JP7341028B2 - 熱源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、第1流体と第2流体とを加熱し得る熱源装置にする。
従来、この種の熱源装置としては、特許文献1に見られる如く、第1流体としての給湯用水をリモコンで設定された目標温度になるように加熱し、その加熱により温調制御された給湯用水をカラン等に供給する給湯機能と、第2流体としての暖房用水を暖房装置との間で循環させながら加熱する暖房機能とを有するものが知られいる。
この特許文献1に見られる熱源装置は、給湯用水を流す流路と暖房用水を流す流路とを有する気-液式の熱交換器(以降、主熱交換器ということがある)を備え、バーナの燃焼排ガスの顕熱より該主熱交換器を介して給湯用水や暖房用水を加熱して昇温させ得るように構成されている。この場合、特許文献1の熱源装置の主熱交換器は、その一部分が1缶2水部の領域として構成されており、該1缶2水部の領域にだけ暖房用水を流す流路が備えられ、給湯用水を流す流路は、主熱交換器の1缶2水部の領域と他の領域とにまたがって備えられている。特許文献1の熱源装置では、このような主熱交換器を備えることで、給湯用水及び暖房用水の加熱に係る装置構成のコンパクト化等が図られている。
また、特許文献1に見られる熱源装置では、主熱交換器の給湯用水の流路の上流側には、暖房用水から給湯用水への熱交換を行い得る液-液式の熱交換器(以降、補助熱交換器ということがある)をさらに備えており、上記主熱交換器の1缶2水部で、暖房用水をバーナの燃焼排ガスにより加熱しながら、補助熱交換器での暖房用水から給湯用水への熱交換によって、給湯用水を付加的に加熱し得るように構成されている。これにより、熱源装置の給湯能力を適宜高めることが図られている。
特開2016-164473号公報
ところで、特許文献1の熱源装置では、前記補助熱交換器で流れる暖房用水の温度が、暖房運転の実行の有無等に起因して変動を生じやすい。このため、補助熱交換器で暖房用水から給湯用水に伝達される熱量のふらつきが生じやすく、ひいては、主熱交換器に流入する給湯用水の温度がふらつきやすい。その結果、カラン等に供給される給湯用水の温度である給湯温度が目標温度に対してふらつきを生じやすいという不都合がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、第1流体及び第2流体をバーナの燃焼運転により発生する熱により加熱する主熱交換器と、主熱交換器の第1流体の流路の上流側で第2流体から第1流体への熱交換を行う補助熱交換器とを備えた熱源装置において、第1流体の温調制御の安定性を高めることが可能となる熱源装置を提供することを目的とする。
本発明の熱源装置は、上記の目的を達成するために、
バーナと
第1流体を流す第1m流路及び第2流体を流す第2m流路を有し、前記バーナの燃焼運
転により発生する熱により該第1流体及び該第2流体を加熱し得るように構成された主熱交換器と、
前記1流体を流す第1s流路及び前記第2流体を流す第2s流路を有し、該第2流体から該第1流体への熱交換を行い得るように構成された補助熱交換器と、
前記第1流体を前記補助熱交換器の第1s流路の上流側から該第1s流路と、前記主熱交換器の第1m流路とを順に経由させて、該第1m流路の下流側に流し得るように該第1m流路及び該第1s流路に接続された第1流体流路と、
前記補助熱交換器の第1s流路の上流側の前記第1流体流路から、一部の第1流体を該第1s流路と前記主熱交換器の第1m流路とを経由させずに該第1m流路の下流側の前記第1流体流路に流し得るように該第1流体流路に接続されたバイパス路と、
前記主熱交換器の第2m流路から前記補助熱交換器の第2s流路に第2流体を流し得るように該第2m流路及び該第2s流路に接続された第2流体流路と、
前記主熱交換器の第1m流路から流出した第1流体に前記バイパス路を通過した第1流体が合流した後の該第1流体の温度である第1温度を検出する第1温度検出器と、
前記補助熱交換器の第1s流路から流出した第1流体の温度、又は前記主熱交換器の第1m流路に流入する第1流体の温度である第2温度を検出する第2温度検出器と、
前記第1温度検出器及び前記第2温度検出器の検出出力が入力され、前記第1温度が所定の目標温度になるように前記バーナの燃焼熱量を制御する機能を有する制御装置とを備えることを基本構成とする。
かかる本発明の熱源装置では、前記バーナの燃焼熱量を制御する機能を有する制御装置には、前記第1温度検出器の検出出力に加えて、前記第2温度検出器の検出出力が入力される。このため、制御装置は、前記第1温度が目標温度になるようにバーナの燃焼熱量を制御することを、前記第2温度の変動の影響を反映させて行うことが可能となる。ひいては、給湯用水の温調制御(第1温度が目標温度になるように給湯用水を昇温させる温調制御)の安定性を高めることが可能となる。
また、バーナの燃焼運転を停止した状態では、第1温度と第2温度とは同一もしくはほぼ同一の温度になるはずなので、例えば、第1温度検出器により検出された第1温度と第2温度検出器により検出された第2温度との比較に基づいて、第1温度検出器又は第2温度検出器の故障を検知することも可能となる。
本発明の熱源装置では、前記制御装置は、より具体的には、前記第1流体流路に供給される第1流体を前記目標温度に昇温させるために要求される前記バーナの燃焼熱量であるフィードフォワード熱量を、前記第2温度検出器により検出された前記第2温度と、前記第1流体流路に供給される第1流体の流量の検出値又は推定値と、前記第1流体流路に供給される第1流体の温度の検出値又は推定値と、前記目標温度とを用いて決定する機能と、前記第1温度を前記目標温度に収束させるために要求される前記バーナの燃焼熱量であるフィードバック熱量を、前記第1温度検出器により検出された前記第1温度と、前記目標温度との偏差に応じて決定する機能とを有し、前記決定したフィードフォワード熱量とフィードバック熱量とを合成してなる燃焼熱量である要求燃焼熱量に応じて、前記バーナの燃焼熱量を制御するように構成されていることを特徴とする
なお、前記第1流体流路に供給される第1流体の流量の「検出値」は、該流量を直接的に検出し得る検出器により検出してなる値を意味し、該流量の「推定値」は、該流量と一定の相関関係を有する1つ以上の状態量の検出値又は推定値から該相関関係に基づいて推定してなる値を意味する。
