で使用されるものである。
本実施例の移動間仕切装置1は、図2,3に示されるように、天井部Cに亘って設置されるレールユニット3と、該レールユニット3に沿って移動可能な左右一対の吊支部材4,4(吊支体)により吊支される間仕切パネル2と、複数の間仕切パネル2,2,…を収納・取出するための収納・取出機構S(後述するローラユニット50,55,…、第1移動手段6、収納移送手段7、取出移送手段8、第2移動手段9)と、から主に構成されている。尚、収納室X(収納部)は、室内空間Yを画成する側壁Wに対して所定の奥行きを形成するように上下方向に亘って凹設されている。さらに尚、側壁Wには、床部から天井部Cに亘って出入口Eが形成されており、出入口Eを介して間仕切パネル2を収納室Xより出入させることができる。
間仕切パネル2を間仕切りとして使用しない場合には、収納室Xにおいて収納・取出機構Sにより、間仕切パネル2をレールユニット3の第1レール30(走行レール)に沿って移動させ、第1レール30から後述する交差部35,35’において交差する第2レール31,31(収納レール)に収納移送し、複数の間仕切パネル2,2,…を並列に収納する。また、間仕切パネル2を間仕切りとして使用する場合には、第2レール31,31に並列に収納された間仕切パネル2を、第2レール31,31から第1レール30に取出移送し、間仕切りとして使用可能となる。
尚、説明の都合上、図2,4,5,10〜14において、レールユニット3は、後述する下向き開口部30a,31a,32a,33a,…およびレール部30b,31b,32b,33b,…のみを図示しており、後述する収納・取出機構Sの案内部11A,11Bを簡略化して図示している。さらに尚、図3において、ローラユニット50,55,…、第1移動手段6、収納移送手段7、取出移送手段8、第2移動手段9の図示を簡略化している。さらに尚、本実施例の記載内容および各図において、最大で3枚の間仕切パネル2,2,2のみの説明および図示を行っているが、間仕切パネル2の枚数を限定するものではない。
まず、レールユニット3について、図2,3,8,9(a)を用いて説明する。図2,3に示されるように、レールユニット3は、収納室X内から収納室Xにアクセス可能な出入口Eを経て室内空間Yまで配設される左右方向に延びる略直線状の第1レール30と、交差部35,35’において第1レール30と略直交する左右一対の第2レール31,31と、交差部35,35’において第1レール30と直交し第2レール31,31と対向する左右一対の第3レール32,32と、交差部35,35’において各レール30,31,32,…を略十字状に連結する上面視略正方形状の接続部材33,33’と、を備えている。
尚、説明の都合上、第1レール30のうち、収納室X内において室内空間Y側に位置するものを第1レール30A、接続部材33,33’の間に接続されるものを第1レール30B、接続部材33のみに接続されるものを第1レール30Cとして説明することもある。
レール30,31,32,…は、断面視において略同一構成のレール部材を任意の長さに切断・接続することで形成されているため、第2レール31の構造を説明し、第1,第3レール30,32の説明を省略する。
図9(a)に示されるように、第2レール31は、金属製であり、押出し成形により断面視下向きコ字状に形成されている。下端部略中央に形成された下向き開口部31aと、下向き開口部31aを挟んで互いに略平行に形成された一対のレール部31b,31bと、一対の側部と、レール部31b,31bと略平行かつ上方に形成された天井部31cと、天井部31cの略中央部に形成された断面視略長方形状のガイド部31dと、を備え、これらは長手方向に亘って連続形成されている。尚、ガイド部31dは、後述する吊支部材4のガイドローラ41,41,…(図8参照)並びに収納移送手段7および取出移送手段8の案内部11A,11B,…のガイドローラ15,15,…の間に挿嵌可能に形成されている。
接続部材33(図3参照)は、下端部に亘って下端部略中央から略十字状に形成された下向き開口部33aと、下向き開口部33aを前後左右に挟んで互いに略平行に形成されたレール部33b,33b,…と、レール部33b,33b,…と略平行かつ上方に形成された天井部33c(図8参照)と、天井部33cの略中央部に上面視略正方形状に形成された側部断面視略長方形状のガイド部33d(図8参照)と、から主に構成された中空の部材である。尚、ガイド部33dは、後述する吊支部材4のガイドローラ41,41,…の間に挿嵌可能に形成されている。さらに尚、接続部材33’については、接続部材33と略同一構成のため説明を省略する。
レールユニット3は、接続部材33にレール30,31,32がそれぞれ接続されることで、上面視略十字状の交差部35,35’(図3参照)を形成する。交差部35,35’では、接続部材33のレール部33bに対してレール30,31,32のレール部30b,31b,32bがそれぞれ接続されており、同様に接続部材33の下向き開口部33aに対してレール30,31,32の下向き開口部30a,31a,32aがそれぞれ連接されている。このとき、レール31,32,…は、第1レール30に対して略直交して接続部材33,33’に接続されている。
第1レール30Bの両端部には、接続部材33,33’が接続されており、接続部材33,33のガイド部33d,33d間の寸法は、間仕切パネル2の上端部2dに連結される吊支部材4,4間の寸法と略同一となっている。また、左右一対の第2レール31,31のガイド部31d,31d間の寸法についても、間仕切パネル2の上端部2dに連結される吊支部材4,4間の寸法と略同一となっており、第3レール32,32についても同様である。
これらの寸法関係により、吊支部材4は、第1レール30と、第2レール31,31との間を移乗することができるようになっている。尚、本実施例において、吊支部材4は、第3レール32に移乗されることはない。
次いで、間仕切パネル2について、図2,3,6〜8を用いて説明する。図2,3に示されるように、間仕切パネル2は、正面視略長方形状のパネル本体2aと、パネル本体2aの上端部2dに取付けられる吊支部材4,4と、から主に構成されている。尚、図8においては、間仕切パネル2,2,2を収納移送する順番に、間仕切パネル2A,2B,2Cとして記載している。
まず、間仕切パネル2のうち、パネル本体2aについて説明する。尚、説明の都合上、パネル本体2aの側端部のうち正面視右側を右側端部2b、正面視左側を左側端部2c、上面視前側を前面部20(パネル面)、後方を後面部25(パネル面)、として説明する。
