JP2004320936A - エンジン発電装置 - Google Patents
エンジン発電装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004320936A JP2004320936A JP2003113870A JP2003113870A JP2004320936A JP 2004320936 A JP2004320936 A JP 2004320936A JP 2003113870 A JP2003113870 A JP 2003113870A JP 2003113870 A JP2003113870 A JP 2003113870A JP 2004320936 A JP2004320936 A JP 2004320936A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- engine
- generator
- voltage
- rotation speed
- control device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】本発明は、電動機を負荷とするエンジン発電機の容量を、電動機の定常運転時の容量と近づけるまで低減する可能なエンジン発電装置を提供する。
【解決手段】エンジンと、エンジンの回転数を検出し指令された回転数になるように制御する回転数制御装置と、エンジンの回転によって発電する発電機と、発電機によって発生する電圧を検出し指令された電圧になるように制御する電圧制御装置とを備え、エンジンの始動時に、回転数制御装置に指令する回転数および前記電圧制御装置に指令する電圧を共に徐々に大きくなるように設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジンと、エンジンの回転数を検出し指令された回転数になるように制御する回転数制御装置と、エンジンの回転によって発電する発電機と、発電機によって発生する電圧を検出し指令された電圧になるように制御する電圧制御装置とを備え、エンジンの始動時に、回転数制御装置に指令する回転数および前記電圧制御装置に指令する電圧を共に徐々に大きくなるように設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主に電動機駆動用のエンジン発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動機駆動用のエンジン発電装置について、図4を用いて説明する。図4において、1はエンジン、2はエンジン駆動の発電機、6は電子ガバナを用いてエンジンの回転数を検出し、回転数を制御する回転数制御装置、3は発電機2で電圧を発生させる励磁装置、4は励磁装置3を調整して電圧を調整する電圧制御装置、5は電動機14に供給する電源を、商用電源11と発電機2と状況に応じて切替える切換器、12は回転数制御装置6によって指令された回転数となるように調整される燃料噴射装置である。さらに8は電動機入力電流、7は電動機入力電圧、9は発電機電流、10は発電機端子電圧を示す。
【0003】
ここで、エンジン発電機の容量を決定する方法について説明する。エンジン発電機の容量は、誘導電動機駆動のポンプ等を負荷とする場合においては、ポンプ等の負荷が正常動作する(回り始める)ため、また他の負荷機械のマグネットスイッチやリレー類の動作不良をおこさせないようにする必要がある。そのため、電動機始動時の瞬時電圧降下率を通常、0.30以下すなわち30%以下となるようにする必要がある。そしてこの電動機の始動時は、定常時の5倍以上の電流がながれるため、発電装置の容量は電動機の定常時に必要な容量の5倍以上が必要となる。
【0004】
次に、図5を用いて、発電機で発電する電圧の変化について説明する。図5は、従来の始動から定常状態までの、発電機の発生電圧の変化を示す図である。そして、図4において、エンジン1の始動とともに、発電機2に電圧を発生させ、瞬時に目標とする電動機14の定格電圧まで電圧を上げていた。そして、その後、安定して電動機14の定格電圧と定格回転数を維持するように、回転数制御装置6および電圧制御装置4で発電機の回転数と発生電圧を制御する。
【0005】
この時、図5で示すように、電動機に入力する電圧が確立してから、切換器5で電源切換を商用電源11側から発電機2への切換を行なっていた。そしてこの時に、前述したように電動機の瞬時電圧降下率が0.3以下とならないように、エンジン発電機の容量を決めていた。なお、このエンジン発電機の容量を小さくすることは、価格を低下できるだけでなく、エネルギの節減の上でも効果的であり、そのために電動機の始動時の電流を小さくすることは重要である。そして、電動機の始動時の電流を減じるための従来の方法は、電動機にY―Δ方式、リアクトルおよび始動補償器などの始動補助装置を追加し、始動時に誘導電動機の端子電圧を小さくする方法であった。
