JP4875948B2 - 貯湯式給湯システムとコージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
特許文献1に、貯湯式給湯システムが開示されている。この貯湯式給湯システムは、貯湯タンクから給湯する温水に、水道水(冷水)を混合する混合手段を備えている。混合手段は、貯湯タンクから給湯する温水に対して混合する水道水の比(混合比)を調整可能となっている。この種の貯湯式給湯システムは、比較的に高温の温水を貯湯タンクに貯湯しておき、混合手段の混合比を調整することによって、給湯する温水の温度を調整する。
本発明は、上記の課題を解決する。本発明は、混合手段の混合比を適正範囲内に維持しながら、給湯設定温度の温水を安定して給湯することを可能とする技術を提供する。
この貯湯式給湯システムによれば、混合手段の混合比を過大な値に調整することなく、給湯する温水の温度を給湯設定温度に正しく調整することができる。
この貯湯式給湯システムでは、混合手段の混合比を第1所定比以下に維持しながら、給湯経路の温水を給湯設定温度に調整することができる。第1所定比には、例えば混合手段の混合比に関する適正範囲の上限値を設定することができる。
この貯湯式給湯システムは、混合手段の混合比を所定値以上に維持しながら、給湯経路の温水を給湯設定温度に調整することができる。混合手段の混合比を過小な値に調整することなく、給湯する温水の温度を給湯設定温度に正しく調整することができる。
この貯湯式給湯システムでは、混合手段の混合比を第2所定比以上に維持しながら、給湯経路の温水を給湯設定温度に調整することができる。第2所定比には、例えば混合手段の混合比に関する適正範囲の下限値を設定することができる。
貯湯式給湯システムでは、給湯に伴って貯湯タンクから消費されている消費熱量が、熱源機から貯湯タンクに供給されている供給熱量を越えていると、貯湯タンク内の温水温度は低下していく。この状態が継続すれば、貯湯タンク内の温水温度が給湯設定温度を下回ってしまい、給湯設定温度の温水を給湯することができなくなってしまう。
この貯湯式給湯システムでは、給湯に伴って貯湯タンクから消費されている消費熱量が、熱源機から貯湯タンクに供給されている供給熱量を越えているときに、熱源機の発熱量を増大させることによって、熱源機から貯湯タンクに供給される供給熱量を増大させる。それにより、貯湯タンク内の温水温度が低下することを抑制する。熱源機の発熱量は、循環出口温度検出手段によって検出される温度が貯湯上限温度を超えない範囲で、段階的にあるいは最大限に増大させることができる。
この貯湯式給湯システムでは、貯湯タンク内の温水を熱源機に送り出し、熱源機で加熱された温水を貯湯タンクへ戻すための循環経路を利用して、暖房循環経路内の熱媒を加熱する。そして、暖房端末機が、暖房循環経路内の熱媒の熱を利用して、暖房箇所を暖房する。このとき、暖房用熱交換器に流入する温水が暖房規定温度に等しくなるとともに、貯湯タンクに流入する温水が貯湯上限温度以下となるように、熱源機の発熱量と循環経路の流量を調整する。例えば、貯湯タンクに流入する温水の温度が貯湯上限温度を超えていれば、熱源機の発熱量と循環経路の流量の両者を減少させることによって、暖房用熱交換器に流入する温水の温度を維持しつつ、貯湯タンクに流入する温水の温度を低下させる。暖房運転と給湯運転を同時に行なう場合でも、暖房箇所を規定の能力で暖房するとともに、混合手段の混合比を所定値以下に維持しながら、給湯する温水の温度を給湯設定温度に正しく調整することができる。
この貯湯式給湯システムでは、暖房用循環経路内の熱媒の熱を利用して、浴槽内の温水を加熱する。このとき、暖房用熱交換器に流入する温水が追焚き規定温度に等しくなるとともに、貯湯タンクに流入する温水が貯湯上限温度以下となるように、熱源機の発熱量と循環経路の流量を調整する。風呂の追焚き運転と給湯運転を同時に行なう場合でも、浴槽内の温水を規定の能力で加熱するとともに、混合手段の混合比を所定値以下に維持しながら、給湯する温水の温度を給湯設定温度に正しく調整することができる。
このコージェネレーションシステムでは、発電装置が発生する熱を利用して、貯湯タンク内の温水を加熱する。それにより、エネルギー効率の高い熱電供給システムを構築することができる。
(形態1)給水経路は、貯湯タンクの底部に接続されていることが好ましい。
(形態2)貯湯タンクと熱源機との間で温水を循環させる循環経路は、貯湯タンクの中間部と熱源機とを接続している循環往路と、熱源機と貯湯タンクの天井部とを接続している循環復路を備えることが好ましい。
(形態3)給湯経路は、貯湯タンクの天井部に接続されていることが好ましい。
(形態4)貯湯タンクと熱源機との間で温水を循環させる循環経路には、循環経路内の温水を循環させる循環ポンプと、循環経路の流量を調整する流量調整手段が設けられていることが好ましい。
(形態5)貯湯式給湯システムは、利用者が給湯設定温度を設定する操作部を備えている。
コントローラ146は、各種の制御プログラムを記憶している。コントローラ146には、給湯リモコン148の操作信号と、以下で説明する各流量センサの検出信号と、各サーミスタの検出信号等が入力される。コントローラ146は、入力された信号と、記憶している制御プログラムに基づいて、以下に説明する各種ポンプ、各種弁、バーナ等の動作を制御する。給湯リモコン148には、電源スイッチ、給湯温度設定スイッチ、風呂追い焚きスイッチ、風呂湯張りスイッチ等が設けられている。給湯ユニット10では、給湯リモコン148によって、給湯設定温度を35℃から60℃の間に設定することができる。
減圧弁26は、給水圧力を調整するものであり、下流側圧力が所定値を下回ると開弁する。後述する給湯栓44や注湯電磁弁144が開かれると、減圧弁26が開弁して貯湯タンク14や混合経路36に水道水が給水される。
給水サーミスタ28は、給水される水道水の温度を検出する。給水量センサ30は、給水される水道水の流量を検出する。給水サーミスタ28と給水量センサ30の検出信号は、コントローラ146に出力される。ここで、コントローラ146は、給水サーミスタ28の検出温度が、給水経路24を水道水が流れているときの温度であるのか、給水経路24に水道水が滞留しているときの温度であるのかを、給水量センサ30の検出流量に基づいて区別する。そして、コントローラ146は、給水経路24を水道水が流れているときに給水サーミスタ28が検出した検出温度の最終値を記憶しておく。
