JP6841739B2 - 水力発電システム - Google Patents

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本発明は、水の未利用エネルギーを回収する水力発電システムの保護運転に係り、水車の無拘束回転を抑制する水力発電システムに関する。
一般に、未利用の水の位置エネルギーを水車と発電機で回収する水力発電システムにおいては、何らかの要因によって発電した電力の消費が不可能になる状態がある。例えば、系統へ発電した電力を逆潮流して売電する場合では系統側の停電による逆潮流の停止の状態、他の設備へ発電した電力を供給する場合では受電側設備の停止の状態などである。これらの場合、発電した電力の消費ができなくなるため、発電機による発電動作を直ちに停止させなくてはならないが、短時間に運転中の水車及び発電機を機械的に停止させることはできない。
本技術分野における背景技術として、特開2016−108967号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、バイパス管に流量調整弁を設け、水車のオーバーロードを抑制する構成が開示されている。
特開2016−108967号公報
特許文献1においては、系統停電などによる発電電力の消費が瞬間的に遮断された場合、バイパス管の流量調整弁の動作による水車への水動力抑制では時間がかかり、余剰発電電力が発生する。この為、この余剰発電電力を消費するための抵抗器とその制御装置が必要となり、これらは通常運転時には不要な設備である。また、これらの動作時は電力を熱として消費するので、安全上の配慮が必要な設備となる。また、系統の停電が短時間で復帰した場合でも、水車発電を定格運転状態に復帰させるには流量調整弁は機械的な動作時間を要する為、短時間で定格発電を再開することは困難であった。
本発明の目的は、余剰電力を抵抗等で消費する手段を設けずに、発電電力を短時間に抑制して余剰電力の発生を回避するとともに、短時間で定格発電復帰が可能な小規模な発電システムを提供することにある。
本発明は、上記背景技術及び課題に鑑み、その一例を挙げるならば、送水管に設置された水車と、水車の一次側と二次側をバイパスする主バイパス管と、水車によって駆動される永久磁石式同期発電機と、永久磁石式同期発電機をインバータによって水車の特性に基づく発電制御を行う発電コントローラと、発電した直流電力を商用電源に逆潮流する系統連系装置を備えた水力発電システムにおいて、主バイパス管より小径であって、電磁弁により開閉でき、水車の一次側と二次側をバイパスする副バイパス管を設け、発電コントローラは、商用電源に停電が発生して永久磁石式同期発電機による発電を停止した場合、水車の無拘束回転数を連続運転可能な回転数に維持するように電磁弁を制御するように構成した。
本発明によれば、簡単な構成で、系統停電時の発電電力抑制及び系統復電時の発電電力復帰をいずれも短時間に行うことが可能な水力発電システムを提供することができる。
実施例1における水力発電システムの構成図である。 実施例1における発電コントローラの機能ブロック図である。 実施例1における発電コントローラの発電制御特性と副バイパス管の電磁弁の開閉タイミングを示す特性図である。 実施例1における発電コントローラの制御による直流電圧と水車及び発電機の回転数の関係を示す特性図である。 実施例1における発電開始手順の処理を示すフローチャートである。 実施例1における系統停電発生時の処理を示すフローチャートである。 実施例2における水力発電システムの構成図である。 実施例3おける水力発電システムの構成図である。 実施例4における水力発電システムの構成図である。
以下、本発明における実施例を図面を用いて説明する。
図1は、本実施例における水力発電システムの構成図である。図1において、送水管1から主バイパス管2と手動操作弁3を経るバイパス経路が構成されており、水車9の保守又は交換の場合等は、手動操作弁3を全開とし水車側の手動操作弁4及び5を完全に閉とすることで、すべての水を主バイパス管へ流すとともに、水車への水動力の入力を遮断することができる構成となっている。
また、水車を発電運転する場合は、手動操作弁4及び5を開けるとともに、主バイパス管2の手動操作弁3を完全に閉とすることにより、全水量が水車へ入力される。水車へ入力される水動力の調整は、これら3つの手動操作弁を調整することで可能である。
