JP2005249340A - 給湯システム - Google Patents

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寿洋 佐藤
Takafumi Suzuki
孝文 鈴木
Takuro Hagino
卓朗 萩野
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Abstract

【課題】 給湯器の入水温度を検出するための検出センサを不要化し、それでも、貯湯槽の温水を利用して給水している状態から給湯器で加熱して給水する状態に切換える際に生じる給湯温度の変動を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】 給湯ユニット10では、通水が検知されて、熱交換器内通過時間tx〔(4)の破線部分〕の経過を待って入水温度Tiの更新を開始する。蓄熱利用運転中〔(4)の一点鎖線部分〕は、給湯温度Toを入水温度Tiとし、加熱量Qが0(ゼロ)に演算されるようにする。給湯器利用運転を開始すると〔(4)の直線部分〕、給湯温度Toと流量Wから入水温度Tiを演算し、温水を設定給湯温度Tsまで昇温させるのに要する加熱量Qを演算する。蓄熱利用運転中から加熱量Qを演算しているため、バーナ熱交換器52に流入する温水の温度が急激に低下するときであっても、加熱量Qの演算をスムーズに追随させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、給湯システムに関する。詳しくは、発電熱や太陽熱等で加熱された温水を貯湯槽に貯湯しておき、貯湯槽に貯湯しておいた温水を利用して必要時に給湯するシステムに関する。
発電熱や太陽熱等で加熱された温水を貯湯しておいて給湯するシステムによると、総合的なエネルギー効率が高まり、給湯のためのランニングコストが低減できる。
給湯システムの場合、予め操作者が設定しておく温度(以下では設定給湯温度という)の温水を給湯する。貯湯槽に貯湯しておいて給湯する場合、貯湯槽に貯湯されている温水温度が設定給湯温度よりも高ければ水道水と混合して設定給湯温度に調温してから給湯する必要があり、貯湯槽からの温水と水道水を混合するミキシングユニットが利用される。ミキシングユニットの混合比は調整可能であり、ミキシングユニットで混合された混合温水温度が設定給湯温度となる混合比に調整する。貯湯槽に貯められている温水を利用し尽くしてしまうと、貯湯槽からの温水量を増加させて混合する水道水の量を減少させても、混合温水温度を設定給湯温度に維持できなくなり、混合温水温度が設定給湯温度よりも低下してしまう。そうなっても、設定給湯温度の温水が給湯できるように、ミキシングユニットの下流に加熱機能を有する給湯器が組込まれる。
ミキシングユニットで混合された混合温水温度が設定給湯温度に維持できる間は、混合温水が給湯器を単に通過するだけであり、給湯器の加熱機能は利用されない。混合温水温度が設定給湯温度に維持できなくなり、混合温水温度が設定給湯温度よりも低下してしまう場合には、給湯器の加熱機能を活用して設定給湯温度に加熱する。給湯器の加熱量は、給湯器に送込まれる水(正確にいうと貯湯槽に温水が残っている間は混合温水であり、貯湯槽から温水がなくなると水道水になる)の温度と給湯器を通過する水の流量と設定給湯温度に基づいて調整され、給湯器で加熱されると設定給湯温度に調温されるように制御する。
給湯システムの場合、随所で温度を検出する必要がある。検出する必要がある箇所毎に温度検出センサを設けると、その数が増大し、給湯システムの製造コストを押上げる。他の温度検出値から推定計算できる温度については、推定計算することによって温度検出センサの必要数を減少させる技術が必要とされる。
給湯器の加熱量を調整するためには、給湯器に送込まれる水の温度と給湯器を通過した水の温度を検出し、給湯器を通過した水の温度が設定給湯温度に一致するように制御する必要がある。普通にすると、給湯器に送込まれる水の温度と給湯器を通過した水の温度が検出できるように、2個の温度検出センサを利用することなる。普通のやり方では、温度検出センサの数が増大してしまう。
そこで、特許文献1の技術が開発されている。この技術では、給湯器を通過する水の流量と給湯器の加熱量が判明すれば、給湯器で加熱されることによって水温が上昇する幅を計算できるというロジックを採用する。水温上昇幅が判明すれば、給湯器を通過した水の温度から、給湯器に送込まれる水の温度を推定計算することができることになり、給湯器に送込まれる水の温度を検出するセンサを不要化することができる。
特許文献1の技術では、給湯器の加熱開始時に給湯器の入水側(上流側)にあった水が給湯器の下流に設置されている給湯温度検出手段の存在部位に移動するまで間は、給湯器に送込まれた水の温度を推定することができない。
給湯器が加熱運転していなければ、給湯器の下流に設置されている給湯温度検出手段で検出される温度が給湯器に送込まれる水の温度に等しいとしてもよいように思われる。実際、加熱運転が終了して相当時間が経過すれば、給湯器の上流側の水の温度と下流側の水の温度は等しくなり、給湯温度検出手段で検出される水の温度が給湯器に送込まれる水の温度に等しくなる。しかしながら、加熱運転が終了した直後には、給湯器の下流側の水は給湯器によって加熱されており、給湯器の上流側の水の温度に一致していない。加熱運転されていないからといって、給湯器の上流側の水の温度と下流側の水の温度が等しいとすることはできない。特許文献1の技術では、給湯器の加熱開始時には給湯器の上流側にあった水が給湯器で加熱され、給湯器の下流側に設置されている給湯温度検出手段の存在部位に移動するまで間は、給湯器に送込まれた水の温度を推定することができない。
そこで、特許文献1の技術では、前回の加熱運転の終了時に推定された給湯器に送込まれた水の温度を記憶し、次回の加熱運転の開始時には、記憶された温度の水が給湯器に送込まれるものとして給湯器の加熱量を調整する。
これをデータ処理からみると次の処理を実行することに相当する。
・給湯器を通過する水の流量と給湯器の加熱量から、給湯器に送込まれる水の温度を推定計算する入水温度推定計算を実施することによって、入水温度センサを不要とする。
・入水温度推定計算結果を記憶しておく。
・記憶された入水温度の推定値に基づいて給湯器の加熱量を調整する。
・給湯器の加熱開始時に給湯器の上流側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動するまでの間は、記憶されている入水推定温度を、入水温度推定計算結果で更新しない。その間は、推定ロジックが成立しない可能性があるからである。
・加熱開始時に給湯器の上流側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動した後は、時々刻々と推定される入水温度で、記憶されている入水推定温度を更新する。
この技術は信頼性が高く、入水温度検出センサを不要化し、しかも実際の給湯温度を設定給湯温度によく一致させる。
特開平6−257852号公報
従来の給湯器は、水道水が送込まれることを前提としており、水道水が流れはじめれば加熱するロジックを採用している。加熱開始に先立って給湯を開始していることはない。給湯箇所から給湯される温水は、最初は水であり、徐々に設定給湯温度の温水に変化していく。変化に要する時間を短縮することが望まれているが、給湯開始時には冷水が供給さされ、それが温水に変わるまでの間の給湯温度が設定給湯温度に維持されないことは当然のことであり、そのことは需要者によって受入れられている。
しかしながら、貯湯槽とミキシングユニットと給湯器を利用して給湯するシステムでは、給湯器で加熱し始めるのに先立って給湯を開始していることが多い。貯湯槽とミキシングユニットで調温した混合温水を給湯している間に貯湯槽から温水がなくなったために、給湯器で加熱し始めることが多い。
給湯開始時に冷水から温水に変わるまでの間の給湯温度が設定給湯温度に維持されないことは需要者によって受入れられており、例えばシャワーを利用する場合でも給湯温度が設定給湯温度にまで上昇するのを待ってシャワーを利用する。しかしながら、給湯中に貯湯槽の温水がなくなったために給湯器で加熱し始めたときの給湯温度が設定給湯温度からずれると、既に給湯を利用し始めているシャワー利用者等は大変に不快な思いをすることになる。
