JP3972199B2 - 加熱装置ならびにコージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱装置に係り、更に詳しくは、熱負荷に応じて最適な熱供給を行うものに関する。同時に提案される本発明は、この加熱装置を用いたコージェネレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
給湯や風呂の落とし込み、追い焚き、暖房などの多くの運転機能を備えた加熱装置が開発されている。このような加熱装置は、系統の異なる給湯回路や追い焚き回路、暖房回路などを燃焼機に接続し、各回路を循環する熱媒体を燃焼機で直接加熱して熱エネルギーを供給する構成が採られている。
【0003】
また、近時、加熱装置に発電装置を併設し、発電に伴う排熱を回収利用する所謂コージェネレーションシステムが開発されている。このようなシステムは、発電装置の排熱を再利用することから、燃焼機に系統の異なる複数の熱供給回路を集中させて熱媒体を加熱するのではなく、一つの循環回路に燃焼機を含む複数の熱源部と複数の熱負荷を配し、熱源部で加熱された熱媒体を介して各熱負荷へ熱エネルギーを供給する構成が採用される。
【0004】
ところで、給湯運転を行う場合には、運転開始直後から給湯する湯水を短時間に目的とする設定温度まで昇温させることが要求される。一方、温水床暖房などの暖房運転を行う場合には、運転開始直後は燃焼機の燃焼量を抑えて設定温度まで緩やかに立ち上げ、その後は暖房端末の熱吸収状態に応じて燃焼機の燃焼量をきめ細かく制御する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の加熱装置やコージェネレーションシステムでは、給湯運転や暖房運転に応じて、燃焼機で加熱される熱媒体の温度上昇パターンを切り換えるような制御が採られていなかった。
則ち、従来の加熱装置やコージェネレーションシステムでは、給湯性能を向上させるために、燃焼機で加熱される熱媒体の温度が短時間に設定温度まで上昇するような制御しか行われておらず、暖房運転に際しても、設定温度の変更は行うものの熱媒体の温度上昇パターンは同一であった。このため、暖房運転時には熱供給が過剰となって熱供給を遮断するハイカット状態が頻発し易く、安定した熱供給を行うことができなかった。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みて提案されるもので、熱吸収の異なる熱負荷に対して安定した熱供給を行うことのできる加熱装置を提供することを目的する。また、同時に提案される発明は、この加熱装置を用いて構成されるコージェネレーションシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために提案される請求項1に記載の発明は、燃焼機を含む1または2以上の熱源部で加熱された湯水を循環させる熱源循環回路に、外部に設けられた給湯端末に接続される給湯回路と外部に設けられた暖房端末に接続される暖房回路を直接または熱交換器を介して接続し、給湯端末への給湯または暖房端末への熱エネルギーの供給またはこれらの双方を同時に行う加熱装置であって、暖房回路に対して単独に熱エネルギーを供給する暖房単独運転時には、燃焼機を暖房回路の暖房端末の要する熱エネルギーに応じた燃焼パターンで燃焼させ、当該暖房単独運転を除く他の運転時には、燃焼機を給湯回路の給湯端末の要する熱エネルギーに応じた燃焼パターンで燃焼させる構成とされている。
【0008】
ここに、本発明で言う燃焼パターンとは、熱源循環回路を流動する湯水を燃焼機によって加熱する際に、燃焼機から流出する湯水の温度が時間経過に伴って上昇するカーブを指すものである。例えば、燃焼機から流出する湯水の温度を、燃焼開始時点から極めて短時間に目的とする設定温度まで上昇させる燃焼パターンや、燃焼開始時点から所定時間後に設定温度まで上昇させる燃焼パターンなどを採ることができる。
【0009】
本発明によれば、出湯性能を要求される給湯運転を行う場合は、給湯運転の開始直後から燃焼量の高い状態で燃焼させることにより、流出する湯水の温度を短時間に設定温度まで上昇させることができる。また、熱供給量を急増させると熱供給が過剰となり易い暖房運転を行う場合は、給湯を行う場合に比べて低い燃焼量で燃焼させることにより、熱供給の過剰な状態が発生することを防止できる。
更に、給湯・暖房同時運転では、給湯運転を行う場合の燃焼量で燃焼を行うことにより、出湯性能を確保しつつ同時運転を行うことが可能である。
【0010】
本発明において、燃焼機の燃焼パターンを変化させるには、種々の制御方法を採ることが可能である。例えば、燃焼機で加熱されて流出する湯水の温度を監視しつつ当該温度が目的とする設定温度となるように燃焼量を制御するフィードバック制御(Feedback Control:以下FB制御と記載)を採用することができる。
また、燃焼機から流出する湯水の温度に加えて流入する湯水の温度や流量を監視しつつ、短時間に流出温度が設定温度となるように燃焼量を制御するフィードフォワード制御(Feedforward Control :以下FF制御と記載)を採ることができる。また、FB制御とFF制御を組み合わせた制御を行うことも可能である。
更に、FB制御を行う場合に、目的とする設定温度と燃焼機で加熱されて流出する湯水の温度との差分に基づく制御や、差分を所定時間積算した値に基づく制御を行うことが可能である。
【0011】
また請求項1に記載の発明は、さらに暖房単独運転を除く他の運転時から暖房単独運転に移行したときは、暖房単独運転において前記燃焼機が燃焼を停止している期間に燃焼機の燃焼パターンを前記給湯端末に応じた燃焼パターンから暖房端末に応じた燃焼パターンに切り換える構成を備えている。
【0012】
ここで、請求項1に記載の発明によれば、暖房単独運転中に給湯運転が開始されると、燃焼機の燃焼パターンが給湯端末に応じた燃焼パターンに切り換えられる。則ち、燃焼機から流出する湯水は設定温度に向けて急峻に変動制御される。このため、暖房端末において熱供給が過剰となり易く、暖房端末側への熱供給を遮断するハイカット状態が生じ易い。
本発明によれば、同時運転中に給湯運転が終了して暖房単独運転に移行しても、燃焼機が燃焼中の間は燃焼パターンを給湯運転の燃焼パターンのまま維持する。これにより、給湯運転が頻繁に繰り返された場合でも燃焼パターンが変化せず、安定した熱供給を継続することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加熱装置において、ふろ端末に接続される追い焚き回路を、前記給湯回路および暖房回路に並列に熱交換器を介して前記熱源循環回路に接続した構成とされている。
【0014】
本発明によれば、熱源循環回路で加熱された湯水の熱を、熱交換器を介して追い焚き回路を流動する湯水に伝達することができ、追い焚き機能を備えた加熱装置を構成することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の加熱装置において、給湯回路は、外部に設けられた給湯端末またはふろ端末へ給湯を行う給湯流路と外部に設けられた給水端末から給水を受ける給水流路を組み合わせて形成され、給湯流路と給水流路との間に熱源循環回路で加熱された湯水を貯留する貯留部を備えた構成とされている。
【0016】
本発明によれば熱源循環回路の熱源部で加熱された湯水を給湯流路を介して貯留部へ貯留しつつ、貯留部内の低温水を給水流路を介して熱源循環回路へ環流させて加熱することにより、加熱された湯水を貯留部へ貯留することができる。
また、熱源循環回路を通さずに、貯留部に貯留された高温の湯水を給湯流路を介して給湯端末へ排出しつつ、給水流路を介して熱源循環回路へ給水を行う給湯運転を行うことができる。
【0017】
また、熱源循環回路の熱源部で加熱された湯水の一部を給湯流路を介して給湯端末へ排出しつつ、加熱された湯水の残部を貯留部へ貯留する給湯・貯留運転を行うことも可能である。更に、熱源循環回路の熱源部で加熱された湯水と貯留部に貯留された高温水とを同時に給湯流路を介して給湯端末へ排出する給湯運転を行うことも可能である。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加熱装置に電気機器へ電力を供給する発電装置を併設したコージェネレーションシステムであって、発電装置は、発電に伴って生じる排熱を熱媒体へ熱交換して循環させる排熱循環回路を有し、当該排熱循環回路と前記熱源循環回路との間に排熱熱交換部を介在させ、前記熱源部の一つが排熱熱交換部である構成とされている。
【0019】
本発明によれば、発電装置の排熱循環回路を循環する熱媒体の熱が、排熱熱交換部を介して加熱装置の熱源循環回路を循環する熱媒体へ伝達されるので、熱源循環回路上に一つの熱源部が形成される。これにより、従来廃棄されていた排熱を回収して熱源循環回路を循環する熱媒体の昇温に再利用することが可能となり、トータルエネルギー効率を向上させたコージェネレーションシステムを構築できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のコージェネレーションシステムにおいて、加熱装置および発電装置の制御を統括するシステム制御部を備えると共に加熱装置は燃焼機の燃焼制御を行う燃焼制御部を備え、コージェネレーションシステムが暖房単独運転を行うときは、システム制御部から燃焼制御部へ暖房単独指令信号を送出する構成とされている。
【0021】