【0006】
なお、以下に、誘導電動機を負荷とした場合のエンジン発電機の容量計算式を用いて詳細に説明する。
【0007】
まず、式1は、定常運転時の発電機容量を示す。
【0008】
【式1】
【0009】
また、式2は、電動機の始動時などの瞬時電圧降下を考慮した場合の発電機容量を示すものであり、この大きさによって、必要な発電機容量を決定する。
【0010】
【式2】
【0011】
そして、式2を用いて必要な発電機容量を計算するのであるが、発電機の過渡リアクタンスXdが不明で、瞬時電圧降下率ΔVに特別な制約がない場合、式2でXdを0.21、ΔVを0.30とした式3により発電機容量の概算値を計算する。
【0012】
【式3】
【0013】
また、式3において、始動方式による係数Cは、表1に示すように、電動機の各始動方法により異なり、また、電動機の出力Pmと電動機の1kW当たりの始動入力βの関係は、表2に示すようになっている。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
このように、電動機の始動方式、出力によって必要なは発電気の容量が算出される。
【0017】
また、従来例としては、例えば特許文献1で示すような、無停電発電装置の一方の電機子巻線の出力側には自動電圧調整装置、他方の電機子巻線の出力側にはインバータを接続したエンジン発電装置が示されているが、これは、従来のバッテリー電源とインバータを組み合わせた無停電電源装置を発電機側に組み込みことで、無停電電源装置のバッテリーと発電機駆動用のバッテリーの共用化および無停電電源装置の制御装置を発電機側に収納することで、無停電電源装置を図ったものである。
【0018】
【特許文献1】
特開2002−238184号公報(請求項1)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電動機の始動補助装置で始動電流を減じる方法では、上記の表1に示すように、Y―Δ方式、リアクトルおよび始動補償器などで2/3程度に減じることができるが、上記の表2に示すように2.2kW〜7.5kWのような小容量の電動機では本体価格に対して、Y―Δ方式、リアクトルおよび始動補償器などの始動補助装置の価格の占める割合が大きくなり、ほとんどが直入れ方式となっている。
【0020】
特に、非常用発電装置の場合においては、商用電源喪失時のバックアップ電源としの役割を果たすため、常にスタンバイ状態を維持しながらも、その発電機容量は上記のように、電動機容量の数倍の容量を必要とする。
【0021】
現在、国内で年間約5000台、平均100kWの非常用発電装置が設置されているが、電動機負荷が直結されると予想される年間2000台、平均50kWの発電装置がこの装置を搭載した発電装置になれば、その電動機容量、10〜20kW以下でとすることができ、1000×(40〜30)=30,000〜40,000kWの発電装置に関わる資源が節約できることになる。
【0022】
また、上記特許文献1においては、エンジン始動時にどのように回転数を上げていくかが記載されておらず、発電機の容量をできるだけ小さくして、発電機を安価にし、また資源節約するということは課題認識されていない。
【0023】
すなわち本発明は、電動機側の始動補助装置によることなく、発電機の容量を誘導電動機の定常運転時の容量と等しい容量までに低減することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のエンジン発電装置は、エンジンと、前記エンジンの回転数を検出し指令された回転数になるように制御する回転数制御装置と、前記エンジンの回転によって発電する発電機と、前記発電機によって発生する電圧を検出し指令された電圧になるように制御する電圧制御装置とを備え、前記エンジンの始動時に、前記回転数制御装置に指令する回転数および前記電圧制御装置に指令する電圧を共に徐々に大きくなるように設定する。これにより、誘導電動機は定格電流以下の始動電流で始動できるため、エンジン発電機の容量を誘導電動機の定常運転時の容量と等しい容量とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0026】
図1において、1はエンジン、2はエンジン駆動の発電機、6は電子ガバナを用いた回転数制御装置、3は発電機電圧発生のための励磁装置、4は電圧制御装置、5は切換器、12は燃料噴射装置、13は調整装置である。さらに11は商用電源、8は電動機入力電流、7は電動機入力電圧、9は発電機電流、10は発電機端子電圧である。
【0027】