従来の技術では、給湯器の前回の加熱運転終了時に推定された入水温度が、給湯器の次回の加熱運転開始時の入水温度に等しいとする。
水道水温度は季節によって緩やかに変動するものであり、給湯器に水道水が送込まれる限り、前回の加熱運転終了時の入水温度と次回の加熱運転開始時の入水温度がほぼ等しいとすることができる。従来の技術で、全く問題はない。
しかしながら、ミキシングユニットで設定給湯温度に維持できる間は給湯器で加熱せずに給湯し、ミキシングユニットで設定給湯温度に維持できなくなったら給湯器で加熱して給湯を続ける場合には、前回の加熱運転終了時の入水温度と次回の加熱運転開始時の入水温度がほぼ等しいとすることはできない。前回の加熱運転終了時の入水温度は多くの場合には水道水温度であるのに対し(前日にも貯湯槽の温水を使いきれば水道水のみを入水して加熱した状態で給湯器の運転は終了している。発電熱や太陽熱を有効に活用するシステムを安価に構成するためには、使いきらないで翌日に残る温水量がほぼゼロになるように設定する必要があり、貯湯槽の温水が使いきられることはむしろ常態である)、次回の加熱運転開始時の入水温度は設定給湯温度よりも僅かに低い値であり(設定給湯温度に維持できなくなった直後に加熱運転を開始する)、前回の加熱運転終了時の入水温度と次回の加熱運転開始時の入水温度がほぼ等しいとすることはできない。
貯湯槽とミキシングユニットと給湯器を利用して給湯するシステムでは、前回の加熱運転終了時の入水温度と次回の加熱運転開始時の入水温度がほぼ等しいとして加熱量を調整すると、貯湯槽の温水を利用して給水している状態から給湯器で加熱して給水する状態に切換える際に給湯温度が一時的に大きく変動する問題が生じてしまう。しかもこの間も利用者は給湯を継続して利用しており、一時的な給湯温度の変動が利用者に大きな不快感を与える。
本発明は、給湯器の入水温度を検出するための検出センサを不要化し、それでも、貯湯槽の温水を利用して給水している状態から給湯器で加熱して給水する状態に切換える際に生じる給湯温度の変動を抑制することができる技術を提供する。
本発明で創作された給湯システムは、温水を貯える温度成層式の貯湯槽と、貯湯槽からの温水と水道水を混合する混合比が調整可能なミキシングユニットと、ミキシングユニットを通過した混合温水を必要に応じて加熱する給湯器を備えている。操作者が設定した給湯温度を記憶している手段を備えており、ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持できる間は、ミキシングユニットで設定給湯温度に調温し、給湯器では加熱しない。ミキシングユニットで設定給湯温度に調温するために、貯湯槽からの温水の温度を検出する温水温度検出手段と、水道水の温度を検出する水道水温度検出手段と、検出された温水温度と検出された水道水温度と設定されている給湯温度に基づいて混合温水温度が設定給湯温度となる混合比にミキシングユニットを調整する手段を備えている。
ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持できなくなると、ミキシングユニットを通過した混合温水(貯湯槽から温水がなくなれば水道水となる)を給湯器で加熱して設定給湯温度に調温する。給湯器で設定給湯温度に調温できるようにするために、給湯器を通過した温水の温度を検出する給湯温度検出手段と、給湯器を通過する温水の流量を検出する給湯流量検出手段と、給湯器の加熱量と検出された給湯温度と検出された給湯流量に基づいて給湯器に送込まれた水の温度を推定する入水温度推定手段を備えている。入水温度推定手段による推定値は、入水温度記憶手段に記憶される。
給湯器を制御するために、混合温水温度が設定給湯温度に一致している間は給湯器の加熱運転を禁止し、混合温水温度が設定給湯温度未満となると給湯器の加熱運転を開始する制御手段と、入水温度記憶手段の記憶値と設定給湯温度と検出された給湯流量に基づいて給湯器の加熱量を調整する手段が用意されている。
入水温度が誤って更新されることを禁止するために、給湯開始時から給湯開始時に給湯器の入水(上流)側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動するまで間は、入水温度記憶手段に記憶されている入水温度を入水温度推定手段で推定された入水温度に更新することを禁止する更新禁止手段を備えている。更新禁止手段は、給水開始時に給湯器の入水側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動した後は更新を許可するために、給湯器が加熱しない場合にも更新処理が実行される。給湯器で加熱しない場合は加熱量がゼロであり、給湯温度検出手段で検出された給湯温度が入水温度であると推定される。
従来の給湯器では、給湯器の加熱開始時から加熱開始時に給湯器の入水側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動するまで間は、入水温度記憶手段に記憶されている入水温度を更新しない。加熱開始時に給湯器の入水側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動するのを待って入水温度を更新し始める。入水温度は加熱量の調整に必要とされる量であるために、加熱運転中に更新することが理にかなっている。
しかしながら、ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持できる間は給湯器で加熱せず、その間はミキシングユニットで混合された混合温水が給湯器を通過するだけの運転が行われるようになると、給湯器の下流に設けられている給湯温度検出手段の検出値で入水温度を推定する機会が増える。加熱されていなくても、給湯開始時に給湯器の入水側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動すれば、給湯温度検出手段で検出される検出値が入水温度に等しいと推定することが可能となる。
本給湯システムでは、加熱量の調整のために入水温度を推定する必要があり、ミキシングユニットで混合された混合温水が給湯器を単に通過するだけで給湯器で加熱しない間は加熱量を調整する必要がなく、従って入水温度を推定する必要がないのにもかかわらず、あえて、その状態でも入水温度を推定して入水温度記憶手段に記憶されている入水温度を更新(学習)する。
更新(学習)を進める結果、ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持できる間に、入水温度記憶手段に記憶されている入水温度は、設定給湯温度に調温された混合温水の温度に更新される。
ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持できなくなると給湯器が加熱し始める。設定給湯温度に維持できなくなった直後の混合温水が給湯温度検出手段の存在部位に到達すると、入水温度は設定給湯温度よりも僅かに低い温度に更新され、それによって加熱量が調整される。ミキシングユニットで混合された混合温水の温度がさらに低下すると、給湯温度検出手段の検出値が下がり、それを補償するために加熱量が増大され、その増大した加熱量で入水温度を推定するために、推定された入水温度は混合温水の温度低下によく追従する。
本給湯システムによっても、ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持できなくなるために給湯器で加熱し始めるときに、給湯温度が変動することは避けられない。しかしながらその変動温度幅が小さく抑制され、短時間で収束することが確認されている。
ミキシングユニットで混合された混合温水が給湯器を単に通過するだけで給湯器で加熱しない間は入水温度を推定する必要がないのにもかかわらず、あえて推定して入水温度記憶手段に記憶されている入水温度を更新するようにすると、給湯器で加熱し始めるときの給湯温度の変動幅を小さく抑制することができ、短時間で収束できるようになる。
