JP4029249B2 - 循環水加熱制御方法及び循環水加熱制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浴槽内の水もしくは温水を循環管路に循環させて追い焚きさせる風呂釜等のように貯留槽内の液体を循環させて加熱する循環加熱系における加熱制御のために用いられる循環水加熱制御方法及び循環水加熱制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の循環水加熱制御方法もしくは循環加熱制御装置としては浴槽の水もしくは温水を追い焚きする風呂釜における加熱制御が知られている(例えば、特開昭63−204062号公報、特開平4−273946号公報参照)。このような風呂釜においては、一般にユーザーが所望の沸き上がり温度を例えばリモートコントローラに設定して追い焚き運転を開始させると、循環ポンプが作動されて浴槽内の水もくしは温水が循環管路を通して浴槽と追い焚き用熱交換回路との間に循環されるとともに、その熱交換回路に設けられた燃焼バーナが燃料の供給を受けて燃焼作動されることになる。これにより、循環管路内の循環水が熱交換回路内の熱交換器において燃焼バーナの燃焼熱を受けて加熱されることになる。
【0003】
そして、この風呂釜における加熱制御においては、上記循環ポンプによる循環水量は一定値に固定され、上記燃焼バーナへの燃料供給量も主として沸き上がり時間の短縮化のために最大能力に近い一定値に固定されている。従って、上記の追い焚き運転が開始されると、循環ポンプがON作動されるとともに、燃焼バーナへの燃料供給管に介装された電磁開閉弁が開作動され、上記設定温度に到達するまでは循環水量及び燃料供給量も共に一定のままで継続されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の循環水加熱制御方法及び循環水加熱制御装置においては、 追い焚き運転開始の初期には浴槽内の水温が比較的低温であるため、熱交換回路において燃焼バーナの燃焼により入力される熱量に対し熱交換器において循環水が吸収して昇温される熱量の比率である熱交換効率は比較的高い値となるものの、徐々に昇温されて浴槽内の水温が上がるに従い上記熱交換効率は徐々に低下し、浴槽内の水温が設定温度に近づいてくる焚き上げ後期になると上記熱交換効率はかなり低下することになる。つまり、追い焚き運転の時間経過に伴い浴槽内の水温、すなわち、循環水の水温が徐々に上昇するにも拘わらず、燃焼バーナによる燃焼熱量や循環水量が共に一定のままに制御されるため、上記循環水が吸収する熱量が低下する結果、上記熱交換効率が低下することになるためである。
【0005】
このようになると、追い焚き運転の時間経過に伴い熱交換効率が低下するにも拘わらず、燃焼バーナの燃焼熱量が一定とされるため、設定温度までに焚き上げるために必要なトータルの燃料供給量という観点において十分な経済性を発揮させることはできないことになる。このため、省エネルギー化にも反する結果を招くことにもなる。
【0006】
その一方、追い焚き運転中に熱交換効率を正確に把握することは困難であり、また、設定温度までの焚き上がり時間のかかり過ぎを防止する必要もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、循環水加熱制御において循環水の昇温に伴う熱交換効率の落ち込みを緩和して設定温度まで加熱するのに必要な熱エネルギーの低減化を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、熱交換効率を簡易に推定し、その熱交換効率の落ち込みの発生に伴い熱交換効率を増大する方向に制御することにより、熱交換効率をある一定の範囲の値を維持するようにすることを基本とするものである。
【0009】
具体的には、循環水加熱制御方法に係る第1の発明は、熱交換器及びこの熱交換器を加熱する加熱器を有する熱交換回路と、貯留槽内に貯留された液体を循環ポンプの作動によりその貯留槽と上記熱交換回路との間で循環させる循環管路とを備えた循環加熱系に対し適用されるものであって、上記貯留槽内の液体を上記循環管路により循環させつつ徐々に昇温させる循環水加熱制御方法を前提として以下の特定手順を採用するのもである。すなわち、上記加熱器及び循環ポンプを作動させた後、少なくとも上記循環管路を通して上記熱交換器に流入する液体の入口側温度と、上記熱交換器から流出する液体の出口側温度とを検出することにより上記熱交換回路における熱交換効率を順次推定し、上記加熱器による加熱熱量及び循環ポンプによる液体の循環量のいずれか一方もしくは双方を、上記推定した熱交換効率が予め設定した目標熱交換効率以上の範囲になるように順次変更制御するようにする。
【0010】
また、浴槽内の水を循環加熱させる循環加熱系を対象として上記の循環水加熱制御方法を実施するための循環水加熱制御装置に係る発明としては、燃料の供給を受けて燃焼する燃焼バーナ及びこの燃焼バーナから燃焼熱を受ける熱交換器を有する熱交換回路と、循環ポンプの作動により浴槽内に貯留された水をその浴槽と上記熱交換回路との間で循環させる循環管路とを備えた循環加熱系に対し設けられるものであって、上記浴槽内の水を上記循環管路により循環させつつ昇温させる循環水加熱制御装置を前提として、それぞれ以下の特定事項を備える第2〜第4の発明が提案される。
【0011】