次に、このような構成を備えるエンジン発電装置における動作について説明する。まず商用電源11から電動機14に供給される電源が規定電圧以上あり、正常に電源供給されている場合においては、切換器5で商用電源11から電動機14に電源を供給するように回路形成されている。しかしながら、商用電源11からの供給電源が規定電圧以下となった場合は、商用電源11の喪失信号15が発電機2側に送信され、エンジン1が自動的に起動され、エンジン駆動による発電機2が駆動される。
【0028】
この際、まず回転数制御装置6は、エンジン1の回転数(すなわち励磁装置3の界磁回転数)を、燃料噴射装置12によるエンジン1への燃料噴射量を調整することで調整し、電動機入力電圧8が定格周波数となるようにする。
【0029】
また電圧制御装置4は、発電機端子電圧10が電動機14を起動するのに必要な電動機端子電圧8となるように、励磁装置3への励磁電流16を調整する。このようにして電動機14が定格回転数、定格電圧となるまで、発電機14の回転数、電圧を制御する。
【0030】
すなわち商用電源11が喪失した場合は、商用電源11の喪失信号15により、エンジン1が自動的に起動され、エンジン駆動の発電機2が駆動される。同時に切換器5が発電機側に切り換えられる。そして調整装置13では、発電機の始動時、電動機の定格電流になるまで調整装置13からの出力信号で電圧制御装置4に電圧を指令し、発電機端子電圧10を制御する。そして発電機2の始動後は発電機端子電圧10が電動機14の定格電圧になるように電圧制御装置4の出力を調整する。同じく、発電機2の始動時、抑制された発電機電圧における発電機の電流で、電動機が回転することが可能なように、始動後のエンジン回転数を調整装置13からの信号で、回転数制御装置6の出力を制限し、燃料噴射装置12の燃料噴射量を調整する。始動後は電動機の定格回転数(すなわち周波数)になるように回転数制御装置6の出力を調整する。
【0031】
さらに、図2を用いて、回転数制御装置6で設定するエンジンへの指令回転数および発電機で発生させる発生電圧の変化について説明する。図2は、本実施の形態における電動機14への始動から定常状態までの、発電機2の発生電圧および回転数の変化を示す図である。そして、図2で示すように、発電機で発生させる回転数または電圧は電動機14の定格回転数および定格電圧となるまで徐々に大きくしている。このとき、電動機14の電源入力をそれまでの商用電源11側から発電機2側へ切り換えるのは、エンジンおよび発電機の始動時後すぐである。
【0032】
そして、このように切換を発電機側に切り換えるのを発電機での発電開始直後から行っているので、急激な電流の変動を抑えることができる。すなわち、立ち上がりの電動機の回転を緩やかにすることで、定常電流以上の電流を必要とすることなくできるので、エンジンの容量を小さくすることができる。
【0033】
なお、図3は、電動機とポンプ(例えば渦巻きポンプ)の特性曲線を示す図であり、横軸はポンプまたは電動機の回転数、左側縦軸はトルク、右側縦軸は電流を示す。そして、TLは負荷(すなわちポンプ)側が必要とするトルク、TMは入力(すなわち電動機)側が供給するトルク、I1は電動機に入力する1次側電流値を示す。そしてこの図3からわかるように、定常的な運転に必要な電流は、図の右端の方にある定格運転で示す電流であり、回転数を徐々に上げることで、電動機に供給すべき電流値は始動時電流を超えて供給する必要はない。
【0034】
しかし、電動機の回転数を急激に定格回転数まで上げようとすると、上述したように定格電流の5倍ほどの電流値を必要とする。すなわち本実施の形態においては、商用電源側から電動機側への切換を、電動機始動直後から行ない、さらに徐々に電動機の回転、電圧を上げていくことでエンジンの容量を小さくできるようにしたものである。
【0035】
なお参考のために示した式4は、電動機14の1次側電流と端子電圧 の関係を示す式であり、図3の電動機とポンプ(例えば渦巻きポンプ)の特性曲線を求めるのに用いた式である。
【0036】
【式4】
【0037】
なお、本実施の形態においては、商用電源からの電源が規定値以下となる非常時に、商用電源から発電機側への切り換えをエンジン始動直後に行うようにしたが、エンジン始動前から切り換えを行なっていても本発明の効果は得られる。この場合、できるだけ速やかに切り換えを行ない、負荷側の定格運転できる状態までの時間を極力短時間に行なうようにする。
【0038】
また、調整装置13には、記憶手段(図示せず)を有して、始動時からの時間経過に応じた回転数制御および電圧制御の動作パターンを記憶させ、エンジン発電機に連結される電動機負荷に応じて、動作パターンを選定できるようにすることも可能である。
【0039】