前,後面部20,25は、上端部2d側において左右方向に延設された上面視略等脚台形状の突出部21,26(詳しくは、図2,3参照)を備えており、間仕切パネル2の後側に位置する後面部25の突出部26は、間仕切パネル2の前側に位置する前面部20の突出部21よりも上方に配設されている(図8参照)。
前面部20の突出部21は、左右方向の端部が中央に向かって前面部20から漸次突出するテーパ面22,22(図2,6参照)と、テーパ面22,22と左右方向に連続し前面部20と略平行な突出面23と、から構成されている。前面部20の突出部21は、左右方向に連続して延設されていることから一体感があり、見栄えがよい。尚、後面部25の突出部26については、図7に示されるように、テーパ面27,27と、突出面28と、を備えており、配設された位置を除いて略同一構成であるため、説明を省略する。
突出部21,26は、詳しくは後述するが、収納室Xに対して間仕切パネル2を搬入・搬出可能な前後一対のローラユニット50,55,…により、前後から挟圧可能に形成されている。詳しくは、前面部20の突出部21がローラユニット50,50’に当接(図6(b)参照)し、後面部25の突出部26がローラユニット55,55’に当接(図7(b)参照)する。
図7,8に示されるように、間仕切パネル2の後面部25には、垂直方向に軸支される複数のローラ29a,29a,…を備えるローラ部29が、後面部25の突出部26の下方に複数配設されている。このローラ部29のローラ29a,29a,…の後端部は、後面部25の突出部26の突出面28と略同一面状に位置している。
また、ローラ部29は、隣接する間仕切パネル2の前面部20の突出部21の突出面23の上下方向略中央部に接触可能(図8参照)となっている。
次いで、間仕切パネル2のうち、吊支部材4について、図2,3,6(a),7(a),8を用いて説明する。図2に示されるように、吊支部材4は、上面視略正方形状の箱状に形成された本体部45と、本体部45の前後左右それぞれの側端部の略中央にボルト43によって略水平に軸支される走行ローラ40,40,…と、本体部45の上端部の各角部にボルト44によって本体部45の上端部に対して略垂直に軸支されるガイドローラ41,41,…(図6(a),7(a)参照)と、本体部45の上面視略中央から下方に突出し間仕切パネル2の上端部2dに連結される軸状の連結杆42(図8参照)と、から主に構成されている。
尚、説明の都合上、走行ローラ40,40,…のうち、前後一対に配設されるものを走行ローラ40A,40A(図8参照)、左右一対に配設されるものを走行ローラ40B,40B(図7(a)参照)として説明することもある。
また、連結杆42は、レールユニット3の下向き開口部30a,31a,32a,33aに対して挿通可能(詳しくは、図8参照)に形成されている。
走行ローラ40は、本体部45の下端部より下方に突出するように形成・軸支されており、吊支部材4に連結された間仕切パネル2を移動させる際に、前後一対の走行ローラ40A,40Aは、第1レール30および接続部材33,33’に沿ってレール部30b,33b,…上を走行可能であり、左右一対の走行ローラ40B,40Bは、左右一対の第2レール31,31および接続部材33,33’に沿ってレール部31b,33b…上を走行可能となっている。
また、走行ローラ40は、前後一対の走行ローラ40A,40Aが第1レール30および接続部材33,33’のレール部30b,33b,…上を走行する際に、左右一対の走行ローラ40B,40Bが第1レール30および接続部材33,33’の下向き開口部30a,33a上に位置する(詳しくは、図8参照)ため走行の妨げになり難い。
また、吊支部材4は、直接の図示は省略するが、接続部材33の下向き開口部33aの略中央部(上面視略十字状に形成された下向き開口部33aの交点部分)に位置すると、レール部33b,33b,…それぞれの端部間によって支持された状態(以降、「下向き開口部33aに略挿嵌された状態」または「移送可能状態」とする)となり、移動方向を切替可能な位置(以降、「収納基準位置」とする)に位置決めされやすい。従って、いずれの走行ローラ40A,40Bも移送可能状態であるときは、走行ローラ40,40に対して所望の進行方向に力を加えることで、走行ローラ40,40は下向き開口部33aに略挿嵌された状態から脱し、接続部材33,33’から第1レール30または第2レール31,31に移送される。
これらにより、吊支部材4は、レールユニット3の接続部材33において移動方向を切り替えることができる。
ガイドローラ41,41,…間には、レールユニット3の各ガイド部30d(図3参照),31d,32d,33dを挿嵌可能となっており、吊支部材4に連結された間仕切パネル2を移動させる際に、ガイドローラ41,41,…が各ガイド部30d,31d,32d,33dに当接することで間仕切パネル2を進行方向に案内させるとともに、間仕切パネル2の揺れや傾きを防ぐことができる。
次いで、収納・取出機構Sの構成について図2を用いて説明する。収納・取出機構Sは、収納室X内において第1レール30Aを挟んで取付けられた前後一対のローラユニット50,55,50’,55’と、一対のローラユニット50,55の前方に配設される第1移動手段6と、第3レール32に配設される収納移送手段7と、第2レール31に配設される取出移送手段8と、第1レール30の一方の端部に配設される第2移動手段9と、から主に構成されており、出入口Eを介して収納室X内外に間仕切パネル2を進退させて収納・取出可能となっている。
まず、収納・取出機構Sのうち、前後一対のローラユニット50,55,50’,55’について説明する。図3に示される、ローラユニット50,55,50’,55’をそれぞれ回動させることで、間仕切パネル2を収納室X内に搬送することができる。また、ローラユニット50,55,50’,55’を逆方向に回動させることで、間仕切パネル2を収納室X外方へ搬送することができる。
次いで、収納・取出機構Sのうち、第1移動手段6について図10を参照して説明する。第1移動手段6は、ローラユニット50,55,によりその右側端部2bがローラユニット50,55の位置まで搬送された間仕切パネル2を更に奥側まで移動させるものである。図10(b),(c)に示されるように、第1移動手段6は、間仕切パネル2の右側端部2bを上面視左側へ押動することにより、間仕切パネル2をその吊支部材4,4がそれぞれレールユニット3の接続部材33,33’の下向き開口部33a,33a’に位置する移送可能状態まで移動させる。