すなわち、第2の発明は、少なくとも上記循環管路を通して上記熱交換器に流入する循環水の入口側温度及び上記熱交換器から流出する循環水の出口側温度をそれぞれ検出することにより上記熱交換回路における熱交換効率を推定する効率推定手段と、上記燃焼バーナによる燃焼熱量を、上記効率推定手段により推定された熱交換効率の推定値が予め設定した目標値以上の範囲になるように変更制御する効率制御手段とを備える。
【0012】
第3の発明は、第2の発明と同様構成の効率推定手段と、上記循環ポンプによる循環管路の循環水量を、上記効率推定手段により推定された熱交換効率の推定値が予め設定した目標値以上の範囲になるように変更制御する効率制御手段とを備える。
第4の発明は、第2の発明と同様構成の効率推定手段と、上記循環ポンプによる循環管路の循環水量を、上記効率推定手段により推定された熱交換効率の推定値が予め設定した目標値以上の範囲に入るように変更制御する第1効率制御手段と、この第1効率制御手段による変更制御を実行しても上記推定値が目標値以上の範囲の値にならない場合に、上記燃焼バーナによる燃焼熱量を上記推定値が目標値以上の範囲に入るように変更制御する第2効率制御手段とを備える。
【0013】
ここで、「熱交換効率」とは、燃焼バーナ等の加熱器により熱交換回路内の熱交換器に対し入力される熱量(入力熱量)に対し熱交換器において循環水が昇温のために実際に吸収した熱量(吸収熱量)の比率のことである。上記「入力熱量」Ip(kcal/H)は主として上記加熱器の出力熱量により表される。燃焼バーナの場合であるとその燃焼熱量であり、この燃焼熱量は主として燃料供給量の如何により表される。そして、燃料供給量と、それを正常燃焼(完全燃焼)させた際の上記入力熱量Ipとは互いに相関関係があることから、燃料供給量が決まれば入力熱量Ipが定まることになる。なお、燃料としては、天然ガスやプロパンガス等の気体燃料、あるいは、灯油,軽油もしくは重油等の液体燃料などのいずれのものでもよい。また、「吸収熱量」は、主として、熱交換器に流入前の循環水の入口側温度Tb(℃)及び流出後の循環水温の出口側温度Ta(℃)の相対温度差α(℃)と、その際に熱交換器を通過する循環流量Q(l/min)とにより表される。従って、以上の各パラメータIp,Tb,Ta,Qのみを用いて下記の(1)式により演算した演算値η(%)を熱交換効率の推定値として用いれば、熱交換効率を簡易に推定することが可能になる。
【0014】
η=[{(Ta−Tb)×Q×60}/Ip]×100 ……(1)
この推定値ηを用いる場合には、上記入口側温度Tbを検出する入口側水温検出手段と、出口側温度Taを検出する出口側水温検出手段と、循環管路内の循環水量(流量)Qを検出する循環水量検出手段と、燃焼バーナへの燃料供給量を検出する燃料供給量検出手段とを設け、効率推定手段において各検出値の出力を受けて上記(1)式による演算を行わせるようにすればよい。なお、この際、上記燃料供給量に対する変更制御を行う場合、あるいは、燃料供給量を一定値に固定する制御を行う場合には、それぞれその燃料供給量についての制御量を効率推定手段において読み込むようにすれば上記燃料供給量検出手段は省略可能である。また、循環水量検出手段としては、直接的に流量を電気的に検出するようにしてもよいし、循環ポンプの回転数を検出することにより換算するようにしてもよい。あるいは、上記循環ポンプの作動制御することにより循環水量の変更制御を行う場合、あるいは、上記循環水量を一定値に固定する制御を行う場合には、それぞれその循環水量についての制御量を効率推定手段において読み込むようにすれば上記循環水量検出手段は省略可能である。
【0015】
一方、上記の推定値ηを用いる場合よりもさらに簡易に熱交換効率を推定するには、上記入口側温度Tb(℃)と出口側温度Ta(℃)とを検出して両者の相対温度差α(℃)の変動のみに基づいて熱交換効率の変動を推定するようにしてもよい。この場合には、検出のための手段として上記の入口側水温検出手段及び出口側水温検出手段だけで済み、循環水量検出手段及び燃料供給量検出手段を省略することが可能になる。そして、効率推定手段としては、上記の入口側及び出口側の両水温検出手段からの検出値Ta,Tbの出力を受けて相対温度差αを下記の(2)式に基づき演算処理するだけで済む。
【0016】
α=Ta−Tb ……(2)
上記の「循環加熱系」としては、熱交換回路に循環させることにより水道水を温水に変えその温水を貯留槽に貯留させるものの他、貯留槽である浴槽の水もしくは温水を設定温度まで昇温させる追い焚き式風呂釜、あるいは、上記貯留槽内の温水を室内に循環させて室内暖房を行うための温水暖房機等が挙げられる。上記追い焚き式風呂釜の場合には、専用機の他に給湯器付風呂釜あるいは追い焚き及び暖房機能付き給湯器等も含まれる。これらの場合の循環加熱系の形式としては、給湯器用と追い焚き用とで一つの熱交換回路を共用する1缶2水方式、給湯器用と追い焚き用とで個別の熱交換回路を有する2缶2水方式、あるいは、追い焚き用と暖房用とで熱交換回路を共用し給湯器用が独立した熱交換回路を有する2缶3水方式等があり、これらのいずれにも本発明が適用可能である。
【0017】
第2の発明における効率制御手段において燃焼熱量を変更制御するには、簡単には加熱器が燃焼バーナであればその燃料供給量を変更制御すればよい。この場合には、燃焼熱量もしくは燃料供給量を余り低減させ過ぎると、循環水を加熱により到達させる最終温度(例えば設定温度)までの昇温に要する時間がかかり過ぎたり急激な低減により熱交換回路内に結露の発生やひいては発錆を招いたりすることになるため、燃焼熱量もしくは燃料供給量の下限値を予め定めておきこの下限値よりも低減させないように制御すればよい。これにより、熱交換効率の落ち込みを緩和してトータル熱エネルギー(トータル燃料量)の低減を図りつつ、最終温度まで加熱するために要する時間(炊き上げ時間)がかかり過ぎないようにすることが可能になる。また、逆に上記燃焼熱量もしくは燃料供給量を余り増大させ過ぎると、熱交換回路全体の耐久性に悪影響を及ぼして劣化を招くおそれがあるため、燃焼熱量もしくは燃料供給量の上限値を予め定めておきこの上限値よりも増大させないように制御すればよい。なお、以上の事項は第4の発明における第2効率制御手段に対しても同様に適用してもよい。
