JP2003339196A - 可変速揚水発電電動機の励磁制御装置 - Google Patents

可変速揚水発電電動機の励磁制御装置

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JP2003339196A
JP2003339196A JP2002144022A JP2002144022A JP2003339196A JP 2003339196 A JP2003339196 A JP 2003339196A JP 2002144022 A JP2002144022 A JP 2002144022A JP 2002144022 A JP2002144022 A JP 2002144022A JP 2003339196 A JP2003339196 A JP 2003339196A
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Takashi Koyake
孝 小宅
Atsushi Nishioka
淳 西岡
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 並列用遮断器の遮断電流を押さえ込むことが
できると共に、安定に運転継続することができるように
した可変速揚水発電電動機の励磁制御装置を提供する。 【解決手段】 並列用遮断器2の解列指令30によって
作動するワンショットタイマ18と、このワンショット
タイマ18によって作動して並列用遮断器2の開放前に
有効電力指令値を切替値付与手段14から所定の切替値
(=0)へ切り替え、その後、有効電力指令値を元に戻
す切替手段20を設け、可変速発電電動機1の並列用遮
断器2を開放する際に、遮断電流を小さくするようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一次巻線を並列用
遮断器を介して電力系統に接続した可変速発電電動機の
二次巻線を三相交流励磁電流により励磁して可変速度で
運転する可変速発電電動機の励磁制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発電電動機の回転速度を可変にす
ることにより、揚水運転中の入力調整を可能とする可変
速揚水発電システムが実現されている。この可変速揚水
発電システムは巻線型の交流励磁同期機の二次巻線を三
相交流励磁し、この励磁周波数を変化させることにより
可変速度での運転を実現している。この可変速発電電動
機と通常の同期機の大きく異なる点は、同期機において
は入出力有効電力を決める発電機内部相差角は、ポンプ
水車のトルクによって決まるものであるが、可変速発電
電動機では励磁電流をトルク成分と磁束成分に分けて制
御できることから、内部相差角をポンプ水車トルクとは
無関係に制御できることである。
【0003】このような可変速発電電動機の揚水運転の
停止時には、揚水運転中にも速度を変化させることによ
って入力を調整できるという同期機には無かった特徴を
生かして、入力を運転範囲の下限まで絞ってから解列す
ることにより、系統に与える解列による衝撃を小さくで
きる。さらに、その一次巻線を電力系統に接続した並列
用遮断器の開放指令によってその開放直前にトルク電流
成分指令値Iqを所定の値(=0)に切り替えることで
有効電力を瞬時に絞り込むことにより、遮断電流を同期
機より大幅に少なくする停止方法が一般的に行なわれて
いる。つまり、従来の可変速発電電動機は、揚水運転に
おける入力調整および周波数制御ができるという特徴を
持っていることから、同期機と比較して揚水運転の頻度
がかなり多い運用となっており、その揚水運転の停止時
は、前述したように並列用遮断器解列指令によってその
開放直前にトルク電流成分指令値Iqを所定の値(=
0)に切り替えることで同期機より遮断電流を小さくし
使用頻度の多い並列用遮断器の運用コストを小さくして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
可変速発電電動機は、揚水運転の並列用遮断器の解列指
令時に、並列用遮断器の解列回路またはその他関連機器
