JP6837820B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はグラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡体は、軽量性、断熱性、及び緩衝性等を有するバランスに優れた発泡体であり、従来から食品容器箱、保冷箱、緩衝材、及び住宅等の断熱材として広く利用されている。
中でも、近年、地球温暖化等の諸問題に関連し、住宅等建築物の断熱性向上による省エネルギー化が志向されつつあり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の需要拡大が期待される。そのため、当該ポリスチレン系樹脂発泡体の高発泡倍率による軽量化や断熱性の向上について種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1の発明によれば、ポリスチレン系樹脂の中心を通る断面の粒子表面から200μmを除く断面に存在する気泡数と嵩密度の積を400以上とすることで高倍率においても外観美麗で優れた融着性を有し、その成形体の倍率が1.6〜50倍であり、落球値の高さが10〜100cmと機械的強度に優れた発泡成形体を得ることができると提案されている。
また、特許文献2では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、ブタンとペンタンとを20:80〜80:20の割合で含有する発泡剤を使用し、かつ、発泡倍率が1.05〜1.25倍となるように内部に複数の気泡が形成させ、当該気泡を予備発泡における気泡核として機能させることで、均質な発泡性を発揮させて強度特性に優れた発泡成形体が得られることが開示されている。
国際公開第WO2011/118706号 特開2013−136688号
しかし、上記特許文献1および2は、気泡を制御することで高発泡倍率と高強度とを両立したポリスチレン系樹脂発泡成形体を得る発明ではあるが、断熱性に関する観点がない。ブタンやペンタン等の発泡剤は、熱伝導率の低減効果を有するものの、時間の経過と共にポリスチレン系樹脂発泡成形体から逸散して大気(空気)と置換されるため、時間経過と共に断熱性は悪化する。この点から、後述のグラファイト等の輻射伝熱抑制剤を含まない特許文献1および2の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子では、市場で要求される高断熱性を達成することは難しい。
断熱性を向上させる手段としては、ポリスチレン系樹脂発泡成形体にグラファイト等の輻射伝熱抑制剤を使用することが一般的に行なわれている。しかし、グラファイト等の無機物質を多量に添加すると発泡倍率は低下し、高倍率に発泡させると予備発泡粒子が収縮する問題がある。定かではないが、この問題は、無機物質が主因となり、予備発泡時に予備発泡粒子中のセル膜に穴が開き、発泡時に発泡剤が樹脂中から抜けやすくなり内圧を保持できなくなると推定され、そのために発泡後に収縮が生じやすくなると考えられる。また、予備発泡粒子に収縮が生じると、予備発泡粒子表面にしわが生じるために、予備発泡粒子を用いて成形をしたポリスチレン系樹脂発泡成形体の表面美麗性も低下しやすい。予備発泡粒子が収縮した場合には、収縮した予備発泡粒子を養生させることによって回復させられるものの、養生後の倍率管理が困難となることが予見される。また、生じた収縮が大きければ、発泡倍率を回復させるために高温で養生させる必要があり、高温で養生することが可能な養生サイロがさらに必要となり、養生の際に多量の熱エネルギーが必要となるためコストがかかる。特に、生じた収縮がさらに大きければ、予備発泡粒子が挫屈してしまい、高温で養生しても発泡倍率が回復しにくくなり、発泡倍率の基準を満たさなくなるため、歩留まりが低下する。
したがって、本発明は、高倍率に発泡しても予備発泡粒子の収縮が生じにくく、かつ、高い断熱性能を有するポリスチレン系樹脂発泡成形体を与えうる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供することを目的とする。
本発明者らが上述した課題を解決すべく検討を重ねたところ、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を高倍率に発泡すると、予備発泡直後に予備発泡粒子に収縮が生じることがあることを突き止めた。そこで、さらに検討を進めたところ、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子では、当該粒子内部における気泡数が550を超えると、予備発泡粒子のセル径が極端に微細化し、発泡直後に収縮が生じやすくなることを突き止め、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中に存在する気泡(ボイド)数によって、予備発泡粒子のセル径が変化し、それに伴い発泡直後に生じる収縮や熱伝導率が変化することを見出した。また、気泡数が550を超えると発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の嵩密度が低くなり、輸送効率が低下し、さらに保管スペースも必要となる。
以上の知見から、本発明者らは、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子にグラファイトを2〜10重量%と高含有させているにもかかわらず、高発泡倍率、かつ、低熱伝導率であるポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製することに成功し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明は、グラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
前記グラファイトの含有量が前記ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において2〜10重量%であり、
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面の中心点から半径300μmの範囲内に存在する気泡数が単位平方ミリメートル当たりで550以下である、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子(以下、「本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子」と称することがある。)に関する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の真密度が1000〜1060kg/mであることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のかさ密度が620〜720kg/mであることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した場合に、収縮が生じた予備発泡粒子のかさ倍率が45倍以上であり、かつ、養生後のかさ倍率が65倍以上となることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した後の予備発泡粒子の平均セル径が150μm〜350μmとなることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した後に発泡成形してなるポリスチレン系樹脂発泡成形体の熱伝導率λが0.0320W/m・K以下であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有される発泡剤が、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルブタンおよびイソブタンからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記ポリスチレン系樹脂組成物が、難燃剤を前記ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において0.5〜6重量%含有することが好ましい。