本発明によれば、燃焼制御部は、システム制御部から暖房単独指令信号が伝送されたときは燃焼機の燃焼パターンを暖房端末に応じた燃焼パターンに切り換えて燃焼制御を行い、暖房単独指令信号が伝送されないときは、燃焼機の燃焼パターンを給湯端末に応じた燃焼パターンに切り換えて燃焼制御を行う。これにより、システム制御部が把握する運転情報に基づいて燃焼制御部側で燃焼パターンを切り換え設定することができ、システム構築を容易に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の加熱装置3の流路系統図である。図2は、加熱装置3の制御を示すフローチャートである。図3は、図2における給湯単独運転の制御を示すフローチャートである。図4は、図2における暖房単独運転の制御を示すフローチャートである。図5は、図2における給湯・暖房同時運転時の給湯制御を示すフローチャートである。図6は、図2における給湯・暖房同時運転時の暖房制御を示すフローチャートである。図7,図8は、図4および図6の暖房制御の一部のステップを詳細に示すフローチャートである。
【0023】
本実施形態の加熱装置3は給湯機能と暖房機能を有したものであり、図1の様に、外部に設けられた給湯栓7への給湯運転と、温水床暖房装置やファンコンベクタなどの暖房端末8による暖房機能を備えている。
【0024】
加熱装置3は、各部の制御を統括する燃焼制御部103と複数の湯水の回路を備えている。則ち、図1の様に、都市ガス(天然ガス)の供給を受けて燃焼する燃焼機6(熱源部)で加熱された湯水(熱媒体)を循環させる熱源循環回路32と、加熱装置3の外部に設けられた暖房端末8と接続されて湯水を循環させる暖房回路(暖房循環回路)35と、給湯栓7および給水栓(不図示)に接続されて湯水の給湯を行う給湯回路29を備えている。
そして、各回路を流動する湯水の温度や流量をセンサで検知して燃焼制御部103へ伝送し、制御回路部で生成した制御信号を各部に設けた流量制御弁や電磁弁に送出して、各回路の湯水の温度および流量を制御することにより、給湯あるいは熱負荷への熱エネルギーの供給を行う。
【0025】
熱源循環回路32は、燃焼機6の流出口37から延びる熱源往路38と流入口40から延びる熱源復路41との間に、熱負荷となる熱交換部45と給湯回路29を接続して形成される循環回路である。熱交換部45には暖房熱交換器42と暖房熱交電磁弁52が配されている。
【0026】
また、給湯回路29は、熱源往路38の途中の分岐部Eで分岐されて混合弁80に至る分岐給湯流路83、および、混合弁80から給湯栓7に至る給湯流路33と、給水栓(不図示)から混合弁80に至る給水流路85、および、給水流路85の途中から分岐して熱源復路41に至る給水流路91とを組み合わせて形成される。
【0027】
燃焼機6の流出口37に近接した熱源往路38には、燃焼機6で加熱され流出する湯水の温度を検知する温度センサ39が設けられ、熱源復路41には、上流側から順に熱源循環ポンプ47、温度センサ48、熱源流量センサ50および循環水比例弁51が配されている。
温度センサ39,48および熱源流量センサ50の検知信号は燃焼制御部103へ送出され、燃焼制御部103は、熱源循環回路32を循環する湯水の温度および流量を調節するべく燃焼機6の設定温度および循環水比例弁51の開度の制御を行う。
【0028】
暖房熱交電磁弁52はソレノイドで駆動される開閉制御弁であり、熱源循環回路32を循環する湯水の暖房熱交換器42への流動を開閉制御して熱負荷としての接続および遮断を行う。循環水比例弁51は、ステップモータで駆動される比例制御弁であり、熱源循環回路32を循環する湯水の流量を連続的に可変制御する。熱源循環ポンプ47は、熱源循環回路32内の湯水を強制循環させるポンプである。また、熱源流量センサ50は、熱源循環回路32の湯水の流量を検知するセンサである。
【0029】
給湯流路33の途中には、流量センサ81、比例弁82および給湯温度センサ95が設けられている。また、給水流路85は、途中に減圧弁88と、混合弁80側に湯水を導く逆止弁90と、外部から導入される湯水の温度を検知する給水温度センサ93が設けられた流路であり、混合弁80に接続されている。
【0030】
暖房循環回路35は、熱源循環回路32を循環する湯水から熱エネルギーの供給を受ける暖房熱交換器42を熱源とし、暖房端末8を熱負荷として構成される循環回路である。暖房循環回路35は、暖房熱交換器42の二次側から延出する暖房往路55と暖房復路56との端部に暖房端末8を接続して形成される循環回路である。
【0031】
暖房往路55および暖房復路56は、加熱装置3の外部に延出している。暖房往路55は暖房熱交換器42の二次側の一端から直接加熱装置3の外部に延出する。また、暖房復路56は暖房熱交換器42の二次側の他端から暖房循環ポンプ60および熱動弁(断続制御弁)59を介して加熱装置3の外部に延出する。
【0032】
暖房往路55と暖房復路56との間には、加熱装置3の内部において両路をバイパスするバイパス流路63が設けられている。則ち、熱動弁59と暖房循環ポンプ60の間の暖房復路56と暖房往路55との間にバイパス流路63が設けられており、暖房端末8を経由する長い暖房循環回路35とは別に、加熱装置3の内部でバイパス流路63を経由する短い循環回路が形成されている。
バイパス流路63は、暖房往路55および暖房復路56よりも流路断面積の小さい配管であり、熱動弁59が閉成された状態で暖房循環ポンプ60が駆動された場合に、当該バイパス流路63を介して湯水を循環させてポンプ60の焼き付きを防止する機能を有する。
【0033】
暖房端末8は、温水暖房装置やファンコンベクタなどの複数の暖房端末を含むものである。図1には示していないが、各端末毎に暖房往路55と熱動弁59を介した暖房復路56が接続され、運転しようとする暖房端末の熱動弁59を開成して暖房循環回路35を形成することにより、複数の暖房端末へ選択的に湯水を循環させて暖房を行う。
【0034】
暖房往路55には、バイパス流路63よりも暖房熱交換器42側に位置する部位に、循環する湯水の温度を検知する温度センサ64が設けられている。温度センサ64の検知信号は燃焼制御部103へ送出され、暖房循環回路35を循環する湯水の温度を所定値に制御するべく、燃焼機6の設定温度および循環水比例弁51の開度制御が行われる。
【0035】
加熱装置3は上記構成を有しており、燃焼機6の設定温度と循環水比例弁51の開度を制御しつつ熱源循環ポンプ47によって湯水を強制循環させることにより、熱源循環回路32を循環する湯水の温度および流量を調節制御可能である。
則ち、熱源循環回路32は、循環する湯水の温度および流量を調節しつつ給湯回路29へ湯水の供給を行うと共に、熱交換部45へ熱供給を行う熱源としての機能を有する。
【0036】
次に、図1に示した加熱装置3において実施される給湯運転および暖房運転の制御を、図1の流路系統図および図2〜図8のフローチャートを参照して説明する。説明に際しては、加熱装置3における概略の制御の流れを図2のフローチャートを参照して先に説明し、各制御の詳細を図3〜図8のフローチャートを参照して述べる。また、以下の説明では、図2のフローチャートで示す制御をメインルーチンとして、図3〜図8の制御と区分しているが、この区分は説明の便宜上設けたものであり、制御プログラムの作成に制約を与えるものではない。
【0037】
本実施形態の加熱装置3では、給湯栓7が開栓されて給湯運転が開始すると、燃焼機6は給湯用に制御された量のガス供給を受けつつ燃焼して給湯単独運転を行う(図2ステップ200,201,207参照)。また、リモートコントローラ(不図示)によって暖房運転操作が行われると、燃焼機6は暖房用に制御された量のガス供給を受けつつ燃焼して暖房単独運転を行う(図2ステップ200,203,204,208参照)。
【0038】
給湯運転中に暖房運転操作が行われたり、暖房運転中に給湯栓7が開栓されると、燃焼機6は給湯用に制御された量のガス供給を受けつつ燃焼して給湯・暖房同時運転を行う(図2ステップ200〜202参照)。
【0039】
また、給湯・暖房同時運転中に給湯栓7が閉じられると、給湯運転を終了して暖房単独運転に移行する。暖房単独運転に移行した時点で、燃焼機6が暖房制御によって燃焼中のときは、燃焼機6へ供給するガス量を給湯用に制御したまま燃焼制御を継続する(図2ステップ203〜206参照)。
【0040】
一方、暖房単独運転への移行後、暖房端末8側の熱要求量の低下や、暖房循環回路35への熱供給を遮断するハイカット(後述する)の発生により、燃焼機6の燃焼が停止すると、燃焼機6へ供給するガス量を暖房用に切り換える。そして、以降は、燃焼機6は暖房用に制御された量のガス供給を受けつつ燃焼して暖房単独運転を継続する(図2ステップ203〜205,208参照)。
【0041】
次に、図2における給湯単独運転、暖房単独運転、同時運転時における給湯運転、および、同時運転時における暖房運転の各制御について、図1および図3〜図8を参照して詳細に説明する。
【0042】
(給湯単独運転時の制御)
給湯単独運転時の制御は、図3に示すフローチャートに従って行われる。
給湯流路33の給湯流量センサ81が最小作動水量(Minimum Operation Quantity:以下MOQと称す)を検知すると、燃焼制御部103は、給湯栓7が開栓されたものと判断して給湯運転を開始する(図3ステップ210参照)。
給湯運転を開始すると、燃焼制御部103は、燃焼機6の設定温度を70℃に設定し、燃焼機6を燃焼駆動すると共に、熱源循環ポンプ47の駆動を開始する(以上、図3ステップ211,212参照)。
【0043】
続いて、燃焼制御部103は、給湯流路33の湯水の流量が20号相当流量となるように給湯水比例弁82を制御する(図3ステップ213参照)。尚、本実施形態で採用する燃焼機6の最大燃焼量は20号である。
ここで、1号とは1リットル/minの水を25℃昇温させるのに要する熱量を示す基本単位であり、1号相当流量とは、水の流量と昇温値の積が1号となるときの流量を示す値である。従って、20号相当流量は、式1で示される。
【0044】
【数1】
【0045】
従って、燃焼制御部103は、ステップ213において、リモートコントローラで設定された給湯設定温度と給水温度センサ93の検知温度とを参照して、式1に基づいて20号相当流量Qを演算し、給湯流路33の湯水の流動量が演算結果の20号相当流量Qとなるように給湯水比例弁82を制御する。
【0046】