の不具合により解列不能となった場合、トルク電流成分
指令値Iqを0に切り替えていることと、解列以降の運
転シーケンスが進まないことにより、可変速発電電動機
の入力がほぼ零に固定されたまま系統とつながっている
状態となり、もしガイドベーン全閉指令の条件に解列が
含まれているとガイドベーンが開いたまま入力零で運転
することとなり、水圧鉄管内で逆流が発生して最悪の場
合には主機損傷に至る可能性がある。また、解列と無関
係にガイドベーンを閉鎖するシーケンスとなっている場
合でも、入力が零であるため、締め切り運転に必要なト
ルクが得られず速度が低下していくが、やがて可変速運
転が可能な速度範囲を超えてしまい、最悪の場合には脱
調して系統に大きな動揺を与えてしまう。
【0005】こうした事態を防ぐために、並列用遮断器
が解列できない場合は、それを検出し上位系の遮断器を
開放すると共にガイドベーンの急閉鎖を行なうことも考
えられるが、上位系遮断器を開放した時は隣接する健全
号機もトリップし系統に与える影響がかなり大きい。ま
た並列用遮断器の解列不能を検出した場合は、零に切り
替えていたトルク電流成分Iqを元の値に戻す方法が考
えられるが、この場合は、トルク電流成分Iqを元の値
に戻すと共にIqを零に切り替えるときにロックしてい
た有効電力調整演算を復帰させる必要があり、有効電力
調整演算はロックされていたため、復帰の瞬間の励磁電
流位相の動揺が発生するなどの不安定現象が発生する可
能性がある。
【0006】本発明の目的は、並列用遮断器の遮断電流
を押さえ込むことができると共に、遮断器解列回路の不
具合時にも安定に運転継続することができるようにした
可変速揚水発電電動機の励磁制御装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、一次巻線を並列用遮断器を介して電力系統
に接続した可変速発電電動機の二次巻線を、上記可変速
発電電動機の有効電力指令値と有効電力検出値の偏差を
零にすべく有効電力調整演算をすることにより得られる
トルク電流成分指令値と、上記可変速発電電動機の出力
電圧指令値と出力電圧検出値の偏差を零とすべく電圧調
整演算することにより得られる磁束方向電流成分指令値
とを、電力系統の電圧位相と上記可変速発電電動機の回
転位相の差に等しいすべり位相をもって、ベクトル合成
して得られる三相交流励磁電流により励磁する可変速発
電電動機の励磁制御装置において、上記並列用遮断器を
解列する解列指令により一定時間のみ動作するワンショ
ットタイマと、このワンショットタイマの動作によって
上記並列用遮断器の開放前に上記有効電力指令値を所定
の切替値へ切り替える切替手段とを設けたことを特徴と
する。
【0008】本発明による可変速揚水発電電動機の励磁
制御装置は、並列用遮断器を解列する解列指令により一
定時間のみ動作するワンショットタイマと、このワンシ
ョットタイマの動作によって並列用遮断器の開放前に有
効電力指令値を所定の切替値へ切り替える切替手段とを
設けたため、従来のように遮断電流を小さくするために
トルク電流成分指令値Iqを切り替えていたのを止め、
可変速発電電動機の並列用遮断器を開放する際に、並列
用遮断器の開放指令により一定時間のみ動作するワンシ
ョットタイマによって切替手段を切り替えて、その開放
前に有効電力指令値を所定の切替値へ切り替えることに
より、並列用遮断器の遮断電流を押さえ込むことがで
き、また、もし解列不能の事態が発生しても一定期間後
に有効電力指令値が並列用遮断器の解列指令直前の値に
復帰するため、安定に運転継続することができるように
なる。
【0009】また請求項2に記載した本発明は上記目的
を達成するために、一次巻線を並列用遮断器を介して電
力系統に接続した可変速発電電動機の二次巻線を、上記
可変速発電電動機の有効電力指令値と有効電力検出値の
偏差を零にすべく有効電力調整演算をすることにより得
られるトルク電流成分指令値と、上記可変速発電電動機
の出力電圧指令値と出力電圧検出値の偏差を零とすべく
電圧調整演算することにより得られる磁束方向電流成分
指令値とを、電力系統の電圧位相と上記可変速発電電動
