JP2004309039A - 一体型液化ガス気化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼器と気化用熱交換器とを一体に備え、燃焼器へのガス供給管の配管作業等を省略し、かつ、特別な燃焼器を不要にして通常の燃焼器を用いて構成可能とし、簡易な構成で設置容易な一体型液化ガス気化装置を提供する。
【解決手段】バルク貯槽2からの液化ガスが通される熱交換器本体52を、温水が充満されたタンク状缶体51内に配設する。缶体51に対し燃焼バーナ62で加熱される受熱用缶体55を付設し、加熱された温水が自然循環により缶体内に循環供給されるようにする。熱交換器出口から外部のガス供給系に導出させる導出経路57から供給経路58を分岐させ、熱交換器から出た気化ガスを燃焼バーナに対し燃料として直接に供給する。装置起動時等の熱交換器が低温のときには電気ヒータ7で液化ガスを気化させて燃焼バーナに供給する。以上の気化用熱交換器5、燃焼器6、供給経路58をケーシング4内に一体に配設する。
【選択図】 図1
【解決手段】バルク貯槽2からの液化ガスが通される熱交換器本体52を、温水が充満されたタンク状缶体51内に配設する。缶体51に対し燃焼バーナ62で加熱される受熱用缶体55を付設し、加熱された温水が自然循環により缶体内に循環供給されるようにする。熱交換器出口から外部のガス供給系に導出させる導出経路57から供給経路58を分岐させ、熱交換器から出た気化ガスを燃焼バーナに対し燃料として直接に供給する。装置起動時等の熱交換器が低温のときには電気ヒータ7で液化ガスを気化させて燃焼バーナに供給する。以上の気化用熱交換器5、燃焼器6、供給経路58をケーシング4内に一体に配設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼器と気化用熱交換器とを一体に備え、燃焼器の燃焼熱を気化用熱交換器の熱源として液化ガスを気化させるために用いられる一体型液化ガス気化装置に関し、特に上記熱交換器で気化させた気化ガスを燃焼器での燃料ガスとして用いるものに係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃焼器と、液化ガスの気化用熱交換器とを一体に備えたものとして特許文献1又は特許文献2において提案されたものが知られている。このものでは、燃焼器として耐圧構造とした燃焼空間に燃焼触媒と点火プラグとを備えた構成のものとし、この燃焼器を液化ガスが通される気化用熱交換器に対しほぼ直結状態で固定し、燃焼器内の燃焼熱を燃焼器の壁を通して熱交換器に対し直接に伝導させることにより液化ガスを気化させるようにしている。つまり、液化ガスが通る熱交換器を燃焼熱により直接的に加温して気化させるようにし、これを実現するために燃焼器自体を耐圧構造の燃焼空間として内部に燃焼触媒を備えたものにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−89840号公報
【特許文献2】
特開2002−106788号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の燃焼器と気化用熱交換器とを一体にしたものでは、気化用熱交換器を燃焼熱により直接に加温させるようにしているため特殊な燃焼器を適用せざるを得ない上に、その燃焼器による点火や燃焼のための制御が複雑化するという不都合がある。
【0005】
又、燃焼器の燃焼熱を利用して気化用熱交換器を加温する構成にする場合には上記燃焼器に対し燃料ガスを供給する必要があるが、この場合には、液化ガス気化装置から、気化ガスを消費する設備にそれぞれ供給するためのガス供給系に対し一旦供給した上で、このガス供給系から上記燃焼器に対し燃料ガスの供給を受けるようにガス供給管を配管する必要がある。このため、上記のガス供給管の配管作業や、配管したガス供給管を液化ガス気化装置の燃焼器に対し接続する作業等が、液化ガス気化装置の設置作業の他に必要になってしまうことになる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃焼器と気化用熱交換器とを一体に備えるようにしたとしても、燃焼器に対するガス供給管の配管作業等を省略することができ、しかも、特別な燃焼器を用いなくても通常の燃焼器を用いて構成し得るようにして、設置が容易でかつ簡易に構成し得る一体型液化ガス気化装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、ケーシングと、液化ガスの供給を受けて加温することにより気化させる気化用の熱交換器と、燃料ガスの供給を受けて燃焼させることにより燃焼熱を上記熱交換器に対し加温用熱源として付与する燃焼器とを備え、上記熱交換器の気化ガスの出口側を、外部に気化ガスを供給する導出口に延びる導出経路と、下流端が上記燃焼器に接続されこの燃焼器に対し上記気化ガスを燃料ガスとして供給する供給経路とに分岐し、かつ、これら導出経路及び供給通路を上記熱交換器及び燃焼器と共に上記ケーシング内に一体に配設するようにした(請求項1)。
【0008】
この発明の場合、ケーシング内に液化ガスの気化用熱交換器と燃焼器とが一体に配設され、しかも、上記熱交換器により気化された気化ガスを外部のガス消費設備に供給するための導出経路に加えて、上記燃焼器に対し供給する供給経路も上記ケーシング内に一体に配設されているため、上記熱交換器により気化された気化ガスが上記供給経路を通して燃焼器に対し燃料ガスとして直接に供給されることになる。これにより、上記燃焼器に対し外部のガス供給系からガス供給管を配管する必要がなくその配管作業等の省略が実現され、容易に設置し得ることになる。
【0009】
