JP4727680B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
コージェネレーションシステムの一例として、たとえばガスや液体燃料を使用するエンジンによって発電機を駆動し、さらにエンジンの発熱によって熱エネルギーを取り出すものがある。また燃料電池によって電力と熱を取り出す方策も研究されている。
これに対して、熱は、比較的短時間に使用される。たとえば熱を給湯に活用する場合を考えると、風呂に入るとか炊事をするといった場合にのみ熱が消費され、夜中や日中は熱の消費が少ない。さらに熱は、短時間ではあるが、単位時間当たりの消費量が大きいという性質を持つ。したがって、エンジンを運転し、その時の発熱だけによって大量の湯を瞬間的に得ることはできない。
即ち発電のためにエンジン等は長時間に渡って運転されるから、その間にすこしづつ湯を作る。そして湯を貯留タンクに貯め置き、必要な時に貯留タンクから湯を取り出して使用に供する。
また当該試作器は、市場の要求に合わせて、給湯だけでなく、床暖房を行う用途にも活用できるものとした。即ち試作器では、給湯を単独で行う給湯単独モードと、床暖房やファンコンベクタ等による暖房を単独で行う暖房単独モードと、給湯と暖房を同時に行う同時使用モードを有する。また当該試作器は、上記した給湯単独モード、暖房単独モード及び同時使用モードを、貯留タンクの湯を使用して実行する場合と、補助熱源を使用して実行する場合と、貯留タンクの湯及び補助熱源の双方を併用して実行する場合がある。
即ち、補助熱源を使用して給湯と暖房を併用する場合、補助熱源によって作られる湯を給湯回路と加熱循環回路の双方に分配しなければならない。しかしながら上記した給湯装置では、蓄熱用の貯留タンクがあるため、給湯回路や加熱循環回路に行くべき湯が貯留タンクに流れ込む場合があり、所望温度の湯が給湯されなかったり、床暖房側に過度に高温の湯が流れ込んでしまう場合があった。
また貯留タンクは、蓄熱装置として機能するものである。なおこれらの構成及び作用効果は、後記する各発明に共通である。
また本発明においては、熱源が発生させる熱エネルギーの残部が被加熱物の加熱や貯留タンクへの補給に回されることとなる。
そのため本発明によると、給湯側にも暖房等の加熱側にも適度に高温湯が分配される。
図1は、本発明の第1実施形態である給湯装置の配管系統図である。図2は、図1に示す給湯装置が排熱貯湯運転モードで運転を行っている場合の作動原理図である。図3は、図1に示す給湯装置が貯留タンク内の湯水を用いて給湯を行う場合の作動原理図である。図4は、図1に示す給湯装置が落とし込み運転モードで運転を行っている場合の作動原理図である。図5は、図1に示す給湯装置が温水装置の熱を用いて給湯を行う場合の作動原理図である。図6は、図1に示す給湯装置が温水装置の熱を用いて運転モードで運転を行っている場合の作動原理図である。図7は、図1に示す給湯装置が温水装置の熱を用いて運転と暖房との同時使用モードで運転を行っている場合の作動原理図である。
本実施形態では、熱源たる温水装置6の熱交換器6aと、排熱熱交換器30が直列に接続されている。
即ち加熱循環回路32は、温水装置6の出湯口37に接続された高温湯往き側流路38と、熱交換部45及び温水装置6の入湯口40に接続された高温湯戻り側流路41によって構成される一連の循環回路である。
また高温湯往き側流路38は、温水装置6の出湯口37と熱交換部45の間の往き側分岐点120で分岐され、給湯回路33側と接続されている。即ち出湯口37と熱交換部45の間の往き側分岐点120で、給湯往路83が分岐されている。給湯往路83は混合弁80に繋がる
またさらに給湯往路83からは、貯留タンク31に至る貯留部給湯管87が分岐されている。より具体的には、往き側分岐点120から枝分けされた給湯往路83は、分岐部D1において、混合弁80側と、貯留タンク31に繋がる貯留部給湯管87とに分岐されている。貯留部給湯管87が分岐される分岐部D1の上流側(温水装置6側)に、高温湯分配制御比例弁84が設けられている。即ち高温湯分配制御比例弁84は、給湯往路83であって往き側分岐点120と分岐部D1の間に設けられている。
