JP4889308B2 - 水車および水車発電装置ならびに水車発電装置の運転方法 - Google Patents

水車および水車発電装置ならびに水車発電装置の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、水車および水車発電装置ならびに水車発電装置の運転方法に関し、送水管路の途中において水力発電を行うポンプ逆転水車ならびにインライン型水車の技術に係るものである。
従来、この種の技術としては、例えば特許文献1に記載する小電力発電設備がある。これは、上水槽に接続された水圧管の出口側に水車を配置し、この水車を水圧管から重力降下する水勢力により回転させ、水車に直結した発電機を回転駆動して電力を供給するものであり、水車の定格水量を最大効率点水量よりも小水量側にずらせることにより、水車及び発電機が機械的強度の安全範囲内で無拘束回転可能に設定されている。
また、特許文献2には水道施設における残圧回収発電装置の運転制御方法が記載されている。これは、水道用水の送水管路の途中に発電機駆動用のポンプ逆転水車を介設し、送水管路の二次側圧力が設定値に保持されるようにポンプ逆転水車の回転数を制御して二次圧一定制御を行なうものであり、二次圧一定制御による回転数低下に伴って減少する発電出力が予め設定された最小出力設定値よりも低い時は、ポンプ逆転水車を最小回転数制御してポンプ逆転水車に対する通過水量が最大となるようにポンプ逆転水車の回転数を制御し、二次圧一定制御による回転数上昇に伴い増大する発電出力が予め設定された最大出力設定値よりも高い時は、ポンプ逆転水車を最大発電出力制御して発電出力が最大となるようにポンプ逆転水車の回転数を制御するものである。
特開2002−115643号公報 特開2002−257026号公報
ところで、一般的に水車発電装置の水車には発電運転時と無拘束運転時とでの運転流量に差がある。このことについて以下に説明する。
水車は水圧管によって導かれた水の有する位置のエネルギーを機械的エネルギーに変換し、水車に接続した発電機を駆動して電気エネルギーに変換する。水車の羽根車に作用する位置エネルギーは、取水位と放水位の差である総落差から水が水路や管路の中を流れる間に失う損失落差を差し引いた有効落差である。発電運転時に水車には発電機を駆動するための負荷が作用し、有効落差を受ける羽根車は発電機の特性に応じて決まる所定の回転数で回転する。
発電機の負荷を遮断すると水車は無拘束回転する。この無拘束回転において水車は発電運転時の定格回転数よりも大きな回転数で回転し、無拘束回転数は比速度が大きいほど大きくなる。無拘束回転において羽根車がある回転数で回転すると、羽根車はある部分が水のエネルギーを受けて水車として機能し、他のある部分がポンプとして機能して水にエネルギーを与える状態となり、いわゆる無拘束状態となる。
この水車における負荷遮断時の過渡現象は、一般的な公知文献(例えば機械工学便覧、発行者:社団法人日本機械学会1991年5月15日第4版P63)において知られている。これは、図17に示すようなものであり、負荷遮断時の過渡現象においては、通常運転している水車が停電等によって負荷遮断されると、その後に案内羽根の開度を短時間に0%まで減少させる間に、水車入出力のバランスが崩れて羽根車の回転数(図17においては回転速度)が極めて短時間に無拘束回転数まで上昇し、鉄管水圧は羽根車の回転数の増加に伴って急激に上昇し、管路内で急激な流量変動と圧力変動(ウォーターハンマー)が生じる。
この無拘束運転時の問題の対策としては、水車と発電機の間にフライホイール等を設けるか、あるいは管路に圧力変動緩衝タンクを設けることなどが考えられる。しかし、インライン型水車の場合に、ケーシング内にフライホイールを設けることは設置スペースの関係で困難であるほかコストアップの要因となる。また、管路に圧力変動緩衝タンクを設けるとコストアップの要因となる。また、負荷遮断時のウォーターハンマーを防ぐために、ガイドベーン操作等を行って対応することも可能であるが、ガイドベーン機構や複雑な制御が必要であった。
本発明は上記した課題を解決するものであり、無拘束運転対策のフライホイールや圧力変動緩衝タンク等の構成部材を必要とせずに、水車本体において無拘束運転突入時の流量変動を実質的に生じさせず、送水管内での圧力変動を抑制することができる水車および水車発電装置ならびに水車発電装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の水車は、送水管路に介設する水車であって、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差H(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義する比速度Nsにおいて、羽根車が定格回転数で回転する通常運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性と、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性とにおける流量の変動量を示す流動変動が一致もしくは10%以内で近似する比速度の羽根車を備えたことを特徴とする。
