JP2004301186A - 液化ガス気化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】現場条件の如何に拘わらず、簡易な構成にて液化ガスの気化用熱源として最適な温水を供給し得る液化ガス気化システムを提供する。
【解決手段】熱源機2と液化ガス気化装置3の気化器31とを循環経路4で接続し、熱源機の燃焼器24で加熱した高温流体を気化器の密閉缶体311内に循環供給する。気化器内のコイルチューブ312にはバルク貯槽5から液化ガスを供給し、内部の高温流体により加温して気化した気化ガスを気化ガス導出路33から導出する。気化器の流体出口側の流体温度を温度検出手段7で検出し熱源機コントローラ26に出力する。検出温度値が設定温度範囲より高ければ可変流量型の循環ポンプ21の回転数を下げて循環流量を小さくし、低ければ回転数を上げて循環流量を大きくする。下限回転数まで下げても検出温度値がなおも高い場合には燃焼器の燃焼加熱量を低くする。
【選択図】 図1
【解決手段】熱源機2と液化ガス気化装置3の気化器31とを循環経路4で接続し、熱源機の燃焼器24で加熱した高温流体を気化器の密閉缶体311内に循環供給する。気化器内のコイルチューブ312にはバルク貯槽5から液化ガスを供給し、内部の高温流体により加温して気化した気化ガスを気化ガス導出路33から導出する。気化器の流体出口側の流体温度を温度検出手段7で検出し熱源機コントローラ26に出力する。検出温度値が設定温度範囲より高ければ可変流量型の循環ポンプ21の回転数を下げて循環流量を小さくし、低ければ回転数を上げて循環流量を大きくする。下限回転数まで下げても検出温度値がなおも高い場合には燃焼器の燃焼加熱量を低くする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化ガス気化装置の気化用熱源として温水暖房用等の熱源機から循環供給される温水等を用いるように、液化ガス気化装置と熱源機とを組み合わせた液化ガス気化システムに関し、特に熱源機側の作動を最適化して最適な熱量供給を行うための技術に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、液化ガス気化装置と温水暖房用熱源機とを組み合わせ、液化ガス気化装置に対し液化ガス(LPG)の気化用熱源として上記熱源機から温水を供給するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、ポンプが組み込まれた家庭暖房用熱源機を用い、液化ガスが通される熱交換器を貯留温水中に浸漬させた温水焚気化器に対し上記熱源機からの温水循環回路の一部を通過させ、この温水循環回路を通して循環供給される上記熱源機からの温水と液−液熱交換させることにより上記温水焚気化器内の貯留温水を加熱して沸き上げるようにしている。そして、沸き上げられた貯留温水により加温されて上記熱交換器内の液化ガスが気化される。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−286293号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の家庭暖房用熱源機に付設されているポンプは定流量ポンプである上に、上記熱源機から循環供給される温水も本来の供給先である暖房端末に応じた一定温度であるため、液化ガス気化装置と組み合わせたとしても、無駄にエネルギーを消費し続けたり、液化ガスの気化用熱源として温度不足の温水供給しか行い得なかったりという不都合が生じている。
【0005】
すなわち、熱源機側で加熱される温水の温度が液化ガス気化装置での液化ガスの気化に必要な温水温度よりも高くても、その温水が定流量ポンプの定格流量の一定流量で供給され続ける結果、熱源機側では加熱のためにエネルギー消費の無駄が生じることになる。逆に、熱源機と液化ガス気化装置との間に配管される温水循環回路の配管長さが現場条件に応じて異なるため、その配管長さが余りに長かったり配管が屋外の寒気に晒されたりすると、液化ガス気化装置に到達する温水の温度が液化ガスの気化に必要な温水温度よりも低くなってしまい、液化ガスの気化が不十分になってしまうことになる。
【0006】
一方、以上の不都合に対処するために、上記の熱源機として、熱源機から循環供給する温水温度や循環流量を可変にすることも考えられるが、その温水温度や循環流量を上記の設置現場の雰囲気温度や配管長さ等の現場条件如何によって適宜変更せざるを得ず、使い勝手の悪いシステムになってしまう。しかも、熱源機から供給する温水温度を変更し得る構成を有するように熱源機を改良することは、種々のセンサや複雑な制御を搭載する必要が生じてしまうことになる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現場条件の如何に拘わらず、簡易な構成にて液化ガスの気化用熱源として最適な温水を供給し得る液化ガス気化システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、供給される液化ガスを加温することにより気化させる気化器を備えた液化ガス気化装置と、供給される流体を加熱する熱源機とを循環経路により互いに接続し、上記熱源機により加熱した流体を上記液化ガス気化装置の気化器に対し液化ガス加温用の熱源として上記循環経路を通して循環供給するように構成された液化ガス気化システムを対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記循環経路上に介装され、可変流量型ポンプにより構成されて上記加熱した流体を上記気化器に対し循環流量可変に供給する循環ポンプと、上記液化ガス気化装置側に設置され、上記気化器における熱源側又は被加熱側の温度であって上記液化ガスの加温度合を表す温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段により検出された温度検出値に基づいて上記循環ポンプによる循環流量を変更制御することにより上記気化器での液化ガス加温に必要な熱量を供給するようにする制御手段とを備えることとした(請求項1)。
【0009】