給水量サーボ32は、ステッピングモータを内蔵する電動型の流量調整弁である。給水量サーボ32の開度は、コントローラ146によって制御される。コントローラ146は、給水量サーボ32の開度を制御することによって、外部から給湯ユニット10に給水される水道水の流量を調整する。
混合サーボ34は、ステッピングモータを内蔵する電動型の混合弁である。混合サーボ34は、開度が固定されている一つの固定開口部34aと、ステッピングモータによって開度が連動して変化する連動開口部34b、34cを備え、開口部34a、34b、34cが内部で連通されている。連動開口部34b、34cは、一方の開度が増加すると一方の開度が減少する。混合サーボ34の連動開口部34b、34cの開度の割合(以下、単に混合サーボ34の開度という)は、コントローラ146によって制御される。混合サーボ34の固定開口部34aには給水経路24の上流側が接続されており、混合サーボ34の一方の連動開口部34bには給水経路24の下流側が接続されており、混合サーボ34の他方の連動開口部34cには混合経路36が接続されている。コントローラ146は、混合サーボ34の開度を制御することによって、外部から給湯ユニット10に給水された水道水のうち、貯湯タンク14側へ流れる流量と、混合経路36側へ流れる流量の割合を調整する。貯湯タンク14側に流れた水道水は貯湯タンク14に流入し、同じ量だけ貯湯タンク14から給湯経路46に温水が流出する。混合経路36側へ流れた水道水は、給湯経路46を流れる温水に混合される。混合サーボ34は、給湯経路46を流れる温水に水道水を混合するとともに、給湯経路46を流れる温水に対して混合する水道水の比を調整する。
本明細書では、給湯経路46を流れる温水に対して混合する水道水の比を混合比ということがある。例えば、1リットル/minの流量で流れる温水に3リットル/minの流量で水道水を混合した場合、混合比は3.0となる。あるいは、3リットル/minの流量で流れる温水に1リットル/minの流量で水道水を混合した場合、混合比は0.33(=1/3)となる。
混合サーボ34は、その構造上、混合比の適正範囲が定められており、その適正範囲を逸脱する混合比で使用すると、混合比を調整する際の分解能が低下する。本実施例の混合サーボ34では、混合比の適正範囲が0.33〜3.0に定められている。
給水経路24には、混合サーボ34の下流側に、排水経路38が接続されている。排水経路38の他端は、圧力開放経路42に接続されている。圧力開放経路42は、コージェネレーションシステムの外部に開放されている。排水経路38には、排水弁40が設けられている。排水弁40の開閉は手動で行う。排水弁40が開かれると、貯湯タンク14内の温水が排水経路38と圧力開放経路42を経て排水される。
潜熱熱交換器72には、ドレンを排出又は回収するためのドレン経路92が接続されている。ドレン経路92には、中和器94が設けられている。中和器94内には、炭酸カルシウムが充填されている。潜熱熱交換器72で発生した酸性のドレンは、中和器94を通過することによって、pH6から7に中和される。ドレン経路92の他端は、圧力開放経路42に接続されている。中和されたドレンは、ドレン経路92から圧力開放経路42を通じて、外部に排出される。
バーナ循環往路76aは、貯湯タンク14の中間部(第1タンクサーミスタ16と第2タンクサーミスタ18との中間)と、潜熱熱交換器72の上流端とを接続している。バーナ循環往路76aには、バーナ入口サーミスタ81と、バーナ循環ポンプ80と、バーナ循環流量センサ82と、バーナ循環流量サーボ84と、バーナバイパスサーボ86が設けられている。バーナ入口サーミスタ81は、バーナ循環往路76aを流れる温水の温度を検出する。バーナ入口サーミスタ81は、貯湯タンク14の近傍に配置されている。バーナ入口サーミスタ81が検出する温度は、貯湯タンク14からバーナ循環往路76aに流出する温水の温度に実質的に等しい。バーナ入口サーミスタ81の検出信号は、コントローラ146に出力される。バーナ循環ポンプ80は、バーナ循環経路76内の温水を循環させる。バーナ循環ポンプ80の動作は、コントローラ146によって制御される。バーナ循環流量センサ82は、バーナ循環経路76を流れている温水の流量を検出する。バーナ循環流量センサ82が検出する流量は、貯湯タンク14からバーナ循環往路76aに流出している温水の流量およびバーナ循環復路76bから貯湯タンク14に流入している温水の流量に実質的に等しい。バーナ循環流量センサ82の検出信号は、コントローラ146に出力される。
バーナ循環流量サーボ84とバーナバイパスサーボ86は、いずれもステッピングモータを内蔵しており、ステッピングモータを駆動することによってその開度を調整することができる流量調整弁である。バーナ循環流量サーボ84とバーナバイパスサーボ86の開度は、いずれもコントローラ146によって制御される。コントローラ146は、バーナ循環流量サーボ84の開度を調整することによって、バーナ循環経路76を流れる温水の流量を調整する。また、コントローラ146は、バーナバイパスサーボ86の開度を調整することによって、バーナ循環経路76を流れる温水のうち、バーナ部68へ流れる流量と、バイパス経路78へ流れる流量の割合を調整する。なお、バーナ循環経路76を流れる温水の流量を調整するにあたっては、バーナ循環流量サーボ84の開度を調整することに代えて、バーナ循環ポンプ80の回転数を調整する構成としてもよい。
バーナ出口サーミスタ88は、バーナ循環復路76bとバイパス経路78の下流端との接続部よりも下流側に配置されており、バーナ部68及び/又はバイパス経路78を通過した後の温水の温度を検出する。
熱交換器出口サーミスタ90は、後述する暖房用熱交換器114の下流側に配置されており、暖房用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。熱交換器出口サーミスタ90が検出する温度は、バーナ循環復路76bから貯湯タンク14に流入する温水の温度に実質的に等しい。バーナ出口サーミスタ88の検出信号と、熱交換器出口サーミスタ90の検出信号は、コントローラ146に出力される。