水動力によって水車が回転すると機械的に連結された永久磁石式同期発電機10が回転して三相の交流電圧を発生する。これらはインバータ11へ入力され、インバータ11を制御する発電コントローラ14が永久磁石式同期発電機10を発電制御することにより直流電力を発生する。この直流電力は直流ケーブル部16を経て系統連系装置12へ入力され、ここで商用電源13に同期した三相電力に変換されて商用電源13へ逆潮流し売電するシステムとなっている。
以上のシステム構成は一般的な水力発電システムの構成である。なお、手動操作弁3,4,5をそれぞれ自動弁として発電を自動制御するシステムもある。
図2は、発電コントローラ14の機能ブロックを示した図である。図2において、発電コントローラ14は、永久磁石式同期発電機10によって発電される三相交流電力を、系統連系装置12へ供給可能な直流電力に変換する、インバータ11を制御する。このインバータ11の制御はマイクロプロセサである発電機制御マイコン100により行われる。発電機制御マイコン100は、永久磁石式同期発電機10の相電流値を検出する電流センサ108から発電機相電流を検出する電流検出部107と、位置・速度推定演算部106と、インバータ11の出力電圧値を検出するPN電圧検出部105と、発電電力指令生成部104と、電圧指令演算部103と、d/q変換部102と、PWM制御パルス生成部101を備えている。各構成は、一般的なインバータ制御で知られているので、その詳細な説明は省略する。インバータ11は、半導体スイッチング素子を有しており、永久磁石式同期発電機10によって発電される電力を、半導体スイッチング素子をオン/オフ制御することで、直流に変換するとともに、その直流電圧を制御し、系統連系装置12に供給可能な直流電力に変換する。発電機制御マイコン100は、その半導体スイッチング素子をオン/オフ制御するためのPWM制御信号を生成し、インバータ11を制御する。
本実施例では、図1に示すように、手動操作弁4の二次側に水車9の一次側と二次側をバイパスする、主バイパス管より小径の副バイパス管6を新たに設けるとともに、このバイパス路を開閉する動作の早い電磁弁7と副バイパス管の流量を微調整する手動操作弁8を備えている。なお、手動操作弁8は自動操作弁でもよい。また、電磁弁7は電磁弁制御線15により発電コントローラ14によって開閉操作される。
次に、発電コントローラ14の発電制御方法について図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施例における発電コントローラ14の発電制御特性と副バイパス管6の電磁弁7の開閉タイミングを示す特性図である。図3において、発電コントローラ14は、水車回転数N[min−1]をパラメータとしてあらかじめ設定した当該水車パワーカーブ22から発電量P[kW]を決定し、インバータ11へ指令することにより水車9の特性に合わせた発電量制御を実施している。すなわち、この発電量制御によって、水車に対する水動力の変化に合わせ水車パワーカーブ22上を動作点が移動する。
水動力が過大になると、発電コントローラは発電出力を100%で制限する為、水車の回転数は定格発電時の回転数N1を超えて高回転となる右へ移動していく。図3では何も対策を施さない場合、回転数がN6に到達するものとしている。
一般的に水車の無拘束回転数は定格回転の2.5倍以上とされており、キャビテーションによる水車の羽根の壊食や永久磁石式同期発電機の過大な誘起電圧による耐電圧破壊等の問題が発生する。
また、図3において、N0は発電停止回転数、N2は副バイパス管の電磁弁閉動作を行う回転数、N3は副バイパス管の電磁弁開動作を行う回転数、N4は副バイパス管開通時の無拘束回転数であり最大水量時に羽根が破損せず連続運転可能な回転数、N6は副バイパス管閉鎖時の最大水量時の無拘束回転数を示しており、電磁弁制御タイミング21で示すように、N3で副バイパス管の電磁弁を開とすることで、無拘束回転数の上限をN6からN4に制限し、水車の羽根が破損しない程度の回転数に抑えることを示している。