上記した構成により、羽根車が定格回転数で回転する通常運転時において、羽根車を通過する流量は羽根車に作用する有効落差の変動に伴って変動し、有効落差が大きいほどに流量が多く、有効落差が小さいほどに流量が少ない。
一方、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時には、有効落差が大きいほどに流量が多くなるとともに無拘束時の回転数が大きく、有効落差が小さいほどに流量が少なくなるとともに無拘束時の回転数が小さい。
ある有効落差下で通常運転する水車において負荷遮断が生じて無拘束運転へ突入すると、羽根車の回転数は定格回転数から無拘束時の回転数へ変化し、通常運転時の水車運転特性下の流量変動傾向から無拘束運転時の水車運転特性下の流量変動傾向へ遷移する。
この水車運転特性は羽根車の形状に依拠しており、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義する比速度Nsは羽根車の形状と密接な関係を有する。この羽根車の形状によっては、通常運転時の水車運転特性下の流量に比べて無拘束運転時の水車運転特性下の流量が少なくなる現象を生じ、あるいは通常運転時の水車運転特性下の流量に比べて無拘束運転時の水車運転特性下の流量が多くなる現象が生じる。
一般的に、無拘束運転時に流量が少なくなる現象が生じる形状の羽根車の比速度Nsは比較的小さく、無拘束運転時に流量が多くなる現象が生じる形状の羽根車の比速度Nsは比較的大きいものである。よって、両現象の比速度Nsの間には閾値となる比速度Nsがあり、この比速度Nsとなる形状の羽根車では、通常運転時の水車運転特性下の流量と無拘束運転時の水車運転特性下の流量が等しくなる現象が生じる。
したがって、定格回転数で回転する通常運転時の水車運転特性と、無拘束で回転する無拘束運転時の水車運転特性とが一致もしくは近似する比速度の形状をなす羽根車を水車に採用することで、無拘束運転対策のフライホイールや圧力変動緩衝タンク等の構成部材を必要とせずに、水車本体において無拘束運転突入時の流量変動を実質的に生じさせず、送水管路内での圧力変動を抑制することができる。
また、本発明の水車は、比速度Nsが400〜520の範囲内であることを特徴とする。
また、本発明の水車は、比速度Nsが420〜490の範囲内であることを特徴とする。
本発明の水車発電装置は、送水管路に介設する水車と、水車によって駆動する発電機と、発電機の出力を電力系統へ送出する回生インバータとを備えた水車発電装置であって、水車は、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差H(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義する比速度Nsにおいて、羽根車が定格回転数で回転する通常運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性と、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性とにおける流量の変動量を示す流動変動が一致もしくは10%以内で近似する比速度の羽根車を備え、
回生インバータは発電機の出力を周波数調整して電力系統へ送出することを特徴とする。
上記した構成において、水車および羽根車に関する作用は前述した本発明の水車と同様であり、その説明を省略する。
この構成では、定格回転数で回転する通常運転時に回生インバータにおいて発電機の出力周波数を電力系統の所定周波数に調整することで、任意の定格回転数において電力系統への送電が可能となり、通常運転から負荷遮断による無拘束運転突入時には、水車の羽根車が、定格回転数で回転する通常運転時の水車運転特性と、無拘束回転数で回転する無拘束運転時の水車運転特性とが一致もしくは近似する比速度Nsの形状をなすことで、負荷遮断時に流量調整を伴うことなく水車の羽根車を無拘束回転させて無拘束運転しても流量変動を実質的に生じさせず、送水管路内での圧力変動を抑制することができる。
