JP2023034525A - 暖房熱源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱媒体の循環による暖房機能と、浴槽水の循環による追焚機能および除菌機能を有する暖房熱源装置において、暖房機能を確保しつつ、除菌処理の実行中に意図しない高温水が浴槽内に出力されることを抑制する。【解決手段】制御器は、制御弁を閉止した状態下で第2の循環ポンプを作動させることにより、除菌灯を用いて追焚循環経路を通流する浴槽水を除菌するための除菌運転を実行するための手段と、暖房運転の開始時から所定時間が経過するまでの期間において、制御弁を開放した状態下で第1の循環ポンプを作動させることにより迅速加熱運転を実行するための手段とを有する。制御器は、迅速加熱運転の実行時には、制御弁を開状態に維持するとともに、除菌運転の実行を禁止する。【選択図】図3
Description
本発明は、暖房熱源装置に関する。
特開2018-54180号公報(特許文献1)には、紫外線照射のためのUV(Ultra Violet)灯に代表される除菌灯を用いて、浴槽循環水を除菌する風呂システムが記載されている。上記風呂システムにおいて、除菌灯は、浴槽水を循環するための追焚循環経路に配置されている。循環ポンプの作動によって形成された追焚循環経路を通流する浴槽水は、除菌灯の点灯時に紫外線照射によって除菌される。
上記風呂システムに適用される暖房熱源装置の一態様として、熱媒体の循環による暖房機能と、浴槽水の循環による追焚機能とを具備するものがある。このような暖房熱源装置では、暖房循環経路を通流する熱媒体を用いて、風呂の追焚運転が実現される。具体的には、暖房循環経路の熱媒体が制御弁を介して液々熱交換器を通流することにより、追焚循環経路を通流する浴槽水が加熱されることによって、追焚運転が行なわれる。したがって、暖房運転によって暖房循環経路に熱媒体が通流している状態下での、追焚運転の非実行時には、制御弁の閉止によって液々熱交換器への熱媒体の供給が遮断される。
一方、上記暖房熱源装置においては、暖房運転の開始時の所定時間内に、通常よりも高い温度の熱媒体を暖房端末に供給して、速やかに当該暖房端末を温める運転(いわゆる、ホットダッシュ運転)を行なうことが可能である。ホットダッシュ運転では、暖房循環経路の通流量を確保する目的で、上記制御弁が開放される。
したがって、除菌運転の実行中にホットダッシュ運転が開始された場合には、制御弁が開放した状態にて暖房循環経路が形成される。この場合、液々熱交換器に加熱された熱媒体が供給されるため、追焚循環経路を通流する浴槽水が加熱される。すなわち、除菌運転おホットダッシュ運転が同時に実行される場合には、浴槽水の加熱を想定していないにもかかわらず、実質的に追焚運転が実行されることになり、結果的に意図しない高温水が浴槽へ出力される虞がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、熱媒体の循環による暖房機能と、浴槽水の循環による追焚機能および除菌機能を有する暖房熱源装置において、暖房機能を確保しつつ、除菌処理の実行中に意図しない高温水が浴槽内に出力されることを抑制することである。
本発明のある局面では、暖房熱源装置は、熱媒体循環経路と、熱源と、制御弁と、熱交換器と、追焚循環経路と、除菌灯と、制御器とを備える。熱媒体循環経路は、第1の循環ポンプの作動時に形成され、暖房熱源装置に接続された暖房端末に対して液状の熱媒体を循環供給する。熱源は、熱媒体を加熱する。制御弁は、熱媒体循環経路に含まれるように配置される。熱交換器は、制御弁の開放時に媒体が通流される一次側経路を有する。追焚循環経路は、第2の循環ポンプの作動時に形成され、浴槽からの浴槽水が熱交換器の二次側経路を通流後に浴槽へ戻される。除菌灯は、追焚循環経路に含まれるように配置され、点灯時に除菌効果を有する波長域の光線を照射する。制御器は、第1の循環ポンプ、第2の循環ポンプ、制御弁および除菌灯を制御する。制御器は、制御弁を閉止した状態下で第2の循環ポンプを作動させることにより、除菌灯を用いて追焚循環経路を通流する浴槽水を除菌するための除菌運転を実行するための手段と、暖房運転の開始時から所定時間が経過するまでの期間において、制御弁を開放した状態下で第1の循環ポンプを作動させることにより迅速加熱運転を実行するための手段とを有する。制御器は、迅速加熱運転の実行時には、制御弁を開状態に維持するとともに、除菌運転の実行を禁止する。
本発明によれば、熱媒体の循環による暖房機能と、浴槽水の循環による追焚機能および除菌機能を有する暖房熱源装置において、暖房機能を確保しつつ、除菌処理の実行中に意図しない高温水が浴槽内に出力されることを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に従う暖房熱源装置100の概略構成図である。
図1は、実施の形態1に従う暖房熱源装置100の概略構成図である。
図1を参照して、暖房熱源装置100は、給湯回路101と、追焚回路102と、暖房回路103と、コントローラ300とを備える。給湯回路101は、カラン105や図示しないシャワー等の給湯栓の開栓時に、設定温度に制御された適温の湯を出力するように構成される。追焚回路102は、図示しない浴槽内の湯を加熱循環するように構成される。暖房回路103は、暖房熱源装置100に接続された暖房端末(図示せず)に対して、液状の熱媒体である高温水を循環供給するように構成される。コントローラ300は、例えば、マイクロコンピュータを主体として構成される。コントローラ300は、「制御器」の一実施例に対応する。
追焚回路102は、浴槽水吸入口191および浴槽水吐出口192の間に、浴槽内の湯を加熱循環するための追焚循環経路を形成するように構成される。浴槽水吸入口191および浴槽水吐出口192は、浴槽内に配置された浴槽アダプタ(図示せず)に設けられた開口部と、配管を経由してそれぞれ接続される。
暖房回路103から熱媒体を受ける暖房端末(図示せず)は、暖房戻口302と暖房出力口(低温)304との間、または、暖房戻口302および暖房出力口(高温)306との間に接続される。
以下、順に、給湯回路101、追焚回路102および暖房回路103の構成について説明する。
給湯回路101は、缶体10に格納された、一次熱交換器11a、二次熱交換器21aおよび燃焼バーナ30aを含む。給湯回路101は、さらに、入水管50と、バイパス管60と、出湯管70とを含む。
入水管50には、水道水等が給水される。入水管50および出湯管70の間にはバイパス管60が配置される。入水管50には、バイパス管60への分流を制御するための分配弁80が介挿接続される。分配弁80の開度に応じて、給水量の一部が入水管50からバイパス管60へ分流される。
入水管50の水は、まず二次熱交換器21aによって予熱された後、一次熱交換器11aにおいて主加熱される。一次熱交換器11aおよび二次熱交換器21aによって所定温度まで加熱された湯は、出湯管70から出湯される。
出湯管70は、合流点75においてバイパス管60と接続される。したがって、暖房熱源装置100からは、缶体10から出力された高温水と、バイパス管60からの低温水とを混合した適温の湯が、台所や浴室等の給湯栓や、図示しない風呂への注湯回路などの所定の給湯箇所に供給される。出湯管70には、流量調整弁90が設けられる。流量調整弁90は、出湯流量を制御するために設けられる。
缶体10において、燃焼バーナ30aからは、燃料ガスと、送風ファン40によって供給される燃焼用空気との混合気が出力される。図示しない点火装置によって混合気が着火されることにより、燃料ガスが燃焼されて火炎が生じる。燃焼バーナ30aからの火炎によって生じる燃焼熱は、缶体10内で一次熱交換器11aおよび二次熱交換器21aへ与えられる。
一次熱交換器11aは、燃焼バーナ30aによる燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水を熱交換によって加熱する。二次熱交換器21aは、燃焼バーナ30aからの燃焼排ガスの潜熱によって通流された水を熱交換によって加熱する。缶体10の燃焼ガスの流れ方向下流側には、熱交換後の燃焼排ガスを排出処理するための排気経路15が設けられる。このように、缶体10では、燃焼バーナ30aでの燃焼による発生熱量により、一次熱交換器11aおよび二次熱交換器21aで、入水管50から供給された水を加熱する。