図4に直流ケーブル部16の直流電圧と水車9及び永久磁石式同期発電機10の回転数の関係を示す。本実施例の説明上、水車の回転数と永久磁石式同期発電機の回転数は一致するものとする。実用にあたっては減速機又は増速機を介して水車と永久磁石式同期発電機を接続する場合があるが、その場合は永久磁石式同期発電機の軸回転数に換算すればよい。
図4に示すように、永久磁石式同期発電機の誘起電圧特性31は回転数に比例する。よって回転数が異常に上昇してしまうと永久磁石式同期発電機10の端子電圧が上昇しインバータ11の半導体スイッチング素子のフライホイールダイオードを介して直流ケーブル部16の直流電圧の上昇となる。
図4において、図3と同様の機能については同じ記号を付し、その説明は省略する。図4では、図3と同様の回転数の定義である、副バイパス管等何らかの保護措置を施さない場合の無拘束回転数N6に加え、永久磁石式同期発電機の誘起電圧のみでインバータを含む電気回路の耐電圧を超えてしまう回転数をN5、水車が連続運転に耐えられる最大水量時の限界の許容最大回転数をN7としている。また、回転数N4、N5,N6,N8に対する直流電圧をV4、V5,V6,V8としている。すなわち、V5はインバータの許容耐電圧である。
高回転に対して何も対策を施さない場合、無拘束状態等により回転数がN6に到達すると、N5及びN7を超えてしまうため電気回路の故障及び水車の機械的な損傷が発生してしまうことになる。
一方、低回転側については、商用電源がない場合等で電磁弁を含むシステムを構成するすべての機器の電源を水車による発電電力によって供給する場合、水車の回転のみで発電システムを完全な停止状態から起動させるブラックスタートがある。この場合は、水車の回転による誘起電圧のみで発電コントローラ他の制御電源を起動させる必要があり、最小水量時に水車によって駆動された永久磁石式同期発電機の誘起電圧でインバータの制御電源を起動させるのに必要な最低回転数をN8としている。
また、永久磁石式同期発電機を効率よく運転するには、誘起電圧を有効に利用する必要があり、定格運転点での誘起電圧はなるべく高いほうが良い。
以上の条件を整理すると、無拘束時の水車及び発電機の回転数をNとすれば、N<N5かつN<N7かつN>N8の条件を成立させることが必要である。
さらに良好な発電効率を得るためには、定格運転時の回転数においてできるだけ誘起電圧を高く設定することも必要である。
N5及びN8は発電システムを構成する電気機器の仕様、N7は適用する水車の機械的な仕様でいずれも決定されるため、これらの条件を満たしつつ、できるだけ発電機の誘起電圧を上げるように発電機を設計することとなる。
一般的に小規模な水車などでは、無拘束時の水車への入力動力を制限するガイドベーンなどの機構がない。このため、無拘束時の回転数は定格運転時の回転数の数倍となり、ポンプ逆転水車等では2.5倍程度となることが知られている。
上記の条件を加味すれば発電機の誘起電圧は低く設定せざるを得ず、結果として定格運転時の誘電圧が低くなり良好な発電効率を得る障害となっていた。
この問題に対し、本実施例では図1に示す主バイパス管2よりも小径で動作の早い電磁弁7により短時間で開閉可能な副バイパス管6を設け、水車が無拘束となり回転数が高くなると電磁弁7を開き副バイパス管6に水車への水動力の一部を逃がすことにより、無拘束時の水車回転数を図4のN4の副バイパス管開通時の無拘束回転数、すなわち、副バイパス管開通時の許容回転数に制限するものである。すなわち、図4の誘起電圧特性31上を点32から点33に移動する。
ブラックスタートを可能とするにはN4>N8の関係とする必要があるので、副バイパス管6にはバイパス時の流量微調整用に手動操作弁8を設けている。
また、電磁弁7は常時開タイプとすることにより、発電システムの故障等で制御電源を喪失して電磁弁の制御ができない場合でも副バイパス管は開通状態となるので常に水車の無拘束回転数を抑制することができる。なお、電磁弁7の制御は発電コントローラ14より実施する。
以下動作の詳細について図5、図6に沿って説明する。図5に水車発電を開始するときの手順を示す。水車発電を開始する前の状態は、図1の手動操作弁4が閉、手動操作弁3が全開ですべての水は主バイパス管2を流れている。副バイパス管6の電磁弁7は発電開始前なので電磁弁制御線15による出力はなく常時開の状態となっている。
