以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本実施の形態に従う風呂システムを実現するための給湯システムの概略構成を示すブロック図である。以下の説明で明らかになるように、本実施の形態に従う風呂システムは、給湯システムの一部機能によって実現することができる。
図1を参照して、給湯システム1は、給湯機能を実現するための給湯回路2と、風呂追焚機能を実現するための追焚循環回路3と、浴槽8への湯張り機能を実現するための注湯回路4と、ドレン処理回路5と、コントローラ100と、リモートコントローラ200(以下、単に「リモコン」とも称する)とを備える。
たとえば、給湯回路2、追焚循環回路3、注湯回路4およびドレン処理回路5は、給湯器1a内に配置されて、給湯器1aと浴槽8との間は、配管35a,35bによって接続される。以下では、後程説明する追焚循環路での通流方向に合わせて、配管35aを風呂戻り配管35aとも称し、配管35bを風呂往き配管35bとも称する。なお、以下では、浴槽8内に貯留された、通常浴用に適温の湯、および適温の湯が冷めて低温になった水の両者を包括して、単に「浴槽水」と称することとする。
本実施の形態に従う給湯システム1は、風呂の追焚機能に加え、給湯機能および風呂湯張り機能の各機能を併用する複合熱源機型に構成されたものである。特に、本実施の形態に従う風呂システムは、主に、給湯回路2と、追焚循環回路3と、注湯回路4と、コントローラ100と、リモコン200とによって構成することができる。また、後程詳細に説明するように、追焚循環回路3は、浴槽水の除菌機能を有するように構成されている。
給湯回路2は、バーナ20と、給湯用の一次熱交換器21および二次熱交換器24とを含む。バーナ20は、図示しない燃料供給系から流量調整弁を経由した燃料ガスの供給を受けて、燃焼作動するように構成される。
一次熱交換器21は、バーナ20の燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水(低温水)を熱交換によって加熱する。給湯回路2へは、入水路22から水道水等が給水される。二次熱交換器24は、たとえば、排気集合筒内に配設される。二次熱交換器24は、バーナ20からの燃焼排ガスの潜熱によって通流された低温水を熱交換によって加熱する。
入水路22の低温水は、まず二次熱交換器24によって予熱された後、一次熱交換器21において主加熱される。一次熱交換器21および二次熱交換器24によって所定温度まで加熱された高温水は、入水路22からバイパス弁25を経由して非加熱とされた低温水と混合されて、出湯路23から出湯される。たとえば、給湯システム1は、出湯路23に出湯された湯が、台所や浴室等の給湯栓9や上記注湯回路4などの所定の給湯箇所に給湯されるように構成される。
入水路22には、流量センサ26や入水温度センサ27が配置される。出湯路23には、流量制御弁28や給湯温度センサ29が配置される。
追焚循環回路3は、バーナ30と、追焚用の一次熱交換器31および二次熱交換器34と、追焚用の循環ポンプ33と、UVユニット70とを含む。
バーナ30は、バーナ20と同様に、図示しない燃料供給系から燃料ガスを供給されることによって、燃焼作動する。なお、バーナ20および30は、図示しない電磁弁によって燃料ガスの供給を別個に制御可能とすれば、一体的に構成することも可能である。一次熱交換器31は、バーナ30の燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により通流された水を加熱する。二次熱交換器34は、バーナ30からの燃焼排ガスの潜熱によって通流された水を加熱する。
追焚循環回路3には、戻り回路32aおよび往き回路32bが設けられる。戻り回路32aの上流端(すなわち、浴槽側)の接続口321に対して、風呂戻り配管35aの下流端が接続される。さらに、風呂戻り配管35aの上流端が、浴槽8に設置された循環アダプタ81の吸込側(吸入口85)に接続される。また、往き回路32bの下流端(すなわち、浴槽側)の接続口322に対して、風呂往き配管35bの上流端が接続される。風呂往き配管35bの下流端は、循環アダプタ81の吐出側(吐出口86)に接続される。