機の回転位相の差に等しいすべり位相をもって、ベクト
ル合成して得られる三相交流励磁電流により励磁する可
変速発電電動機の励磁制御装置において、上記並列用遮
断器を解列する解列指令により一定時間のみ動作するワ
ンショットタイマと、このワンショットタイマの動作に
よって上記並列用遮断器の開放前に上記有効電力指令値
を所定の切替値へ切り替えると同時に上記磁束方向電流
成分指令値を他の所定の切替値へ切り替える切替手段を
設けたことを特徴とする。
【0010】この請求項2に記載した本発明による可変
速揚水発電電動機の励磁制御装置は、ワンショットタイ
マの動作によって並列用遮断器の開放前に有効電力指令
値を所定の切替値へ切り替えると同時に磁束方向電流成
分指令値を他の所定の切替値へ切り替える切替手段を設
けたため、並列用遮断器の遮断電流を押さえ込むことが
でき、また、もし解列不能の事態が発生しても一定期間
後に有効電力指令値が並列用遮断器の解列指令直前の値
に復帰するため、安定に運転継続することができるよう
になり、しかも、切替手段によって磁束方向電流成分指
令値を無負荷定格電圧時励磁電流If0相当に切り替え
ることができ、比較的早く無効電力を零に制御すること
が可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に
よる可変速揚水発電電動機の励磁制御装置を採用した可
変速揚水発電システムを示すブロック構成図である。電
力系統7には、上位系遮断器6および主変圧器5を介し
て相反転断路器4が接続され、この相反転断路器4に並
列用遮断器2を介して可変速発電電動機1の一次巻線を
接続している。可変速発電電動機1の二次巻線は、周波
数変換器8および励磁用変圧器9を介して励磁用遮断器
3に接続されており、周波数変換器8は可変速発電電動
機1の二次巻線に三相交流励磁電流を供給している。
【0012】自動有効電力調整器(APR)11は、セ
ンサ16で検出した有効電力検出値PGと有効電力指令
値65Pとの偏差を零とすべくq軸電流指令Iqを演算
しており、また自動電圧調整器(AVR)12は、セン
サ16で検出した電圧検出値VGと電圧指令値90Rと
の偏差を零とすべくd軸電流指令Idを演算している。
また無効電力調整器(AQR)10は、無効電力を零と
すべく電圧指令値90Rを補正している。自動電流調整
器(ACR)13は、q軸電流指令Iqとd軸電流指令
Idを励磁電流の検出値IFBと比較し、励磁電流のq
軸成分がq軸電流指令Iqと一致するように、また励磁
電流のd軸成分がd軸電流指令Idと一致するように、
周波数変換器8に対して制御パルスを出力している。
【0013】この可変速発電電動機の励磁制御装置は、
可変速発電電動機1の二次巻線を、可変速発電電動機1
の有効電力指令値65Pと有効電力検出値PGの偏差を
零にすべく自動有効電力調整器11で演算をすることに
より得られるトルク電流成分指令値Iqと、可変速発電
電動機1の出力電圧指令値90Rと出力電圧検出値QG
の偏差を零とすべく自動電圧調整器12で演算すること
により得られる磁束方向電流成分指令値Idとを、自動
電流調整器13で電力系統の電圧位相と可変速発電電動
機1の回転位相の差に等しいすべり位相をもってベクト
ル合成して得られる三相交流励磁電流により励磁して運
転している。
【0014】解列条件が成立したとき運転制御装置15
は、解列指令を解列指令リレー17に与え、解列指令リ
レー17の接点を介して並列用遮断器2のトリップコイ
ル19を励磁し、これにより並列用遮断器2を開放して
可変速発電電動機1を電力系統から解列する。運転制御
装置15からの解列指令はワンショットタイマ18にも
与えられ、これを受けたワンショットタイマ18はOF
F状態からON状態に作動して一定時間だけ出力するよ
うに構成している。このワンショットタイマ18の作動
によって切替手段20が動作して自動有効電力調整器1
1の入力から有効電力指令値65Pを切り離すと共に切
替値付与手段14を接続し、この一定時間だけ有効電力
指令値を切替値付与手段14による所定の切替値に切り
替える。
