従来、この種のガス給湯暖房機の熱交換器部分は、一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管の二水管を配置した熱交換器の構成において、給湯あるいは暖房の各単独運転時には運転されない他方管が過熱されることを防止するため、熱交換器フィン形状や燃焼方式に工夫が施されている(例えば、特許文献1参照)。
図17は上記のように工夫された一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管の二水管を配置した熱交換器を有したガス給湯暖房機の従来構成の例を示すものである。
図17におけるガス給湯暖房機は、一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管の二水管を配置した熱交換器1と、燃料ガスを燃焼させる燃焼バーナー2と、燃焼バーナー2に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部3と、燃焼バーナー2に燃焼用空気を送り込む燃焼用ファン4と、供給水が流れる入水流路21と、熱交換器1で加熱された給湯用の湯が流れる出湯流路22と、ガス給湯暖房機内で暖房温水を循環させる暖房機内循環流路39と、暖房温水を搬送する暖房温水循環ポンプ37と、暖房温水を適当量確保するための暖房タンク31と、諸動作を制御する制御手段8から構成されている。
以下、図17を用いながら給湯単独運転、暖房単独運転、およびそれらの同時運転の各動作について説明を行う。
まず給湯単独運転の場合、使用者が給湯栓を「開」とすると水流検知手段27により供給水の水流が検知され、制御手段8は給湯熱交出口サーミスタ25で検出される温度が所定の温度(たとえば55℃)となるように、入水サーミスタ24で入水温度を、水流検知手段27で入水流量を検出しながら燃焼量調整を行う。ここで水流検知手段27としては、たとえば入水流量に応じて水流検知手段27の通水路内に設けた羽根車式回転体が回転し、その回転数パルス信号を制御手段8が検出して入水流量を検知させる構成が考えられる。燃焼量調整は燃料ガス供給部3により行う。燃料ガス供給部3には、弁開度によって燃料ガス供給量を調整するガス比例制御弁5と、燃焼バーナー2のa、b、c、d、eの各部分への燃料ガス供給を開閉するガス流路開閉弁6A、6B、6C、6Dがあり、ガス比例制御弁5の開度調整とガス流路開閉弁6A、6B、6C、6Dの開閉によって燃焼量調整を行う。燃料ガス供給部3から供給された燃料ガスは、燃焼用ファン4によって送り込まれた燃焼用空気で、燃焼バーナー2で燃焼される。なお燃焼バーナー2のeの部分には点火器が設けられており、着火時には制御手段8はこの点火器をスパーク放電させ燃焼が開始する。
熱交換器1で所定の温度(たとえば55℃)となるように熱交換された湯は、出湯流路22を流れ、給湯バイパス流路23を流れる供給水と混合される。給湯バイパス流路23中には、流路径を段階的に開閉できる給湯バイパス制御弁29が備えられている。ここで給湯バイパス制御弁29としては、制御手段8からのパルス開閉信号によってステッピングモータを駆動させ、弁開度を調節する構成が考えられる。使用者が外部入力手段9で設定給湯温度(たとえば42℃)を入力した場合、出湯流路22を流れる湯と給湯バイパス流路23を流れる供給水が混合された、出湯サーミスタ26で検出される湯温が、その設定給湯温度(たとえば42℃)となるように、制御手段8は給湯バイパス制御弁29の弁開度を調節する制御を行う。なお供給水量が多い場合(たとえば水流検知手段27で検出される供給水量が24L/min以上)や、入水サーミスタ24で検出される入水温度が低くガス給湯暖房機の燃焼能力を超えた場合には、燃焼能力範囲になるように制御手段8は水量制御弁28の弁開度を閉方向に制御し、供給水量を少なくする。水量制御弁28としては、たとえば前記給湯バイパス制御弁29と同様な制御手段8からのパルス開閉信号に応じて弁開度調整が行われる構成が考えられる。
次に暖房単独運転の場合、使用者が暖房端末機のリモートコントローラーや外部入力手段9で暖房運転開始の入力が制御手段8になされると、制御手段8は暖房温水循環ポンプ37を駆動し暖房温水を搬送させる。そして制御手段8は前記給湯単独運転の場合と同様に、燃焼バーナー2のeの部分に設けられた高圧放電式の点火器をスパーク放電させて燃焼を開始させる。暖房単独運転の場合の燃焼バーナー2の燃焼部分は、熱交換器1内の暖房回路水管の位置に対応したd、eの部分である。したがって暖房単独運転時の燃焼量調整は、ガス比例制御弁5の開度調整とガス流路開閉弁6Dの開閉によって行う。
ガス給湯暖房機の暖房運転では、普通、用途に応じた複数温度の暖房温水を各暖房端末機に供給することができるようになっている。図17では、浴室暖房乾燥機に代表される高温端末機に暖房温水を供給する高温往流路33と、床暖房温水マットに代表される低温端末機に暖房温水を供給する低温往流路32を備えた構成を示している。ガス給湯暖房機の暖房運転では、高温端末機に暖房温水を供給する高温単独運転、低温端末機に暖房温水を供給する低温単独運転、および高温側と低温側を同時に運転する高温・低温同時運転を行うことができる。
高温単独運転時には、熱交換器1を出た暖房温水がそのまま高温往流路33を流れて高温端末機に供給される。高温端末機では普通80℃程度の暖房温水温度が必要なので、制御手段8は暖房熱交出口サーミスタ38で検出される暖房温水温度がたとえば80℃となるように燃焼量調整する制御を行う。
低温単独運転時には、各暖房端末機で放熱して温度低下した暖房温水戻流路36を流れる暖房戻温水と、熱交換器1で加熱され、逆止弁34を備えた低温バイパス流路35を流れる熱交換器1を出た暖房温水を混合された低温往温水が、低温往流路32を流れて低温端末機に供給される。低温単独運転時、制御手段8は暖房熱交出口サーミスタ38で検出される暖房温水温度が所定の温度(たとえば70℃)となるように燃焼量調整を行う。低温バイパス流路35は、各暖房端末機で放熱し温度低下した暖房戻温水と熱交換器1で加熱された暖房温水との混合後の低温往温水温度が低温端末機で必要な温度(たとえば60℃程度)となるように流路設計されている。
高温・低温同時運転時には高温端末機側の運転を優先させて行わせるため、制御手段8は前記高温単独運転時と同様に、暖房熱交出口サーミスタ38で検出される暖房温水温度がたとえば80℃となるような燃焼量調整制御を行う。したがって低温端末機側の低温往温水温度は成り行きの値となる。
ところで、ガス給湯暖房機の暖房回路内には、ガス給湯暖房機内でのみ暖房温水を循環させるための暖房機内循環流路39が設けられている。なぜならば、通常各暖房端末機の温水流路部には温水流路開閉弁が設けられており、制御手段8に暖房運転開始入力されてから実際にこれらの温水流路開閉弁が「開」となるにはある時間(1分から2分程度)が必要であり、ガス給湯暖房機内で暖房温水を循環させることが必要だからである。ここで通常温水流路開閉弁には、電気式ヒーターが加熱されると開閉弁が「開」となる熱動弁が用いられる。暖房機内循環流路39を流れる暖房温水は暖房端末機に供給されないため、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量が多すぎるとガス給湯暖房機の各暖房端末機への暖房温水搬送能力が損なわれる。したがって暖房機内循環流路39は、ガス給湯暖房機の各暖房端末機への暖房温水搬送能力が損なわれない最低限の流量(たとえば1L/min程度)が流れるように流路設計されている。