燃焼バーナ30aへのガス供給管31には、元ガス電磁弁32、ガス比例弁33および、能力切換弁35a~35cが配置される。元ガス電磁弁32は、燃焼バーナ30aへの燃料ガスの供給をオンオフする機能を有する。ガス供給管31のガス流量は、ガス比例弁33の開度に応じて制御される。能力切換弁35a~35cは、複数の燃焼バーナ30aのうちの、燃料ガスの供給対象となるバーナ本数(バーナ燃焼本数)を切換えるために開閉制御される。
次に、追焚回路102を含む、暖房熱源装置100における浴槽への給湯に関連した構成について説明する。なお、以下では、浴槽に対する給湯を「注湯」と表記する一方で、浴槽以外の給湯栓(カラン105等)への給湯を、単に「給湯」と表記することとする。
暖房熱源装置100は、出湯管70から分岐して浴槽(図示せず)へ給湯するための注湯配管180をさらに備える。注湯配管180は、出湯管70から流量調整弁90を経由して分岐される。さらに、注湯配管180には、注湯開閉弁210および逆止弁220が介挿接続される。注湯配管180は、後程説明する風呂戻り配管194と、合流点185で連結される。
コントローラ300による注湯開閉弁210の開閉制御によって、給湯回路101から浴槽へ注湯するための経路の形成/遮断を制御することができる。
追焚回路102は、風呂戻り配管194と、風呂往き配管195と、追焚循環ポンプ400と、風呂熱交換器410と、UVユニット600とを含む。
風呂戻り配管194は、浴槽水吸入口191と、風呂熱交換器410の二次側経路の一方端との間を接続する。追焚循環ポンプ400は、風呂戻り配管194に介挿接続される。風呂熱交換器410の二次側経路の他方端(浴槽側)は、風呂往き配管195によって、浴槽水吐出口192と連結される。
追焚運転時には、追焚循環ポンプ400が作動することにより、浴槽水吸入口191から暖房熱源装置100へ浴槽内の浴槽水が吸入される。そして、吸入された湯が、風呂戻り配管194、追焚循環ポンプ400、風呂熱交換器410(二次側経路)、および、風呂往き配管195を経由して、浴槽水吐出口192から浴槽内に戻される追焚循環経路が形成される。追焚循環経路において、風呂熱交換器410の入力側および出力側には、温度センサ372および374がそれぞれ設けられる。温度センサ372,374は、例えば、サーミスタによって構成される。以下では、風呂熱交換器410の出力側に配置された温度センサ374による検出温度を、出側温度Tchとも称する。
追焚運転時には、暖房回路103の制御弁330が開放される。これにより、後述する暖房回路103で加熱された熱媒体が、風呂熱交換器410の一次側経路を通流する。この結果、風呂熱交換器410の二次側経路を通過する追焚循環経路の湯が、風呂熱交換器410の一次側経路を通過する熱媒体との液々熱交換で加熱されることにより、浴槽内の湯温を上昇させることができる。
なお、制御弁330は、代表的には、開閉制御される熱動弁によって構成することができる。或いは、風呂熱交換器410(一次側経路)を通過する熱媒体の流量を制御するために、開度制御可能な流量調整弁によって、制御弁330を構成することも可能である。
さらに、風呂戻り配管194は、合流点185において、注湯配管180と連結される。これにより、注湯開閉弁210が開放されると、給湯回路101からの湯が、注湯配管180を経由して合流点185に供給される。注湯運転時には、追焚循環ポンプ400が停止されているため、供給された湯は、風呂戻り配管194および風呂往き配管195をそれぞれ経由して、浴槽水吸入口191および浴槽水吐出口192の両方から、浴槽内に供給される。これにより、給湯回路101から浴槽へ至る注湯経路が形成される。
UVユニット600は、風呂戻り配管194において、浴槽水が通流するように配置される。UVユニット600は、通流する浴槽水に紫外線を照射するためのUV灯610を内蔵する。すなわち、UV灯610は、点灯時に除菌効果を有する波長域の光線(紫外線)を照射するように構成されており、「除菌灯」の一実施例に相当する。
UV灯610は、追焚循環ポンプ400の作動によって浴槽水が導入される追焚循環経路に含まれるように配置されている。UVユニット600を通過する浴槽水は、UV灯610の点灯時に紫外線照射によって除菌されることにより、雑菌数が低減する。UV灯610を内蔵するUVユニット600は、追焚循環経路上のいずれに配置されてもよい。また、本実施の形態では、「除菌灯」としてUV灯610を例示するが、点灯時に除菌効果を有する波長域の光線を照射するものであれば、UV灯610以外にも、蛍光灯や発光ダイオード(LED)等によって「除菌灯」を構成することも可能である。
本実施の形態に従う暖房熱源装置100では、UVユニット600を配置することによって、追焚循環経路を通流する浴槽水に対して除菌処理を実行することができる。当該除菌処理は、風呂熱交換器410による加熱の有無を問わず、すなわち追焚運転時以外であっても、追焚循環ポンプ400の作動およびUV灯610の点灯により実行することができる。
次に、暖房熱源装置100内の暖房回路103について説明する。
暖房回路103は、暖房運転時に、暖房戻口302と暖房出力口(低温)304との間、および、暖房戻口302と暖房出力口(高温)306との間のそれぞれに、熱媒体(代表的には、高温水)の循環経路を形成するように構成される。
暖房回路103は、暖房運転時に、暖房戻口302と暖房出力口(低温)304との間、および、暖房戻口302と暖房出力口(高温)306との間のそれぞれに、熱媒体(代表的には、高温水)の循環経路を形成するように構成される。
暖房戻口302と暖房出力口(低温)304との間には、図示しない暖房端末が接続される。当該低温側の暖房端末は、例えば、暖房回路103からの熱媒体が通流される、床暖房用の温水パネルによって構成される。同様に、暖房戻口302と暖房出力口(高温)306との間にも、図示しない暖房端末が接続される。当該高温側の暖房端末は、例えば、暖房回路103からの熱媒体によって加熱された温風を出力する、ルームヒーターによって構成される。
暖房回路103は、一次熱交換器11bおよび二次熱交換器21bと、燃焼バーナ30bとを含む。一次熱交換器11b、二次熱交換器21bおよび燃焼バーナ30bは、給湯回路の一次熱交換器11a、二次熱交換器21aおよび燃焼バーナ30aと共通の缶体10内に格納されている。
一次熱交換器11bは、燃焼バーナ30bによる燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水を熱交換によって加熱する。二次熱交換器21bは、燃焼バーナ30bからの燃焼排ガスの潜熱によって通流された水を熱交換によって加熱する。能力切換弁36a,36bの開閉制御によって、複数の燃焼バーナ30bのうちの、燃料ガスの供給対象となるバーナ本数(バーナ燃焼本数)が切換えられる。燃焼バーナ30bに対しては、燃焼バーナ30aと共通のガス供給管31、元ガス電磁弁32およびガス比例弁33を経由して、燃料ガスが供給される。
さらに、暖房回路103は、暖房循環ポンプ310と、暖房膨張タンク320と、制御弁330と、配管350,360,370,380,390と、端末熱動弁305と、温度センサ382,384とを含む。
配管350の一端は、一次熱交換器11bの一方端(入側)と接続される。配管350の他端は、複数の端末熱動弁305を経由して複数の暖房出力口(低温)304と接続される。
配管360は、一次熱交換器11bの他方端(出側)および配管380の間に配設される。後述するように、配管360には、風呂熱交換器410および制御弁330が設けられる。配管360および370は、一次熱交換器11bの同一側(出側)で分岐しており、配管370によって、一次熱交換器11bの他方端および暖房出力口306(高温)の間が接続される。
配管380は、暖房戻口302と二次熱交換器21bの一方端(入側)との間を連結する。配管390は、暖房膨張タンク320と、二次熱交換器21bの他方端(出側)との間を連結する。
暖房循環ポンプ310の吸入口311は、暖房膨張タンク320と接続される。暖房循環ポンプ310の吐出口312は、配管350の分岐部355と接続される。