次いで、収納・取出機構Sのうち、収納移送手段7の構造について図4,8,9を用いて説明する。図4に示されるように、収納移送手段7は、電動シリンダ70と、上面視略上向きコ字状の移送ユニット73と、電動シリンダ70が取付けられた設置ユニット77と、上面視略コ字状に形成されたフレーム部材74と押動ローラ76,76とから成る移送ユニット73に接続され第3レール32,32内を移動する案内部11A,11Aと、から主に構成されている。
電動シリンダ70は、一対の脚部72,72と、電動シリンダ70の左右方向に突出する軸部70a,70aと、を備え、脚部72,72は、略上端部に軸部70a,70aを軸支している。
設置ユニット77は、図示しない吊支部材により、天井部Cに吊支・固定されている。これにより、収納移送手段7は、移送ユニット73の進出動作または後退動作の際に、間仕切パネル2の前面部20の突出部21に対して略垂直に進出動作または後退動作を行うことができる(図8参照)。
フレーム部材74は、左右方向に長尺な基部74aと、基部74aの左右端部側取付けられた前後方向に延びる腕部74bと、74bと、からなり、取出移送手段8と対向する腕部74b,74bの端部には、略水平方向に回動可能に軸支された押動ローラ76,76が取付けられている。
また、フレーム部材74は、基部74aの前端部略中央に設けられた接続部74cにボルト74dと図示しないナットを介して電動シリンダ70のロッド71の先端部71aが接続され、腕部74b,74bの基部74a側の上部に案内部11A,11Aの連結部材12A,12Aがそれぞれ接続されており、案内部11A,11Aを介して第3レール32,32に吊支されている。
図8,9に示されるように、案内部11Aは、側面視略凹字状に形成された一対の側部パネル11a,11aと、上面視略正方形状の下部パネル11bおよび上部パネル11cと、から正面視長方形状の箱体に形成されている。
また、案内部11Aは、側部パネル11a,11aの下方両端部にそれぞれ垂直方向に回動可能にボルト13aによって軸支される4つの走行ローラ13,13,…と、側部パネル11a,11aの上方端部にそれぞれ垂直方向に回動可能に支軸14aによって軸支される4つの保護ローラ14,14,…と、上部パネル11cの各角部近傍に水平方向に回動可能に支軸15aによって軸支されるガイドローラ15,15,…と、下部パネル11bの下面に溶接により固定される上面視略コ字状の連結部材12Aと、から主に構成されている。尚、上面視において、保護ローラ14,14,…は、上部パネル11cより前後方向に突出しており、保護ローラ14,14,…の略垂直下方に軸支される走行ローラ13,13,…も同様である。
走行ローラ13,13,…は、側部パネル11aおよび下部パネル11bの下端部より下方に突出するように形成・軸支されており、案内部11Aに接続されたフレーム部材74を第3レール32に沿ってレール部32b上を走行可能である。
ガイドローラ15,15,…は、第3レール32のガイド部32dを挿嵌可能となっており、案内部11Aに接続されたフレーム部材74を後述する進出動作または後退動作させる際に、ガイドローラ15,15,…がガイド部32dに当接することでフレーム部材74を進行方向に案内させるとともに、フレーム部材74の揺れや左右方向の傾きを防ぐことができる。
保護ローラ14,14,…は、案内部11Aに接続されたフレーム部材74を進出動作または後退動作させる際に、案内部11Aが前後方向に傾くような力が働いた場合、保護ローラ14,14,…が第3レール32の天井部32cに当接し回動することで、フレーム部材74の走行の安定性を図っている。
これらにより、案内部11Aは、第3レール32,32に沿って移動可能となっている。
移送ユニット73は、設置ユニット77に取付けられた電動シリンダ70と略水平となる様に形成されている。
次いで、収納移送手段7の動作について、図4,8,11(a)〜(c)を用いて説明する。図11(a)〜(c)に示されているように、収納移送手段7は、電動シリンダ70のロッド71の先端部71aが、電動シリンダ70側から取出移送手段8側へ進出することで、移送ユニット73を取出移送手段8側へ進出動作させることができる。
また、収納移送手段7は、移送ユニット73を取出移送手段8側へ所定距離を進出動作させた後、電動シリンダ70のロッド71が取出移送手段8側から電動シリンダ70側へ後退することで、移送ユニット73を電動シリンダ70側へ後退動作させることができる。
また、収納移送手段7は、案内部11A,11Aが左右方向において略直線状に配置され、かつ、第3レール32,32は互いに略平行であるため、一つの電動シリンダ70の駆動による進出動作および後退動作によって、左右方向に離間して配設される2点の押動ローラ76,76は第1レール30に対して前後方向略垂直に進出動作および後退動作を行うことができる。
また、図4に示される、収納移送手段7は、駆動していない状態であり(この状態を「待機状態」とする)、このとき移送ユニット73の押動ローラ76,76は、間仕切パネル2の前面部20の突出部21の突出面23に当接している(図8参照)。
これにより、間仕切パネル2が第1レール30に沿って移動する場合に収納移送手段7と接触しても間仕切パネル2の前面部20に傷が形成され難く、図11(a)に示したように、間仕切パネル2の収納移送時に収納移送手段7が接触することで間仕切パネル2の前面部20に打痕が形成されることを防ぐことができる。さらに、後述する間仕切パネル2の収納移送時に、収納移送手段7が間仕切パネル2に略接触した状態で間仕切パネル2を押動することができるため、間仕切パネル2の厚み方向に揺れが生じることを防ぐことができる。
次いで、収納・取出機構Sのうち、取出移送手段8について図5,8を参照して説明する。図5に示されるように、取出移送手段8は、駆動ユニット80と、移送ユニット83と、設置ユニット87と、案内部11B,11B、から主に構成されている。移送ユニット83は、フレーム部材84の腕部84b,84bそれぞれの前後寸法が収納移送手段7の腕部74b,74bそれぞれの前後寸法よりも短尺に形成されている。
また、移送ユニット83は、基部84aの左右両端部に、後述する連結ローラチェーン82,82が接続されている。尚、移送ユニット83は、それ以外の構成が移送ユニット73と略同一構成であるため説明を省略する。
また、取出移送手段8の案内部11Bは、取出移送手段8の案内部11Bの連結部材12Bが収納移送手段7の案内部11Aの連結部材12Aよりも上下方向に短尺に形成されているため、押動ローラ86,86は間仕切パネル2の後面部25の突出部26と当接可能となっている。尚、取出移送手段8の案内部11Bは、それ以外の構成が収納移送手段7の案内部11Aと略同一構成であるため説明を省略する。