図5において、水車発電を開始するには、ステップS41で、まず水車一次側操作弁である手動操作弁4及び5を開状態としたのち、ステップS42で、主バイパス管2の手動操作弁3を徐々に閉めていくことで水車が回転を開始する。このとき手動操作弁4及び5の開度はあらかじめ水車へ設定した水量となるよう調整しておいてもよい。水車の回転数はまだ発電が開始されていないため無拘束回転数まで上昇する。このとき、副バイパス管6は開通しているため、水車の無拘束回転数はあらかじめ設定したNとなる。水車の回転数がNとなると発電機の誘起電圧が制御電源動作可能最低直流電圧V8を超えるので、発電コントローラ14は自動的に起動することができる(ステップS43)。
発電コントローラ14は起動後すぐに発電機の回転数を検出し、発電動作可能回転数を超えていると判断した場合は直ちにインバータ11を介して発電機の発電動作を開始する(ステップS44)。この時点では、系統連系装置12はまだ商用電源13に対して逆潮流を開始していないので直流ケーブル部16の電圧がすぐに上昇する。
本実施例の発電コントローラ14には直流電圧の上昇を目標電圧値に制限する機能がある。この機能は、直流ケーブル部16を目標電圧値に維持するよう発電機のトルクを制限して発電量を制御するものであり、結果として水車は無拘束状態のまま回転数はN4に維持される(ステップS45)。
この状態では系統連系装置12には直流ケーブル部16を介して上記目標電圧の直流電圧が印加されている。系統連系装置12は系統連系動作が可能な直流電圧が一定時間印加されると商用電源13への逆潮流を開始する(ステップS46)。
この動作により直流ケーブル部16の直流電圧は発電コントローラの目標電圧を下回るため、発電コントローラは目標電圧に復帰させようとしてインバータ11に対して発電動作を開始する。発電コントローラ14による発電制御は図3の水車パワーカーブ22に基づき、回転数に対する発電量の関係として実施される。発電コントローラ14によって発電動作が開始されると、発電機を介して水車9から動力が回収されるとともに水車9の回転数がN4から低下していく。
そこで、ステップS47で、水車の回転数がNまで低下するかを判断し、低下すると、発電コントローラ14は電磁弁7に対して電磁弁制御線15の制御出力により副バイパス管6を遮断するよう制御する(ステップS48)。これにより副バイパス管6へ逃がしていた水動力も水車9に入力されることとなり、利用可能なすべての水動力が水車発電に使用できるようになる。
ここで、何らかの要因によって発電コントローラの定格以上に水動力が増加した場合は、水車の回転数はN1を超えて上昇する。そのため、ステップS49で、回転数がN3に到達するかを判断し、回転数がN3に到達すると、ステップS50で、発電コントローラ14は副バイパス管6の電磁弁7を電磁弁制御線15の制御出力によって開状態とし、過大なエネルギーを副バイパス管6へ逃がす動作を行い、水車の無拘束回転数の異常な上昇を抑制する。電磁弁7を開閉動作する水車の回転数N2とN3については、チャタリングを防止する為、ヒステリシスを持たせると良い。
この後は、水動力の増減に合わせて図3の水車パワーカーブ22上を動作点が推移して発電動作が継続され、直流電圧が目標電圧以下かをステップS51で監視し、目標電圧以下でない場合は、ステップS45に戻り、発電コントローラ14による直流電圧の上昇を目標電圧値に制限する機能を利用する。
そして、ステップS52、S53で、発電コントローラが水車の最適効率運転を行い、正常発電運転を継続する。
次に商用電源13に停電が発生した場合等発電電力が瞬間的に余剰となる場合の動作について図6に沿って説明する。図6は、本実施例における系統停電発生時の処理を示すフローチャートである。図6において、水車による定格発電状態で商用電源13に停電が発生すると(ステップS61)、系統連系装置12は停電を検知して、直ちに逆潮流を停止する。系統連系装置12による逆潮流の停止は瞬間的に行われるため、直流ケーブル部の直流電圧は瞬間的に上昇していく(ステップS62)。
このとき発電コントローラ14は直流ケーブル部の電圧を目標電圧に維持しようとして、インバータ11に対する発電トルクを瞬間的にゼロまで絞る動作を行い結果として直流電圧は目標電圧に維持される。この動作で水車は無拘束状態となり回転数が急上昇していく(ステップS63)。