この発明の場合、循環ポンプが可変流量型により構成されているため、熱源機で加熱した流体温度がたとえ同じであっても、上記循環ポンプの循環流量を変更することで、気化器に供給される熱量を変更させることが可能になる。そして、上記液化ガス気化装置側に設置した温度検出手段により熱源側(流体側)又は被加熱側(液化ガス側)の温度であって加温度合を表す温度の検出により、現在の流体温度及び現在の循環流量で気化器に供給されている熱量が過剰であるか不足であるかが検知される。このため、上記検出温度値に基づいて循環流量を変更させることにより気化器に供給される現実の熱量を気化器での液化ガス加温用に最適なものとすることが可能になる。従って、上記循環経路の現場配管長、その循環経路が晒されている雰囲気温度(例えば外気温)等の現場条件の如何に拘わらず、気化器に対し簡易な構成で過不足のない最適(必要十分)な熱量供給を行うことが可能になる上に、熱源としての流体供給に要するエネルギー消費の無駄を排することが可能になる。
【0010】
この請求項1に係る発明における上記循環ポンプとして、回転数を変更調整することにより循環流量が変更調整されるものとし、上記熱源機として循環経路に対し所定の高温流体を供給する設定にすることもできる(請求項2)。この場合には、気化器での液化ガス加温のために必要な熱量を供給する上で、循環ポンプによる循環流量を小さめにすることが可能になる。これにより、上記循環ポンプを比較的低回転数で作動させることが可能となるため、循環ポンプの耐久性向上を図り得る上に、循環ポンプ作動のためのエネルギー消費を低減化し得る。
【0011】
さらに、上記の請求項1又は請求項2の液化ガス気化システムにおいて、上記熱源機として、この熱源機から循環経路に対し一定温度の流体が供給されるよう上記流体に対する加熱を行う構成とし、上記制御手段として、循環流量を設定最小流量に変更制御しても液化ガス加温に必要な熱量を超える熱量が供給されることになるときは上記熱源機から循環経路に対し供給される流体の温度を低温側に変更制御する構成とすることもできる(請求項3)。つまり、上記温度検出手段による温度検出値に基づいて循環ポンプの作動を設定最小流量まで下げたとしても、気化器に供給される熱量が過剰となるとき(供給熱量が要求熱量よりも大になるとき)であっても、上記の如く熱源機から循環経路に供給される流体の温度が低温側に変更されるため、気化器に供給される熱量を必要十分な最適なものとし得る。それと同時に、流体の温度を上記の一定温度に維持する場合よりも熱源機での燃焼エネルギー消費を低減化し得ることになる。
【0012】
上記の請求項1〜請求項3のいずれかの液化ガス気化システムにおいては、上記温度検出手段として、上記気化器の流体出口部位に設置して、液化ガスを加温することにより放熱した後の流体温度を検出する構成にすることができる(請求項4)。この場合には、気化器に供給される流体による加温用の熱量が不足していれば、液化ガスの加温により放熱した流体は液化ガスと熱交換されてかなり低温になる。逆であれば、放熱後であっても依然としてかなり高温を維持することになる。これを利用して気化器の流体出口部位の流体温度の高低によって液化ガスの加温度合の如何を検知し得るため、上記流体出口部位の流体温度に基づいて循環流量を変更制御して気化器での液化ガス加温のために最適な熱量の供給を行うことが可能になる。
【0013】
また、上記の請求項1〜請求項3のいずれかの液化ガス気化システムにおいては、上記温度検出手段として、上記気化器の気化ガス出口部位に設置して、液化ガスの加温により気化した後の気化ガス温度を検出する構成にすることもできる(請求項5)。この場合には、気化器に供給される流体による加温用の熱量が不足していれば、気化した気化ガスの温度も低くなる。逆であれば、気化ガスの温度は高くなる。これを利用して気化器の気化ガス出口部位の気化ガス温度の高低によって液化ガスの加温度合の如何が検知し得るため、上記気化ガス温度に基づいて循環流量を変更制御して気化器での液化ガス加温のために最適な熱量の供給を行うことが可能になる。
【0014】
以上の請求項1〜請求項5のいずれかの液化ガス気化システムにおいては、上記循環ポンプ及び制御手段を熱源機側に内蔵するようにすることができる(請求項6)。このようにすることにより、液化ガス気化装置側から温度検出手段の検出信号の出力ラインを熱源機側の制御手段に接続するだけで、全ての制御が熱源機側の制御手段により1本化させることが可能になる。
【0015】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかの液化ガス気化システムによれば、温度検出手段による検出温度値に基づいて循環ポンプによる循環流量を変更させるようにしているため、気化器に供給される現実の熱量を気化器での液化ガス加温用に最適なものとすることができる。従って、上記循環経路の現場配管長や、その現場の雰囲気温度等の現場条件の如何に拘わらず、気化器に対し簡易な構成で過不足のない必要十分な熱量供給を行うことができる上に、熱源としての流体供給に要するエネルギー消費の無駄を排することができる。
【0016】
特に、請求項2によれば、循環ポンプを比較的低回転数で作動させることができ、循環ポンプの耐久性向上を図ることができる上に、循環ポンプ作動のためのエネルギー消費を低減化させることができる。
【0017】
請求項3によれば、循環ポンプの最小流量側の変更限界があってそれ以上小流量側に変更できない場合であっても、熱源機から循環経路に供給される流体の温度を低温側に変更させるようにしているため、気化器に対し必要十分で最適な熱量供給を続行することができる上に、熱源機での燃焼エネルギー消費の低減化をも図ることができる。
【0018】
請求項4又は請求項5によれば、上記の請求項1〜請求項3のいずれかの液化ガス気化システムを具体的に実現させて、その効果を確実に得ることができるようになる。
【0019】