続いて、燃焼制御部103は、給湯必要流量Qsを算出する(図3ステップ214参照)。ここに、給湯必要流量Qsとは、前記式1で示される20号相当流量の湯水を給湯栓7から給湯するために、燃焼機6から分岐給湯流路83を介して供給を要する湯水の流量であり、式2で与えられる。
【0047】
【数2】
【0048】
式2は、次のようにして導出される。図1に示すように、分岐給湯流路83を介して燃焼機6から混合弁80へ供給を要する湯水の流量は給湯必要流量Qsであり、その温度をTsとする。また、給水流路85を介した混合弁80への給水流量および給水温度を各々Qw,Twとする。また、混合弁80から給湯流路33を介して給湯栓7へ給湯される湯水の流量は前記した20号相当流量Qであり、その温度(給湯設定温度)をTとする。
【0049】
ここで、分岐給湯流路83、給水流路85および給湯流路33は混合弁80に接続されているので、前記した各流量および温度の間には次に示す式3、式4が成立する。
給水流量Qw+給湯必要流量Qs=20号相当流量Q ・・・(式3)
給湯必要流量Qs・燃焼機設定温度Ts+給水流量Qw・給水温度Tw
=20号相当流量Q・給湯設定温度T ・・・(式4)
これら式3および式4より、式2に示した給湯必要流量Qsが導出される。
【0050】
燃焼制御部103は、ステップ214において前記式2に基づき給湯必要流量Qsを算出し、熱源循環回路32の湯水の循環量がQsとなるように循環水比例弁51を制御する(図3ステップ215参照)。
【0051】
続いて、燃焼制御部103は、燃焼機6に供給するガス量を給湯用のガス量演算式に基づいて算出し、算出した量のガスを燃焼機6へ供給して燃焼制御を行う(以上、図3ステップ216,217参照)。本実施形態に採用する給湯用のガス量演算式は式5で示される。尚、式5において、K1,K2は定数である。また、式5において、燃焼機流量は給湯必要流量Qsである。
給湯用ガス量G=(燃焼機流量)×(燃焼機設定温度−燃焼機入口温度)
+K1×(燃焼機設定温度−燃焼機出口温度)
+K2×Σ(燃焼機設定温度−燃焼機出口温度)・・(式5)
【0052】
式5において、右辺第1項目は、燃焼機6を流動する湯水の流量と、燃焼機6の設定温度および燃焼機6の入口温度の差との積に基づいてFF制御を行う項である。右辺第2項目は、燃焼機6の設定温度と燃焼機6の出口温度との差に基づいてFB制御を行う項である。また、右辺第3項目は、燃焼機6の設定温度と燃焼機6の出口温度との差分を所定時間積算した値に基づいてFB制御を行う項である。
【0053】
則ち、右辺第1項目は、燃焼機6で加熱される前の流入口40に流入する湯水の温度に応じて、流出口37の温度をいち早く設定温度に昇温させるためにガス量を見越して供給する演算項である。また、右辺第2項目は、一般に行われるFB制御の演算項である。更に、右辺第3項目は、燃焼機6の出口温度の変動を所定時間について平均化した値で補正する演算項である。
式5で演算されたガス量Gのガスを燃焼機6に供給して燃焼制御することにより、燃焼機6の流出口37の温度を短時間に設定温度に到達させつつ、しかも、流出する湯水の温度がハンチングすることを抑制した制御を可能にしている。
【0054】
続いて、燃焼制御部103は、分岐給湯流路83、給水流路85および給湯流路33に設けた各温度センサ92,93,95の検知温度を参照しつつ、給湯温度センサ95の検知温度がリモートコントローラで設定された給湯設定温度となるように、混合弁80の湯水の混合比率を調整する(図3ステップ218参照)。
【0055】
以上のステップを繰り返すことにより給湯運転が行われる。そして、給湯流路33の給湯流量センサ81によるMOQの検知が停止すると、燃焼制御部103は、給湯栓7が閉栓されたものと判断し、燃焼機6の燃焼駆動および熱源循環ポンプ47の駆動を各々停止して給湯運転を終了する(以上、図3ステップ210,219参照)。
【0056】
(暖房単独運転の制御)
暖房単独運転時の制御は、図4に示すフローチャートに従って行われる。
リモートコントローラの暖房スイッチがオン操作されると、燃焼制御部103は、燃焼機6の設定温度を所定値(本実施形態では、暖房端末要求温度+2℃)に設定すると共に、暖房循環ポンプ60を駆動し暖房熱交電磁弁52を開成する。更に、燃焼機6を燃焼駆動すると共に熱源循環ポンプ47を駆動する(以上、図4ステップ230〜236参照)。これにより、熱源循環回路32および暖房循環回路35の湯水の循環が始まり、熱源循環回路32から暖房循環回路35へ熱エネルギーの供給が開始される。尚、暖房運転の開始時にはハイカットフラグはオフしている。
【0057】
燃焼制御部103は、熱源流量センサ50の検知流量を監視しつつ、熱源循環回路32の湯水の流動量が9[リットル/min]となるように循環水比例弁51を制御する。これにより、熱源循環回路32には、燃焼機6の流出口37から流出する湯水の温度が設定温度(暖房端末要求温度+2℃)となるように制御されつつ9[リットル/min]の湯水が循環され、この熱エネルギーが暖房熱交換器42を介して暖房循環回路35へ供給されて暖房運転が開始される(図4ステップ237参照)。
【0058】
続いて、燃焼制御部103は、燃焼機6に供給するガス量を暖房用のガス量演算式に基づいて算出し、算出した量のガスを燃焼機6へ供給しつつ燃焼制御を行う(以上、図4ステップ238,239参照)。
本実施形態に採用する暖房用のガス量演算式は式6で示される。尚、式6において、K3,K4は定数である。
暖房用ガス量G=K3×(燃焼機設定温度−燃焼機出口温度)
+K4×Σ(燃焼機設定温度−燃焼機出口温度)・・(式6)
【0059】
式6において、右辺第1項目は、燃焼機6の設定温度と燃焼機6の出口温度との差に基づいてFB制御を行う項である。また、右辺第2項目は、燃焼機6の設定温度と燃焼機6の出口温度との差分を所定時間積算した値に基づいてFB制御を行う項である。
【0060】
則ち、右辺第2項目は、一般に行われるFB制御の演算項である。また、右辺第2項目は、燃焼機6の出口温度の変動を所定時間について平均化した値で補正する演算項である。式6で演算されたガス量Gを燃焼機6に供給して燃焼制御することにより、燃焼機6の流出口37の温度を暖房端末8の要求する熱量に応じて制御することができ、暖房循環回路35のハイカットの発生が抑制される。
【0061】
続いて、燃焼制御部103は、燃焼機6から流出する湯水の温度の安定判別処理を行う。この処理は、図7の様に、燃焼機6の流出口37から流出する湯水の温度、則ち、温度センサ39の検知温度が、ステップ233で設定された設定温度に対して(設定温度−2℃)以上の状態が1分間継続したときに安定と判別する処理である。この安定判別処理は、燃焼機6の燃焼制御を開始して3分経過した時点から開始され、8分経過するまで継続する。そして、8分が経過するまでに安定と判別されたときは、直ちに次のステップに進む。また、安定が判別されないまま8分が経過した場合でも、安定したものと見なして次のステップに進む(以上、図4ステップ240、図7ステップ260〜262参照)。
【0062】
次いで、燃焼制御部103は、30秒間そのまま暖房運転を継続した後に、暖房往路55を循環する湯水の温度、則ち、温度センサ64の検知温度を参照する。そして、温度センサ64の検知温度が(暖房往路設定温度+5℃)以下のときは、暖房端末への熱供給の過剰状態に至っていないと判別して燃焼機6の設定温度の調節処理に進む(以上、図4ステップ241〜243参照)。
【0063】
燃焼機6の設定温度の調節処理は、図8の様に、暖房往路55を循環する湯水の温度と暖房往路設定温度との温度差に応じて燃焼機6の設定温度を調節する処理である。則ち、暖房往路55を循環する湯水の温度が(暖房往路設定温度+4℃)を超えるときは燃焼機6の設定温度を2℃低下させ、(暖房往路設定温度+1.5℃)を超えるときは燃焼機6の設定温度を1℃だけ低下させる。また、暖房往路55を循環する湯水の温度が(暖房往路設定温度−4℃)よりも低いときは燃焼機6の設定温度を2℃増加させ、(暖房往路設定温度−1.5℃)よりも低いときは燃焼機6の設定温度を1℃だけ増加させる。また、暖房往路55を循環する湯水の温度が(暖房往路設定温度−1.5℃)以上、(暖房往路設定温度+1.5℃)以下のときは、燃焼機6の設定温度をそのまま維持する(以上、図4ステップ243、図8ステップ270〜277参照)。これにより、暖房端末8への熱供給量に応じて燃焼機6の燃焼量がきめ細かく変更設定される。
【0064】
燃焼制御部103は、燃焼機6の設定温度の変更処理を行った結果、調節した設定温度が燃焼機6の設定可能な範囲内であれば、そのままステップ230に戻る。また、調節した設定温度が燃焼機6で設定可能な上限または下限から外れるときは、設定温度を上限値または下限値に設定してステップ230に戻る(以上、図4ステップ244,245参照)。そして、ステップ238〜245の処理を繰り返すことにより、燃焼機6の設定温度を暖房端末の熱要求に応じて調節しつつ暖房制御を継続する。尚、この状態では、ハイカットフラグはオンにされておらず、ステップ231からそのままステップ238に進む。また、暖房運転中に暖房運転の解除操作が行われると、ステップ230からステップ250の暖房運転の停止処理に進む。
【0065】
一方、ステップ242において、暖房往路55を循環する湯水の温度が(暖房往路設定温度+5℃)を超えるときは、燃焼制御部103は、暖房端末8への熱供給が過剰であると判別して暖房循環ポンプ60を駆動したまま暖房熱交電磁弁52を閉成し、燃焼機6の燃焼および熱源循環ポンプの駆動を停止する。この際、燃焼制御部103は、ハイカットフラグをオンにする。これにより、熱源循環回路32から暖房循環回路35への熱エネルギーの供給が遮断されてハイカット状態となる(以上、図4ステップ242〜248参照)。
【0066】