ここで、上記の「熱交換器の気化ガスの出口側を、外部に気化ガスを供給する導出口に延びる導出経路と、下流端が上記燃焼器に接続されこの燃焼器に対し上記気化ガスを燃料ガスとして供給する供給経路とに分岐し」とは、上記熱交換器内の気化ガス出口近傍部分で導出経路と供給経路とに分岐されている場合、導出経路の途中位置から供給経路が分岐されている場合、導出口部分で供給経路が分岐されている場合のいずれをも含むものである。また、導出経路の下流端となる上記の「導出口」はケーシング外面に配設しても、ケーシングから外部に所定量突出した状態に配設してもいずれでもよく、導出口がケーシング外に突出された後者の場合であればその導出口から分岐させた供給経路をケーシング内に延ばして燃焼器に接続させるようにすればよい。
【0010】
上記の請求項1の一体型液化ガス気化装置においては、上記熱交換器から燃焼器に延びる経路であって上記導出経路又は供給経路に対し電力エネルギーにより加温するための加温手段を介装し、この加温手段として上記熱交換器が低温である装置起動時に作動させて燃焼器に対し気化ガスを供給する構成とするようにしてもよい(請求項2)。この場合には、装置起動時に熱交換器が低温で液化ガスの気化が不能なときであっても、上記加温手段の作動により燃焼器に延びる経路内の液化ガスを加温して気化させ、この気化ガスが燃焼器に燃料として供給されて燃焼器が燃焼作動されるため、その燃焼熱により上記熱交換器での液化ガスの気化が可能となる。燃焼器の燃焼熱により熱交換器での気化が定常的に開始されれば、上記加温手段の作動を停止させて、以後は熱交換器からの気化ガスを用いた燃焼器での燃焼、この燃焼熱による上記熱交換器での気化というように一体型液化ガス気化装置内の燃焼熱による気化が維持される。つまり、燃焼器に対し外部のガス供給系からの燃料ガスの供給を受けずに、装置内から直接に気化ガスを燃料ガスとして受けるように一体型液化ガス気化装置を構成したとしても、その装置起動時においても熱交換器での液化ガスの気化が可能となる。
【0011】
また、上記の請求項1又は請求項2の一体型液化ガス気化装置においては、上記熱交換器として、液体を加温用媒体としこの液体を上記燃焼器の燃焼熱により加熱する間接熱交換加温式に構成することができる(請求項3)。この場合には、上記液体が燃焼器の燃焼熱により加熱され、この加熱された液体により熱交換器内の液化ガスが加温されて気化することになる。つまり、上記の加温用媒体である液体を介して燃焼器の燃焼熱による間接熱交換加温により気化されることになる。このため、熱交換器自体を燃焼器の燃焼熱により直接に加温する従来の場合のように特別な燃焼器を用いなくても、通常の燃焼器を用いて上記液体を加熱し得ることになる。しかも、熱交換器を直接に燃焼熱を作用させて加温する場合のような複雑な燃焼制御は不要となり、燃焼器自体に加えその燃焼制御も簡易なものとし得る。すなわち、燃焼器からの燃焼熱は液体に対し作用されこの液体を介して間接加温されることになるため、燃焼器の燃焼作動に係る制御を単に液体の温度が所定温度まで昇温すれば燃焼停止させ、低くなれば再び燃焼作動させるというような簡易な燃焼制御を行えば足りることになる。これにより、請求項1又は請求項2の一体型液化ガス気化装置をより簡易に構成し得ることになる。
【0012】
上記の間接熱交換加温式の構成をより具体的に特定すると、上記熱交換器を液体が充満された缶体の内部に配設し、燃焼器として上記缶体内の液体を燃焼熱により加熱する構成とすればよい(請求項4)。この場合には、燃焼器の燃焼作動による燃焼熱を缶体内の液体に対し作用させるようにしているため、熱交換器内の液化ガスに対し直接に燃焼熱を作用させる場合に比べ、燃焼熱の受熱容量が増大し、燃焼器の燃焼作動に対する制御もより簡易なものとし得る上に、液体を循環供給させる場合の循環ポンプも不要とし得る。
【0013】
上記の請求項4の場合、缶体の一部に対し燃焼器からの燃焼熱を直接に作用させて缶体内に液体を加熱するようにしてもよいし、缶体に対し燃焼熱を作用させる部分を突出した状態で付設するようにしてもよい。このような付設を行う場合の具体的構成としては、上記缶体に対し、一端が缶体下部に連通し他端が缶体上部に連通する受熱部を付設し、この受熱部に対し上記燃焼器からの燃焼熱を作用させることにより上記受熱部で昇温された液体が缶体内部に対し自然循環により供給される構成を採用すればよい(請求項5)。この場合には、燃焼器を缶体ではなくて受熱部に対しその燃焼熱を作用させるように配設すればよく、燃焼器の配置やその燃焼器の燃焼作動に係る制御をより一層簡易にし得ることになる。しかも、上記受熱部を付設したとしても自然循環により加熱後の液体が缶体に供給されるため、熱交換器に対する加温用の熱源を確実に供給し得る上に、循環ポンプ等の設備も不要にして簡易に一体型液化ガス気化装置を構成し得る。
【0014】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかの一体型液化ガス気化装置によれば、ケーシング内に液化ガスの気化用熱交換器と燃焼器とを一体に配設し、しかも、上記熱交換器により気化された気化ガスを外部のガス消費設備に供給するための導出経路に加えて、上記燃焼器に対し直接に供給する供給経路をも上記ケーシング内に一体に配設しているため、気化用熱交換器により気化された気化ガスを供給経路を通して燃焼器に対し燃料ガスとして直接に供給することができる。これにより、燃焼器に対し外部のガス供給系からガス供給管を配管する必要がなくその配管作業等を省略することができ、液化ガス気化装置を容易に設置することができる。
【0015】
特に、請求項2によれば、気化用熱交換器が低温で液化ガスの気化が不能である装置起動時においても、加温手段の作動により燃焼器に対し気化ガスを供給することができ、燃料ガス熱交換器での液化ガスの気化を開始させることができる。