また、本発明は、グラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなるポリスチレン系樹脂溶融物を複数の小孔を有するダイスから加圧冷却水中に押出し、ダイスに接する回転カッターで切断して粒子化する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
前記加圧冷却水が、温度(A)30〜80℃、水圧(B)0.5〜1.4MPaであり、かつ、前記温度(A)および水圧(B)が(式1)と(式2)を満たす、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法(以下、「本発明の製法」と称することがある。)に関する。
(式1)気泡数≦0.2653×(A×B)−47.229×(A×B)+2200
(式2)気泡数≦700。
また、本発明はグラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなるポリスチレン系樹脂溶融物を複数の小孔を有するダイスから加圧冷却水中に押出し、ダイスに接する回転カッターで切断して粒子化する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
前記加圧冷却水が温度(A)30〜80℃、水圧(B)0.5〜1.4MPaであり、前記樹脂溶融物温度(C)140℃〜210℃であり、かつ、前記温度(A)、水圧(B)および樹脂溶融物温度(C)が(式3)、(式4)、(式5)とを満たす、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法、(以下、「本発明の製法」と称することがある。)に関する。
(式3)気泡数≦10−5×(A×B×C)−0.2952(A×B×C)+2250
(式4)気泡数≦700
(式5)2000≦A×B×C≦14500
本発明の製法において、上記グラファイトの含有量が前記ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において2〜10重量%であり、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面の中心点から半径300μmの範囲内に存在する気泡数が単位平方ミリメートル当たりで550以下であることが好ましい。
本発明の製法において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した後の予備発泡粒子の平均セル径が150μm〜350μmとなることが好ましい。
本発明の製法において、上記発泡剤が、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルブタンおよびイソブタンからなる群から選択される少なくも1種であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子によれば、高倍率発泡時においても、得られる予備発泡粒子において予備発泡直後の収縮が抑制されうる。そのため、高発泡倍率で、かつ、高断熱性を両立したポリスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができる。
予備発泡直後の収縮が大きければ予備発泡粒子のセルが挫屈してしまい、高温で養生しても倍率は回復しなくなるところ、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は収縮が抑制されるため、予備発泡粒子を高温で養生する必要がなくなり、養生後の倍率管理が容易となる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、嵩密度が大きくなるため、輸送効率が良化、および、狭い保管スペースでも保管が可能となる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の外観を図示したものである。 本発明の製法における式(1)と、実施例および比較例の水温・水圧条件と気泡数の関係を図示したものである。 本発明の製法における式(3)と、実施例および比較例の水温・水圧・樹脂温度条件と気泡数の関係を図示したものである。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子]
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、グラファイトを含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ポリスチレン系樹脂粒子中にグラファイトおよび発泡剤を含有させたものである。本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面の中心点から半径300μmの範囲内に存在する気泡数が単位平方ミリメートル当たりで550以下であることにより、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を高倍率で発泡しても、得られる予備発泡粒子の予備発泡直後の収縮が抑制され、高発泡倍率および高断熱性を両立したポリスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができる。予備発泡直後の収縮抑制と熱伝導率の観点から、前記気泡数は、20〜450であることが好ましく、30〜400がより好ましい。本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は無機物質たるグラファイトを含むことによって、気泡数の調整が可能となる。無機物質が含有されていなければ、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製する際に生じる気泡が形成されにくくなり、気泡数が小さくなることでセルの肥大化による熱伝導率の悪化が生じる場合があるのに対して、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の場合は、気泡数を上記範囲に制御することにより、セルの肥大化が抑止されて熱伝導率が維持されつつ、かつ、予備発泡直後の収縮も抑制することができる。
(ポリスチレン系樹脂)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂組成物は、基材樹脂としてポリスチレン系樹脂を含む。ポリスチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体(ポリスチレンホモポリマー)のみならず、本発明の効果を損なわない範囲で、スチレンと共重合可能な他の単量体又はその誘導体とスチレンとの共重合体であっても良い。これらは一種のみであってもよいし、2種以上を組みあせて使用してもよい。ただし、後述する臭素化ポリスチレン・ブタジエン共重合体は除く。