排熱熱交換器30は、上記した発電部2においてガスエンジン5の駆動に伴い発生した排熱により加熱された湯水と熱交換を行うことにより高温湯戻り側流路41を流れる湯水を加熱するものである。そのため、通常ガスエンジン5の駆動中は、排熱熱交換器30において加熱された湯水が高温湯戻り側流路41を介して温水装置6に流入する。
負荷戻り側流路56の中途には、暖房熱交換器57と、負荷戻り側流路56に湯水を補給する補給水タンク58と、負荷戻り側流路56から補給水タンク58に流入する湯水の温度を検知する湯温センサ54と、負荷戻り側流路56内に湯水を循環させるための循環ポンプ60とが設けられている。また、負荷循環回路35には、暖房装置8への湯水の流入を阻止する弁(図示せず)が閉止状態である場合に循環ポンプ60等に過負荷が作用するのを防止すべく、負荷往き側流路55と負荷戻り側流路56とをバイパスするバイパス流路63が設けられている。
流量センサ81は、総給水量を測定するものであり、その上流に設けられた総量制御比例弁82は、総給水量を制御するものである。
給湯装置1は、後述する駆動制御装置102によって多数の運転モードで駆動制御されるものであり、各モード毎に湯水の流れが異なる。また主として貯湯タンク31内の湯を利用する場合と、温水装置6を熱源とする場合があり、両者によって湯水の流れが異なる。
本明細書では、代表的なものに限って説明することとする。最初に主として貯湯タンク31内の湯を利用する場合について説明する。
貯湯タンク31内の湯を利用する動作として、代表的なものに貯留タンク31に湯水を貯留する排熱貯留運転モードと、給湯栓7から湯水を排出する給湯運転モードと、浴槽内に湯水を落とし込む落とし込み運転モードがある。
給湯運転モードにおいては、図5に示すように温水装置6により湯水が加熱され、この湯水が給湯栓7から排出される。さらに詳細には、貯留タンク31内の湯水が低温である状態で給湯栓7が開栓されると、循環ポンプ47が起動し、高温湯分配制御比例弁84が開成される。また、熱交換部45にある負荷熱交出口電磁弁52および追焚熱交出口電磁弁53が閉止され、高温湯往き側流路38から熱交分岐流路94への湯水の流入が阻止される。またさらに、混合弁80は、高温湯往き側流路38を流れる湯水が流入する給湯往路83および外部から導入される湯水が流れる給水管85に対して開成される。そのため、外部から供給される低温の水の一部は、給水管85を介して混合弁80に至り、混合弁80に接続された給湯回路33へと流れ込む。また、外部から供給された湯水の残部は、給水管85から分岐された貯留部給水管91を通じて貯留タンク31の下部から供給される。流量センサ81によって給湯回路33における水流が検知されると、温水装置6が燃焼作動を開始する。
即ち、暖房運転が行なわれている状態は、前記した図6の通りであり、給湯部3の循環ポンプ47が駆動され、追焚熱交出口電磁弁53および高温湯分配制御比例弁84が閉成され、負荷熱交出口電磁弁52を開いて加熱循環回路32内に湯水が循環している。また温水装置6における燃焼作動が行なわれ、加熱循環回路32内を流れる湯水が加熱されている。
また以下の制御は、駆動制御装置102内の図示しない制御装置によって司られる。
即ち給湯に優先して一定量の高温湯を配分し、残余の高温湯を加熱循環回路32側に配分する。
本実施形態では、混合弁80の下流側に総量制御比例弁82が設けられており、当該総量制御比例弁82によって給湯流量を規制することができる。また給湯流量はその下流側に設けられた流量センサ81で検知することができる。
総量制御比例弁82によって制御される給湯流量Qiは次式によって求められる。
言い換えると、本実施形態では、給湯栓7の開度に対して最も適切な給湯量を確保するのに必要な熱量が規定量を越えても一定割り当て量を越える湯量しか給湯回路33側に供給しない。
例えば、給湯栓7の開度に対して最も適切な給湯量を確保するのに必要な熱量が、温水装置6の最大発熱量の80%であっても、給湯回路33側には一定量たる75%相当の湯量しか配分されない。
最も適切な給湯量を確保するのに必要な熱量が、温水装置6の最大発熱量の80%であり、暖房装置1を適切に運転するのに最も適切な熱量が温水装置の最大発熱量の20%である場合は、給湯回路33側には75%相当の湯量しか配分されず、加熱循環回路32には20%相当の湯量が配分される。なおこの場合には、温水装置6の吐出湯量を絞ることとなる。