ステップS64で、水車の回転数がN3に到達するかを判断し、回転数がN3に到達すると、ステップS65で、発電コントローラ14は電磁弁7に対して開動作の制御出力を行い、水車9へ入力される水動力の一部を副バイパス管6へ逃がすことにより、水車の回転数をN4に制限する。水車の回転数をN4に制限すればこの状態を長時間維持することが可能であり、停電中はこの状態を維持し続けることも可能となる。
ステップS66では、直流電圧が目標電圧以下かを監視し、目標電圧以下でない場合は、ステップS64に戻り、発電コントローラ14による直流電圧の目標電圧値維持機能を利用して直流電圧が目標電圧以下となるのを待つ。
そして、ステップS67で、系統復帰待機状態となり、発電コントローラ14によって直流ケーブル部の電圧は目標電圧に維持されており、かつ水車へのトルクを制限して待機している状態となっているため、商用電源13の停電が復帰すれば、系統連系装置12により直ちに逆潮流を再開することが可能である。商用電源の系統側擾乱への対応としてFRT(Fault Ride Through)要件があり、系統擾乱の発生時に既定の時間以内に発電を復帰させる必要がある。この機能を搭載した系統連系装置への接続も可能となる。
以上のように、本実施例は、送水管に設置された水車と、水車の一次側と二次側をバイパスする主バイパス管と、水車によって駆動される永久磁石式同期発電機と、永久磁石式同期発電機をインバータによって水車の特性に基づく発電制御を行う発電コントローラと、発電した直流電力を商用電源に逆潮流する系統連系装置を備えた発電システムにおいて、主バイパス管より小径であって、電磁弁により開閉でき、水車の一次側と二次側をバイパスする副バイパス管を設け、発電コントローラは、商用電源に停電が発生して永久磁石式同期発電機による発電を停止した場合、水車の無拘束回転数を連続運転可能な回転数に維持するように電磁弁を制御するように構成した。
すなわち、水の未利用エネルギーを回収する水力発電システムの保護運転に係り、水車の無拘束回転を抑制する水力発電システムに関し、主バイパス管と並行に小径の副バイパス管を設け、水車が無拘束運転状態となる場合には、その回転数を安全領域に抑制するよう水車への水動力を制限する副バイパス管制御機構を備える。
これにより、余剰電力消費の為の抵抗器及びその制御装置を設けずに、系統停電時の発電電力抑制及び系統復電時の発電電力復帰をいずれも短時間に行うことが可能な水力発電システムを提供することができる。
図7は本実施例における水力発電システムの構成図である。図7において、図1と同様の機能は同じ符号を付し、その説明は省略する。図7において図1と異なる点は、水車9と永久磁石式同期発電機10を連結する軸にフライホイール17を設けている点である。
本実施例では、発電コントローラ14が図3の水車パワーカーブ22による水車回転数と図1及び図4の直流ケーブル部16の直流電圧に基づき高速に発電制御を行うことにより、抵抗器及びその制御装置による余剰電力の消費手段を必要としない発電システムを構成している。
商用電源の停電等による発電電力の消費が遮断される場合等では、非常に短時間に発電機の発電トルクをゼロまで制御する為、停電発生とほぼ同時に水車は無拘束状態となる。
一般的に水車が無拘束となって回転数が上がると、圧力損失が増加する。副バイパス管6の通水が開始されても、主要な送水量に対する送水管1の管路抵抗は短時間に上昇することとなる。よって、発電コントローラ14による高速な制御の結果として送水管1に水撃が発生する場合がある。水車が小規模な場合には対策は不要だが、水車の規模が大きくなると発生する水撃の影響は無視できない。
水撃は短時間での圧力損失の急上昇によって発生するので、圧力損失の時間当たりの変化率を緩和する目的でフライホイール17を設ける。
これにより発電コントローラ14によって瞬間的に永久磁石式同期発電機10のトルクがゼロになっても、水車9の回転数はフライホイール17によって急激な上昇が抑制され、緩やかに無拘束回転数まで上昇する。フライホイール17は水撃の発生を抑制するのに必要な容量を設定すればよい。
図8は本実施例における水力発電システムの構成図である。図8において、図7と同様の機能は同じ符号を付し、その説明は省略する。図8において図7と異なる点は、水車9により発電コントローラ14及びインバータ11を用いて発電した直流電力を自立運転機能付パワーコンディショナー18によって商用電源相当の交流電力に変換して交流受電の自立負荷19に電力を供給するシステムとした点である。