スチレンと共重合可能な他の単量体又はその誘導体としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン等のスチレン誘導体;ジビニルベンゼン等の多官能性ビニル化合物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;ブタジエン等のジエン系化合物又はその誘導体;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2)−クロロフェニルマレイミド、N−(4)−ブロモフェニルマレイミド、N−(1)−ナフチルマレイミド等のN−アルキル置換マレイミド化合物等があげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、耐衝撃吸収性や耐熱性の観点から、例えば、ジエン系ゴム強化ポリスチレン、アクリル系ゴム強化ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル系樹脂等をブレンドすることもできる。
本発明で用いられるポリスチレン系樹脂としては、比較的安価で、特殊な方法を用いずに低圧の水蒸気等で発泡成形ができ、断熱性、難燃性、緩衝性のバランスに優れることから、スチレンホモポリマーを含むことが好ましい。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば、基材樹脂として、ポリスチレン系樹脂を主成分としながら、他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂など、上述のスチレンと共重合可能な他の単量体又はその誘導体の単独重合体や、それらの共重合体が挙げられる。
(グラファイト)
本発明においては、輻射伝熱抑制剤としてグラファイトを発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に添加することにより、高い断熱性を有するポリスチレン系樹脂発泡成形体が得られる。輻射伝熱抑制剤とは、近赤外又は赤外領域(例えば、800〜3000nm程度の波長域)の光を反射、散乱又は吸収する特性を有する物質をいう。
本発明で用いられるグラファイトは、例えば、鱗片状黒鉛、土状黒鉛、球状黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等が挙げられる。なお、本明細書において、「鱗片状」という用語は、鱗状、薄片状又は板状のものをも包含する。これらの黒鉛は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、輻射伝熱抑制効果が高い点から、鱗片状黒鉛を主成分とする黒鉛混合物が好ましく、鱗片状黒鉛がより好ましい。
本発明で用いられるグラファイトは、高発泡化、断熱性、および、成形性の観点から、平均粒径が2.5〜9μmであることが好ましく、3〜6μmであることがより好ましい。グラファイトは平均粒径が小さいほど製造コストが高くなる。平均粒径2.5μm未満のグラファイトは粉砕のコストを含む製造コストが高いため、非常に高価であり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のコストが高くなる傾向がある。さらに、グラファイトの平均粒径が2.5μm未満となると、断熱性の良好なポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造することが難しくなる。一方、平均粒径が9μmを超えると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造する際にセル膜が破れやすくなるため、高発泡化が難しくなったり、成形容易性が低下したり、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の圧縮強度が低下したりする傾向がある。ここでいう、グラファイトの平均粒径は、JIS Z8825−1に準拠したMie理論に基づきレーザー回折・散乱法により算出されるD50粒径を指す。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子におけるグラファイトの含有量は、ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において2〜10重量%である。目的とする発泡倍率に制御しやすいと共に、熱伝導率低減効果等のバランスの点から、3〜7重量%であることが好ましく、3〜6重量%がより好ましい。グラファイト含有量が2重量%以上であれば熱伝導率低減効果が十分であり、一方、10重量%以下であれば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造する際にセル膜が破れにくくなるため、高発泡化がし易くなり、発泡倍率の制御が容易になる。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば、グラファイトの他に、他の輻射伝熱抑制剤を添加してもよい。公知の輻射伝熱抑制剤であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム系化合物、亜鉛系化合物、マグネシウム系化合物、チタン系化合物、熱線反射剤、硫酸金属塩、アンチモン系化合物、金属酸化物、熱線吸収剤、金属粒子、カーボンブラック、グラフェン、活性炭等が挙げられる。
(発泡剤)
本発明で用いられる発泡剤は、特に限定されないが、炭素数4〜5の炭化水素が好ましい。発泡剤の炭素数が4以上であると揮発性が高くならず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から発泡剤が逸散しにくくなるため十分な発泡力が得られやすい。また、炭素数が5以下であると高発泡化がし易い。炭素数4〜5の炭化水素としては、例えばノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、又はシクロペンタン等の炭化水素が挙げられる。これらの中でも、樹脂に対する溶解性や発泡性の観点から、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルブタンおよびイソブタンの群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、ノルマルペンタンおよび/またはイソペンタンがより好ましい。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよいが、発泡性と難燃性の観点からノルマルペンタンおよびイソペンタンを併用することがさらに好ましく、その重量比率が90/10〜60/40であることが好ましい。ノルマルペンタン/イソペンタンの重量比率においてノルマルペンタンが90重量%以下であれば、発泡性が十分であり、60重量%以上であれば、予備発泡の後に成形したポリスチレン系樹脂発泡成形体中に残存するノルマルペンタンおよび/またはイソペンタンの量が少なく、難燃性が十分である。