圧力逃し弁48は、給湯経路46内の圧力が所定値以上となったときに開弁し、給湯経路46内や貯湯タンク14内の圧力が過剰に上昇することを防止する。圧力逃し弁48の出口側は、圧力開放経路42に接続されている。
温水電磁弁50は、コントローラ146によって開閉される。コントローラ146は、給水量センサ30の検出流量に基づいて給湯の開始/終了を判断し、給湯が開始されたと判断したときに温水電磁弁50を開弁し、給湯が終了した判断したときに温水電磁弁50を閉弁する(後で詳述する)。
高温サーミスタ52は、混合経路36の接続位置よりも上流側の位置において、給湯経路46を流れる温水の温度を検出する。高温サーミスタ52が検出する温度は、貯湯タンク14から給湯経路46に流出した温水の温度に実質的に等しい。出湯サーミスタ54は、混合経路36の接続位置よりも下流側の位置において、給湯経路46を流れる温水の温度を検出する。出湯サーミスタ54は、貯湯タンク14からの温水と混合経路36からの水道水との混合水の温度を検出する。高温サーミスタ52と出湯サーミスタ54の検出信号は、コントローラ146に出力される。
熱回収循環往路56aは、貯湯タンク14の下部(詳しくは底部)と、熱回収用熱交換器154の上流端とを接続している。熱回収循環往路56aには、熱回収循環ポンプ58と、熱回収流量センサ59と、循環往路サーミスタ60が設けられている。熱回収循環ポンプ58は、熱回収循環経路56内の温水を循環させる。熱回収循環ポンプ58は、発電ユニット150の発電運転中や、熱回収循環経路56の凍結防止運転中に駆動される。熱回収循環ポンプ58の動作は、コントローラ146によって制御される。熱回収流量センサ59は、熱回収循環経路56を流れている温水の流量を検出する。熱回収流量センサ59が検出する流量は、貯湯タンク14から熱回収循環往路56aに流出している温水の流量および熱回収循環復路56bから貯湯タンク14に流入している温水の流量に実質的に等しい。熱回収流量センサ59の検出信号は、コントローラ146に出力される。循環往路サーミスタ60は、熱回収循環往路56aを流れる温水の温度を検出する。循環往路サーミスタ60は、貯湯タンク14の近傍に配置されている。循環往路サーミスタ60が検出する温度は、貯湯タンク14から熱回収循環往路56aに流入する温水の温度に略等しい。循環往路サーミスタ60の検出信号は、コントローラ146に出力される。
暖房装置は、温水を貯湯するシスターン100と、エアコンや床暖房機等の暖房端末機110と、シスターン100と暖房端末機110との間で温水を循環させる暖房循環経路112と、暖房循環経路112とバーナ循環経路76との間で熱交換する暖房用熱交換器114を備えている。
シスターン100には、シスターン給水経路102を介して、貯湯タンク14から温水が給水される。シスターン100内の温水は、図示しない水位センサによって水位が監視されている。コントローラ146は、シスターン100内の温水が所定水位未満となると、シスターン給水弁106を開弁する。また、シスターン100には、シスターン100内の温水が所定水位を超えたときに、シスターン100内の温水をドレン経路92へオーバーフローさせるオーバーフロー経路98が設けられている。
暖房循環経路112は、シスターン100から暖房端末機110へ向かう暖房循環往路112aと、暖房端末機110からシスターン100へ向かう暖房循環復路112bを備えている。暖房循環往路112aは、暖房用熱交換器114を通過するように配設されている。暖房循環往路112aには、暖房循環ポンプ116と、暖房循環サーミスタ118が設けられている。暖房循環ポンプ116は、暖房循環経路112内の温水を循環させる。暖房循環ポンプ116は、暖房端末機110のスイッチの操作に伴って駆動される。暖房循環ポンプ116の動作は、コントローラ146によって制御される。暖房循環サーミスタ118は、暖房用熱交換器114の下流側に配置されており、暖房用熱交換器114を通過した後の温水の温度を検出する。暖房循環サーミスタ118の検出信号は、コントローラ146に出力される。暖房端末機110内の暖房循環経路112には、暖房熱動弁120が設けられている。暖房熱動弁120は、コントローラ146によって開閉される。コントローラ146は、暖房端末機のスイッチの操作に応じて、暖房熱動弁120を開閉させる。
追焚き経路122は、暖房循環往路112aにおいて、暖房用熱交換器114および暖房循環サーミスタ118の下流側から分岐している。また、追焚き経路122の下流端は、暖房循環復路112bのシスターン100近傍に接続している。追焚き経路122は、風呂用熱交換器124を通過するように配設されている。追焚き経路122には、追焚き熱動弁126が介装されている。追焚き熱動弁126は、コントローラ146によって開閉される。コントローラ146は、給湯リモコン148の風呂追焚きスイッチの操作に応じて、追焚き熱動弁126を開閉させる。
図2を参照して蓄熱運転について説明する。図2は、蓄熱運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。蓄熱運転では、図2中に太線で示す経路内を温水や熱媒が流通する。
発電ユニット150では、発電運転に伴って発生した発電熱によって、熱媒循環経路152内を循環する熱媒が加熱される。一方、給湯ユニット10では、熱回収循環ポンプ58が駆動され、貯湯タンク14内の温水が熱回収循環経路56を通って循環する。貯湯タンク14から熱回収循環往路56aには、貯湯タンク14の底部から比較的に温度の低い温水が流出する。貯湯タンク14から熱回収循環往路56aに流出した温水は、熱回収用熱交換器154を通過する間に、熱媒循環経路152内を循環する熱媒の熱によって加熱される。加熱された温水は熱回収循環復路56bを経て貯湯タンク14の天井部へ戻される。貯湯タンク14内の温水は上部から昇温していく。このように、コージェネレーションシステムでは、発電ユニット150が発電に伴って発生した発電熱を、貯湯タンク14内に蓄熱していく。貯湯タンク14内に蓄熱された熱は、後述する給湯運転、暖房運転、風呂湯張り運転、風呂追焚き運転によって消費される。