また、回転数制御装置6については、上記で示した電子ガバナで行う代わりに、エンコーダにより回転数を検出することももちろん可能である。また、機械式のガバナにおいても構成することが可能である。
【0040】
さらに、上記は電動機負荷が直結されるエンジン発電機について述べたが、電動機以外の負荷が混在する場合においても、本発明が有効であることは言うまでもない。
【0041】
以上のように、エンジンを用いた発電機に調整装置を設けて、始動時の発電機端子電圧と発電機回転数を調整することにより、エンジン発電機の容量を電動機容量と同等にまで近づけることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、エンジン発電装置に調整装置を設けることにより、負荷に電動機を有するエンジン発電機の必要容量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における発電装置の制御系統図
【図2】本発明の実施の形態における発電機の発生電圧および回転数の変化を示す図
【図3】電動機と負荷の特性曲線を示す図
【図4】従来の電動機駆動用のエンジン発電装置の制御系統図
【図5】従来の発電機の発生電圧の変化を示す図
【符号の説明】
1:エンジン
2:発電機
4:電圧制御装置
6:回転数制御装置
12:燃料噴射装置
13:調整装置
14:電動機
【発明の属する技術分野】
本発明は主に電動機駆動用のエンジン発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動機駆動用のエンジン発電装置について、図4を用いて説明する。図4において、1はエンジン、2はエンジン駆動の発電機、6は電子ガバナを用いてエンジンの回転数を検出し、回転数を制御する回転数制御装置、3は発電機2で電圧を発生させる励磁装置、4は励磁装置3を調整して電圧を調整する電圧制御装置、5は電動機14に供給する電源を、商用電源11と発電機2と状況に応じて切替える切換器、12は回転数制御装置6によって指令された回転数となるように調整される燃料噴射装置である。さらに8は電動機入力電流、7は電動機入力電圧、9は発電機電流、10は発電機端子電圧を示す。
【0003】
ここで、エンジン発電機の容量を決定する方法について説明する。エンジン発電機の容量は、誘導電動機駆動のポンプ等を負荷とする場合においては、ポンプ等の負荷が正常動作する(回り始める)ため、また他の負荷機械のマグネットスイッチやリレー類の動作不良をおこさせないようにする必要がある。そのため、電動機始動時の瞬時電圧降下率を通常、0.30以下すなわち30%以下となるようにする必要がある。そしてこの電動機の始動時は、定常時の5倍以上の電流がながれるため、発電装置の容量は電動機の定常時に必要な容量の5倍以上が必要となる。
【0004】
次に、図5を用いて、発電機で発電する電圧の変化について説明する。図5は、従来の始動から定常状態までの、発電機の発生電圧の変化を示す図である。そして、図4において、エンジン1の始動とともに、発電機2に電圧を発生させ、瞬時に目標とする電動機14の定格電圧まで電圧を上げていた。そして、その後、安定して電動機14の定格電圧と定格回転数を維持するように、回転数制御装置6および電圧制御装置4で発電機の回転数と発生電圧を制御する。
【0005】
この時、図5で示すように、電動機に入力する電圧が確立してから、切換器5で電源切換を商用電源11側から発電機2への切換を行なっていた。そしてこの時に、前述したように電動機の瞬時電圧降下率が0.3以下とならないように、エンジン発電機の容量を決めていた。なお、このエンジン発電機の容量を小さくすることは、価格を低下できるだけでなく、エネルギの節減の上でも効果的であり、そのために電動機の始動時の電流を小さくすることは重要である。そして、電動機の始動時の電流を減じるための従来の方法は、電動機にY―Δ方式、リアクトルおよび始動補償器などの始動補助装置を追加し、始動時に誘導電動機の端子電圧を小さくする方法であった。
【0006】
なお、以下に、誘導電動機を負荷とした場合のエンジン発電機の容量計算式を用いて詳細に説明する。
【0007】
まず、式1は、定常運転時の発電機容量を示す。
【0008】
【式1】
【0009】
また、式2は、電動機の始動時などの瞬時電圧降下を考慮した場合の発電機容量を示すものであり、この大きさによって、必要な発電機容量を決定する。
【0010】
【式2】
【0011】
そして、式2を用いて必要な発電機容量を計算するのであるが、発電機の過渡リアクタンスXdが不明で、瞬時電圧降下率ΔVに特別な制約がない場合、式2でXdを0.21、ΔVを0.30とした式3により発電機容量の概算値を計算する。
【0012】
【式3】
【0013】