循環ポンプ33が作動すると、浴槽8からの浴槽水は、循環アダプタ81の吸入口85から、風呂戻り配管35aおよび戻り回路32a、二次熱交換器34および一次熱交換器31、ならびに、往き回路32bおよび風呂往き配管35bを経由して、循環アダプタ81の吐出口86へ至る経路を循環する。これにより、浴槽8(循環アダプタ81)と接続されて、一次熱交換器31および二次熱交換器34に浴槽水を循環通流させる「追焚循環路」が形成される。このように、循環ポンプ33が作動することによって、追焚循環路に浴槽水が循環される。
追焚循環路を通流する浴槽水は、二次熱交換器34の通流により燃焼排ガスからの潜熱回収によって予熱された後、一次熱交換器31の通流により主加熱される。追焚循環路の循環水を、一次熱交換器31および二次熱交換器34で加熱することにより、追焚機能が実現される。
UVユニット70は、戻り回路32aにおいて、浴槽水が通流するように配置される。UVユニット70は、通流する浴槽水に紫外線を照射するためのUV灯71を内蔵する。すなわち、UV灯71は、点灯時に除菌効果を有する波長域の光線(紫外線)を照射するように構成されており、「除菌灯」の一実施例に相当する。
UV灯71は、循環ポンプの作動によって浴槽水が導入される追焚循環路に含まれるように配置されている。UVユニット70を通過する浴槽水は、UV灯71の点灯時に紫外線照射によって除菌されることにより、雑菌数が低減する。UV灯71を内蔵するUVユニット70は、追焚循環路上のいずれに配置されてもよいが、好ましくは、二次熱交換器34よりも上流側に配置される。また、本実施の形態では、「除菌灯」としてUV灯71を例示するが、点灯時に除菌効果を有する波長域の光線を照射するものであれば、UV灯以外にも、蛍光灯や発光ダイオード(LED)等によって「除菌灯」を構成することも可能である。
戻り回路32aには、さらに、水流スイッチ36および温度センサ37が配置される。水流スイッチ36は、所定流量を超えた通流があった場合にオンされる一方で、そうでない場合にはオフされる。温度センサ37は、追焚循環路での一次熱交換器31および二次熱交換器34の入側(通過前)での浴槽水の温度を検出するために配置される。
さらに、戻り回路32aには、浴槽8内の水位を測定するための水位センサ38が配置される。水位センサ38は、代表的には、水位に応じて戻り回路32aに生じた水圧を検出するための圧力センサによって構成される。なお、水位センサ38は、後述する注湯路41における注湯ユニット42の下流側(浴槽側)に配置されてもよい。また、往き回路32bには、温度センサ39が配置される。温度センサ39は、一次熱交換器31および二次熱交換器34による加熱後の浴槽水の温度(すなわち、浴槽8へ戻される湯温)を検出するために設けられる。
注湯回路4は、注湯路41と、注湯ユニット42とを含む。注湯路41は、給湯回路2の出湯路23から上流端が分岐される。注湯路41は、注湯ユニット42を経由して、追焚循環路(戻り回路32a上の合流点105)に合流するように配置される。注湯ユニット42は、開閉切換により注湯の実行および遮断を切換えるための注湯電磁弁や縁切り弁等がユニット化されて構成される。注湯路41に流量センサ46を設けることにより、注湯回路4から浴槽8への供給流量を検出することができる。また、バーナ20を非作動とした状態で注湯電磁弁を開放することにより、注湯回路4によって低温水(非加熱水)を浴槽8へ供給することも可能である。
ドレン処理回路5は、集水パン51と、中和器60と、ドレン排出路55とを有する。ドレン処理回路5は、二次熱交換器24,34において燃焼排ガスが潜熱回収のための熱交換により冷やされて凝縮することにより生じたドレンを処理するために設けられる。ドレンは、酸性の水溶液である。
集水パン51は、二次熱交換器24,34からドレンを集水するように構成される。中和器60は、集水パン51によって集水されたドレンに中和処理を施す。中和器60による中和処理後のドレンは、ドレン排出路55を経由して排水口へ導出される。