一方において、発電ユニット150の発電熱を蓄熱するだけでは、貯湯タンク14の温水を十分に加熱できない場合がある。この場合、次に説明する加熱運転が実施される。
図3、図4を参照して加熱運転について説明する。図3は、加熱運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。加熱運転では、図3中に太線で示す経路内を温水が流通する。図4は、加熱運転の示すフローチャートである。図4に示すフローに沿って、加熱運転における処理の流れについて説明する。
ステップS2では、コントローラ146によって、給湯リモコン148の電源が投入されたのか否かが判別される。コントローラ146は、給湯リモコン148の電源が投入されると(ステップS2でYES)、ステップS4の処理に進む。
貯湯上限温度は、その貯湯上限温度の温水に対して、給水サーミスタ28によって検出された温度の水道水を第1所定比で混合したときに、給湯リモコン148によって設定された給湯設定温度の温水が得られる温度である。ここで、第1所定比は、混合サーボ34の混合比に関する適正範囲の最大値に対応して定められており、本実施例では3.0に定められている。従って、貯湯タンク14の上部における温水温度が貯湯上限温度以下であれば、貯湯タンク14からの温水に給水経路24からの水道水を混合して給湯設定温度の温水を得る際に、混合サーボ34の混合比が適正範囲の最大値である3.0を上回ることが禁止されることとなる。貯湯上限温度TUと、給水サーミスタ28の検出温度T28と、給湯リモコン148によって設定された給湯設定温度TSの間には、TU=(TS−T28)×3.0+TSの関係が成立する。また、貯湯上限温度には上限値が定められており、本実施例では90℃に設定されている。例えば、給水サーミスタ28の検出温度が20℃であり、給湯設定温度が35℃である場合、計算される貯湯上限温度は80℃となる。あるいは、給水サーミスタ28の検出温度が5℃であり、給湯設定温度が35℃である場合、計算される貯湯上限温度は125℃となる。この場合は、貯湯上限温度が上限値である90℃に修正される。
貯湯下限温度は、その貯湯下限温度の温水に対して、給水サーミスタ28によって検出された温度の水道水を第2所定比で混合したときに、給湯リモコン148によって設定された給湯設定温度の温水が得られる温度である。ここで、第2所定比は、混合サーボ34の混合比に関する適正範囲の最小値に対応して定められており、本実施例では0.33に定められている。従って、貯湯タンク14の上部における温水温度が貯湯下限温度以上であれば、貯湯タンクからの温水に給水経路24からの水道水を混合して給湯設定温度の温水を得る際に、混合サーボ34の混合比が適正範囲の最小値である0.33を下回ることが禁止されることとなる。貯湯下限温度TLと、給水サーミスタ28の検出温度T28と、給湯リモコン148によって設定された給湯設定温度TSの間には、TL=(TS−T28)×0.33+TSの関係が成立する。例えば、給水サーミスタ28の検出温度が5℃であり、給湯設定温度が50℃である場合、計算される貯湯下限温度は65℃となる。あるいは、給水サーミスタ28の検出温度が20℃であり、給湯設定温度が50℃である場合、計算される貯湯下限温度は60℃となる。なお、貯湯下限温度にも、所定の下限値を定めてもよい。
ステップS8では、コントローラ146によって、バーナ循環ポンプ80が駆動されるとともに、バーナ70が点火される。それにより、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを通じてバーナ部68へ送り出され、バーナ部68において加熱された後に、バーナ循環復路76bを通じて貯湯タンク14の天井部に戻される。
ステップS12では、コントローラ146によって、バーナ70の発熱量(即ち、バーナ70のガス燃焼量)が減少される。あるいは、コントローラ146によって、バーナ循環流量サーボ84の開度が増加され、バーナ循環経路76を流れる温水の流量が増加される。即ち、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が低下して貯湯上限温度以下となるように、バーナ70の発熱量やバーナ循環経路76を流れる温水の流量が制御される。このステップS12では、バーナ70の発熱量とバーナ循環経路76を流れる温水の流量の一方のみを制御してもよいし、両者を制御してもよい。
一方、ステップS14では、コントローラ146によって、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以下であるのか否かが判別される。コントローラ146は、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以下であれば(ステップS14でYES)、ステップS16の処理に進む。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯上限温度以上であれば(ステップS14でNO)、ステップS18の処理に進む。
ステップS16では、コントローラ146によって、バーナ70の発熱量(即ち、バーナ70のガス燃焼量)が増加される。あるいは、コントローラ146によって、バーナ循環流量サーボ84の開度が減少され、バーナ循環経路76を流れる温水の流量が増加される。即ち、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が上昇して貯湯下限温度以上となるように、バーナ70の発熱量やバーナ循環経路76を流れる温水の流量が制御される。このステップS16では、バーナ70の発熱量とバーナ循環経路76を流れる温水の流量の一方のみを制御してもよいし、両者を制御してもよい。
ステップS20では、コントローラ146によって、バーナ70が消火されとともに、バーナ循環ポンプ80が停止される。次いで、ステップS22へ進む。