同様に、前記第1流体流路に供給される第1流体の温度の「検出値」は、該温度を直接的に検出し得る検出器により検出してなる値を意味し、該温度の「推定値」は、該温度と一定の相関関係を有する1つ以上の状態量の検出値又は推定値から該相関関係に基づいて推定してなる値を意味する。
上記本発明によれば、第2温度の検出値に加えて、第1流体流路に供給される第1流体の流量の検出値又は推定値と、第1流体流路に供給される第1流体の温度の検出値又は推定値と、目標温度とを用いてフィードフォワード熱量を決定するので、第1流体流路に供給される第1流体を前記目標温度に昇温させるために要求されるバーナの燃焼熱量として信頼性の高いフィードフォワード熱量を、第1温度に影響を及ぼす要因を適切に反映させて決定することができる。すなわち、第1温度が目標温度に対して変動するのを極力抑制し得るようにフィードフォワード熱量を決定できる。
そして、このフィードフォワード熱量と前記フィードバック熱量とを合成してなる要求燃焼熱量に応じてバーナの燃焼熱量を制御することで、第1温度を目標温度に安定に制御することが可能となる。
本発明の実施形態の熱源装置の全体構成を示すシステム構成図。 実施形態の熱源装置の制御に係る構成を示すブロック図。
本発明の実施形態を図1及び図2を参照して以下に説明する。図1に示すように、本実施形態の熱源装置1は、燃焼式の発熱部としてのバーナ3を有する燃焼装置2と、第1流体の一例としての給湯用水を流す給湯回路20と、第2流体の一例としての暖房用水を流す暖房回路40と、浴槽BT内に供給される風呂用水を流す風呂回路60と、バーナ3の燃焼排ガスの顕熱により給湯用水及び暖房用水の両方を加熱可能な主熱交換器80と、バーナ3の燃焼排ガスの潜熱により給湯用水及び暖房用水を各々加熱可能な給湯用潜熱熱交換器82及び暖房用潜熱熱交換器84と、暖房用水から給湯用水への熱交換(伝熱)を行い得る補助熱交換器86と、浴槽BT内の風呂用水の追い焚きを行う運転時に、暖房用水から風呂用水への熱交換(伝熱)を行い得る風呂用熱交換器88とを備えている。なお、給湯用水、暖房用水及び風呂用水は、本実施形態では水道水等、共通の給水源から供給される水である。
燃焼装置2のバーナ3は、本実施形態では、燃料ガスを燃焼させるガスバーナであり、燃焼筐10内の燃焼室10aの下部に収容されている。このバーナ3は、個別に燃焼運転を行い得る複数の(例えば5個の)バーナ部3a~3eの集合体として構成され、燃焼運転を行うバーナ部を選択的に切り替えることで、バーナ3の燃焼領域を変化させることが可能である。なお、燃焼室10aの上部は、図示しない排気路に連通されている。
燃焼装置2は、バーナ3への燃料供給装置の構成要素として、バーナ3に供給する燃料ガスが図示しない供給源から導入されるメインのガス供給路4と、ガス供給路4を開閉可能に該ガス供給路4に組付けられた電磁弁5と、バーナ3への燃料ガスの供給量(流量)を可変的に制御し得るようにガス供給路4に組付けられたガス量調整弁6と、ガス供給路4からバーナ部3a~3eのそれぞれへの燃料ガスの供給路を開閉し得るように各バーナ部3a~3e毎に設けられた電磁弁7a~7eとを備える。ガス量調整弁6は、例えばガス比例弁、あるいは電動式の制御弁等により構成される。
従って、バーナ部3a~3eのそれぞれは、それぞれに対応する電磁弁7a~7eと、ガス供給路4の電磁弁5とを開弁制御することでガス供給路4から燃料ガスが供給され、ひいては、燃焼運転を行い得る。また、電磁弁7a~7eのうち、開弁制御する電磁弁を選択的に切り替えることで、バーナ部3a~3eのうち、燃焼運転を行うバーナ部を切り替えることが可能である。さらに、ガス量調整弁6を制御することで、バーナ部3a~3eのうち、燃焼運転を行うバーナ部への燃料ガスの供給量が制御され、ひいては、バーナ3の燃焼熱量(燃焼運転により発生する熱量)を制御することが可能となる。
燃焼装置2はさらに、バーナ3に燃焼用空気を供給する電動式の燃焼ファン11を備える。該燃焼ファン11は、その回転作動により燃焼用空気としての大気を吸引し、吸引した燃焼用空気をバーナ3の全体に供給し得るように燃焼筐10に取付けられている。そして、燃焼ファン11は、その回転数(回転速度)を制御することにより、バーナ部3a~3eのうちの燃焼運転を行うバーナ部への燃焼用空気の供給量を制御することが可能である。
なお、バーナ3の点火時には、バーナ部3a~3eのうちの所定のバーナ部への燃料供給と、燃焼ファン11の回転作動と、図示しない点火装置の作動(図示しない点火プラグから火花放電を発生させる作動)とを並行して行うことで、上記所定のバーナ部が点火される。その後は、電磁弁7a~7eの開閉制御により、燃焼運転を行わせるバーナ部を適宜切り替えることが可能である。
主熱交換器80は、気-液式の熱交換器であり、加熱対象の給湯用水と暖房用水とを各々分離させて流す給湯用通水路80a及び暖房用通水路80bを備えると共に、給湯用通水路80a及び暖房用通水路80bの両方が配設された領域としての2水領域Ar2と、暖房用通水路80bが配設されずに、給湯用通水路80aだけが配設された領域としての1水領域Ar1とに区分けされている。従って、給湯用通水路80aは、1水領域Ar1と、2水領域Ar2とにまたがって配設され、暖房用通水路80bは、2水領域Ar2だけに配設されている。なお、主熱交換器80の給湯用通水路80a及び暖房用通水路80bは、それぞれ、本発明における第1m流路、第2m流路に相当する。
上記主熱交換器80は、燃焼室10a内で、バーナ3の燃焼排ガスの顕熱により加熱されるように、燃焼筐10に搭載されている。この場合、主熱交換器80は、その1水領域Ar1が、主にバーナ部3a,3b,3cの燃焼排ガスの顕熱により加熱され、2水領域Ar2が主にバーナ部3d,3eの燃焼排ガスの顕熱により加熱されるように配置されている。具体的には、主熱交換器80は、その1水領域Ar1がバーナ部3a,3b,3cの燃焼排ガスの流路上に位置し、2水領域Ar2がバーナ部3d,3eの燃焼排ガスの流路上に位置するように配置されている。
なお、主熱交換器80の2水領域Ar2は、液-液式の熱交換器としての機能も有し、暖房用通水路80b内の暖房用水から給湯用通水路80a内の給湯用水への熱交換(伝熱)も行い得る。また、主熱交換器80の2水領域Ar2は、暖房用通水路80b内の暖房用水の受熱量が給湯用通水路80a内の給湯用水の受熱量に比して十分に大きくなるように、フィン等が構成されている。
給湯用潜熱熱交換器82は、加熱対象の給湯用水を流す給湯用通水路82aを有し、燃焼室10a内で、バーナ3の燃焼排ガスの潜熱により加熱されるように、燃焼筐10に搭載されている。この場合、給湯用潜熱熱交換器82は、主にバーナ部3a,3b,3cの燃焼排ガスの潜熱により加熱され得るように,バーナ部3a,3b,3cの燃焼排ガスの流路上に配置されている。