設置ユニット87は、図示しない吊支部材によって、レールユニット3の上方に吊支・固定される矩形状のフレーム87aから主に構成されており、フレーム87aは、フレーム87aの前後方向略中央部の左右方向に亘り架設される横架部材87bと、駆動ユニット80のモータ81を架設・固定される載置台87cと、を備えている。
また、フレーム87aには、フレーム87aの枠内前方の左右方向に亘り取付けられる回動可能なシャフト88と、フレーム87aの枠内後方において左右端部にそれぞれ取付けられる対向する一対のギヤ89c,89c’と、フレーム87aの枠内前後方向略中央に取付けられる対向する一対の押圧ギヤ89d,89d’と、を備えている。尚、後述するギヤ89b、ギヤ89c、および押圧ギヤ89dは、上面視において左側に配設されている。
シャフト88は、シャフト88の左右方向略中央部に固定される受動ギヤ89aと、シャフト88の左右両端部に固定される対向する一対のギヤ89b,89b’と、を備えている。
駆動ユニット80は、図示しない制御装置によって回転方向が制御されるモータ81と、無端状のローラチェーン81bと、無端状に形成された連結ローラチェーン82,82と、によって主に構成されている。
詳しくは図8に示されるように、連結ローラチェーン82は、有端状のローラチェーン82bの両端部が連結部材82aに連結されることで無端状に形成されており、連結部材82aは、基部84aの左右両端部に図示しないボルトナットにより固定される。
ローラチェーン81bは、モータ81の回転軸ギヤ81aと、シャフト88の受動ギヤ89aとに噛合されている。これにより、シャフト88はモータ81の回転を受けて回転することができる。
詳しくは図8に示されるように、連結ローラチェーン82は、ローラチェーン82bがギヤ89b,89cに亘って噛合されており、垂直方向に回動可能となっている。このとき、連結部材82aは、ギヤ89b,89cに亘って噛合されるローラチェーン82bのうち、ギヤ89b,89cの下方に位置している。
また、連結ローラチェーン82は、詳しくは、図8に示されるように、ギヤ89b,89cの略中央部において、ギヤ89b,89cに亘って噛合されるローラチェーン82bのうちギヤ89b,89cの上方に位置するローラチェーン82bが押圧ギヤ89dの下端部と噛合している。押圧ギヤ89dは、ギヤ89b,89cの上端部より下方に押圧ギヤ89dの下端部が位置しているため、連結ローラチェーン82を下方に押圧しており、連結ローラチェーン82の張力を調整している。尚、図8においては、ギヤ89b’,89d’のみを図示している。
また、連結ローラチェーン82は、ギヤ89bに嵌合しているため、モータ81の回転を受けて回転するシャフト88の回転により垂直方向に回動することができる。
尚、ギヤ89b’、ギヤ89c’、および押圧ギヤ89d’は、ギヤ89b、ギヤ89c、および押圧ギヤ89dと、対向して配置されていること以外はギヤ89b、ギヤ89c、および押圧ギヤ89dと略同一構成であるため説明を省略する。
また、上述のとおり、連結ローラチェーン82,82の連結部材82a,82aは、移送ユニット83の基部84aの左右両端部に接続されているため、連結ローラチェーン82,82の回動に従動させて移送ユニット83を後述する進出動作および後退動作させることができる。
次いで、取出移送手段8の動作について、図11(a),13(c)を用いて説明する。取出移送手段8は、図13(c)に示されるように、図示しない制御装置により、モータ81を左側面視において反時計回りに回転させることで、ローラチェーン81bによりシャフト88も反時計回りに回動し、シャフト88のギヤ89b,89bに噛合される連結ローラチェーン82,82が反時計回りに回動する。このとき、連結ローラチェーン82の連結部材82a,82aは、ローラチェーン82bの回動により前方に向かって移動するため、連結部材82a,82aに接続される移送ユニット83を前方に向かって進出動作させることができる。
また、取出移送手段8は、図11(a)に示されるように、図示しない制御装置により、モータ81を左側面視において時計回りに回転させることで、ローラチェーン81bによりシャフト88も時計回りに回動し、シャフト88のギヤ89b,89bに噛合される連結ローラチェーン82,82が時計回りに回動する。このとき、連結ローラチェーン82の連結部材82a,82aは、ローラチェーン82bの回動により後方に向かって移動するため、連結部材82a,82aに接続される移送ユニット83を後方に向かって後退動作させることができる。
また、取出移送手段8は、収納移送手段7の案内部11A,11A同様に、案内部11B,11Bにより、左右方向に離間して配設される2点の押動ローラ86,86も第1レール30に対して水平方向において略平行のまま、第1レール30Aに対して前後方向略垂直に進出動作および後退動作を行うことができる。
次いで、収納・取出機構Sのうち、第2移動手段9について図7,8を参照して説明する。第2移動手段9は、上下方向においてレール30B,32…等より下方に配設され、収納基準位置に配置される間仕切パネル2の左側端部2cを室内空間Y側に向けて押圧することができる。
これまで、移動間仕切装置1の構造について説明してきたが、これより収納・取出機構Sによる間仕切パネル2の収納・取出について説明する。まずは、間仕切パネル2の収納について、図2,8,10〜12を用いて説明する。
間仕切りとして使用している複数の間仕切パネル2,2,…を収納室Xに収納する際には、図示は省略するが複数の間仕切パネル2,2,…の連接を解除した後、収納室X側に配設されている間仕切パネル2Aから順に手動により第1レール30に沿って室内空間Yから出入口E(図1参照)を介して収納室X内に移動させる。
さらに、手動にて間仕切パネル2をローラユニット50’,55’間に押し込むと、図10(a),(b)に示されるように、間仕切パネル2の突出部21,26は送りローラ52,52’,57,57’によって挟持された状態となり、ローラユニット50,50’,55,55’により間仕切パネル2を上面視左側に搬送することができる。
図10(c)に示されるように、ローラユニット50,55による搬送が終了した間仕切パネル2Aは、第1移動手段6によって間仕切パネル2Aの右側端部2b(図2参照)が上面視左側へ押動され、間仕切パネル2Aの吊支部材4,4が接続部材33,33’の下向き開口部33a,33a’に略挿嵌され、収納基準位置に案内された状態となる。