【0015】解列指令リレー17が動作して、並列用遮
断器2のトリップコイル19が励磁されてから実際に並
列用遮断器2が解列するまで、通常約3サイクル(60
Hz時50ms)程度かかるが、この間に自動有効電力
調整器11への指令は切替値付与手段14による所定の
切替値(=0)に切り替わり、これにより電力検出値P
Gとの偏差が大きくなり、q軸電流指令Iqの値は急速
に小さくなる。この動作により有効電力は急速に絞られ
切替値(=0)となる。
【0016】一方、無効電力調整器10は無効電力を零
にすべく電圧指令値90Rを調整し、自動電圧調整器1
2は電圧指令値90Rに従って電圧を制御するので、無
効電力は零に保たれる。従って、有効電力が切替値付与
手段14による所定の切替値(=0)まで絞られたとき
には、d軸電流はほぼ無負荷定格電圧時の励磁電流値I
f0相当まで絞られている。この応答は可変速発電電動
機1などの応答時定数や自動有効電力調整器11、自動
電圧調整器12、自動電流調整器13の制御ゲインの設
定にもよるが、20〜30msで有効電力が切替値付与
手段14による所定の切替値(=0)まで絞ることが可
能である。
【0017】図2は、本発明の他の実施の形態による可
変速揚水発電電動機の励磁制御装置を採用した可変速揚
水発電システムを示すブロック構成図であり、図1に示
したものとの同等物には同一符号を付けて詳細な説明を
省略する。運転制御装置15からの解列指令を受けて一
定時間だけOFF状態からON状態に作動するワンショ
ットタイマ18には、切替手段20および切替手段21
が接続されている。この切替手段20は、自動有効電力
調整器11の入力から有効電力指令値65Pを切り離す
と共に切替値付与手段14を接続し、この一定時間だけ
有効電力指令値を切替値付与手段14による所定の切替
値に切り替える。また切替手段21は、自動電流調整器
13の入力からd軸電流指令Idを切り離すと共に切替
値付与手段22を接続し、この切替値付与手段22によ
り一定時間だけ所定の切替値に切り替える。
【0018】運転制御装置15からは解列指令がワンシ
ョットタイマ18にも与えられ、これを受けたワンショ
ットタイマ18はOFF状態からON状態に作動し、こ
れによって切替手段20が動作して自動有効電力調整器
11の入力から有効電力指令値65Pを切り離すと共に
切替値付与手段14を接続し、この一定時間だけ有効電
力指令値を切替値付与手段14による所定の切替値に切
り替える。一方、磁束方向電流成分の絞り込みは、自動
電流調整器13の入力からd軸電流指令Idを切替手段
21によりワンショットタイマ18が作動する一定時間
のみ切り離すと共に切替値付与手段22を接続して行な
われ、この切替値付与手段22により一定時間だけ所定
の切替値、つまり無負荷定格電圧時の励磁電流If0相
当に切り替える。
【0019】図1に示した実施の形態では、無効電力絞
り込み時間が無効電力調整器10の応答性に依存するの
に対し、この図2に示した実勢の形態では、切替手段2
1によって磁束方向電流成分指令値を無負荷定格電圧時
励磁電流If0相当に切り替えているため、比較的早く
無効電力を零に制御することが可能である。従って、無
効電力調整器10のゲインが小さく応答性が良くない場
合に効果的である。
【0020】上述した各可変速揚水発電電動機の励磁制
御装置によれば、解列指令リレー17が動作完了してか
ら並列用遮断器2が遮断完了するまでの約3サイクルの
間に、有効電力および無効電力をほぼ零に制御し、並列
用遮断器2の遮断電流を最小に押さえ込むことができ
る。これによって揚水運転時に大きな入力を遮断せずに
済み、また事故停止等でより大きな入力を遮断するとき
でも、遮断直前に電流を絞るために並列用遮断器2の負
担を軽減することができる。
【0021】またワンショットタイマ18は、運転制御
装置15による並列用遮断器2の解列指令後、一定時間
だけ作動するため、切替手段20によって有効電力指令
値が65Pから一定期間だけ切替値付与手段14による
所定の切替値(=0)へ切り替える。従って、有効電力
指令値の切り替えから一定時間を経過すると、ワンショ