暖房用潜熱熱交換器84は、加熱対象の暖房用水を流す暖房用通水路84bを有し、燃焼室10a内で、バーナ3の燃焼排ガスの潜熱により加熱されるように、燃焼筐10に搭載されている。この場合、暖房用潜熱熱交換器84は、主にバーナ部3d,3eの燃焼排ガスの潜熱により加熱され得るように,バーナ部3d,3eの燃焼排ガスの流路上に配置されている。
補助熱交換器86は,給湯用水と暖房用水とを各々分離させて流す給湯用通水路86a及び暖房用通水路86bを備える液-液式の熱交換器であり、暖房用通水路86b内の暖房用水から給湯用通水路86a内の給湯用水への熱交換(伝熱)を行い得るように構成されている。なお、補助熱交換器86の給湯用通水路86a及び暖房用通水路86bは、それぞれ、本発明における第1s流路、第2s流路に相当する。
風呂用熱交換器88は、暖房用水と風呂用水とを各々分離させて流す暖房用通水路88b及び風呂用通水路88cを備える液-液式の熱交換器であり、暖房用通水路88b内の暖房用水から風呂用通水路88c内の風呂用水への熱交換(伝熱)を行い得るように構成されている。
給湯回路20は、本実施形態では、給湯用水を、給湯用潜熱熱交換器82、補助熱交換器86、及び主熱交換器80を順に経由させて、図示しない給湯対象部(台所、浴室、または洗面所の給湯栓等)に流通させ得るように構成されている。
具体的には、給湯回路20は、給湯用潜熱熱交換器82、補助熱交換器86及び主熱交換器80のそれぞれの給湯用通水路82a,86a,80aを含むと共に、図示しない給水源から供給される給湯用水を給湯用潜熱熱交換器82の給湯用通水路82aに流入させるべく該給湯用通水路82aの上流端に接続された給水路21と、給湯用潜熱熱交換器82の下流端を補助熱交換器86の給湯用通水路86aの上流端に接続する通水路22と、補助熱交換器86の給湯用通水路86aの下流端を主熱交換器80の給湯用通水路80aの上流端に接続する通水路23と、主熱交換器80の給湯用通水路80aから、図示しない給湯対象部に給湯用水を供給すべく給湯用通水路80aの下流端に接続された給湯路24とを備える。
給水路21の上流側は給水源側の配管に接続され、給湯路24の下流側は外部配管を介して1つ以上の給湯対象部に接続される。なお、本実施形態では、給水路21、給湯用潜熱熱交換器82の給湯用通水路82a、通水路22,23、及び給湯路24が本発明における第1流体流路の構成要素である。
給湯回路20はさらに、給水路21から一部の給湯用水を給湯用潜熱熱交換器82、補助熱交換器86及び主熱交換器80を経由させずに給湯路24に流すべく給水路21の途中部から分岐して給湯路24の途中部に合流する第1バイパス路25と、通水路22から一部の給湯用水を補助熱交換器86を経由させずに通水路23に流すべく通水路22の途中部から分岐して通水路23の途中部に合流する第2バイパス路26とを備える。
そして、第1バイパス路25と給水路21との接続部には、該接続部から給水路21の下流側に流れる給湯用水の流量と、第1バイパス路25に流れる給湯用水の流量との比率である第1バイパス比を可変的に調整可能な制御弁としての分配弁27が組付けられている。該分配弁27は、例えば電動式の三方弁により構成される。
また、通水路22と第2バイパス路26との接続部から通水路22の下流側に流れる給湯用水(補助熱交換器86に流れる給湯用水)の流量と、第2バイパス路26に流れる給湯用水の流量との比率である第2バイパス比に関しては、本実施形態では、該第2バイパス比がほぼ一定になるように第2バイパス路26の開口面積等が設定されている。
補足すると、第1バイパス比を可変的に調整し得る制御弁は、上記分配弁27に限られない。例えば、第1バイパス路25と給湯路24との接続部に、給湯路24の上流側から流入する給湯用水の流量と、第1バイパス路25から流入する給湯用水の流量との比率を可変的に調整可能な電動式の混合弁を、第1バイパス比を可変的に調整可能な制御弁として備えるようにしてもよい。あるいは、例えば、第1バイパス路25の流量を可変的に制御可能な流量制御弁を該第1バイパス路25に備え、この流量制御弁により、第1バイパス路25の流量制御を行うことで、第1バイパス比を可変的に調整し得るようにしてもよい。
また、給湯回路20の途中部、例えば、給湯路24と第1バイパス路25との接続部よりも下流側の給湯路24には、給水路21から給湯路24まで給湯回路20を流れる給湯用水の全流量を可変的に調整可能な電動式の水量サーボ弁28が組付けられている。
上記の構成を有する給湯回路20では、給湯対象部の給湯栓の開栓等により通水が開始されると、給水路21に流入する給湯用水が、給水路21から、給湯用潜熱熱交換器82の給湯用通水路82a、通水路22、補助熱交換器86の給湯用通水路86a、通水路23、及び主熱交換器80の給湯用通水路80aを順に経由して給湯路24に流れる。
このとき、給湯用潜熱熱交換器82の給湯用通水路82aから通水路22に流入する給湯用水の全量のうちの一部の給湯用水(前記第2バイパス比により規定される量の給湯用水)は、通水路22から第2バイパス路26を通って通水路23に流れると共に、補助熱交換器86の給湯用通水路86aから通水路23に流れる給湯用水に合流し、その合流後の給湯用水が通水路23から主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する。
また、給水路21に流入した給湯用水の全量のうちの一部の給湯用水(前記第1バイパス比により規定される量の給湯用水)は、給水路21から第1バイパス路25を通って給湯路24に流れると共に、主熱交換器80の給湯用通水路80aから給湯路24に流れた給湯用水に合流し、その合流後の給湯用水が給湯路24から給湯対象部に供給される。
そして、このように給湯回路20での通水を行いながら、バーナ部3a~3cのうちの1つ以上のバーナ部の燃焼運転を行うことで、給水路21に流入する給湯用水のうち、第1バイパス路25に流入する給湯用水を除く給湯用水を主熱交換器80及び給湯用潜熱熱交換器82で加熱することができる。
さらに、バーナ部3a~3cに加えて、バーナ部3d,3eの一方又は両方の燃焼運転を行うと共に、暖房回路40の後述の循環ポンプ44を作動させた場合には、給湯用潜熱熱交換器82の給湯用通水路82aを通過した給湯用水のうち、第2バイパス路26に流入する給湯用水を除く給湯用水を、さらに、補助熱交換器86で加熱することも可能である。