【0016】
請求項3によれば、間接熱交換加温式の構成の採用により、特別な燃焼器を用いなくても通常の燃焼器を用いて気化用熱交換器で液化ガスを気化させることができ、しかも、燃焼器に対する複雑な燃焼制御は不要となって燃焼器の燃焼制御も簡易なものにすることができる。これにより、一体型液化ガス気化装置をより簡易に構成することができる。
【0017】
請求項4によれば、燃焼器の燃焼作動による燃焼熱を缶体内の液体に対し作用させることにより燃焼熱の受容量を増大させ、燃焼器の燃焼作動に対する制御をより簡易化することができる一方、循環ポンプ等の設備も不要にすることができる。これにより、請求項3の間接熱交換加温に係る構成を具体的に特定することができる。
【0018】
請求項5によれば、請求項4の発明による燃焼器の配置やその燃焼器の燃焼作動に係る制御をより一層簡易にすることができ、また、気化用熱交換器に対する加温用熱源を確実に供給しつつも、循環ポンプ等の設備も不要にして一体型液化ガス気化装置をより一層簡易にかつ具体的に構成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る一体型液化ガス気化装置1を示す。この液化ガス気化装置1は、液化ガス供給管21を通してバルク貯槽2から液化ガス(LPG:液化石油ガス)が導入され、導入された液化ガスを気化させた後、その気化ガスがガス供給管3を通して図示省略のガス供給系(ガス消費設備等へガスを供給する系)に供給されるようになっている。
【0021】
上記の一体型液化ガス気化装置1は、ケーシング4内に気化用の熱交換器5と、燃焼器6とが一体に配設されたものである。上記気化用熱交換器5は液体で満たされるタンク状の缶体51と、この缶体51内に配設された熱交換器本体52とからなる。缶体51には液体の補給口511と、液位検出センサとして液位電極53と、内部の液体の温度を検出するための温度センサ54とが配設されている。また、上記缶体51には、この缶体51の底部(下部)及び頂部(上部)にそれぞれ連通する受熱部としてのタンク状の受熱用缶体55が付設され、この受熱用缶体55において内部の液体が上記燃焼器6からの燃焼熱を受けて加熱されるようになっている。上記液体(加温用媒体)としては、通常の水でもよいし、例えば不凍液等でもよい。
【0022】
上記熱交換器本体52はその入口521に対し入口側遮断弁561を介装した導入経路56が接続され、出口522に対し出口側遮断弁571を介装した導出経路57が接続された状態で上記ケーシング4内に取り付けられている。上記導入経路56の上流端である導入口562には上記液化ガス供給管21が接続される一方、上記導出経路57の下流端である導出口572には上記ガス供給管3が接続されるようになっている。上記熱交換器本体52は内部に導入される液化ガスが缶体51内に充満した液体からの熱交換加温を受けて気化されるようになっており、図例ではフィン付きチューブを図示しているが例えばコイルチューブ等の他の構造のものを採用してもよい。
【0023】
上記出口側遮断弁571の上流側位置の導出経路57から供給経路58が分岐され、この供給経路58はその下流端が燃焼器6に接続されて上記熱交換器5にて気化された気化ガスをガス圧調整器581により圧力調整した上で上記燃焼器6に対し燃料として供給するようになっている。また、上記分岐位置よりも上流側の導出経路57には加温手段としての電気ヒータ7と、内部のガス圧力を検出するガス圧検知器59が配設されている。上記電気ヒータ7は、液化ガス気化装置1の起動時に作動されることにより上記導出経路57を加温して内部の液化ガスを気化させるようになっている。
【0024】
上記燃焼器6は、上記ケーシング4内に設置された燃焼用缶体61と、この燃焼用缶体61内に設置された燃焼バーナ62と、この燃焼バーナ62に燃焼用空気を供給する送風ファン63とを備えている。上記燃焼バーナ62は上記の供給経路58の下流端が接続され、この供給経路58から供給される気化ガスを燃料にして燃焼火炎を形成するようになっている。そして、上記燃焼用缶体61内には上記の受熱用缶体55が設置され、この受熱用缶体55は上記燃焼バーナ62に形成される燃焼火炎及びその燃焼ガスに晒されて燃焼熱を受けるようになっている。つまり、上記燃焼器6は受熱用缶体55と共に風呂釜のように構成されている。なお、同図中の符号611は燃焼排ガスの排出口である。
【0025】
以上の一体型液化ガス気化装置1は、その運転が図示省略のコントローラにより制御されるようになっている。すなわち、運転停止中は入口側及び出口側の両遮断弁561,571を閉じて遮断した状態に維持し、運転開始の操作指令が出力されると、まず開始時制御を行い、缶体51内の液体温度が所定温度まで昇温すれば定常時制御を行うようになっている。
【0026】
上記開始時制御は、装置起動時には缶体51内の液体が冷えており気化させるための加温用熱源としては使えないため、まず上記入口側遮断弁561を開けた状態で電気ヒータ7を作動させて導出経路57内の液化ガスを気化させ、この気化した気化ガスを供給経路58から燃焼器6の燃焼バーナ62に供給して燃焼バーナ62の燃焼作動を開始させる。この燃焼作動により受熱用缶体55内の液体が加熱されるとその昇温した液体が缶体51の頂部に流入する一方、この流入により缶体51内の低温の液体が底部から受熱用缶体55内に流入するという自然対流に基づき、受熱用缶体55から缶体51に対し加熱された液体が自然循環により循環供給されることになる。
【0027】