ットタイマ18および切替手段20は復帰し、可変速発
電電動機1の入力を元の値へ戻すことになり、並列用遮
断器2の解列の際に並列用遮断器2の解列回路およびそ
の他関連機器の不具合により解列不能となった場合、ポ
ンプ入力が零の状態を継続して水圧鉄管内で逆流が発生
することを防止し、水車逆転による主機器の損傷を防止
することができる。
【0022】ところで、有効電力の復帰手段として、ト
ルク電流成分Iqを直接零に切り替え、一定期間後にト
ルク電流成分Iqを元の値に戻すことも考えられるが、
この方法では、トルク電流成分Iqを元の値に戻そうと
した際に、トルク電流成分Iqを零に切り替えるときに
ロックしていた有効電力調整演算を復帰させる必要があ
るため、復帰の瞬間に励磁電流位相の動揺が発生するな
どの不安定現象が発生する可能性がある。これに対し
て、上述したように有効電力指令値を65Pから切替値
付与手段14による所定の切替値(=0)に切り替える
ので、有効電力指令値を切り替えている期間中も自動有
効電力調整器11の有効電力調整演算は継続しており、
可変速発電電動機1を安定させた状態で元の運転状態へ
戻すことが可能である。
【0023】図3は、並列用遮断器2の解列回路が正常
な場合における解列時遮断電流絞り込みの際のタイムチ
ャートである。今、運転制御装置15による並列用遮断
器2の解列指令30が与えられてから、解列指令リレー
17が作動状態31となるまでのトリップ指令出力時間
をt1、ワンショットタイマ18が作動状態32を維持
するワンショット時間をt2とする。運転制御装置15
による解列指令30からワンショットタイマ18が作動
状態31となるまでの時間、およびワンショットタイマ
18が作動状態31となってから有効電力指令値が所定
の切替値に切り替るまでの時間をそれぞれt3とする。
ここで時間t3は、トリップ指令出力時間t1およびワ
ンショット時間t2と比較すると短い時間である。
【0024】運転制御装置15から出力された並列用遮
断器2の解列指令30は、解列指令リレー17およびワ
ンショットタイマ18にそれぞれ入力され、解列指令リ
レー17はトリップ指令出力時間t1後に作動状態31
となり、またワンショットタイマ18は時間t3後に作
動状態32となる。トリップコイル19は運転制御装置
15の解列指令30からトリップ指令出力時間t1後に
励磁状態33となり、並列用遮断器2の遮断時間特性に
もよるが、トリップコイル19の励磁後、約3サイクル
の遮断時間t4で可変速発電電動機1を系統7から解列
する。
【0025】このとき並列用遮断器2の遮断電流を極力
小さくするには、有効電力指令値の切り替えタイミング
や、可変速発電電動機1の入力をほぼ零にするまでに要
する時間を考慮しなければならない。可変速発電電動機
1の入力を零まで移行させる時間t5は前述の通り20
〜30msで可能であること、運転制御装置15が解列
指令30を出力してからトリップ指令出力時間t1後に
トリップコイル19が励磁状態33となり、並列用遮断
器2が解列するまでトリップコイル19が励磁されてか
ら約3サイクル(60Hz時50ms)必要であること
から、運転制御装置15からの解列指令30にて有効電
力指令値を切り替え、可変速発電電動機1の入力を絞り
込むことで並列用遮断器2の解列直前に遮断電流を絞り
込むことが可能である。
【0026】ここで、解列指令30が与えられてから有
効電力指令値を所定の切替値に切り替えるまで、またワ
ンショットタイマ18が作動状態32になるまでに時間
t3を要するが、この時間t3は他の動作時間に比べ十
分に短いため、時間t3を無視して考えると、トリップ
指令出力時間t1+遮断器遮断時間t4>可変速発電電
動機1の入力を零まで移行させる時間t5の条件を満た
せば、運転制御装置15の解列指令30にて有効電力指
令値を切り替え、並列用遮断器2の開放直前に可変速発
電電動機1の入力を零へ絞り込み、遮断電流を極力小さ
くすることが可能である。
【0027】図4は、並列用遮断器2の解列回路が異常
な場合における解列時遮断電流絞り込みの際のタイムチ
ャートである。ここでは、図3の場合と同様に運転制御