給湯回路20にはさらに、給湯用水の温調制御(バーナ3の燃焼熱量の制御を含む)等のために様々な検出器が備えられている。本実施形態では、給水路21と第1バイパス路25との接続部よりも上流側の給水路21には、該給水路21に流入する給湯用水の流量(=給湯回路20に流れる給湯用水の総流量)である給水流量を検出する流量センサ29と、該給湯用水の温度である給水温度を検出する温度センサ30とが組付けられている。また、通水路23と第2バイパス路26との接続部よりも上流側の通水路23には、補助熱交換器86の給湯用通水路86aから流出する給湯用水の温度である補助熱交換器出口温度を検出する温度センサ31が組付けられている。
また、給湯路24と第1バイパス路25との接続部よりも上流側の給湯路24には、主熱交換器80の給湯用通水路80aから流出する給湯用水の温度を検出する温度センサ32が組付けられ、該接続部よりも下流側の給湯路24には、給湯路24の下流端の給湯対象部に供給される給湯用水の温度である給湯温度を検出する温度センサ33が組付けられている。
なお、本実施形態では、前記補助熱交換器出口温度が本発明における第2温度に相当し、温度センサ31が本発明における第2温度検出器に相当する。また、前記給湯温度が本発明における第1温度に相当し、温度センサ33が本発明における第1温度検出器に相当する。
暖房回路40は、熱源装置1と暖房装置101,102との間で暖房用水を循環させつつ、該暖房用水を主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84で加熱し得るように構成されている。加えて、暖房回路40は、暖房用水を適宜、風呂用熱交換器88及び補助熱交換器86を経由させて循環させ得るように構成されている。
さらに詳細には、本実施形態の熱源装置1は、浴室暖房装置等、暖房運転時(もしくは乾燥運転時)に比較的高温の暖房用水を使用する高温暖房装置101と、温水マット等、暖房運転時に比較的低温の暖房用水を使用する低温暖房装置102とに暖房用水を供給することが可能である。そして、暖房回路40は、主熱交換器80、暖房用潜熱熱交換器84、補助熱交換器86及び風呂用熱交換器88のそれぞれの暖房用通水路80b,84b,86b,88bを含むと共に、高温暖房装置101に暖房用水を供給する第1往路側通水路41と、低温暖房装置102に暖房用水を供給する第2往路側通水路42と、各暖房装置101,102から戻ってくる暖房用水を合流させて流す復路側通水路43とを備える。
高温暖房装置101は、第1往路側通水路41及び復路側通水路43に適宜の外部配管を介して接続され、低温暖房装置102は、第2往路側通水路42及び復路側通水路43に適宜の外部配管を介して接続される。なお、第1往路側通水路41から高温暖房装置101への暖房用水の供給と、第2往路側通水路42から低温暖房装置102への暖房用水の供給とは、各暖房装置101,102毎に、該暖房装置101,102又は熱源装置1に備えられた図示しない熱動弁を介して行われる。そして、各暖房装置101,102の運転停止状態では、各暖房装置101,102に対応する熱動弁は閉弁状態に維持される。
補足すると、第1往路側通水路41と復路側通水路43との間には、1つの高温暖房装置101に限らず、複数の高温暖房装置を並列に接続することも可能である。同様に、第2往路側通水路42と復路側通水路43との間には、1つの低温暖房装置102に限らず、複数の低温暖房装置を並列に接続することも可能である。
暖房回路40は、さらに、暖房用水を循環させるための循環ポンプ44と、暖房用水を貯留するシスターン45とを備えている。そして、暖房回路40は、各暖房装置101,102の運転時に、循環ポンプ44を作動させることで、暖房用水を、運転を行う暖房装置(暖房装置101,102の一方又は両方)と主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84とを経由させて循環させ得るように構成されている。
具体的には、暖房回路40の復路側通水路43は、各暖房装置101,102から戻ってきた暖房用水を暖房用潜熱熱交換器84の暖房用通水路84bに流入させるべく該暖房用通水路84bの上流端に接続されている。さらに、暖房回路40は、循環ポンプ44の吐出口を主熱交換器80の暖房用通水路80bの上流端に接続する通水路46と、主熱交換器80の暖房用通水路80bの下流端を第1往路側通水路41に接続する通水路47と、該通水路47からシスターン45に暖房用用水を流通させ得るように該通水路47をシスターン45に接続する通水路48と、暖房用潜熱熱交換器84の暖房用通水路84bからシスターン45に暖房用水を流通させ得るように該暖房用通水路84bの下流端をシスターン45に接続する通水路49と、シスターン45を循環ポンプ44の吸入口に接続する通水路50とを備える。そして、循環ポンプ44の吐出口に接続された通水路46の途中部が第2往路側通水路42に接続されている。なお、通水路48は、往路側通水路41等よりも開口面積が小さい通水路である。
従って、循環ポンプ44を作動させつつ、高温暖房装置101の運転を行うと、矢印Y10~Y14で示す如く、循環ポンプ44から吐出される暖房用水が通水路46、主熱交換器80の暖房用通水路80b、通水路47、及び第1往路側通水路41を順に経由して高温暖房装置101に供給される。そして、高温暖房装置101から復路側通水路43に戻る暖房用水は、矢印Y15~Y18で示す如く、該復路側通水路43から暖房用潜熱熱交換器84の暖房用通水路84b、通水路49、シスターン45、及び通水路50を順に経由して循環ポンプ44に還流する。また、このとき、主熱交換器80から通水路47を流れる暖房用水の一部が、矢印Y19で示す如く、該通水路47から通水路48を経由してシスターン45に流入し、さらにシスターン45から通水路50を経由して循環ポンプ44に還流する。
また、循環ポンプ44を作動させつつ、低温暖房装置102の運転を行うと、循環ポンプ44から吐出される暖房用水のうちの一部の暖房用水が、矢印Y10,Y20で示す如く、通水路46の上流寄り部分と、第2往路側通水路42とを経由して低温暖房装置102に供給されると共に、残部の暖房用水が、矢印Y11~Y13、Y19,Y20で示す如く、通水路46、主熱交換器80の暖房用通水路80b、通水路47、及び通水路48、シスターン45、及び通水路50を順に経由して循環ポンプ44に還流する。そして、低温暖房装置102から復路側通水路43に戻る暖房用水は、矢印Y15~Y18で示す如く、該復路側通水路43から暖房用潜熱熱交換器84の暖房用通水路84b、通水路49、シスターン45、及び通水路50を順に経由して循環ポンプ44に還流する。