リモコン200は、たとえば、台所の壁面および浴室内等に配設される。給湯システム1に対するユーザ指示は、リモコン200の操作によって入力される。以下では、リモコン200を用いて入力されたユーザ指示を「ユーザ入力指示」とも称する。
コントローラ100は、給湯システム1がリモコン200によって入力されたユーザ入力指示に従って運転されるように、各種センサによる検出値を用いて、給湯回路2、追焚循環回路3、および、注湯回路4の動作を制御する。各回路を構成する各機器は、コントローラ100からの指令に応じて制御することができる。たとえば、コントローラ100は、マイクロコンピュータやメモリ等を含んで構成することができる。
次に、図1に示した給湯システム1の動作について説明する。
まず、通常の給湯運転について説明する。給湯運転は、給湯栓9が開かれることにより、最低作動流量以上の通水流量が流量センサ26により検知されることによって開始される。給湯運転が開始されると、バーナ20の燃焼制御と、バイパス弁25による高温水および低温水の混合比率制御とによって、リモコン200により設定された設定給湯温度と出湯温度が同等となるように、給湯システム1が動作する。
また、リモコン200から「風呂湯張り」が指示されると、注湯ユニット42内の注湯電磁弁が開かれることにより、浴槽8への給湯運転が実行される。以下では、浴槽8への給湯運転について、給湯栓9からの給湯運転と区別するために、特に「注湯運転」とも称する。あるいは、「風呂自動モード」が指示された場合には、初期の湯張りのため、または、一定水位を維持するために注湯運転が実行される。風呂自動モードでは、湯張り完了後の浴槽水は、一定温度(風呂設定温度)に自動的に保温される。
注湯運転時には、出湯路23から分岐供給される湯(高温水および低温水の混合)が、注湯路41および追焚循環路を経由して、浴槽8に注湯される。注湯運転は、水位センサ38の出力に基づいて、浴槽8の水位が所定レベルになるまで継続される。さらに、ユーザによる「足し湯」または「足し水」の要求操作に応じて、湯または低温水が、注湯ユニット42を経由して、給湯回路2から浴槽8へ供給されてもよい。
なお、注湯運転時には、循環ポンプ33が停止された状態で、注湯回路4からの湯が、追焚循環路上の合流点105に供給される。このため、合流点105から戻り回路32aおよび配管35aを逆流して循環アダプタ81の吸入口85へ至る経路と、合流点105から一次熱交換器31および二次熱交換器34、および、往き回路32bを経由して循環アダプタ81の吐出口86へ至る経路との両方から、浴槽8への注湯が行なわれる。
追焚運転は、湯張り後の風呂設定温度までの自動沸上げ、浴槽水を一定温度(風呂設定温度)に保温するための自動沸上げ、あるいはユーザからの追焚指令に基づく沸上げ等により開始される。追焚運転では、循環ポンプ33が作動することにより、浴槽水が追焚循環路を循環する。さらに、バーナ30の燃焼制御により、循環水は、温度センサ37,39による検出値に基づき、所定温度まで上昇させた上で浴槽8に再度供給される。
本実施の形態に従う風呂システムでは、UVユニット70を配置することによって、追焚循環路を通流する浴槽水に対して除菌処理を実行することができる。当該除菌処理は、一次熱交換器31および二次熱交換器34による加熱の有無を問わず、すなわち追焚運転時以外であっても、循環ポンプ33の作動およびUV灯71の点灯により実行することができる。以下では、UV灯71の長寿命化を図るための制御について説明する。
図2は、図1に示されたUV灯71の点灯および消灯を制御するための構成を説明するブロック図である。
図2を参照して、リモコン200は、通信線210によって、コントローラ100と接続される。通信線210は、代表的には、2芯の通信ケーブルによって構成することができる。