本発明の水車発電装置の運転方法は、羽根車が定格回転数で回転する通常運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性と、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性とにおける流量の変動量を示す流動変動が一致もしくは10%以内で近似する比速度であって、比速度Nsが、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差H(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義される羽根車を備えた水車を、送水管路に介設して通常運転し、前記水車によって発電機を駆動し、発電機の出力を回生インバータで周波数調整して電力系統へ送出し、負荷遮断時に流量調整を伴うことなく水車の羽根車を無拘束回転させて無拘束運転し、無拘束運転突入時の流量変動を実質的に生じさせることなく送水管路内での圧力変動を抑制することを特徴とする。
本発明によれば、定格回転数で回転する通常運転時の水車運転特性と、無拘束回転数で回転する無拘束運転時の水車運転特性とが一致もしくは近似する比速度Nsの形状をなす羽根車を水車に採用することにより、無拘束運転対策のフライホイールや圧力変動緩衝タンク等の構成部材を必要とせずに、水車本体において無拘束運転突入時の流量変動を実質的に生じさせず、配水管内での圧力変動を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに、本発明において、「送水管路」の文言はいわゆる上水道や工業用水、河川水等における導水管、送水管、配水管を含む広義の意味で使用するものである。
図5において、送水管路はダム等の水源1から浄水場2に至る導水管3、および浄水場2から配水場4に至る配水管5、ならびに配水場4から需要家6に至る送水管7からなる。浄水場2は導水管3に連通する着水井8と、配水管5に連通する浄水槽9を備えており、着水井8と浄水槽9の間に浄水処理を行うための設備(図示省略)を設けている。配水場4は配水管5に連通するとともに送水管7に連通する配水槽10を備え、配水管5には浄水槽9の浄水を配水槽10へ送るためのポンプ11を備えている。
本発明に係る水車発電装置12は導水管3における着水井8の上流近傍位置や配水管5における配水槽10の上流近傍位置などに設けることができる。一般的に導水管3および配水管5は一本管路で管路長が長く分岐がないものであり、これらの管路に従来の水車発電装置を設ける場合には無拘束時の圧力変動が大きくなりウォーターハンマーを生じ易い。以下においては水車発電装置12を導水管3に介設する場合について説明する。
図1において、水車発電装置12はケーシング14の吸込口15および吐出口16において導水管3に接続しており、ケーシング14の内部にはインライン型水車(以下においては水車と呼称する)17と、この水車17によって駆動する発電機18を配置しており、管路外に発電機18の出力を電力系統へ送出する回生インバータ19を備えている。水車発電装置12としてはインライン型以外の他のポンプ逆転水車を採用することも可能である。
回生インバータ19は周波数検知回路20、周波数比較回路21、周波数調整回路22を備え、水車17を定格回転数に制御するとともに、発電機18の出力の周波数および電圧を系統連係に対応する所定周波数および所定電圧に調整する機能を担い、周波数検知回路20において発電機18の出力周波数を検知し、周波数比較回路21において周波数検知回路20で検知した出力周波数と電力系統へ送出する系統連係の所定周波数とを比較し、周波数調整回路22において発電機18の出力周波数を系統連係の所定周波数に調整する。
水車17は、図2および図3に示す羽根車23を有しており、羽根車23はハブ24とハブ24の周方向に所定間隔で設けた複数のブレード25からなる。ブレード25はハブ24の外周面において中心側から外周縁側へ湾曲した形状をなしている。
水車運転特性は羽根車23の形状に依拠しており、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義する比速度Nsは羽根車23の形状と密接な関係を有する。この羽根車23は、Ns=440となる形状をなしており、羽根車23が定格回転数で回転する通常運転時の水車運転特性と、羽根車23が無拘束回転数で回転する無拘束運転時の水車運転特性とが近似する。本発明においては、定格回転数で回転する通常運転時の水車運転特性と、無拘束回転数で回転する無拘束運転時の水車運転特性とが一致する比速度Nsの形状を有する羽根車23が好ましい。
以下に、本実施の形態の羽根車23に相似し、他の比速度Nsの形状をなす羽根車との比較において、本実施の形態の羽根車23の水車運転特性を説明する。図7および図8は、比速度Ns700の羽根車を定格回転数1200rpmで回転させる通常運転時における水車運転特性および、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時における水車運転特性を示すものである。