図8に示す水力発電システムにおいては、商用電源に逆潮流するシステムとは異なり、発電する電力と交流受電の自立負荷19で消費する電力が釣り合っている必要がある。発電量が自立負荷で消費する電力を超過すると直流ケーブル部16の直流電圧が上昇する。反対に発電量が自立負荷の消費量を下回ると前記直流電圧が低下する。よって発電電力は常に自立負荷の消費電力と釣り合うよう発電制御を行う必要がある。本構成においては発電コントローラ14がこの制御を行い、インバータ11を介して永久磁石式同期発電機10を制御することにより発電量を制御している。
また、本構成において、自立負荷は使用する条件によっては常時変化する場合がある、さらには自立負荷の全停止では急激に消費電力がゼロになる。この場合、発電コントローラ14は発電量を負荷の消費の変動に合わせて急激に低下させ、自立負荷が停止している場合は、ゼロまで低下させる。この状態では水車9は無拘束となるため、その回転数は無拘束回転数まで上昇する。このとき発電コントローラ14により副バイパス管6に通水することによって、水車9の無拘束回転数を連続運転可能な回転数に制限することができ、常時自立負荷の電力消費に合わせた発電電力の供給を可能とする。
また、急激な自立負荷による消費電力の消滅によって水車9を無拘束とするときに発生する送水管1に発生する水撃への対策として、実施例2と同様に、フライホイール17を設けている。また、このフライホイール17は自立負荷が急激に増加した場合に、その回転エネルギーを発電コントローラによって取り出すことも可能であり、自立負荷の急変に対しても効果があるものである。なお、フライホイール17も設けなくてもよい。
図9は、本実施例における水力発電システムの構成図である。図9において、図7と同様の機能は同じ符号を付し、その説明は省略する。図9において図7と異なる点は、水車9により発電コントローラ14及びインバータ11を用いて発電した直流電力をそのまま直流電源として利用する直流受電の自立負荷20に供給するシステムである。
直流受電の負荷としては汎用インバータ等があり、その直流部へ発電した直流電力を供給することにより汎用インバータが汎用モータ等の交流受電の自立負荷19を駆動する為の商用電源13から調達する電力を削減することが可能である。但しこの場合、交流受電の自立負荷19を介して発電した電力を商用電源13には逆潮流することができない。
よって発電する電力は交流受電の自立負荷19で消費する電力を上回ることはできない。発電電力が自立負荷による消費電力を超過する場合は、直流ケーブル部16の直流電圧が上昇する為、最大限に発電電力を抑制制御した場合は、発電コントローラ14によって水車9は無拘束となる。
この場合も前記副バイパス管6を開放して通水することにより水車9の無拘束回転数を制限することが可能である。
尚、本実施例の構成では発電量が交流受電の自立負荷19の必要電力に満たない場合、その不足分は商用電源13から調達することができるため、発電電力が交流受電の自立負荷19の消費電力に満たない場合でも特に問題はなく、発電した電力相当分を商用電源から削減することを可能とした発電システムとなる。
1:送水管、2:主バイパス管、3,4,5,8:手動操作弁、6:副バイパス管、7:電磁弁、9:水車、10:永久磁石式同期発電機、11:インバータ、12:系統連系装置、13:商用電源、14:発電コントローラ、15:電磁弁制御線、16:直流ケーブル部、17:フライホイール、18:自立運転機能付パワーコンディショナー、19:交流受電の自立負荷、20:直流受電の自立負荷、21:電磁弁制御タイミング、22:水車パワーカーブ、31:永久磁石式同期発電機の誘起電圧特性、100:発電機制御マイコン

Claims (9)

  1. 送水管に設置された水車と、該水車の一次側と二次側をバイパスする主バイパス管と、前記水車によって駆動される永久磁石式同期発電機と、前記永久磁石式同期発電機をインバータによって前記水車の回転数に対して発生し得る発電量の特性に基づく発電制御を行う発電コントローラと、発電した直流電力を商用電源に逆潮流する系統連系装置を備えた水力発電システムにおいて、
    前記主バイパス管より小径であって、電磁弁により開閉でき、前記水車の一次側と二次側をバイパスする副バイパス管を設け、