装置15からの解列指令30により可変速発電電動機1
の入力を零にし、並列用遮断器2の開放を行おうとする
が、何等かの不具合によりトリップコイル19が励磁状
態33とならず開放不能となったとする。
【0028】このように可変速発電電動機1の入力が零
の状態で並列用遮断器2の並列状態が継続すると、ガイ
ドベーン35が閉鎖されてない場合、図5に示すように
揚水に必要なプライミング水圧PRが上池36と下池3
7間の落差による水圧PGより低下し、水圧鉄管38内
で点線で示す正常時の水流方向に対して逆流が発生して
主機器の損傷に至ってしまう。また、ガイドベーン35
の閉鎖により逆流が防げたとしてもポンプ水車39は締
切運転状態であり可変速発電電動機1の入力が零である
ため、ガイドベーン35の締め切り状態での運転に必要
なトルクが得られず速度が低下していく。やがて可変速
発電電動機1は、可変速運転可能な速度範囲を超えてし
まい、最悪の場合脱調して系統に大きな動揺を与えてし
まう。
【0029】このような状態の発生を防止するために、
上述したワンショットタイマ18は一定期間t2のみ作
動状態32とするようにしている。ワンショットタイマ
18を作動状態32にするタイミングは、運転制御装置
15の解列指令30によって与えられるが、ワンショッ
トタイマ18をオフ状態にするタイミングは、解列指令
リレー17が作動状態31になるまでのトリップ指令出
力時間t1および並列用遮断器2の遮断時間特性を考慮
して設定する必要がある。並列用遮断器2の開放前にワ
ンショットタイマ18がオフするのを防止するために、
ワンショットタイマ18のワンショット時間t2は、ト
リップ指令出力時間t1 + 遮断時間t4<ワンショッ
ト時間t2とする必要がある。
【0030】この可変速揚水発電電動機の励磁制御装置
は、可変速発電電動機1の並列用遮断器2を開放する際
に、並列用遮断器2の解列指令30によってその開放前
に有効電力指令値を所定の切替値(=0)へ切り替えて
遮断電流を小さくさせるようにしたため、多頻度の揚水
運転の運用においても並列用遮断器2の負担を小さく抑
制することができ、並列用遮断器2の保守運用コストを
小さくすることができる。また、零に切り替えた有効電
力指令値を一定期間の後、並列用遮断器2の開放指令直
前の設定値に戻すようにしているため、有効電力の絞り
込みは一定期間に限られ、可変速発電電動機1の入力は
並列用遮断器2の開放指令直前の値に安定に戻される。
そのため、揚水運転時に並列用遮断器2の解列回路およ
びその他関連機器の不具合により解列不能となった場合
でも、水圧鉄管38内で逆流が発生したり、突発的な上
位系遮断器6の開放による系統動揺が発生することを防
止することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明による可変速
揚水発電電動機の励磁制御装置は、可変速発電電動機が
電力系統から解列するときに可変速発電電動機の有効電
力指令値を一定時間だけ最適な切替値に制御して、並列
用遮断器の遮断電流を減ずることができ、また解列時に
遮断回路や並列用遮断器本体の不具合等によって解列不
能となった場合にも、有効電力値を並列用遮断器の解列
指令前の設定値に復帰させ、可変速発電電動機を元の運
転状態へ戻すことが可能であることから、主機器の損傷
や系統の動揺を発生させずに安定した運転を継続するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による可変速揚水発電電
動機の励磁制御装置を採用した可変速揚水発電システム
のブロック構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態による可変速揚水発電
電動機の励磁制御装置を採用した可変速揚水発電システ
ムのブロック構成図である。
【図3】図1に示した可変速揚水発電電動機の励磁制御
装置における遮断器解列回路正常時の遮断電流絞り込み
を示すタイムチャートである。
【図4】図1に示した可変速揚水発電電動機の励磁制御
装置における遮断器解列回路異常時の遮断電流絞り込み
を示すタイムチャートである。