羽根車が定格回転数で回転する通常運転時において、羽根車を通過する流量は羽根車に作用する有効落差の変動に伴って変動し、有効落差が大きいほどに流量が多く、有効落差が小さいほどに流量が少ない。
一方、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時には、有効落差が大きいほどに流量が多くなるとともに無拘束時の回転数が大きく、有効落差が小さいほどに流量が少なくなるとともに無拘束時の回転数が小さい。
ある有効落差下で通常運転するときに負荷遮断が生じて無拘束運転へ突入すると、羽根車の回転数は定格回転数から無拘束時の回転数へ変化し、通常運転時の水車運転特性下の流量変動傾向から無拘束運転時の水車運転特性下の流量変動傾向へ遷移し、通常運転時の水車運転特性下の流量に比べて無拘束運転時の水車運転特性下の流量が多くなる現象が生じる。
次に、図9および図10は、比速度Ns400の羽根車を定格回転数1200rpmで回転させる通常運転時における水車運転特性および、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時における水車運転特性を示すものである。
この羽根車においても、通常運転時に羽根車を通過する流量は、羽根車に作用する有効落差の変動に伴って変動し、有効落差が大きいほどに流量が多く、有効落差が小さいほどに流量が少ない。また、無拘束運転時には、有効落差が大きいほどに流量が多くなるとともに無拘束時の回転数が大きく、有効落差が小さいほどに流量が少なくなるとともに無拘束時の回転数が小さい。
しかし、ある有効落差下で通常運転するときに負荷遮断が生じて無拘束運転へ突入し、通常運転時の水車運転特性下の流量変動傾向から無拘束運転時の水車運転特性下の流量変動傾向へ遷移する際に、通常運転時の水車運転特性下の流量に比べて無拘束運転時の水車運転特性下の流量が少なくなる現象が生じる。
したがって、比速度Ns400の水車運転特性と、Ns700の水車運転特性の間には、無拘束運転時の水車運転特性が通常運転時の水車運転特性に一致する比速度Nsが存在すると推定できる。
次に、図11および図12は、比速度Ns460の羽根車を定格回転数1000rpmで回転させる通常運転時における水車運転特性および、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時における水車運転特性を示すものである。
この羽根車においても、通常運転時に羽根車を通過する流量は、羽根車に作用する有効落差の変動に伴って変動し、有効落差が大きいほどに流量が多く、有効落差が小さいほどに流量が少ない。また、無拘束運転時には、有効落差が大きいほどに流量が多くなるとともに無拘束時の回転数が大きく、有効落差が小さいほどに流量が少なくなるとともに無拘束時の回転数が小さい。
しかし、この羽根車では、ある有効落差下で通常運転するときに負荷遮断が生じて無拘束運転へ突入し、通常運転時の水車運転特性下の流量変動傾向から無拘束運転時の水車運転特性下の流量変動傾向へ遷移する際に、通常運転時の水車運転特性下の流量と無拘束運転時の水車運転特性下の流量が一致もしくは近似する。ただし、通常運転時の水車運転特性下の流量に比べて無拘束運転時の水車運転特性下の流量がわずかに多い傾向を示す。
次に、図13および図14は、比速度Ns440の羽根車を定格回転数1000rpmで回転させる通常運転時における水車運転特性および、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時における水車運転特性を示すものである。
この羽根車においても、通常運転時に羽根車を通過する流量は、羽根車に作用する有効落差の変動に伴って変動し、有効落差が大きいほどに流量が多く、有効落差が小さいほどに流量が少ない。また、無拘束運転時には、有効落差が大きいほどに流量が多くなるとともに無拘束時の回転数が大きく、有効落差が小さいほどに流量が少なくなるとともに無拘束時の回転数が小さい。
また、ある有効落差下で通常運転するときに負荷遮断が生じて無拘束運転へ突入し、通常運転時の水車運転特性下の流量変動傾向から無拘束運転時の水車運転特性下の流量変動傾向へ遷移する際に、通常運転時の水車運転特性下の流量と無拘束運転時の水車運転特性下の流量が一致もしくは近似する。ただし、この羽根車では、通常運転時の水車運転特性下の流量に比べて無拘束運転時の水車運転特性下の流量がわずかに少ない傾向を示す。