【0018】
また、第3の発明における効率制御手段において循環水量を変更制御するには、簡単には循環ポンプが回転形であればその回転数を変更制御することにより循環流量を変更制御するようにすればよい。この場合においても、その回転数を余り上げすぎると、循環ポンプの耐久性に悪影響を及ぼすおそれがあるため、上限値を予め定めこれを超えないように制御すればよい。なお、このような事項は第4の発明における第1効率制御手段に対しても同様に適用してもよい。
【0019】
【発明の作用及び効果】
上記第1の発明によれば、貯留槽内の液体を循環加熱する循環加熱系において、熱交換器の入口側温度と出口側温度とを検出することにより熱交換効率が簡易に推定され、上記推定した熱交換効率に基づいて加熱熱量及び循環流量のいずれか一方もしくは双方が変更制御されることにより熱交換回路における熱交換効率が目標熱交換効率以上の範囲になるように維持されることになる。これにより、循環加熱系における循環加熱において、熱交換効率の落ち込みを緩和しつつ、加熱に要するトータル熱エネルギー量の低減化を図ることができる。
【0020】
上記第2〜第4のいずれかの発明によれば、浴槽内の水を循環加熱する循環加熱系において、熱交換器が燃焼バーナにより加熱される熱交換回路における熱交換効率が少なくとも上記熱交換器の入口側温度と出口側温度とを検出するだけで効率推定手段によって簡易に推定し得ることになる。特に、上記入口側温度、出口側温度、循環流量及び燃焼バーナの燃焼熱量の各検出値に基づいて上記(1)式により推定値を演算する場合(請求項5の場合)には、熱交換回路におけるかなり的確な熱交換効率を簡易に推定することができる。また、上記入口側温度及び出口側温度のみを検出して両者の相対温度差の変動に基づいて上記熱交換効率の変動を推定する場合(請求項6の場合)には、簡易にかつ制御に必要な変動のみを効果的に得ることができる。
【0021】
そして、第2発明によれば、上記効率推定手段による熱交換効率の推定値が目標値よりも低くなると、効率制御手段により燃焼バーナの燃焼熱量(例えば燃料供給量)を上記熱交換効率の推定値が目標値よりも高くなる方向に変更、すなわち、上記燃焼熱量を低減変更させる制御が行われるため、熱交換効率がその分増大することになる。つまり、前述の(1)式におけるIp値が小さくなってη値が大きくなる。これが繰り返されて熱交換回路における熱交換効率が目標値以上の範囲に維持され、これにより、熱交換効率の落ち込みを緩和しつつ燃焼バーナの燃焼に要するトータル燃料量の低減化を図ることができるようになる。この際、燃焼熱量の低減変更の下限値を予め設定しておいてその下限値を下回らないようにすることにより、上記の熱交換効率の落ち込みを緩和してトータル燃料量の低減化を図り得るという効果に加えて、設定温度まで加熱するのに要する焚き上げ時間があまりかからないように抑制しかつ結露発生のおそれも回避することができるようにもなる。
【0022】
また、第3の発明によれば、上記効率推定手段による熱交換効率の推定値が目標値よりも低くなると、効率制御手段により循環ポンプによる循環水量を上記熱交換効率の推定値が目標値よりも高くなる方向に変更、すなわち、上記循環水量を増大変更させる制御が行われるため、熱交換効率がその分増大することになる。つまり、前述の(1)式におけるQ値が大きくなってη値が大きくなる。これが繰り返されて熱交換回路における熱交換効率が目標値以上の範囲に維持することができるようになる。これにより、たとえ燃焼バーナの燃焼熱量あるいは燃料供給量が一定に保たれたとしても、比較的高い熱交換効率に保たれるため焚き上がりまでの時間の短縮化が図られる結果、燃焼バーナの燃焼に要するトータル燃料量の低減化を図ることができるようになる。この場合においても、循環ポンプによる循環流量の上限値、例えば循環ポンプの作動量としての回転数の上限値を予め定めこれを超えないように制御することにより、熱交換効率の落ち込みを緩和してトータル燃料量の低減化を図り得るという効果に加えて、循環ポンプの耐久性の維持をも図ることができるようになる。
【0023】
さらに、第4の発明によれば、上記効率推定手段による熱交換効率の推定値が目標値よりも低くなると、まず第1効率制御手段により第3の発明における効率制御手段と同様に循環ポンプによる循環水量を増大変更させる制御が行われ、これにより、熱交換効率がその分増大することになる。それでも、上記熱交換効率の推定値が目標値よりも低い場合には、次に、第2効率制御手段により第2の発明における効率制御手段と同様に燃焼バーナの燃焼熱量(例えば燃料供給量)を低減変更させる制御が行われ、これにより、熱交換効率がその分増大することになる。このような2段階の変更制御により熱交換回路における熱交換効率を確実に目標値以上の範囲に維持することができるようになり、これにより、第2もしくは第3の発明による作用・効果を確実に得ることができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