ステップS22では、コントローラ146によって、給湯リモコン148の電源がオフされたのか否かが判別される。コントローラ146は、給湯リモコン148の電源がオフされていれば(ステップS22でYES)、本フローを終了する。給湯リモコン148の電源がオフされていなければ、ステップS6の処理に戻り、第1タンクサーミスタ16の検出温度を監視する状態に戻る。
図5、図6を参照して給湯運転について説明する。図5は、給湯運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。給湯運転では、図5中に太線で示す経路内を温水が流通する。図6は、給湯運転のフローチャートである。図6に示すフローに沿って、給湯運転における処理の流れを説明する。
ステップS30では、コントローラ146によって、給水量センサ30の検出流量が、2.7リットル/min以上であるか否かが判別される。コントローラ146は、給水量センサ30の検出流量が2.7リットル/min以上となると(ステップS30でYES)、給湯栓44が開かれて給湯要求があったものと判断する。この場合、ステップS32に進む。
ステップS32では、コントローラ146が、温水電磁弁50を開弁する。それにより、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯経路46に送り出される。次いで、コントローラ146は、出湯サーミスタ54の検出温度を監視し、出湯サーミスタ54の検出温度が、給湯リモコン148で設定されている給湯設定温度となるように、混合サーボ34の混合比を調整する。先に説明した加熱運転によって、貯湯タンク14から給湯経路46に送り出される温水は、貯湯下限温度以上であって貯湯上限温度以下となっている。混合サーボ34の混合比は、適正範囲内(本実施例では0.33〜3.0)で調整される。
ステップS36では、コントローラ146によって、貯湯タンク14内の熱量の単位時間当たりの変化量が計算される。先ず、コントローラ146は、バーナ循環流量センサ82の検出流量Q82と、バーナ循環入口サーミスタ81の検出温度T81と、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度T90を用いて、加熱運転によって貯湯タンク14に単位時間当たりに供給されている供給熱量Hinを計算する。供給熱量Hinは、例えば次式、Hin=(T90−T81)×Q82を用いて計算することができる。ここで、さらに蓄熱運転中である場合には、蓄熱運転によって貯湯タンク14に供給されている熱量を同様に計算し、供給熱量Hinに加算することが好ましい。ただし、蓄熱運転によって貯湯タンク14に供給される熱量が、加熱運転によって貯湯タンク14に供給される熱量に比して十分に小さいのであれば、蓄熱運転によって貯湯タンク14に供給される熱量を必ずしも考慮する必要はない。
次いで、コントローラ146は、給水量センサ30の検出流量Q30と、給水サーミスタ28の検出温度T28と、出湯サーミスタ54の検出温度T54を用いて、給湯運転によって貯湯タンク14から単位時間当たりに消費されている消費熱量Houtを計算する。消費熱量Houtは、例えば次式、Hout=(T54−T28)×Q30を用いて計算することができる。
そして、コントローラ146は、計算した供給熱量Hinと消費熱量Houtを用いて、貯湯タンク14内の熱量の単位時間当たりの変化量dH=Hin−Houtを計算する。
ステップS40では、コントローラ146によって、バーナ70の発熱量が増加される。それにより、加熱運転によって貯湯タンク14に単位時間当たりに供給される供給熱量を増加させる。このステップS40におけるバーナ70の発熱量の増加に伴って、図4に示す加熱運転の処理フローでは、必要に応じてバーナ循環経路76を流れる温水の流量が増減調整される。
ステップS44では、コントローラ146によって、温水電磁弁50が閉弁される。以上により、給湯運転は終了する。
図7、図8を参照して暖房運転について説明する。図7は、暖房運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。暖房運転では、図7中に太線で示す経路内を温水が流通する。図8は、暖房運転のフローチャートである。図8に示すフローに沿って、暖房運転における処理の流れを説明する。
ステップS60では、暖房装置のリモコン(図示省略)のスイッチが操作されて、暖房のオン信号が出力されたか否かが判別される。暖房のオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS60でYES)、暖房端末機110の運転要求があったとみなされ、ステップS62に進む。
ステップS62では、バーナ70が点火され、バーナ循環ポンプ80が駆動される。これによって、貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出されて加熱される。
ステップS66では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が、高温暖房規定温度である85℃となるように、バーナ70の発熱量とバーナ循環流量サーボ84の開度(即ち、バーナ循環経路76を流れる温水の流量)が調整される。高温暖房規定温度は、高温端末機の動作時に暖房用熱交換器114に供給すべき温水の温度であり、コントローラ146に予め教示されている。バーナ部68で加熱されて85℃となった温水は、バーナ循環復路76bを通って暖房用熱交換器114に流入する。バーナ循環復路76b内の85℃の温水の熱が、暖房用熱交換器114に入力される。暖房用熱交換器114を通過して温度低下した温水は、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
ステップS68では、暖房熱動弁120が開かれるとともに、暖房循環ポンプ116が駆動される。これによって、シスターン100内の温水が、暖房循環往路112aに送り出され、暖房用熱交換器114を通過する。このとき、暖房循環往路112a内の温水は、暖房用熱交換器114において加熱される。