また、この暖房機内循環流路39は、厳冬期に行う暖房回路側の凍結防止運転においても用いられる。図19は、厳冬期に行う凍結防止運転の構成図である。この図19を用いて、厳冬期に行う暖房回路側の凍結防止運転の動作を説明する。図19において、暖房温水戻流路36の管壁表面の図中の位置に、たとえば周囲雰囲気温度を測定するための暖房凍結防止サーミスタ72を取り付ける構成としておく。厳冬期に周囲温度が低下し、暖房凍結防止サーミスタ72の検出温度が所定の値(たとえば1℃)以下となると、制御手段8はガス給湯暖房機内のみで暖房温水を循環させる給湯単独運転を行う。暖房機内循環流路39を暖房温水が流れることによって、ガス給湯暖房機内には暖房閉回路ができ、やがて暖房回路内を流れる暖房温水温度が上昇する。暖房凍結防止サーミスタ72の検出温度が所定の値(たとえば4℃)となると、制御手段8は、暖房温水循環ポンプを停止させ、暖房単独燃焼を終了させ、暖房回路側の凍結防止運転を終了させる。
最後に給湯運転と暖房運転を同時に行う同時運転の場合は、給湯運転の方を優先して行うため、暖房側の湯温制御は成り行きになる。
図18は、前記図17の給湯運転と暖房運転の機能に加え、浴槽へある湯量の注湯や浴槽水を追い焚きする風呂運転を行うことができるガス給湯暖房機の従来構成を示すものである。
図18におけるガス給湯暖房機は、図17の構成に加え、給湯回路の出湯側から分岐し風呂回路に注湯するための湯が流れる風呂注湯流路51と、風呂注湯流路51の開閉を行う注湯電磁弁53と、浴槽水を循環させる風呂循環ポンプ61と、暖房回路内で浴槽水を加熱するための熱交換器1を出た暖房温水が流れる風呂加熱用温水循環流路59と、風呂加熱用温水循環流路59の開閉を行う流路開閉弁58と、暖房温水と浴槽水の間で熱交換を行わせるための暖房風呂熱交換部60から構成されている。
以下、図18を用いながら注湯および追い焚きの風呂運転の動作について説明を行う。なお給湯運転や、暖房運転の動作は前記図17の場合と同様であり省略する。
まず注湯動作の場合、使用者が外部入力手段9で湯温と湯量を設定し注湯動作開始を入力すると、制御手段8は注湯電磁弁53を「開」とし注湯動作が開始する。ここで注湯量については、風呂回路内に設けられた浴槽水の水位に応じた水圧を検出する水位センサーを有した水位式や、供給水量を検出する水流検知手段27や、風呂注湯流路51中に設けられ注湯流量を検出する注湯水流検知手段52で検出される積分水量で注湯を行う水量式が考えられるが、ここでは後者の水量式で説明を行う。前記給湯運転と同様に制御手段8は出湯サーミスタ26で検出される湯温が、使用者が入力した設定注湯温度(たとえば42℃)となるように燃焼量調整と給湯バイパス制御弁29の弁開度制御を行う。設定注湯温度の湯は風呂注湯流路51を流れ、風呂戻流路55と風呂往流路56の双方から浴槽へと注湯される。そしてたとえば水流検知手段27で検出された供給水量の積分水量が設定湯量(たとえば180L)となると、制御手段8は注湯電磁弁53を「閉」として燃焼停止させ注湯動作が終了する。
次に追い焚き動作の場合、使用者が外部入力手段9で湯温(たとえば42℃)を設定し追い焚き開始を入力すると、制御手段8は前記暖房単独運転時の高温単独運転時と同様に燃焼させ、流路開閉弁58を「開」とし、風呂循環ポンプ61を駆動して浴槽水を風呂回路内に循環させる。ここで流路開閉弁58としては、たとえば前記暖房端末機の温水流路開閉弁と同様な、電気式ヒーターが加熱されると開閉弁が「開」となる熱動弁の構成が考えられる。流路開閉弁58が「開」となり熱交換器1を出た暖房温水が風呂加熱用温水循環流路59に流れると、暖房風呂熱交換部60において風呂加熱用温水循環流路59を流れる暖房温水と、風呂回路を流れる浴槽水との間で熱交換が行われ、浴槽水は加熱される。ここで暖房風呂熱交換部60としては、たとえば風呂加熱用温水循環流路59と風呂回路とを二重管構造とする構成が考えられる。そして風呂戻サーミスタ55で検出される浴槽水温度が使用者の設定した湯温(たとえば42℃)となると、制御手段8は暖房運転動作停止させ、流路開閉弁58を「閉」とし、風呂循環ポンプ61を停止させ追い焚き動作は終了する。このように風呂運転の追い焚き動作は、前記暖房運転において暖房端末機が風呂回路と置き換わった場合と同様である。
特開平9−243166号公報
第1の発明は、一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管を配置した一缶二水路の熱交換器と、前記熱交換器を加熱する燃焼バーナーと、燃料ガスの供給量を調整するガス比例制御弁及びガス流路開閉弁を有した燃料ガス供給部と、前記燃焼バーナーに燃焼用空気を供給する燃焼用ファンと、暖房温水を搬送する暖房温水循環ポンプと、適当量の暖房温水を確保する暖房タンクと、暖房温水をバイパス循環させる暖房機内循環流路と、制御手段を有するガス給湯暖房機であって、前記暖房機内循環流路には給湯流路を流れる給湯水と前記暖房機内循環流路を流れる暖房温水との間で熱交換をさせるための給湯暖房熱交換部を配し、給湯単独運転あるいは給湯・暖房同時運転時における熱交換器内の熱吸収度合いを補正するようにしたことを特徴とするもので、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
第2の発明は、第1の発明の給湯暖房熱交換部の構成として、適当量の暖房温水を確保する暖房タンクを暖房機内循環流路適所に配置し、給湯流路を暖房タンク内の暖房温水と接するように配置させることで、給湯流路を流れる給湯水と暖房タンク内の暖房温水との間で熱交換ができるようにしたものであり、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
第3の発明は、第1の発明の暖房機内循環流路とは別に、暖房回路中に流路開閉弁を有する給湯加熱用流路を設け、給湯流路を流れる給湯水と給湯加熱用流路を流れる暖房温水との間で熱交換ができるようにしたものであり、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
第4の発明は、第3の発明の流路開閉弁を有する給湯加熱用流路を複数設け、それら複数の給湯加熱用流路で給湯暖房熱交換部を複数部分に分割する構成としたものであり、給湯流路を流れる給湯水と給湯加熱用流路を流れる暖房温水との熱交換する部分を、複数の給湯加熱用流路に設けられた各々の流路開閉弁を開閉することによって選択することができる。このようにして、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
第5の発明は、第1または第2の発明の暖房機内循環流路とは別に、各々に流路開閉弁を有する給湯加熱用流路を一つ以上設け、暖房機内循環流路と一つ以上の給湯加熱用流路で給湯暖房熱交換部を複数部分に分割する構成としたものであり、給湯流路を流れる給湯水と給湯加熱用流路を流れる暖房温水との熱交換する部分を、一つ以上の給湯加熱用流路に設けられた各々の流路開閉弁を開閉することによって選択することができる。このようにして、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
第6の発明は、第3の発明の給湯加熱用流路に設けられた流路開閉弁を、段階的に流路径を開閉できる流路可変弁とし、給湯流路を流れる給湯水と給湯加熱用流路を流れる暖房温水との間で熱交換ができるようにしたものであり、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