本発明における発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂組成物100重量部に対して、4〜10重量部であることが好ましい。発泡剤の添加量が4重量部以上では、発泡力が十分あり高発泡化し易くなり、65倍以上の高発泡倍率のポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造し易くなる。また、発泡剤の量が10重量部以下であれば難燃性能が悪化し難くなると共に、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造する際の製造時間(成形サイクル)が短くなるため、製造コストを抑えることができる。なお、発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂組成物100重量部に対して、4.5〜9重量部であることがより好ましく、5〜8重量部であることがさらに好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂、グラファイト及び発泡剤を含有し、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、ラジカル発生剤、及びその他の添加剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の任意成分を含有してもよい。本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、好ましくは、ポリスチレン系樹脂、グラファイト、発泡剤及び難燃剤を含有し、難燃剤を除く上述の任意成分の少なくとも1種を含有してもよく、より好ましくは、ポリスチレン系樹脂、グラファイト、発泡剤、難燃剤及び熱安定剤を含有し、難燃剤及び熱安定剤を除く上述の任意成分の少なくとも1種を含有してもよく、さらに好ましくは、ポリスチレン系樹脂、グラファイト、発泡剤、難燃剤、熱安定剤及び造核剤を含有し、難燃剤、熱安定剤及び造核剤を除く上述の任意成分の少なくとも1種を含有してもよい。
(難燃剤)
本発明で用いることができる難燃剤としては、特に限定されず、従来からポリスチレン系樹脂発泡成形体に用いられる公知の難燃剤をいずれも使用できるが、その中でも、難燃性付与効果が高い臭素系難燃剤が好ましい。本発明で用いることができる臭素系難燃剤としては、例えば、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル))、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル))等の臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、臭素化ランダムスチレン・ブタジエン共重合体、臭素化スチレン・ブタジエングラフト共重合体等の臭素化ブタジエン・ビニル芳香族炭化水素共重合体(例えば、特表2009−516019号公報に開示されている)、テトラブロモシクロオクタン等が挙げられる。これら臭素系難燃剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
難燃剤は、目的とする発泡倍率に制御しやすいと共に、グラファイト添加時の難燃性等のバランスの点から、ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において難燃剤は0.5〜6重量%であることが好ましく、1〜4重量%であることがより好ましい。臭素含有量が0.5重量%以上であると、難燃性付与効果が小さくならず、6重量%以下である、得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の強度が低下し難い。
(熱安定剤)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子においては、さらに、熱安定剤を併用することによって、製造工程における難燃剤の分解による難燃性の悪化及び発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の劣化を抑制することができる。
本発明における熱安定剤は、用いられるポリスチレン系樹脂の種類、発泡剤の種類及び含有量、グラファイトの種類及び含有量、難燃剤の種類及び含有量等に応じて、適宜組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる熱安定剤としては、難燃剤含有混合物の熱重量分析における1%重量減少温度を任意に制御できる点から、ヒンダードアミン化合物、リン系化合物、エポキシ化合物が望ましい。熱安定剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。なお、これらの熱安定剤は、後述するように耐光性安定剤としても使用できる。
熱安定剤は、目的とする発泡倍率に制御しやすいと共に、グラファイト添加時の難燃性等のバランスの点から、ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において熱安定剤は0.5〜3重量%であることが好ましい。0.5重量%以上であると難燃剤の分解が生じ難く、難燃性付与効果が小さくならず、3重量%以下であると得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の強度が低下し難い。
(その他の添加剤)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のポリスチレン系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、ラジカル発生剤、加工助剤、耐光性安定剤、造核剤、発泡助剤、帯電防止剤、顔料等の着色剤よりなる群から選ばれる1種以上のその他添加剤を含有していてもよい。ラジカル発生剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、又はポリ−1,4−イソプロピルベンゼン等が挙げられる。加工助剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン等が挙げられる。耐光性安定剤としては、前述したヒンダードアミン類、リン系安定剤、エポキシ化合物の他、フェノール系抗酸化剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類等が挙げられる。造核剤としては、シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、タルク等の無機化合物、メタクリル酸メチル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等の高分子化合物、ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワックス、メチレンビスステアリルアマイド、エチレンビスステアリルアマイド、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド等の脂肪酸ビスアマイド等が挙げられる。発泡助剤としては、大気圧下での沸点が200℃以下である溶剤を望ましく使用でき、例えば、スチレン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル等が挙げられる。なお、帯電防止剤及び着色剤としては、各種樹脂組成物に用いられるものを特に限定なく使用できる。これらの他の添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、輸送効率と保管スペースの観点から、真密度が1000〜1060kg/mであることが好ましく、1020〜1055kg/mであることがより好ましく、1030〜1050kg/mがさらに好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、輸送効率と保管スペースの観点から、かさ密度が620〜720kg/mであることが好ましく、630〜680kg/mであることがより好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した場合に、収縮が生じた予備発泡粒子のかさ倍率が45倍以上であり、かつ、養生後のかさ倍率が65倍以上となることが好ましく、収縮が生じた予備発泡粒子のかさ倍率が50倍以上かつ、30℃で24時間養生後のかさ倍率が68倍以上であることがより好ましい。