給湯器には、通過する混合温水または水道水を加熱する熱交換器と、その熱交換器をバイパスするバイパス経路と、バイパス経路を開閉する開閉手段を備えているものがある。この場合、ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持されている間はバイパス経路を全開する開度調整手段を備えていることが好ましい。
給湯器が内蔵する熱交換器は、加熱空気と水の間で熱交換するものであり、空気が加熱されておらないで水が加熱されていれば、温水を冷却することになる。ミキシングユニットで設定給湯温度に調温しても、加熱運転しない給湯器の熱交換器を通過する間に冷却されてしまう。
ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持されている間は熱交換器をバイパスするバイパス経路を全開することによって、設定給湯温度に調温された混合温水が給湯器で冷却されることを抑制することができる。
ミキシングユニットからの混合温水温度が設定給湯温度未満となると、混合温水温度が設定給湯温度から着火時上昇温度を減じた温度となる混合比にミキシングユニットを調整する手段が付加されていることをが好ましい。
給湯器の加熱量は連続的には調整できず、段階的に調整できるに過ぎないことが多い。このときにはミキシングユニットからの混合温水温度が設定給湯温度未満となると、加熱量を最小として燃焼を開始させる。最少の加熱量で加熱開始したときに給湯器で加熱される温度上昇幅を着火時上昇温度という。
ミキシングユニットからの混合温水温度が設定給湯温度に維持できなくなれば、速やかに設定給湯温度から着火時上昇温度を減じた温度に調温することによって、最少の加熱量で加熱開始した給湯器で加熱された温水が設定給湯温度に調温されることになる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1)
貯湯槽から送り出される温水の温度が設定給湯温度より高温であるときは、貯湯槽から送り出される温水をミキシングユニットで水道水と混合して設定給湯温度に調温して給湯する。貯湯槽から送り出される温水の温度が設定給湯温度より低温であるときは、貯湯槽から送り出される温水を給湯器のバーナによって設定給湯温度まで加熱して給湯する。
(形態2)
給湯器へ流入する入水温度は、サーミスタ等で直接検出せず、給湯器から流出する給湯温度と、給湯流量と、給湯器の加熱量から推定される。給湯器の加熱量は、給湯器のバーナに供給されるガス流量から求められる。
(形態3)
ミキシングユニットと給湯器の間の配管容量と、その時の流量から、ミキシングユニットで設定給湯温度から着火時上昇温度を差し引いた温度に調温された温水が、給湯器に流入するタイミングを演算する。このタイミングで給湯器のバーナが着火するようにする。
本発明の給湯システムをコージェネレーションシステムに組込んだ実施例を図面を参照しながら説明する。図1は本実施例に係る給湯システムが組込まれたコージェネレーションシステムの系統図である。
本実施例のコージェネレーションシステムは、図1に示すように、発電ユニット110と給湯ユニット10等を備えている。
発電ユニット110は、改質器112、燃料電池114、熱交換器116、118、熱媒放熱器120、熱媒三方弁122、それらを接続する経路等を備えている。
改質器112には、バーナ131が設けられている。バーナ131が作動して熱を発生すると、改質器112は炭化水素系のガスから水素ガスを生成する。熱交換器116を燃焼ガス経路126が通過している。燃焼ガス経路126の一端は改質器112に接続され、他端は外部に開放されている。燃焼ガス経路126は、熱交換器116にバーナ131が発生する燃焼ガスを導き、熱交換によって温度が低下した燃焼ガスを外部に排出する。熱交換器116には、循環経路128も通過している。循環経路128は、循環復路128aと、循環往路128bから構成されており、給湯ユニット10に接続されている。循環経路128が給湯ユニット10にどのように接続されているのかについては、後述にて詳細に説明する。循環経路128は、温水を流通させる。循環経路128を流れる温水は、熱交換器116を通過することによって燃焼ガス経路126を流れる燃焼ガスで加熱され、温度が上昇する。
燃料電池114は、複数のセルを有している。燃料電池114と改質器112は、水素ガス供給経路121によって接続されている。改質器112で生成された水素ガスは、水素ガス供給経路121を流れて燃料電池114に供給される。燃料電池114は、改質器112から供給された水素ガスと、空気中の酸素とを反応させて発電を行う。燃料電池114は、発電すると発電熱を発生する。
熱媒循環経路124は、燃料電池114、熱交換器118、リザーブタンク125、熱媒ポンプ127、熱媒三方弁122を通って燃料電池114に戻る循環経路を形成している。熱媒循環経路124の燃料電池114の下流側には、熱媒温度センサ117が装着されている。熱媒温度センサ117は、熱媒循環経路124を流れる熱媒の温度を検出する。熱媒温度センサ117の検出信号は、給湯ユニット10に装着されているコントローラ21に出力される。
熱媒三方弁122は、1つの入口122aと、2つの出口122b、122cを備えている。熱媒三方弁122は、入口122aと出口122bを連通させるか、入口122aと出口122cを連通させるかを切換える。
熱媒三方弁122の出口122bと、熱媒循環経路124の熱媒三方弁122の出口122cの下流側とを接続する冷却経路129が設けられている。熱媒循環経路124と冷却経路129は、熱媒としての純水を流通させる。冷却経路129の途中には、熱媒放熱器120が装着されている。熱媒放熱器120に隣接して、熱媒冷却ファン119が設けられている。熱媒冷却ファン119を運転すると、空気が熱媒放熱器120に吹付けられ、冷却経路129を流れる熱媒が冷却される。
改質器112、燃料電池114、バーナ131、熱媒三方弁122、熱媒ポンプ127、熱媒冷却ファン119は、コントローラ21によって制御される。
燃料電池114が作動すると、熱媒三方弁122の入口122aと出口122cが連通されるとともに、熱媒ポンプ127が運転される。熱媒ポンプ127が運転されると、熱媒循環経路124を熱媒が循環する。熱媒循環経路124を熱媒が循環することにより、燃料電池114から発電熱が回収される。熱媒によって回収された発電熱は、熱媒とともに熱交換器118まで運ばれ、循環経路128を流れる温水を加熱する。循環経路128については後述する。
熱媒温度センサ117が検出した熱媒温度が高くなりすぎると、熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通される。また、同時に熱媒冷却ファン119が運転される。熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通されると、熱媒は冷却経路129に流入し、熱媒放熱器120を通過する。熱媒は、熱媒放熱器120を通過することによって冷却される。熱媒放熱器120は、熱媒冷却ファン119から空気が吹付けられることにより、高い効率で熱を放熱する。熱媒の温度が低下すると、熱媒三方弁122の入口122aと出口122cが再び連通される。このような熱媒三方弁122の切換えが繰返されることにより、熱媒の温度は、所定範囲内に維持される。
給湯ユニット10は、貯湯槽20、給湯器22、ミキシングユニット24、これらを連通する複数の経路、コントローラ21等を備えている。
貯湯槽20の底部には、貯湯槽20に水道水を給水する給水経路26が接続されている。給水経路26の入口26aの近傍には、減圧弁28が装着されている。給水経路26の減圧弁28の下流側とミキシングユニット24の給水入口24aは、ミキシングユニット給水経路30によって接続されている。減圧弁28は、貯湯槽20とミキシングユニット24への給水圧力を調整する。貯湯槽20内の温水が減少したり、ミキシングユニット24の給水入口24aが開いたりすると、減圧弁28の下流側圧力が低下する。減圧弁28は、下流側圧力が低下すると開き、その圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯槽20内の温水が減少したり、ミキシングユニット24の給水入口24aが開いたりすると、それらに水道水が給水される。