また、式3において、始動方式による係数Cは、表1に示すように、電動機の各始動方法により異なり、また、電動機の出力Pmと電動機の1kW当たりの始動入力βの関係は、表2に示すようになっている。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
このように、電動機の始動方式、出力によって必要なは発電気の容量が算出される。
【0017】
また、従来例としては、例えば特許文献1で示すような、無停電発電装置の一方の電機子巻線の出力側には自動電圧調整装置、他方の電機子巻線の出力側にはインバータを接続したエンジン発電装置が示されているが、これは、従来のバッテリー電源とインバータを組み合わせた無停電電源装置を発電機側に組み込みことで、無停電電源装置のバッテリーと発電機駆動用のバッテリーの共用化および無停電電源装置の制御装置を発電機側に収納することで、無停電電源装置を図ったものである。
【0018】
【特許文献1】
特開2002−238184号公報(請求項1)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電動機の始動補助装置で始動電流を減じる方法では、上記の表1に示すように、Y―Δ方式、リアクトルおよび始動補償器などで2/3程度に減じることができるが、上記の表2に示すように2.2kW〜7.5kWのような小容量の電動機では本体価格に対して、Y―Δ方式、リアクトルおよび始動補償器などの始動補助装置の価格の占める割合が大きくなり、ほとんどが直入れ方式となっている。
【0020】
特に、非常用発電装置の場合においては、商用電源喪失時のバックアップ電源としの役割を果たすため、常にスタンバイ状態を維持しながらも、その発電機容量は上記のように、電動機容量の数倍の容量を必要とする。
【0021】
現在、国内で年間約5000台、平均100kWの非常用発電装置が設置されているが、電動機負荷が直結されると予想される年間2000台、平均50kWの発電装置がこの装置を搭載した発電装置になれば、その電動機容量、10〜20kW以下でとすることができ、1000×(40〜30)=30,000〜40,000kWの発電装置に関わる資源が節約できることになる。
【0022】
また、上記特許文献1においては、エンジン始動時にどのように回転数を上げていくかが記載されておらず、発電機の容量をできるだけ小さくして、発電機を安価にし、また資源節約するということは課題認識されていない。
【0023】
すなわち本発明は、電動機側の始動補助装置によることなく、発電機の容量を誘導電動機の定常運転時の容量と等しい容量までに低減することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のエンジン発電装置は、エンジンと、前記エンジンの回転数を検出し指令された回転数になるように制御する回転数制御装置と、前記エンジンの回転によって発電する発電機と、前記発電機によって発生する電圧を検出し指令された電圧になるように制御する電圧制御装置とを備え、前記エンジンの始動時に、前記回転数制御装置に指令する回転数および前記電圧制御装置に指令する電圧を共に徐々に大きくなるように設定する。これにより、誘導電動機は定格電流以下の始動電流で始動できるため、エンジン発電機の容量を誘導電動機の定常運転時の容量と等しい容量とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0026】
図1において、1はエンジン、2はエンジン駆動の発電機、6は電子ガバナを用いた回転数制御装置、3は発電機電圧発生のための励磁装置、4は電圧制御装置、5は切換器、12は燃料噴射装置、13は調整装置である。さらに11は商用電源、8は電動機入力電流、7は電動機入力電圧、9は発電機電流、10は発電機端子電圧である。
【0027】
次に、このような構成を備えるエンジン発電装置における動作について説明する。まず商用電源11から電動機14に供給される電源が規定電圧以上あり、正常に電源供給されている場合においては、切換器5で商用電源11から電動機14に電源を供給するように回路形成されている。しかしながら、商用電源11からの供給電源が規定電圧以下となった場合は、商用電源11の喪失信号15が発電機2側に送信され、エンジン1が自動的に起動され、エンジン駆動による発電機2が駆動される。
【0028】
この際、まず回転数制御装置6は、エンジン1の回転数(すなわち励磁装置3の界磁回転数)を、燃料噴射装置12によるエンジン1への燃料噴射量を調整することで調整し、電動機入力電圧8が定格周波数となるようにする。
【0029】
また電圧制御装置4は、発電機端子電圧10が電動機14を起動するのに必要な電動機端子電圧8となるように、励磁装置3への励磁電流16を調整する。このようにして電動機14が定格回転数、定格電圧となるまで、発電機14の回転数、電圧を制御する。