請求項6によれば、液化ガス気化装置側から温度検出手段の検出信号の出力ラインを接続するだけで、全ての制御を熱源機側で1本化させることができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液化ガス気化システムを示し、2は熱源機、3は気化器(ベーパライザ)31を備えた液化ガス気化装置、4は熱源機2と液化ガス蒸発装置3とを接続する循環経路、5は液化ガスが貯留されたバルク貯槽である。この液化ガス気化システムでは液化ガスとしてLPガス(液化石油ガス)を対象として、熱源機2で加熱した流体を上記循環経路4を通して液化ガス気化装置3の気化器31に熱源として供給し、この気化器31において液化ガスを加温して気化させた後、その気化ガスを図示省略のガス供給系に供給するようになっている。
【0022】
上記熱源機2は、家庭用の温水暖房用熱源機に対し循環ポンプ21として可変流量型であるDCポンプを搭載したものである。この熱源機2は、上記循環ポンプ21の作動により膨張タンク22内の流体を熱交換器23に供給し、熱交換器23において燃焼器24からの燃焼熱を受けて上記流体を熱交換加熱した後に上記循環経路4の往き路41に供給するようになっている。そして、往き路41を通して上記の加熱後の流体を気化器31に液化ガス加温用の熱源として供給し、気化器31で放熱した後の流体が戻り路42を通して上記膨張タンク22に戻され、以後、この流体の循環が繰り返されるようになっている。この熱源機2及び循環経路4内の流体としては、水でもよいが本実施形態ではメンテナンスの便を考慮して不凍液を用いている。また、上記熱源機2には雰囲気温度(外気温)を検出する雰囲気温度検出手段としてのF点サーミスタ25、及び、制御手段としての熱源機コントローラ26を備えており、この熱源機コントローラ26により後述の循環ポンプ21の作動制御や燃焼器24の燃焼制御等が実行されるようになっている。上記循環ポンプ21はその作動回転数を高低変更することにより、循環流量が大小変更されることになる。
【0023】
上記液化ガス気化装置3は上記の気化器31を備えたものであり、この気化器31は図2にその一例の詳細を示すように密閉缶体311と、この密閉缶体内に収容されたコイルチューブ312とから構成されている。そして、上記気化器31のコイルチューブ312の液化ガス入口313に上記バルク貯槽5からの液化ガス導入路32の下流端が接続され、上記コイルチューブ312の気化ガス出口314に気化ガス導出路33の上流端が接続されている。気化器31近傍位置の液化ガス導入路32には入側遮断弁34が介装され、同じく気化器31近傍位置の気化ガス導出路33には出側遮断弁35が介装されている。上記気化ガス導出路33からの気化ガスは、ガスメータ61を介して図示省略のガス供給系に供給される一方、分岐戻し路331を通して上記バルク貯槽5の頂部側に戻されるようになっている。
【0024】
一方、上記密閉缶体311の流体入口315には上記循環経路4の往き路41の下流端が接続され、流体出口316には上記循環経路4の戻り路42が接続されている。つまり、上記往き路41を通して供給される加熱後の流体によって上記密閉缶体311内が充満され、その流体の熱によりコイルチューブ312内の液化ガスを加温して気化させる一方、その加温により放熱して低温となった流体が戻り路42を通して熱源機2に戻され、熱源機2で再加熱された流体が上記往き路41を通して密閉缶体311に再び供給されるという循環加温が繰り返されるようになっている。
【0025】
そして、上記流体出口316の近傍位置の戻り路42には温度検出手段7が設置されている。この温度検出手段7は、信号出力ライン71により上記熱源機コントローラ26と接続され、気化器31で液化ガスを加温することにより放熱して気化器31を出た直後の流体温度を検出して上記熱源機コントローラ26に出力するようになっている。
【0026】
上記バルク貯槽5は、バルクローリにより搬送される液化ガスが直接に充填されて貯留するようになっている。
【0027】
以上の液化ガス気化システムの場合、燃焼器24による燃焼加熱量として流体を比較的高温の設定温度まで加熱するように設定され、加熱後の温度がその設定温度で一定に維持された高温流体を往き路41に供給するようになっている。そして、液化ガス気化装置3の起動時には上記循環ポンプ21が所定の循環流量になるように作動され、以後、上記温度検出手段7からの検出温度値に基づいて上記循環ポンプ21による循環流量が熱源機コントローラ26によって変更制御されるようになっている。
【0028】
すなわち、熱源機コントローラ26では、温度検出手段7からの検出温度値が液化ガス加温後に気化器31から出される流体温度(加温により低下した流体温度)として予め定めた第1設定温度範囲よりも高ければ、つまり加温度合が高ければ現在の循環流量をより低くし、逆に上記第1設定温度範囲よりも低ければ、つまり加温度合が低ければ現在の循環流量をより高くするように循環ポンプ21の回転数を変更制御する。これにより、熱源機2から往き路41に供給される流体の温度設定がたとえ同じであっても、気化器31に供給される熱量が変更され、液化ガス加温のために過不足のない最適な熱量供給を安定して行うことができるようになる。しかも、熱源機2では高温流体を往き路41に供給するように通常設定を行い、上記循環ポンプ21をなるべく低回転数(低循環流量)に作動制御するようにしているため、循環ポンプ21の耐久性向上も図ることができる。
【0029】
また、上記循環ポンプ21の回転数をその循環ポンプ21の設定最小流量になるまで低下させても、なおも上記検出温度値が第1設定温度範囲よりも高い場合には、上記熱源機コントローラ26は燃焼器24の燃焼加熱量を低減させる燃焼制御を行い、熱源機2から供給される流体温度を低下させて上記検出温度値が上記第1設定温度範囲に入るようにする。この際には、F点サーミスタ25により検出される雰囲気温度の高低如何も加味して燃焼制御量を設定する。この流体温度の低温側への変更制御によって、循環ポンプ21の下限側の作動限界(下限回転数)まで循環流量を下げてもなお気化器31への供給熱量が過剰になる場合であっても、確実に適正な熱量供給を行うことができるようになる。
【0030】