そして、缶体51内の液体温度が液化ガスを気化させるに必要な所定温度まで昇温したことを温度センサ54により検出すると、熱交換器本体52内の液化ガスが缶体51内の液体により加温されて気化するようになるため、上記電気ヒータ7の作動を停止して出口側遮断弁571も開けて定常時制御に移行する。以後、熱交換器本体52で気化され気化ガスが導出口572及びガス供給管3を通してガス供給系に供給される一方、供給経路58を通して燃焼バーナ62に供給されて燃焼バーナ62の燃焼作動が継続される。そして、上記定常時制御では、温度センサ54により検出される液体温度が所定の上限温度まで上昇すれば、それ以上の燃焼作動は無駄になるため、燃焼バーナ62の燃焼を停止し、上記検出液体温度が気化用熱源として下限温度まで低下すれば再燃焼作動させる。
【0028】
また、上記液位電極53から下限液位まで低下したことが出力されれば、その旨を図示省略のリモコン等に表示して液体補給をユーザーに報知させるようにし、ユーザーが補給口511から液体を補給して上記液位電極53による下限液位の検知出力が消滅すれば上記表示を終了する。
【0029】
さらに、ガス圧検知器59から異常圧力が検知されれば、燃焼バーナ62の燃焼作動を強制的に停止し、入口側及び出口側の遮断弁561,571を共に閉じて遮断状態にする。一方、燃焼器6に故障等の異常が発生しその異常発生が検知された場合には、燃焼バーナ62の燃焼作動を強制的に停止する一方、代わりに電気ヒータ7を作動させてこの電気ヒータ7からの加温により液化ガスを気化させてガス供給管3に導出しガス供給系への供給を継続させる。
【0030】
以上の一体型液化ガス気化装置の場合、例えば熱源機で加熱した液体を循環ポンプにより循環経路を通して気化器での液化ガスの加温用熱源として供給するように構成された場合と比較して、設置スペースを大幅に縮小することができ、しかも、一体型液化ガス気化装置を設置するだけであるためその設置作業を容易にして省力化することができる。さらに、受熱用缶体55を燃焼器6で加熱し加熱された液体を熱交換器本体52の加温用熱源として缶体51内に自然循環により供給するようにしているため、循環ポンプを不要とすることができ、循環ポンプの連続稼働等による過酷な運転を強いる必要もなく、循環ポンプの故障等による気化運転の停止も一切解消することができる。
【0031】
また、一体型液化ガス気化装置1内で気化された気化ガスを燃焼器6での燃料として使用するようにしているため、燃焼器6に対する燃料ガスの供給用配管を外部のガス供給系から延ばすという配管工事も必要がなく、上記の設置作業の大幅な省力化を図ることができる。そして、このように一体型液化ガス気化装置1内で気化された気化ガスを燃焼器6の燃料として使用するように構成したとしても、気化用熱交換器5が低温の装置起動時においても電気ヒータ7により燃焼器6の燃料ガスを確保することができ、一体型液化ガス気化装置1だけで装置起動時(気化運転開始時)から定常気化運転まで一貫して液化ガスの気化を実現させることができる。
【0032】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、供給経路58を導出経路57の途中から分岐させているが、これに限らず、例えば図2(a)に示すように熱交換器5の出口522近傍の熱交換器本体52から供給経路58aを分岐させるようにしてもよいし、あるいは、図2(b)に示すように導出経路57の下流端である導出口572bをケーシング4の外部に突出させて設置した場合にその導出口572bの近傍のケーシング4外から供給経路58bを分岐させて燃焼バーナ62まで延ばすようにしてもよい。なお、上記の図2(a)の場合には電気ヒータ7を供給経路58aに介装させるようにすればよく、図2(b)の場合には導入経路56の上流端である導入口562bもケーシング4から若干突出させて配設してもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、缶体51に対し受熱部として受熱用缶体55を付設しているが、これに限らず、例えば図3に示すように受熱部として受熱用熱交換器55aを上記缶体51に付設するようにしてもよい。この場合は、上記受熱用熱交換器55aを燃焼器6内で燃焼バーナ62により熱交換加熱するようにすればよい。この場合も、上記受熱部用熱交換器55aの一端を缶体51の底部(下部)に連通させ、他端を缶体51の頂部(上部)に連通させて、受熱用熱交換器55aで加熱された液体が自然循環により缶体51内に供給されるようにすればよい。
【0034】
上記実施形態では、バルク貯槽2からの液化ガスの供給を受ける場合を示したが、これに限らず、液化ガス気化装置1に液化ガスボンベを接続し、導入経路56及び熱交換器5に対する液化ガスの供給を上記液化ガスボンベから行うようにしてもよい。
【0035】
さらに、上記実施形態では液化ガスとしてLPガスを対象として気化させるものを示したが、これに限らず、LPガス以外の液化ガスを対象にして本発明を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図2】図1の実施形態の他の態様を示す部分図であり、図2(a)は供給経路を熱交換器の出口部近傍で分岐させた場合、図2(b)は供給経路をケーシング外の導入口近傍で分岐させた場合をそれぞれ示す。
【図3】図1の実施形態とは異なる受熱部を付設した場合の図1対応図である。
【符号の説明】
1 一体型液化ガス気化装置
4 ケーシング
5 気化用熱交換器
6 燃焼器
7 電気ヒータ(加温手段)
51 缶体
55 受熱用缶体(受熱部)
55a 受熱用熱交換器(受熱部)
57 導出経路
58,58a,58b 供給経路
522 出口(熱交換器の出口)
572 導出口