【0030】
すなわち商用電源11が喪失した場合は、商用電源11の喪失信号15により、エンジン1が自動的に起動され、エンジン駆動の発電機2が駆動される。同時に切換器5が発電機側に切り換えられる。そして調整装置13では、発電機の始動時、電動機の定格電流になるまで調整装置13からの出力信号で電圧制御装置4に電圧を指令し、発電機端子電圧10を制御する。そして発電機2の始動後は発電機端子電圧10が電動機14の定格電圧になるように電圧制御装置4の出力を調整する。同じく、発電機2の始動時、抑制された発電機電圧における発電機の電流で、電動機が回転することが可能なように、始動後のエンジン回転数を調整装置13からの信号で、回転数制御装置6の出力を制限し、燃料噴射装置12の燃料噴射量を調整する。始動後は電動機の定格回転数(すなわち周波数)になるように回転数制御装置6の出力を調整する。
【0031】
さらに、図2を用いて、回転数制御装置6で設定するエンジンへの指令回転数および発電機で発生させる発生電圧の変化について説明する。図2は、本実施の形態における電動機14への始動から定常状態までの、発電機2の発生電圧および回転数の変化を示す図である。そして、図2で示すように、発電機で発生させる回転数または電圧は電動機14の定格回転数および定格電圧となるまで徐々に大きくしている。このとき、電動機14の電源入力をそれまでの商用電源11側から発電機2側へ切り換えるのは、エンジンおよび発電機の始動時後すぐである。
【0032】
そして、このように切換を発電機側に切り換えるのを発電機での発電開始直後から行っているので、急激な電流の変動を抑えることができる。すなわち、立ち上がりの電動機の回転を緩やかにすることで、定常電流以上の電流を必要とすることなくできるので、エンジンの容量を小さくすることができる。
【0033】
なお、図3は、電動機とポンプ(例えば渦巻きポンプ)の特性曲線を示す図であり、横軸はポンプまたは電動機の回転数、左側縦軸はトルク、右側縦軸は電流を示す。そして、TLは負荷(すなわちポンプ)側が必要とするトルク、TMは入力(すなわち電動機)側が供給するトルク、I1は電動機に入力する1次側電流値を示す。そしてこの図3からわかるように、定常的な運転に必要な電流は、図の右端の方にある定格運転で示す電流であり、回転数を徐々に上げることで、電動機に供給すべき電流値は始動時電流を超えて供給する必要はない。
【0034】
しかし、電動機の回転数を急激に定格回転数まで上げようとすると、上述したように定格電流の5倍ほどの電流値を必要とする。すなわち本実施の形態においては、商用電源側から電動機側への切換を、電動機始動直後から行ない、さらに徐々に電動機の回転、電圧を上げていくことでエンジンの容量を小さくできるようにしたものである。
【0035】
なお参考のために示した式4は、電動機14の1次側電流と端子電圧 の関係を示す式であり、図3の電動機とポンプ(例えば渦巻きポンプ)の特性曲線を求めるのに用いた式である。
【0036】
【式4】
【0037】
なお、本実施の形態においては、商用電源からの電源が規定値以下となる非常時に、商用電源から発電機側への切り換えをエンジン始動直後に行うようにしたが、エンジン始動前から切り換えを行なっていても本発明の効果は得られる。この場合、できるだけ速やかに切り換えを行ない、負荷側の定格運転できる状態までの時間を極力短時間に行なうようにする。
【0038】
また、調整装置13には、記憶手段(図示せず)を有して、始動時からの時間経過に応じた回転数制御および電圧制御の動作パターンを記憶させ、エンジン発電機に連結される電動機負荷に応じて、動作パターンを選定できるようにすることも可能である。
【0039】
また、回転数制御装置6については、上記で示した電子ガバナで行う代わりに、エンコーダにより回転数を検出することももちろん可能である。また、機械式のガバナにおいても構成することが可能である。
【0040】
さらに、上記は電動機負荷が直結されるエンジン発電機について述べたが、電動機以外の負荷が混在する場合においても、本発明が有効であることは言うまでもない。
【0041】
以上のように、エンジンを用いた発電機に調整装置を設けて、始動時の発電機端子電圧と発電機回転数を調整することにより、エンジン発電機の容量を電動機容量と同等にまで近づけることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、エンジン発電装置に調整装置を設けることにより、負荷に電動機を有するエンジン発電機の必要容量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における発電装置の制御系統図