以上により、熱源機2側で所定の温度まで流体を加熱したとしても現場の循環経路4の配管長の長短や現場の外気温の高低変化等の現場条件の影響を受けることにより気化器31側で要求される熱量の供給が不足したり過剰になったりする事態を回避して、気化器31に対し常に最適な熱量供給を行うことができる。つまり、上記の温度検出手段7により検出される気化器31の出口側の流体温度により上記の現場条件の影響を把握することができ、この流体温度の検出値に基づいて循環流量を変更するという対策によって、現場毎に各種設定や調整を行うことなく、気化器31に対し安定して最適な熱量供給を実現させることができる。
【0031】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る液化ガス気化システムを示す。この第2実施形態は制御手段としての熱源機コントローラ27による循環ポンプ21の循環流量の変更制御の基準となる温度検出を気化器31の気化ガス出口314近傍位置の気化ガス導出路33に設置した温度検出手段8により行うようにしたものである。その他の構成要素は第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】
上記温度検出手段8は、信号出力ライン81により上記熱源機コントローラ27と接続され、気化器31で液化ガスが加温されて気化して気化器31を出た直後の気化ガス温度を検出して上記熱源機コントローラ27に出力するようになっている。
【0033】
そして、この第2実施形態の場合も、燃焼器24による燃焼加熱量として流体を比較的高温の設定温度まで加熱するように設定され、高温流体を往き路41に供給するようになっている。そして、液化ガス気化装置3の起動時には上記循環ポンプ21が所定の循環流量になるように作動され、以後、上記温度検出手段8からの検出温度値に基づいて上記循環ポンプ21による循環流量が熱源機コントローラ27によって変更制御されるようになっている。
【0034】
すなわち、熱源機コントローラ27では、温度検出手段8からの検出温度値が液化ガス加温後に気化器31から出される気化ガス温度として予め定めた第2設定温度範囲よりも高ければ(加温度合が高ければ)現在の循環流量をより低くし、逆に上記第2設定温度範囲よりも低ければ(加温度合が低ければ)現在の循環流量をより高くするように循環ポンプ21の回転数を変更制御する。これにより、第1実施形態と同様に、熱源機2からの流体温度がたとえ一定とされていても、気化器31に供給される熱量が変更され、液化ガス加温のために過不足のない最適な熱量供給を行うことができるようになる。なお、熱源機2側での高温流体の供給設定による循環ポンプ21の耐久性向上も、第1実施形態と同様に図ることができる。
【0035】
また、上記循環ポンプ21の回転数をその循環ポンプ21の設定最小流量になるまで低下させても、なおも上記検出温度値が第2設定温度範囲よりも高い場合には、上記熱源機コントローラ27は燃焼器24の燃焼加熱量を低減させる燃焼制御を行い、供給される流体温度を低下させて上記検出温度値が上記第2設定温度範囲に入るようにする。この際には、F点サーミスタ25により検出される雰囲気温度の高低如何も加味して燃焼制御量を設定する。この燃焼加熱量の低減側への変更制御によって、循環ポンプ21の下限側の作動限界(下限回転数)まで循環流量を下げてもなお気化器31への供給熱量が過剰になる場合であっても、確実に適正な熱量供給を行うことができるようになる。
【0036】
以上により、第1実施形態と同様に、熱源機2側で所定の温度まで流体を加熱したとしても現場の循環経路4の配管長の長短や現場の外気温の高低変化等の現場条件の影響を受けることにより気化器31側で要求される熱量の供給が不足したり過剰になったりする事態を回避して、気化器31に対し常に最適な熱量供給を安定して行うことができる。つまり、上記の温度検出手段8により検出される気化器31の出口側の気化ガス温度の高低により上記の現場条件の影響を把握することができ、この気化ガス温度の検出値に基づいて循環流量を変更するという対策によって、現場毎に各種設定や調整を行うことなく、気化器31に対し最適な熱量供給を実現させることができる。
【0037】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1及び第2実施形態では、バルク貯槽5からの液化ガスの供給を受ける場合を示したが、これに限らず、気化器31に液化ガスボンベを接続し、気化器31に対する液化ガスの供給を液化ガスボンベから行うようにしてもよい。
【0038】
また、上記第1及び第2実施形態では、気化器31の構成としてコイルチューブ312に通される液化ガスに対し密閉缶体311内の流体から熱交換加温されるものを示したが、これに限らず、気化器に循環経路を通して熱源機2から供給される流体を熱源として熱交換加温するものであれば、構成の如何に拘わらず本発明を適用してその効果を得ることができる。
【0039】
上記第1及び第2実施形態では不凍液を流体として用いた場合を示したが、これに限らず、水を用い熱源機2で加熱した温水を気化器31に供給してその温水により液化ガスを加温するようにしてもよい。
【0040】
さらに、上記第1及び第2実施形態では液化ガスとしてLPガスを対象として気化させるものを示したが、これに限らず、LPガス以外の液化ガスを対象にして本発明を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】気化器の断面説明図である。
【図3】第2実施形態を示す図1対応図である。
【符号の説明】
2 熱源機
3 液化ガス気化装置
4 循環経路
7,8 温度検出手段
21 循環ポンプ(可変流量型ポンプ)
24 燃焼器
26,27 熱源機コントローラ(制御手段)
31 気化器