<第1実施形態>
図1は、本発明の循環水加熱制御方法及び循環水加熱制御装置を追い焚き式風呂釜に適用した第1実施形態を示す。本第1実施形態は、燃料供給量を変更制御することにより、熱交換回路における熱交換効率を比較的高い範囲に維持するようにするものである。
【0026】
図1において、1は浴室内に設置された浴槽、2はこの浴槽1内の水もしくは温水を加熱する追い焚き用熱交換回路、3はこの熱交換回路2と上記浴槽1との間に配設された循環管路、4は上記熱交換回路21及び循環管路3の作動を制御するコントローラであり、上記熱交換回路2及び循環管路3によって循環加熱系が構成されている。
【0027】
上記熱交換回路2は、上端部に排気筒を有する缶体21と、この缶体21内の上部に配設された熱交換器22と、この熱交換器22の下側位置に配設されてその熱交換器22を加熱する燃焼バーナ23と、この燃焼バーナ23の下側位置に配設されてその燃焼バーナ23に燃焼用空気を供給する送風ファン24とを備えている。上記燃焼バーナ23は燃料供給管25を通して燃料としての都市ガスの供給を受けて燃焼させるようになっており、供給される燃料供給量は上記燃料供給管25に介装された電磁比例制御弁26が上記コントローラ4により開度制御されて変更調整可能となっている。また、上記送風ファン24は上記コントローラ4により作動制御されるようになっており、この作動制御により送風量が上記燃料供給量の変更調整に応じて所定の空燃比となるように変更調整されるようになっている。
【0028】
上記循環管路3は、上記熱交換器22において互いに連通する戻し管路31と往き管路32とから構成されている。上記戻し管路31は上流端が上記浴槽1の吸い込み口に連通されている一方、上記往き管路32は下流端が上記浴槽1の吐出口に連通されている。また、上記戻し管路31には循環ポンプ33が介装されており、この循環ポンプ33の作動により上記浴槽1内の水または温水を戻し管路31を通して熱交換器22に導出し、この熱交換器22で加熱されて昇温された温水を往き管路32を通して上記浴槽1に戻すというように浴槽1と熱交換回路2との間を循環させるようになっている。上記循環ポンプ33はその回転数に比例した循環流量で循環させるようになっている。なお、上記循環ポンプ33の設置位置は戻し管路31及び往き管路32のいずれの位置であってもよい。そして、上記戻し管路31には上記熱交換回路2へ流入する循環水の入口側温度Tbを検出する入口側温度検出手段34と、循環流量を検出する循環水量検出手段35とが設けられ、また、上記往き管路32には上記熱交換回路2から流出する循環水の出口側温度Taを検出する出口側温度検出手段36が設けられている。上記の入口側及び出口側の各温度検出手段34,36は例えばサーミスタ等により構成すればよい。
【0029】
上記コントローラ4は、MPU及びメモリー等により構成され、熱交換回路2における熱交換効率を推定する効率推定手段41と、この効率推定手段41により推定された熱交換効率の推定値ηに基づいて上記電磁比例制御弁26の開度を変更制御する効率制御手段42と、風呂釜全般の作動制御を行う風呂釜制御手段43とを備えている。そして、上記コントローラ4は、リモートコントローラ(以下「リモコン」という)44のメインスイッチがユーザによりONされることにより制御が開始され、上記リモコン44からの各種運転指令や温度設定指令等に基づいて後述の各制御が行われるようになっている。
【0030】
以下、図2のフローチャートに基づいて上記コントローラ4による制御を説明する。
【0031】
まず、ユーザによりリモコン44のメインスイッチがONにされることによりスタートする。そして、上記リモコン44に対しユーザが焚き上がり温度(設定温度)を設定して追い焚きスイッチがONされると(ステップS1)、風呂釜制御手段43において燃料供給量Pとして初期値Pintが、循環ポンプ33の回転数Nとして固定値Nfがそれぞれ設定されて(ステップS2)、燃焼バーナ23による燃焼及び循環ポンプ33の作動がそれぞれ開始される(ステップS3)。具体的には、上記風呂釜制御手段43により、電磁比例制御弁26が上記初期値Pintに対応する開度になるように、また、送風ファン24が初期値Pintに対応する送風量になるようにそれぞれ作動制御されて燃焼バーナ23が図示省略の点火器により着火される一方、上記循環ポンプ33が上記固定値Nfに対応する一定循環流量Qで作動される。なお、上記初期値Pintとしては、熱交換回路2での熱交換効率がかなり高い値(例えば80%程度)になるような高い燃焼熱量を実現し得る燃料供給量値が設定される。つまり、供給されるガス二次圧が比較的高くなるようにされている。
【0032】
次に、効率推定手段41に対し、入口側温度検出手段34から入口側温度Tbと、出口側温度検出手段36から出口側温度Taとの各検出値が入力され、併せて、風呂釜制御手段43からその時に設定されている燃料供給量Pd(制御初期はPd=Pint)及び循環ポンプ33の設定回転数としての固定値Nfが入力される(ステップS4)。そして、上記効率推定手段41において、上記燃料供給量Pdが燃焼熱量Ip(kcal/H)に、固定値Nfが循環流量Q(l/min)にそれぞれ換算されて前述の(1)式に基づき熱交換効率の推定値ηの演算が行われる(ステップS5)。
【0033】