第7の発明は、第1または第2の発明の暖房機内循環流路中に段階的に流路径を開閉できる流路可変弁を設け、給湯流路を流れる給湯水と暖房機内循環流路を流れる暖房温水との間で熱交換ができるようにしたものであり、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
第8の発明は、請求項1、3、4、および6のいずれか1つの発明の給湯流路を暖房タンク内部の暖房温水と接するように配置させ、暖房タンク内に給湯暖房熱交換部を設ける構成とし、給湯流路を流れる給湯水と暖房タンク内の暖房温水との間で熱交換ができるようにしたものであり、給湯単独運転時に暖房回路水管に吸収された熱を、給湯流路を流れる給湯水に与えることができるため、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制でき、また給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができるため、結果として使い勝手の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また同一機能および同一部品には、同一符号を付し詳細の説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガス給湯暖房機の構成図を示すものである。また、本発明の第1の実施の形態におけるガス給湯暖房機の構成としては、図18に示すように、注湯動作や追い焚き動作という風呂運転を行える構成も考えられるが、これらの動作は図17に示したガス給湯暖房機の付加機能であると考えられるので、本発明の実施の形態の説明は、図17の構成に対応させて示すものとする。
図1において、一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管の二水管を配置した単一の熱交換器1と、燃料ガスを燃焼させる単一の燃焼バーナー2と、燃料ガスの供給量を調整するための単一のガス比例制御弁5を有する燃料ガス供給部3と、燃焼用空気を送り込む単一の燃焼用ファン4と、給湯流路として供給水が流れる入水流路21と、暖房温水を搬送する暖房温水循環ポンプ37と、暖房温水を適当量確保するための暖房タンク31と、ガス給湯暖房機内で暖房温水を循環させる暖房機内循環流路39と、入水流路21を流れる供給水と暖房機内循環流路39を流れる暖房温水との間で熱交換させるための給湯暖房熱交換部11と、給湯暖房熱交換部11で熱交換された後の供給水温度を検出するための給湯熱交入水サーミスタ10と、諸動作を制御する制御手段8とで構成される。
図1において、熱交換器1内の給湯回路水管と暖房回路水管の二水管が存在する部分は、燃焼バーナー2のd、eに対応する部分である。燃料ガス供給部3は、一次側の燃料ガス供給を開閉するためのガス元電磁弁7と、供給された一次側燃料ガスを制御手段8からの要求燃焼量に対応させて調整するためのガス比例制御弁5と、ガス比例制御弁5によって供給量調整された二次側燃料ガスを、燃焼バーナー2のaからeの各部分へ供給開閉するためのガス流路開閉弁6A、6B、6C、6Dとで構成される。燃焼バーナー2のeの部分に対応するガス流路開閉弁は備えられておらず、燃焼バーナー2のeの部分には高圧放電式の点火器が備えられており、着火時には燃焼バーナー2のeの部分で燃焼が開始する。燃焼バーナー2に供給された二次側燃料ガスは、単一の燃焼用ファン4で送り込まれた燃焼用空気で、制御手段8からの要求燃焼量に応じた燃焼バーナー2の各部分で燃焼される。燃焼バーナー2の燃焼部分は、たとえば燃焼量が増加するごとに、eの部分、dとeの部分、cとdとeの部分、bとcとdとeの部分、aとbとcとdとeの部分とすることができる。
図1において、給湯暖房熱交換部11は、給湯流路の内、特に供給水が流れる入水流路21と、暖房温水が流れる暖房機内循環流路39との間に形成する構成とする。給湯流路としては、供給水が流れる入水流路21、熱交換器1で熱交換された湯が流れる出湯流路22、および出湯流路22を流れる湯に供給水を混合させる給湯バイパス流路23があるが、それらの中で入水流路21を流れる供給水は水温が低いため、高温の暖房温水との間の温度差が大きく熱伝達がより促進される。給湯バイパス流路23にも水温の低い供給水が流れるが、この供給水は熱交換器1で熱交換されないので、給湯側の熱効率向上に直接寄与しない。したがって、給湯暖房熱交換部11は、入水流路21と暖房機内循環流路39との間に形成させることが最も効果的である。また暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量であるが、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水は暖房端末機に供給されないため、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量が多すぎるとガス給湯暖房機の暖房端末機への暖房温水搬送能力が損なわれるし、逆に暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量が少なすぎると、暖房温水の保有熱量が小さくなり給湯暖房熱交換部11において入水流路21を流れる供給水との熱交換を十分に行うことができない。したがって暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量が適当流量(たとえば4L/min程度)となるように暖房機内循環流路39の流路設計をしておく。
図2は、給湯暖房熱交換部11の構成を示す断面図である。ここでは入水流路22と暖房機内循環流路39が二重管構造をした状態を示している。入水流路21と暖房機内循環流路39の互いの接触管壁部を通して、熱伝達が行われる。なお、図2では入水流路21が内側に位置する構成を示しているが、暖房機内循環流路39が内側に位置する構成としても熱伝達の効果は同様である。
図3は、図2と同様に、給湯暖房熱交換部11の構成を示す断面図である。ここでは入水流路21を流れる供給水と、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水との間の熱伝達を促進させるために入水流路21の管壁部にフィンを設けた構成を示している。なお、図3では入水流路21が内側に位置する構成を示しているが、暖房機内循環流路39が内側に位置する構成としても熱伝達の効果は同様である。
図1において、図17の従来構成と異なるところとして、特に給湯暖房熱交換部11下流の入水流路21中に、給湯暖房熱交換器11で熱交換され熱交換器1に入水する直前の供給水の温度を測定するための給湯熱交入水サーミスタ10を設けている。給湯熱交入水サーミスタ10を設けることによって、熱交換器1に入水する直前の供給水温度を把握することができ、より最適な燃焼量を把握することができる。また、入水サーミスタ24と給湯熱交入水サーミスタ10との水温を比較することで、給湯暖房熱交換部11で暖房回路側から給湯回路側への熱交換された度合いを把握することもできる。
以上のように構成されたガス給湯暖房機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、図1に基づいて、給湯単独運転、暖房単独運転、およびそれらの同時運転の各動作について説明を行う。
給湯単独運転の場合、使用者が給湯栓を「開」とすると水流検知手段27により供給水の水流が検知され、制御手段8は給湯熱交出口サーミスタ25で検出される温度が所定の温度(たとえば55℃)となるように、給湯熱交入水サーミスタ10で検出される給湯暖房熱交換部11で熱交換された後の供給水温度を、水流検知手段27で入水流量を検出しながら燃焼量調整を行う。給湯熱交入水サーミスタ10において給湯暖房熱交換部11で熱交換された後の供給水温度を検出しながら給湯燃焼させること以外の動作は、前記背景技術中の給湯単独運転時と同様である。