貯湯槽20の上部には出口部20aが設けられており、さらにその上にリリーフ弁31が装着されている。リリーフ弁31の開弁圧力は、減圧弁28の調圧値よりも僅かに大きく設定されている。減圧弁28の調圧が不能になった場合には、リリーフ弁31が開き、貯湯槽20内の圧力が耐圧々力を超えるのを防止する。リリーフ弁31には、圧力開放経路32の一端32aが接続されている。圧力開放経路32の他端32bは、貯湯槽20の外部に開放されている。
貯湯槽20の底部と、圧力開放経路32の他端32b近傍を接続する排水経路33が設けられている。排水経路33の途中には、排水弁34が装着されている。排水弁34は手動で開閉することができる。排水弁34を開くと、貯湯槽20内の水が排水経路33と開放経路32を通って外部に排水される。
貯湯槽20は、発電ユニット110の循環経路128(循環復路128a、循環往路128b)と接続されている。詳しくは、循環復路128aが貯湯槽20の上部に接続され、循環往路128bが貯湯槽20の下部に接続されている。これによって、貯湯槽20と発電ユニット110との間の循環経路が形成されている。循環往路128bの途中には、循環ポンプ40が装着されている。循環復路128aに復路サーミスタ45が取付けられ、循環往路128bに往路サーミスタ44が取付けられている。復路サーミスタ45は循環復路128a内の温水の温度を検出し、往路サーミスタ44は循環往路128b内の温水の温度を検出する。復路サーミスタ45と往路サーミスタ44の検出信号は、コントローラ21に出力される。
循環ポンプ40が作動すると、貯湯槽20の底部から冷水が吸出される。貯湯槽20から吸出された冷水は、循環往路128bを流れてから発電ユニット110の熱交換器118、116を通過することによって加熱されて温度が上昇する。温度が上昇した温水は、循環復路128aを流れて貯湯槽20の上部に戻される。このように、貯湯槽20の底部から吸出された冷水が、発電ユニット110の熱交換器118、116によって加熱されて高温になり、貯湯槽20の上部に戻される循環が行われることにより、貯湯槽20に高温の温水が貯えられる。貯湯槽20内の温度が低い状態から、貯湯槽20に発電ユニット110から高温の温水が供給されると、その供給が貯湯槽20の上部に行われることから、貯湯槽20に貯められている冷水の上部に、高温の温水層(以下、「温度成層」と言う)が形成される。温度成層よりも深くなると、温水の温度は急激に低下する。貯湯槽20に高温の温水が供給され続けると、温度成層の厚さ(深さ)は次第に大きくなり、貯湯槽20にフルに蓄熱された状態では、貯湯槽20の全体に高温の温水が貯まった状態になる。温度成層が形成されることにより、貯湯槽20にフルに蓄熱が行われていなくても、貯湯槽20の最上部に設けられている出口部20aからは、高温の温水が送り出される。
コントローラ21は、CPU、ROM、RAM等を備えており、CPUがROMに格納されている制御プログラムを処理することにより、給湯ユニット10を制御する。RAMには、コントローラ21に入力される各種信号や、CPUが処理を実行する過程で生成される種々のデータが一時的に記憶される。コントローラ21には、リモコン23が接続されている。リモコン23には、給湯ユニット10を操作するためのスイッチやボタン、給湯ユニット10の動作状態を表示する液晶表示器等が設けられている。リモコン23には、操作者が給湯温度を入力するために操作する操作部が設けられており、操作者は給湯温度を指定する。操作者が設定した給湯温度は、コントローラ21に記憶される。
貯湯槽20の上部から30リットルの箇所に上部サーミスタ35が取付けられ、下部に下部サーミスタ36が取付けられている。上部サーミスタ35と下部サーミスタ36は、貯湯槽20内の温度を検出する。上部サーミスタ35と下部サーミスタ36の検出信号は、コントローラ21に出力される。
ミキシングユニット24は、温水入口24c、混合温水出口24b、第1流量センサ67、温水サーミスタ50、給水サーミスタ48、混合温水サーミスタ54、ハイカットサーミスタ55、および既に説明した給水入口24aを有している。貯湯槽20の出口部20aとミキシングユニット24の温水入口24cは、温水経路42によって接続されている。第1流量センサ67は、混合温水出口24bから流出する混合温水の流量を検出する。温水サーミスタ50(特許請求の範囲でいう温水温度検出手段に相当)は、温水入口24cに流入する温水の温度を検出する。給水サーミスタ48(特許請求の範囲でいう水道水温度検出手段に相当)は、給水入口24aに流入する水道水の温度を検出する。混合温水サーミスタ54とハイカットサーミスタ55は、混合温水出口24bから流出する混合温水の温度を検出する。第1流量センサ67、温水サーミスタ50、給水サーミスタ48、混合温水サーミスタ54、ハイカットサーミスタ55の検出信号は、コントローラ21に出力される。
コントローラ21は、混合温水サーミスタ54の検出信号を用いて、温水入口24c側の開度と、給水入口24a側の開度を変化させる。温水入口24c側の開度と、給水入口24a側の開度を変化させると、貯湯槽20からの温水と、水道水(冷水)とのミキシング割合が調整される。貯湯槽20からの温水と水道水とのミキシング割合が調整されると、混合温水出口24bから流出する混合温水の温度が所定値に維持される。コントローラ21は、ハイカットサーミスタ55によって混合温水の温度が前記所定値を大きくオーバーしたことが検出された場合(すなわち、混合温水サーミスタ54、あるいはミキシングユニット24が故障した可能性が高い場合)に、混合温水出口24bを閉じる。混合温水出口24bが閉じると、前記所定値を大きくオーバーした温度の混合温水が、給湯器22に供給されてしまうのが防止される。
ミキシングユニット24の混合温水出口24bと給湯器22のバーナ熱交換器52(後述する)は、温水経路51によって接続されている。
給湯器22は、バーナ熱交換器52、60、バーナ56、57、追焚き熱交換器58、補給水弁59、シスターン61等を備えている。
バーナ熱交換器52には、温水経路51を経由してミキシングユニット24から混合温水が流入する。バーナ熱交換器52には、熱交換器サーミスタ53が装着されている。熱交換器サーミスタ53は、バーナ熱交換器52内の温水の温度を検出する。熱交換器サーミスタ53の検出信号は、コントローラ21に出力される。温水経路51には、第2流量センサ47(特許請求の範囲でいう給湯流量検出手段に相当)が装着されている。第2流量センサ47の検出信号は、コントローラ21に出力される。ガス燃焼式のバーナ56は、バーナ熱交換器52を加熱する。バーナ熱交換器52の下流側と、給湯栓64は、給湯栓経路63によって接続されている。給湯栓64は、浴室、洗面所、台所等に配置されている(図1では、これら複数の給湯栓を給湯栓64によって代表している)。給湯栓経路63には、給湯サーミスタ65(特許請求の範囲でいう給湯温度検出手段に相当)が装着されている。給湯サーミスタ65は、バーナ熱交換器52から流出する温水の温度を検出する。給湯サーミスタ65の検出信号は、コントローラ21に出力される。
温水経路51には、バーナ熱交換器52をバイパスするバイパス管37(特許請求の範囲でいうバイパス経路に相当)が形成されている。バイパス管37にはバイパスサーボ38(特許請求の範囲でいう開閉手段に相当)が設けられている。バイパスサーボ38の開度はコントローラ21によって制御され、内蔵しているステッピングモータが駆動されることによって開度が調整される。バイパスサーボ38が開かれると、温水経路51のバーナ熱交換器52の上流側から分岐し、バイパス管37を通り、温水経路51のバーナ熱交換器52の下流側に合流するバイパス経路が形成される。コントローラ21によってバイパスサーボ38の開度を制御することによって、バーナ熱交換器52への流量に対するバイパス管37への流量の割合であるバイパス比が制御される。