暖房膨張タンク320は、暖房回路103を循環する熱媒体を一時的に貯留する。暖房膨張タンク320の水位低下時には、給水弁327を開放することにより、配管51から給水することができる。また、水位上昇時には、配管325を経由して、オーバーフロータンク328から排水栓106へ、熱媒体を排出することができる。また、図示を省略しているが、缶体10の内部で発生したドレン(凝縮水)は、ドレンタンク(図示せず)にて貯留され、中和処理後に外部へ排出される。
配管360には、コントローラ300からの指令に応じて開閉制御される制御弁(代表的には、熱動弁)330が介挿接続される。制御弁330の開放時には、一次熱交換器11bで加熱された熱媒体は、配管370によって暖房出力口306(高温)へ出力される経路と、配管360を経由して循環される経路とに分けられる。したがって、制御弁330の開放時には、一次熱交換器11bから出力された熱媒体を、配管360、風呂熱交換器410(一次側経路)、合流点385および配管380を経由して、二次熱交換器21bへ循環させる経路がさらに形成される。一方で、制御弁330が閉状態であると、一次熱交換器11bから出力された熱媒体は、風呂熱交換器410(一次側経路)を通過することなく、配管370のみへ供給される。
一次熱交換器11bの出力側には、暖房回路103における缶体10からの出力温度(缶体出側温度Tht)を検出するための温度センサ384が配置される。暖房膨張タンク320には、タンク内の熱媒体温度を検出するための温度センサ382が配置される。温度センサ382による検出温度Thiは、暖房出口(低温)304から供給される熱媒体の温度(低温側熱媒体温度)に相当する。温度センサ382,384は、例えば、サーミスタにより構成される。
コントローラ300は、各センサからの出力信号(検出値)およびユーザ操作を受けて、暖房熱源装置100の全体動作を制御するために、各機器への制御指令を発生する。ユーザ操作には、暖房熱源装置100の運転オンオフ指令および設定湯温指令が含まれる。さらに、UVユニット600を搭載した暖房熱源装置100では、ユーザ操作は、UV灯610を用いた除菌運転のオンオフ指令を含む。除菌運転に関しては、浴槽の残り湯を翌朝の洗濯等に用いることを想定して、除菌終了時刻を指定するタイマー運転機能を設けることができる。この場合、ユーザ操作は、除菌終了時刻を含む。例えば、これらのユーザ操作は、図示しないリモートコントローラ(以下、リモコンとも称する)に対して入力される。
コントローラ300は、ユーザ操作に従って、除菌のためのUV灯610の点灯時間および追焚循環ポンプ400の作動時間を設定する。除菌終了時刻が指定された除菌運転(タイマー除菌運転)では、当該除菌終了時刻において浴槽水の雑菌数が所定値以下となるように、UV灯610の点灯時間および追焚循環ポンプ400の作動時間は、コントローラ300により自動的に設定される。
制御指令には、各弁の開閉および開度指令、燃焼バーナ30a,30bに対する指令(燃焼オンオフおよび発生熱量)、並びに、暖房循環ポンプ310および追焚循環ポンプ400のオンオフ指令等が含まれる。運転オン/オフ指令は、給湯回路101による給湯運転および注湯運転、追焚回路102による追焚運転および除菌運転、ならびに、暖房回路103による暖房運転の各々のオン/オフ指令を含む。なお、暖房運転については、暖房端末に対するオン指令に応じて、暖房熱源装置100における暖房運転が自動的にオンされてもよい。
給湯運転および注湯運転時には、給湯回路101の燃焼バーナ30aでの燃焼によって、入水管50の低温水が加熱されて出湯管70へ出力される。コントローラ300は、給湯運転および注湯運転時における、燃焼バーナ30aによる要求発生熱量P*を算出する。例えば、要求発生熱量P*は、缶体出側温度の検出値が目標値に制御されるように算出される。缶体出側温度の目標値は、ユーザによって設定された給湯運転および注湯運転時の設定温度と、バイパス管60の分流率(分配弁80の開度)に基づいて設定できる。
追焚運転および暖房運転時には、暖房循環ポンプ310の駆動によって形成される循環経路を循環する熱媒体が、燃焼バーナ30bでの燃焼によって加熱される。コントローラ300は、燃焼バーナ30bによる要求発生熱量P*を、温度センサ384によって検出された一次熱交換器11bの出力温度(缶体出側温度Tht)の検出値が目標値へ制御されるように算出する。すなわち、燃焼バーナ30bによる要求発生熱量P*は、暖房回路103における缶体目標温度Tht*と、温度センサ382,384による検出温度(低温側熱媒体温度Thi、缶体出側温度Tht)とに基づいて算出することができる。代表的には、要求発生熱量P*は、設定された上限値を超えない範囲内で、缶体10における目標昇温量ΔT(ΔT=Tht*-Thi)および缶体出側温度の偏差ΔTht(ΔTht=Tht*-Tht)に基づいて算出することができる。
コントローラ300は、給湯運転、注湯運転、暖房運転および追焚運転の各々において、算出された要求発生熱量P*に従って、燃焼バーナ30a,30bへの供給ガス量を算出する。さらに、コントローラ300は、この供給ガス量を実現するような、燃焼バーナ30a,30bのうちのバーナ燃焼本数およびガス流量の組合せを決定するとともに、決定されたバーナ燃焼本数およびガス流量が実現されるように、ガス比例弁33の開度および能力切換弁35a~35c,36a,36bの開閉を制御する。さらに、コントローラ300は、算出された供給ガス量に対して、送風ファン40による送風量の比(空燃比)が所定値(例えば、理想空燃比)となるように、送風ファン40の回転数を制御する。
除菌運転時には、コントローラ300は、追焚循環ポンプ400の作動および停止を指示するための制御信号と、UV灯610の点灯および消灯を指示するための制御信号とを生成する。追焚循環ポンプ400は制御信号に従って作動または停止する。UV灯610は、制御信号に従った電源電圧の供給の有無に応じて点灯または消灯する。
次に、暖房熱源装置100の暖房回路103での通流経路をさらに詳細に説明する。
図2は、暖房回路103における熱媒体の通流経路を説明するためのブロック図である。図2を参照して、暖房回路103では、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動により、下記の熱媒体循環経路510を形成することによって熱媒体(温水)を循環加熱することができる。すなわち、暖房循環ポンプ310は「第1の循環ポンプ」の一実施例に対応する。
図2は、暖房回路103における熱媒体の通流経路を説明するためのブロック図である。図2を参照して、暖房回路103では、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動により、下記の熱媒体循環経路510を形成することによって熱媒体(温水)を循環加熱することができる。すなわち、暖房循環ポンプ310は「第1の循環ポンプ」の一実施例に対応する。
暖房循環ポンプ310の作動によって、暖房戻口302から、配管380、二次熱交換器21b、配管390、および、暖房膨張タンク320を経由して、暖房循環ポンプ310の吸入口311に至る吸入経路が形成される。暖房膨張タンク320から暖房循環ポンプ310に吸入された熱媒体は、吐出口312から、配管350の分岐部355へ出力される。
暖房循環ポンプ310から吐出された熱媒体は、配管350の分岐部355において、端末熱動弁305および暖房出力口(低温)304に至る出力経路と、燃焼バーナ30bから受熱する一次熱交換器11bを通過する加熱経路とに分岐される。当該加熱経路は、一次熱交換器11bの通過後に、配管370を経由して暖房出力口(高温)306から熱媒体を出力する出力経路と、一次熱交換器11bの通過後、配管360、風呂熱交換器410(一次側経路411)、および、合流点385、配管380、二次熱交換器21b、および、配管390を介して、再び暖房膨張タンク320へ至る戻り経路とを含む。当該戻り経路は、制御弁330の開放時に形成される一方で、制御弁330の閉止時には非形成とされる。
暖房運転時には、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動により熱媒体循環経路510を形成することで、暖房出力口306(高温)と接続された暖房端末(高温暖房端末)に対しては、一次熱交換器11bを通過した高温の熱媒体が供給される。一方で、暖房出力口304(低温)と接続された暖房端末(低温暖房端末)に対しては、暖房膨張タンク320内の熱媒体が供給される。これにより、暖房熱源装置100(暖房回路103)から暖房端末(図示せず)へ熱媒体が供給される。