一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管の二水管を配置した本構成の熱交換器1において、給湯単独運転時には運転されていない暖房回路水管側も温められるので、給湯側の熱効率が低下していると判断される場合、制御手段8は、暖房温水循環ポンプ37を駆動させ、給湯暖房熱交換部11において暖房機内循環流路39を流れる暖房温水と入水流路21を流れる供給水との間で熱交換を行わせることで、給湯側の熱効率低下を抑制させるような制御を行う。
以下、給湯単独運転時に、制御手段8が暖房温水循環ポンプ37を駆動させる制御方法について説明する。
まず、制御手段8は、給湯単独運転が開始されたら暖房温水循環ポンプ37の駆動を開始させ、給湯単独運転が終了したら暖房温水循環ポンプ37を停止させるという制御方法が考えられる。あるいは、制御手段8は、給湯運転が開始されたら暖房温水循環ポンプ37の駆動と停止をある時間間隔(たとえば3分間駆動し、2分間停止させる)で繰り返し、給湯単独運転が終了したら暖房温水循環ポンプ37を停止させるという制御方法も考えられる。
また、制御手段8が熱交換器1で給湯側の熱効率が低下していると判断した場合にのみ、暖房温水循環ポンプ37の駆動を行うような制御を行わせることが考えられる。すなわち給湯単独運転中に、制御手段8が暖房温水循環ポンプ37を駆動させる条件と、暖房温水循環ポンプ37を停止させる条件を考え、それらの条件に基づいて暖房温水循環ポンプ37の駆動と停止を行う制御を行わせる。以下、これらの暖房温水循環ポンプ37を駆動させる条件、および暖房温水循環ポンプ37を停止させる条件について説明する。
まず、暖房温水循環ポンプ37を駆動させる条件、すなわち熱交換器1において給湯側の熱効率が低下していると判断する条件としては、給湯単独燃焼が長時間に渡って行われる場合が考えられる。たとえば、台所での長時間におよぶ洗い物、浴室における長時間のシャワー使用、風呂運転機能を有するガス給湯暖房機における浴槽への注湯動作、などが挙げられる。したがってたとえば、給湯単独燃焼が連続して所定の時間(たとえば3分)以上行われた場合に、制御手段8は暖房温水循環ポンプを駆動させるような制御を行わせる。
また、給湯単独使用によって熱交換器1内の暖房回路水管も加熱されるため、暖房回路水管内の水温が上昇することが考えられる。したがってたとえば、暖房熱交出口サーミスタ38の検出温度を把握しておき、給湯単独燃焼が開始したときの検出温度から所定の温度(たとえば3K)以上の温度上昇を検出すると、制御手段8は暖房温水循環ポンプを駆動させるような制御を行わせる。
次に、暖房温水循環ポンプ37を停止させる条件、すなわち暖房温水循環ポンプ37を駆動したが、熱交換部1での暖房回路水管での熱吸収が小さくなったとき、あるいは給湯暖房熱交換部11での熱交換にそれほど効果がないと判断されたときの暖房温水循環ポンプ37を停止させる条件について説明する。
まず暖房温水循環ポンプ37を駆動し、給湯暖房熱交換部11での熱交換において、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水温度、すなわち暖房熱交出口サーミスタ38での検出温度と、入水流路21を流れる供給水温度、すなわち入水サーミスタ24での検出温度との間の温度差が小さいと、給湯暖房熱交換部11での熱交換はほとんど行われないと考えられる。したがって、暖房温水循環ポンプ37を駆動してから所定の時間(たとえば5分)以内に、暖房熱交出口サーミスタ38での検出温度と入水サーミスタ24での検出温度との温度差が、所定の値(たとえば5K)以下の時、給湯暖房熱交換部11での熱交換は効果が小さいと判断し、暖房温水循環ポンプ37を停止させる制御を行わせることが考えられる。
また、給湯暖房熱交換部11での熱交換に効果がないと判断する方法として、暖房温水循環ポンプ37を駆動してから所定の時間(たとえば5分)以内に、給湯暖房熱交換部11での熱交換前後の温度差、すなわち給湯熱交入水サーミスタでの検出温度と入水サーミスタでの検出温度の差が、所定の値(たとえば1K)以下の時、給湯暖房熱交換部11での熱交換は効果が小さいと判断し、暖房温水循環ポンプ37を停止させる制御を行わせることが考えられる。
このように、一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管の二水管を配置した熱交換器1において、給湯単独運転時には運転されていない暖房回路水管側も温められるので、給湯側の熱効率が低下していると判断される場合は、暖房ポンプを駆動して給湯暖房熱交換部11において、暖房回路中の暖房機内循環流路を流れる暖房温水が得た熱量を、入水流路を流れる供給水に与える熱交換を行う制御を行うので、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下を抑制することができる。
暖房単独運転の場合、その動作は前記背景技術中の暖房単独運転の動作と同様であり、暖房端末機の種類と使用状態によって、高温単独運転、低温単独運転、および高温・低温同時運転を行うことができる。
また、本実施の形態では、暖房単独運転を行っている場合、給湯を使用していないが、ある程度給湯暖房熱交換部11において入水流路21中の供給水が温められる。したがって、暖房単独運転を行っている状態から給湯使用をした場合、機器停止状態から給湯単独使用する場合よりも、実際の出湯湯温が、使用者が外部手段9で入力した設定湯温にいたる時間を短縮させることもできる。
給湯・暖房同時運転の場合、給湯運転側を優先させて行う。したがって暖房運転側の湯温制御は給湯運転側の影響を受け成り行きになる。また、一缶体内に給湯回路水管と暖房回路水管の二水管を配置した熱交換器1において、最適な熱交換器フィン形状設計や燃焼方式に工夫を施しても、給湯・暖房同時運転時には、給湯回路水管の流量・水温条件、および暖房回路水管の流量・水温条件の組み合わせによって、複雑な熱吸収条件が考えられる。
給湯・暖房同時運転の場合、暖房運転を行っているので暖房温水循環ポンプ37は駆動しており、必然的に給湯暖房熱交換部11において、入水流路21を流れる供給水と暖房機内循環流路39を流れる暖房温水との間で熱交換が行われる。以下、給湯・暖房同時運転時に給湯暖房熱交換部11において熱交換が行われた場合の動作、作用について図20に対応させながら説明する。
まず、給湯側の要求熱量が最大側で暖房側の要求熱量が最小側(図20中の右上欄部)の場合であるが、給湯・暖房同時運転時には給湯側が優先的に行われるため、機器は最大側の燃焼を行う。このとき給湯回路水管の流量・水温条件、および暖房回路水管の流量・水温条件の組み合わせによって、給湯側と暖房側の熱吸収度合いに偏りが生じ、暖房側に過度の熱量が吸収された場合、給湯暖房熱交換部11において入水流路21を流れる供給水と暖房機内循環流路39を流れる暖房温水との間で熱交換が行われることで下記の効果が得られる。
暖房側について見ると、過度に与えられた熱量を、入水流路21を流れる供給水に与えることができるため、その分の熱量を放出することができ、結果として暖房側の要求熱量である最小側に近づけることができる。
一方、給湯側について見ると、熱交換器1での熱交換で暖房側に過度に吸収された熱量を、入水流路21を流れる供給水で回収することができるため、熱交換器1での給湯側熱効率低下を抑制することができる。