なお、高温暖房装置101及び低温暖房装置102の両方の運転時には、高温暖房装置101の運転時の暖房用水の流れと、低温暖房装置102の運転時の暖房用水の流れとが合成された態様で暖房用水が循環する。
このように、暖房装置101,102の運転時に、循環ポンプ44を作動させることで、暖房用水が、運転を行う暖房装置(暖房装置101,102の一方又は両方)と、主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84とを経由して循環する。このとき、バーナ3のうちのバーナ部3d,3eの一方又は両方の燃焼運転を行うことで、暖房用水を主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84で加熱することができる。
なお、シスターン45は、給湯回路20の給水路21に、開閉可能な電磁弁を備える補水通路(図示省略)を介して接続されており、該電磁弁を適宜、開弁制御することで、給水路21から給湯用水が暖房用水として補充されるようになっている。
暖房回路40は、さらに、暖房装置101,102の運転時及び運転停止時のいずれの場合でも、暖房用水を、主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84と、補助熱交換器86と、風呂用熱交換器88とを経由させて循環させ得るように構成されている。
具体的には、暖房回路40は、主熱交換器80の暖房用通水路80bに接続された通水路49の途中部を風呂用熱交換器88の暖房用通水路88bの上流端に接続する通水路51と、風呂用熱交換器88の暖房用通水路88bの下流端を補助熱交換器86の暖房用通水路86bの上流端に接続する通水路52と、補助熱交換器86の暖房用通水路86bの下流端を復路側通水路43の途中部に接続する通水路53と、主熱交換器80の暖房用通水路80bから風呂用熱交換器88及び補助熱交換器86に流れる暖房用水の流量を制御し得るように通水路51に組付けられた流量制御弁54とを備える。
従って、循環ポンプ44を作動させた状態で、流量制御弁54を開弁制御すると、循環ポンプ44から通水路46及び主熱交換器80の暖房用通水路80bを経由して通水路47に流れる暖房用水の一部が、矢印Y21~Y23、Y16~Y18で示す如く、該通水路47から通水路51、風呂用熱交換器88の暖房用通水路88b、通水路52、補助熱交換器86の暖房用通水路86b、通水路53、復路側通水路43、暖房用潜熱熱交換器84の暖房用通水路84b、通水路49、シスターン45、及び通水路50を順に経由して循環ポンプ44に還流する。
このように、循環ポンプ44を作動させながら、流量制御弁54を開弁制御することで、暖房用水が、主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84と、風呂用熱交換器88及び補助熱交換器86とを経由して循環する。このとき、バーナ3のうちのバーナ部3d,3eの一方又は両方の燃焼運転を行うことで、暖房用水を主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84で加熱することができる。ひいては、補助熱交換器86での熱交換によって、該補助熱交換器86の給湯用通水路86aを流れる給湯用水を加熱することができる。あるいは、風呂用熱交換器88での熱交換によって、該風呂用熱交換器88の風呂用通水路88cを流れる風呂用水を加熱することができる。
また、暖房回路40には、バーナ3の燃焼熱量の制御等のために様々な検出器が備えられている。図示例の暖房回路40では、主熱交換器80の暖房用通水路80bから通水路47に流れる暖房用水の温度(換言すれば、高温暖房装置101に供給される暖房用水の温度)を検出する温度センサ56が通水路47に組付けられ、循環ポンプ44から吐出される暖房用水の温度(換言れば、低温暖房装置102に供給される暖房用水の温度)を検出する温度センサ57が通水路46に組付けられている。
なお、本実施形態では、暖房回路40の通水路47,51,88b,52,53が本発明における第2流体流路の構成要素である。
風呂回路60は、浴槽BTの湯はり又は足し湯を行う運転時に、給湯回路20の給湯路24から浴槽BTに風呂用水としての給湯用水を供給し得るように構成されていると共に、浴槽BT内の風呂用水の追い焚きを行う運転時に、該風呂用水を風呂用熱交換器88を経由させて循環させ得るように構成されている。
具体的には、風呂回路60は、風呂用熱交換器88の風呂用通水路88cを含むと共に、給湯回路20の給湯路24から分岐された通水路61と、浴槽BT内の風呂用水を循環させるため循環ポンプ62と、循環ポンプ62の吐出口を風呂用熱交換器88の風呂用通水路88cの上流端に接続する通水路63と、風呂用熱交換器88の風呂用通水路88cから浴槽BTに風呂用水を供給すべく該風呂用通水路88cの下流端に接続された往路側通水路64と、浴槽BTから戻ってくる風呂用水を循環ポンプ62に還流させるべく、循環ポンプ62の吸入口に接続された復路側通水路65とを備える。
往路側通水路64の下流側及び復路側通水路65の上流側は、外部配管を介して浴槽BTに接続される。また、通水路61の下流端が復路側通水路65の途中部に接続されている。そして、通水路61には、これを開閉可能な電磁弁66と、風呂用水が給湯路24に逆流するのを防止するための逆止弁67が組付けられている。
従って、浴槽BTの湯はり又は足し湯を行う運転時に、循環ポンプ62を作動させずに、電磁弁66を開弁制御することで、矢印Y30、Y31で示すように、給湯路24から通水路61及び復路側通水路65を順に経由させて浴槽BTに風呂用水としての給湯用水を供給することができる。なお、この場合、通水路61から復路側通水路65を介して浴槽BTに給湯用水(風呂用水)を供給することと並行して、矢印Y33,Y34で示すように、通水路63、風呂用熱交換器88の風呂用通水路88c及び往路側通水路64を順に経由させて給湯用水(風呂用水)を浴槽BTに供給することも可能である。
そして、このように浴槽BTに給湯用水を供給しながら、バーナ3のバーナ部3a~3cのうちの1つ以上のバーナ部の燃焼運転を行うことで、浴槽BTに供給する給湯用水(風呂用水)を主熱交換器80及び給湯用潜熱熱交換器82で加熱することができる。