収縮が生じた予備発泡粒子のかさ倍率が45倍以上かつ、30℃で24時間養生後のかさ倍率が65倍以上であれば、予備発泡粒子のかさ倍率が低くなりすぎず、予備発泡後の収縮を抑制でき、30℃で24時間養生することで倍率が回復しやすくなり、成形体倍率が高くなる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した後の予備発泡粒子の平均セル径が150μm〜350μmとなることが好ましく、160μm〜300μmであることがより好ましく、160μm〜280μmであることがさらに好ましい。セル径が150μm以上であることにより、セル膜が薄くならず、セル膜の強度が低下することなく、予備発泡後の収縮が抑制される。また、セル膜が薄くならないため、グラファイトによってセル膜に穴が開きにくくなり、独立気泡率が高くなると推測される。一方、平均セル径を350μm以下にすることにより、予備発泡粒子中に存在するセル数が増加し、輻射熱が小さくなり、熱伝導率が良好になる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、上記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した後に発泡成形してなるポリスチレン系樹脂発泡成形体の熱伝導率λが0.0320W/m・K以下であることが好ましく、0.0315W/m・K以下であることがより好ましい。ポリスチレン系樹脂発泡成形体の熱伝導率λが0.0320W/m・K以下であると、壁や屋根などの断熱材として用いる際に発泡成形体の厚みを薄くでき、グラスウール等の他の断熱材と同等にコストを抑えることができる。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法]
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、公知の溶融混練法で得られることができ、具体的には、ポリスチレン系樹脂、グラファイトおよび発泡剤を押出機で溶融混練し(溶融混練工程)、溶融混練物を押出機先端に取り付けられた小孔を有するダイスを通じて加圧循環水で満たされたチャンバー内に押出し(押出工程)、押出直後の溶融混練物を回転カッターにより切断すると共に、加圧循環水により冷却固化する(冷却工程)ことにより製造することができる(以下、「本発明の製法」と称することがある。)
本発明の製法においては、ポリスチレン系樹脂と各種成分との分散性の観点から、予め、二軸の攪拌機を備えた(例えばバンバリーミキサー等)混練装置を用いてポリスチレン系樹脂と各種成分とを荷重をかけて混練して混練物を作製し、得られた混練物とポリスチレン系樹脂とを押出機に投入して溶融混練した後、粒子状に切断することが好ましい。
本発明の製法の好ましい一形態としては、、ポリスチレン系樹脂及びグラファイトを、例えばバンバリーミキサー等の二軸の攪拌機を備えた混練装置により混練してマスターバッチを作製し、作製したマスターバッチと新たなポリスチレン系樹脂と、発泡剤と、必要に応じて難燃剤等その他の成分とを押出機で溶融混練し、得られた溶融混練物を押出機先端に取り付けられた小孔を有するダイスを通して加圧循環水で満たされたカッターチャンバー内に押出し、押出直後から回転カッターにより切断すると共に、加圧循環水により冷却固化する。この際、押出機での溶融混練は単独の押出機を使用する場合、押出機を複数連結する場合、押出機とスタティックミキサーやスクリューを有さない攪拌機など第二の混練装置を併用する場合があり、適宜選択することができる。
ポリスチレン系樹脂及びグラファイトを、二軸の攪拌機を備えた混練装置、例えば荷重をかけた状態で樹脂の混練が可能なインテンシブミキサー、インターナルミキサー、又はバンバリーミキサー等、により混練してマスターバッチを作製することが好ましい。この場合、マスターバッチの濃度は特に限定されないが、グラファイトの濃度20重量%〜80重量%で作製することが、混練性とコストとのバランスから好ましい。作製したマスターバッチ、ポリスチレン系樹脂、発泡剤、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、他の添加剤を第1の押出機及び必要に応じて押出機に付随する第2の混練装置で溶融混練し、得られた溶融混練物を所定の温度に冷却した後、小孔を有するダイスを通じて、加圧循環水で満たされたカッターチャンバー内に押出す。この押出し直後から、回転カッターにより切断してペレット化すると共に、得られたペレット(樹脂粒子)を加圧循環水により冷却固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることができる。なお、難燃剤、熱安定剤等の他の添加剤についても、同様に、予め、ポリスチレン系樹脂と他の添加剤とのマスターバッチを作製して、押出機等に投入するようにしても構わない。
押出機の溶融混練部の設定温度は、100℃〜250℃が好ましい。また、押出機にポリスチレン系樹脂及び各種成分を供給してから溶融混練終了までの押出機内滞留時間が10分以下であることが好ましい。押出機の溶融混練部での設定温度が250℃以下、及び/又は、溶融混練終了までの押出機内滞留時間が10分以下であれば、難燃剤を添加した場合に難燃剤の分解を生じることなく、所望の難燃性が得ることができ、所望の難燃性を付与する為に難燃剤を過剰に添加する必要もない。一方、押出機の溶融混練部での設定温度が100℃以上であると、押出機の負荷が大きくならず押出が安定になり、添加する成分の分散性が良好になる。
ここで、押出機の溶融混練部とは、単軸又は二軸スクリューを有する押出機から構成される場合はフィード部以降から下流側最終押出機先端までを意味する。第1の押出機に付随してスタティックミキサーやスクリューを有さない攪拌機など第2の混練装置を併用する場合は第一押出機のフィード部から第2の混練装置の先端までを意味する。
グラファイトおよび発泡剤含有ポリスチレン系樹脂溶融物、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、造核剤等のその他添加剤が溶解又は均一分散された樹脂溶融物を複数の小孔を有するダイスから加圧冷却水中に押出される。
本発明の製法においては、加圧冷却水が、温度(A)30〜80℃、水圧(B)0.5〜1.4MPaであり、かつ、前記温度(A)および水圧(B)が(式1)と(式2)を満たすことにより、予備発泡直後の収縮抑制に有効な気泡数に制御された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることができる。
(式1)気泡数≦0.2653×(A×B)−47.229×(A×B)+2200
(式2)気泡数≦700。
加圧循環水の温度(A)は30℃〜80℃であるが、好ましくは40〜75℃であり、より好ましくは50〜70℃である。加圧循環水が30℃以上であると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の気泡数が大きくならず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の嵩密度が大きくなり、発泡倍率の低下や輸送効率の低下が生じることを回避できる。また、樹脂の固化によるダイスの閉塞が緩和でき、樹脂圧力の上昇が抑制され、押出運転性が良好となる。
一方、加圧循環水の設定温度が80℃以下であると、押出された溶融樹脂が良好に固化し、発泡を抑制できたり、押出された溶融樹脂の粘度が低くなりすぎず、回転カッターにより安定的に切断でき、押出された溶融樹脂が回転カッターに巻き付くこともない。