リモコン200は、給湯システム1の運転をオンオフするための運転スイッチ202と、ユーザ入力指示を受けるための操作スイッチ203と、表示部205とを含む。運転スイッチ202および操作スイッチ203は、代表的には、プッシュボタンやタッチボタンによって構成することができる。表示部205は、代表的には、液晶パネルによって構成することができる。操作スイッチ203の一部または全部は、タッチパネル上に形成されるソフトスイッチによって構成されてもよい。
ユーザ入力指示は、給湯設定温度やふろ温度(湯張り温度)の指定、および、上述した、足し水、足し湯、追焚、風呂湯張り、および、風呂自動モード等の指令を含む。さらに、UVユニット70を搭載した給湯システム1では、ユーザ入力指示は、UV灯71を用いた除菌運転のオンオフ指令を含む。除菌運転に関しては、浴槽の残り湯を翌朝の洗濯等に用いることを想定して、除菌終了時刻を指定するタイマー運転機能を設けることができる。したがって、ユーザ入力指示は、除菌終了時刻を含む。
コントローラ100は、ユーザ入力指示に従って、除菌のためのUV灯71の要求点灯期間を設定する。たとえば、タイマー運転によらず、単純にユーザのオンオフ指令に従って除菌運転を開始および終了する場合には、コントローラ100は、ユーザによる除菌運転の開始指示に応じて要求点灯期間を開始するとともに、ユーザによる除菌運転の終了指示に応じて要求点灯期間を終了する。
除菌終了時刻が指定された除菌運転(タイマー除菌運転)では、当該除菌終了時刻において浴槽水の雑菌数を所定値以下となるように、要求点灯期間は、コントローラ100により自動的に設定される。
たとえば、図3に示されるように、タイマー除菌運転における、UV灯71の要求点灯期間は、間欠的に繰り返し設けることができる。具体的には、T0の長さの非点灯期間と、T1の長さの点灯要求期間とのセットを1個の除菌サイクルとして、除菌終了時刻に指定された時刻tfにおいて最後の点灯要求期間が終了するように逆算して、複数の点灯要求期間を周期的に設けることができる。浴槽水内の雑菌数は、UV灯71の非点灯期間では指数関数的に上昇する一方で、UV灯の点灯期間では減少する。したがって、予め設定された時刻における雑菌数を所定値以下に抑制する観点からは、UV灯71を連続的に点灯するよりも、間欠的に点灯した方が、UV灯の点灯時間を短縮することができる。
再び図2を参照して、コントローラ100は、循環ポンプ33の作動および停止を指示するための制御信号Spmと、UV灯71の点灯および消灯を指示するための制御信号Spsとを生成する。
循環ポンプ33は、制御信号Spmに従って作動または停止する。循環ポンプ33には、回転数を検出するための回転数センサ45が配置される。UV灯71は、電源配線115への電源電圧Vcの供給の有無に応じて点灯または消灯する。電源配線115には、コントローラ100からの制御信号Spsに従ってオンオフされる電源スイッチ110を経由して、電源電圧Vcが供給される。
コントローラ100は、回転数センサ45の検出値から、循環ポンプ33の回転数Npmを取得することができる。さらに、コントローラ100には、循環経路上に配置された水流スイッチ36による検出信号Fonが入力される。検出信号Fonは、循環経路に所定流量を超えた通流があった場合にオンされる一方で、そうでない場合にはオフされる。
再び図3を参照して、コントローラ100は、UV灯71の点灯要求期間の開始時(時刻t1,t2,…tn)において、追焚循環路における循環検知処理を実行する。具体的には、コントローラ100は、制御信号Spmによって循環ポンプ33を作動させた状態として、当該状態において追焚循環路における浴槽水の循環の有無を検知する。たとえば、水流スイッチ36の検出信号Fonがオンであるときには、浴槽水の循環が検知される一方で、検出信号Fonがオフであるときには、浴槽水の循環は検知されない。
ここで、浴槽8での水位が循環アダプタ81(吸入口85)よりも低いために、循環ポンプ33を作動させても追焚循環路に浴槽水が導入されないときには、UV灯71を点灯させても浴槽水を除菌することができない。すなわち、上記循環検知処理により、追焚循環路に浴槽水が循環しており、UV灯71の点灯により除菌効果が得られる状態であるか否かを確認することができる。