暖房運転時には、制御弁330は開状態および閉状態のいずれであってもよいが、制御弁330を開放して上記戻り経路を形成することにより、暖房端末へ出力される熱媒体の流量を減少する一方で、熱交換器(二次熱交換器21bおよび一次熱交換器11b)を通過する熱媒体の流量が増加する。このため、制御弁330を開放して上記戻り経路を形成する動作モードとすることによって、熱媒体の温度を速やかに上昇することができる。例えば、暖房熱源装置100では、特定の暖房端末に対して、暖房運転の開始から一定時間が経過するまで、通常よりも(すなわち、上記一定時間の経過後よりも)高い温度の熱媒体を供給して、速やかに当該暖房端末を温めるために、いわゆるホットダッシュ制御(以下、HD制御とも称する)を行なうことが可能である。この際に、上述した、制御弁330を開放する動作モードを適用することができる。例えば、HD制御の実行時には、暖房出力口304(低温)から低温暖房端末へ供給される熱媒体の温度が、通常時の60℃程度から、70℃程度に上昇される。HD制御は「迅速加熱運転」に相当する。通常、高温暖房端末に対しては、HD制御は適用されない。
追焚回路102では、追焚循環ポンプ400が作動することにより、浴槽190との間に風呂熱交換器410の二次側経路412を含む追焚循環経路520が形成される。追焚運転時には、制御弁330が開放された状態で熱媒体循環経路510を形成することにより、追焚循環経路520を通流する浴槽水が、風呂熱交換器410の一次側経路411および二次側経路412間の液々熱交換により加熱される。追焚循環ポンプ400は「第2の循環ポンプ」の一実施例に対応する。
除菌運転の実行時においても、追焚循環ポンプ400が作動することにより、追焚循環経路520が形成される。さらに、UVユニット600に内蔵されるUV灯610が点灯することにより、追焚循環経路520を通流する浴槽水が除菌される。
ここで、暖房熱源装置100では、除菌運転の実行時に、HD制御が開始されることで、浴槽水の加熱が想定されていない一方で、制御弁330が開放した状態下で、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動による熱媒体循環経路510が形成されるケースがある。当該ケースでは、風呂熱交換器410の一次側経路411に加熱された熱媒体が通流するため、追焚循環経路520を通流する浴槽水が、風呂熱交換器410の一次側経路411および二次熱交換器412間の熱交換により加熱される。すなわち、除菌運転およびHD制御が同時に実行されるケースでは、浴槽水の加熱を想定していないにもかかわらず、実質的に追焚運転が実行されることになり、結果的に意図しない高温水が浴槽190へ出力される虞がある。
したがって、実施の形態1に従う暖房熱源装置100では、以下に示す制御処理に従って、HD制御の実行時には、制御弁330を開状態に維持するとともに、除菌運転の実行を禁止する。
図3は、実施の形態1に従う暖房熱源装置100における制御弁330の開閉制御を説明するための概念的な波形図である。図3(A)には、除菌運転の有無に応じた制御弁330の動作波形が示される。図3(B)には、除菌運転およびHD制御の有無に応じた制御弁330の動作波形が示される。
図3(A)を参照して、時刻t0にて除菌運転が実行されていないものとする。時刻t1にてユーザ操作による除菌運転のオン指令を受けて除菌運転が要求されると、追焚回路102では、追焚循環ポンプ400の作動によって追焚循環経路520が形成されるとともに、UV灯610が点灯される。時刻t1にて除菌運転が開始されると、ユーザ操作に基づいた設定時間T1が経過する時刻t2まで、除菌運転が実行される。時刻t2にて除菌運転が終了すると、追焚回路102では、UV灯610が消灯される。追焚循環ポンプ400が停止されて、追焚循環経路520が非形成となる。
時刻t2より後の時刻t3にてタイマー除菌運転における除菌開始時刻となったことに応じて除菌運転が要求されると、除菌終了時刻が到来するまで、除菌運転の実行時間(UV灯610の点灯時間および追焚循環ポンプ400の作動時間)が間欠的に繰り返し設定される。除菌運転の実行時間(図中の時間T2)と除菌運転の停止時間(図中の時間T3)とのセットを1個の制御サイクルとして、除菌終了時刻において最後の運転時間が終了するように逆算して、複数の制御サイクルが設定される。各制御サイクルにおける除菌開始時刻が到来するごとに、除菌運転が要求される。
図3(A)に示すように、除菌運転中、暖房回路103において制御弁330は開放されず、閉状態に維持される。よって、一次熱交換器11bを通過した熱媒体が風呂熱交換器410(一次側経路411)を介して暖房膨張タンク320に至る戻り経路の形成が阻止される。
ただし、除菌運転中にHD制御が実行される場合には、制御弁330を閉状態としたことによって上述した戻り経路の形成が阻止されているため、熱媒体の温度を速やかに上昇させることが困難となる。その結果、特定の低温暖房端末を速やかに温めることができず、当該低温暖房端末のユーザの快適性を低下させることが懸念される。
そのため、図3(B)に示すように、除菌運転中にHD制御が実行されるケースでは、HD制御中、除菌運転を一時的に停止させるとともに、制御弁330を開放させる。すなわち、HD制御を除菌運転よりも優先的に実行することとする。
具体的には、図3(B)を参照して、除菌運転中の時刻t6にて、ユーザ操作による暖房運転のオン指令を受けた場合、暖房運転の開始から一定時間T4が経過する時刻t7までHD制御が実行される。このHD制御の実行中、除菌運転を一時的に停止させて、追焚回路102を待機状態とする。待機状態では、追焚循環ポンプ400を停止させて追焚循環経路520を非形成とするとともに、UV灯610を消灯させる。
このように追焚回路102を除菌運転の待機状態とした上で、制御弁330を開放させて上記戻り経路を形成することによって、熱媒体の温度を速やかに上昇させることができる。HD制御の実行中、風呂熱交換器410の一次側経路411には加熱された熱媒体が通流する。ただし、追焚回路102では、追焚循環ポンプ400の停止により追焚循環経路520が非形成とされるため、風呂熱交換器410で加熱された湯が浴槽に供給されることはない。したがって、意図せずに浴槽水が加熱されることを抑制することができる。
時刻t7にてHD制御が終了すると、制御弁330が閉止される。時刻t7以降、暖房回路103では、制御弁330を閉状態として暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動により熱媒体循環経路510を形成することで通常の暖房運転が実行される。
このHD制御の終了に応じて、待機状態の追焚回路102が起動させることにより、一時的に停止されていた除菌運転が再開される。図3(B)では、時刻t7から時刻t8までの期間(図中の時間T6に相当)、除菌運転が実行される。
なお、再開後の除菌運転の実行時間T6は、一時停止前の除菌運転の実行時間(図中の時間T5に相当)と再開後の除菌運転の実行時間T6との和が設定時間T1以上となるように設定される(T5+T6≧T1)。これによると、HD制御の実行によって除菌運転が中断された場合であっても、トータルでの除菌運転の実行時間を設定時間T1に一致させることができる。よって、除菌運転の中断による除菌効果の低下を抑制できる。
さらにタイマー除菌運転の開始時刻t3よりも前の時刻t9にて、ユーザ操作による暖房運転のオン指令を受けた場合には、暖房運転の開始から一定時間T4が経過する時刻t10までHD制御が実行される。制御弁330を開放して上記戻り経路を形成することにより、熱媒体の温度を速やかに上昇させることができる。このHD制御の実行中の時刻t3にて除菌運転が要求されても、除菌運転を直ちに開始せず、追焚回路102は待機状態とされる。追焚回路102を待機状態としたことにより、HD制御の実行中、追焚回路102では、追焚循環ポンプ400の停止により追焚循環経路520が非形成とされるため、風呂熱交換器410で加熱された湯が浴槽に供給されることはない。