ここで、バイパス比を制御する場合について説明する。給湯が停止されたとき、バーナ56によって加熱された温水がバーナ熱交換器52内に滞留する。バーナ56が消火されても、熱交換器内の温水は余熱によってさらに加熱されるため、設定給湯温度より高温となる。もし、この状態で再給湯要求があると、設定給湯温度より高温の温水が給湯されてしまい、使用者に不快感を与えてしまう。従って、再給湯時に、バーナ熱交換器52から給湯栓経路63へ流出する高温水に、バイパス管37からの低温水を混合して給湯するようにする。まず、熱交換器サーミスタ53によってバーナ熱交換器52内の温水の温度を把握し、混合温水サーミスタ54によってバイパス管37内の温水の温度を把握する。給湯が停止された後、給湯栓経路63内の温水と、バイパス管37内の温水との間で熱の置換が起こるため、バイパス管37内の温水温度を把握する際には、この置換による温度上昇も考慮に入れられる。そして、バーナ熱交換器52から流出する高温水に、バイパス管37から加熱前の低温水を混合して、給湯温度が設定給湯温度となるようにバイパスサーボ38の開度を制御する。これによって、再給湯時に、設定給湯温度より高温の温水が給湯されて使用者に不快感を与えてしまう不具合は解消される。
給湯器22内の温水経路51の途中から、シスターン入水経路62が分岐している。シスターン入水経路62の開放端は、シスターン61の上部に差し込まれている。シスターン入水経路62の途中には、補給水弁59が設けられている。補給水弁59は、コントローラ21によって制御され、内蔵しているソレノイドが駆動されることによって開閉する。補給水弁59が開かれると、ミキシングユニット24からの温水がシスターン61に供給される。
シスターン61内には、水位電極66が装着されている。水位電極66は、棒状のハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bを有している。ハイレベルスイッチ66aの下端は、シスターン61のハイレベル水位に位置している。ローレベルスイッチ66bの下端は、シスターン61のローレベル水位に位置している。ハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bは、水に触れていると検出信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、水位電極66からの検出信号によって、シスターン61の水位がハイレベル水位を超えているか、ハイレベル水位とローレベル水位の間にあるか、ローレベル水位よりも低いかを判別する。シスターン61として適正なのは、水位がハイレベルとローレベルの間に位置している状態である。コントローラ21は、水位電極66からの水位検出信号に基づいて補給水弁59を開閉制御し、シスターン61の水位を適正範囲に維持する。
シスターン61の底部には、シスターン出水経路68の一端が接続されている。シスターン出水経路68の途中には、暖房ポンプ69が装着されている。暖房ポンプ69は、コントローラ21によって制御される。シスターン出水経路68の他端は、バーナ上流経路71と低温水経路70とに分岐している。バーナ上流経路71は、シスターン出水経路68とバーナ熱交換器60の上流側とを接続している。バーナ上流経路71には、内部を流れる温水の温度を検出する暖房低温サーミスタ72が装着されている。暖房低温サーミスタ72の検出信号は、コントローラ21に出力される。
ガス燃焼式のバーナ57は、バーナ熱交換器60を加熱する。バーナ熱交換器60の下流とシスターン61は、高温水経路73によって接続されている。高温水経路73には、上流側から順に、暖房高温サーミスタ74、暖房端末熱動弁75、暖房端末機76が装着されている。
暖房高温サーミスタ74は、高温水経路73を流れる温水の温度を検出する。暖房高温サーミスタ74の検出信号は、コントローラ21に出力される。
暖房端末機76は、熱交換器76bと、操作スイッチ76aと、電動ファン(図示省略)を備えている。熱交換器76bは、高温水経路73を流れる温水と空気との間で熱交換を行う。操作スイッチ76aは、暖房端末熱動弁75とコントローラ21に接続されている。
暖房端末熱動弁75は、膨張エレメントと、膨張エレメントと機械的に連結された開閉弁を内蔵している。暖房端末機76の操作スイッチ76aがオンにされると、暖房端末熱動弁75の膨張エレメントに通電が行われる。通電された膨張エレメントは高温になって膨張する。膨張した膨張エレメントは開閉弁を駆動し、これによって暖房端末熱動弁75が開かれる。また、操作スイッチ76aがオンにされると、コントローラ21は、暖房ポンプ69を作動させる。このように、操作スイッチ76aがオンにされたことによって、暖房端末熱動弁75が開かれるとともに、暖房ポンプ69が作動すると、シスターン61から温水が吸出される。コントローラ21は、暖房低温サーミスタ72と暖房高温サーミスタ74が検出した温水温度に基づいて、バーナ57を制御し、バーナ熱交換器60から流出する温水の温度を所定範囲に維持する。暖房端末機76の電動ファンは、操作スイッチ76aがオンにされると回転し、熱交換器76bに空気を吹付ける。熱交換器76bに吹付けられた空気は、熱交換器76bを介して温水と熱交換を行って暖められる。暖められた空気は暖房端末機76から吹出し、部屋を暖房する。熱交換器76bで空気と熱交換を行うことによって、温水の温度は低下する。温度が低下した温水は、高温水経路73を流れてシスターン61に戻る。
高温水経路73の暖房高温サーミスタ74の下流側と、高温水経路73のシスターン61への入口部の上流側とは、追焚き経路77によって接続されている。追焚き経路77は、追焚き熱交換器58を通過している。追焚き経路77の追焚き熱交換器58の上流側には、追焚き熱動弁78が装着されている。追焚き熱動弁78は、コントローラ21によって制御される。
浴槽79には、吸出口79aと供給口79bが設けられている。吸出口79aと供給口79bは、風呂循環経路80によって接続されている。風呂循環経路80は、追焚き熱交換器58を通過している。上述したように、追焚き経路77も追焚き熱交換器58を通過している。このため、追焚き熱交換器58では、風呂循環経路80と追焚き経路77との間で熱交換が行われる。風呂循環経路80の追焚き熱交換器58の上流側には、風呂水位センサ81、風呂循環ポンプ82、湯張り量センサ83、風呂水流スイッチ84が装着されている。風呂循環ポンプ82は、コントローラ21によって制御される。風呂水位センサ81、湯張り量センサ83、風呂水流スイッチ84は、コントローラ21に検出信号を出力する。風呂水位センサ81は、水圧を検出する。コントローラ21は、風呂水位センサ81が検出した水圧から、浴槽79に張られている湯の水位を推定する。湯張り量センサ83は、風呂循環経路80を流れる流量を検出することにより、浴槽79への湯張りの際に、それがどの程度行われたかを推定する。風呂水流スイッチ84は、風呂循環経路80を水が流れるとオンになる。
風呂循環経路80の風呂水位センサ81の上流側には、浴槽79から吸出された温水の温度を検出する風呂サーミスタ85が装着されている。風呂サーミスタ85の検出信号は、コントローラ21に出力される。
バーナ57と暖房ポンプ69が作動している状態で追焚き熱動弁78が開くと、温水が追焚き経路77に流入して追焚き熱交換器58を通過する。風呂循環ポンプ82が作動すると、温水が浴槽79の吸出口79aから吸出され、風呂循環経路80を流れて再び供給口79bから浴槽79に戻る循環が行われる。風呂循環経路80を流れる温水は、追焚き熱交換器58で追焚き経路77を流れる温水によって加熱され、浴槽79の湯が追焚きされる。
給湯栓経路63の途中と、風呂循環経路80の風呂循環ポンプ82の下流側とを接続する湯張り経路25が設けられている。湯張り経路25には、ソレノイド駆動タイプの注湯弁27が装着されている。注湯弁27は、コントローラ21によって制御され、湯張り経路25を開閉する。
浴槽79に湯を張るときには、注湯弁27が開かれ、補給水弁59が閉じられる。注湯弁27が開かれ、補給水弁59が閉じられると、温水が給湯栓経路63から湯張り経路25を経て風呂循環経路80に流入する。風呂循環経路80に流入した温水は、吸出口79aと供給口79bから浴槽79に供給され、浴槽79を湯張りする。このときには、風呂循環ポンプ82は駆動されず、湯張り経路25に加わっている水圧によって浴槽79への湯張りが行われる。