また、浴槽BT内の風呂用水の追い焚きを行う運転時に、循環ポンプ62を作動させることで、矢印Y32で示すように、浴槽BT内の風呂用水が復路側通水路65を経由して循環ポンプ62に吸引されると共に、該循環ポンプ62から吐出される風呂用水が、矢印Y33,Y34で示すように、通水路62、風呂用熱交換器88の風呂用通水路88c、及び往路側通水路64を順に経由して浴槽BTに還流する。このとき、暖房回路40の循環ポンプ44を作動させながら、バーナ3のバーナ部3d,3eの両方又は一方の燃焼運転を行うことで、風呂用熱交換器88の暖房用通水路88bを通る暖房用水が、主熱交換器80及び暖房用潜熱熱交換器84で加熱される。ひいては、風呂用熱交換器88での熱交換によって、風呂用通水路88cを流れる風呂用水が暖房用通水路88bを流れる暖房用水により加熱されることで、浴槽BT内の風呂用水が加熱される。
また、風呂回路60には、湯はり運転や追い焚き運転等におけるバーナ3の燃焼熱量の制御や、循環ポンプ62の作動制御のために、様々な検出器が備えられている。図示例の風呂回路60では、例えば通水路61には、給湯路24から浴槽BTに供給される給湯用水の流量を検出する流量センサ68が組付けられ、復路側通水路65には、浴槽BTから循環ポンプ62に吸引される風呂用水の温度を検出する温度センサ69が組付けられている。また、通水路63には、そこでの通水の有無を検出する水流スイッチ71と、浴槽BT内の風呂用水の水位を検出する水圧検知型の水位センサ70とが組み付けられている。さらに、往路側通水路64には、風呂用熱交換器88から浴槽BTに供給される風呂用水の温度を検出する温度センサ72が組付けられている。
熱源装置1は、さらに、図2に示すように制御装置90を備えている。該制御装置90は、例えば、マイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路等を含む1つ以上の電子回路ユニットより構成される。そして、この制御装置90には、熱源装置1に備えられた検出器(給湯回路20、暖房回路40及び風呂回路60に備えられた前記の各センサを含む)のセンシング信号(検出出力)が入力されると共に、熱源装置1の運転操作をユーザが行うためのリモコン91の操作データが入力される。
そして、制御装置90は、実装されたプログラム(ソフトウェア構成)及びハードウェア構成の両方又は一方により実現される機能によって、燃焼装置2、給湯回路20の分配弁27及び水量サーボ弁28、暖房回路40の循環ポンプ44及び流量制御弁54、並びに、風呂回路60の循環ポンプ62及び電磁弁66の作動制御を行う。また、制御装置90は、熱源装置1の作動状態を等を示す情報をリモコン91に適宜送信する。なお、燃焼装置2の作動制御は、前記電磁弁5、ガス量調整弁6、電磁弁7a~7e、燃焼ファン11、及び図示しない点火装置の作動制御を通じて行われる。
リモコン91は、給湯運転、暖房運転、及び風呂運転(湯はり運転、追い焚き運転等)のそれぞれの実行、あるいは、これらの運転の停止を制御装置90に指令するスイッチ操作や、目標給湯温度(給湯温度の目標値)を制御装置90に対して設定するスイッチ操作等を行い得るように構成されていると共に、熱源装置1の状態等の様々な報知情報を、図示しない表示器もしくは発音器から出力し得るように構成されている。なお、熱源装置1は、1つのリモコン91に限らず、複数のリモコンを備えていてもよい。また、この場合、それぞれのリモコンは互いに異なる機能を有していてもよい。
次に、熱源装置1の給湯運転時(給湯用水を給湯回路20の給水路21から給湯路24に通水させつつ、該給湯用水を加熱する運転時)における給湯用水の温調制御に関して説明する。
給湯運転時には、制御装置90は、温度センサ33により検出される給湯温度が、リモコン91で設定された目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致するように、バーナ3の燃焼熱量を制御する。この場合、制御装置90は、主熱交換器80の1水領域Ar1を加熱するバーナ部3a~3cの燃焼運転によって、給水路21に流入する給湯用水を目標給湯温度まで昇温させ得る場合には、バーナ部3a~3cのうちの1つ以上のバーナ部の燃焼運転を行わせる。
また、給水温度が低い場合や、目標給湯温度が高い場合、給湯回路20の通水流量(給水流量)が多い場合等、バーナ部3a~3cの燃焼運転だけでは、給水路21に流入する給湯用水を目標給湯温度まで昇温させるための燃焼熱量が不足する場合(以降、給湯能力不足状態の場合という)には、制御装置90は、暖房装置101又は102の運転時及び運転停止時のいずれの場合でも、バーナ部3a~3cの燃焼運転に加えて、主熱交換器80の2水領域Ar2を加熱するバーナ部3d,3eの両方又は一方の燃焼運転を行う共に、暖房回路40の循環ポンプ44の作動と、流量制御弁54の開弁とを行わせることで、主熱交換器80で加熱された暖房用水を風呂用熱交換器88の暖房用通水路88b及び補助熱交換器86の暖房用通水路86bを経由させて流通させる。これにより、補助熱交換器86にて、暖房用水から給湯用水への熱交換(伝熱)が行わせることで給湯用水を付加的に加熱させる。
この場合、バーナ部3d,3eの燃焼熱量は、例えば暖房回路40の温度センサ56又は57の検出温度が所定温度に一致もしくはほぼ一致するように制御される。該所定温度は、暖房装置101,102のそれぞれの運転の有無等に応じて制御装置90により可変的に設定される。
補足すると、本実施形態の熱源装置1では、主熱交換器80で加熱された暖房用水を風呂用熱交換器88の暖房用通水路88b及び補助熱交換器86の暖房用通水路86bを経由させて流通させることは、給湯運転時の給湯能力不足状態に限らず、浴槽BT内の風呂用水の追い焚きを行う追い焚き運転においても行われる。
本実施形態では、上記の如く、熱源装置1の給湯運転時には、給湯能力不足状態でない場合には、バーナ部3a~3cのうちの1つ以上のバーナ部の燃焼運転を行いながら、バーナ部3a~3cの全体の燃焼熱量を制御することで、給湯温度が目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致する温度に昇温するように温調制御がなされる。