時刻t10にてHD制御が終了すると、制御弁330が閉止される。暖房回路103では、制御弁330を閉止した状態で、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bを作動させることにより熱媒体循環経路510が形成されて通常の暖房運転が実行される。このHD制御の終了に応じて、待機状態の追焚回路102を起動させることにより、除菌運転が開始される。除菌終了時刻が到来するまで、除菌運転の実行時間T2と停止時間T3とのセットを1個の制御サイクルとして、複数の制御サイクルが繰り返し設定される。
図4は、実施の形態1に従う暖房熱源装置100における制御弁330の開閉制御を説明するフローチャートである。図4に示したフローチャートに従う制御処理は、図1に示したコントローラ300によって繰り返し実行される。
図4を参照して、コントローラ300は、ステップ(以下、単に「S」と表記する)01により、除菌運転が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により除菌運転のオン指令が出力された場合、または、タイマー除菌運転における除菌開始時刻が到来した場合にS01はYES判定とされ、これ以外の場合、S01はNO判定とされる。
除菌運転が要求されると(S01のYES判定時)、コントローラ300は、S02により、HD制御の実行中であるか否かを判定する。例えば、暖房運転のオン指令が出力されてから一定時間T4が経過していない場合にS02はYES判定とされて、S03~S08の処理はスキップされる。これ以外の場合には、S02はNO判定とされて、コントローラ300は、S03により制御弁330を閉止する。
コントローラ300は、S04により、除菌運転を実行する。S04では、コントローラ300は、追焚循環ポンプ400を作動させて追焚循環経路520を形成するとともに、UV灯610を点灯する。コントローラ300は、S05により、第1のタイマをスタートさせて、除菌運転の運転時間を計時する。
コントローラ300は、S06により、第1のタイマの出力に基づいて除菌運転の運転時間が満了したか否かを判定する。S06では、コントローラ300は、第1のタイマにより計時される除菌運転の運転時間が予め設定されている運転時間に到達したか否かを判定する。具体的には、S04の除菌運転がユーザ操作に基づく除菌運転である場合、タイマの出力が設定時間T1に到達したときにS06はYES判定とされ、これ以外の場合、S06はNO判定とされる。S04の除菌運転がタイマー除菌運転である場合、第1のタイマの出力が設定時間T2に到達したときにS06はYES判定とされ、これ以外の場合、S06はNO判定とされる。
S06にて除菌運転の運転時間が満了したと判定された場合(S06のYES判定時)、コントローラ300は、S11により、追焚循環ポンプ400を停止させ、かつ、UV灯610を消灯することにより、除菌運転を終了する。
一方、除菌運転の運転時間が満了していない場合(S06のNO判定時)には、コントローラ300は、S07に進み、HD制御が要求されているか否かを判定する。暖房運転のオン指令が出力された場合にS07はYES判定とされ、これ以外の場合、S07はNO判定とされる。HD制御が要求されていない場合(S07のNO判定時)、コントローラ300は、S04~S07の処理を繰り返し実行する。すなわち、コントローラ300は、HD制御が要求されない限り、運転時間が満了するまで除菌運転を継続する。
これに対して、HD制御が要求されている場合(S07のYES判定時)、コントローラ300は、S08により、第1のタイマによる除菌運転の運転時間の計時を中断させる。第1のタイマの出力は計時を中断したときの値に保持される。さらにコントローラ300は、S09により、除菌運転を一時的に停止して、追焚回路102を除菌運転の待機状態とするとともに、S10により、制御弁330を開放させる。
コントローラ300は、S14により、HD制御を実行する。S14では、コントローラ300は、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bを作動させて熱媒体循環経路510を形成する。S10による制御弁330の開放により上記戻り経路が形成され、風呂熱交換器410の一次側経路411に加熱された熱媒体が通流する。コントローラ300は、S15により、第1のタイマとは異なる第2のタイマをスタートさせて、HD制御の運転時間を計時する。
コントローラ300は、S16により、第2のタイマの出力に基づいてHD制御の運転時間が満了したか否かを判定する。第2のタイマにより計時されるHD制御の運転時間が一定時間T4に到達した場合にS16はYES判定とされ、これ以外の場合、S16はNO判定とされる。HD制御の運転時間が満了していないと判定された場合(S16のNO判定時)、コントローラ300は、S14~S16の処理を繰り返し実行する。
HD制御の運転時間が満了したと判定された場合(S16のYES判定時)には、コントローラ300は、S17によりHD制御を終了して通常の暖房運転に移行する。コントローラ300は、S18により制御弁330を閉止し、S01に処理を戻す。これにより、HD制御の終了後、S01~S04を経て除菌運転が再開される。除菌運転が再開されると、S05により、中断していた第1のタイマによる除菌運転の運転時間の計時も再開される。S05では、運転時間は、S08にて保持されていた出力から起算される。そして、除菌運転の運転時間が満了すると(S06のYES判定時)、除菌運転が終了する。
S01に戻って、除菌運転が要求されていない場合(S01のNO判定時)には、コントローラ300は、S12により、HD制御が要求されているか否かを判定する。HD制御が要求されている場合(S12のYES判定時)、コントローラ300は、S13により制御弁330を開放させて、S14によりHD制御を実行する。そして、S15~S18の処理により、HD制御の運転時間が満了すると、HD制御を終了して制御弁330を閉止させる。
以上説明したように、実施の形態1に従う暖房熱源装置100によれば、HD制御の実行時には、制御弁330を開状態とするとともに、除菌運転の実行を禁止することにより、追焚循環経路520を通流する浴槽水が意図せずに加熱されることを防止しながら、熱媒体の温度を速やかに上昇させて暖房端末を温めることができる。
さらに、HD制御の実行により除菌運転が中断された場合には、HD制御の終了後に除菌運転を再開させて設定時間が満了するまで除菌運転を実行する構成としたことにより、除菌運転の中断による除菌効果の低下を抑制することができる。
[実施の形態2]
上述した実施の形態1では、HD制御の実行時には、制御弁330を開状態とし、除菌運転の実行を禁止する構成について説明した。この構成は、HD制御を除菌運転よりも優先させる動作モードであることから、以下の説明では「HD優先モード」とも称する。HD優先モードは「迅速加熱優先モード」に相当する。
上述した実施の形態1では、HD制御の実行時には、制御弁330を開状態とし、除菌運転の実行を禁止する構成について説明した。この構成は、HD制御を除菌運転よりも優先させる動作モードであることから、以下の説明では「HD優先モード」とも称する。HD優先モードは「迅速加熱優先モード」に相当する。
実施の形態2では、HD優先モードとは対照的に、除菌運転をHD制御よりも優先させる動作モード(以下、「除菌優先モード」とも称する)について説明する。本実施の形態に従う暖房熱源装置100は、動作モードとして、HD優先モードおよび除菌優先モードを有しており、HD優先モードと除菌優先モードとの間で動作モードを切り替える構成とすることができる。この動作モードの切り替えについては実施の形態3で説明する。
除菌優先モードでは、以下に説明するように、除菌運転の実行時、制御弁330を閉状態に維持し、制御弁330の開放を禁止する。ただし、除菌処理の実行中であっても、追焚運転時には、制御弁330を開放させる。
図5は、除菌優先モードにおける制御弁330の開閉制御を説明するための概念的な波形図である。図5(A)には、HD制御の有無に応じた制御弁330の動作波形が示される。図5(B)には、除菌運転およびHD制御の有無に応じた制御弁330の動作波形が示される。