ハイカット状態に入ると、暖房循環回路35の湯水を循環させつつ温度が低下するのを待機する。そして、暖房往路55の温度センサ64の検知温度が(暖房往路設定温度−10℃)よりも低下すると、暖房端末8への熱供給の再開が可能と判別して暖房制御のステップ230に戻って同一の処理を繰り返す(図4ステップ249参照)。
【0067】
暖房運転中にリモートコントローラにより暖房運転の解除操作が行われると、暖房熱交電磁弁52を閉成しすると共に暖房循環ポンプ60の駆動を停止し、燃焼機6の燃焼および熱源循環ポンプ47の駆動を停止して一連の暖房運転を終了する(以上、図4ステップ230、250〜252参照)。
【0068】
(給湯・暖房同時運転時の給湯制御)
同時運転時の給湯制御は、図5に示すフローチャートに従って行われる。
給湯流路33の給湯流量センサ81がMOQを検知すると、燃焼制御部103は、給湯運転を開始する。給湯運転を開始すると、燃焼制御部103は、燃焼機6の設定温度を暖房側制御による設定温度のまま維持する。但し、暖房側の設定温度が64℃よりも低い場合は64℃に設定する。そして、燃焼機6を燃焼駆動すると共に、熱源循環ポンプ47の駆動を開始する(以上、図5ステップ280〜282参照)。
【0069】
続いて、燃焼制御部103は、給湯流路33の湯水の流量が15号相当流量となるように給湯水比例弁82を制御する(図5ステップ283参照)。ここで、15号相当流量は、前記した給湯単独運転において20号相当流量を求めた場合と同様にして、式7で算出される。
【0070】
【数3】
【0071】
従って、燃焼制御部103は、リモートコントローラで設定された給湯設定温度と給水温度センサ93の検知温度とを参照して、式7に基づいて15号相当流量Qを演算し、給湯流路33の湯水の流動量が演算結果の15号相当流量Qとなるように給湯水比例弁82を制御する。
【0072】
続いて、燃焼制御部103は、給湯必要流量Qsを算出する(図5ステップ284参照)。ここに、給湯必要流量Qsは、前記した給湯単独運転において算出した場合と同様にして、式8で算出される。
【0073】
【数4】
【0074】
続いて、燃焼制御部103は、同時運転における暖房側の制御を参照し、暖房必要流量Q1sの算出の有無を確認する。暖房必要流量Q1sが既に算出されているときは、熱源循環回路32の湯水の循環量が(Qs+Q1s)となるように循環水比例弁51を制御する(以上、図5ステップ285,292参照)。
一方、暖房必要流量Q1sが算出されていないときは、暖房許容流量Q1を算出し、熱源循環回路32の湯水の循環量が(Qs+Q1)となるように循環水比例弁51を制御する。ここに、暖房許容流量Q1は、燃焼機6の許容流量Qmax から給湯必要流量Qsを差し引いた値である。従って、熱源循環回路32の湯水の循環量が許容流量Qmax =(Qs+Q1)(本実施形態では10[ リットル/min] )となるように循環水比例弁51を制御する(以上、図5ステップ285〜287参照)。
【0075】
次に、燃焼制御部103は、熱源往路38から分岐給湯流路83と熱交分岐流路94とへ流動する湯水が、各々、給湯必要流量Qsと暖房必要流量Q1sに分配されるように、比例弁84の開度制御を行う(図5ステップ288参照)。
ここで、本実施形態の加熱装置3では、分岐給湯流路83および熱交分岐流路94のいずれにも流量センサを設けていない。このため、各流路83,94の流動量の検知を次の様に温度によって検知する制御を採用している。
則ち、図1の様に、分岐給湯流路83と熱交分岐流路94へ、各々、給湯必要流量Qsと暖房必要流量Q1sの湯水が流動する状態では、給水流路91を介して集合部Fに流量Qsの水が流入する。この集合部Fへ流入する流量Qsの水と、熱交分岐流路94から集合部Fへ流入する流量Q1sの湯水とが合流して、流量Qtの湯水となって熱源復路41を燃焼機6へ向けて流動する。
【0076】
ここで、給水流路91を流動する水の温度、則ち、温度センサ76の検知温度をTs(=Tw)とし、熱交分岐流路94から集合部Fに流入する湯水の温度、則ち、温度センサ77の検知温度をT1sとし、更に、熱源復路41を流動する湯水の温度、則ち、温度センサ48の検知温度をTtとする。
すると、集合部Fにおいて式9、式10で示す関係が成立する。
給湯必要流量Qs+暖房必要流量Q1s =Qt ・・・・・・・(式9)
給湯必要流量Qs・Ts+暖房必要流量Q1s・T1s=Qt・Tt
・・・(式10)
これら式9、式10より式11が導出される。
【0077】
【数5】
【0078】
従って、燃焼制御部103は、温度センサ77の検知温度をT1s、温度センサ48の検知温度をTt、および、温度センサ76の検知温度をTsを参照しつつ、式11の右辺の値が、左辺の給湯必要流量Qsと暖房必要流量Q1sの比率と一致するように比例弁84を制御する。これにより、ステップ288において分岐部Eにおける給湯必要流量Qsと暖房必要流量Q1sの分配制御を可能にしている。
【0079】
続いて、燃焼制御部103は、給湯単独運転の制御と同様に、燃焼機6に供給するガス量を給湯用のガス量演算式(前記式5)に基づいて算出し、算出した量のガスを燃焼機6へ供給して燃焼制御を行う(以上、図5ステップ289,290参照)。但し、前記式5において、燃焼機流量は給湯必要流量Qsと暖房必要流量Q1sの和である。
【0080】
そして、燃焼制御部103は、分岐給湯流路83、給水流路85および給湯流路33に設けた各温度センサ92,93,95の検知温度を参照しつつ、給湯温度センサ95の検知温度がリモートコントローラで設定された給湯設定温度となるように、混合弁80の湯水の混合比率を調整する(図5ステップ291参照)。
【0081】
以上のステップを繰り返すことにより給湯運転が行われる。そして、給湯流路33の給湯流量センサ81によるMOQの検知が停止すると、燃焼制御部103は、給湯栓7が閉栓されたものと判断して、同時運転時における給湯制御を終了して暖房単独運転に移行する(以上、図5ステップ280参照)。
【0082】
(給湯・暖房同時運転時の暖房制御)
同時運転時の暖房制御は、図6に示すフローチャートに従って行われる。
リモートコントローラの暖房スイッチがオン操作されると、燃焼制御部103は、図6の様に、燃焼機6の設定温度を所定値(本実施形態では、暖房端末要求温度+2℃)に設定し、暖房循環ポンプ60を駆動すると共に暖房熱交電磁弁52を開成する。更に、燃焼機6を燃焼駆動すると共に熱源循環ポンプ47を駆動する。(以上、図6ステップ300〜305参照)。これにより、暖房循環回路35の湯水が循環を開始し、熱源循環回路32から暖房循環回路35へ熱エネルギーの供給が開始される。尚、暖房運転の開始時にはハイカットフラグはオフしている。
【0083】
燃焼制御部103は、熱源流量センサ50の検知流量を監視しつつ、熱源循環回路32の湯水の流動量が(Qs+Q1)となるように循環水比例弁51を制御する(図6ステップ306参照)。ここで、Qsは給湯側で算出される給湯必要流量であり、Q1は暖房許容流量である。従って、結果的に、循環水比例弁51は、熱源循環回路32の湯水の流動量が燃焼機6の許容流量Qmax である10[ リットル/min] となるように循環水比例弁51を制御する。
【0084】
更に、燃焼制御部103は、前記式11に基づいて、分岐部Eにおける分岐給湯流路83と熱交分岐流路94とへ流動する湯水の分配比が、給湯必要流量Qsと暖房許容流量Q1の比率となるように、比例弁84の制御を行う(図6ステップ309参照)。これにより、熱交分岐流路94に暖房許容流量Q1の湯水が流動する。
【0085】
続いて、燃焼制御部103は、燃焼機6に供給するガス量を給湯用のガス量演算式に基づいて算出し、算出した量のガスを燃焼機6へ供給して燃焼制御を行う(図6ステップ310,311参照)。給湯用のガス量演算式は前記式5と同一である。但し、前記式5において、燃焼機流量は給湯必要流量Qsと暖房許容流量Q1の和、則ち、10[ リットル/min] である。
【0086】
続いて、燃焼制御部103は、燃焼機6から流出する湯水の温度の安定判別処理を行う(図5ステップ312参照)。この処理は、前記図5に示した処理と同一である。更に、燃焼制御部103は、30秒間そのまま暖房運転を継続した後に、暖房往路55を循環する湯水の温度、則ち、温度センサ64の検知温度を参照する。そして、温度センサ64の検知温度が(暖房往路設定温度+5℃)以下のときは、ステップ315へ進む(図6ステップ313,314参照)。
【0087】
ステップ315では、燃焼制御部103は、現在の暖房側の流量、則ち、熱交分岐流路94の湯水の流量が最大値である暖房許容流量Q1か否かを判別する。
熱交分岐流路94の湯水の流量が最大値の暖房許容流量Q1のときは、そのまま、ステップ319の暖房必要流量Q1sの算出に進む(以上、図6ステップ315,319参照)。一方、熱交分岐流路94の湯水の流量が暖房許容流量Q1よりも低いときは、燃焼機6の設定温度の調節処理に進む(以上、図6ステップ315,316参照)。
【0088】
燃焼機6の設定温度の調節処理は、前記図8に示した処理と同一である。
そして、燃焼制御部103は、燃焼機6の設定温度の変更処理を行った結果、調節した設定温度が燃焼機6の設定可能な範囲内であれば、そのままステップ319へ進む。また、調節した設定温度が燃焼機6で設定可能な上限または下限から外れるときは、設定温度を上限値または下限値に設定してステップ319へ進む(以上、図6ステップ316〜319参照)。
【0089】
ステップ319では、暖房必要流量Q1sの算出を行う。暖房必要流量Q1sは、式12で与えられる。
【0090】
【数6】
【0091】
式12は次のようにして導出される。本実施形態の加熱装置3では、燃焼機6の燃焼量の最大値が20号であり、前記したように、給湯側において15号分の熱量を消費する。従って、暖房側で消費可能な許容号数は5号である。ここで、暖房側で必要な熱量は式13で示される。
暖房必要熱量=暖房必要流量Q1s×温度差T ・・・(式13)
但し、式13において、温度差Tは、熱交換器42の上流側と下流側の温度差、則ち、燃焼機6の流出口37と流入口40の間の湯水の温度差である。