さらに給湯暖房熱交換器11において給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りが緩和され、制御手段8が機器を最大側で燃焼させる必要がないと判断した場合には、機器の燃焼量を低下させる制御を行うことで、機器全体として最適な燃焼量に到達させることができ、より効率的な燃焼制御と熱交換器1での熱交換を行うことができる。
次に、給湯側の要求熱量が最小側で暖房側の要求熱量が最大側(図20中の左下欄部)の場合であるが、給湯側運転が優先的に行われるため、機器は最小側の燃焼を行う。したがって暖房側では最大側の燃焼量が要求されているが十分熱量が供給されず、暖房端末側の温度が低下し使用勝手が悪くなることがある。このような場合、給湯側の湯温特性を損なわない範囲で、機器としての燃焼量を増加させて前記と同様な給湯暖房熱交換器11での熱交換を行わせることで、暖房側の使用勝手を少しでも改善させるような制御を行う。このとき暖房側と給湯側の作用は下記のようになる。
暖房側について見ると、機器としての燃焼量が上昇したことで、熱交換器1での熱吸収量が増加して、暖房温水温度が上昇し、少しでも暖房端末側での温度低下を抑制することができる。
一方、給湯側について見ると、機器としての燃焼量が上昇したこと、給湯暖房熱交換器11での熱交換による熱吸収によって、給湯熱交出口サーミスタ25で検出される温度が上昇する。そこでこの場合、出湯サーミスタ26で検出される出湯温度が使用者の設定温度となるように、制御手段8は給湯バイパス制御弁29を「開」方向へと駆動する制御を行う。
ただし、給湯・暖房同時運転の場合、給湯運転の方を優先させて行うため機器としての燃焼量上昇は、給湯の湯温特性を損なわない程度とする。たとえばそのときの制御方法として、機器としての燃焼量上昇を、給湯バイパス制御弁29が「全開」となるところを上限としてその範囲内で行うこと、あるいは給湯バイパス制御弁29が「全開」となる範囲内で、給湯熱交出口サーミスタ25で検出される温度が所定の値(たとえば65℃)以下となる範囲にとどめること、等が考えられる。
最後に、給湯側の要求熱量が最大側で暖房側の要求熱量も最大側(図20中の右下欄部)の場合であるが、給湯側も暖房側も要求熱量が最大なので、機器は最大側の燃焼を行う。このときの動作、作用は前記給湯側の要求熱量が最大側で暖房側の要求熱量が最小側(図20中の右上欄部)の場合と同様であり、給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りが緩和され、機器全体として最適な燃焼量に到達させることができ、より効率的な燃焼制御と熱交換器1での熱交換を行うことができる。
ところで、入水流路21と暖房機内循環流路39との間に給湯暖房熱交換部11を設けた本構成を用いると、厳冬期に行う給湯回路の凍結防止運転動作に利用することができる。
図19は厳冬期に行う凍結防止運転の構成図を示すものである。
図19において、入水流路21の管壁表面あるいは入水流路21の近傍に設けられ、厳冬期に周囲雰囲気温度を検出し所定の値(たとえば1℃)以下になると作動する凍結防止温度スイッチ70と、入水流路21の管壁表面に取り付けられた電気式の凍結防止ヒーター71とで給湯凍結防止運転は構成される。本構成において、周囲雰囲気温度が低下し所定の値(たとえば1℃)以下になって凍結防止温度スイッチ70が作動すると、凍結防止スイッチ70と直列に接続された凍結防止ヒーター71に通電し発熱する。そして凍結防止ヒーター71によって加熱され凍結防止温度スイッチ70が所定の値(たとえば4℃)以上になると、凍結防止温度スイッチ70はOFFとなり凍結防止ヒーター71への通電が止まり給湯凍結防止運転は終了する。
前記電気式の凍結防止ヒーター71の代用として、給湯暖房熱交換部11での熱交換を利用することができる。図1に示す本構成図において、図19中の凍結防止温度スイッチ70と制御手段8を連動させておく。周囲雰囲気温度が低下して所定の値(たとえば1℃)以下になって凍結防止温度スイッチ70が作動すると、制御手段8はガス給湯暖房機内で暖房温水を循環させる暖房単独運転を行う。そして給湯暖房熱交換部11での熱交換で入水流路21が加熱されて凍結防止温度スイッチ70が所定の値(たとえば4℃)以上となってOFFとなると、制御手段8は暖房運転を停止させ給湯凍結防止運転は終了する。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図4において、図1に示した本発明の第1の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、適当量の暖房温水を確保する暖房タンク31を暖房機内循環流路39の途中に配置させ、給湯流路の内の入水流路21を暖房タンク31内の暖房温水と接するように配置させることで、入水流路21を流れる供給水と暖房タンク31内の暖房温水との間で熱交換させる給湯暖房熱交換部11を形成させる構成としたことである。
図5は、図4に示した給湯暖房熱交換部11の機能も兼ねた暖房タンク31の構成図である。
図5において、暖房タンク31部は、暖房温水量が少なくなると給湯流路の入水流路21から分岐し、暖房タンク31内に供給水を補給するための暖房温水補給流路41と、暖房温水補給流路41の開閉を行う暖房補給水電磁弁40と、暖房タンク31内の暖房温水の満水位置を検出するためのタンク満水検知電極42と、暖房タンク31内の暖房温水の減水位置を検出するためのタンク減水検知電極43と、暖房タンク31内の暖房温水がオーバーフローした場合に余分な暖房温水を暖房タンク31外へ排出するタンクオーバーフロー流路44とから構成される。そして暖房タンク31は暖房機内循環流路39と接続され、入水流路21はタンク減水検知電極43よりも下側に配置されている。入水流路21の暖房タンク31内の暖房温水と接する部分の断面としては、たとえば(a)図のような円状や、(b)図のように暖房タンク31内の暖房温水と入水流路21を流れる供給水との間の熱伝達を促進させるために、入水流路21の壁面部にフィンを設けた構成が考えられる。タンクオーバーフロー流路44は、ガス給湯暖房機の機外へと接続されており、暖房タンク31は大気開放されている。したがって時間が経過すると、蒸発等により暖房タンク31内の暖房温水は減少する。暖房タンク31内の暖房温水が減少しタンク減水検知電極43以下となると、制御手段8は電磁弁開閉方式の暖房補給水電磁弁40を「開」とし、入水流路21から分岐した暖房温水補給流路41を通して、タンク満水検知電極42部分まで供給水を補給する。ここでタンク満水検知電極42やタンク減水検知電極43としては、たとえばそれらの電極部分にある電圧を印加させておき、暖房温水が存在すると電位差が生じて、それらの電極部分の暖房温水の有無を検知できる構成になっている。入水流路21をタンク減水検知電極43よりも下側に位置させることで、暖房温水が蒸発等で減少しても常に入水流路21が暖房タンク31内の暖房温水と接触するようにしておき、給湯暖房熱交換部11としての機能が損なわれないようにしている。
図4に示した本発明の第2の実施の形態のガス給湯暖房機の構成において、前記実施の形態1と同様な給湯単独運転時の暖房温水循環ポンプ駆動制御、および給湯・暖房同時運転時の動作制御を制御手段8によって行えば、給湯単独運転時の給湯側熱効率低下抑制、および給湯・暖房同時運転時の給湯側と暖房側の熱吸収度合いの偏りを緩和させることができる。なおその他の動作、作用ついては前記実施の形態1と同様であり省略する。