コントローラ100は、循環検知処理によって追焚循環路での浴槽水の循環が検知されると、当該点灯要求期間に対応させて、制御信号Spm,Spsのオン期間(Hレベル期間)を設定する。これにより、点灯要求期間において、UVユニット70を通流する浴槽水を、紫外線照射によって除菌することができる。
これに対して、コントローラ100は、循環検知処理によって追焚循環路での浴槽水の循環が検知されないときには、図中に点線で示されるように、当該点灯要求期間の間は制御信号Spm,Spsをオフ(Lレベル)する。これにより、循環ポンプ33が停止されるとともに、UV灯71が消灯されるので、循環ポンプ33による無駄な電力消費およびUV灯71の無駄な点灯を回避することができる。
図4は、本実施の形態に従う風呂システムでの除菌運転の制御処理を説明するためのフローチャートである。図4に示された制御処理は、コントローラ100によって繰り返し実行される。
図4を参照して、コントローラ100は、ステップS100により、UV灯71の点灯要求期間の開始タイミングが到来したか否かを判定する。上述のように、間欠的に複数の点灯要求期間が設けられる場合には、各点灯要求期間の開始時に(図3中の時刻t1,t2,tnの各々)、ステップS100はYES判定とされる。コントローラ100は、点灯要求期間の開始タイミングが到来すると(S100のYES判定時)、ステップS110により、循環ポンプ33を起動するように制御信号Spmを設定する。
さらに、コントローラ100は、ステップS120により、循環ポンプ33の起動後の一定時間内で、追焚循環路での浴槽水の循環が検知されたか否かを判定する。上述のように、水流スイッチ36の検出信号Fonに基づいて、ステップS120の判定を実行することができる。
なお、水流スイッチ36が配置されない構成では、循環ポンプ33への電圧指令と、回転数センサ45によって検出される循環ポンプ33の回転数との対比から、循環ポンプ33の負荷を推定することによって、ステップS120における浴槽水の循環の有無を判定することも可能である。
あるいは、循環ポンプ33の作動によって追焚循環路に浴槽水が循環するか否かは、浴槽8での水位に依存するので、点灯要求期間の開始時点における水位センサ38の検出値に基づいて、ステップS120の判定を実行することも可能である。この場合には、循環ポンプ33を起動することなく(S110をスキップ)、水位センサ38の検出値に基づく判定(S120)を行う必要がある。循環ポンプ33の起動後には、水位センサ38で検出される圧力値が、浴槽8内での水位によらず上昇するため、水位を正確に検出できなくなるからである。
コントローラ100は、循環検知処理によって、追焚循環路での浴槽水の循環が検知されたときには(S120のYES判定時)、ステップS130により、UV灯71を点灯するように制御信号Spsを設定する。ステップS120による判定が水位センサ38の検出値を用いて実行されており、循環ポンプ33が起動されずに循環検知処理が実行されている場合には、ステップS130により、循環ポンプ33を起動するための制御信号Spmの設定も併せて実行される。これにより、循環ポンプ33が作動した状態でUV灯71が点灯されて、浴槽8の浴槽水の一部ずつが順次除菌される。
コントローラ100は、ステップS140により、点灯要求期間が終了したか否かを判定し、終了するまでは(S140のNO判定時)、ステップS130の処理を継続する。図3の例では、ステップS140は、点灯要求期間の開始タイミング(ステップS100のYES判定時点)から、T1が経過するまでNO判定に維持される。
コントローラ100は、点灯要求期間が終了すると(S140のYES判定時)、ステップS150に処理を進めて、UV灯71を消灯するように制御信号Spsを設定する。さらに、コントローラ100は、ステップS200に処理を進めて、循環ポンプ33を停止するように制御信号Spmを設定する。