従って、温度差Tは燃焼機設定温度から給水温度を差し引いた値である。
【0092】
この暖房必要熱量が5号相当の熱量で賄われることから、式14が成立する。
暖房必要熱量=暖房必要流量Q1s×温度差T=25[℃]×5[号]・・(式14)
この式14より前記式12が導出される。
【0093】
燃焼制御部103は、ステップ319で暖房必要流量Q1sを算出してステップ300に戻る。以降は、暖房必要流量Q1sが既に算出されているので、循環水比例弁51を給湯必要流量Qs+暖房必要流量Q1sに制御しつつ暖房運転が継続される。また、前記した暖房制御の開始時や、後述するハイカット時には、循環水比例弁51を給湯必要流量Qs+暖房許容流量Q1に制御しつつ同時運転における暖房制御が継続される。
【0094】
一方、ステップ314において、暖房往路55を循環する湯水の温度が(暖房往路設定温度+5℃)を超えるときは、燃焼制御部103は、暖房循環ポンプ60を駆動したまま暖房熱交電磁弁52を閉成すると共に、循環水比例弁51の開度および燃焼機6の設定温度を給湯単独運転の制御値に変更する。この際、燃焼制御部103は、ハイカットフラグをオンにする(以上、図6ステップ314,320〜322参照)。これにより、熱源循環回路32から暖房循環回路35への熱エネルギーの供給が遮断されてハイカット状態となる。
【0095】
ハイカット状態に入ると、暖房循環回路35の湯水を循環させつつ温度が低下するのを待機する。そして、暖房往路55の温度センサ64の検知温度が(暖房往路設定温度−10℃)よりも低下すると、暖房端末8への熱供給の再開が可能と判別して暖房制御のステップ300に戻って同一の処理を繰り返す(図6ステップ323参照)。
【0096】
暖房運転中にリモートコントローラにより暖房運転の解除操作が行われると、暖房熱交電磁弁52を閉成すると共に暖房循環ポンプ60の駆動を停止して同時運転における暖房制御を終了して給湯単独運転に戻る(以上、図6ステップ300,324,325参照)。
【0097】
以上説明したように、本実施形態の加熱装置3によれば、給湯および暖房の各々の熱負荷に応じて燃焼機に最適なガス供給を行いつつ燃焼制御して熱供給を行うことが可能である。これにより、給湯時の給湯性能や暖房運転時における頻繁なハイカットの発生などを効果的に防止して安定した運転を行うことが可能となる。また、同時運転から暖房単独運転に移行した際に、燃焼機が燃焼中であれば、給湯端末に応じた燃焼制御を継続させるので、給湯栓の頻繁な開閉に伴う暖房回路への弊害を抑制することができる。これにより、加熱装置3における給湯性能や暖房性能の向上が図られ、使い勝手を向上させることが可能となる。
【0098】
【実施例】
次に、本発明に係る実施例を図9〜図16を参照して説明する。
本実施例は、前記実施形態で示した加熱装置3を用いて形成したコージェネレーションシステム1である。本実施例のコージェネレーションシステム1に採用する加熱装置3は、前記実施形態に示した加熱装置3の有する追い焚き機能および暖房機能に加えて、給湯機能およびふろの落とし込み機能を備えると共に、湯水を貯留する貯留タンクを備えた構成である。
【0099】
図9は、本実施例のコージェネレーションシステム1の流路系統図である。図10は、図9に示すシステム1が排熱貯湯運転を行う場合の作動原理図である。図11は、図9に示すシステム1が貯留タンク内の湯水を用いて給湯運転を行う場合の作動原理図である。図12は、図9に示すシステム1が燃焼機を作動させて給湯を行う場合の作動原理図である。図13は、図9に示すシステム1が落とし込み運転を行う場合の作動原理図である。図14は、図9に示すシステム1が追い焚き運転を行う場合の作動原理図である。図15および図16は、図9に示すシステム1が暖房運転を行う場合の作動原理図である。
【0100】
本実施例のコージェネレーションシステム1は、図9の様に、大別して加熱装置3と発電装置2で構成される。発電装置2は、ガスエンジン5(熱源部)を備えたものであり、コージェネレーションシステム1の外部の電気機器へ電力を供給すると共に、発電に伴い発生した排熱により湯水を加熱する。また、加熱装置3は、燃焼機6(熱源部)を備えたものであり、主として給湯栓7へ供給する湯水を加熱したり、温水床暖房、ファンコンベクタ等の暖房端末8などに熱エネルギーを供給する湯水を加熱するものである。
【0101】
発電装置2は、大別してガスエンジン5と、ガスエンジン5によって駆動する発電機10と、ヒータ11とを備えている。発電装置2において発生した電力は、システム1の外部に設けられた電気機器等の外部負荷や、ヒータ11(内部負荷)に供給される。発電装置2は、ガスエンジン5を冷却することによって排熱を回収する排熱循環回路12を備えている。
【0102】
排熱循環回路12は、発電装置2の外部、則ち、加熱装置3側にある排熱熱交換器30および暖房熱交換器57を経由して湯水を循環させるものである。排熱循環回路12は、ガスエンジン5からバイパス分岐点Aを経て排熱熱交換器30に向けて湯水を流す排熱往路13と、その分岐水路であり暖房熱交換器57に向けて湯水を流す排熱分岐往路61、並びに、排熱熱交換器30からガスエンジン5側へと湯水を戻す排熱復路15と、暖房熱交換器57から戻る湯水が前記排熱復路15に合流する排熱分岐復路62とから構成されている。則ち、ガスエンジン5には排熱熱交換器30と暖房熱交換器57とが前記各流路によって並列に接続されている。排熱循環回路12内を流れる湯水は、排熱復路15の途中に設けられた排熱循環ポンプ16によって圧送され、排熱復路15側から排熱往路13側へと流動する。排熱復路15内を流れる湯水は、ガスエンジン5の駆動に伴い発生する熱で加熱されて排熱往路13へと流出する。
【0103】
ガスエンジン5と排熱熱交換器30とを接続する排熱往路13の途中には、ヒータ11が設けられている。ヒータ11は、発電機10と外部の電気機器等とを接続する配線17から分岐された分岐配線18に接続されている。ヒータ11には、分岐配線18を介して外部の電気機器等で消費しきれない余剰電力が供給されており、これにより発電機10から外部電源(図示せず)への電力の逆潮流が防止されている。則ち、ヒータ11は、後述する余剰電力制御部101によって制御可能なスイッチ21が設けられており、このスイッチ21を調整することによりヒータ11への通電が調整される。
【0104】
ガスエンジン5の排熱により加熱され、排熱往路13内を流れる湯水は、ヒータ11を通過する際に更に加熱されて排熱熱交換器30へと流入する。排熱熱交換器30において熱交換を行い低温となった湯水は、排熱復路15を介してガスエンジン5へと戻る。
【0105】
排熱復路15の途中には、上記した排熱循環ポンプ16の他に補水タンク22とサーモスタット式の三方弁25とが設けられている。また、三方弁25は、後述する排熱分岐復路62に設けられている三方弁23と連通する連通流路24に接続されている。さらに、排熱復路15と排熱往路13との間には、両者をバイパスするバイパス流路26が設けられている。補水タンク22には、外部から水を供給するための給水管27が設けられており、その途中に設けられている補水弁28によって補水タンク22への給水量が調整される。また、三方弁25は、ガスエンジン5側から排出される湯水の温度に応じて排熱熱交換器30および暖房熱交換器57側への湯水の往来を調整するものである。
【0106】
さらに具体的には、ガスエンジン5の起動直後等のように、ガスエンジン5側から排出される湯水が所定温度以下である場合には、三方弁25が作用し、排熱熱交換器30および暖房熱交換器57への入水が阻止される。則ち、ガスエンジン5側から排出される湯水が低温である場合、三方弁25の作用によって排熱熱交換器30および暖房熱交換器57から排熱復路15への通水が阻止されると共に、バイパス流路26を介して排熱往路13と排熱復路15とが連通した閉回路が形成される。そのため、排熱往路13内を流れる湯水は、バイパス流路26を介して直接ガスエンジン5側へと流れ込む。
【0107】
一方、ガスエンジン5側から排出される湯水が所定温度より高温である場合、三方弁25の作用によって排熱往路13内を流れる湯水が、排熱熱交換器30および暖房熱交換器57へと流入する。排熱熱交換器30および暖房熱交換器57に流入した高温の湯水は、各熱交換器において熱交換を行った後、三方弁23を介して排熱復路15へと流入してガスエンジン5側へと戻る。
【0108】
加熱装置3は、燃料ガスを燃焼し湯水を加熱する燃焼機6と、排熱循環回路12内を流れるガスエンジン5の排熱により加熱された湯水と熱交換を行う排熱熱交換器30と、貯留タンク31(貯留部)とを備えている。加熱装置3は、熱源循環回路32と、ガスエンジン5および燃焼機6において発生した熱によって加熱された湯水を給湯栓7を介して外部に供給する給湯回路29とを備え、これに加えて暖房端末8(熱負荷)等の熱負荷に接続される暖房循環回路35と、湯水を浴槽に供給して循環させる追い焚き循環回路36とを有する。
【0109】
また、本実施例のコージェネレーションシステム1には、熱源往路38および熱源復路41からなる熱源循環回路32と、貯留タンク31とから構成される流水回路(閉回路H)が形成されている。また、コージェネレーションシステム1には、熱源往路38および熱源復路41からなる熱源循環回路32と、貯留タンク31と、熱源往路38から分岐された熱交分岐流路94から構成される流水回路が形成されている。則ち、コージェネレーションシステム1は、閉回路H、あるいは、閉回路Hに熱交分岐流路94を加えた流路からなる流水回路を備えている。
【0110】
熱源循環回路32は、燃焼機6の流出口37に接続された熱源往路38と、燃焼機6の流入口40に接続された熱源復路41とを有する。熱源循環回路32では、熱源往路38が分岐給湯流路83とタンク上部配管87とに分岐される分岐部Dの上流側に、比例弁84が設けられている。また、熱源往路38は、比例弁84より上流側の分岐部Eにおいてさらに分岐され、分岐部Eとエアセパレータ46とを繋ぐ熱交分岐流路94が形成されている。