図10(a)〜(c)に示されるように、間仕切パネル2Aは、ローラユニット50,55,…および第1移動手段6により収納基準位置に搬送・押動・案内される際に、収納移送手段7および取出移送手段8の押動ローラ76,86,…は第1レール30を中心に間仕切パネル2の略厚み寸法分離間した状態で待機しているため、間仕切パネル2Aの前面部20(図2参照)の突出部21が押動ローラ76,76に、間仕切パネル2Aの後面部25(図2参照)の突出部26が押動ローラ86,86に、それぞれ略当接する。
このとき、押動ローラ76,86,…は、水平方向に回動可能であることから、間仕切パネル2Aとの間に発生する摩擦が少ないため、間仕切パネル2Aを収納基準位置に円滑に移動させることができる。また、間仕切パネル2Aは、押動ローラ76,86,…に略当接した状態で収納基準位置に搬送・押動・案内されるため、収納基準位置においても略当接状態となっている。
このように、第1レール30に沿って間仕切パネル2Aの収納基準位置への搬送・押動・案内がなされるため、収納基準位置における間仕切パネル2Aの前後方向の位置合わせを確実に行うことができる。
図11(a),(b)に示されるように、収納移送手段7は、間仕切パネル2Aが収納基準位置に案内されると進出動作を開始し、電動シリンダ70がロッド71を進出させる。このとき、収納移送手段7の押動ローラ76,76は、間仕切パネル2Aの前面部20の突出部21に略当接した状態から間仕切パネル2Aを第2レール31,31および接続部材33,33’に沿って後方に押動するため、間仕切パネル2Aの揺れの発生を抑えやすい。また、前面部20の突出部21は、吊支部材4,4の近傍に形成されているため、収納移送手段7の進出動作により押動されても、間仕切パネル2が厚み方向において傾斜し難い。
また、収納移送手段7は、第3レール32,32に沿って移動可能な一対の案内部11A,11Aにより押動ローラ76,76が間仕切パネル2Aに略垂直に当接した状態で略同時に間仕切パネル2Aを押動するため、押動される間仕切パネル2Aが水平方向に傾き難くいことから、第2レール31,31への収納移送を安定して行うことができる。さらに、案内部11A,11Aにより収納移送手段7の上下の移動も規制されているため、間仕切パネル2Aの前面部20の突出部21から押動ローラ76,76が上下方向に離間しない。
取出移送手段8は、間仕切パネル2Aが収納基準位置に案内されると収納移送手段7の進出動作と略同時にモータ81が左側面視時計回りに回転を始め、後退動作を開始する。このときの取出移送手段8の押動ローラ86,86および案内部11B,11Bは、押動ローラ86,86が間仕切パネル2Aの後面部25の突出部26に略当接し、案内部11B,11Bが第2レール31,31内を移動すること以外は、このときの収納移送手段7の押動ローラ76,76および案内部11A,11Aと略同一であるため、説明を省略する。
間仕切パネル2Aは、収納移送手段7および取出移送手段8の押動ローラ76,86,…に略当接されたまま、収納移送手段7の進出動作によって後方に押動されるため、収納移送の際の振動の発生が小さい。
図11(b)に示されるように、収納移送手段7は、電動シリンダ70がロッド71を間仕切パネル2の略厚み寸法分進出させて、間仕切パネル2Aを第2レール31,31に収納移送する。その後、後退動作を行い、間仕切パネル2の略厚み寸法分後退した位置でモータ81の回転が停止し、待機状態(図11(c)参照)となる。尚、間仕切パネル2の後面部25の突出部26は、取出移送手段8の押動ローラ86,86に略当接したままとなっている。
次いで、間仕切パネル2Aの後に収納される間仕切パネル2Bの収納について説明する。尚、間仕切パネル2Bの収納基準位置までの移動・搬送・押動・案内については、間仕切パネル2Aと略同一であるため、説明を省略する。さらに尚、間仕切パネル2Cについても同様である。
図12(a),(b)に示されるように、間仕切パネル2Bは、ローラユニット50,55,…および第1移動手段6により収納基準位置に搬送・押動・案内される際に、収納移送手段7の押動ローラ76,76と、間仕切パネル2Aの前面部20の突出部21とが間仕切パネル2の略厚み寸法分離間かつ第1レール30を挟んだ状態で待機しているため、間仕切パネル2Bの前面部20の突出部21が押動ローラ76,76に、間仕切パネル2Bのローラ部29,29,…(図8参照)が間仕切パネル2Aの前面部20の突出部21に略当接する。
尚、間仕切パネル2Aは、取出移送手段8の押動ローラ86,86に略当接しているため、間仕切パネル2Bが間仕切パネル2Aに略当接し、後方に押圧するような力が間仕切パネル2Aに作用しても、間仕切パネル2Aを取出移送手段8が支持しているため、間仕切パネル2Aの後方への移動や前後方向に揺れること等を防止している。これにより、間仕切パネル2Bは、間仕切パネル2Aに当接しても揺れが発生し難い。言い換えれば、取出移送手段8によって間接的に間仕切パネル2Bも支持・案内されている。
図12(b),(c)に示されるように、収納移送手段7は、間仕切パネル2Bが収納基準位置に案内されると進出動作を開始し、電動シリンダ70がロッド71を進出させる。
これにより、間仕切パネル2Bは、先に収納された間仕切パネル2Aとともに、収納移送手段7および取出移送手段8の押動ローラ76,86,…に略当接されたまま、収納移送手段7の進出動作によって第2レール31,31に押動・収納移送されるため、収納移送の揺れが小さい。
間仕切パネル2A,2B,2Cのうち、最後に収納基準位置へ案内される間仕切パネル2Cは、直接の図示は省略するが、収納基準位置に間仕切パネル2Cが案内されることで、図2,8と同様に、すべての間仕切パネル2A,2B,2Cが収納室X内に配置される(以降、この状態を「収納完了状態」とする)。
図8に示されるように、収納が完了した間仕切パネル2A,2B,2Cは、収納完了状態において、収納移送手段7および取出移送手段8により前後から略当接された状態、かつ、間仕切パネル2A,2Cに挟まれる間仕切パネル2Bが前後方向において間仕切パネル2A,2Cに略当接した状態であるため、前後方向に揺れ難くなっている。そのため、移動間仕切装置1は、間仕切パネル2,2,…を収納完了状態とすることで、間仕切パネル2,2,…を安全に保管することができる。