あるいは、UV灯71の点灯中(S130)において、点灯要求期間の継続中に(S140のNO判定時)、ステップS120と同様の循環検知処理を定期的に実行することも可能である。この場合には、浴槽水の循環が検知されなくなると、処理をステップS150へスキップすることにより、UV灯71を消灯するとともに、循環ポンプ33を停止することができる。
コントローラ100は、循環検知処理によって、追焚循環路での浴槽水の循環が検知されないときには(S120のNO判定時)、ステップS160により、UV灯71を非点灯とする(すなわち、消灯を維持する)ように制御信号Spsを設定する。さらに、コントローラ100は、ステップS200に処理を進めて、循環ポンプ33を停止するように制御信号Spmを設定する。
ステップS150またはS160によってUV灯71が非点灯状態とされた以降では、次の点灯要求期間の開始タイミングが到来するまでは、ステップS100がNO判定とされるため、ステップS200により循環ポンプ33が停止されるとともに、UV灯71の消灯が維持される。
なお、図4のフローチャートにおいて、ステップS120での処理により、循環検知処理を実行する「検知手段」の機能を実現することができる。また、ステップS130での処理、ならびに、ステップS160およびS200による処理によって、「制御手段」の機能を実現することができる。
このように、本実施の形態に従う風呂システムによれば、UV灯71の点灯要求期間の開始時に循環検知処理を実行して、浴槽水の循環が検知されたときに限って、UV灯71を点灯して除菌処理を行うことができる。この結果、追焚循環路に浴槽水が循環されないときには除菌灯(UV灯)が消灯されるので、除菌灯の無駄な点灯を回避して、長寿命化を図ることができる。
特に、タイマー除菌運転の適用により、浴室が無人となる時間帯(たとえば、夜中)に除菌灯(UV灯)の点灯要求期間が設けられる際にも、循環検知処理の結果に基づき、自動的に除菌灯の無駄な点灯を回避することができる。
(除菌処理の変形例)
一旦、循環検知処理によって、追焚循環路に浴槽水が循環していないことが検知されると、浴槽水(高温水または低温水)の補給によって、浴槽8での水位が、循環アダプタ81(吸入口85)よりも高くなるように回復されるまでは、同様の状況が継続することが理解される。以下では、この点に着目した除菌処理の変形例について説明する。
図5は、本実施の形態に従う風呂システムでの除菌運転の第1の変形例による制御処理を説明するためのフローチャートである。図5に示された制御処理についても、図4と同様に、コントローラ100によって繰り返し実行される。
図5を図4と比較して、コントローラ100は、ステップS102、S104、S106、および、S108の処理をさらに実行する。その他の各ステップによる処理は、図4と同様である。
コントローラ100は、点灯要求期間の開始タイミングが到来すると(S100のYES判定時)、ステップS102により、フラグF1=1であるか否かを判定する。フラグF1は、デフォルト値が0である一方で、前回の循環検知処理において浴槽水の循環が検知されないときに、F1=1に設定される。
コントローラ100は、F1=0のとき(S102のNO判定時)には、図4と同様に今回の点灯要求期間での循環検知処理を実行するとともに、循環検知処理の結果に応じて、UV灯の点灯および消灯を制御する(S110〜S160)。この際に、コントローラ100は、循環検知処理(S120)によって、浴槽水の循環が検知されたときには、ステップS106によりF1=0に設定する一方で、浴槽水の循環が検知されなかったときには、ステップS108によりF1=1に設定する。ステップS106またはS108で設定されたフラグF1に従って、次の点灯要求期間の開始時に、ステップS102の判定が実行される。
コントローラ100は、F1=1のとき(S102のYES判定時)には、ステップS104に処理を進めて、フラグF1が0から1に変更された時点から現時点までの期間内に、浴槽水の供給履歴があるか否かを判定する。たとえば、上記期間内に、リモコン200の操作によって、注湯回路4の作動によって浴槽8に浴槽水を供給する所定のユーザ入力指示が発生した場合に、ステップS104をYES判定とすることができる。具体的には、ユーザ入力指令として、「足し水」または「足し湯」、あるいは、「お湯張り」が、リモコン200に入力された履歴が存在する場合に、ステップS104をYES判定とすることができる。