【0111】
熱源往路38は、分岐部Dにおいて混合弁80に繋がる分岐給湯流路83と、貯留タンク31に繋がるタンク上部配管87とに分岐されている。貯留タンク31には、内部に貯留されている湯水の高さ方向の温度分布を検知するために、最上部温度センサ34a、上部温度センサ34b、中部温度センサ34cおよび下部温度センサ34dが設けられている。また、熱源復路41には、上流側から順に、エアセパレータ46、湯水を循環させる熱源循環ポンプ47、排熱熱交換器30、熱源復路41を流れる湯水の温度を検知する温度センサ48、流量を検知する熱源流量センサ50、および、燃焼機6に流入する水量を調整する循環水比例弁51が接続されている。熱源復路41の途中にあるエアセパレータ46は、熱源循環回路32中に含まれている空気を外部に排出するものであり、貯留タンク31の下部に設けられたタンク下部配管89が接続されている。また、排熱熱交換器30は、上記した発電装置2においてガスエンジン5の駆動に伴い発生した排熱により加熱された湯水と熱交換を行うことにより熱源復路41を流れる湯水を加熱するものである。そのため、通常ガスエンジン5の駆動中は、排熱熱交換器30において加熱された湯水が熱源復路41を介して燃焼機6に流入する。
【0112】
熱交換部45は、熱交分岐流路94の途中に設けられており、暖房熱交換器42と暖房熱交電磁弁52とを有する流路45aと、追い焚き熱交換器43と追い焚き熱交電磁弁53とを有する流路45bとが並列に接続したものである。そのため、暖房熱交換器42および追い焚き熱交換器43への湯水の流動および遮断は、暖房熱交電磁弁52および追い焚き熱交電磁弁53の断続によって制御される。
【0113】
暖房熱交換器42に接続されている暖房循環回路35は、暖房端末8に湯水を供給する暖房往路55と、暖房端末8側から湯水を戻す暖房復路56とを有する。暖房往路の途中には、暖房熱交換器42から流出する湯水の温度を検知する温度センサ64が設けられている。暖房復路56の途中には、暖房端末8への湯水の循環を断続する熱動弁59と、暖房熱交換器57と、暖房復路56に湯水を補給する補水タンク58と、暖房復路56から補水タンク58に流入する湯水の温度を検知する温度センサ54と、暖房復路56内に湯水を循環させるための暖房循環ポンプ60が設けられている。また、暖房循環回路35には、熱動弁59が閉成状態である場合に暖房循環ポンプ60等に過負荷が作用するのを防止するべく、暖房往路55と暖房復路56とをバイパスするバイパス流路63が設けられている。
【0114】
暖房熱交換器57には、上記した発電装置2の排熱往路13から分岐された排熱分岐往路61と、排熱復路15から分岐された排熱分岐復路62とが接続されており、ガスエンジン5の排熱により加熱された高温の湯水が循環する。そのため、暖房端末8において放熱して低温となった湯水は、暖房熱交換器57において排熱分岐往路61により供給された高温の湯水と熱交換して加熱される。暖房熱交換器57において加熱された湯水は、補水タンク58を経て暖房熱交換器42に流入し、暖房熱交換器42での熱交換によりさらに加熱されたのち再び暖房端末8側へと送り込まれる。
【0115】
追い焚き熱交換器43に接続されている追い焚き循環回路36は、浴槽側に湯水を送り込む追い焚き往路65と、浴槽側から湯水を戻す追い焚き復路66とを備えている。追い焚き復路66の途中には、浴槽内の水位を検知する水位センサ67と、流動する湯水の温度を検知する温度センサ69と、追い焚き循環ポンプ68と、水流スイッチ70とが設けられている。また、追い焚き復路66の途中、則ち、追い焚き循環ポンプ68と水流スイッチ70との間には、後述する給湯流路33から分岐された注湯分岐流路71が接続されている。注湯分岐流路71には、給湯流路33側から追い焚き復路66側への通水のみを許す逆止弁72と、追い焚き復路66側に流入する水量を調整する注湯弁73と、注湯分岐流路71内を流れる湯水の流量を検知する流量センサ75とが設けられている。
【0116】
上記したように、追い焚き復路66には、給湯流路33側からの湯水の流入を許容する注湯分岐流路71が接続されているため、追い焚き往路65に加えて追い焚き復路66からも湯水を浴槽側に落とし込むことができる。
【0117】
給湯回路29は、熱源往路38の途中で分岐されて混合弁80に至る分岐給湯流路83、および、混合弁80から給湯栓7に至る給湯流路33と、給水栓(不図示)から混合弁80に至る給水流路85、および、給水流路85の途中から分岐して貯留タンク31の底部側に至る給水流路91とを組み合わせて形成される。
【0118】
給湯流路33の途中には、流量センサ81、比例弁82および給湯温度センサ95が設けられている。また、給水流路85は、途中に減圧弁88と、混合弁80側に湯水を導く逆止弁90と、外部から導入される湯水の温度を検知する給水温度センサ93が設けられた流路であり、混合弁80に接続されている。
【0119】
給水流路85の途中には、外部から導入された湯水を貯留タンク31側に向けて供給する給水流路91が接続されている。給水流路91は、貯留タンク31の底部側に接続されており、途中に給水流路85側から貯留タンク31側へ湯水を導く逆止弁86が設けられている。また、貯留タンク31の底部には、貯留タンク31から湯水を排出するタンク下部配管89が接続されている。タンク下部配管89は、前記した通り燃焼機6の流入口40に繋がる熱源復路41にエアセパレータ46を介して接続されている。さらに、貯留タンク31の上部には、分岐給湯流路83から分岐され、貯留タンク31への湯水の流出入を行うためのタンク上部配管87が接続されている。貯留タンク31には、タンク上部配管87を通って貯留タンク31の外部に流出する湯水と略同量の湯水が給水流路91を介して給水されるため、貯留タンク31は常に満水状態に維持される。
【0120】
本実施例のコージェネレーションシステム1には、発電装置2および加熱装置3の駆動を統括する制御部100と、余剰電力制御部101とを備えたシステム制御部102が設けられている。制御部100は、発電装置2や加熱装置3の燃焼制御部103との間で制御に必要な信号を送受信することにより、各センサの検知信号に基づいて弁の開閉を行ったり、ポンプやガスエンジン5、燃焼機6等の駆動を行う。
【0121】
ここで、本実施例のシステム1では、運転状態をシステム制御部102の制御部100で統括する。則ち、システム1が給湯や暖房、追い焚き、落とし込みのいずれかの単独運転中である場合や、あるいは、複数の運転が同時に行われている状態を制御部100で管理している。そして、運転モードに応じて制御部100から燃焼制御部103へ制御信号を送出して必要な燃焼制御を行う。
また、本実施例のシステム1では、暖房単独運転時には、制御部100から燃焼制御部103に対して暖房単独指令信号を送出する。燃焼制御部103は、暖房単独指令信号を受信した場合に限って、前記実施形態で述べたように燃焼機6の燃焼パターンを暖房用に切り換え設定し、暖房単独指令信号が伝送されないときは、燃焼パターンを給湯用に切り換え設定する構成とされている。
【0122】
また、余剰電力制御部101は、コージェネレーションシステム1における電力調整を行うものである。則ち、余剰電力制御部101は、外部から供給される電力量や、発電装置2において発生する電力量や、発電装置2に接続された電気機器等における電力消費量を検知し、その余剰電力をヒータ11において消費させることにより外部電源(図示せず)への電力の逆潮流を防止するものである。則ち、余剰電力制御部101は、外部電源への電力の逆潮流を検知し、この検知信号に基づきヒータ11のスイッチ21をON・OFFさせることによって発電装置2において発生したものの発電装置2に接続されている電気機器等では消費しきれない電力を消費させるものである。
【0123】
システム制御部102は、上記した各運転に則ってガスエンジン5および燃焼機6を稼働させ、これにより発生する熱によって湯水を加熱するものである。則ち、システム制御部102は、湯水の使用状況や、湯水の使用予定、余剰電力制御部101において検知された電力状況、則ち発電装置2における発電量やコージェネレーションシステム1およびコージェネレーションシステム1に接続された電気機器等における電力使用状況に応じて制御部100によりガスエンジン5および燃焼機6の駆動を制御し、湯水の加熱や発電を行う。
【0124】
続いて、本実施例のコージェネレーションシステム1における湯水の流れについて説明する。
コージェネレーションシステム1は、システム制御部102によって複数の運転状態に制御されるものであり、各運転毎に湯水の流れが異なる。則ち、システム制御部102は、貯留タンク31に湯水を貯留する排熱貯留運転と、給湯栓7から湯水を排出する給湯運転と、浴槽内に湯水を落とし込む落とし込み運転と、浴槽内の湯水を追い焚きする追い焚き運転と、暖房端末8の運転を行う暖房運転のいずれか1つあるいは複数の運転を選択的に行う。
【0125】
先ず、排熱貯留運転を行う場合の湯水の流れについて、図10を参照しながら説明する。排熱貯留運転を行う場合、発電装置2においてガスエンジン5が駆動を開始し、それに伴い排熱循環ポンプ16が作動して排熱循環回路12内を湯水が循環し始める。排熱循環回路12内を流れる湯水は、ガスエンジン5の駆動に伴い発生する排熱により加熱される。また、ガスエンジン5の駆動に伴い、発電機10において発生した電力のうち、発電機10に接続されたシステム1の外部にある電気機器等において消費しきれない余剰の電力によりヒータ11が作動し、排熱往路13内を流れる湯水がさらに加熱される。
【0126】