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼器と気化用熱交換器とを一体に備え、燃焼器の燃焼熱を気化用熱交換器の熱源として液化ガスを気化させるために用いられる一体型液化ガス気化装置に関し、特に上記熱交換器で気化させた気化ガスを燃焼器での燃料ガスとして用いるものに係る。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃焼器と、液化ガスの気化用熱交換器とを一体に備えたものとして特許文献1又は特許文献2において提案されたものが知られている。このものでは、燃焼器として耐圧構造とした燃焼空間に燃焼触媒と点火プラグとを備えた構成のものとし、この燃焼器を液化ガスが通される気化用熱交換器に対しほぼ直結状態で固定し、燃焼器内の燃焼熱を燃焼器の壁を通して熱交換器に対し直接に伝導させることにより液化ガスを気化させるようにしている。つまり、液化ガスが通る熱交換器を燃焼熱により直接的に加温して気化させるようにし、これを実現するために燃焼器自体を耐圧構造の燃焼空間として内部に燃焼触媒を備えたものにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−89840号公報
【特許文献2】
特開2002−106788号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の燃焼器と気化用熱交換器とを一体にしたものでは、気化用熱交換器を燃焼熱により直接に加温させるようにしているため特殊な燃焼器を適用せざるを得ない上に、その燃焼器による点火や燃焼のための制御が複雑化するという不都合がある。
【0005】
又、燃焼器の燃焼熱を利用して気化用熱交換器を加温する構成にする場合には上記燃焼器に対し燃料ガスを供給する必要があるが、この場合には、液化ガス気化装置から、気化ガスを消費する設備にそれぞれ供給するためのガス供給系に対し一旦供給した上で、このガス供給系から上記燃焼器に対し燃料ガスの供給を受けるようにガス供給管を配管する必要がある。このため、上記のガス供給管の配管作業や、配管したガス供給管を液化ガス気化装置の燃焼器に対し接続する作業等が、液化ガス気化装置の設置作業の他に必要になってしまうことになる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃焼器と気化用熱交換器とを一体に備えるようにしたとしても、燃焼器に対するガス供給管の配管作業等を省略することができ、しかも、特別な燃焼器を用いなくても通常の燃焼器を用いて構成し得るようにして、設置が容易でかつ簡易に構成し得る一体型液化ガス気化装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、ケーシングと、液化ガスの供給を受けて加温することにより気化させる気化用の熱交換器と、燃料ガスの供給を受けて燃焼させることにより燃焼熱を上記熱交換器に対し加温用熱源として付与する燃焼器とを備え、上記熱交換器の気化ガスの出口側を、外部に気化ガスを供給する導出口に延びる導出経路と、下流端が上記燃焼器に接続されこの燃焼器に対し上記気化ガスを燃料ガスとして供給する供給経路とに分岐し、かつ、これら導出経路及び供給通路を上記熱交換器及び燃焼器と共に上記ケーシング内に一体に配設するようにした(請求項1)。
【0008】
この発明の場合、ケーシング内に液化ガスの気化用熱交換器と燃焼器とが一体に配設され、しかも、上記熱交換器により気化された気化ガスを外部のガス消費設備に供給するための導出経路に加えて、上記燃焼器に対し供給する供給経路も上記ケーシング内に一体に配設されているため、上記熱交換器により気化された気化ガスが上記供給経路を通して燃焼器に対し燃料ガスとして直接に供給されることになる。これにより、上記燃焼器に対し外部のガス供給系からガス供給管を配管する必要がなくその配管作業等の省略が実現され、容易に設置し得ることになる。
【0009】
ここで、上記の「熱交換器の気化ガスの出口側を、外部に気化ガスを供給する導出口に延びる導出経路と、下流端が上記燃焼器に接続されこの燃焼器に対し上記気化ガスを燃料ガスとして供給する供給経路とに分岐し」とは、上記熱交換器内の気化ガス出口近傍部分で導出経路と供給経路とに分岐されている場合、導出経路の途中位置から供給経路が分岐されている場合、導出口部分で供給経路が分岐されている場合のいずれをも含むものである。また、導出経路の下流端となる上記の「導出口」はケーシング外面に配設しても、ケーシングから外部に所定量突出した状態に配設してもいずれでもよく、導出口がケーシング外に突出された後者の場合であればその導出口から分岐させた供給経路をケーシング内に延ばして燃焼器に接続させるようにすればよい。
【0010】
上記の請求項1の一体型液化ガス気化装置においては、上記熱交換器から燃焼器に延びる経路であって上記導出経路又は供給経路に対し電力エネルギーにより加温するための加温手段を介装し、この加温手段として上記熱交換器が低温である装置起動時に作動させて燃焼器に対し気化ガスを供給する構成とするようにしてもよい(請求項2)。この場合には、装置起動時に熱交換器が低温で液化ガスの気化が不能なときであっても、上記加温手段の作動により燃焼器に延びる経路内の液化ガスを加温して気化させ、この気化ガスが燃焼器に燃料として供給されて燃焼器が燃焼作動されるため、その燃焼熱により上記熱交換器での液化ガスの気化が可能となる。燃焼器の燃焼熱により熱交換器での気化が定常的に開始されれば、上記加温手段の作動を停止させて、以後は熱交換器からの気化ガスを用いた燃焼器での燃焼、この燃焼熱による上記熱交換器での気化というように一体型液化ガス気化装置内の燃焼熱による気化が維持される。つまり、燃焼器に対し外部のガス供給系からの燃料ガスの供給を受けずに、装置内から直接に気化ガスを燃料ガスとして受けるように一体型液化ガス気化装置を構成したとしても、その装置起動時においても熱交換器での液化ガスの気化が可能となる。