次いで、間仕切パネル2の取出について、図2,8,13,14を用いて説明する。尚、間仕切パネル2の取出について説明するにあたり、例えば図2のように、収納完了状態の間仕切パネル2A,2B,2Cを例に説明を行う。
収納完了状態にある間仕切パネル2A,2B,2Cのうち、収納基準位置に配置されている間仕切パネル2Cの左側端部2c(図2参照)を、図13(a)に示されるように、第2移動手段9の進出動作によって、上面視右側へと押動させる。
このとき、第2レール31,31には、間仕切パネル2A,2Bが収納された状態であり、間仕切パネル2Aの後面部25の突出部26には取出移送手段8の押動ローラ86,86が略当接した状態であるため、先述した間仕切パネル2の収納時と同様に、取出移送手段8が間仕切パネル2A,2Bを支持している。
これにより、間仕切パネル2Cは、ローラ部29,29,…(図8参照)が間仕切パネル2Bの前面部20の突出部21に略当接し、間仕切パネル2Cの前面部20の突出部21が待機状態の収納移送手段7の押動ローラ76,76に略当接した状態であるため、間仕切パネル2Bの前面部20の突出部21および収納移送手段7の押動ローラ76,76に支持・案内される。このため、第2移動手段9の進出動作により、間仕切パネル2Cを第1レール30に沿って確実に移動させることができる。尚、後述するローラユニット50,55,…による第1レール30に沿った上面視右側への搬送についても略同一に案内している。
第2移動手段9に押動され第1レール30に沿って移動する間仕切パネル2Cは、ローラユニット50,55の送りローラ52,57に略挟持される。
ローラユニット50,55は、第2移動手段9の進出動作と略同時に、ローラユニット50の送りローラ52が時計回りに、ローラユニット55の送りローラ57が反時計回りに、それぞれ回転しており、図13(b),(c)に示されるように、略挟持した間仕切パネル2Cを上面視右側へと搬送することができる。
図13(c)に示されるように、ローラユニット50’,55’から間仕切パネル2Cが離間すると、取出移送手段8のモータ81が左側面視反時計回りに回転を始め、進出動作を開始する。尚、間仕切パネル2Cは、ローラユニット50’,55’から離間し、収納室Xから取出された後、手動によって所定の位置まで移動される。
取出移送手段8の押動ローラ86,86は、間仕切パネル2Aの後面部25の突出部26に略当接した状態から間仕切パネル2Aおよび間仕切パネル2Aの前面部20の突出部21にローラ部29,29,…(図8参照)が略当接する間仕切パネル2Bを第2レール31,31および接続部材33,33’に沿って前方に押動するため、間仕切パネル2A,2Bの揺れの発生を抑えやすい。また、後面部25の突出部26は、吊支部材4,4の近傍に形成されているため、取出移送手段8の進出動作により押動されても、間仕切パネル2Aが前後方向に傾斜し難い。
また、取出移送手段8は、案内部11B,11Bにより押動ローラ86,86が間仕切パネル2Aに略垂直に当接した状態で略同時に間仕切パネル2Aおよび間仕切パネル2Aに略当接する間仕切パネル2Bを押動するため、押動される間仕切パネル2A,2Bが水平方向に回動し難くいことから、接続部材33,33’への取出移送を安定して行うことができる。さらに、案内部11B,11Bによって、取出移送手段8の水平方向における上下の移動も規制されているため、間仕切パネル2Aの後面部25の突出部26から押動ローラ86,86が上下方向に離間しない。
図14に示されるように、取出移送手段8は、モータ81が移送ユニット83を間仕切パネル2の略厚み寸法分進出させるとモータ81の回転が停止し、間仕切パネル2Aおよび間仕切パネル2Bの押動を終え待機状態となる。このとき、間仕切パネル2Bは、収納基準位置に取出移送され、吊支部材4,4が接続部材33,33’の下向き開口部33a,33a’に略遊嵌されており、間仕切パネル2Bの前面部20の突出部21が収納移送手段7の押動ローラ76,76に略当接し、間仕切パネル2Bのローラ部29が間仕切パネル2Aの前面部20の突出部21に略当接したままとなっている。尚、間仕切パネル2Aの後面部25の突出部26は、取出移送手段8の押動ローラ86,86に略当接したままとなっている。
これ以降の間仕切パネル2Bの収納室Xからの取出については、間仕切パネル2Cと略同一であるため、説明を省略する。尚、最後に収納室Xから取出される間仕切パネル2Aは、取出移送手段8の押動ローラ86,86に後面部25の突出部26が略当接し、収納移送手段7の押動ローラ76,76に前面部20の突出部21が略当接しているため、第2移動手段9およびローラユニット50,55,…による押動・搬送の際には、取出移送手段8および収納移送手段7の押動ローラ86,76,…により第1レール30に案内される。
これまで説明してきたように、本実施例における移動間仕切装置1は、収納移送手段7は、吊支部材4,4が交差部35,35’の接続部材33,33’の収納基準位置に配置される間仕切パネル2の前面部20の突出部21を押動するだけで、間仕切パネル2の吊支部材4,4を下向き開口部31a,33a,…に沿って複数の交差部35,35’の接続部材33,33’から第2レール31,31に略同時に乗り移らせることができるため、間仕切パネル2を第1レール30から第2レール31,31に収納移送することができ、簡素な構成、かつ簡便な作業で間仕切パネル2を交差するレール30,31,31間で移送することができる。
また、取出移送手段8は、第2レール31,31に並列に収納される間仕切パネル2の後面部25の突出部26を押動するだけで、間仕切パネル2の吊支部材4,4を下向き開口部31a,33a,…に沿って第2レール31,31から交差部35,35’に略同時に乗り移らせることができるため、第2レール31,31に並列に収納された間仕切パネル2を第2レール31,31から第1レール30に取出移送することができ、簡素な構成、かつ簡便な作業で間仕切パネル2を交差するレール31,31,30間で移送することができる。
また、収納移送手段7および取出移送手段8は、間仕切パネル2のパネル本体2aの上部の突出部21,26を押動することにより、間仕切パネル2の吊支部材4,4に近い位置に押動による応力を効率的に作用させることができるため、収納移送手段7または取出移送手段8による間仕切パネル2の押動に必要な力を小さくすることができる。
また、収納移送手段7および取出移送手段8は、間仕切パネル2のパネル本体2aの上部に設けられる突出部21,26を押動することにより、押動による応力を突出部21,26に集中させることができるため、パネル本体2aの面部20,25の変形を抑えることができる。