図5(A)を参照して、時刻t0にてHD制御が実行されていないものとする。時刻t2にてユーザ操作による暖房運転のオン指令を受けてHD制御が要求されると、暖房回路103では、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動により熱媒体循環経路510が形成される。さらに制御弁330の開放により、一次熱交換器11bの通過後、配管360,風呂熱交換器410(一次側経路411)、合流点385、配管380、二次熱交換器21bおよび配管390を介して暖房膨張タンク320へ戻る戻り経路が形成される。
暖房運転の開始から一定時間T4が経過する時刻t3まで、HD制御が実行される。時刻t3にてHD制御が終了すると、制御弁330が閉止されて上記戻り経路が非形成とされる。
時刻t4にて再び暖房運転のオン指令を受けてHD制御が要求されると、暖房回路103では、熱媒体循環経路510が形成されるとともに、制御弁330の開放により上記戻り経路が形成される。そして、暖房運転の開始から一定時間T4が経過した時刻t5にて、制御弁330の閉止により上記戻り経路が非形成とされる。
ここで、HD制御中に除菌運転が実行される場合には、追焚循環ポンプ400の作動によって形成された追焚循環経路520を通流する浴槽水が、風呂熱交換器410の一次側経路411および二次側経路412間の液々熱交換によって意図せずに加熱されて浴槽へ出力されることが懸念される。そのため、除菌優先モードでは、除菌運転中は制御弁330の開放を禁止することにより、上記戻り経路を非形成とする。すなわち、除菌運転をHD制御よりも優先的に実行することとする。
具体的には、図5(B)に示すように、時刻t1にてユーザ操作による除菌運転のオン指令を受けて除菌運転が要求されると、追焚回路102では、追焚循環ポンプ400の作動によって追焚循環経路520が形成されるとともに、UV灯610が点灯される。時刻t1にて除菌運転が開始されると、設定時間T1が経過する時刻t6まで、除菌運転が実行される。時刻t6にて除菌運転が終了すると、追焚回路102では、UV灯610が消灯されるとともに、追焚循環ポンプ400が停止されて追焚循環経路520が非形成となる。
除菌運転中、暖房回路103では、制御弁330は開放されず、閉状態に維持される。よって、上記戻り経路の形成が阻止される。図5(B)の例では、除菌運転中の時刻t2にて暖房運転のオン指令を受けると、暖房運転の開始から除菌運転が終了する時刻t6までの期間、暖房回路103では、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動により熱媒体循環経路510が形成される一方で、制御弁330は閉止されて開放が禁止される。これにより、上記戻り経路が非形成とされるため、風呂熱交換器410で加熱された湯が浴槽に供給されることはない。
時刻t6にて除菌運転が終了すると、制御弁330の開放が許可される。時刻t6から時刻t3までの期間、制御弁330を開状態として暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bの作動により熱媒体循環経路510を形成することでHD制御が実行される。暖房運転の開始から一定時間T4が経過した時刻t3にて、制御弁330が閉止される。
さらに、タイマー除菌運転の除菌開始時刻t7よりも前の時刻t4にて、ユーザ操作による暖房運転のオン指令を受けた場合には、時刻t4から一定時間T4が経過する時刻t5までHD制御が実行される。ただし、HD制御の実行中の時刻t7にて除菌運転が開始されると、制御弁330は閉止され、制御弁330の開放が禁止される。すなわち、除菌運転中は、制御弁330を閉止した状態でHD制御が行われる。
図6は、除菌優先モードにおける制御弁330の開閉制御を説明するフローチャートである。図6に示したフローチャートに従う制御処理は、図1に示したコントローラ300によって繰り返し実行される。
図6を参照して、コントローラ300は、S21により、HD制御が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により暖房運転のオン指令が出力された場合にS21はYES判定とされ、これ以外の場合、S21はNO判定とされる。
HD制御が要求されると(S21のYES判定時)、コントローラ300は、S22により、暖房熱源装置100が除菌運転の実行中であるか否かを判定する。除菌運転中でない場合(S22のNO判定時)、コントローラ300は、S23により、制御弁330を開放する。一方、除菌運転中である場合(S22のYES判定時)には、コントローラ300は、S23の処理をスキップする。すなわち、コントローラ300は、制御弁330を開放させず、閉状態に維持する。
コントローラ300は、S24により、HD制御を実行する。S24では、コントローラ300は、暖房循環ポンプ310および燃焼バーナ30bを作動させて熱媒体循環経路510を形成する。S23により制御弁330が開放されていれば、上記戻り経路が形成され、風呂熱交換器410の一次側経路411に加熱された熱媒体が通流する。
コントローラ300は、S25により、第2のタイマをスタートさせて、HD制御の運転時間を計時する。コントローラ300は、S26により、第2のタイマの出力に基づいてHD制御の運転時間が満了したか否かを判定する。第2のタイマにより計時されるHD制御の運転時間が一定時間T4に到達した場合にS26はYES判定とされ、これ以外の場合、S26はNO判定とされる。
S26にてHD制御の運転時間が満了したと判定された場合(S26のYES判定時)、コントローラ300は、S30により、HD制御を終了して通常の暖房運転に移行する。コントローラ300は、S31により、制御弁330を閉止して処理をS21に戻す。なお、制御弁330が閉状態であればS31の処理はスキップされる。
一方、HD制御の運転時間が満了していない場合(S26のNO判定時)には、コントローラ300は、S27に進み、除菌運転が要求されているか否かを判定する。除菌運転が要求されていない場合(S27のNO判定時)、コントローラ300は、S24~S27の処理を繰り返し実行する。
除菌運転が要求されている場合(S27のYES判定時)、コントローラ300は、S28により制御弁330を閉止して、S29により除菌運転を実行する。S29では、コントローラ300は、追焚循環ポンプ400を作動させて追焚循環経路520を形成するとともに、UV灯610を点灯する。
S21に戻って、HD制御が要求されていない場合(S21のNO判定時)、コントローラ300は、S32により、除菌運転が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により除菌運転のオン指令が出力された場合、または、タイマー除菌運転における除菌開始時刻が到来した場合にS32はYES判定とされ、これ以外の場合、S32はNO判定とされる。
除菌運転が要求されると(S32のYES判定時)、コントローラ300は、S33により、制御弁330を閉止し、S34により、除菌運転を実行する。S34では、コントローラ300は、追焚循環ポンプ400を作動させて追焚循環経路520を形成するとともに、UV灯610を点灯する。コントローラ300は、S35により、第1のタイマをスタートさせて、除菌運転の運転時間を計時する。
コントローラ300は、S36により、第1のタイマの出力に基づいて除菌運転の運転時間が満了したか否かを判定する。S36では、コントローラ300は、第1のタイマにより計時される除菌運転の運転時間が予め設定されている運転時間に到達したか否かを判定する。具体的には、S34の除菌運転がユーザ操作に基づく除菌運転である場合、タイマの出力が設定時間T1に到達したときにS36はYES判定とされ、これ以外の場合、S36はNO判定とされる。S34の除菌運転がタイマー除菌運転である場合、第1のタイマの出力が設定時間T2に到達したときにS36はYES判定とされ、これ以外の場合、S36はNO判定とされる。
S36にて除菌運転の運転時間が満了したと判定された場合(S36のYES判定時)、コントローラ300は、S37により、追焚循環ポンプ400を停止させ、かつ、UV灯610を消灯することにより、除菌運転を終了する。
一方、除菌運転の運転時間が満了していない場合(S36のNO判定時)には、コントローラ300は、S34~S36の処理を繰り返し実行する。すなわち、コントローラ300は、運転時間が満了するまで除菌運転を継続する。