【0011】
また、上記の請求項1又は請求項2の一体型液化ガス気化装置においては、上記熱交換器として、液体を加温用媒体としこの液体を上記燃焼器の燃焼熱により加熱する間接熱交換加温式に構成することができる(請求項3)。この場合には、上記液体が燃焼器の燃焼熱により加熱され、この加熱された液体により熱交換器内の液化ガスが加温されて気化することになる。つまり、上記の加温用媒体である液体を介して燃焼器の燃焼熱による間接熱交換加温により気化されることになる。このため、熱交換器自体を燃焼器の燃焼熱により直接に加温する従来の場合のように特別な燃焼器を用いなくても、通常の燃焼器を用いて上記液体を加熱し得ることになる。しかも、熱交換器を直接に燃焼熱を作用させて加温する場合のような複雑な燃焼制御は不要となり、燃焼器自体に加えその燃焼制御も簡易なものとし得る。すなわち、燃焼器からの燃焼熱は液体に対し作用されこの液体を介して間接加温されることになるため、燃焼器の燃焼作動に係る制御を単に液体の温度が所定温度まで昇温すれば燃焼停止させ、低くなれば再び燃焼作動させるというような簡易な燃焼制御を行えば足りることになる。これにより、請求項1又は請求項2の一体型液化ガス気化装置をより簡易に構成し得ることになる。
【0012】
上記の間接熱交換加温式の構成をより具体的に特定すると、上記熱交換器を液体が充満された缶体の内部に配設し、燃焼器として上記缶体内の液体を燃焼熱により加熱する構成とすればよい(請求項4)。この場合には、燃焼器の燃焼作動による燃焼熱を缶体内の液体に対し作用させるようにしているため、熱交換器内の液化ガスに対し直接に燃焼熱を作用させる場合に比べ、燃焼熱の受熱容量が増大し、燃焼器の燃焼作動に対する制御もより簡易なものとし得る上に、液体を循環供給させる場合の循環ポンプも不要とし得る。
【0013】
上記の請求項4の場合、缶体の一部に対し燃焼器からの燃焼熱を直接に作用させて缶体内に液体を加熱するようにしてもよいし、缶体に対し燃焼熱を作用させる部分を突出した状態で付設するようにしてもよい。このような付設を行う場合の具体的構成としては、上記缶体に対し、一端が缶体下部に連通し他端が缶体上部に連通する受熱部を付設し、この受熱部に対し上記燃焼器からの燃焼熱を作用させることにより上記受熱部で昇温された液体が缶体内部に対し自然循環により供給される構成を採用すればよい(請求項5)。この場合には、燃焼器を缶体ではなくて受熱部に対しその燃焼熱を作用させるように配設すればよく、燃焼器の配置やその燃焼器の燃焼作動に係る制御をより一層簡易にし得ることになる。しかも、上記受熱部を付設したとしても自然循環により加熱後の液体が缶体に供給されるため、熱交換器に対する加温用の熱源を確実に供給し得る上に、循環ポンプ等の設備も不要にして簡易に一体型液化ガス気化装置を構成し得る。
【0014】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかの一体型液化ガス気化装置によれば、ケーシング内に液化ガスの気化用熱交換器と燃焼器とを一体に配設し、しかも、上記熱交換器により気化された気化ガスを外部のガス消費設備に供給するための導出経路に加えて、上記燃焼器に対し直接に供給する供給経路をも上記ケーシング内に一体に配設しているため、気化用熱交換器により気化された気化ガスを供給経路を通して燃焼器に対し燃料ガスとして直接に供給することができる。これにより、燃焼器に対し外部のガス供給系からガス供給管を配管する必要がなくその配管作業等を省略することができ、液化ガス気化装置を容易に設置することができる。
【0015】
特に、請求項2によれば、気化用熱交換器が低温で液化ガスの気化が不能である装置起動時においても、加温手段の作動により燃焼器に対し気化ガスを供給することができ、燃料ガス熱交換器での液化ガスの気化を開始させることができる。
【0016】
請求項3によれば、間接熱交換加温式の構成の採用により、特別な燃焼器を用いなくても通常の燃焼器を用いて気化用熱交換器で液化ガスを気化させることができ、しかも、燃焼器に対する複雑な燃焼制御は不要となって燃焼器の燃焼制御も簡易なものにすることができる。これにより、一体型液化ガス気化装置をより簡易に構成することができる。
【0017】
請求項4によれば、燃焼器の燃焼作動による燃焼熱を缶体内の液体に対し作用させることにより燃焼熱の受容量を増大させ、燃焼器の燃焼作動に対する制御をより簡易化することができる一方、循環ポンプ等の設備も不要にすることができる。これにより、請求項3の間接熱交換加温に係る構成を具体的に特定することができる。
【0018】
請求項5によれば、請求項4の発明による燃焼器の配置やその燃焼器の燃焼作動に係る制御をより一層簡易にすることができ、また、気化用熱交換器に対する加温用熱源を確実に供給しつつも、循環ポンプ等の設備も不要にして一体型液化ガス気化装置をより一層簡易にかつ具体的に構成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る一体型液化ガス気化装置1を示す。この液化ガス気化装置1は、液化ガス供給管21を通してバルク貯槽2から液化ガス(LPG:液化石油ガス)が導入され、導入された液化ガスを気化させた後、その気化ガスがガス供給管3を通して図示省略のガス供給系(ガス消費設備等へガスを供給する系)に供給されるようになっている。
【0021】