ガスエンジン5の起動直後等のように、排熱循環回路12内の湯水が低温である場合、三方弁25は、連通流路24を閉成し、排熱復路15とバイパス流路26とを連通するように作動する。そのため、排熱往路13内を流れる湯水は、バイパス流路26を介して排熱復路15側へと流れて循環し、排熱熱交換器30や暖房熱交換器57側には流れ込まない。そして、ガスエンジン5の駆動に伴って排熱循環回路12内の湯水が所定の温度以上となると、三方弁23および三方弁25が切り替わり、湯水が排熱熱交換器30内を循環し始める。
【0127】
一方、加熱装置3では、熱源循環ポンプ47が駆動を開始し、貯留タンク31の底部に設けられたタンク下部配管89から貯留タンク31内の湯水が熱源復路41側に流入する。熱源復路41内を流れる湯水は、排熱熱交換器30においてガスエンジン5の排熱やヒータ11によって加熱された湯水と熱交換を行って加熱された後、燃焼機6の流入口40から燃焼機6へ流入する。
【0128】
排熱貯留運転では燃焼機6は燃焼停止状態であるため、流入口40から流入した湯水は、燃焼機6内を素通りし、流出口37に接続された熱源往路38へと流出する。ここで、熱源往路38に流入する湯水の温度、則ち温度センサ39の検知温度が所定温度に達していない場合は、分岐給湯流路83の比例弁84が閉成され、暖房熱交電磁弁52あるいは追い焚き熱交電磁弁53のうち少なくともいずれか一方(本実施例では暖房熱交電磁弁53)が閉成される。これにより、貯留タンク31には、所定温度に達していない湯水が流入せず、燃焼機6を出た湯水は熱交換部45側の流路を流れて熱源循環回路32内を循環する。則ち、熱源往路38内を流れる湯水が低温である間は、熱源往路38の途中にある比例弁84の上流側と、貯留タンク31の下流側とをバイパスする熱交分岐流路94および熱交換部45に湯水を循環させ、湯水の温度上昇を待機する。
【0129】
一方、熱源往路38内を流れる湯水が所定温度以上となると、比例弁84が開成されると共に、熱交換部45の暖房熱交電磁弁52および追い焚き熱交電磁弁53の双方が閉成される。また、ここで混合弁80は、分岐給湯流路83に対して閉成されている。そのため、排熱熱交換器30において加熱され、所定温度に達している湯水は、貯留タンク31の上部に接続されたタンク上部配管87から流入し、貯留タンク31内に貯留される。則ち、貯留タンク31の底部に接続されたタンク下部配管89から排出された湯水が、排熱熱交換器30において加熱された後、貯留タンク31の頂部に接続されたタンク上部配管87から流入する。そのため、貯留タンク31内に貯留されている湯水は、下方から上方に向けて次第に高温となっている。則ち、貯留タンク31内に貯留されている湯水は、上下方向に層状の温度分布を形成している。貯留タンク31内に貯留されている湯水の略全体が所定温度以上となると、排熱貯湯運転による湯水の貯留が完了する。従って、貯留タンク31の下部温度センサ34dが所定の温度に達すると、システム制御部102は下部温度センサ34dよりも上方に貯留されている湯水が所定温度に達しているものと判断し、排熱貯湯運転を完了させる。
【0130】
続いて、コージェネレーションシステム1が給湯運転を行う場合の湯水の流れを図11を参照しながら説明する。貯留タンク31内に湯水が充分貯留されている場合、給湯栓7が開栓されると、給水流路85を介して外部から供給される低温の水の一部は、混合弁80に向けて供給される。一方、外部から供給される低温の水の一部は、給水流路85から分岐された給水流路91を介して貯留タンク31の底部に流入する。ここで、熱源復路41の途中に設けられた熱源循環ポンプ47は停止あるいは低回転で作動しており、比例弁84は閉成あるいは大幅に開度が絞られている。従って、貯留タンク31の底部から湯水が流入しても、湯水は殆ど熱源復路41をはじめとする閉回路H側には流出しない。そのため、貯留タンク31の底部から湯水が流入すると、この湯水によって貯留タンク31内に貯留されている湯水が上方に押し上げられる。その結果、貯留タンク31の上部側の高温の湯水がタンク上部配管87から排出される。タンク上部配管87から排出された湯水は分岐給湯流路83内を流れ、混合弁80側へと流れる。
【0131】
混合弁80は、分岐給湯流路83に対して開成されているため、タンク上部配管87から排出された湯水は混合弁80に流入する。混合弁80に流入した高温の湯水は、給水流路85を介して供給された低温の水と混合されて適温となり、給湯流路33を介して給湯栓7から排出される。則ち、貯留タンク31から流出し、分岐給湯流路83内を流れる湯水の温度を検知する温度センサ92と、外部から供給される水の温度を検知する給水温度センサ93と、混合弁80において混合され排出される湯水の温度を検知する給湯温度センサ95との検知温度に応じて、給湯栓7から排出される湯水の温度が適温となるように混合弁80における湯水の混合比率が調整される。混合弁80において混合された湯水は、給湯流路33および給湯栓7を介して外部に供給される。
【0132】
一方、貯留タンク31内の湯水が低温である場合は、図12に示すように燃焼機6により湯水が加熱され、この湯水が給湯栓7から排出される。則ち、貯留タンク31内の湯水が低温である状態で給湯栓7が開栓されると、熱源循環ポンプ47が起動し、比例弁84が開成される。また、熱交換部45にある暖房熱交電磁弁52および追い焚き熱交電磁弁53が閉成され、熱源往路38から熱交分岐流路94への湯水の流入が阻止される。更に、混合弁80は、熱源往路38を流れる湯水が流入する分岐給湯流路83および外部から導入される湯水が流れる給水流路85に対して開成される。そのため、外部から供給される低温の水の一部は、給水流路85を介して混合弁80に至り、混合弁80に接続された給湯流路33へと流れ込む。また、外部から供給された湯水の残部は、給水流路85から分岐された給水流路91を通じて貯留タンク31の下部から供給される。流量センサ81によって給湯流路33における水流が検知されると、燃焼機6が燃焼作動を開始する。
【0133】
給水流路91を介して外部から貯留タンク31の下部に流入した湯水は、タンク下部配管89から熱源復路41を介して燃焼機6に流入する。燃焼機6に流入した湯水は、燃焼作動に伴い発生した熱によって加熱された後、熱源往路38および分岐給湯流路83を通じて混合弁80に流入する。混合弁80に流入した高温の湯水は、外部から給水流路85を介して供給された湯水と混合されて適温に調整され、給湯流路33および給湯栓7を介して外部に供給される。
【0134】
上記したように、給湯栓7が開栓されると、システム制御部102は、コージェネレーションシステム1を給湯運転で作動させ、貯留タンク31内の湯水または燃焼機6によって加熱された湯水を用いて給湯を行う。給湯栓7が閉栓され、流量センサ81が水流を検知しなくなると、システム制御部102は燃焼機6の燃焼作動等を停止させ一連の動作を完了する。
【0135】
続いて、コージェネレーションシステム1が落とし込み運転を行う場合の湯水の流れを図13を参照しながら説明する。本実施例のコージェネレーションシステム1では、落とし込み運転を行う際に、追い焚き往路65に加えて追い焚き復路66からも湯水を浴槽に落とし込む構成を採っている。
【0136】
本実施例のコージェネレーションシステム1では、注湯弁73が開成され、流量センサ75が水流を検知すると、落とし込み運転を開始する。貯留タンク31内に湯水が充分貯留されている場合、落とし込み運転が開始されると、上記した給湯運転と同様にして浴槽へ落とし込まれる湯水の温度が調整される。則ち、給水流路85を介して外部から供給される低温の水の一部が、混合弁80に向けて供給される。その一方で、外部から供給される湯水の残部は、給水流路91を介して貯留タンク31の底部から流入する。これに伴い、貯留タンク31の上部側に貯留されている高温の湯水がタンク上部配管87から排出され、混合弁80に流れ込む。
【0137】
混合弁80に流入した高温の湯水は、給水流路85を介して供給された低温の水と混合されて適温に調整され、給湯流路33へと流出する。給湯流路33へ流入した湯水は、給湯流路33から分岐された注湯分岐流路71を流れ、追い焚き復路66に流入する。ここで、落とし込み運転の場合は追い焚き循環ポンプ68が停止しているため、追い焚き復路66に流入した湯水の一部は、追い焚き復路66を介して浴槽内に流入する。また、注湯分岐流路71から追い焚き復路66へと流入した湯水の残部は、追い焚き熱交換器43を迂回して追い焚き往路65から浴槽へと流入する。水位センサ67によって浴槽内の水位が所定の水位になったことが検知されると、注湯弁73が閉成され、一連の落とし込み運転が完了する。
【0138】
続いて、浴槽内の湯水の追い焚きを行う追い焚き運転における湯水の流れについて図14に示す作動原理図を参照しながら説明する。
追い焚き運転における各部の詳細な制御は、前記実施形態に示した加熱装置3における制御と同一である。追い焚き運転では、燃焼機6における燃焼作動により加熱された湯水と、浴槽内の湯水が循環する追い焚き循環回路36との熱交換により浴槽内の湯水を追い焚きする。
【0139】
さらに詳細に説明すると、コージェネレーションシステム1が追い焚き運転を開始すると、追い焚き循環ポンプ68が駆動する。これに伴い、水流スイッチ70が追い焚き復路66における湯水の流量が所定量であることを検知すると、熱源復路41に設けられた熱源循環ポンプ47が起動し、燃焼機6が起動する。またこの時、暖房熱交電磁弁52は閉成され、追い焚き熱交電磁弁53が開成される。これにより、追い焚き運転においては、燃焼機6から排出される湯水は、図14に示すように熱源往路38から熱交換部45の流路45bを経由し、熱源復路41を通過して燃焼機6に戻る経路で循環する。則ち、追い焚き運転においては、燃焼機6において加熱された高温の湯水が流路45bに設けられた追い焚き熱交換器43を通過して循環する。追い焚き循環ポンプ68の駆動に伴い追い焚き循環回路36内を循環する湯水は、追い焚き熱交換器43において燃焼機6において加熱された高温の湯水と熱交換を行い加熱される。
そして、リモートコントローラにより追い焚き運転のオフ操作が行われたり、追い焚き復路66の温度センサ69がリモートコントローラによる設定温度に達すると、一連の追い焚き運転を終了する。