三方弁86は、Aポート86a、Bポート86b、Cポート86cを備えている。三方弁86は、コントローラ21に制御されて、Aポート86aとCポート86cを連通させるか、Bポート86bとCポート86cを連通させるかを切換える。
シスターン出水経路68と三方弁86のCポート86cは、低温水経路70によって接続されている。低温水経路70の途中には、低温サーミスタ94、床暖房熱動弁90、床暖房機91が設けられている。低温サーミスタ94は、低温水経路70を流れる温水の温度を検出する。低温サーミスタ94の検出信号は、コントローラ21に出力される。床暖房熱動弁90は、コントローラ21によって制御される。床暖房機91は、低温水経路70を流れる温水によって床を暖める。
高温水経路73の暖房端末熱動弁75の上流側と、低温水経路70の床暖房機91の下流側とは、バイパス経路92によって接続されている。バイパス経路92の途中には、バイパス熱動弁93が装着されている。バイパス熱動弁93は、コントローラ21によって開閉制御される。
床暖房を行う場合には、床暖房熱動弁90が開かれ、温水が床暖房機91に導かれる。導かれた温水は、床暖房機91を暖める。床暖房を行わない場合には、床暖房熱動弁90が閉じられる。
低温水戻り経路87が設けられており、三方弁86のBポート86bと、高温水経路73の暖房端末機76の下流側とを接続している。低温水戻り経路87には、低温戻りサーミスタ89が装着されている。低温戻りサーミスタ89は、低温水戻り経路87を流れる温水の温度を検出する。低温戻りサーミスタ89の検出信号は、コントローラ21に出力される。
三方弁86のAポート86aと、低温水戻り経路87の途中とを接続する貯湯槽経路88が設けられている。貯湯槽経路88には、貯湯槽20の上部を通過する熱交換部88aが形成されている。
コントローラ21は、低温サーミスタ94と上部サーミスタ35が検出した温度を比較し、その結果によって三方弁86を切換える。具体的には、低温サーミスタ94が検出した温度よりも上部サーミスタ35が検出した温度の方が低い場合には、三方弁86のBポート86bとCポート86cが連通するように切換える。Bポート86bとCポート86cを連通すると、低温水経路70からの温水は、貯湯槽経路88をバイパスし、低温水戻り経路87と高温水経路73を流れてシスターン61に戻る。シスターン61に戻った温水は、再びシスターン出水経路68に吸込まれる。低温サーミスタ94が検出した温度よりも上部サーミスタ35が検出した温度の方が高い場合には、三方弁86のAポート86aとCポート86cが連通される。Aポート86aとCポート86cが連通すると、低温水経路70からの温水は、貯湯槽経路88を流れる。貯湯槽経路88を流れる温水は、熱交換部88aで貯湯槽20の上部に貯められている温水によって加熱され、温度が上昇する。温度が上昇した温水は、低温水戻り経路87と高温水経路73を流れてシスターン61に戻される。すなわち、貯湯槽20の上部に貯められている温水が貯湯槽経路88の熱交換部88aを加熱することができる場合にのみ、貯湯槽経路88に温水が導かれる。
給湯ユニット10における温水の調温制御処理について説明する。まず、給湯器22のバーナ56の火力の調整に係る演算方法について説明する。なお、以下で用いる符号は図1で用いた符合に準ずる。
給湯が開始されると、コントローラ21は、単位時間Δt毎に、バーナ熱交換器52に流入する温水の流量Wと、バーナ熱交換器52から流出する温水の給湯温度Toを検出し、流量Wを時系列的に流量記憶部に記憶保持する。流量Wは第2流量センサ47によって検出され、給湯温度Toは給湯サーミスタ65によって検出される。
バーナ熱交換器52の出口で給湯温度Toが検出された温水は、時間tx前にバーナ熱交換器52に流入しており、その時の流量W1は既に記憶保持されている。記憶保持されている流量W1と、給湯温度Toが検出された時の温水の流量Wnとの間で検出された流量W1,W2,W3,・・・,Wnを累積加算すると、バーナ熱交換器52の容量Cとなる。即ち、〔C=W1+W2+W3+・・・+Wn〕となる。W1,W2,W3,・・・,Wnはそれぞれ単位時間Δt毎に検出されたものであるから、〔tx=Δt×n〕で求められる時間txは、バーナ熱交換器52での加熱時間txとなる。
また、コントローラ21は、後述する演算によって求められる加熱量Qを時系列的に加熱量記憶部に記憶保持している。記憶保持されている加熱量Q1(給湯温度Toが検出された温水がバーナ熱交換器52に流入した時に演算された加熱量)と、給湯温度Toが検出された時に演算された加熱量Qnとの間で演算された加熱量Q1,Q2,Q3,・・・,Qnを累積加算すると、給湯温度Toが検出された温水がバーナ熱交換器52内を通過する間の総加熱量Qtとなる。即ち〔Qt=Q1+Q2+Q3+・・・+Qn〕となる。
総加熱量Qtと、給湯温度Toが検出された時の流量Wnによって、給湯温度Toが検出された温水が、バーナ熱交換器52において加熱されたことによって上昇した上昇温度ΔTが求められる。即ち、上昇温度ΔTは、〔ΔT=Qt/Wn〕の式によって求められる。
上昇温度ΔTが求められれば、給湯温度Toと上昇温度ΔTから、給湯温度Toが時間tx前にバーナ熱交換器52に流入した時の入水温度Tiが求められる。即ち、入水温度Tiは、〔Ti=To−ΔT〕によって求められる。
入水温度Tiが求められれば、設定給湯温度Tsと、入水温度Tiと、最新の流量Wによって、これからバーナ熱交換器52に流入しようとしている温水を設定給湯温度Tsまで温度上昇させるのに必要な加熱量Qを求めることができる。即ち、加熱量Qは、〔Q=W(Ts−Ti)〕によって求められる。
なお、前述のように求められる入水温度Tiは、バーナ熱交換器52から流出した温水がバーナ熱交換器52に流入したときの入水温度であって、厳密に言えば、これからバーナ熱交換器52に流入しようとしている温水の入水温度ではない。従って、真の入水温度に対し、演算される加熱量の値には、温水がバーナ熱交換器52を通過するのに要する時間tx分、即ち加熱時間tx分の遅れが生じる。しかしながら、入水温度Tiは給湯温度Toや流量Wを利用して演算しており、バーナ56の火力調整の元となる加熱量Qはこの入水温度Tiを利用して演算しているため、精度よく、円滑に、給湯温度Toを設定給湯温度Tsに一致させることができる。
次に、給湯ユニット10における温水の調温制御処理について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
図2に示すように、最初のステップS10で給湯器22内の第2流量センサ47が検出する流量W(リットル/min)が2(リットル/min)以上となると、給湯栓64が開かれたとみなされ、ステップS12に進む。ステップS12では、バーナ熱交換器52の下流にある給湯サーミスタ65の検出温度Toがそのまま入水温度Tiであるとし、記憶されている入水温度Tiの更新を行う。ステップS12の処理は、ステップS10で通水を開始してから第2流量センサ47によって検出された流量を累積した流量が、通水開始時にはバーナ熱交換器52の上流にあった水が給湯サーミスタ65の存在箇所にまで移動するだけの流量に等しくなるまでの間は実行されず、その条件が成立してから実行される。ステップS10で通水を開始したときにバーナ熱交換器52の上流にあった水が給湯サーミスタ65の存在箇所にまで移動するまでの時間(熱交換器通過時間txとする)の加熱量はゼロであり、給湯サーミスタ65で検出される温度Toが入水温度Tiに等しいとするロジックを採用する。
給湯停止してから短時間経過した時点では、給湯器22を湯が流れておらず加熱もされていないにもかかわらず、停止前の給湯時にバーナ熱交換器52で加熱された温水の温度が給湯サーミスタ65で検出されており、そのまま入水温度Tiに等しいとすることができないことがある。給湯停止してから短時間経過した時点で再度給湯を開始する場合も同様であり、再度の給湯の開始直後には、停止前の給湯時にバーナ熱交換器52で加熱された温水の温度が給湯サーミスタ65で検出されており、そのまま入水温度Tiに等しいとすることができないことがある。それに対し、ステップS10で通水を開始してから第2流量センサ47によって検出された流量を累積した流量が、通水開始時にはバーナ熱交換器52の上流にあった水が給湯サーミスタ65の存在箇所にまで移動するだけの流量に等しくなるまで(熱交換器通過時間txが経過するまで)待てば、既に加熱されている温水温度を入水温度Tiとする心配がない。