【図2】本発明の実施の形態における発電機の発生電圧および回転数の変化を示す図
【図3】電動機と負荷の特性曲線を示す図
【図4】従来の電動機駆動用のエンジン発電装置の制御系統図
【図5】従来の発電機の発生電圧の変化を示す図
【符号の説明】
1:エンジン
2:発電機
4:電圧制御装置
6:回転数制御装置
12:燃料噴射装置
13:調整装置
14:電動機
Claims (11)
- エンジンと、前記エンジンの回転数が指令された回転数になるように制御する回転数制御装置と、前記エンジンの回転によって発電する発電機と、前記発電機によって発生する電圧が指令された電圧になるように制御する電圧制御装置とを備え、前記エンジンの始動時に、前記回転数制御装置に指令する回転数および前記電圧制御装置に指令する電圧を共に徐々に大きくなるように設定するエンジン発電装置。
- エンジンと、前記エンジンの回転数が指令された回転数になるように制御する回転数制御装置と、前記エンジンの回転によって発電する発電機と、前記発電機によって発生する電圧が指令された電圧になるように制御する電圧制御装置と、前記回転数制御装置に指令する回転数および前記電圧制御装置に指令する電圧を設定する調整装置とを備え、前記調整装置は、前記エンジンの始動時に、回転数および電圧を共に徐々に大きくなるように設定するエンジン発電装置。
- 調整装置が設定する回転数は、発電機によって駆動する電動機の定格回転数まで徐々に大きくなるようにした請求項1または2記載のエンジン発電装置。
- 調整装置が設定する電圧は、発電機によって駆動する電動機の定格電流に相当する電圧になるまで徐々に大きくなるようにした請求項1から3のいずれかに記載のエンジン発電装置。
- 発電機によって駆動する電動機の電源入力は、非常時に商用電源から前記発電機側に接続を切り替えられる請求項1から4のいずれかに記載のエンジン発電装置。
- 商用電源から発電機側への切り替えは、前記エンジンの始動直後に行なう請求項5記載のエンジン発電装置。
- 商用電源から発電機側への切り替えは、前記エンジンの始動前に行なう請求項5記載のエンジン発電装置。
- 回転数制御装置は電子ガバナによりエンジンの回転数を検出する請求項1から7のいずれかに記載の可変電圧・可変回転数調整装置付エンジン発電装置。
- 回転数制御装置はエンコーダによりエンジンの回転数を検出する請求項1から7のずれかに記載の可変電圧・可変回転数調整装置付エンジン発電装置。
- 回転数制御装置は、エンジンに供給する燃料の供給量を変化させる燃料供給装置を備え、燃料の供給量を変化させることによりエンジンの回転数を変化させる請求項1から9のいずれかに記載の可変電圧・可変回転数調整装置付エンジン発電装置。
- 調整装置は記憶手段を有し、回転数制御装置で設定する回転数と電圧制御装置で設定する電圧の少なくとも1つは時間経過とともに設定する動作パターンを前記記憶手段で記憶させた請求項1から10のいずれかに記載の可変電圧・可変回転数調整装置付エンジン発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003113870A JP2004320936A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | エンジン発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003113870A JP2004320936A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | エンジン発電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004320936A true JP2004320936A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33473635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003113870A Pending JP2004320936A (ja) | 2003-04-18 | 2003-04-18 | エンジン発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004320936A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014125352A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd | リフマグ付き作業機械 |