加圧循環水の水圧(B)は、0.5MPa〜1.4MPaであるが、好ましくは0.6〜1.35MPaであり、より好ましくは0.7〜1.3MPaである。水圧(B)が0.5MPa以上であれば、発泡を抑制でき、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の嵩密度が高くなり、発泡倍率の低下や輸送効率の低下が生じない。また、予備発泡粒子のセル径が小さくならないため、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の強度および独立気泡率が良好となる。一方、水圧(B)が1.4MPa以下であることにより、水圧によって回転カッターが押し戻されず、押出された溶融樹脂が回転カッターに巻きつくことがなく、安定生産できる。また、溶融された樹脂に加わる歪が大きくならず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の形状が良好になり、発泡性や成形性に優れる。
本発明の製法においては、(式2)気泡数≦700であるが、好ましくは気泡数≦650であり、より好ましくは気泡数≦600であり、さらに好ましくは気泡数≦550である。(式2)気泡数≦700であれば、加圧循環水温度と水圧の条件によって発泡を抑制することができ、かさ密度が大きくなり、輸送効率の低下が生じることを回避できる。また、本発明において、40≦(A×B)≦80が好ましく、45≦(A×B)≦70がより好ましい。(A×B)を40以上とすることで加圧循環水と水圧の条件によって発泡を抑制することができる。一方、(A×B)を80以下とすることで気泡数が少なくなりすぎず、セル径の極端な肥大化を抑制することができる。
本発明においては前記加圧冷却水が温度(A)30〜80℃、水圧(B)0.5〜1.4MPaであり、前記樹脂溶融物温度(C)140℃〜210℃であり、かつ、前記温度(A)、水圧(B)および樹脂溶融物温度(C)が(式3)、(式4)、(式5)とを満たすことにより、予備発泡直後の収縮抑制に有効な気泡数に制御された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることができる。
(式3)気泡数≦10−5×(A×B×C)−0.2952(A×B×C)+2250
(式4)気泡数≦700
(式5)2000≦A×B×C≦14500。
加圧循環水の温度(A)は30℃〜80℃であるが、好ましくは40〜75℃であり、より好ましくは50〜70℃である。加圧循環水が30℃以上であると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の気泡数が大きくならず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の嵩密度が大きくなり、発泡倍率の低下や輸送効率の低下が生じることを回避できる。また、樹脂の固化によるダイスの閉塞が緩和でき、樹脂圧力の上昇が抑制され、押出運転性が良好となる。
一方、加圧循環水の設定温度が80℃以下であると、押出された溶融樹脂が良好に固化し、発泡を抑制できたり、押出された溶融樹脂の粘度が低くなりすぎず、回転カッターにより安定的に切断でき、押出された溶融樹脂が回転カッターに巻き付くこともない。
加圧循環水の水圧(B)は、0.5MPa〜1.4MPaであるが、好ましくは0.6〜1.35MPaであり、より好ましくは0.7〜1.3MPaである。水圧(B)が0.5MPa以上であれば、発泡を抑制でき、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の嵩密度が高くなり、発泡倍率の低下や輸送効率の低下が生じない。また、予備発泡粒子のセル径が小さくならないため、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の強度および独立気泡率が良好となる。一方、水圧(B)が1.4MPa以下であることにより、水圧によって回転カッターが押し戻されず、押出された溶融樹脂が回転カッターに巻きつくことがなく、安定生産できる。また、溶融された樹脂に加わる歪が大きくならず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の形状が良好になり、発泡性や成形性に優れる。
ダイスより押出される直前の樹脂溶融物温度(C)は140℃〜210℃であるが、好ましくは150℃〜200℃であり、より好ましくは160℃〜190℃である。ダイスより押出される直前の溶融混練物の温度が140℃以上であれば、押出された溶融樹脂の粘度が高くなりすぎず、小孔の詰まりを回避でき、実質小孔開口率が低下しないため、所望の形状の樹脂粒子が得られる。一方で、ダイより押出される直前の溶融混練物の温度が210℃以下であれば、押出された溶融樹脂が完全に固化し、発泡が抑制される。また、押出された溶融樹脂の粘度が低くならないため、回転カッターにより安定的に切断でき、押出された溶融樹脂が回転カッターに巻き付くこともない。
本発明の製法においては、(式4)気泡数≦700であるが、好ましくは気泡数≦600である。また、(式5)2000≦A×B×C≦14500であるが、好ましくは(式5)5000≦A×B×C≦13000であり、より好ましくは(式5)7000≦A×B×C≦11000である。(式4)気泡数≦700かつ、(式5)2000≦A×B×C≦14500であれば、加圧循環水温度と水圧および樹脂温度の条件によって発泡を抑制することができ、かさ密度が大きくなり、輸送効率の低下が生じることを回避できる。
本発明で用いられるダイスは特に限定されないが、例えば、直径0.3mm〜2.0mm、望ましくは0.4mm〜1.0mmの小孔を有するものが挙げられる。
循環加圧冷却水に押出された溶融樹脂を切断する切断装置としては、特に限定されないが、例えば、ダイリップに接触する回転カッターで切断されて小球化され、遠心脱水機まで移送されて脱水・集約される装置、等が挙げられる。
[ポリスチレン系樹脂発泡成形体]
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、特に限定されないが、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を所定の発泡倍率に発泡させて予備発泡粒子とし、この予備発泡粒子を用いて成形を行なう予備発泡法により、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造することができる。
ポリスチレン系樹脂発泡成形体は発泡倍率が高いほど原料である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の使用量が少なくなることから、本発明によれば、高発泡倍率のポリスチレン系樹脂発泡成形体をより安価に製造することができる。なお、グラファイトを含有させた従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子においては高倍率発泡は困難であった。しかし、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び本発明の製造方法で得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の気泡数を制御することで高倍率発泡が可能となり、軽量で取扱性が良く、かつより安価な断熱材を供給することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、公知の予備発泡工程、例えば、水蒸気によって10〜110倍に発泡させて予備発泡粒子とし(予備発泡工程)、必要に応じて一定時間養生させた後、公知の成形機を用い、予備発泡粒子を水蒸気によって成形されてポリスチレン系樹脂発泡成形体が作製される。使用される金型の形状により、複雑な形の型物成形体やブロック状の成形体を得ることができる。
(予備発泡工程)
予備発泡工程は、予備発泡機を用い、従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡と同様にして実施できる。