上記の一体型液化ガス気化装置1は、ケーシング4内に気化用の熱交換器5と、燃焼器6とが一体に配設されたものである。上記気化用熱交換器5は液体で満たされるタンク状の缶体51と、この缶体51内に配設された熱交換器本体52とからなる。缶体51には液体の補給口511と、液位検出センサとして液位電極53と、内部の液体の温度を検出するための温度センサ54とが配設されている。また、上記缶体51には、この缶体51の底部(下部)及び頂部(上部)にそれぞれ連通する受熱部としてのタンク状の受熱用缶体55が付設され、この受熱用缶体55において内部の液体が上記燃焼器6からの燃焼熱を受けて加熱されるようになっている。上記液体(加温用媒体)としては、通常の水でもよいし、例えば不凍液等でもよい。
【0022】
上記熱交換器本体52はその入口521に対し入口側遮断弁561を介装した導入経路56が接続され、出口522に対し出口側遮断弁571を介装した導出経路57が接続された状態で上記ケーシング4内に取り付けられている。上記導入経路56の上流端である導入口562には上記液化ガス供給管21が接続される一方、上記導出経路57の下流端である導出口572には上記ガス供給管3が接続されるようになっている。上記熱交換器本体52は内部に導入される液化ガスが缶体51内に充満した液体からの熱交換加温を受けて気化されるようになっており、図例ではフィン付きチューブを図示しているが例えばコイルチューブ等の他の構造のものを採用してもよい。
【0023】
上記出口側遮断弁571の上流側位置の導出経路57から供給経路58が分岐され、この供給経路58はその下流端が燃焼器6に接続されて上記熱交換器5にて気化された気化ガスをガス圧調整器581により圧力調整した上で上記燃焼器6に対し燃料として供給するようになっている。また、上記分岐位置よりも上流側の導出経路57には加温手段としての電気ヒータ7と、内部のガス圧力を検出するガス圧検知器59が配設されている。上記電気ヒータ7は、液化ガス気化装置1の起動時に作動されることにより上記導出経路57を加温して内部の液化ガスを気化させるようになっている。
【0024】
上記燃焼器6は、上記ケーシング4内に設置された燃焼用缶体61と、この燃焼用缶体61内に設置された燃焼バーナ62と、この燃焼バーナ62に燃焼用空気を供給する送風ファン63とを備えている。上記燃焼バーナ62は上記の供給経路58の下流端が接続され、この供給経路58から供給される気化ガスを燃料にして燃焼火炎を形成するようになっている。そして、上記燃焼用缶体61内には上記の受熱用缶体55が設置され、この受熱用缶体55は上記燃焼バーナ62に形成される燃焼火炎及びその燃焼ガスに晒されて燃焼熱を受けるようになっている。つまり、上記燃焼器6は受熱用缶体55と共に風呂釜のように構成されている。なお、同図中の符号611は燃焼排ガスの排出口である。
【0025】
以上の一体型液化ガス気化装置1は、その運転が図示省略のコントローラにより制御されるようになっている。すなわち、運転停止中は入口側及び出口側の両遮断弁561,571を閉じて遮断した状態に維持し、運転開始の操作指令が出力されると、まず開始時制御を行い、缶体51内の液体温度が所定温度まで昇温すれば定常時制御を行うようになっている。
【0026】
上記開始時制御は、装置起動時には缶体51内の液体が冷えており気化させるための加温用熱源としては使えないため、まず上記入口側遮断弁561を開けた状態で電気ヒータ7を作動させて導出経路57内の液化ガスを気化させ、この気化した気化ガスを供給経路58から燃焼器6の燃焼バーナ62に供給して燃焼バーナ62の燃焼作動を開始させる。この燃焼作動により受熱用缶体55内の液体が加熱されるとその昇温した液体が缶体51の頂部に流入する一方、この流入により缶体51内の低温の液体が底部から受熱用缶体55内に流入するという自然対流に基づき、受熱用缶体55から缶体51に対し加熱された液体が自然循環により循環供給されることになる。
【0027】
そして、缶体51内の液体温度が液化ガスを気化させるに必要な所定温度まで昇温したことを温度センサ54により検出すると、熱交換器本体52内の液化ガスが缶体51内の液体により加温されて気化するようになるため、上記電気ヒータ7の作動を停止して出口側遮断弁571も開けて定常時制御に移行する。以後、熱交換器本体52で気化され気化ガスが導出口572及びガス供給管3を通してガス供給系に供給される一方、供給経路58を通して燃焼バーナ62に供給されて燃焼バーナ62の燃焼作動が継続される。そして、上記定常時制御では、温度センサ54により検出される液体温度が所定の上限温度まで上昇すれば、それ以上の燃焼作動は無駄になるため、燃焼バーナ62の燃焼を停止し、上記検出液体温度が気化用熱源として下限温度まで低下すれば再燃焼作動させる。
【0028】
また、上記液位電極53から下限液位まで低下したことが出力されれば、その旨を図示省略のリモコン等に表示して液体補給をユーザーに報知させるようにし、ユーザーが補給口511から液体を補給して上記液位電極53による下限液位の検知出力が消滅すれば上記表示を終了する。
【0029】
さらに、ガス圧検知器59から異常圧力が検知されれば、燃焼バーナ62の燃焼作動を強制的に停止し、入口側及び出口側の遮断弁561,571を共に閉じて遮断状態にする。一方、燃焼器6に故障等の異常が発生しその異常発生が検知された場合には、燃焼バーナ62の燃焼作動を強制的に停止する一方、代わりに電気ヒータ7を作動させてこの電気ヒータ7からの加温により液化ガスを気化させてガス供給管3に導出しガス供給系への供給を継続させる。
【0030】
以上の一体型液化ガス気化装置の場合、例えば熱源機で加熱した液体を循環ポンプにより循環経路を通して気化器での液化ガスの加温用熱源として供給するように構成された場合と比較して、設置スペースを大幅に縮小することができ、しかも、一体型液化ガス気化装置を設置するだけであるためその設置作業を容易にして省力化することができる。さらに、受熱用缶体55を燃焼器6で加熱し加熱された液体を熱交換器本体52の加温用熱源として缶体51内に自然循環により供給するようにしているため、循環ポンプを不要とすることができ、循環ポンプの連続稼働等による過酷な運転を強いる必要もなく、循環ポンプの故障等による気化運転の停止も一切解消することができる。