ステップS10で流量Wが検出されたとき、バイパスサーボ38は全開され、ミキシングユニット24からの温水は、バーナ熱交換器52とバイパス管37の両方の経路を通過して給湯栓経路63に流入する。これによって、バーナ熱交換器52を通過する時の圧力損失を抑えて給湯量を確保するとともに、バーナ熱交換器52で冷却されることを抑えることができる。
ステップS14に進み、温水サーミスタ50が検出する温度Thが、リモコン23によって設定された設定給湯温度Ts以下であるか否かが判別される。温水サーミスタ50の検出温度Thが設定給湯温度Ts以上であれば(NOであれば)、貯湯槽20内の温水によって設定給湯温度の温水を給湯することができる。しかし、温水サーミスタ50の検出温度Thが設定給湯温度Ts以下であれば(YESであれば)、貯湯槽20内の温水では、設定給湯温度Tsの温水を給湯することができないため、給湯器22によって設定給湯温度Tsまで加熱して給湯する必要がある。
温水サーミスタ50の検出温度Thが設定給湯温度Ts以下であれば(YESであれば)、ステップS16に進み、点火動作に先立って、まず着火時上昇温度Tuを演算する。着火時上昇温度Tuとは、給湯器22のバーナ56を最小給湯能力で燃焼させたときに、バーナ熱交換器52を通過する温水が加熱されて上昇する温度である。着火時上昇温度Tuは、〔最小加熱量(kJ/h)/その時の流量W(リットル/min)〕の式によって求められる。そして、混合温水サーミスタ54が検出する温度Tmが、設定給湯温度Tsから着火時上昇温度Tuだけ低い温度(Ts−Tu)となるように調温する。なお、図3に示す、着火時の入水温度Tiの温度低下幅は、着火時上昇温度Tu分である。混合温水サーミスタ検出温度Tmを調温し、調温した温水がバーナ熱交換器52内を通過する時にバーナ56が点火するようにすれば、温水を設定給湯温度Tsに加熱して給湯することができる。
ステップS18に進み、バーナ56を点火動作させるまでの時間tを演算する。温水サーミスタ50が配設されている箇所から、バーナ熱交換器52の入口までの配管容量を予め求めておく。温水が、温水サーミスタ50からバーナ熱交換器52の入口まで流れるのにかかる時間t1は、〔配管容量(リットル)/その時の流量W(リットル/min)〕の式によって求められる。時間t1経過後にバーナ56が着火するように、点火動作を行う。なお、バーナ56の着火に先立ってプリパージを行って、残留ガスを追出す。プリパージに要する時間t2を考慮して、バーナ56の点火動作を行うまでの時間tは〔t1−t2〕の式によって求められる。タイマの計測を開始し、ステップS20で時間tの経過が計測されたら(YESとなったら)、ステップS22に進んでバーナ56の点火動作を行う。
ステップS22のバーナ56の点火動作では、着火に先立ってプリパージが行われ、プリパージ終了後、バーナ56が着火され、最小給湯能力で燃焼するように制御される。
バーナ56が着火されると、ステップS24に進み、給湯サーミスタ65検出温度Toと第2流量センサ47の検出流量Wから入水温度Tiを推定する演算を開始する。演算されて更新されていく入水温度Tiを用いてバーナ56の加熱量Qが演算される。また、全開されていたバイパスサーボ38が閉じられ、ミキシングユニット24からの温水の全量がバーナ熱交換器52を通過してバーナ56に加熱されるようになる。
ステップS26に進んで、演算された加熱量Qに基づいてバーナ56の火力が制御される。なお、バーナ56の火力の調整は、混合ガスの供給量を調整する比例弁(図示省略)の開度や燃焼ファンの回転速度を調整することによって行われる。
ステップS28に進み、第2流量センサ検出流量Wが2(リットル/min)を下回ったことが判別されると(YESとなると)、給湯栓64が閉じられたとみなされ、ステップS30に進んでバーナ56の消火動作を行う。バーナ56の消火動作では、混合ガスの供給量を調整する比例弁を閉じ、燃焼ファンの駆動を停止させる。バーナ56の消火後は、ステップS32に進んで、入水温度Tiの演算と蓄積を終了し、処理を終了する。
図3に、給湯ユニット10において給湯を行ったときの、給湯器22における、通水状態と、バーナ56の燃焼状態と、バーナ熱交換器52への入水温度の変化との関係を示す。横軸は時間である。図3は、蓄熱利用運転から給湯器利用運転へ切換わるときの様子を示している。
本実施例のような、コージェネレーションシステムに組込まれている給湯ユニット10では、貯湯槽20内に給湯に利用できる温水がある場合、バーナ56による加熱を行わず、貯湯槽20内の温水を利用する(蓄熱利用運転)。一方、貯湯槽20内に給湯に利用できる温水がない場合、貯湯槽20内の温水や水道水をバーナ56によって加熱して利用する(給湯器利用運転)。
図3の(1)は、給湯器22の通水状態を示している。先述のように、図2のステップS10で、第2流量センサ検出流量Wが2リットル/minを超えたとき(YESであるとき)、通水が検知される。
図3の(2)は、バーナ56の燃焼状態を示している。通水があっても貯湯槽20から送られる温水の温度によってバーナ56による加熱を行う場合と行わない場合とがあるため、通水検知と点火動作は連動していない。
図3の(3)は、ミキシングユニット24を経て給湯器22のバーナ熱交換器52に流入しようとする温水の実際の温度変化を示している。縦軸は温度である。本実施例の給湯ユニット10では、バーナ熱交換器52に流入しようとする温水の温度は直接検知せず、入水温度Tiを演算して求めている。
図3の(4)は、入水温度Tiの演算について示している。入水温度Tiの演算開始は通水検知と連動しており、点火動作には連動していない。通水が検知されから少し遅れて入水温度Tiの推定演算が開始される。図3の(4)に、一点鎖線で示す。この遅れ時間は、通水開始時にはバーナ熱交換器52の上流にあった水が給湯サーミスタ65の存在箇所にまで移動するのに要する時間、即ち、熱交換器通過時間txに等しい。
通水検知から着火までの間、即ち蓄熱利用運転中は、入水温度Ti=給湯温度Toとして入水温度Tiを推定する。加熱量がゼロであるから入水温度Ti=給湯温度Toとしてよいし、入水温度Ti=給湯温度Toであるから加熱量がゼロに計算される。
図3の(2)における点火動作は、貯湯槽20内の温水の温度低下による。温水サーミスタ検出温度Thが設定給湯温度Ts以下となったとき(図2のステップS14でYESとなったとき)、まず、〔混合温水サーミスタ検出温度Tm=設定給湯温度Ts−着火時上昇温度Tu〕となるように調温する(ステップS16)。図3の(3)の温度低下開始時の温度低下幅は、着火時上昇温度Tu分となっている。そして、このように調温した温水が、バーナ熱交換器52に流入したときにバーナ56が着火するように、点火動作のタイミングを計る(図2のステップS18からステップS22)。なお、図3の(2)の点火動作と着火の時間差は、プリパージに要する時間t2を示している。
図3の(4)に、直線で示す、着火以降、即ち給湯器利用運転中は、先述の演算方法に基づいて入水温度Tiを演算する。加熱量Qの演算は、蓄熱利用運転から給湯器利用運転に切換わった後も継続して行われる。実際には、バーナ熱交換器52に流入しようとしている温水がバーナ熱交換器52を通過して給湯サーミスタ65に温度検出されるまでの時間txだけ、バーナ56の火力制御に遅れが生じる。しかしながら、演算される入水温度Tiは、実際の入水温度を精度よく捉えた値となっており、着火以前からのデータが保持されている。この入水温度Tiを用いて加熱量Qを演算することから、この加熱量Qに基づいて制御されるバーナ57の火力を、実際の入水温度の変化にスムーズに追随させることができる。湯切れ時の湯温変動も最小限に抑え、その後、速やかに湯温を安定化することができる。