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化ガス気化装置の気化用熱源として温水暖房用等の熱源機から循環供給される温水等を用いるように、液化ガス気化装置と熱源機とを組み合わせた液化ガス気化システムに関し、特に熱源機側の作動を最適化して最適な熱量供給を行うための技術に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、液化ガス気化装置と温水暖房用熱源機とを組み合わせ、液化ガス気化装置に対し液化ガス(LPG)の気化用熱源として上記熱源機から温水を供給するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、ポンプが組み込まれた家庭暖房用熱源機を用い、液化ガスが通される熱交換器を貯留温水中に浸漬させた温水焚気化器に対し上記熱源機からの温水循環回路の一部を通過させ、この温水循環回路を通して循環供給される上記熱源機からの温水と液−液熱交換させることにより上記温水焚気化器内の貯留温水を加熱して沸き上げるようにしている。そして、沸き上げられた貯留温水により加温されて上記熱交換器内の液化ガスが気化される。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−286293号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の家庭暖房用熱源機に付設されているポンプは定流量ポンプである上に、上記熱源機から循環供給される温水も本来の供給先である暖房端末に応じた一定温度であるため、液化ガス気化装置と組み合わせたとしても、無駄にエネルギーを消費し続けたり、液化ガスの気化用熱源として温度不足の温水供給しか行い得なかったりという不都合が生じている。
【0005】
すなわち、熱源機側で加熱される温水の温度が液化ガス気化装置での液化ガスの気化に必要な温水温度よりも高くても、その温水が定流量ポンプの定格流量の一定流量で供給され続ける結果、熱源機側では加熱のためにエネルギー消費の無駄が生じることになる。逆に、熱源機と液化ガス気化装置との間に配管される温水循環回路の配管長さが現場条件に応じて異なるため、その配管長さが余りに長かったり配管が屋外の寒気に晒されたりすると、液化ガス気化装置に到達する温水の温度が液化ガスの気化に必要な温水温度よりも低くなってしまい、液化ガスの気化が不十分になってしまうことになる。
【0006】
一方、以上の不都合に対処するために、上記の熱源機として、熱源機から循環供給する温水温度や循環流量を可変にすることも考えられるが、その温水温度や循環流量を上記の設置現場の雰囲気温度や配管長さ等の現場条件如何によって適宜変更せざるを得ず、使い勝手の悪いシステムになってしまう。しかも、熱源機から供給する温水温度を変更し得る構成を有するように熱源機を改良することは、種々のセンサや複雑な制御を搭載する必要が生じてしまうことになる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現場条件の如何に拘わらず、簡易な構成にて液化ガスの気化用熱源として最適な温水を供給し得る液化ガス気化システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、供給される液化ガスを加温することにより気化させる気化器を備えた液化ガス気化装置と、供給される流体を加熱する熱源機とを循環経路により互いに接続し、上記熱源機により加熱した流体を上記液化ガス気化装置の気化器に対し液化ガス加温用の熱源として上記循環経路を通して循環供給するように構成された液化ガス気化システムを対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記循環経路上に介装され、可変流量型ポンプにより構成されて上記加熱した流体を上記気化器に対し循環流量可変に供給する循環ポンプと、上記液化ガス気化装置側に設置され、上記気化器における熱源側又は被加熱側の温度であって上記液化ガスの加温度合を表す温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段により検出された温度検出値に基づいて上記循環ポンプによる循環流量を変更制御することにより上記気化器での液化ガス加温に必要な熱量を供給するようにする制御手段とを備えることとした(請求項1)。
【0009】
この発明の場合、循環ポンプが可変流量型により構成されているため、熱源機で加熱した流体温度がたとえ同じであっても、上記循環ポンプの循環流量を変更することで、気化器に供給される熱量を変更させることが可能になる。そして、上記液化ガス気化装置側に設置した温度検出手段により熱源側(流体側)又は被加熱側(液化ガス側)の温度であって加温度合を表す温度の検出により、現在の流体温度及び現在の循環流量で気化器に供給されている熱量が過剰であるか不足であるかが検知される。このため、上記検出温度値に基づいて循環流量を変更させることにより気化器に供給される現実の熱量を気化器での液化ガス加温用に最適なものとすることが可能になる。従って、上記循環経路の現場配管長、その循環経路が晒されている雰囲気温度(例えば外気温)等の現場条件の如何に拘わらず、気化器に対し簡易な構成で過不足のない最適(必要十分)な熱量供給を行うことが可能になる上に、熱源としての流体供給に要するエネルギー消費の無駄を排することが可能になる。
【0010】
この請求項1に係る発明における上記循環ポンプとして、回転数を変更調整することにより循環流量が変更調整されるものとし、上記熱源機として循環経路に対し所定の高温流体を供給する設定にすることもできる(請求項2)。この場合には、気化器での液化ガス加温のために必要な熱量を供給する上で、循環ポンプによる循環流量を小さめにすることが可能になる。これにより、上記循環ポンプを比較的低回転数で作動させることが可能となるため、循環ポンプの耐久性向上を図り得る上に、循環ポンプ作動のためのエネルギー消費を低減化し得る。
【0011】
さらに、上記の請求項1又は請求項2の液化ガス気化システムにおいて、上記熱源機として、この熱源機から循環経路に対し一定温度の流体が供給されるよう上記流体に対する加熱を行う構成とし、上記制御手段として、循環流量を設定最小流量に変更制御しても液化ガス加温に必要な熱量を超える熱量が供給されることになるときは上記熱源機から循環経路に対し供給される流体の温度を低温側に変更制御する構成とすることもできる(請求項3)。つまり、上記温度検出手段による温度検出値に基づいて循環ポンプの作動を設定最小流量まで下げたとしても、気化器に供給される熱量が過剰となるとき(供給熱量が要求熱量よりも大になるとき)であっても、上記の如く熱源機から循環経路に供給される流体の温度が低温側に変更されるため、気化器に供給される熱量を必要十分な最適なものとし得る。それと同時に、流体の温度を上記の一定温度に維持する場合よりも熱源機での燃焼エネルギー消費を低減化し得ることになる。