この様に、暖房装置を適切に運転するのに最も適切な熱量が規定量未満である場合は、給湯回路33側に供給する湯量を増加させないことが望ましいが、余裕の範囲で給湯回路33側に供給する湯量を増加させてもよい。
本実施形態では、実際に給湯に使用されている熱量qsは、高温湯の湯量に換算して演算している。具体的には、次式によって給湯に必要な流量を演算しているが、熱量の式や号数の式であってもよい。
上記した数値の内、給湯装置1の給湯設定温度Tは、実際の給湯温度を採用してもよい。また温水装置6の設定温度BUについても実際の出湯温度を採用することができる。
上記した数値の内、温水装置6の設定温度BUに代えて実際の出湯温度を採
用することができる。
なお本実施形態では、当該用途の弁を給湯回路33側に設けたが、加熱循環回路32側に設けてもよい。
より具体的には、次の数式(5)を満足する条件となる様に高温湯分配制御比例弁84を制御する。
前記した様に排熱熱交入水温度センサ114は、排熱熱交換器30に入水される湯の温度を検知するものであるが、当該温度センサも戻り側分岐部121位から熱源たる温水装置6の間に設けられたものであり、ガスエンジン5が運転されていない場合は温水装置入水温度センサ115と同等の温度を示す。
そして高温湯の最大量の内の75%を給湯側に割り当てることとする。即ち15号相当の高温湯を給湯に割り当てる。そして残る25%(5号相当)を暖房側に割り当てる。
暖房運転の最中に給湯栓7が開かれ、最小作動水量(Minimum Operation Quantity)を検知すると、給湯運転と暖房運転の同時使用モードとなる。図8のフローチャートでは、ステップ1に移行し、初期設定が行なわれる。ステップ1では、所定の記憶手段に「Nmax=5号」を記憶させる。ここでNmaxとは、暖房のために使用する熱量の上限であり、説明を簡単にするために号数で表示することとする。
また温水装置6の吐出量Xを最大流量たる10リットル吐出(一分間あたりの吐出量
以下同様)に設定する。
即ち本実施形態では、使用の初期においては、熱源の発熱量の中の一定量が給湯に伴って給湯回路から外部に排出可能となる様な開度となる様に総量制御手段が規制される。
ただし制御するのは総量制御比例弁82であるから、例えば給湯栓7が半開であった場合の様に、総量制御比例弁82の絞り量よりも他の部位における絞り量の方が大きい場合は、実質的に15号相当の出湯はない。
Nmaxは、前記した様に暖房のために使用する熱量の上限であり、説明を簡単にするために号数で表示している。
即ち前段のステップ6で加熱循環回路に分配可能な湯の相当号数(暖房許容号数)Nhを演算したので、暖房許容号数Nhに余裕があるならば、Nmaxを上げてもよい。逆に暖房許容号数Nhに余裕が無いならば、Nmaxを下げなければならない。
即ち、温水装置6の発熱能力に対して暖房のために使用する熱量の上限がすぎる場合は、給湯側の余力が少なくなり、使い勝手が悪い。一方、Nmaxが低すぎる場合は、暖房側の能力が小さすぎて暖房装置8に熱エネルギーが行き渡らない。
本実施形態では、ステップ10でNmaxが10号(温水装置の能力の50%)を越えるか否かを判断し、Nmaxが10号を越える場合は、ステップ12に移行してNmaxを10号に補正し、ステップ14に進む。
具体的には、ステップ14では、図9に示すサブルーチンが実行され、ステップ101で負荷往き側流路(暖房往路)55の温度(負荷往き側温度センサ111の検知温度)が設定温度よりも5℃(摂氏)を越えて高いか否かを検知し、ステップ102,103でこの状態が5秒間続くか否かを判定する。
ステップ101,102,103で負荷往き側流路(暖房往路)55の温度が設定温度よりも5℃を越える状態が5秒間続いたことが判定されると、加熱循環回路側の熱量が過剰であるから、暖房側に実際に配分する(加熱循環回路側に循環させる)熱量Nwを1号減ずる。ただし暖房側に実際に配分する熱量Nwが1号相当を下回ることはない。