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図6において、図1に示した本発明の第1の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、暖房機内循環流路39とは別に、暖房回路中に給湯暖房熱交換部11の入水流路21を流れる供給水と熱交換させるための暖房温水を流す給湯加熱用流路45と、給湯加熱用流路45を開閉するための流路開閉弁46とで形成される構成としたことである。流路開閉弁46としては、たとえば電気式ヒーターが加熱されると開閉弁が「開」となる熱動弁を用いた構成が考えられる。
図1に示した前記実施の形態1のガス給湯暖房機の構成では、給湯暖房熱交換部11での熱交換を行わせるために、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量をある程度(たとえば4L/min)確保する必要があった。しかし暖房機内循環流路39を流れる暖房温水は、暖房端末機に供給されないので、暖房運転側について考えると、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量は小さいほうが、より多くの暖房温水を暖房端末機側に供給することができるので、ガス給湯暖房機の暖房性能としては好ましい。
そこで図6における構成においては、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量は最低限必要な流量(たとえば1L/min程度)となるように流路設計しておき、給湯加熱用流路45を流れる暖房温水流量は、給湯暖房熱交換部11で入水流路21を流れる供給水と熱交換するのに支障のない程度の流量(たとえば4L/min程度)となるように流路設計しておく。そして暖房単独運転時に、給湯暖房熱交換部11で入水流路21を流れる供給水との熱交換をさせない場合には、流路開閉弁46を「閉」としておき、給湯加熱用流路45に暖房温水が流れないようにすることで、より多くの暖房温水を暖房端末機側に搬送させることができる。
以上のように構成されたガス給湯暖房機について、図6を用いながら給湯単独運転、暖房単独運転、および給湯・暖房同時運転の各動作、各作用について以下説明を行う。
給湯単独運転時は、制御手段8は前記実施の形態1中の給湯単独運転時の、暖房温水循環ポンプ37を駆動させる条件と同様の条件時に、給湯暖房熱交換部11での熱交換を行わせる制御を行わせる。すなわち、制御手段8は流路開閉弁46を「開」とし、暖房温水循環ポンプ37を駆動し、給湯暖房熱交換部11において、給湯加熱用流路45を流れる暖房温水と入水流路21を流れる供給水との間で熱交換を行わせる。
暖房単独運転時は、制御手段8は流路開閉弁46を「閉」とし、前記背景技術中の暖房単独運転の動作と同様な動作制御を行う。図6に示す本構成において、暖房単独運転の場合、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量は最低限必要な流量(たとえば1L/min程度)となっているので、より多くの暖房温水を暖房端末機に供給することができ、暖房端末機の使用系統数が多い場合などは、図1に示した前記実施の形態1や図4に示した前記実施の形態2の構成よりも優れた暖房温水搬送性能を実現することができる。
給湯・暖房同時運転の場合、給湯運転の方を優先させて行う。図6における本発明の第3の実施の形態におけるガス給湯暖房機の構成は、図1に示した前記実施の形態1や図4に示した前記実施の形態2の構成と異なって、給湯暖房熱交換部11で入水流路21を流れる供給水を加熱するための給湯加熱用流路45を流れる暖房温水は流路開閉弁46によって開閉可能な構成となっている。したがって給湯・暖房同時運転時においても、給湯暖房熱交換部11での入水流路21を流れる供給水と給湯加熱用流路45を流れる暖房温水との間の熱交換の必要性有無に応じて流路開閉弁46を開閉させる制御が可能となる。
前記実施の形態1中の給湯単独運転時において、給湯側の熱効率低下を抑制するために暖房温水循環ポンプ37を駆動あるいは停止させる条件に基づいた制御方法を述べたが、図6に示す本構成によると、これと同様な条件に基づいて流路開閉弁46を開閉させる制御を行うことができる。すなわち、前記実施の形態1中の給湯単独運転時の暖房温水循環ポンプ37を駆動する条件を、流路開閉弁45を「開」とする条件に、暖房温水循環ポンプ37を停止させる条件を、流路開閉弁45を「閉」とする条件に置き換えて、制御手段8が動作制御するようにしておく。さらに、給湯・暖房同時運転時に流路開閉弁45を開閉させるような動作制御を行う場合において、給湯側の湯温制御が、給湯単独運転時に行う給湯熱交出口サーミスタ25で検出される温度が所定の温度(たとえば55℃)となるような制御が困難になった場合には、前記実施の形態1中の給湯・暖房同時運転時の、給湯側の要求熱量が最小側で暖房側の要求熱量が最大側(図20中の左下欄部)の場合の給湯側の湯温制御の方法で述べたように、給湯・暖房同時運転時は給湯運転を優先させ給湯の湯温特性を損なわないことという条件を前提に、たとえば給湯バイパス制御弁29を「全開」となる範囲、および給湯熱交出口サーミスタ25で検出される温度が所定の値(たとえば65℃)以下となる範囲にとどめるような燃焼量制御を行わせることができる。
以上、図6に示した実施の形態3の構成では、給湯単独運転、および給湯・暖房同時運転の区別によらず、給湯運転が行われていれば、前記実施の形態1で述べた暖房温水循環ポンプ37の駆動あるいは停止条件に基づき、給湯暖房熱交換部11での熱交換動作制御を行うことができる。また、暖房単独運転の場合、図1に示した実施の形態1の構成よりも、暖房機内循環流路39には最低限の流量(たとえば1L/min程度)しか流れないので、より多くの暖房温水を暖房端末機に供給することができ、優れた暖房温水搬送能力を実現することができる。
なお、図19に示した従来の凍結防止ヒーター71を利用した厳冬期に行う凍結防止運転の代わりに、図6に示す実施の形態3における給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換を利用する場合には、ガス給湯暖房機内で暖房温水を循環させる暖房単独運転を行いながら、凍結防止温度スイッチ70が作動すると、制御手段8は暖房温水循環ポンプ37を駆動して流路開閉弁46を「開」とし、凍結防止温度スイッチ70がOFFになると、制御手段8は暖房温水循環ポンプ37を停止させて流路開閉弁46を「閉」とするような動作制御を行えばよい。