あるいは、図1の例のように、注湯路41に流量センサ46が設けられている構成では、上記期間内における流量センサ46の検出値に基づいて、ステップS104の判定を実行することも可能である。このように、ステップS104では、注湯回路4の作動によって、浴槽8に浴槽水を供給した履歴の有無が判定される。すなわち、給湯回路2および注湯回路4によって、浴槽水を供給するための「供給回路」の一実施例を構成することができる。
コントローラ100は、浴槽水の供給履歴がある場合(S104のYES判定時)には、浴槽水位の回復によって除菌処理が実行可能な状況となっている可能性があるので、ステップS110,S120に処理を進めて上述の循環検知処理を実行する。さらに、循環検知処理の結果に応じて、追焚循環路での浴槽水の循環が検知されると、点灯要求期間において、UV灯71が点灯される(S130〜S150)。なお、図4で説明したのと同様に、点灯要求期間の継続中に(S140のNO判定期間)循環検知処理を定期的に実行して、浴槽水の循環が検知されなくなると、UV灯71を消灯するとともに、循環ポンプ33を停止することが可能である。
これに対して、コントローラ100は、浴槽水の供給履歴がない場合(S104のNO判定時)には、循環検知処理を実行することなく、ステップS108,S160に処理を進めて、UV灯71を非点灯状態に維持する。また、浴槽水の供給履歴がある場合(S104のYES判定時)に実行された循環検知処理(S120)によって、追焚循環路での浴槽水の循環が検知されなかったときにも、ステップS108,S160に処理が進められる。
図5に示された除菌運転の第1の変形例によれば、循環検知処理によって、追焚循環路に浴槽水の循環が無いことが一旦検知されると、浴槽水の供給によって浴槽8での水位が回復された可能性がない期間中では、新たに循環検知処理が起動されない。これにより、循環ポンプ33を無用に作動させて無駄な循環検知処理が実行されることが回避できるので、無用な消費エネルギを防止することができる。
図6は、本実施の形態に従う風呂システムでの除菌運転の第2の変形例による制御処理を説明するためのフローチャートである。図6に示された制御処理についても、図4と同様に、コントローラ100によって繰り返し実行される。
図6を図4と比較して、コントローラ100は、ステップS170、S172、S174、および、S176の処理をさらに実行する。その他の各ステップによる処理は、図4と同様である。
コントローラ100は、ステップS100〜S120によって、UV灯71の点灯要求期間の開始時に循環検知処理を実行する。そして、コントローラ100は、循環検知処理によって浴槽水の循環が検知されたときには(S120のYES判定時)、ステップS170により、カウント値CNT=0にクリアするとともに、図4と同様のステップS130〜S150により、点灯要求期間においてUV灯71を点灯する。
一方で、コントローラ100は、循環検知処理によって浴槽水の循環が検知されなかったときには(S120のNO判定時)、ステップS172により、カウント値CNTが判定値Ct以上であるか否かを判定する。カウント値CNTは、後述する浴槽水自動補給運転の実行回数を示す。
コントローラ100は、カウント値CNTが判定値Ctに達していないときには(S172のNO判定時)、ステップS174により、コントローラ100による浴槽水自動補給運転を実行する。浴槽水自動補給運転では、コントローラ100が注湯回路4を作動することによって、浴槽8に浴槽水が供給される。さらに、コントローラ100は、ステップS176により、カウント値CNTを1増加する。なお、浴槽水自動補給運転中には、循環ポンプ33を一旦停止してもよい。