CN111556923A (zh) * | 2018-01-11 | 2020-08-18 | Mtu 腓特烈港有限责任公司 | 用于开环控制和闭环控制具有发电机和异步机的内燃机的方法、开环控制和闭环控制机构以及内燃机 |
KR20220012560A (ko) | 2020-07-23 | 2022-02-04 | 한국수자원공사 | 비상발전기를 이용한 유도전동기의 소프트 스타트 시스템 및 이를 구비한 비상발전기 |
-
2003
- 2003-04-18 JP JP2003113870A patent/JP2004320936A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014125352A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-07-07 | Sumitomo (Shi) Construction Machinery Co Ltd | リフマグ付き作業機械 |
CN111556923A (zh) * | 2018-01-11 | 2020-08-18 | Mtu 腓特烈港有限责任公司 | 用于开环控制和闭环控制具有发电机和异步机的内燃机的方法、开环控制和闭环控制机构以及内燃机 |
KR20220012560A (ko) | 2020-07-23 | 2022-02-04 | 한국수자원공사 | 비상발전기를 이용한 유도전동기의 소프트 스타트 시스템 및 이를 구비한 비상발전기 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9444391B2 (en) | Protective module and method against torque peaks between a motor and an electric machine | |
US7135784B2 (en) | Fast torque control of a belted alternator starter | |
JP2009296766A (ja) | 可変速同期発電電動機 | |
JP2003168464A (ja) | 燃料電池システムの制御装置 | |
US9038589B2 (en) | Method for controlling a micro-hybrid system | |
JP2009100488A (ja) | 車両用発電制御装置 | |
JP2004320936A (ja) | エンジン発電装置 | |
JP2006238684A (ja) | フライホイール付き誘導電動機を並列接続した安定化電源システム | |
RU2745149C1 (ru) | Способ управления дизель-генераторной установкой при включении асинхронного двигателя | |
JP5475267B2 (ja) | エンジン発電機 | |
US6703808B1 (en) | Active power limiting for starter/alternator in the generation mode | |
JP5647503B2 (ja) | 発電設備 | |
RU2319277C1 (ru) | Автономный источник электроэнергии постоянного тока | |
JP2005218163A (ja) | タービン発電装置およびその自立運転方法 | |
JP6133550B2 (ja) | エンジン駆動型インバータ発電機の制御方法,及びエンジン駆動型インバータ発電機 | |
KR101506530B1 (ko) | 발전기 출력 전압의 램프업을 위한 장치 및 그 방법 | |
KR102459239B1 (ko) | 비상발전기를 이용한 유도전동기의 소프트 스타트 시스템 및 이를 구비한 비상발전기 | |
JP2004218467A (ja) | エンジン駆動発電装置 | |
RU2018112122A (ru) | Способ адаптивного автоматического регулирования давления наддувочного воздуха дизель-генератора | |
JPH09233896A (ja) | 船舶用発電システムの負荷起動方法 | |
JP4761250B2 (ja) | 発電設備 | |
JP6967995B2 (ja) | エンジン発電機システムとその制御方法並びにコジェネレーションシステム | |
JPH0415383B2 (ja) | ||
JP2000308393A (ja) | 可変周波数駆動電動機の急速昇速装置およびバックアップ装置 | |
JP5638829B2 (ja) | エンジン発電機の運転方法 |