また、給湯能力不足状態の場合には、バーナ部3a~3cの燃焼運転に加えて、バーナ部3d,3eの両方又は一方の燃焼運転とを行うと共に、循環ポンプ44の作動及び流量制御弁54の開弁によって、主熱交換器80で加熱された暖房用水を風呂用熱交換器88及び補助熱交換器86を経由させて流通させることを行いながら、バーナ部3a~3cの全体の燃焼熱量を制御することで、給湯温度が目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致する温度に昇温するように温調制御がなされる。
この場合、制御装置90は、バーナ部3a~3cの燃焼熱量の制御を次のように実行する。すなわち、制御装置90は、バーナ部3a~3cの全体の燃焼熱量の要求値である要求燃焼熱量を、給湯回路20に備えられた温度センサ30,31,33によりそれぞれ検出される給水温度、補助熱交換器出口温度、及び給湯温度と、流量センサ29により検出される給水流量と、リモコン91で設定された目標給湯温度と、第1バイパス比の値(制御値)及び第2バイパス比の値(固定値)とを用いて逐次決定する。
より具体的には、制御装置90は、給水温度及び補助熱交換器出口温度のそれぞれの検出値と、給水流量の検出値と、目標給湯温度と、第1バイパス比及び第2バイパス比のそれぞれの値とから、あらかじめ作成された演算式もしくはマップ等を用いて、バーナ部3a~3cの要求燃焼熱量のうちのフィードフォワード成分であるyフィードフォワード熱量を求める。
この場合、給湯回路20で分配弁27の下流側の給水路21に流れて、主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する給湯用水の温度は、補助熱交換器出口温度の検出値と第2バイパス比とに応じて規定される温度であるという条件下で、該主熱交換器80で加熱された給湯用水と第1バイパス路25を通った給湯用水とを給湯路24で合流させた給湯用水の温度が、目標給湯温度に一致するという条件を満たし得るように、給水温度及び補助熱交換器出口温度のそれぞれの検出値と、給水流量の検出値と、目標給湯温度と、第1バイパス比及び第2バイパス比のそれぞれの値とから、演算式もしくはマップ等を用いて、フィードフォワード熱量が求められる。これにより、給水路21に流入する給湯用水を目標給湯温度まで昇温させるために必要な燃焼熱量としてのフィードフォワード熱量を、主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する給湯用水の実際の温度の変動を反映させるようにして適切に決定することができる。
すなわち、フィードフォワード熱量でバーナ部3a~3cの燃焼運転を実行したと仮定した場合に得られる給湯温度を、補助熱交換器86の給湯用通水路86aから流出する給湯用水の温度の変動、あるいは、主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する給湯用水の温度の変動によらずに、目標給湯温度に近い温度に保ち得るように、フィードフォワード熱量を決定できる。
また、制御装置90は、目標給湯温度と、温度センサ33による給湯温度の検出値との偏差に応じて、該偏差をゼロに収束させ得るように(給湯温度を目標給湯温度に収束させ得るように)、比例則等のフィードバック制御則により、要求燃焼熱量のフィードバック成分としてのフィードバック熱量を決定する。そして、制御装置90は、上記の如く求めたフィードフォフォワード成分とフィードバック成分とを加え合わせて合成することで、バーナ部3a~3cの要求燃焼熱量を算出する。
さらに制御装置90は、要求燃焼熱量が所定の上限熱量を超える場合には、該要求燃焼熱量を上限燃量に制限する。そして、制御装置90は、このようにして決定した要求燃焼熱量でバーナ部3a~3cの燃焼運転を行わせるように、該要求燃焼熱量に応じて、バーナ部3a~3cへの燃料ガスの供給量と、燃焼用空気の供給量とをそれぞれガス量調整弁6と燃焼ファン11とを介して制御する。なお、要求燃焼熱量を上限燃量に制限する場合には、制御装置90は、給湯回路20の通水流量を減少させるように、水量サーボ弁28を制御する。
本実施形態では、以上説明した如く、バーナ部3a~3cの燃焼熱量が制御されることで、温度センサ33で検出される給湯温度が目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致するように給湯用水の温調制御がなされる。この場合、バーナ部3a~3cの要求燃焼熱量のうちのフィードフォワード熱量が上記の如く決定されるので、補助熱交換器86の給湯用通水路86aから流出する給湯用水の温度の変動、あるいは、主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する給湯用水の温度の変動によらずに、給湯温度が、目標温度に対して変動するのを極力抑制し得るように、バーナ部3a~3cの燃焼運転を行うことができる。、ひいては、給湯用水の温調制御の安定性を高めることができる。また、要求燃焼熱量が上限熱量を超えた場合に、給湯回路20の通水流量を過剰に減少させることを防止し得るように、水量サーボ弁28を制御することができる。
また、本実施形態では、制御装置90は、例えば、バーナ3の燃焼運転が所定時間以上、停止している状態等、給湯回路20内の給湯用水の温度がほぼ均一になっているとみなし得る状態において、温度センサ30~33の検出温度を相互に比較する。これにより、温度センサ30~33のいずれかの故障が生じている場合に、それを検知することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の形態をいくつか説明する。
前記実施形態では、給湯用潜熱熱交換器82及び暖房用潜熱熱交換器84を備える熱源装置1を例示したが、これらの給湯用潜熱熱交換器82及び暖房用潜熱熱交換器84を省略してもよい。給湯用潜熱熱交換器82を省略した場合には、給水路21を通水路22に連接すればよい。また、暖房用潜熱熱交換器84を省略した場合には、復路側通水路43及び通水路53の下流側をシスターン45に接続すればよい。