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図4(A)において、図3に示した本発明の第3の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、流路開閉弁を有した給湯加熱用流路を複数備え、給湯暖房熱交換部11がそれら複数の給湯加熱用流路によって複数部分に分割された構成となっていることである。図7においては、複数の流路開閉弁を備えた給湯加熱用流路として2つを考え、それぞれを流路開閉弁46Aを有した給湯加熱用流路46Aと、流路開閉弁46Bを有した給湯加熱用流路46Bとしている。そして給湯暖房熱交換部11は、図7に示すように、給湯加熱用流路46Aおよび給湯加熱用流路46Bによって2ヶ所に分割された構成となっている。給湯加熱用流路45Aおよび給湯加熱用流路45Bには、それぞれの流路開閉弁46Aおよび流路開閉弁46Bが「開」となった場合に、たとえば2L/min程度の暖房温水が流れるように流路設計しておく。このように小流量の暖房温水が流れるような給湯加熱用流路を複数備えることで、図6に示した前記実施の形態3の構成よりも、給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換をより詳細な条件で行うことができる。すなわち、流路開閉弁46Aと流路開閉弁46Bに、たとえば流路開閉弁45Aを優先的に「開」とする優先順位を決めておくならば、流路開閉弁46Aのみ「開」、流路開閉弁46Aと流路開閉弁46Bの両方「開」、流路開閉弁46Aと流路開閉弁46Bの両方「閉」、という流路開閉弁46Aと流路開閉弁46Bの開閉パターンが考えられる。したがって、給湯単独運転時や給湯・暖房同時運転時の、給湯運転時に給湯暖房熱交換部11での熱交換が必要となった場合、前記実施の形態3で述べた給湯暖房熱交換部11での熱交換実施条件に加えて、これら複数の給湯加熱用流路に備えられた流路開閉弁の開閉条件を加えれば、さらに機器運転状況に適した各動作制御、および給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換を行うことができる。
図8は、本発明の第4の、さらに別な実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図8において、図7に示したガス給湯暖房機の構成と異なるところは、それぞれに流路開閉弁を有した複数の給湯加熱用流路の内、少なくとも1つの給湯加熱用流路を給湯流路の出湯流路22の部分に導き、給湯加熱用流路を流れる暖房温水と、出湯流路22を流れる熱交換器1で熱交換された後の湯との間で熱交換させる給湯暖房熱交換部を設けた構成としたところである。図8においては、複数の給湯加熱用流路として45Aと45Bを、それぞれに有する流路開閉弁として46Aと46Bを想定し、給湯加熱用流路45Aを流れる暖房温水と入水流路21を流れる供給水との間で熱交換を行わせる給湯暖房熱交換部11Aと、給湯加熱用流路46Bを流れる暖房戻温水と出湯流路22を流れる湯の間で熱交換を行わせる給湯暖房熱交換部11Bを配置させている。図8に示す構成における各運転動作、および作用は前記図7で示した構成の各運転動作、および作用と同様であるが、給湯加熱用流路46Bを流れる暖房戻温水と出湯流路22を流れる湯との間で熱交換を行う給湯暖房熱交換部11Bを設けることによって、以下の効果を得ることができる。以下、この効果について説明を行う。
まず給湯・暖房同時運転時の給湯側の要求熱量が最小側で暖房側の要求熱量が最大側(図20中の左下欄部)の場合について述べる。給湯・暖房同時運転時において、給湯側の要求熱量が最小側で暖房側の要求熱量が最大側(図20中の左下欄部)の場合には、前記実施の形態1中で述べたように、給湯運転を優先させるために機器は最小側の燃焼を行う一方、暖房側では最小側の燃焼を行うために暖房端末側の温度が低下し使用勝手が悪くなる。したがってこの現象を改善させるために、給湯側の湯温特性を損なわない範囲で機器燃焼量を増加させ、給湯バイパス制御弁29の開度調整や給湯熱交出口サーミスタ25の制御温度調整を行うことによって、給湯側湯温制御を行うことを前記実施の形態1で述べた。
図8で示した給湯加熱用流路46Bを流れる暖房戻り温水と出湯流路22を流れる湯との間で熱交換を行う給湯暖房熱交換部11Bを設ける構成によって、給湯側の要求熱量が最小側で暖房側の要求熱量が最大側(図20中の左下欄部)の場合の給湯側湯温制御域に幅を持たせ、より暖房側の使用勝手を向上させることができる。すなわち、暖房側の要求熱量が最大側ということは暖房端末側に供給される暖房温水の温度が低く、したがって暖房戻り温水温度も低い(たとえば40℃程度)。このとき、暖房湯温特性を改善させるために、給湯側の湯温特性を損なわない範囲で機器は燃焼量を最小側から増加させているため、給湯熱交出口サーミスタ25で検出される湯の温度は、通常の給湯熱交出口サーミスタ25での検出温度を一定とする(たとえば55℃)燃焼制御の場合よりも、高くなっている(たとえば60℃)。したがって、給湯加熱用流路46Bを流れる暖房戻温水(たとえば40℃)と出湯流路22を流れる湯(たとえば60℃)との間で熱交換を行えば、給湯側から暖房側へ熱量が移動し暖房側の湯温特性をさらに改善させることができる。このように、図8に示す給湯加熱用流路46Bを流れる暖房戻温水と出湯流路22を流れる湯との間で熱交換を行う給湯暖房熱交換部11Bを設ける構成によって、給湯・暖房同時運転時の給湯側の要求熱量が最小側で暖房側の要求熱量が最大側(図20中の左下欄部)の場合に発生した、給湯側と暖房側の熱交換器1における熱吸収度合いの偏りを緩和させることができる。なお、給湯暖房熱交換部11Bでの熱交換が不必要であると制御手段8が判断すれば、流路開閉弁46Bを「閉」とする動作制御を行う。その判断基準としては、たとえば給湯熱交出口サーミスタ25で検出される温度が、給湯単独運転時に行う給湯熱交出口サーミスタ25での一定検出温度制御(たとえば55℃)に対して、所定の温度域(たとえば55℃+2℃)内で制御できる範囲になった場合、等が考えられる。
また、図19に示した従来の凍結防止ヒーター71を利用した厳冬期に行う凍結防止運転の代わりに、図6に示す実施の形態3における給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換を利用する場合においても、図8に示す本構成によれば、給湯流路中に複数の、特に本構成においては、入水流路21と出湯流路22に分散して給湯暖房熱交換部が存在しており、より効率的な凍結防止運転を行うことができる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の第5の実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図9において、図1に示した本発明の第1の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、暖房機内循環流路39とは別に、流路開閉弁を有した給湯加熱用流路を1つ以上備え、給湯暖房熱交換部11が暖房機内循環流路39と1つ以上の給湯加熱用流路によって複数部分に分割された構成となっていることである。ここでは、給湯加熱用流路として1つを想定し、図9に示すように配置している。給湯暖房熱交換部11は、暖房機内循環流路39と、流路開閉弁46を有する給湯加熱用流路45とによって2ヶ所に分割されている。ここでたとえば、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量が2L/min程度、給湯加熱用流路45を流れる暖房温水流量が2L/min程度となるようにそれぞれ流路設計しておく。このように小流量の暖房温水が流れるような暖房機内循環流路39と、給湯加熱用流路を1つ以上備えることで、図1に示した前記実施の形態1の構成よりも、給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換をより詳細な条件で行うことができる。すなわち、流路開閉弁の開閉によって、前記実施の形態1で述べた給湯暖房熱交換部11での熱交換実施条件に加えて、これら1つ以上の給湯加熱用流路に備えられた流路開閉弁の開閉条件を加えれば、さらに機器運転状況に適した各動作制御、および給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換を行うことができる。なお、その他の動作および作用については、前記と同様であり省略する。