そして、上記推定値ηと、予め設定されている熱交換効率についての目標値ηtに基づき効率制御手段42において燃料供給量PについてステップS6以下の変更制御が行われる。すなわち、上記推定値ηが目標値ηt以上であれば現状の燃焼条件で燃焼を続行させる一方(ステップS6及びS7)、上記推定値ηが目標値ηtを下回れば上記燃料供給量Pを所定の単位制御量ΔPだけ低減させて燃焼熱量Ipを低減させる(ステップS6及びS8)。なお、低減させた後の燃料供給量Pが予め設定した燃料供給量についての下限値Pmin以上の範囲に制限し、下限値Pminよりも低くなる場合には燃料供給量Pを下限値Pmin とする(ステップS9及びS10)。上記ステップS7、S9あるいはS10の後に再度ステップS4に戻り、このステップS4からステップS10までを出口側温度Taが設定温度に到達するまで繰り返す。そして、上記出口側温度Taが設定温度に到達すれば、制御を停止する。
【0034】
上記熱交換効率の目標値ηtとしては、上記初期値Pintが80%の熱交換効率に対応するように設定した場合には例えば75〜80%の範囲の内から選択する、あるいは、70〜75%の範囲の内から選択するようにすればよい。また、80%に対応する初期値Pint設定に対し、目標値ηtとして例えば76±0.5%の範囲に設定するようにしてもよい。また、目標値ηtの設定を上記の75〜80%の範囲、70〜75%の範囲、76±0.5%の範囲にすることを、上記初期値Pintとして熱交換効率83〜85%に対応するように設定する場合に適用してもよい。
【0035】
また、上記下限値Pminとしては、それよりも燃料供給量を低くすると浴槽1内の水の設定温度までの焚き上がり時間が従来の一定燃料供給量で設定温度まで燃焼継続させる場合と比べ長くかかり過ぎてユーザにとって不便となるような限界の最低の燃料供給量が設定される。具体的には、上記初期値Pint の例えば2/3程度に設定すればよい。つまり、燃料供給量Pの低減化を上記下限値Pminに制限することで熱交換効率が目標値ηtよりもたとえ低くなっても、上記下限値Pminよりも小さい範囲ではその熱交換効率の悪化よりも設定温度までの焚き上がり時間が過度に長くならないことを防止して、焚き上がり時間の方を高熱交換効率の維持よりも優先させるようになっている。
【0036】
<第2実施形態>
図3は、本発明の循環水加熱制御方法及び循環水加熱制御装置を追い焚き式風呂釜に適用した第2実施形態を示す。本第2実施形態は、循環ポンプによる循環流量を変更制御することにより、熱交換回路における熱交換効率を比較的高い範囲に維持するようにするものである。
【0037】
図3において、27はコントローラ4により開閉制御される電磁開閉弁であり、この電磁開閉弁27はその開作動制御により所定の一定開度となって後述の固定値Pfの燃料供給量を燃焼バーナ23に供給することになるように構成されている。また、45は効率制御手段であり、この効率制御手段45は効率推定手段41により推定された熱交換効率の推定値ηに基づいて循環ポンプ33の回転数Nを変更制御して循環管路3を流れる循環流量Qを変更するようになっている。この第2実施形態は、以上の構成要素27,45においてのみ第1実施形態と異なり、他の構成要素は第1実施形態と同じ構成であるため、同一構成要素については第1実施形態と同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0038】
以下、第2実施形態のコントローラ4による制御を第4図のフローチャートに基づいて説明する。
【0039】
まず、ユーザによりリモコン44のメインスイッチがONにされることによりスタートする。そして、上記リモコン44に対しユーザが焚き上がり温度(設定温度)を設定して追い焚きスイッチがONされると(ステップS11)、風呂釜制御手段43において燃料供給量Pとして電磁開閉弁27の開状態に対応する固定値Pfが、循環ポンプ33の回転数Nとして初期値Nintがそれぞれ設定されて(ステップS12)、燃焼バーナ23による燃焼及び循環ポンプ33の作動がそれぞれ開始される(ステップS13)。具体的には、風呂釜制御手段43により電磁開閉弁27の開作動及び送風ファン24の作動開始が行われて燃焼バーナ23が図示省略の点火器により着火される一方、上記循環ポンプ33が上記初期値Nintに対応する循環流量Qで作動される。なお、上記固定値Pfとしては第1実施形態における初期値Pintと同様の基準で設定すればよく、また、上記初期値Nintとしては上記初期値Pintの燃料供給量で燃焼バーナ23を燃焼させた場合に熱交換回路2での熱交換効率がかなり高い値(例えば80%〜85%程度)になるような循環流量を設定すればよい。
【0040】
次に、効率推定手段41に対し、入口側温度検出手段34から入口側温度Tbと、出口側温度検出手段36から出口側温度Taとの各検出値が入力され、併せて、風呂釜制御手段43からその時に設定されている燃料供給量Pd(Pd=Pf)及び循環ポンプ33の設定回転数としてその時に設定されている回転数N(燃焼初期ではN=Nint)が入力される(ステップS14)。そして、上記効率推定手段41において、上記燃料供給量Pdが燃焼熱量Ip(kcal/H)に、回転数Nが循環流量Q(l/min)にそれぞれ換算されて前述の(1)式に基づき熱交換効率の推定値ηの演算が行われる(ステップS15)。
【0041】