また、収納移送手段7は、間仕切パネル2をその略厚み寸法分の距離だけ電動シリンダ70のロッド71を往復動作させて押動することにより、複数の間仕切パネル2,2,…を第1レール30から第2レール31,31にまとめて押し込むように順次収納移送して並列に収納することができるため、第2レール31,31に対する間仕切パネル2の収納をより簡便な作業で行うことができる。
また、取出移送手段8は、収納移送手段7による間仕切パネル2の押動時に間仕切パネル2の略厚み寸法分を移動(後退)することにより、第2レール31,31に並列に収納される間仕切パネル2の移動をその厚み方向に挟持しながら案内することができるため、収納移送手段7による押動時の間仕切パネル2の厚み方向への揺れを抑えることができる。
また、レールユニット3は、交差部35,35’において接続部材33,33’を介してレール30,31,32,…を接続することができるため、レール30,31,32,…を分割することができ、施工時の搬送、組み立て等を容易に行うことができる。
[変形例1]
また、前記実施例においては、収納移送手段7および取出移送手段8は、それぞれ左右方向に離間する二つの腕部74b,84b,…と、腕部74b,84b,…の端部に軸支される押動ローラ76,86,…と、を備える態様として説明したが、これに限らず、押動ローラ76,86が取付けられた腕部174b,184bを一本ずつ備える変形例1について、図15を参照して詳しく説明する。
移動間仕切装置101の収納移送手段107は、案内部11A,11Aの連結部材12A,12Aと基部74aの両端部を接続する接続部175,175と、基部74aの略中央に略垂直に取付けられた前後方向に長尺な腕部174bと、腕部174bの端部に略水平方向に回動可能に軸支された押動ローラ76と、から移送ユニット173が形成されている。
移動間仕切装置101の取出移送手段108は、案内部11B,11Bの連結部材12B,12Bに移送ユニット183が接続されていること以外は、移送ユニット173と略同一構成であるため、説明を省略する。
間仕切パネル2を収納移送させる際には、収納移送手段107の腕部174bの水平方向に回動する押動ローラ76が間仕切パネル2の前面部20の突出部21の左右方向略中央に略点接触した状態で進出動作が行われるため、間仕切パネル2が第1レール30に対して上面視傾斜しやすくなっている。
このとき、取出移送手段108は、取出移送手段108の腕部184bの押動ローラ86が間仕切パネル2の前面部20の突出部21の左右方向略中央に略点接触した状態で後退動作が行われるため、収納移送手段107により押動・収納移送される間仕切パネル2が水平方向に回動する押動ローラ86に略点接触されるため、間仕切パネル2が第1レール30に対して傾斜しやすくなっている。
取出移送手段108により間仕切パネル2を取出移送する際には、取出移送手段108の水平方向に回動する押動ローラ86が間仕切パネル2に略点接触した状態で接続部材33,33’に取出移送するため、間仕切パネル2が第1レール30に対して傾斜しやすくなっている。
これらにより、間仕切パネル2の収納時や取出時に、間仕切パネル2を第1レール30に対して傾けて、吊支部材4,4を相対的に一方の前方側、他方を後方側とさせることで、間仕切パネル2の収納や移送の動き出しの際に必要な力は小さくてもよくなる。
[変形例2]
また、押動ローラ76,86が取付けられた腕部174b,184bと、基部74a,84a,の両端部に補助腕部275,285,…と、を備える変形例2について、図16を参照して詳しく説明する。
移動間仕切装置201の収納移送手段207は、案内部11A,11Aの連結部材12A,12Aと基部74aの両端部を接続する補助腕部275,275と、基部74aの略中央に略垂直に取付けられた前後方向に長尺な腕部174bと、腕部174bの端部に略水平方向に回動可能に軸支された押動ローラ76と、から上面視略山字状の移送ユニット273が形成されている。
補助腕部275は、前後寸法が腕部174bより短尺に形成され、端部に略水平方向に回動可能に軸支された押動ローラ76を備えている。
移動間仕切装置201の取出移送手段208は、案内部11B,11Bの連結部材12B,12Bに移送ユニット283が接続されていること以外は、移送ユニット273と略同一構成であるため、説明を省略する。
間仕切パネル2を収納移送させる際には、収納移送手段207は、補助腕部275,275が第1レール30に対して間仕切パネル2が前後方向において過度に傾斜することを防止することができる。尚、それ以外については、変形例1と略同一であるため説明を省略する。さらに尚、取出移送手段208についても収納移送手段207および変形例1と略同一であるため、説明を省略する。
[変形例3]
また、複数の押動ローラ76,86,…が取付けられた基部374a,384aを備える変形例3について、図17を参照して詳しく説明する。
移動間仕切装置301の収納移送手段307は、案内部11A,11Aよりも後方に突出する基部374aと、案内部11A,11Aの連結部材12A,12Aと基部74aの両端部を接続する接続部375,375と、基部374aの後端部において左右方向に亘って略所定間隔を置いて軸支された水平方向に回動可能な複数の押動ローラ76,76,…と、から下向き略コ字状の移送ユニット373が形成されている。
移動間仕切装置301の取出移送手段308は、案内部11B,11Bの連結部材12B,12Bに移送ユニット383が接続されていること以外は、移送ユニット373と略同一構成であるため、説明を省略する。
間仕切パネル2を収納移送させる際には、収納移送手段307の基部374aの複数の押動ローラ76,76,…が間仕切パネル2の前面部20の突出部21に略線接触した状態で進出動作が行われるため、収納移送手段307の押圧力を複数の押動ローラ76,76,…が略分散した状態で、前面部20の突出部21を略均圧に押圧することができる。これにより、複数の押動ローラ76,76,…が前面部20の突出部21に当接する際の押圧力に差が発生しにくいため、間仕切パネル2の左右方向を第1レール30に対して略平行に保ちながら搬送することができる。さらに、収納移送手段307や間仕切パネル2にねじれ方向に力が働きにくい。
尚、取出移送手段308は、基部384aの複数の押動ローラ86,86,…が間仕切パネル2の後面部25の突出部26に略線接触した状態で進出動作および後退動作が行われること以外は、収納移送手段307と略同一であるため、説明を省略する。
[変形例4]