図6は上述の関係をまとめて示すものであり、通常運転時に比べて無拘束運転時に流量が少なくなる現象が生じるNs400の形状の羽根車における無拘束運転時の水車運転特性aと、通常運転時と無拘束運転時の流量が近似するNs440の形状の羽根車における無拘束運転時の水車運転特性bおよびNs460の形状の羽根車における無拘束運転時の水車運転特性cと、通常運転時に比べて無拘束運転時に流量が多くなる現象が生じるNs700の形状の羽根車における水車運転特性dと、同様に無拘束運転時に流量が多くなる現象が生じるNs1000の形状の羽根車における水車運転特性eと、Ns400、Ns440、Ns460、Ns700、Ns1000のものにおける通常運転時の水車運転特性fを示すものである。図6において、流量は設計流量Qdに対する実際流量Qの比であり、有効落差は設計有効落差Hdに対する実際有効落差Hの比である。
図6において明らかなように、比速度Ns400の水車運転特性aと、Ns700の水車運転特性dの間には、無拘束運転時の水車運転特性が通常運転時の水車運転特性fに一致する比速度Nsが存在し、この比速度Nsを閾値として、比速度Nsが閾値より大きいほどに無拘束運転時に流量が多くなり、比速度Nsが閾値より小さいほどに無拘束運転時に流量が少なくなる傾向が存在し、この閾値は発明者らの考察において比速度Ns440〜460の間に存在し、Ns440、Ns460が閾値に最も近似する値となる。
この図6の有効落差H/Hd=100%における流動変動Q/Qd(%)を図15に示す。この流動変動Q/Qd(%)は、通常運転時の水車運転特性fにおける流量に対する各比速度Nsの無拘束運転時の水車運転特性a、b、c、dにおける流量の変動量を示すものである。
つまり、Ns400のものでは、通常運転時の水車運転特性fにおける流量(Q/Qd)100%と無拘束運転時の水車運転特性aにおける流量(Q/Qd)約90%との差であって約10%となり、Ns700のものでは、通常運転時の水車運転特性fにおける流量(Q/Qd)100%と無拘束運転時の水車運転特性aにおける流量(Q/Qd)約137%との差であって約37%となり、同様にNs440のものでは約2%、Ns460のものでは約1%となる。
ここで、本発明の目的とするところにおいて、通常運転時の水車運転特性下の流量と無拘束運転時の水車運転特性下の流量が一致することが最も望ましいが、流動変動Q/Qd(%)が10%以内であれば実用的レベルとなるので、通常運転時の水車運転特性下の流量と無拘束運転時の水車運転特性下の流量が近似する比速度Nsとして400〜520の範囲内のものを採用することができる。また、より望ましい形態として流動変動Q/Qd(%)を5%以内とする場合には比速度Nsとして420〜490の範囲内のものを採用する。さらに望ましい形態として流動変動Q/Qd(%)を1〜2%以内とする場合には、比速度Nsとして440〜460の範囲内のものを採用する。
よって、本実施の形態におけるNs440の形状の羽根車23では、通常運転時の水車運転特性下の流量と無拘束運転時の水車運転特性下の流量が等しくもしくは近似する現象が生じる。
図16は本実施の形態における羽根車23のブレード25のメリディアン形状を示すものである。図16において、回転軸Xに対するブレード25の各辺縁ab、bc、cd、adの傾斜角度、および各辺縁ab、bc、cd、adの相互間の角度、θa、θb、θc、θdが水車運転特性に影響をあたえる重要な要素であり、これらの要素には、Ns400〜520のものにおいて、あるいはNs420〜490において、さらにはNs440〜460のものにおいて、それぞれ適値が存在する。
したがって、この比速度Nsの形状をなす羽根車23を水車17に採用することで、無拘束運転対策のフライホイールや圧力変動緩衝タンク等の構成部材を必要とせずに、水車本体において無拘束運転突入時の流量変動を実質的に生じさせず、送水管路内での圧力変動を抑制することができる。
この水車発電装置12では、回生インバータ19による制御によって通常運転時回転数つまり定格回転数を変更して種々の仕様に対応できる。図4は本実施の形態における羽根車23を有するNs500の水車17の回転数を1000rpm〜3000rpmの範囲で変えて運転した場合における各回転数(図中の各特性曲線に併記した数字)における水車運転特性と、NPSH(必要有効吸込ヘッド)を示すものである。
図4に示した1000rpm〜3000rpmの範囲の各通常運転時回転数、つまり任意の定格回転数において通常運転する場合に、回生インバータ19において発電機18の出力周波数を電力系統の所定周波数に調整することで、任意の定格回転数において電力系統への送電が可能となる。
この通常運転時に負荷遮断による無拘束運転突入時には、水車17の羽根車23が比速度Ns500の形状をなして、定格回転数で回転する通常運転時の水車運転特性と、無拘束回転数で回転する無拘束運転時の水車運転特性とが少なくとも近似することで、負荷遮断時に流量調整を伴うことなく水車17の羽根車23を無拘束回転させて無拘束運転しても水車本体において流量変動を実質的に生じさせず、送水管路内での圧力変動を抑制することができ、従来の無拘束運転対策のフライホイールや圧力変動緩衝タンク等の構成部材が不要となる。