また、前記実施形態では、補助熱交換器出口温度を検出する温度センサ31を備えたが、この温度センサ31の代わりに、主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する給湯用水の温度を検出する温度センサを備えてもよい。この場合は、第2バイパス比の値を必要とせずに、フィードフォワード熱量を求めることができる。なお、温度センサ31や主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する給湯用水の温度を検出する温度センサ(以降、便宜上、参照符号31’を付する)は、補助熱交換器の給湯用通水路86aの出口にできるだけ近い位置(主熱交換器80の給湯用通水路80aの入口よりも補助熱交換器の給湯用通水路86aの出口により近い位置)に設けることが好ましい。これらの温度センサ31,31’の検出出力を用いてフィードフォワード熱量を算出し、それに応じてガス量調整弁6等を介してバーナ3の燃焼熱量を制御する場合、実際の燃焼熱量が変化するまでには、タイムラグが生じる。そこで、温度センサ31,31’を上記のように配置することで、温度センサ31,31’で温度が検出された給湯用水が給湯用通水路80aに到達するまでにある程度の時間をかけさせることができる。これにより、温度センサ31,31’による温度検出からバーナ3の燃焼熱量の変化までのタイムラグの影響を補償し、給湯用水の温調制御の安定性を高めることができる。
また、前記実施形態では、補助熱交換器86の給湯用通水路86aの上流側から下流側に給湯用水をバイパスさせる第2バイパス路26を備えたが、該第2バイパス路26を省略してもよい。この場合は、補助熱交換器出口温度は、主熱交換器80の給湯用通水路80aに流入する給湯用水の温度に一致する。
また、前記実施形態では、浴槽BT内の風呂用水の追い焚きを行うために、液-液式の風呂用熱交換器88を備えたが、本発明の熱源装置は、風呂用熱交換器88の代わりに、別の加熱装置(例えば燃焼式の加熱装置等)を用いて、風呂用水の追い焚きを行うように構成されていてもよい。さらに、本発明の熱源装置は、風呂回路60を備えないものであってもよい。
また、前記実施形態では、給水温度(給水路21に供給される給湯用水の温度)と、給水流量(給水路21に供給される給湯用水の全体の流量)とをそれぞれ温度センサ30と流量センサ29とにより直接的に検出するようにしたが、例えば、温度センサ30及び流量センサ29の一方を省略することも可能である。温度センサ30を省略した場合には、例えば、流量センサ29による給水流量の検出値と、温度センサ33による給湯温度の検出値(又は、主熱交換器80の給湯用通水路80aから流出する給湯用水の温度を温度センサ32により検出してなる値)と、バーナ部3a~3cの燃焼熱量の制御値との履歴(時系列)を用いて給水温度を推定することが可能である。
また、流量センサ29を省略した場合には、例えば、温度センサ30による給水温度の検出値と、温度センサ33による給湯温度の検出値(又は、主熱交換器80の給湯用通水路80aから流出する給湯用水の温度を温度センサ32により検出してなる値)と、バーナ部3a~3cの燃焼熱量の制御値との履歴(時系列)を用いて給水流量を推定することが可能である。
従って、温度センサ30及び流量センサ29の一方を省略しても、給水温度の推定値又は給水流量の推定値を用いてフィードフォワード熱量を求めることができる。
また、本発明の熱源装置のバーナはガスバーナに限らず、例えば、液体燃料を燃焼させるバーナであってもよい。また、暖房用の熱媒(第2流体)は、暖房用水に限らず、例えば不凍液等であってもよい。また、主熱交換器80は、2水領域Ar2を備える熱交換器に限らず、例えば給湯用通水路60aが配設される領域と、暖房用通水路80bが配設される領域とが区分けされた構造の熱交換器であってもよい。
1…熱源装置、3…バーナ、21…給水路(第1流体流路)、22,23,82a…通水路(第1流体流路)、24…給湯路(第1流体流路)、25…第1バイパス路(バイパス路)、33…温度センサ(第1温度検出器)、31…温度センサ(第2温度検出器)、47,51,52,53,88b…通水路(第2流体流路)、80…主熱交換器、80a…給湯用通水路(第1m流路)、80b…暖房用通水路(第2m流路)、86…補助熱交換器、86a…給湯用通水路(第1s流路)、86b…暖房用通水路(第2s流路)、90…制御装置。

Claims (1)

  1. バーナと
    第1流体を流す第1m流路及び第2流体を流す第2m流路を有し、前記バーナの燃焼運転により発生する熱により該第1流体及び該第2流体を加熱し得るように構成された主熱交換器と、
    前記1流体を流す第1s流路及び前記第2流体を流す第2s流路を有し、該第2流体から該第1流体への熱交換を行い得るように構成された補助熱交換器と、
    前記第1流体を前記補助熱交換器の第1s流路の上流側から該第1s流路と、前記主熱交換器の第1m流路とを順に経由させて、該第1m流路の下流側に流し得るように該第1m流路及び該第1s流路に接続された第1流体流路と、
    前記補助熱交換器の第1s流路の上流側の前記第1流体流路から、一部の第1流体を該第1s流路と前記主熱交換器の第1m流路とを経由させずに該第1m流路の下流側に前記第1流体流路に流し得るように該第1流体流路に接続されたバイパス路と、
    前記主熱交換器の第2m流路から前記補助熱交換器の第2s流路に第2流体を流し得るように該第2m流路及び該第2s流路に接続された第2流体流路と、
    前記主熱交換器の第1m流路から流出した第1流体に前記バイパス路を通過した第1流体が合流した後の該第1流体の温度である第1温度を検出する第1温度検出器と、
    前記補助熱交換器の第1s流路から流出した第1流体の温度、又は前記主熱交換器の第1m流路に流入する第1流体の温度である第2温度を検出する第2温度検出器と、
    前記第1温度検出器及び前記第2温度検出器の検出出力が入力され、前記第1温度が所定の目標温度になるように前記バーナの燃焼熱量を制御する機能を有する制御装置とを備えており、
    前記制御装置は、前記第1流体流路に供給される第1流体を前記目標温度に昇温させるために要求される前記バーナの燃焼熱量であるフィードフォワード熱量を、前記第2温度検出器により検出された前記第2温度と、前記第1流体流路に供給される第1流体の流量の検出値又は推定値と、前記第1流体流路に供給される第1流体の温度の検出値又は推定値と、前記目標温度とを用いて決定する機能と、前記第1温度を前記目標温度に収束させるために要求される前記バーナの燃焼熱量であるフィードバック熱量を、前記第1温度検出器により検出された前記第1温度と、前記目標温度との偏差に応じて決定する機能とを有し、前記決定したフィードフォワード熱量とフィードバック熱量とを合成してなる燃焼熱量である要求燃焼熱量に応じて、前記バーナの燃焼熱量を制御するように構成されていることを特徴とする熱源装置。
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