そして、コントローラ100は、処理をステップS120に戻すことにより、浴槽水自動補給運転後に循環検知処理を再び実行する。この際に、必要であれば循環ポンプ33が起動される。コントローラ100は、循環検知処理によって浴槽水の循環が検知されると(S120のYES判定時)、ステップS170およびステップS130〜S150に処理を進めて、点灯要求期間においてUV灯71を点灯する。なお、図6の制御処理においても、点灯要求期間の継続中に(S140のNO判定期間)循環検知処理を定期的に実行して、浴槽水の循環が検知されなくなると、UV灯71を消灯するとともに、循環ポンプ33を停止することが可能である。
なお、循環検知処理によって浴槽水の循環が検知されないときには(S120のNO判定時)、カウント値CNTが判定値Ctに達するまで、浴槽水自動補給運転(S174)および、浴槽水自動補給運転後の循環検知処理(S120)を繰り返し実行することができる。なお、判定値Ct=1に設定することも可能である。
一方で、コントローラ100は、カウント値CNTが判定値Ct以上である場合(S172のYES判定時)には、浴槽水自動補給運転によっても浴槽水位が上昇しないため、新たな循環検知処理を起動することなく、ステップS160により、UV灯71を非点灯状態に維持する。なお、一旦このような状況が発生すると、以降の点灯要求期間においても、循環検知処理(S120)および浴槽水自動補給運転(S174)を実行することなく、UV灯71を非点灯状態に維持することが好ましい。
図6に示された除菌運転の第2の変形例によれば、循環検知処理によって浴槽水の循環が検知されないときには、コントローラ100によって浴槽水を自動的に補給することができる。したがって、浴槽水位の回復によって除菌処理が実行可能な状況を作り出すことにより、ユーザによって指示された除菌運転の実現可能性が高められるので、ユーザ利便性が向上する。
なお、本実施の形態に従う風呂システムの構成について、図1に示された構成は例示に過ぎないことについて、確認的に記載する。すなわち、循環ポンプの作動によって浴槽水が導入される追焚循環路内に除菌灯(UV灯71)が配置された構成を有する風呂システムであれば、本実施の形態およびその変形例で説明した、紫外線照射による除菌運転を適用して、除菌灯の長寿命化を図ることが可能である。
たとえば、除菌灯は、追焚循環路の一部として設けられたバイパス路に配置されてもよく、さらには、当該バイパス路に配置された除菌灯への浴槽水の通流をオンオフするための制御要素(電磁開閉弁等)が当該バイパス路内またはバイパス路外に配置された構成であってもよい。すなわち、追焚循環路の循環ポンプ33の作動によって、除菌灯が設けられた流路(バイパス路を含む)に浴槽水を導入可能に構成されていれば、除菌灯が追焚循環路に含まれるように配置されており、本発明の適用が可能である。
また、除菌運転における除菌灯の点灯要求期間が、図3の様な間欠的な態様ではなく単一に設けられるケースにも、本実施の形態に従い、点灯要求期間の開始時に循環検知処理を実行し、浴槽水の循環が検知されない場合には除菌灯の点灯を回避することができる。これにより、除菌灯の長寿命化を同様に図ることができる。
さらに、タイマー運転によらず、単純にユーザのオンオフ指令に従って除菌灯の要求点灯期間が開始および終了されるケースにおいても、本実施の形態に従い、点灯要求期間の開始時に循環検知処理を実行することができる。すなわち、当該循環検知処理で、浴槽水の循環が検知されない場合には除菌灯の点灯を回避することができる。なお、このような場合には、ユーザに対して異常を報知することが好ましい。
また、図4〜図6でも説明したように、循環検知処理(S120)の実行タイミングは、要求点灯期間の開始時のみに限定されるものではなく、除菌運転中に1回または複数回設けられる点灯要求期間の各々において、1回または複数回の循環検知処理を実行して、各循環検知処理の結果に基づいて除菌灯の点灯および非点灯(消灯)を制御することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。