【図5】図1に示した可変速揚水発電電動機の励磁制御
装置における要部水流および水圧方向を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 可変速発電電動機 2 並列用遮断器 7 電力系統 8 周波数変換器 10 無効電力調整器 11 自動電力調整器 12 自動電圧調整器 13 自動電流調整器 14 切替値付与手段 15 運転制御装置 18 ワンショットタイマ 19 トリップコイル 20,21 切替手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H590 AA23 AA30 CA12 CA28 CC10 CC18 CC24 CD03 CE01 DD43 DD64 DD67 EA05 EA07 EA14 EB03 EB10 EB14 EB21 FA01 FA08 FB07 FC25 FC26 GA06 GA07 GA10 GB05 HA02 HA04 HA10 HA27 JA02 JA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線を並列用遮断器を介して電力系
    統に接続した可変速発電電動機の二次巻線を、上記可変
    速発電電動機の有効電力指令値と有効電力検出値の偏差
    を零にすべく有効電力調整演算をすることにより得られ
    るトルク電流成分指令値と、上記可変速発電電動機の出
    力電圧指令値と出力電圧検出値の偏差を零とすべく電圧
    調整演算することにより得られる磁束方向電流成分指令
    値とを、電力系統の電圧位相と上記可変速発電電動機の
    回転位相の差に等しいすべり位相をもって、ベクトル合
    成して得られる三相交流励磁電流により励磁する可変速
    発電電動機の励磁制御装置において、上記並列用遮断器
    を解列する解列指令により一定時間のみ動作するワンシ
    ョットタイマと、このワンショットタイマの動作によっ
    て上記並列用遮断器の開放前に上記有効電力指令値を所
    定の切替値へ切り替える切替手段とを設けたことを特徴
    とする可変速揚水発電電動機の励磁制御装置。
  2. 【請求項2】 一次巻線を並列用遮断器を介して電力系
    統に接続した可変速発電電動機の二次巻線を、上記可変
    速発電電動機の有効電力指令値と有効電力検出値の偏差
    を零にすべく有効電力調整演算をすることにより得られ
    るトルク電流成分指令値と、上記可変速発電電動機の出
    力電圧指令値と出力電圧検出値の偏差を零とすべく電圧
    調整演算することにより得られる磁束方向電流成分指令
    値とを、電力系統の電圧位相と上記可変速発電電動機の
    回転位相の差に等しいすべり位相をもって、ベクトル合
    成して得られる三相交流励磁電流により励磁する可変速
    発電電動機の励磁制御装置において、上記並列用遮断器
    を解列する解列指令により一定時間のみ動作するワンシ
    ョットタイマと、このワンショットタイマの動作によっ
    て上記並列用遮断器の開放前に上記有効電力指令値を所
    定の切替値へ切り替えると同時に上記磁束方向電流成分
    指令値を他の所定の切替値へ切り替える切替手段を設け
    たことを特徴とする可変速揚水発電電動機の励磁制御装
    置。
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CN117277227A (zh) * 2023-10-09 2023-12-22 南方电网调峰调频发电有限公司检修试验分公司 抽水蓄能机组励磁系统的跳闸保护方法及装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117277227B (zh) * 2023-10-09 2024-03-08 南方电网调峰调频发电有限公司检修试验分公司 抽水蓄能机组励磁系统的跳闸保护方法及装置

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