そして、上記推定値ηと、予め設定されている熱交換効率についての目標値ηtに基づき効率制御手段45において循環ポンプ33の回転数NについてステップS16以下の変更制御が行われる。すなわち、上記推定値ηが目標値ηt以上であれば回転数Nを所定の単位制御量ΔN2だけ低くして循環流量Qを低減させる一方(ステップS16及びS17)、上記推定値ηが目標値ηtを下回れば上記回転数Nを所定の単位制御量ΔN1だけ高くして循環流量を増大させる(ステップS16及びS18)。なお、上記の高くした後の回転数Nが予め設定した回転数についての上限値Nmax以下の範囲になるように制限し、上限値Nmaxよりも高くなる場合には回転数Nを上限値Nmax とする(ステップS19及びS20)。上記ステップS17、S19あるいはS20の後に再度ステップS14に戻り、このステップS14からステップS20までを出口側温度Taが設定温度に到達するまで繰り返す。そして、上記出口側温度Taが設定温度に到達すれば、制御を停止する。
【0042】
なお、上記熱交換効率の目標値ηtの選択・設定は第1実施形態と同様に行えばよい。
【0043】
また、上記上限値Nmaxとしては、循環ポンプ33の耐久性に悪影響を及ぼすおそれのある限界の最大回転数を設定すればよい。具体的には、循環ポンプ33の能力範囲内で予め試験等を実施して定めればよい。つまり、回転数Nの増加を上記上限値Nmaxに制限することで熱交換効率が目標値ηtよりもたとえ低くなっても、上記上限値Nmaxよりも高い範囲ではその熱交換効率の悪化よりも循環ポンプ33の耐久性維持の方を優先させるようになっている。
【0044】
<第3実施形態>
図5は、本発明の循環水加熱制御方法及び循環水加熱制御装置を追い焚き式風呂釜に適用した第3実施形態を示す。本第3実施形態は、熱交換効率の推定を最も簡易な方法により行い、その推定に基づき燃焼バーナへの燃料供給量を変更制御することにより、熱交換回路における熱交換効率を比較的高い範囲に維持するようにするものである。
【0045】
図5において、46は効率推定手段であり、この効率推定手段46は熱交換器22の入口側温度Tb及び出口側温度Taの相対温度差αを熱交換効率の推定値として求め、その推定値αの変動に基づいて熱交換効率の変動を推定するようになっている。また、47は効率制御手段であり、この効率制御手段47は上記相対温度差の燃焼初期の値を目標値αintとして上記効率推定手段46による推定値αが目標値αint以上を維持するように燃料供給量Pを変更制御し、風呂釜制御手段43を介して電磁比例制御弁26を制御するようになっている。そして、本第3実施形態では、熱交換効率の推定を上記の如く相対温度差αに基づき行うようにしているため、第1実施形態とは異なり循環水量検出手段35(図1参照)は不要であり、設けられてはいない。
【0046】
この第3実施形態は、以上の相違点を除き他の構成要素は第1実施形態と同じ構成であるため、同一構成要素については第1実施形態と同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0047】
以下、第3実施形態のコントローラ4による制御を第6図のフローチャートに基づいて説明する。
【0048】
まず、ユーザによりリモコン44のメインスイッチがONにされることによりスタートし、上記リモコン44に対する設定温度の設定及び追い焚きスイッチのONにより(ステップS21)、風呂釜制御手段43において燃料供給量Pとして初期値Pintの設定及び循環ポンプ33の回転数Nとして固定値Nfの設定(ステップS22)と、燃焼バーナ23の燃焼作動、送風ファン24の作動及び循環ポンプ33の作動の開始(ステップS23)とが、第1実施形態のステップS1〜S3と同様に行われる。なお、上記初期値Pintの選択・設定も第1実施形態と同様の基準により行えばよい。
【0049】
次に、効率推定手段46に対し、入口側温度検出手段34から入口側温度Tbと、出口側温度検出手段36から出口側温度Taとの各検出値が入力される(ステップS24)。そして、上記効率推定手段46において、前述の(2)式に基づき熱交換効率の推定値αの演算が行われる(ステップS25)。この際、初回のステップS25において演算された初期相対温度差αの値を目標値αintとして設定する。
【0050】
そして、上記推定値αと、目標値αintに基づき効率制御手段47において燃料供給量PについてステップS26以下の変更制御が行われる。すなわち、上記推定値αが目標値αint以上であれば現状の燃焼条件で燃焼を続行させる一方(ステップS26及びS27)、上記推定値αが目標値αintを下回れば上記燃料供給量Pを所定の単位制御量ΔPだけ低減させて燃焼熱量Ipを低減させる(ステップS26及びS28)。なお、低減させた後の燃料供給量Pが予め設定した燃料供給量についての下限値Pmin以上の範囲に制限し、下限値Pminよりも低くなる場合には燃料供給量Pを下限値Pmin とする(ステップS29及びS30)。上記ステップS27、S29あるいはS30の後に再度ステップS24に戻り、このステップS24からステップS30までを出口側温度Taが設定温度に到達するまで繰り返す。そして、上記出口側温度Taが設定温度に到達すれば、制御を停止する。
【0051】
上記目標値αintとして初期相対温度差の値を採用するのは、燃焼開始時の熱交換状態になるべく近づけるようにするものである。また、上記下限値Pminの設定は第1実施形態と同様に行えばよく、このように燃料供給量の変更を上記下限値Pminに制限するのは、第1実施形態と同じ目的・理由によるものである。
【0052】
<第4実施形態>
図7は、本発明の循環水加熱制御方法及び循環水加熱制御装置を追い焚き式風呂釜に適用した第4実施形態を示す。本第4実施形態は、熱交換効率の推定を第3実施形態と同様に最も簡易な方法により行い、その推定に基づき循環ポンプの循環流量を変更制御することにより、熱交換回路における熱交換効率を比較的高い範囲に維持するようにするものである。