ステップS70では、暖房循環サーミスタ118の検出温度が80℃となるように暖房循環ポンプ116の駆動が調整される。暖房用熱交換器114において80℃に加熱された暖房循環往路112a内の温水は、高温端末機(エアコン)内の熱交換器内を通過する。この熱交換器に空気が吹付けられ、吹付けられた空気が加熱されて温風となり、エアコンの吹出し口から吹出される。高温端末機である暖房端末機110を通過して温度低下した温水は、暖房循環復路112bを経てシスターン100に戻される。
ステップS72では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が、低温暖房規定温度である65℃となるように、バーナ70の発熱量とバーナ循環流量サーボ84の開度(即ち、バーナ循環経路76を流れる温水の流量)が調整される。低温暖房規定温度は、低温端末機の動作時に暖房用熱交換器114に供給すべき温水の温度であり、コントローラ146に予め教示されている。バーナ部68で加熱されて65℃となった温水は、バーナ循環復路76bを通って暖房用熱交換器114に流入する。バーナ循環復路76b内の65℃の温水の熱が、暖房用熱交換器114に入力される。暖房用熱交換器114を通過して温度低下した温水は、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
ステップS74では、暖房熱動弁120が開かれるとともに、暖房循環ポンプ116が駆動される。これによって、シスターン100内の温水が、暖房循環往路112aに送り出され、暖房用熱交換器114を通過する。このとき、暖房循環往路112a内の温水は、暖房用熱交換器114において加熱される。
ステップS76では、暖房循環サーミスタ118の検出温度が60℃となるように、暖房循環ポンプ116の駆動が調整される。暖房用熱交換器114において60℃に加熱された暖房循環往路112a内の温水は、低温端末機(床暖房機)内を通過する。これによって上方の床材が温められる。低温端末機である暖房端末機110を通過して温度低下した温水は、暖房循環復路112bを経てシスターン100に戻される。
ステップS80では、コントローラ146によって、バーナ70の発熱量(即ち、バーナ70のガス燃焼量)が減少されるとともに、バーナ循環流量サーボ84の開度(即ち、バーナ循環経路76を流れる温水の流量)が減少される。それにより、バーナ出口サーミスタ88の検出温度を略一定に維持しながら、暖房用熱交換器114における温水の温度低下を増大させることによって、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度を低下させる。暖房用熱交換器114に流入する温水の温度は暖房規定温度に維持されるとともに、貯湯タンク14に流入する温水の温度は低下する。
一方、ステップS82では、コントローラ146によって、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以下であるのか否かが判別される。コントローラ146は、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以下であれば(ステップS82でYES)、ステップS84の処理に進む。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以上であれば(ステップS82でNO)、ステップS86の処理に進む。
ステップS78からステップS84の処理によって、加熱運転中と同様に、バーナ部68で加熱されて貯湯タンク14に流入する温水の温度が、貯湯下限温度以上であって貯湯上限温度以下の範囲に維持される。なお、給湯リモコン148の電源が投入されていない場合は、貯湯下限温度や貯湯上限温度は設定されていないことから、ステップS78からステップS84の処理はスキップされる。
図9、図10を参照して風呂の追焚き運転について説明する。図9は、追焚き運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。追焚き運転では、図9中に太線で示す経路内を温水が流通する。図10は、追焚き運転のフローチャートである。図10に示すフローに沿って、追焚き運転における処理の流れを説明する。
ステップS100では、給湯リモコン148の風呂の追焚きスイッチが操作されて、追焚きのオン信号が出力されたか否かが判別される。追焚きのオン信号が出力されたことが判別されると(ステップS100でYES)、追焚き要求があったとみなされ、ステップS102の処理に進む。
ステップS102では、バーナ70が点火され、バーナ循環ポンプ80が駆動される。貯湯タンク14の中間部の温水が、バーナ循環往路76aを経てバーナ部68に送り出されて加熱される。
ステップS104では、バーナ出口サーミスタ88の検出温度が、追焚き規定温度である85℃となるように、バーナ70の発熱量とバーナ循環流量サーボ86の開度(即ち、バーナ循環経路76を流れる温水の流量)が調整される。追焚き規定温度は、風呂の追焚き運転時に暖房用熱交換器114に供給すべき温水の温度であり、コントローラ146に予め教示されている。バーナ部68で加熱されて85℃となった温水は、バーナ循環復路76bを通って暖房用熱交換器114に流入する。バーナ循環復路76b内の85℃の温水の熱が、暖房用熱交換器114に入力される。暖房用熱交換器114を通過して温度低下した温水は、バーナ循環復路76bを経て貯湯タンク14の上部に戻される。
ステップS108では、暖房循環サーミスタ118の検出温度が80℃となるように、暖房循環ポンプ116の駆動が調整される。暖房用熱交換器114において80℃に加熱された暖房循環往路112a内の温水は、追焚き経路122に送り出され、風呂用熱交換器124を通過する。このとき、追焚き経路122内の約80℃の温水の熱が、風呂用熱交換器124に入力される。風呂用熱交換器124を通過して温度低下した温水は、追焚き経路122を経て、シスターン100に戻される。
ステップS110では、風呂循環ポンプ134が駆動される。これによって、浴槽128内の温水が、風呂循環往路130aに送り出され、風呂用熱交換器124を通過する。このとき、風呂循環往路130a内の温水は、風呂用熱交換器124において加熱される。風呂用熱交換器124において加熱された風呂循環往路130a内の温水は、風呂循環復路130bを経て浴槽128に戻される。