【0140】
続いて、暖房端末8等の熱負荷を駆動させる暖房運転における湯水の流れについて図15および図16を参照しながら説明する。
暖房運転における各部の詳細な制御は、前記実施形態に示した加熱装置3における制御と同一である。コージェネレーションシステム1が暖房運転を開始すると、暖房循環ポンプ60が起動し、暖房循環回路35内を湯水が循環をはじめる。ここで、温度センサ54の検知温度、則ち暖房端末8側から戻る湯水の温度が所定温度以下である場合には、暖房循環回路35内を循環する湯水を加熱すべくガスエンジン5が起動する。また、暖房端末8側から戻る湯水の温度が極めて低い場合や、暖房端末8における設定温度が高い場合等は、ガスエンジン5に加えて燃焼機6が起動する。則ち、暖房運転では、暖房熱交換器57における熱交換によって暖房循環回路35内を循環する湯水を加熱し、更に場合によっては、暖房熱交換器42における熱交換を行うことによって暖房循環回路35内を循環する湯水を加熱する。
【0141】
さらに具体的には、図15の様に、発電装置2のガスエンジン5が起動すると、排熱循環ポンプ16が作動して排熱循環回路12内を湯水が循環する。排熱循環回路12内を流れる湯水は、ガスエンジン5の駆動に伴い発生する排熱により加熱され、高温となる。また、ガスエンジン5の駆動に伴い発電機10において発生した電力によりヒータ11が駆動し、排熱往路13内を流れる湯水がさらに加熱される。
【0142】
排熱循環回路12内の湯水が低温である間は、三方弁23およびサーモスタット式の三方弁25の作用により排熱往路13とバイパス流路26と排熱復路15とで構成される閉回路内を湯水が循環する。排熱循環回路12内を流れる湯水が所定温度以上に加熱されると、三方弁23およびサーモスタット式の三方弁25の作用により、湯水が排熱分岐往路61および排熱分岐復路62内を流れ、高温の湯水が暖房熱交換器57に供給される。暖房端末8側から暖房復路56を介して戻る湯水は、暖房熱交換器57において発電装置2側から供給される高温の湯水と熱交換を行い加熱される。ここで、暖房熱交換器57の下流側にある温度センサ54の検知温度が暖房端末8の設定温度である場合には、暖房熱交換器57において加熱された湯水を暖房熱交換器42側に送り込み、暖房熱交換器42に接続された暖房往路55を介して暖房端末8に供給する。
【0143】
一方、暖房端末8側から戻る湯水の温度が低い場合や、暖房端末8における設定温度が高い場合、則ち、暖房熱交換器57において熱交換を行うだけでは暖房端末8の設定温度に到達しない場合には、図16の様に、燃焼機6の駆動が開始されると共に熱源循環ポンプ47が駆動を開始する。熱源流量センサ50が熱源循環回路32における流水を検知すると、燃焼機6における燃焼作動が開始される。燃焼機6における燃焼作動によって加熱され、高温となった湯水は、熱交換部45の流路45aにある暖房熱交換器42を通過して燃焼機6側へと戻り、暖房循環回路35を介して暖房端末8へ熱供給を行う。
そして、リモートコントローラにより暖房運転のオフ操作が行われると、一連の追い焚き運転を終了する。
【0144】
尚、上記実施例では、コージェネレーションシステム1において各運転を単独で行う場合を例示したが、本発明はこのような単独運転に限定されるものではなく、前記実施形態に示した追い焚き・暖房同時運転や、給湯・暖房同時運転など、各運転を同時に行うことが可能である。
【0145】
上記実施例では、湯水を加熱する熱源部としてガスエンジン5と燃焼機6とを備えたコージェネレーションシステム1を例示したが、更に多くの熱源部を設けることも可能である。則ち、主として貯留タンク31内の湯水を加熱する熱源部、並びに、主として給湯や暖房、追い焚きに用いられる湯水を加熱する熱源部を各々複数ずつ設けた構成を採ることも可能である。
【0146】
また、上記実施例では、前記図10に示したように、発電装置2による排熱を利用した貯留運転を行う例を示したが、本発明はこのような構成に限られるものではなく、例えば、燃焼機6を駆動して追い焚き運転を行いつつ貯留タンク31へ湯水の貯留を行ったり、あるいは、燃焼機6を駆動して暖房運転を行いつつ貯留タンク31へ湯水の貯留を行うことも可能である。
更に、例えば、発電装置2に故障が発生したような場合に、排熱利用に代えて、燃焼機6を駆動して貯留運転を行うことも可能である。同様に、発電装置2の故障時に、前記図15に示した排熱利用による暖房に代えて燃焼機6を駆動して暖房を行うことも可能である。
【0147】
【発明の効果】
請求項1〜3に記載の発明によれば、給湯および暖房の各熱負荷に応じて燃焼機を最適な燃焼量で燃焼させつつ熱供給を行うことができ、運転性能を向上させつつ安定した燃焼制御を行う加熱装置を提供できる。
請求項4,5に記載の発明によれば、請求項1〜3に記載の加熱装置を用いてトータルエネルギー効率を向上させ、システム構築を容易にしたコージェネレーションシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る加熱装置の流路系統図である。
【図2】 図1に示す加熱装置の給湯運転および暖房運転に係る制御を示すフローチャートである。
【図3】 図1に示す加熱装置の給湯単独運転の制御を示すフローチャートである。
【図4】 図1に示す加熱装置の暖房単独運転の制御を示すフローチャートである。
【図5】 図1に示す加熱装置の給湯・暖房同時運転時における給湯制御を示すフローチャートである。
【図6】 図1に示す加熱装置の給湯・暖房同時運転時における暖房制御を示すフローチャートである。
【図7】 図4,図6のフローチャートにおける燃焼機給湯温度の安定判別処理を示すフローチャートである。
【図8】 図4,図6のフローチャートにおける燃焼機設定温度の調節処理を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の実施例に係るコージェネレーションシステムの流路系統図である。
【図10】 図9のコージェネレーションシステムにおいて、排熱貯湯運転を行う場合の作動原理図である。
【図11】 図9のコージェネレーションシステムにおいて、貯留タンクに貯留された湯水による給湯運転を行う場合の作動原理図である。
【図12】 図9のコージェネレーションシステムにおいて、燃焼機を駆動して給湯運転を行う場合の作動原理図である。
【図13】 図9のコージェネレーションシステムにおいて、ふろの落とし込み運転を行う場合の作動原理図である。
【図14】 図9のコージェネレーションシステムにおいて、ふろの追い焚き運転を行う場合の作動原理図である。
【図15】 図9のコージェネレーションシステムにおいて、発電装置の排熱を利用して暖房運転を行う場合の作動原理図である。
【図16】 図9のコージェネレーションシステムにおいて、発電装置の排熱と燃焼機の加熱による暖房運転を行う場合の作動原理図である。
【符号の説明】
1 コージェネレーションシステム
2 発電装置
3 加熱装置
6 燃焼機(熱源部)
7 給湯端末(給湯栓)
8 暖房端末
12 排熱循環回路
29 給湯回路
30 排熱熱交換部(排熱熱交換器)
31 貯留部(貯留タンク)
32 熱源循環回路
33,83 給湯流路(分岐給湯流路)
35 暖房回路(暖房循環回路)
36 追い焚き回路(追い焚き循環回路)
42 熱交換器(暖房熱交換器)
43 熱交換器(追い焚き熱交換器)
85,91 給水流路
102 システム制御部
103 燃焼制御部
Claims (5)
- 燃焼機を含む1または2以上の熱源部で加熱された湯水を循環させる熱源循環回路に、外部に設けられた給湯端末に接続される給湯回路と外部に設けられた暖房端末に接続される暖房回路を直接または熱交換器を介して接続し、給湯端末への給湯または暖房端末への熱エネルギーの供給またはこれらの双方を同時に行う加熱装置であって、前記暖房回路に対して単独に熱エネルギーを供給する暖房単独運転時には、前記燃焼機を暖房回路の暖房端末の要する熱エネルギーに応じた燃焼パターンで燃焼させ、当該暖房単独運転を除く他の運転時には、前記燃焼機を給湯回路の給湯端末の要する熱エネルギーに応じた燃焼パターンで燃焼させ、前記暖房単独運転を除く他の運転時から暖房単独運転に移行したときは、暖房単独運転において前記燃焼機が燃焼を停止している期間に燃焼機の燃焼パターンを前記給湯端末に応じた燃焼パターンから暖房端末に応じた燃焼パターンに切り換えることを特徴とする加熱装置。
- ふろ端末に接続される追い焚き回路を、前記給湯回路および暖房回路に並列に熱交換器を介して前記熱源循環回路に接続したことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
- 前記給湯回路は、外部に設けられた給湯端末またはふろ端末へ給湯を行う給湯流路と外部に設けられた給水端末から給水を受ける給水流路を組み合わせて形成され、当該給湯流路と給水流路との間に前記熱源循環回路で加熱された湯水を貯留する貯留部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加熱装置に電気機器へ電力を供給する発電装置を併設したコージェネレーションシステムであって、前記発電装置は、発電に伴って生じる排熱を熱媒体へ熱交換して循環させる排熱循環回路を有し、当該排熱循環回路と前記熱源循環回路との間に排熱熱交換部を介在させ、前記熱源部の一つが排熱熱交換部で形成されることを特徴とするコージェネレーションシステム。
- 請求項4に記載のコージェネレーションシステムにおいて、前記加熱装置および発電装置の制御を統括するシステム制御部を備えると共に前記加熱装置は燃焼機の燃焼制御を行う燃焼制御部を備え、コージェネレーションシステムが暖房単独運転を行うときは、前記システム制御部から燃焼制御部へ暖房単独指令信号を送出することを特徴とするコージェネレーションシステム。
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