予備発泡機としては公知のものを使用でき、例えば、撹拌装置を備え、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が収容される缶と、該缶の下方に設置され、水蒸気を該缶に供給する蒸気チャンバーと、予備発泡粒子排出口とを備えた予備発泡機が用いられる。蒸気チャンバーには、ボイラーから水蒸気が供給される。水蒸気と圧縮空気とを混合して蒸気チャンバーに供給することもできる。本明細書において、水蒸気温度は蒸気チャンバーに導入される水蒸気の温度である。また、水蒸気投入時間(秒)は、缶内に入れた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に水蒸気の供給を開始してから、その発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が予備発泡粒子となり、それを予備発泡機の缶外に取り出すまでの間に水蒸気を投入していた時間である。予備発泡機の缶内に水蒸気を複数回に分けて投入する場合は、その投入されている時間の合計を水蒸気投入時間とする。
缶内圧力(ゲージ圧)は、例えば、排気弁の開度を調整することにより制御できる。本明細書において、缶内圧力は、水蒸気投入中の缶の内部圧力であり、水蒸気投入中に内部圧力に変動がある場合は、所定時間(例えば1秒)毎に内部圧力を測定し、得られた測定値の算術平均値として求められる。加圧発泡法では水蒸気投入を間欠的に実施する場合がある。蒸気チャンバーから缶内への水蒸気供給は停止していても缶内での水蒸気雰囲気は継続していることから、この場合は缶内圧力が大気圧を超える状態で保持されている時間は水蒸気投入時間に含める。
予備発泡工程において、水蒸気投入時間は、特に限定されないが、50秒〜500秒が好ましく、80秒〜300秒がより好ましく、100秒〜200秒がさらに好ましい。水蒸気投入時間が上述の範囲内であることによって、発泡倍率及び独立気泡率が高く、発泡剤の揮発も少ないため、予備発泡粒子中に発泡剤が残存し、内圧を保持しやすくなるためだと推測される。このような効果が得られる理由は現状では十分明らかではないが、グラファイトを高含有するにもかかわらず、グラファイトがセル膜に穴を開けることが抑制されるためであると推測される。なお、予備発泡工程で水蒸気投入時間を選択することは、通常に行なわれることであるが、グラファイトを高含有する系において、水蒸気投入時間がどのような影響を及ぼすかは現状では明らかではない。
水蒸気投入時の缶内圧力(ケージ圧)は特に限定されないが、好ましくは0.001〜0.15MPa、より好ましくは0.01〜0.10MPa、さらに好ましくは0.03〜0.08MPaである。缶内圧力が0.01MPa以上であると、高発泡倍率を得る場合に、予備発泡における水蒸気投入時間を500秒以下にすることができる。缶内圧力が0.15MPa以下であると、水蒸気の圧力を高くすることが必要なくなり、ブロッキング現象の発生数が低下し、予備発泡収率が高くなる。
水蒸気温度は水蒸気と空気を混合することにより、調整することができる。水蒸気と空気を混合することにより、所定の発泡倍率に達するまでの水蒸気投入時間の制御が容易になったり、予備発泡粒子の独立気泡率を高めたりすることができる。
缶内に導入される水蒸気の温度は特に限定されないが、好ましくは95℃を超え、130℃以下、より好ましくは100〜125℃、さらに好ましくは105〜120℃である。水蒸気温度が95℃を超えると、高発泡倍率を得る場合に、予備発泡における水蒸気投入時間を500秒以下にすることができる。水蒸気温度が130℃以下であると、ブロッキング現象の発生数が低下し、予備発泡収率を上げることができる。
また、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡は、一段階で行なうことが望ましい。一段階での予備発泡を行なうことにより、単に断熱性及び軽量性に優れるだけでなく、表面美麗性や、内部における発泡粒子同士の融着性が一層向上したポリスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができる。予備発泡を二段階で行なう場合には、容易に高発泡倍率とすることができるが、表面美麗性や、内部における発泡粒子同士の融着性が低下する傾向がある。
また、予備発泡工程は、連続法及びバッチ法のいずれでも行なうことができる。
連続法は、缶内への発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の供給、及び缶上部に設けられた排出口からの予備発泡粒子の排出を連続的に行なう方法である。予備発泡粒子の発泡倍率は、例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の缶内への時間当たりの投入量(重量)を適宜選択することにより調整できる。連続法の場合は缶内へ発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が供給されてから予備発泡粒子が排出されるまでの予備発泡機缶内での滞留時間を水蒸気投入時間とする。
また、バッチ法は、缶内に所定量の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を入れ、これを所定の発泡倍率に予備発泡させた後に水蒸気の供給を停止し、次いで必要に応じて空気を缶内に吹き込んで予備発泡粒子を冷却及び乾燥し、缶内から取り出す方法である。予備発泡粒子の発泡倍率は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のバッチあたりの缶内への投入量(重量)を適宜選択することにより調整できる。バッチ法は、投入された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を所定容積まで予備発泡させる方法であることから、バッチ当りの投入量を減らすほど、得られる予備発泡粒子の発泡倍率は高くなる。
また、予備発泡直後の予備発泡粒子は養生を行う方が良い。予備発泡時は発泡粒子内に水蒸気が存在するが、発泡後の冷却工程において水蒸気が水に凝縮するため予備発泡直後の予備発泡粒子内部は減圧状態となる。減圧状態では予備発泡粒子の強度が低く、収縮が容易に生じる場合があるため、予備発泡粒子内部を空気と置換し、大気圧に戻す養生工程が有効となる。
養生時の温度は特に限定されないが、好ましくは20〜80℃、より好ましくは、25〜70℃、さらに好ましくは30〜60℃である。養生温度が20℃以上であると、減圧状態であった予備発泡粒子内部に空気が導入され易くなり、発泡粒子内部が大気圧に戻り易くなる。養生温度が80℃以下であると、予備発泡粒子に存在する発泡剤が逸散し難くなり、発泡力が低下せず、成形体の表面美麗性が低下しない。
(成形工程)
成形工程では、上述の予備発泡工程で得られた予備発泡粒子を用いる以外は、従来の発泡成形法と同様にして、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができる。
予備発泡粒子を成形機に取り付けた型内成形用金型内に充填して、水蒸気を導入して型内発泡させた後、金型に水を噴霧して冷却させることにより、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得られる。
[ポリスチレン系樹脂発泡成形体の用途]
本発明のポリスチレン系樹脂発泡成形体は、例えば、建築用断熱材、農水産箱、浴室用断熱材及び貯湯タンク断熱材のような各種用途に使用できる。
(建築用断熱材)