本実施例の給湯ユニット10では、通水している間中入水温度Tiと加熱量Qの演算を行う。即ち、給湯要求があって通水が開始されたら、通水中に入水温度Tiの推定演算を開始する。加熱運転が停止している間は、貯湯槽20内の温水を加熱することなく利用できる状態であるから、給湯温度Toを入水温度Tiとし、加熱量Qが0(ゼロ)に演算されるようにする。貯湯槽20内の温水が温度低下し、給湯器22が加熱運転を開始すると、給湯器22による加熱が必要な状態であるから、給湯温度Toと流量Wから入水温度Tiを演算し、演算された入水温度Tiを利用して、温水を設定給湯温度Tsまで昇温させるのに要する加熱量Qを演算する。このとき演算される入水温度Tiは、実際にはバーナ熱交換器52から流出した温水がバーナ熱交換器52へ流入したときの温度をさかのぼって演算したものである。また、この入水温度Tiを利用して演算される加熱量Qは、バーナ熱交換器52から流出した温水がバーナ熱交換器52内で加熱された加熱量である。このように、演算される加熱量Qには若干の遅れはあるが、蓄熱利用運転中から継続的に加熱量Qを演算しているため、貯湯槽20内の温水の温度が低下し、バーナ熱交換器52に流入する温水の温度が急激に低下するときであっても、この温度変化に対して加熱量Qの演算をスムーズに追随させることができる。蓄熱利用運転から給湯器利用運転に切替わる時であっても給湯温度Toを速やかに安定化することができ、使用者に不快感を与えない。
また、本実施例の給湯ユニット10は、給湯器22の給湯能力と、その時の流量Wによって、着火時に加熱されて上昇する温水の着火時上昇温度Tuを演算する。バーナ56の着火直後にバーナ熱交換器52を通過する温水がミキシングユニット24を通過する際に、ミキシングユニット24において設定給湯温度Tsから着火時上昇温度Tu分を差し引いた温度に調温する。そして、ミキシングユニット24とバーナ熱交換器52の入口までの配管容量を予め求めておき、この配管容量と、その時に第2流量センサ47によって検出される流量Wによって、調温した温水がバーナ熱交換器52へ流入するまでの時間t1を演算し、バーナ56のプリパージに要する時間t2を考慮して、時間〔t1−t2〕後に点火動作を行うことによって、調温した温水がバーナ熱交換器52へ流入するタイミングとバーナ56の着火のタイミングを合わせることができる。このことによって、蓄熱利用運転から給湯器利用運転へ切換わる時の給湯温度をさらに安定化することができる。
本実施例の給湯ユニット10は、給湯器22のバーナ熱交換器52をバイパスするバイパス管37と、バイパス管37を開閉するバイパスサーボ38を備えている。バイパス管37と、バイパスサーボ38は、再給湯時に、バーナ熱交換器52の余熱によって過熱された設定給湯温度より高温の温水が給湯されることを防止するために配設されている。蓄熱利用運転中、バイパスサーボ38を全開とし、バーナ熱交換器52をバイパスする温水量を最大限することによって、バーナ熱交換器52からの放熱を最小限に抑制して給湯温度の低下を抑制することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本実施例の給湯システムを組込んだコージェネレーションシステムの系統図。 本実施例の調温制御処理のフローチャート。 本実施例の給湯システムの蓄熱利用運転から熱源機利用運転に切換わる時の、通水状態と、バーナの燃焼状態と、熱交換器への入水温度の変化と、入水温度の演算との関係を示す図。
符号の説明
10:給湯システム
20:貯湯槽、20a:出口部
21:コントローラ
22:給湯器
23:リモコン
24:ミキシングユニット、24a:給水入口、24b:温水出口24c:温水入口
25:湯張り経路
26:給水経路、26a:入口
27:注湯弁
28:減圧弁
30:ミキシングユニット給水経路
31:リリーフ弁
32:圧力開放経路、32a:一端、32b:他端
33:排水経路
34:排水弁
35:上部サーミスタ
36:下部サーミスタ
37:バイパス管
38:バイパスサーボ
40:循環ポンプ
42:温水経路
44:往路サーミスタ
45:復路サーミスタ
47:第2流量センサ
48:給水サーミスタ
50:温水サーミスタ
51:温水経路
52:バーナ熱交換器
53:熱交換器サーミスタ
54:混合温水サーミスタ
55:ハイカットサーミスタ
56、57:バーナ
58:追焚き熱交換器
59:補給水弁
60:バーナ熱交換器
61:シスターン
62:シスターン入水経路
63:給湯栓経路
64:給湯栓
65:給湯サーミスタ
66:水位電極、66a:ハイレベルスイッチ、66b:ローレベルスイッチ
67:第1流量センサ
68:シスターン出水経路
69:暖房ポンプ
70:低温水経路
71:バーナ上流経路
72:暖房低温サーミスタ
73:高温水経路
74:暖房高温サーミスタ
75:暖房端末熱動弁
76:暖房端末機、76a:操作スイッチ、76b:熱交換器
77:追焚き経路
78:追焚き熱動弁
79:浴槽、79a:吸出口、79b:供給口
80:風呂循環経路
81:風呂水位センサ
82:風呂循環ポンプ
83:湯張り量センサ
84:風呂水流スイッチ
85:風呂サーミスタ
86:三方弁、86a:Aポート、86b:Bポート、86c:Cポート
87:低温水戻り経路
88:貯湯槽経路、88a:熱交換部
89:低温戻りサーミスタ
90:床暖房熱動弁
91:床暖房機
92:バイパス経路
93:バイパス熱動弁
94:低温サーミスタ
110:発電ユニット
112:改質器
114:燃料電池
116:熱交換器
117:熱媒温度センサ
118:熱交換器
119:熱媒冷却ファン
120:熱媒放熱器
121:水素ガス供給経路
122:熱媒三方弁、122a:入口、122b:出口、122c:出口
124:熱媒循環経路
125:リザーブタンク
126:燃焼ガス経路
127:熱媒ポンプ
128:循環経路、128a:循環復路、128b:循環往路
129:冷却経路
131:バーナ

Claims (3)

  1. 温水を貯える温度成層式の貯湯槽と、
    貯湯槽からの温水と水道水を混合する、混合比が調整可能なミキシングユニットと、
    貯湯槽からの温水の温度を検出する温水温度検出手段と、
    水道水の温度を検出する水道水温度検出手段と、
    設定された給湯温度を記憶している手段と、
    検出された温水温度と検出された水道水温度と設定されている給湯温度に基づいて、混合温水温度が設定給湯温度となる混合比にミキシングユニットを調整する手段と、
    ミキシングユニットを通過した混合温水を必要に応じて加熱する給湯器と、
    給湯器を通過した温水の温度を検出する給湯温度検出手段と、
    給湯器を通過する温水の流量を検出する給湯流量検出手段と、
    給湯器の加熱量と検出された給湯温度と検出された給湯流量に基づいて、ミキシングユニットから給湯器に送込まれた水の温度を推定する入水温度推定手段と、
    入水温度推定手段による推定値を記憶している入水温度記憶手段と、
    混合温水温度が設定給湯温度に一致している間は給湯器の加熱運転を禁止し、混合温水温度が設定給湯温度未満となると給湯器の加熱運転を開始する制御手段と、
    入水温度記憶手段の記憶値と設定給湯温度と検出された給湯流量に基づいて、給湯器の加熱量を調整する手段と、
    給湯開始時から給湯開始時に給湯器の入水側にあった水が給湯温度検出手段の存在部位に移動するまでの間は、入水温度記憶手段に記憶されている入水温度を入水温度推定手段で推定された入水温度に更新することを禁止する更新禁止手段と、
    を備えている給湯システム。
  2. 給湯器は、通過する混合温水または水道水を加熱する熱交換器と、その熱交換器をバイパスするバイパス経路と、バイパス経路を開閉する開閉手段と、ミキシングユニットで混合された混合温水の温度が設定給湯温度に維持されている間はバイパス経路を全開する開度調整手段を備えていることを特徴とする請求項1の給湯システム。
  3. ミキシングユニットからの混合温水温度が設定給湯温度未満となると、混合温水温度が設定給湯温度から着火時上昇温度を減じた温度となる混合比にミキシングユニットを調整する手段が付加されていることを特徴とする請求項2の給湯システム。
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