【0012】
上記の請求項1〜請求項3のいずれかの液化ガス気化システムにおいては、上記温度検出手段として、上記気化器の流体出口部位に設置して、液化ガスを加温することにより放熱した後の流体温度を検出する構成にすることができる(請求項4)。この場合には、気化器に供給される流体による加温用の熱量が不足していれば、液化ガスの加温により放熱した流体は液化ガスと熱交換されてかなり低温になる。逆であれば、放熱後であっても依然としてかなり高温を維持することになる。これを利用して気化器の流体出口部位の流体温度の高低によって液化ガスの加温度合の如何を検知し得るため、上記流体出口部位の流体温度に基づいて循環流量を変更制御して気化器での液化ガス加温のために最適な熱量の供給を行うことが可能になる。
【0013】
また、上記の請求項1〜請求項3のいずれかの液化ガス気化システムにおいては、上記温度検出手段として、上記気化器の気化ガス出口部位に設置して、液化ガスの加温により気化した後の気化ガス温度を検出する構成にすることもできる(請求項5)。この場合には、気化器に供給される流体による加温用の熱量が不足していれば、気化した気化ガスの温度も低くなる。逆であれば、気化ガスの温度は高くなる。これを利用して気化器の気化ガス出口部位の気化ガス温度の高低によって液化ガスの加温度合の如何が検知し得るため、上記気化ガス温度に基づいて循環流量を変更制御して気化器での液化ガス加温のために最適な熱量の供給を行うことが可能になる。
【0014】
以上の請求項1〜請求項5のいずれかの液化ガス気化システムにおいては、上記循環ポンプ及び制御手段を熱源機側に内蔵するようにすることができる(請求項6)。このようにすることにより、液化ガス気化装置側から温度検出手段の検出信号の出力ラインを熱源機側の制御手段に接続するだけで、全ての制御が熱源機側の制御手段により1本化させることが可能になる。
【0015】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかの液化ガス気化システムによれば、温度検出手段による検出温度値に基づいて循環ポンプによる循環流量を変更させるようにしているため、気化器に供給される現実の熱量を気化器での液化ガス加温用に最適なものとすることができる。従って、上記循環経路の現場配管長や、その現場の雰囲気温度等の現場条件の如何に拘わらず、気化器に対し簡易な構成で過不足のない必要十分な熱量供給を行うことができる上に、熱源としての流体供給に要するエネルギー消費の無駄を排することができる。
【0016】
特に、請求項2によれば、循環ポンプを比較的低回転数で作動させることができ、循環ポンプの耐久性向上を図ることができる上に、循環ポンプ作動のためのエネルギー消費を低減化させることができる。
【0017】
請求項3によれば、循環ポンプの最小流量側の変更限界があってそれ以上小流量側に変更できない場合であっても、熱源機から循環経路に供給される流体の温度を低温側に変更させるようにしているため、気化器に対し必要十分で最適な熱量供給を続行することができる上に、熱源機での燃焼エネルギー消費の低減化をも図ることができる。
【0018】
請求項4又は請求項5によれば、上記の請求項1〜請求項3のいずれかの液化ガス気化システムを具体的に実現させて、その効果を確実に得ることができるようになる。
【0019】
請求項6によれば、液化ガス気化装置側から温度検出手段の検出信号の出力ラインを接続するだけで、全ての制御を熱源機側で1本化させることができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液化ガス気化システムを示し、2は熱源機、3は気化器(ベーパライザ)31を備えた液化ガス気化装置、4は熱源機2と液化ガス蒸発装置3とを接続する循環経路、5は液化ガスが貯留されたバルク貯槽である。この液化ガス気化システムでは液化ガスとしてLPガス(液化石油ガス)を対象として、熱源機2で加熱した流体を上記循環経路4を通して液化ガス気化装置3の気化器31に熱源として供給し、この気化器31において液化ガスを加温して気化させた後、その気化ガスを図示省略のガス供給系に供給するようになっている。
【0022】
上記熱源機2は、家庭用の温水暖房用熱源機に対し循環ポンプ21として可変流量型であるDCポンプを搭載したものである。この熱源機2は、上記循環ポンプ21の作動により膨張タンク22内の流体を熱交換器23に供給し、熱交換器23において燃焼器24からの燃焼熱を受けて上記流体を熱交換加熱した後に上記循環経路4の往き路41に供給するようになっている。そして、往き路41を通して上記の加熱後の流体を気化器31に液化ガス加温用の熱源として供給し、気化器31で放熱した後の流体が戻り路42を通して上記膨張タンク22に戻され、以後、この流体の循環が繰り返されるようになっている。この熱源機2及び循環経路4内の流体としては、水でもよいが本実施形態ではメンテナンスの便を考慮して不凍液を用いている。また、上記熱源機2には雰囲気温度(外気温)を検出する雰囲気温度検出手段としてのF点サーミスタ25、及び、制御手段としての熱源機コントローラ26を備えており、この熱源機コントローラ26により後述の循環ポンプ21の作動制御や燃焼器24の燃焼制御等が実行されるようになっている。上記循環ポンプ21はその作動回転数を高低変更することにより、循環流量が大小変更されることになる。
【0023】
上記液化ガス気化装置3は上記の気化器31を備えたものであり、この気化器31は図2にその一例の詳細を示すように密閉缶体311と、この密閉缶体内に収容されたコイルチューブ312とから構成されている。そして、上記気化器31のコイルチューブ312の液化ガス入口313に上記バルク貯槽5からの液化ガス導入路32の下流端が接続され、上記コイルチューブ312の気化ガス出口314に気化ガス導出路33の上流端が接続されている。気化器31近傍位置の液化ガス導入路32には入側遮断弁34が介装され、同じく気化器31近傍位置の気化ガス導出路33には出側遮断弁35が介装されている。上記気化ガス導出路33からの気化ガスは、ガスメータ61を介して図示省略のガス供給系に供給される一方、分岐戻し路331を通して上記バルク貯槽5の頂部側に戻されるようになっている。