図10は、第5の、別な実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図10において、図4に示した本発明の第2の前記実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、暖房タンク31内の暖房温水循環流路39に設けられた給湯暖房熱交換部11Aとは別に、流路開閉弁を有した給湯加熱用流路を1つ以上備え、それら1つ以上の給湯加熱用流路を流れる暖房温水と、入水流路21を流れる供給水との間で熱交換を行わせる給湯暖房熱交換部を、それぞれ配置した構成としているところである。ここでは、給湯加熱用流路として1つを想定し、図10に示すように配置している。ここでたとえば、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量が2L/min程度、給湯加熱用流路45を流れる暖房温水流量が2L/min程度となるようにそれぞれ流路設計しておく。このように小流量の暖房温水が流れるような暖房機内循環流路39と、給湯加熱用流路を1つ以上備えることで、図4に示した前記実施の形態2の構成よりも、給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換をより詳細な条件で行うことができる。すなわち、流路開閉弁の開閉によって、前記実施の形態2で述べた給湯暖房熱交換部11での熱交換実施条件に加えて、これら1つ以上の給湯加熱用流路に備えられた流路開閉弁の開閉条件を加えれば、さらに機器運転状況に適した各動作制御、および給湯暖房熱交換部11での給湯回路側と暖房回路側の熱交換を行うことができる。なお、その他の動作および作用については、前記と同様であり省略する。
図11は、本発明の第5の、さらに別な実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図11において、図9や図10と異なるところは、1つ以上の給湯加熱用流路の内、少なくとも1つを給湯流路の出湯流路22の部分に導き、給湯加熱用流路を流れる暖房温水と、出湯流路22を流れる熱交換器1で熱交換された後の湯との間で熱交換させる給湯暖房熱交換部を設けた構成としたところである。図11では、特に図9の構成と対応させて示している。図11で示した本構成とするところの目的は、図8を用いて示した前記実施の形態4中の、給湯・暖房同時運転時のさらなる使用勝手の向上実現と同様であり、詳細は省略する。
(実施の形態6)
図12は、本発明の第6の実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図12において、図6に示した本発明の第3の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、流路開閉弁46の代わりに、段階的に流路径を開閉できる流路可変弁47を備えているところである。ここで流路可変弁47としては、制御手段8からのパルス開閉信号によってステッピングモータ駆動で弁開度を調節する、前記給湯バイパス制御弁29や前記水量制御弁28と同様な構成が考えられる。ここで給湯加熱用流路45を流れる暖房温水流量が、流路可変弁47が「全閉」時には0L/min、「全開」時にはたとえば8L/min程度となるように、給湯加熱用流路45を流路設計しておく。このような設計をしておくと、給湯加熱用流路を流れる暖房温水流量は、流路可変弁47の開度調整を行うことによって0L/min〜8L/minの範囲で調整でき、機器使用条件によって給湯暖房熱交換部11での熱交換をより効果的に制御することができる。なお、その他の動作および作用については、前記と同様であり省略する。
(実施の形態7)
図13は、本発明の第7の実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図13において、図1に示した本発明の第1の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、暖房機内循環流路39中に、段階的に流路径を開閉できる流路可変弁47を備えているところである。ここで流路可変弁47としては、制御手段8からのパルス開閉信号によってステッピングモータ駆動で弁開度を調節する、給湯バイパス制御弁29や水量制御弁28と同様な構成が考えられる。図13に示す本構成の場合、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水の最低流量(たとえば1L/min)を確保しなければならないので、制御手段8は流路可変弁47を「全閉」にはせず、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水の最低流量(たとえば1L/min)を確保する開度以上で制御を行う。すなわち、流路可変弁47が「全開」時に暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量がたとえば8L/min程度であるならば、流路可変弁47の開度調整によって、暖房機内循環流路39を流れる暖房温水流量をたとえば、1L/min〜8L/minの範囲で調整でき、機器使用条件によって給湯暖房熱交換部11での熱交換をより効果的に制御することができる。なお、その他の動作および作用については、前記と同様であり省略する。
図14は、本発明の第7の、さらに別な実施の形態のガス給湯暖房機の構成図である。
図14において、図4に示した本発明の第2の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、暖房機内循環流路39中に、段階的に流路径を開閉できる流路可変弁47を備えているところである。なお、その他の動作および作用については、前記と同様であり省略する。
(実施の形態8)
図15は、本発明の第8の実施の形態のガス給湯暖房機の構成図であり、特に図1と対応させて示している。
図15において、図1に示した本発明の第1の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、給湯流路である入水流路21を、暖房タンク31内部の暖房温水と接するように配置させたところである。なお、暖房機内循環流路39は、最低の暖房温水循環流量(たとえば1L/min程度)が流れるように流路設計しておく。図15に示す本構成においては、本発明の第1から第7の構成と異なり、各暖房端末機で熱交換された後の暖房温水が集まる暖房タンク内に給湯暖房熱交換部11を形成している。図15に示す本構成によると、暖房戻り温水と入水流路21を流れる供給水との間で熱交換を行うので、暖房端末機に搬送する高温の暖房温水に与える影響はなく、暖房湯温制御に有利である。なお、その他の動作および作用については前記と同様であり省略する。
図16は、本発明の第8の、さらに別な実施の形態のガス給湯暖房機の構成図であり、特に図12と対応させて示している。
図16において、図12に示した本発明の第6の実施の形態のガス給湯暖房機の構成と異なるところは、給湯流路である入水流路21を、暖房タンク31内部の暖房温水と接するように配置させ、給湯暖房熱交換部11Bの他に、暖房タンク31内に形成される別の給湯暖房熱交換部11Aを形成した構成となっているところである。なお、その他の動作および作用については前記と同様であり省略する。
その他、本発明の第8の実施例については、図6に示した実施の形態3の構成や、図9および図10に示した実施の形態4の構成と対応させて、考えることができる。