本発明の実施の形態における水車発電装置を示す模式図 同実施の形態における水車の羽根車の形状を示す平面図 同実施の形態における水車の羽根車の形状を示す斜視図 同実施の形態における水車の各通常運転時回転数での水車運転特性を示すグラフ図 本発明の実施の形態における水車発電装置を適用する構成例を示す模式図 本発明の実施の形態における比速度の水車と他の比速度の水車との水車運転特性を比較したグラフ図 比速度Ns700の水車の水車運転特性を示すグラフ図 比速度Ns700の水車の水車運転特性を示すグラフ図 比速度Ns400の水車の水車運転特性を示すグラフ図 比速度Ns400の水車の水車運転特性を示すグラフ図 比速度Ns460の水車の水車運転特性を示すグラフ図 比速度Ns460の水車の水車運転特性を示すグラフ図 比速度Ns440の水車の水車運転特性を示すグラフ図 比速度Ns440の水車の水車運転特性を示すグラフ図 本発明の実施の形態における有効落差(H/Hd)100%における流動変動(%)を示すグラフ図 同実施の形態における水車の羽根車のメリディアン形状を示す図 負荷遮断時に生じる現象を示すグラフ図
符号の説明
1 水源
2 浄水場
3 導水管
4 配水場
5 配水管
6 需要家
7 送水管
8 着水井
9 浄水槽
10 配水槽
11 ポンプ
12 水車発電装置
14 ケーシング
15 吸込口
16 吐出口
17 水車
18 発電機
19 回生インバータ
20 周波数検知回路
21 周波数比較回路
22 周波数調整回路
23 羽根車
24 ハブ
25 ブレード

Claims (5)

  1. 送水管路に介設する水車であって、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差H(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義する比速度Nsにおいて、羽根車が定格回転数で回転する通常運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性と、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性とにおける流量の変動量を示す流動変動が一致もしくは10%以内で近似する比速度の羽根車を備えたことを特徴とする水車。
  2. 比速度Nsが400〜520の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の水車。
  3. 比速度Nsが420〜490の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の水車。
  4. 送水管路に介設する水車と、水車によって駆動する発電機と、発電機の出力を電力系統へ送出する回生インバータとを備えた水車発電装置であって、
    水車は、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差H(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義する比速度Nsにおいて、羽根車が定格回転数で回転する通常運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性と、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性とにおける流量の変動量を示す流動変動が一致もしくは10%以内で近似する比速度の羽根車を備え、
    回生インバータは発電機の出力を周波数調整して電力系統へ送出することを特徴とする水車発電装置。
  5. 羽根車が定格回転数で回転する通常運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性と、羽根車が無拘束で回転する無拘束運転時の有効落差と流量との関係を示す水車運転特性とにおける流量の変動量を示す流動変動が一致もしくは10%以内で近似する比速度であって、比速度Nsが、水車回転速度n(min−1)、流量Q(m/min)、有効落差H(m)としたときに、Ns=nQ1/2/H3/4で定義される羽根車を備えた水車を、送水管路に介設して通常運転し、前記水車によって発電機を駆動し、発電機の出力を回生インバータで周波数調整して電力系統へ送出し、負荷遮断時に流量調整を伴うことなく水車の羽根車を無拘束回転させて無拘束運転し、無拘束運転突入時の流量変動を実質的に生じさせることなく送水管路内での圧力変動を抑制することを特徴とする水車発電装置の運転方法。
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