ステップS114では、コントローラ146によって、バーナ70の発熱量(即ち、バーナ70のガス燃焼量)が減少されるとともに、バーナ循環流量サーボ84の開度(即ち、バーナ循環経路76を流れる温水の流量)が減少される。それにより、バーナ出口サーミスタ88の検出温度は略一定のままで、暖房用熱交換器114における温水の温度低下を増大させることによって、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度を低下させる。暖房用熱交換器114に流入する温水の温度は追焚き規定温度に維持されるとともに、貯湯タンク14に流入する温水の温度は上昇する。
一方、ステップS116では、コントローラ146によって、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以下であるのか否かが判別される。コントローラ146は、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以下であれば(ステップS116でYES)、ステップS118の処理に進む。熱交換器出口サーミスタ90の検出温度が、貯湯下限温度以上であれば(ステップS116でNO)、ステップS120の処理に進む。
ステップS118では、コントローラ146によって、バーナ70の発熱量(即ち、バーナ70のガス燃焼量)が増加されるとともに、バーナ循環流量サーボ84の開度(即ち、バーナ循環経路76を流れる温水の流量)が増加される。それにより、バーナ出口サーミスタ88の検出温度は略一定のままで、暖房用熱交換器114における温水の温度低下を低減させることによって、熱交換器出口サーミスタ90の検出温度を上昇させる。暖房用熱交換器114に流入する温水の温度は暖房規定温度に維持されるとともに、貯湯タンク14に流入する温水の温度は上昇する。
ステップS112からステップS118の処理によって、加熱運転中と同様に、バーナ部68で加熱されて貯湯タンク14に流入する温水の温度が、貯湯下限温度以上であって貯湯上限温度以下の範囲に維持される。なお、給湯リモコン148の電源が投入されていない場合は、貯湯下限温度や貯湯上限温度は設定されておらず、ステップS112からステップS118の処理はスキップされる。
ステップS122では、バーナ70が消火され、バーナ循環ポンプ80が停止される。次にステップS124に進み、追焚き熱動弁126が閉じられ、暖房循環ポンプ56が停止される。さらにステップS126に進み、風呂循環ポンプ134が停止される。以上により、風呂の追焚き運転が終了する。
図11、図12を参照して風呂の湯張り運転について説明する。図11は、湯張り運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。湯張り運転では、図11中に太線で示す経路内を温水が流通する。図12は、湯張り運転のフローチャートである。図12に示すフローに沿って、湯張り運転における動作の流れを説明する。
ステップS130では、コントローラ146によって、給湯リモコン148から湯張りのオン信号が出力されたか否かが判別される。給湯リモコン148は、風呂の湯張りスイッチが操作されると、コントローラ146に湯張りのオン信号を出力する。コントローラ146は、湯張りのオン信号を入力すると(ステップS130でYES)、ステップS132の処理に進む。
ステップS132では、コントローラ146によって、注湯電磁弁144が開かれるとともに、温水電磁弁50が開かれる。それにより、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯経路46に送り出され、湯張り経路140、風呂循環経路130を経て、浴槽128内に供給される。
ステップS134では、コントローラ146によって、湯張り量センサ142の検出流量の積算が開始される。
ステップS138では、コントローラ146によって、貯湯タンク14内の熱量の単位時間当たりの変化量が計算される。このステップS138の処理は、図6に示した給湯運転におけるステップS26の処理と同様に行なわれる。
ステップS140では、コントローラ146によって、ステップS138で計算した熱量変化量dHが、正であるのか負であるのかが判別される。コントローラ146は、熱量変化量dHが負であれば(ステップS140でYES)、ステップS142の処理に進む。一方、熱量変化量dHが正(厳密にはゼロ以上)であれば(ステップS140でNO)、ステップS144の処理に進む。
ステップS142では、コントローラ146によって、バーナ70の発熱量が増加される。それにより、加熱運転によって貯湯タンク14に単位時間当たりに供給される供給熱量を増加させる。このステップS142におけるバーナ70の発熱量の増加に伴って、図4に示す加熱運転の処理フローでは、必要に応じてバーナ循環経路76を流れる温水の流量が増減調整される。
ステップS146では、コントローラ146によって、注湯電磁弁144が閉じられるとともに、温水電磁弁50が閉じられる。以上により、湯張り運転は終了する。
本実施例では、混合弁である混合サーボ34を給水経路24に設け、固定開口部34aから水道水を入力し、二つの連動開口部34b、34cから出力する水道水の割合を調整することによって、給湯経路46の温水に対して給水経路24から混合する水道水の割合を調整する。この構成であると、混合サーボ34に温水を流通させる必要がなく、混合サーボ34に耐熱性が必要とされない。ただし、混合サーボ34の配設位置はこの方式に限定されず、例えば給湯経路46と混合経路36の接続位置に配設してもよい。この場合、固定開口部34aには給湯経路46の下流側を接続し、一方の連動開口部34bには給湯経路46の上流側を接続し、他方の連動開口部34cには混合経路36を接続すればよい。この構成を採用した場合であっても、上記した実施例の制御手順をそのまま採用することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
14:貯湯タンク
16:第1タンクサーミスタ
18:第2タンクサーミスタ
20:第3タンクサーミスタ
22:第4タンクサーミスタ
24:給水経路
26:減圧弁
28:給水サーミスタ
30:給水量センサ