    前記発電コントローラは、前記商用電源に停電が発生して前記永久磁石式同期発電機による発電を停止した場合、前記水車の無拘束回転数を連続運転可能な回転数に維持するように前記電磁弁を制御し、
    さらに、前記発電コントローラは、前記副バイパス管の流量を、前記送水管の最大水量時に前記水車の無拘束回転数が許容最大回転数より小さくなるように前記電磁弁により制御することを特徴とする水力発電システム。
  2. 請求項1に記載の水力発電システムにおいて、
    前記発電コントローラは、前記副バイパス管の流量を、前記送水管の最大水量時に前記水車によって駆動された前記永久磁石式同期発電機の誘起電圧が前記インバータの許容耐電圧より小さくなるように前記電磁弁により制御することを特徴とする水力発電システム。
  3. 請求項1に記載の水力発電システムにおいて、
    前記発電コントローラは、前記副バイパス管の流量を、発電可能な前記送水管の最水量時に前記水車によって駆動された前記永久磁石式同期発電機の誘起電圧前記インバータの制御電源を起動させることができるように前記電磁弁により制御することを特徴とする水力発電システム。
  4. 請求項1に記載の水力発電システムにおいて、
    前記副バイパス管の流量を微調整するための手動又は自動操作弁を備えたことを特徴とする水力発電システム。
  5. 請求項1に記載の水力発電システムにおいて、
    前記電磁弁を含むシステムを構成するすべての機器の電源が前記水車による発電電力によって供給されることを特徴とする水力発電システム。
  6. 請求項1に記載の水力発電システムにおいて、
    前記水力発電システムの起動にあたり前記商用電源及び外部電源を必要とせず、前記水車への水動力の入力による前記永久磁石式同期発電機の誘起電圧のみで発電システムが起動することを特徴とする水力発電システム。
  7. 請求項1に記載の水力発電システムにおいて、
    前記水車と前記永久磁石式同期発電機の軸にフライホイールを備えたことを特徴とする水力発電システム。
  8. 送水管に設置された水車と、該水車の一次側と二次側をバイパスする主バイパス管と、前記水車によって駆動される永久磁石式同期発電機と、前記永久磁石式同期発電機をインバータによって前記水車の回転数に対して発生し得る発電量の特性に基づく発電制御を行う発電コントローラと、前記インバータに接続され発電した直流電力を自立負荷へ供給する自立運転機能を持つパワーコンディショナーを備えた水力発電システムにおいて、
    前記主バイパス管より小径であって、電磁弁により開閉でき、前記水車の一次側と二次側をバイパスする副バイパス管を設け、
    前記発電コントローラは、前記自立負荷が停止して前記永久磁石式同期発電機による発電を停止した場合、前記水車の無拘束回転数を連続運転可能な回転数に維持するように前記電磁弁を制御し、
    さらに、前記発電コントローラは、前記副バイパス管の流量を、前記送水管の最大水量時に前記水車の無拘束回転数が許容最大回転数より小さくなるように前記電磁弁により制御することを特徴とする水力発電システム。
  9. 送水管に設置された水車と、該水車の一次側と二次側をバイパスする主バイパス管と、前記水車によって駆動される永久磁石式同期発電機と、前記永久磁石式同期発電機をインバータによって前記水車の回転数に対して発生し得る発電量の特性に基づく発電制御を行う発電コントローラを備え、前記インバータに接続された直流受電の自立負荷に発電した直流電力を直接供給する水力発電システムにおいて、
    前記主バイパス管より小径であって、電磁弁により開閉でき、前記水車の一次側と二次側をバイパスする副バイパス管を設け、
    前記発電コントローラは、前記発電した直流電力が前記自立負荷による消費電力を超過する場合、前記水車の無拘束回転数を連続運転可能な回転数に維持するように前記電磁弁を制御し、
    さらに、前記発電コントローラは、前記副バイパス管の流量を、前記送水管の最大水量時に前記水車の無拘束回転数が許容最大回転数より小さくなるように前記電磁弁により制御することを特徴とする水力発電システム。
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