そして熱媒温度が設定温度よりも摂氏2度(℃)を越えて低い場合、ステップ112に進み、暖房側に実際に配分する(加熱循環回路側に循環させる)熱量Nwを1号増加させる。即ち負荷往き側流路55を流れる熱媒体の温度が設定温度よりも2℃〜10℃の範囲で低い場合は、暖房側に実際に配分する熱量が少し足りない状況である。そこでこの様な場合には、暖房側に実際に配分する熱量Nwを1号増加させる。
即ちステップ2で、新たに記憶された温水装置6の吐出量の記憶値Xに基づいて循環水比例弁51を制御する。そしてステップ3に進み、温水装置6から常に最高温度の湯が出湯される様に制御し、さらにステップ4以下の制御を行なう。
以上説明した実施形態は、本発明をエンジン内蔵のコージェネレーションシステムを活用した給湯装置として説明したが、燃料電池等の排熱を利用したコージェネレーションシステムを採用した給湯装置にも本発明を活用することができる。
2 発電部
3 給湯部
5 ガスエンジン
6 温水装置(熱源)
6a 熱交換器
7 給湯栓
8 暖房装置(熱負荷)
32 加熱循環回路
33 給湯回路
35 負荷循環回路(熱媒二次回路)
38 高温湯往き側流路
41 高温湯戻り側流路
81 流量センサ
82 総量制御比例弁
84 高温湯分配制御比例弁
93 入水温度センサ
95 給湯温度センサ
111 負荷往き側温度センサ
113 貯留タンク下流出側温度センサ
114 排熱熱交入水温度センサ
115 温水装置入水温度センサ
120 往き側分岐点
121 戻り側分岐部
Claims (4)
- 少なくとも1系統の熱交換器を備えた熱源と、湯水を循環させて被加熱物を直接的又は間接的に加熱する加熱循環回路と、加熱された高温湯を直接的に又は水と混合して外部に湯を供給する給湯回路と、貯留タンクを有し、給湯回路と加熱循環回路は、熱源からの往き側流路に設けられた往き側分岐部から分岐され、給湯回路と加熱循環回路の少なくともいずれかであって前記往き側分岐部の下流側には流量制御弁が設けられ、前記熱源の同一系統の熱交換器が、前記加熱循環回路、給湯回路及び貯留タンクに接続され、同一系統の熱交換器が、被加熱物の加熱及び給湯を兼ねる給湯装置であって、被加熱物の加熱と給湯との同時使用モードを備え、当該同時使用モードにおいては、熱交換器を経由して給湯回路から外部に至る高温排出湯の流量と熱交換器を経由して加熱循環回路を循環する高温循環湯の流量の比率を前記流量制御弁を制御して高温排出湯と高温循環湯を分配するものであり、下記の数式(5)に基づいて、給湯のために実際に出湯される高温湯の湯量と被加熱物のために実際に必要な高温湯の湯量の比率を演算し、高温排出湯の流量と高温循環湯の流量の比率を制御することを特徴とする給湯装置。
- 貯留タンクは上部が給湯回路に接続され、貯留タンクの下部には入水路が接続され、さらに貯留タンクの下部は、熱源への戻り流路に設けられた戻り側分岐部から熱源に至る流路に接続され、給湯装置に入水される入水の温度を測定する入水温度検知手段と、戻り側分岐部から熱源に至る間に設けられた熱源入水温度検知手段と、加熱循環回路であって前記戻り側分岐部の上流側に設けられた加熱循環湯温度検知手段を有し、前記入水温度検知手段によって検知される入水の温度Tcと、熱源入水温度検知手段によって検知される熱源入水温度Ttと、加熱循環湯温度検知手段によって検知される湯温Thに基づいて前記流量制御弁を制御し、高温排出湯の流量と高温循環湯の流量の比率を制御することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
- 被加熱物は暖房装置であり、当該暖房装置を含む熱媒二次回路が形成され、熱排出用熱交換器を有し、当該熱排出用熱交換器の一次側は加熱循環回路に接続され、当該熱排出用熱交換器の二次側は熱媒二次回路に接続され、熱媒二次回路に回路を流れる熱媒体の温度を検知する熱媒検知手段が設けられ、熱媒体の温度の変動に応じて高温排出湯の流量と高温循環湯の流量の比率を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。
- 給湯を単独で賄うことが可能な熱源と、給湯を単独で賄うことができない熱源を有し、両者の熱交換器は直列に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給湯装置。
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