【0024】
一方、上記密閉缶体311の流体入口315には上記循環経路4の往き路41の下流端が接続され、流体出口316には上記循環経路4の戻り路42が接続されている。つまり、上記往き路41を通して供給される加熱後の流体によって上記密閉缶体311内が充満され、その流体の熱によりコイルチューブ312内の液化ガスを加温して気化させる一方、その加温により放熱して低温となった流体が戻り路42を通して熱源機2に戻され、熱源機2で再加熱された流体が上記往き路41を通して密閉缶体311に再び供給されるという循環加温が繰り返されるようになっている。
【0025】
そして、上記流体出口316の近傍位置の戻り路42には温度検出手段7が設置されている。この温度検出手段7は、信号出力ライン71により上記熱源機コントローラ26と接続され、気化器31で液化ガスを加温することにより放熱して気化器31を出た直後の流体温度を検出して上記熱源機コントローラ26に出力するようになっている。
【0026】
上記バルク貯槽5は、バルクローリにより搬送される液化ガスが直接に充填されて貯留するようになっている。
【0027】
以上の液化ガス気化システムの場合、燃焼器24による燃焼加熱量として流体を比較的高温の設定温度まで加熱するように設定され、加熱後の温度がその設定温度で一定に維持された高温流体を往き路41に供給するようになっている。そして、液化ガス気化装置3の起動時には上記循環ポンプ21が所定の循環流量になるように作動され、以後、上記温度検出手段7からの検出温度値に基づいて上記循環ポンプ21による循環流量が熱源機コントローラ26によって変更制御されるようになっている。
【0028】
すなわち、熱源機コントローラ26では、温度検出手段7からの検出温度値が液化ガス加温後に気化器31から出される流体温度(加温により低下した流体温度)として予め定めた第1設定温度範囲よりも高ければ、つまり加温度合が高ければ現在の循環流量をより低くし、逆に上記第1設定温度範囲よりも低ければ、つまり加温度合が低ければ現在の循環流量をより高くするように循環ポンプ21の回転数を変更制御する。これにより、熱源機2から往き路41に供給される流体の温度設定がたとえ同じであっても、気化器31に供給される熱量が変更され、液化ガス加温のために過不足のない最適な熱量供給を安定して行うことができるようになる。しかも、熱源機2では高温流体を往き路41に供給するように通常設定を行い、上記循環ポンプ21をなるべく低回転数(低循環流量)に作動制御するようにしているため、循環ポンプ21の耐久性向上も図ることができる。
【0029】
また、上記循環ポンプ21の回転数をその循環ポンプ21の設定最小流量になるまで低下させても、なおも上記検出温度値が第1設定温度範囲よりも高い場合には、上記熱源機コントローラ26は燃焼器24の燃焼加熱量を低減させる燃焼制御を行い、熱源機2から供給される流体温度を低下させて上記検出温度値が上記第1設定温度範囲に入るようにする。この際には、F点サーミスタ25により検出される雰囲気温度の高低如何も加味して燃焼制御量を設定する。この流体温度の低温側への変更制御によって、循環ポンプ21の下限側の作動限界(下限回転数)まで循環流量を下げてもなお気化器31への供給熱量が過剰になる場合であっても、確実に適正な熱量供給を行うことができるようになる。
【0030】
以上により、熱源機2側で所定の温度まで流体を加熱したとしても現場の循環経路4の配管長の長短や現場の外気温の高低変化等の現場条件の影響を受けることにより気化器31側で要求される熱量の供給が不足したり過剰になったりする事態を回避して、気化器31に対し常に最適な熱量供給を行うことができる。つまり、上記の温度検出手段7により検出される気化器31の出口側の流体温度により上記の現場条件の影響を把握することができ、この流体温度の検出値に基づいて循環流量を変更するという対策によって、現場毎に各種設定や調整を行うことなく、気化器31に対し安定して最適な熱量供給を実現させることができる。
【0031】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る液化ガス気化システムを示す。この第2実施形態は制御手段としての熱源機コントローラ27による循環ポンプ21の循環流量の変更制御の基準となる温度検出を気化器31の気化ガス出口314近傍位置の気化ガス導出路33に設置した温度検出手段8により行うようにしたものである。その他の構成要素は第1実施形態と同じであるため、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0032】
上記温度検出手段8は、信号出力ライン81により上記熱源機コントローラ27と接続され、気化器31で液化ガスが加温されて気化して気化器31を出た直後の気化ガス温度を検出して上記熱源機コントローラ27に出力するようになっている。
【0033】
そして、この第2実施形態の場合も、燃焼器24による燃焼加熱量として流体を比較的高温の設定温度まで加熱するように設定され、高温流体を往き路41に供給するようになっている。そして、液化ガス気化装置3の起動時には上記循環ポンプ21が所定の循環流量になるように作動され、以後、上記温度検出手段8からの検出温度値に基づいて上記循環ポンプ21による循環流量が熱源機コントローラ27によって変更制御されるようになっている。
【0034】
すなわち、熱源機コントローラ27では、温度検出手段8からの検出温度値が液化ガス加温後に気化器31から出される気化ガス温度として予め定めた第2設定温度範囲よりも高ければ(加温度合が高ければ)現在の循環流量をより低くし、逆に上記第2設定温度範囲よりも低ければ(加温度合が低ければ)現在の循環流量をより高くするように循環ポンプ21の回転数を変更制御する。これにより、第1実施形態と同様に、熱源機2からの流体温度がたとえ一定とされていても、気化器31に供給される熱量が変更され、液化ガス加温のために過不足のない最適な熱量供給を行うことができるようになる。なお、熱源機2側での高温流体の供給設定による循環ポンプ21の耐久性向上も、第1実施形態と同様に図ることができる。