【0053】
図7において、46は第3実施形態と同様構成の効率推定手段であり、48は効率制御手段である。この効率制御手段48は上記相対温度差の燃焼初期の値を目標値αintとして上記効率推定手段46による推定値αが目標値αint以上を維持するように循環ポンプ33の回転数Nを変更制御し、風呂釜制御手段43を介して循環ポンプ33の作動を制御するようになっている。そして、本第4実施形態では、熱交換効率の推定を上記の如く相対温度差αに基づき行うようにしているため、第2実施形態における循環水量検出手段35(図3参照)は不要であり、また、変更制御対象が循環ポンプ33の回転数であるため、燃焼バーナ23への燃料供給量も固定値でよく燃料供給管25には第2実施形態と同様の電磁開閉弁27が介装されている。
【0054】
この第4実施形態は、以上の相違点を除き他の構成要素は第2実施形態と同じ構成であるため、同一構成要素については第2実施形態と同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
以下、第4実施形態のコントローラ4による制御を第8図のフローチャートに基づいて説明する。
【0056】
まず、ユーザによりリモコン44のメインスイッチがONにされることによりスタートし、上記リモコン44に対する設定温度の設定及び追い焚きスイッチのONにより(ステップS31)、風呂釜制御手段43において燃料供給量Pとして固定値Pfの設定及び循環ポンプ33の回転数Nとして初期値Nintの設定(ステップS32)と、燃焼バーナ23の燃焼作動、送風ファン24の作動及び循環ポンプ33の作動の開始(ステップS33)とが、第2実施形態のステップS11〜S13と同様に行われる。なお、上記固定値Pf及び初期値Nintの各設定は第2実施形態と同様に行えばよい。
【0057】
次に、効率推定手段46に対し、入口側温度検出手段34から入口側温度Tbと、出口側温度検出手段36から出口側温度Taとの各検出値が入力される(ステップS34)。そして、上記効率推定手段46において、前述の(2)式に基づき熱交換効率の推定値αの演算が行われる(ステップS35)。この際、初回のステップS35において演算された初期相対温度差αの値を目標値αintとして設定する。
【0058】
そして、上記推定値αと、目標値αintに基づき効率制御手段48において循環ポンプ33の回転数NについてステップS36以下の変更制御が行われる。すなわち、上記推定値αが目標値αint以上であれば、さらにその推定値αが目標値αintにほぼ等しいか否か、具体的には、αがαintのプラス側・マイナス側で数%の増減範囲内に入っているか否かを比較して、推定値αがその増減範囲内であれば現状の燃焼条件で燃焼を続行させる一方(ステップS36、S37及びS38)、推定値αが上記増減範囲内に入っていなければ回転数Nを所定の単位制御量ΔN2だけ低くして循環流量を低減させる(ステップS36、S37及びS39)。一方、上記ステップS36において推定値αが目標値αintよりも小さければ、回転数Nを所定の単位制御量ΔN1だけ高くして循環流量を増大させる(ステップS36及びS40)。この場合も、第2実施形態と同様に、
上記の高くした後の回転数Nについて上限値Nmax以下の範囲になるように制限し、上限値Nmaxよりも高くなる場合には回転数Nを上限値Nmax とする(ステップS41及びS42)。上記ステップS38、S39、S41あるいはS42の後に再度ステップS34に戻り、このステップS34以降を出口側温度Taが設定温度に到達するまで繰り返す。そして、上記出口側温度Taが設定温度に到達すれば、制御を停止する。
【0059】
なお、この第4実施形態において、目標値αintとして初期相対温度差の値を採用する理由は第3実施形態と同様であり、また、上記上限値Nmaxの設定は第2実施形態と同様に行えばよく、このように回転数の変更を上記上限値Nmaxに制限するのは、第2実施形態と同じ目的・理由によるものである。
【0060】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1〜第4実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。上記第1〜第4実施形態では、浴槽1に注水して貯留した状態から追い焚きするという風呂釜専用機を例にしたものを示したが、これに限らず、給湯器付風呂釜等のように給湯器が付設されている場合には、給湯器により加熱された湯水を注湯管路を通して循環管路3のいずれかの部位に流入させて浴槽1に注湯し、この状態から熱交換回路2により追い焚きするものに本発明を適用してもよい。
【0061】
また、第2もしくは第4実施形態において、効率制御手段45,48を第1効率制御手段とし、この第1効率制御手段による回転数の変更制御だけでは熱交換効率の目標値以上を達成できない場合にさらに燃料供給量の変更制御を行う第2効率制御手段を設け、循環流量と燃料供給量との二段階での変更制御により熱交換効率を高く維持した循環加熱を実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】第1実施形態における制御を示すフローチャートである。
【図3】第2実施形態を示す模式図である。
【図4】第2実施形態における制御を示すフローチャートである。
【図5】第3実施形態を示す模式図である。
【図6】第3実施形態における制御を示すフローチャートである。
【図7】第4実施形態を示す模式図である。