32:給水量サーボ
34:混合サーボ
36:混合経路
38:排水経路
40:排水弁
42:圧力開放経路
44:給湯栓
46:給湯経路
48:圧力逃し弁
50:温水電磁弁
52:高温サーミスタ
54:出湯サーミスタ
56:熱回収循環経路、56a:循環往路、56b:循環復路
58:熱回収循環ポンプ
59:熱回収流量センサ
60:循環往路サーミスタ
62:循環復路サーミスタ
64:三方弁、64a:入口、64b:出口、64c:出口
66:バイパス経路
68:バーナ部
70:バーナ
72:潜熱熱交換器
74:顕熱熱交換器
76:バーナ循環経路、76a:循環往路、76b:循環復路
78:バイパス経路
80:バーナ循環ポンプ
81:バーナ入口サーミスタ
82:バーナ循環流量センサ
84:バーナ循環流量サーボ
86:バーナバイパスサーボ
88:バーナ出口サーミスタ
90:熱交換器出口サーミスタ
92:ドレン経路
94:中和器
98:オーバーフロー経路
100:シスターン
102、202:シスターン給水経路
104:負圧弁
106:シスターン給水弁
108:熱負荷
110:暖房端末機
112:暖房循環経路、112a:循環往路、112b:循環復路
114:暖房用熱交換器
116:暖房循環ポンプ
118:暖房循環サーミスタ
120:暖房熱動弁
122:追焚き経路
124:風呂用熱交換器
126:追焚き熱動弁
128:浴槽
130:風呂循環経路、130a:循環往路、130b:循環復路
132:風呂水位センサ
134:風呂循環ポンプ
136:風呂水流スイッチ
138:風呂循環サーミスタ
140:湯張り経路
142:湯張り量センサ
144:注湯電磁弁
146:コントローラ
148:リモコン
150:発電ユニット
152:熱媒循環経路
154:熱回収用熱交換器
Claims (8)
- 温水を貯湯する貯湯タンクと、
貯湯タンクに給水する給水経路と、
給水経路の水温を検出する給水温度検出手段と、
熱源機と、
貯湯タンクと熱源機との間で温水を循環させる循環経路と、
循環経路から貯湯タンクに流入する温水の温度を検出する循環出口温度検出手段と、
貯湯タンクから給湯する給湯経路と、
給湯経路の温水に給水経路からの水を混合するとともに、給湯経路の温水に対して給水経路から混合する水の割合である混合比を調整可能な混合手段と、
給湯経路の水温を混合手段よりも下流側で検出する出湯温度検出手段と、
出湯温度検出手段によって検出される温度が、所定の給湯設定温度となるように、混合手段の混合比を調整する混合比制御手段と、
給水温度検出手段によって検出された温度と、給湯設定温度に基づいて、貯湯上限温度を設定する制限温度設定手段と、
循環出口温度検出手段によって検出される温度が、設定された貯湯上限温度以下となるように、熱源機の発熱量及び/又は循環経路の流量を調整する加熱制御手段と、
を備える貯湯式給湯システム。 - 前記制限温度設定手段が設定する貯湯上限温度は、その貯湯上限温度の温水に対して、前記給水温度検出手段によって検出された温度の水を第1所定比で混合したときに、前記給湯設定温度の温水が得られる温度であることを特徴とする請求項1の貯湯式給湯システム。
- 前記制限温度設定手段は、前記給水温度検出手段によって検出された温度と、前記給湯設定温度に基づいて、貯湯下限温度をさらに設定し、
前記加熱制御手段は、前記循環出口温度検出手段によって検出される温度が、設定された貯湯下限温度以上となるように、前記熱源機の発熱量又は前記循環経路の流量を調整することを特徴とする請求項1又は2の貯湯式給湯システム。 - 前記制限温度設定手段が設定する貯湯下限温度は、その貯湯下限温度の温水に対して、前記給水温度検出手段によって検出された温度の水を第2所定比で混合したときに、前記給湯設定温度の温水が得られる温度であることを特徴とする請求項3の貯湯式給湯システム。
- 前記給水経路の流量を検出する給水流量検出手段と、
前記循環経路の流量を検出する循環流量検出手段と、
前記貯湯タンクから前記循環経路に流出する温水の温度を検出する循環入口温度検出手段をさらに備え、
前記加熱制御手段は、前記給水流量検出手段によって検出された流量と、前記給水温度検出手段によって検出された温度と、前記出湯温度検出手段によって検出された温度から計算した給湯に伴って貯湯タンクから消費されている消費熱量が、前記循環流量検出手段によって検出された流量と、前記循環入口温度検出手段によって検出された温度と、前記循環出口温度検出手段によって検出された温度から計算した熱源機から貯湯タンクに供給されている供給熱量を越えるときに、前記熱源機の発熱量を増大させることを特徴とする請求項1から4のいずれかの貯湯式給湯システム。 - 前記循環経路の前記熱源機から前記貯湯タンクに温水を送る経路が通過する暖房用熱交換器と、
前記循環経路を通って暖房用熱交換器に流入する温水の温度を検出する暖房流入温度検出手段と、
暖房箇所に設けられる暖房端末機と、
暖房端末機と暖房用熱交換器との間で熱媒を循環させる暖房循環経路をさらに備え、
前記加熱制御手段は、暖房流入温度検出手段によって検出される温度が、所定の暖房規定温度となるように、前記熱源機の発熱量と前記循環経路の流量を調整することを特徴とする請求項1から5のいずれかの貯湯式給湯システム。 - 前記暖房循環経路の前記暖房用熱交換器から前記暖房端末機に前記熱媒を送る経路から分岐し、前記暖房循環経路の前記暖房端末機から前記暖房用熱交換器に前記熱媒を送る経路に合流する追焚き循環経路と、
追焚き循環経路が通過する追焚き用熱交換器と、
浴槽に接続され、浴槽と追焚き用熱交換器との間で温水を循環させる風呂循環経路をさらに備え、
前記加熱制御手段は、前記暖房流入温度検出手段によって検出される温度が、所定の追焚き規定温度となるように、前記熱源機の発熱量と前記循環経路の流量を調整することを特徴とする請求項6の貯湯式給湯システム。 - 請求項1から7のいずれかの貯湯式給湯システムと、
発電装置と、
発電装置が発生する熱を入力する熱回収用熱交換器と、
貯湯タンクと熱回収用熱交換器との間で温水を循環させる第2循環経路と、
を備えるコージェネレーションシステム。
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