また、摺動部材476,486が取付けられた基部474a,484aを備える変形例4について、図18を参照して詳しく説明する。
移動間仕切装置401の収納移送手段407は、案内部11A,11Aよりも後方に突出する基部474aと、案内部11A,11Aの連結部材12A,12Aと基部74aの両端部を接続する接続部375,375と、基部374aの後端部において左右方向に亘って取付けられた摺動部材476と、から下向き略コ字状の移送ユニット373が形成されている。また、摺動部材476は、フッ素樹脂のような低摩擦体により形成されている。尚、摺動部材476は、基部474aの後端部に表面加工されていてもよい。
移動間仕切装置401の取出移送手段408は、案内部11B,11Bの連結部材12B,12Bに移送ユニット483が接続されていること以外は、移送ユニット473と略同一構成であるため、説明を省略する。
間仕切パネル2を収納移送させる際には、収納移送手段407の摺動部材476が間仕切パネル2の前面部20の突出部21に略面接触した状態で進出動作が行われるため、前面部20の突出部21を略均圧に押圧することができる。これにより、摺動部材476が前面部20の突出部21に当接する際の押圧力に差が発生しにくいため、間仕切パネル2の左右方向を第1レール30に対して略平行に保ちながら搬送することができる。さらに、収納移送手段407や間仕切パネル2にねじれ方向に力が働きにくい。
尚、取出移送手段408は、基部484aの摺動部材486が間仕切パネル2の後面部25の突出部26に略線接触した状態で進出動作および後退動作が行われること以外は、収納移送手段307と略同一であるため、説明を省略する。
また、間仕切パネル2の第1レール30に沿った移動を案内する際には、摺動部材476,486が低摩擦体で形成されていることから、略接触しても摩擦が発生しにくい。間仕切パネル2のローラ部29,29,…の摺動においても同様である。尚、この態様であれば、ローラ部29,29,…の代わりに、後面部25の突出部が上下方向に延設されていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、間仕切パネル2は、収納室X外の室内空間Yにおいて手動により移動される態様として説明したが、これに限らず、自走可能な間仕切パネルであってもよい。
また、収納移送手段7は、間仕切パネル2を押動する態様として説明したが、これに限らず、押動方向とは反対方向に間仕切パネル2を引張する態様であってもよい。この態様であれば、収納移送手段7のみで間仕切パネル2を収納移送および取出移送することができる。また、取出移送手段8についても同様である。
また、収納移送手段7は、間仕切パネル2の前面部20の突出部21を押動する態様として説明したが、これに限らず、吊支部材4,4を押動する態様であってもよく、押動する箇所を突出部21に限定するものではない。また、取出移送手段8についても同様である。
また、収納移送手段7は、移送ユニット73を備える態様として説明したが、これに限らず、電動シリンダ70により直接間仕切パネル2を押動してもよく、複数の電動シリンダ70を用いる態様や、第1移動手段6、取出移送手段8、第2移動手段9等を用いる態様であってもよく、収納移送手段7に限定するものではない。さらに、電動シリンダ70ではなく、油圧シリンダや他のアクチュエータ等の往復動を行う駆動装置を用いてもよい。
また、取出移送手段8は、シャフト88を介すことでモータ81が連結ローラチェーン82,82を回動させる態様として説明したが、これに限らず、複数のモータ81により連結ローラチェーン82,82を直接回動させる態様や、第1移動手段6、収納移送手段7、第2移動手段9等を用いる態様であってもよく、収納移送手段7に限定するものではない。さらに、モータ81ではなく、電動シリンダや他のアクチュエータ等の往復動を行う駆動装置を用いてもよい。
取出移送手段8は、収納移送手段7による間仕切パネル2の押動時に間仕切パネル2の略厚み寸法分を略同時に移動することにより、第2レール31,31に並列に収納される間仕切パネル2の移動をその厚み方向に挟持しながら案内する態様として説明したが、これに限らず、例えば取出移送手段8が先に間仕切パネル2の略厚み寸法分移動(後退)してから収納移送手段7が間仕切パネル2を押動してもよい。
また、間仕切パネル2は、吊支部材4,4を備える態様として説明したが、これに限らず、吊支部材4を一つ備える態様でもよく、3つ以上備える態様であってもよい。この態様の際には、交差部35を吊支部材4の位置に併せて設置すればよいことから、間仕切パネルに合わせた構造の変更が容易である。
また、交差部35,35’は、レール30,31,32,…および接続部材33,33’により、上面視略十字状に形成されている態様として説明したが、これに限らず、異なる方向に配設されるレールが交差していればよい。この態様であれば、収納部の形状に合わせて構造を変更させることができる。
また、突出部21,26は、左右方向に延設された態様として説明したが、これに限らず、複数に分割されていてもよく、収納移送手段7および取出移送手段8の押動ローラ76,86,…が接触する位置にのみ形成されていてもよい。
また、突出部21,26は、後面部25の突出部26が間仕切パネル2の前面部20の突出部21よりも上方に配設されている態様として説明したが、これに限らず、下方に配設されていてもよく、一方が他方よりも上下方向に延設されていてもよい。さらに、ローラ部29,29,…についても、突出部21,26の配設位置に応じて配設位置が変更されてもよい。
また、ローラ部29は、複数のローラ29a,29a,…を備える態様として説明したが、水平方向に回動可能なローラ29aを一つだけ備える態様であってもよく、その構造を限定するものではない。
また、ローラユニット50,55,…は、二組のローラユニット50,55,50’,55’を備える態様として説明したが、これに限らず、一組であってもよく、3組以上備える態様であってもよく、ベルトコンベアにより間仕切パネル2を搬送する態様であってもよい。
また、第1移動手段6は、間仕切パネル2の右側端部2bを上面視左側へ押動する態様として説明したが、これに限らず、間仕切パネル2を上面視右側に引張可能であってもよく、この態様であれば、第2移動手段9を省略することができる。また、第1移動手段6は、第2移動手段として用いてもよい。
また、第2移動手段9は、間仕切パネル2を上面視右側に押動する態様として説明したが、これに限らず、上面視左側に引張可能であってもよい。この態様であれば、第1移動手段6を省略することができる。