【図8】第4実施形態における制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 浴槽
2 熱交換回路
3 循環管路
22 熱交換器
23 燃焼バーナ(加熱器)
26 電磁比例制御弁
27 電磁開閉弁
33 循環ポンプ
34 入口側温度検出手段
35 循環水量検出手段
36 出口側温度検出手段
41,46 効率推定手段
42,45,47,48 効率制御手段
Claims (6)
- 熱交換器及びこの熱交換器を加熱する加熱器を有する熱交換回路と、貯留槽内に貯留された液体を循環ポンプの作動によりその貯留槽と上記熱交換回路との間で循環させる循環管路とを備えた循環加熱系に対し適用されるものであって、上記貯留槽内の液体を上記循環管路により循環させつつ徐々に昇温させる循環水加熱制御方法において、
上記加熱器及び循環ポンプを作動させた後、
少なくとも上記循環管路を通して上記熱交換器に流入する液体の入口側温度と、上記熱交換器から流出する液体の出口側温度とを検出することにより上記熱交換回路における熱交換効率を順次推定し、
上記加熱器による加熱熱量及び循環ポンプによる液体の循環量のいずれか一方もしくは双方を、上記推定した熱交換効率が予め設定した目標熱交換効率以上の範囲になるように順次変更制御するようにする
ことを特徴とする循環水加熱制御方法。 - 燃料の供給を受けて燃焼する燃焼バーナ及びこの燃焼バーナから燃焼熱を受ける熱交換器を有する熱交換回路と、循環ポンプの作動により浴槽内に貯留された水をその浴槽と上記熱交換回路との間で循環させる循環管路とを備えた循環加熱系に対し設けられるものであって、上記浴槽内の水を上記循環管路により循環させつつ昇温させる循環水加熱制御装置において、
少なくとも上記循環管路を通して上記熱交換器に流入する循環水の入口側温度及び上記熱交換器から流出する循環水の出口側温度をそれぞれ検出することにより上記熱交換回路における熱交換効率を推定する効率推定手段と、
上記燃焼バーナによる燃焼熱量を、上記効率推定手段により推定された熱交換効率の推定値が予め設定した目標値以上の範囲になるように変更制御する効率制御手段と
を備えている
ことを特徴とする循環水加熱制御装置。 - 燃料の供給を受けて燃焼する燃焼バーナ及びこの燃焼バーナから燃焼熱を受ける熱交換器を有する熱交換回路と、循環ポンプの作動により浴槽内に貯留された水をその浴槽と上記熱交換回路との間で循環させる循環管路とを備えた循環加熱系に対し設けられるものであって、上記浴槽内の水を上記循環管路により循環させつつ昇温させる循環水加熱制御装置において、
少なくとも上記循環管路を通して上記熱交換器に流入する循環水の入口側温度及び上記熱交換器から流出する循環水の出口側温度をそれぞれ検出することにより上記熱交換回路における熱交換効率を推定する効率推定手段と、
上記循環ポンプによる循環管路の循環水量を、上記効率推定手段により推定された熱交換効率の推定値が予め設定した目標値以上の範囲になるように変更制御する効率制御手段と
を備えている
ことを特徴とする循環水加熱制御装置。 - 燃料の供給を受けて燃焼する燃焼バーナ及びこの燃焼バーナから燃焼熱を受ける熱交換器を有する熱交換回路と、循環ポンプの作動により浴槽内に貯留された水をその浴槽と上記熱交換回路との間で循環させる循環管路とを備えた循環加熱系に対し設けられるものであって、上記浴槽内の水を上記循環管路により循環させつつ昇温させる循環水加熱制御装置において、
少なくとも上記循環管路を通して上記熱交換器に流入する循環水の入口側温度及び上記熱交換器から流出する循環水の出口側温度をそれぞれ検出することにより上記熱交換回路における熱交換効率を推定する効率推定手段と、
上記循環ポンプによる循環管路の循環水量を、上記効率推定手段により推定された熱交換効率の推定値が予め設定した目標値以上の範囲に入るように変更制御する第1効率制御手段と、
この第1効率制御手段による変更制御を実行しても上記推定値が目標値以上の範囲の値にならない場合に、上記燃焼バーナによる燃焼熱量を上記推定値が目標値以上の範囲に入るように変更制御する第2効率制御手段と
を備えている
ことを特徴とする循環水加熱制御装置。 - 請求項2〜4のいずれかにおいて、
循環管路を通して熱交換器に流入する循環水の入口側温度を検出する入口側水温検出手段と、
上記循環管路を通して熱交換器から流出する循環水の出口側温度を検出する出口側水温検出手段と、
上記循環管路の循環水量を検出する循環水量検出手段と、
燃焼バーナへの燃料供給量を検出する燃料供給量検出手段と
を備えており、
効率推定手段が、上記出口側水温検出手段による出口側温度検出値から上記入口側水温検出手段による入口側温度検出値を減じた温度差値と、上記循環水量検出手段による循環水量検出値とを乗じて得られる受熱量値を、上記燃料供給量検出手段による燃料供給量検出値に対応する燃焼熱量値で除して得られる演算値を熱交換効率の推定値として求めるように構成されている、
循環水加熱制御装置。 - 請求項2〜4のいずれかにおいて、
循環管路を通して熱交換器に流入する循環水の入口側温度を検出する入口側水温検出手段と、
上記循環管路を通して熱交換器から流出する循環水の出口側温度を検出する出口側水温検出手段と
を備えており、
効率推定手段が、上記出口側水温検出手段による出口側温度検出値から上記入口側水温検出手段による入口側温度検出値を減じた温度差値を熱交換効率の推定値として求めるように構成されている、
循環水加熱制御装置。
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