以上説明したように、除菌優先モード時には、除菌運転中の制御弁330の開放を禁止する構成としたことにより、除菌運転およびHD制御が同時に実行される場合において、追焚循環経路520を通流する浴槽水が意図せずに加熱されることを防止できる。また、HD優先モードとは異なり、HD制御の実行により除菌運転が中断されることがない。ただし、除菌運転中は制御弁を閉止した状態でHD制御が行われるため、HD優先モードと比較して、熱媒体の温度の速やかな上昇が抑制される。
[実施の形態3]
実施の形態3では、実施の形態1で説明したHD優先モードおよび実施の形態2で説明した除菌優先モードの切り替え処理について説明する。
実施の形態3では、実施の形態1で説明したHD優先モードおよび実施の形態2で説明した除菌優先モードの切り替え処理について説明する。
HD優先モードは、HD制御を除菌運転よりも優先させる動作モードであるため、暖房運転の開始時に速やかに熱媒体の温度を上昇させることができる。除菌優先モードは、除菌運転をHD制御よりも優先させる動作モードであるため、意図しない高温水を浴槽内に出力させることなく除菌運転を速やかに実行することができる。HD優先モードおよび除菌優先モードの間で動作モードを切り替える構成とすることにより、暖房熱源装置100が有する暖房機能および除菌機能を効果的に使うことができる。
HD優先モードおよび除菌優先モードの間の動作モードの切り替えは、例えば、(1)ユーザ設定、(2)暖房回路103の加熱能力、(3)低温側熱媒体温度のいずれかに基づいて行うことができる。
(1)ユーザ設定に基づいた動作モードの切り替え
暖房熱源装置100の動作モードは、例えば、暖房熱源装置100の施工時またはメンテナンス時に、ユーザ要求に応じて施工者が図示しないリモートコントローラ(以下、リモコンとも称する)の操作部を操作することにより、設定することができる。さらに、暖房熱源装置100の施工後に、ユーザがリモコンの操作部を操作することにより、動作モードを設定(変更)することも可能である。
暖房熱源装置100の動作モードは、例えば、暖房熱源装置100の施工時またはメンテナンス時に、ユーザ要求に応じて施工者が図示しないリモートコントローラ(以下、リモコンとも称する)の操作部を操作することにより、設定することができる。さらに、暖房熱源装置100の施工後に、ユーザがリモコンの操作部を操作することにより、動作モードを設定(変更)することも可能である。
なお、暖房熱源装置100の工場出荷時において、除菌優先モードをデフォルト設定することが可能である。この場合においても、リモコンの操作部によって動作モードを随時変更することが可能である。
図7は、ユーザ設定に基づいた動作モードの切り替え処理を説明するフローチャートである。
図7に示すように、コントローラ300は、S41により、HD制御が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により暖房運転のオン指令が出力された場合にS41がYES判定とされ、これ以外の場合、S41はNO判定とされる。
HD制御が要求されていない場合(S41のNO判定時)、コントローラ300は、S42により、除菌運転が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により除菌運転のオン指令が出力された場合、または、タイマー除菌運転における除菌開始時刻が到来した場合にS42はYES判定とされ、これ以外の場合、S42はNO判定とされる。
HD制御が要求されている場合(S41のYES判定時)、または、除菌運転が要求されている場合(S42のYES判定時)、コントローラ300は、S43により、暖房熱源装置100の動作モードが除菌優先モードに設定されているか否かを判定する。暖房熱源装置100の動作モードが除菌優先モードに設定されている場合(S43のYES判定時)、コントローラ300は、S44により、除菌優先モードを選択する。除菌優先モードの選択時には、コントローラ300は、図6に示すフローチャートに従って制御弁330の開閉を制御する。
一方、暖房熱源装置100の動作モードがHD優先モードに設定されている場合(S43のNO判定時)には、コントローラ300は、S45により、HD優先モードを選択する。HD優先モードの選択時には、コントローラ300は、図5に示すフローチャートに従って制御弁330の開閉を制御する。
(2)暖房回路103の加熱能力に基づいた動作モードの切り替え
暖房熱源装置100の動作モードは、上述したユーザ設定に代えて、コントローラ300が自動的に切り替える構成とすることもできる。例えば、暖房回路103の加熱能力に応じて、暖房熱源装置100の動作モードを切り替えることができる。暖房回路103の加熱能力は、HD制御中の燃焼バーナ30bによる発生熱量に基づいて求めることができる。
暖房熱源装置100の動作モードは、上述したユーザ設定に代えて、コントローラ300が自動的に切り替える構成とすることもできる。例えば、暖房回路103の加熱能力に応じて、暖房熱源装置100の動作モードを切り替えることができる。暖房回路103の加熱能力は、HD制御中の燃焼バーナ30bによる発生熱量に基づいて求めることができる。
暖房運転時には、燃焼バーナ30bによる要求発生熱量P*は、缶体10における目標昇温量ΔT(ΔT=Tht*-Thi)および缶体出側温度の偏差ΔTht(ΔTht=Tht*-Tht)に基づいて算出することができる。なお、Tht*は暖房回路103における缶体目標温度Tht*であり、Thiは低温側熱媒体温度であり、Thtは缶体出側温度である。HD制御中は、缶体目標温度Tht*が通常時よりも高くなるため、目標昇温量ΔTが大きくなる。
コントローラ300は、算出された要求発生熱量P*に従って、燃焼バーナ30bへの供給ガス量を算出するとともに、算出されたガス量を実現するように、燃焼バーナ30bのうちのバーナ燃焼本数およびガス流量の組み合わせを決定する。コントローラ300は、決定されたバーナ燃焼本数およびガス流量が実現されるように、ガス比例弁33および能力切換弁36a,36bの開閉を制御する。
コントローラ300は、暖房運転の開始時にHD制御が実行されると、HD制御中の燃焼バーナ30bによる発生熱量およびHD制御の実行時間に基づいて、HD制御時の燃焼バーナ30bによる発生熱量を算出する。燃焼バーナ30bによる発生熱量は、例えば、複数の低温暖房端末のうちの、作動中の暖房端末の台数(作動台数)が多くなるに従って大きくなる。または、低温暖房端末の作動台数が同じであっても、低温暖房端末の熱容量が小さくなるほど、燃焼バーナ30bによる発生熱量は大きくなる。
HD制御では、一定時間T4の間、通常時よりも高温の熱媒体が、予め定められたデューティに従って間欠的に低温暖房端末へ供給される。コントローラ300は、HD制御が終了すると、一定時間T4における燃焼バーナ30bによる発生熱量の平均値である平均発生熱量を算出する。コントローラ300は、HD制御時の燃焼バーナ30bによる平均発生熱量が予め定められた閾値を超える場合には、HD制御モードを選択し、平均発生熱量が閾値以下となる場合には、除菌優先モードを選択する。
図8は、暖房回路の加熱能力に基づいた動作モードの切り替え処理を説明するフローチャートである。
図8に示すように、コントローラ300は、S51により、HD制御の実行中であるか否かを判定する。例えば、暖房運転のオン指令が出力されてから一定時間T4が経過していない場合にS51はYES判定とされ、これ以外の場合には、S51はNO判定とされる。
HD制御の実行中である場合(S51のYES判定時)、コントローラ300は、S52により、HD制御が終了したか否かを判定する。HD制御の運転時間が満了してHD制御が終了するとS52はYES判定とされ、これ以外の場合にはS52はNO判定とされる。
HD制御が終了すると(S52のNO判定時)、コントローラ300は、S53により、HD制御時における燃焼バーナ30bによる平均発生熱量を算出する。コントローラ300は、S54により、算出された平均発生熱量をメモリに記憶する。
コントローラ300は、S55により、HD制御が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により暖房運転のオン指令が出力された場合にS55はYES判定とされ、これ以外の場合、S55はNO判定とされる。