【0035】
また、上記循環ポンプ21の回転数をその循環ポンプ21の設定最小流量になるまで低下させても、なおも上記検出温度値が第2設定温度範囲よりも高い場合には、上記熱源機コントローラ27は燃焼器24の燃焼加熱量を低減させる燃焼制御を行い、供給される流体温度を低下させて上記検出温度値が上記第2設定温度範囲に入るようにする。この際には、F点サーミスタ25により検出される雰囲気温度の高低如何も加味して燃焼制御量を設定する。この燃焼加熱量の低減側への変更制御によって、循環ポンプ21の下限側の作動限界(下限回転数)まで循環流量を下げてもなお気化器31への供給熱量が過剰になる場合であっても、確実に適正な熱量供給を行うことができるようになる。
【0036】
以上により、第1実施形態と同様に、熱源機2側で所定の温度まで流体を加熱したとしても現場の循環経路4の配管長の長短や現場の外気温の高低変化等の現場条件の影響を受けることにより気化器31側で要求される熱量の供給が不足したり過剰になったりする事態を回避して、気化器31に対し常に最適な熱量供給を安定して行うことができる。つまり、上記の温度検出手段8により検出される気化器31の出口側の気化ガス温度の高低により上記の現場条件の影響を把握することができ、この気化ガス温度の検出値に基づいて循環流量を変更するという対策によって、現場毎に各種設定や調整を行うことなく、気化器31に対し最適な熱量供給を実現させることができる。
【0037】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1及び第2実施形態では、バルク貯槽5からの液化ガスの供給を受ける場合を示したが、これに限らず、気化器31に液化ガスボンベを接続し、気化器31に対する液化ガスの供給を液化ガスボンベから行うようにしてもよい。
【0038】
また、上記第1及び第2実施形態では、気化器31の構成としてコイルチューブ312に通される液化ガスに対し密閉缶体311内の流体から熱交換加温されるものを示したが、これに限らず、気化器に循環経路を通して熱源機2から供給される流体を熱源として熱交換加温するものであれば、構成の如何に拘わらず本発明を適用してその効果を得ることができる。
【0039】
上記第1及び第2実施形態では不凍液を流体として用いた場合を示したが、これに限らず、水を用い熱源機2で加熱した温水を気化器31に供給してその温水により液化ガスを加温するようにしてもよい。
【0040】
さらに、上記第1及び第2実施形態では液化ガスとしてLPガスを対象として気化させるものを示したが、これに限らず、LPガス以外の液化ガスを対象にして本発明を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】気化器の断面説明図である。
【図3】第2実施形態を示す図1対応図である。
【符号の説明】
2 熱源機
3 液化ガス気化装置
4 循環経路
7,8 温度検出手段
21 循環ポンプ(可変流量型ポンプ)
24 燃焼器
26,27 熱源機コントローラ(制御手段)
31 気化器
Claims (6)
- 供給される液化ガスを加温することにより気化させる気化器を備えた液化ガス気化装置と、供給される流体を加熱する熱源機とを循環経路により互いに接続し、上記熱源機により加熱した流体を上記液化ガス気化装置の気化器に対し液化ガス加温用の熱源として上記循環経路を通して循環供給するように構成された液化ガス気化システムであって、
上記循環経路上に介装され、可変流量型ポンプにより構成されて上記加熱した流体を上記気化器に対し循環流量可変に供給する循環ポンプと、
上記液化ガス気化装置側に設置され、上記気化器における熱源側又は被加熱側の温度であって上記液化ガスの加温度合を表す温度を検出する温度検出手段と、
この温度検出手段により検出された温度検出値に基づいて上記循環ポンプによる循環流量を変更制御することにより上記気化器での液化ガス加温に必要な熱量を供給するようにする制御手段と
を備えていることを特徴とする液化ガス気化システム。 - 請求項1に記載の液化ガス気化システムであって、
上記循環ポンプは回転数を変更調整することにより循環流量が変更調整されるものであり、
上記熱源機は循環経路に対し所定の高温流体を供給するように設定されている、液化ガス気化システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の液化ガス気化システムであって、
上記熱源機はこの熱源機から循環経路に対し一定温度の流体が供給されるよう上記流体に対する加熱を行うように構成され、
上記制御手段は循環流量を設定最小流量に変更制御しても液化ガス加温に必要な熱量を超える熱量が供給されることになるときは上記熱源機から循環経路に対し供給される流体の温度を低温側に変更制御するように構成されている、液化ガス気化システム。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液化ガス気化システムであって、
上記温度検出手段は、上記気化器の流体出口部位に設置されて、液化ガスを加温することにより放熱した後の流体温度を検出するように構成されている、液化ガス気化システム。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液化ガス気化システムであって、
上記温度検出手段は、上記気化器の気化ガス出口部位に設置されて、液化ガスの加温により気化した後の気化ガス温度を検出するように構成されている、液化ガス気化システム。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の液化ガス気化システムであって、
上記制御手段は熱源機側に内蔵されている、液化ガス気化システム。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050915 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090227 |
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