【0031】
また、一体型液化ガス気化装置1内で気化された気化ガスを燃焼器6での燃料として使用するようにしているため、燃焼器6に対する燃料ガスの供給用配管を外部のガス供給系から延ばすという配管工事も必要がなく、上記の設置作業の大幅な省力化を図ることができる。そして、このように一体型液化ガス気化装置1内で気化された気化ガスを燃焼器6の燃料として使用するように構成したとしても、気化用熱交換器5が低温の装置起動時においても電気ヒータ7により燃焼器6の燃料ガスを確保することができ、一体型液化ガス気化装置1だけで装置起動時(気化運転開始時)から定常気化運転まで一貫して液化ガスの気化を実現させることができる。
【0032】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、供給経路58を導出経路57の途中から分岐させているが、これに限らず、例えば図2(a)に示すように熱交換器5の出口522近傍の熱交換器本体52から供給経路58aを分岐させるようにしてもよいし、あるいは、図2(b)に示すように導出経路57の下流端である導出口572bをケーシング4の外部に突出させて設置した場合にその導出口572bの近傍のケーシング4外から供給経路58bを分岐させて燃焼バーナ62まで延ばすようにしてもよい。なお、上記の図2(a)の場合には電気ヒータ7を供給経路58aに介装させるようにすればよく、図2(b)の場合には導入経路56の上流端である導入口562bもケーシング4から若干突出させて配設してもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、缶体51に対し受熱部として受熱用缶体55を付設しているが、これに限らず、例えば図3に示すように受熱部として受熱用熱交換器55aを上記缶体51に付設するようにしてもよい。この場合は、上記受熱用熱交換器55aを燃焼器6内で燃焼バーナ62により熱交換加熱するようにすればよい。この場合も、上記受熱部用熱交換器55aの一端を缶体51の底部(下部)に連通させ、他端を缶体51の頂部(上部)に連通させて、受熱用熱交換器55aで加熱された液体が自然循環により缶体51内に供給されるようにすればよい。
【0034】
上記実施形態では、バルク貯槽2からの液化ガスの供給を受ける場合を示したが、これに限らず、液化ガス気化装置1に液化ガスボンベを接続し、導入経路56及び熱交換器5に対する液化ガスの供給を上記液化ガスボンベから行うようにしてもよい。
【0035】
さらに、上記実施形態では液化ガスとしてLPガスを対象として気化させるものを示したが、これに限らず、LPガス以外の液化ガスを対象にして本発明を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図2】図1の実施形態の他の態様を示す部分図であり、図2(a)は供給経路を熱交換器の出口部近傍で分岐させた場合、図2(b)は供給経路をケーシング外の導入口近傍で分岐させた場合をそれぞれ示す。
【図3】図1の実施形態とは異なる受熱部を付設した場合の図1対応図である。
【符号の説明】
1 一体型液化ガス気化装置
4 ケーシング
5 気化用熱交換器
6 燃焼器
7 電気ヒータ(加温手段)
51 缶体
55 受熱用缶体(受熱部)
55a 受熱用熱交換器(受熱部)
57 導出経路
58,58a,58b 供給経路
522 出口(熱交換器の出口)
572 導出口
Claims (5)
- ケーシングと、
液化ガスの供給を受けて加温することにより気化させる気化用の熱交換器と、燃料ガスの供給を受けて燃焼させることにより燃焼熱を上記熱交換器に対し加温用熱源として付与する燃焼器と
を備え、
上記熱交換器の気化ガスの出口側が、外部に気化ガスを供給する導出口に延びる導出経路と、下流端が上記燃焼器に接続されこの燃焼器に対し上記気化ガスを燃料ガスとして供給する供給経路とに分岐され、かつ、これら導出経路及び供給通路が上記熱交換器及び燃焼器と共に上記ケーシング内に一体に配設されている、
一体型液化ガス気化装置。 - 請求項1に記載の一体型液化ガス気化装置であって、
上記熱交換器から燃焼器に延びる経路であって上記導出経路又は供給経路には電力エネルギーにより加温するための加温手段が介装され、この加温手段は上記熱交換器が低温である装置起動時に作動されて燃焼器に対し気化ガスを供給するように構成されている、一体型液化ガス気化装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の一体型液化ガス気化装置であって、
上記熱交換器は、液体を加温用媒体としこの液体を上記燃焼器の燃焼熱により加熱する間接熱交換加温式に構成されている、一体型液化ガス気化装置。 - 請求項3に記載の一体型液化ガス気化装置であって、
上記熱交換器は液体が充満された缶体の内部に配設され、燃焼器は上記缶体内の液体を燃焼熱により加熱するように構成されている、一体型液化ガス気化装置。 - 請求項4に記載の一体型液化ガス気化装置であって、
上記缶体には一端が缶体下部に連通され他端が缶体上部に連通された受熱部が付設され、この受熱部に対し上記燃焼器からの燃焼熱を作用させることにより上記受熱部で昇温された液体が缶体内部に対し自然循環により供給されるように構成されている、一体型液化ガス気化装置。
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