HD制御が要求されていない場合(S55のNO判定時)、コントローラ300は、S56により、除菌運転が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により除菌運転のオン指令が出力された場合、または、タイマー除菌運転における除菌開始時刻が到来した場合にS56はYES判定とされ、これ以外の場合、S56はNO判定とされる。
HD制御が要求されている場合(S55のYES判定時)、または、除菌運転が要求されている場合(S56のYES判定時)、コントローラ300は、S57によりメモリに記憶されているHD制御時における燃焼バーナ30bの平均発生熱量を読み出し、S58により、読み出した平均発生熱量と予め定められた閾値とを比較する。
燃焼バーナ30bによる平均発生熱量が閾値よりも大きい場合(S58のYES判定時)、コントローラ300は、S59により、除菌優先モードを選択する。除菌優先モードの選択時には、コントローラ300は、図6に示すフローチャートに従って制御弁330の開閉を制御する。
一方、燃焼バーナ30bによる平均発生熱量が閾値以下である場合(S58のNO判定時)には、コントローラ300は、S60により、HD優先モードを選択する。HD優先モードの選択時には、コントローラ300は、図4に示すフローチャートに従って制御弁330の開閉を制御する。
(3)低温側熱媒体温度に基づいた動作モードの切り替え
コントローラ300による動作モードの自動切り替えは、暖房出力口(低温)304から出力される熱媒体の温度(低温側熱媒体温度Thi)に応じて行う構成とすることもできる。低温側熱媒体温度Thiは、暖房膨張タンク320に設けられた温度センサ382により検出することができる。
コントローラ300による動作モードの自動切り替えは、暖房出力口(低温)304から出力される熱媒体の温度(低温側熱媒体温度Thi)に応じて行う構成とすることもできる。低温側熱媒体温度Thiは、暖房膨張タンク320に設けられた温度センサ382により検出することができる。
低温側熱媒体温度が低くなるほど、低温暖房端末へ供給される熱媒体の温度が低くなるため、低温暖房端末が温まりにくくなる。そのため、低温側熱媒体温度が閾値よりも低い場合には、HD優先モードを適用することにより、速やかに低温暖房端末を温める。一方で、低温側熱媒体温度が閾値よりも高い場合には、除菌優先モードを適用する。
図9は、低温側熱媒体温度に基づいた動作モードの切り替え処理を説明するフローチャートである。
図9に示すように、コントローラ300は、S61により、HD制御が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により暖房運転のオン指令が出力された場合にS61がYES判定とされ、これ以外の場合、S61はNO判定とされる。
HD制御が要求されていない場合(S61のNO判定時)、コントローラ300は、S62により、除菌運転が要求されているか否かを判定する。例えば、ユーザ操作により除菌運転のオン指令が出力された場合、または、タイマー除菌運転における除菌開始時刻が到来した場合にS62はYES判定とされ、これ以外の場合、S62はNO判定とされる。
HD制御が要求されている場合(S61のYES判定時)、または、除菌運転が要求されている場合(S62のYES判定時)、コントローラ300は、S63により、温度センサ382の検出温度に基づいて、低温側熱媒体温度Thiを取得する。コントローラ300は、S64により、低温側熱媒体温度Thiと予め定められた閾値とを比較する。
低温側熱媒体温度Thiが閾値よりも高い場合(S64のYES判定時)、コントローラ300は、S65により、除菌優先モードを選択する。除菌優先モードの選択時には、コントローラ300は、図6に示すフローチャートに従って制御弁330の開閉を制御する。
一方、低温側熱媒体温度Thiが閾値以下である場合(S64のNO判定時)には、コントローラ300は、S45により、HD優先モードを選択する。HD優先モードの選択時には、コントローラ300は、図5に示すフローチャートに従って制御弁330の開閉を制御する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 暖房熱源装置、300 コントローラ、310 暖房循環ポンプ、330 制御弁、400 追焚循環ポンプ、410 風呂熱交換器、411 一次側経路、412 二次側経路、510 熱媒体循環経路、520 追焚循環経路、610 UV灯。
Claims (8)
- 暖房熱源装置であって、
第1の循環ポンプの作動時に形成される、前記暖房熱源装置に接続された暖房端末に対して液状の熱媒体を循環供給するための熱媒体循環経路と、
前記熱媒体を加熱するための熱源と、
前記熱媒体循環経路に含まれるように配置された制御弁と、
前記制御弁の開放時に前記熱媒体が通流される一次側経路を有する熱交換器と、
第2の循環ポンプの作動時に形成される、浴槽からの浴槽水が前記熱交換器の二次側経路を通流後に前記浴槽へ戻される追焚循環経路と、
前記追焚循環経路に含まれるように配置され、点灯時に除菌効果を有する波長域の光線を照射する除菌灯と、
前記第1の循環ポンプ、前記第2の循環ポンプ、前記制御弁および前記除菌灯を制御する制御器とを備え、
前記制御器は、
前記制御弁を閉止した状態下で前記第2の循環ポンプを作動させることにより、前記除菌灯を用いて前記追焚循環経路を通流する前記浴槽水を除菌するための除菌運転を実行するための手段と、
暖房運転の開始時から所定時間が経過するまでの期間において、前記制御弁を開放した状態下で前記第1の循環ポンプを作動させることにより迅速加熱運転を実行するための手段とを有し、
前記制御器は、前記迅速加熱運転の実行時には、前記制御弁を開状態に維持するとともに、前記除菌運転の実行を禁止する、暖房熱源装置。 - 前記除菌運転の実行中に前記迅速加熱運転を実行する場合、前記制御器は、
前記除菌運転を一時的に停止させるとともに、前記制御弁を開放して前記迅速加熱運転を実行し、かつ、
前記迅速加熱運転の終了後に、前記制御弁を閉止して前記除菌運転を再開する、請求項1に記載の暖房熱源装置。 - 前記制御器は、再開後の前記除菌運転の実行時間を、一時停止前の前記除菌運転の実行時間と再開後の前記除菌運転の実行時間の和が設定時間以上となるように設定する、請求項2に記載の暖房熱源装置。
- 前記迅速加熱運転の実行中に前記除菌運転が要求された場合、前記制御器は、
前記迅速加熱運転の終了後に、前記制御弁を閉止して前記除菌運転を開始する、請求項1に記載の暖房熱源装置。 - 前記暖房熱源装置は、前記迅速加熱運転を前記除菌運転よりも優先させる迅速加熱優先モードと、前記除菌運転を前記迅速加熱運転よりも優先させる除菌優先モードとを有し、
前記制御器は、前記迅速加熱優先モードおよび前記除菌優先モードの間で、前記暖房熱源装置の動作モードを切り替えるように構成され、
前記迅速加熱優先モード時には、前記制御器は、前記迅速加熱運転の実行中、前記制御弁を開状態に維持するとともに、前記除菌運転の実行を禁止し、
前記除菌優先モード時には、前記制御器は、前記除菌運転の実行中、前記制御弁を閉状態に維持して前記制御弁の開放を禁止する、請求項1に記載の暖房熱源装置。 - 前記制御器は、前記暖房熱源装置の動作モードに関するユーザ設定に応じて、前記迅速加熱優先モードおよび前記除菌優先モードを切り替える、請求項5に記載の暖房熱源装置。
- 前記制御器は、前記迅速加熱運転時の前記熱源の発生熱量に応じて、前記迅速加熱優先モードおよび前記除菌優先モードを切り替える、請求項5に記載の暖房熱源装置。
- 前記暖房端末へ供給される前記熱媒体の温度を検出する温度センサをさらに備え、
前記制御器は、前記温度センサの検出温度に応じて、前記迅速加熱優先モードおよび前記除菌優先モードを切り替える、請求項5に記載の暖房熱源装置。
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-
2021
- 2021-08-31 JP JP2021140796A patent/JP2023034525A/ja active Pending
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