住宅等の断熱材は10年以上使用されるため、長期間経過後の断熱性維持が重要な課題となっている。本発明で得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体は従来のポリスチレン系樹脂発泡成形体と比較して高倍率であり、かつ長期間経過後の熱伝導率を低くすることができるため、使用する樹脂量を削減でき、軽量化ができるため床、壁、屋根等に用いられる建築用断熱材として好適に使用することができる。
(農水産箱)
本発明で得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体は従来のポリスチレン系樹脂発泡成形体と比較して高倍率であり、かつ長期間経過後の熱伝導率を低くすることができるため、使用する樹脂量を削減でき、軽量化ができるため魚等の水産物を輸送する箱や野菜等の農産物を輸送する箱に好適に使用することができる。高い断熱性を持つ農水産箱であれば鮮魚を輸送する時の氷量を低減でき、夏場においても野菜等の鮮度を良好に保つことができる。
(浴室用断熱材)
近年、風呂の湯温低下を防ぐために浴室の壁、天井、床さらに浴槽に断熱材が使用されることがある。本発明で得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体は従来のポリスチレン系樹脂発泡成形体と比較して高倍率であり、かつ長期間経過後の熱伝導率を低くすることができるため、使用する樹脂量を削減でき、軽量化ができるため浴室用断熱材に好適に使用できる。
(貯湯タンク断熱材)
エコキュート(商標名)等の貯湯タンクには湯温低下を防ぐために断熱材が使用されている。本発明で得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体は従来のポリスチレン系樹脂発泡成形体と比較して高倍率であり、かつ長期間経過後の熱伝導率を低くすることができるため、使用する樹脂量を削減でき、軽量化ができるため貯湯タンク用断熱材に好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例における測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡数測定方法)
(1)観察条件
装置:キーエンス社製 DIGITAL MICROSCOPE VHX−5000 D−500
観察倍率:500倍
(2)測定条件
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面で割断した断面をキーエンス社製の走査型電子顕微鏡を用いて、観察倍率500倍で写真を撮影する。その断面の中心点から半径300μmの範囲内において、200μm×200μm四方の範囲を重ならないように5箇所選定し、気泡数をカウントする。その5箇所の平均値から単位平方ミリメートル当たりの気泡数を算出する。この際、気泡としてカウントするのは、球状や楕円状を有しており、かつ直径が10μm以上のものとする。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の真密度測定方法)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を測定試料としてW(kg)採取し、この測定試料をエタノールが入ったメスシリンダー内に自然落下させ、その質量(kg)と体積(m)を測定し、以下の式に基づき、真密度を測定した。
真密度(kg/m)=測定試料の重量(W)/測定試料の体積(V)
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のかさ密度測定方法)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を測定試料としてW(kg)採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後にメスシリンダーをたたき試料の見掛け体積V(m)を一定とし、その質量(kg)と体積(m)を測定し、以下の式に基づき、かさ密度を測定した。
かさ密度(kg/m)=測定試料の重量(W)/測定試料の体積(V)。
(予備発泡粒子のかさ倍率測定方法)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子および予備発泡粒子を各々測定試料としてW(g)採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後にメスシリンダーをたたき試料の見掛け体積V(cm)を一定とし、その質量(g)と体積(cm)を測定し、以下の式に基づき、かさ倍率を測定した。
かさ倍率(cm/g)=測定試料の体積(V)/測定試料の重量(W)
予備発泡粒子において、予備発泡機から予備発泡粒子が排出された後5〜10分以内に測定したかさ倍率を予備発泡後に収縮が生じた予備発泡粒子のかさ倍率と定義する。
予備発泡粒子において、収縮後に30℃で24時間養生した後に測定したかさ倍率を養生後倍率と定義する。
(予備発泡粒子およびポリスチレン系樹脂発泡成形体の平均セル径測定方法)
(1)観察条件
装置:キーエンス社製 DIGITAL MICROSCOPE VHX−900
観察倍率:100倍
(2)測定条件
予備発泡粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面でカミソリを用いて切断し、その断面をキーエンス社製 DIGITAL MICROSCOPEを用いて、観察倍率100倍で写真を撮影する。その断面の中心点から半径1000μmの範囲内において1500μm×1500μm四方の範囲内に存在するセル数をカウントする。そのセル数を用い、以下の式に基づき、平均セル径を算出した。
平均セル径(μm)=2×[1500μm×1500μm/(セル数×円周率)]0.5
ポリスチレン系樹脂発泡成形体をカミソリで切削し、予備発泡粒子と同様の装置、観察倍率および平均セル径計算式を用いて平均セル径を算出した。
(ポリスチレン系樹脂発泡成形体の熱伝導率の測定方法)
一般的に熱伝導率の測定平均温度が大きい方が熱伝導率の値は大きくなることが知られており、断熱性を比較するためには測定平均温度を定める必要がある。本明細書では発泡プラスチック保温材の規格であるJIS A9511:2006Rで定められた23℃を基準に採用している。
熱伝導率は、ポリスチレン系樹脂発泡成形体から熱伝導率測定サンプルを切り出し、サンプルを60℃温度下で48時間静置し、さらに、23℃の温度下にて24時間静置した後に測定した。
より詳しくは、ポリスチレン系樹脂発泡成形体から、長さ300mm×幅300mm×25mmのサンプルを切り出した。サンプルを60℃温度下にて48時間静置し、さらに、23℃温度下にて24時間静置した後、熱伝導率測定装置(英弘精機(株)製、HC−074)を用いて、JIS A1412−2:1999に準拠して熱流計法にて平均温度23℃、温度差20℃で熱伝導率を測定した。
(発泡倍率の測定及び発泡性能、成形性能の評価)
ポリスチレン系樹脂発泡成形体から、長さ300mm×幅300mm×厚さ25mmのサンプルを切り出した。サンプルの重量(g)を測定すると共に、ノギスを用いて、縦寸法、横寸法、厚さ寸法を測定した。測定された各寸法からサンプルの体積(cm)を計算し、下記計算式に従って発泡倍率を算出した。
発泡倍率(cm/g)=サンプル体積(cm)/サンプル重量(g)
なお、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の発泡倍率「倍」は慣習的に「cm/g」でも表されている。
以下に、実施例及び比較例で用いた原材料を示す。
(スチレン系樹脂)
(A)スチレンホモポリマー[PSジャパン(株)製、680]
(グラファイト)
(B)グラファイト[(株)丸豊鋳材製作所製、鱗片状黒鉛SGP−40B]
(臭素系難燃剤)
(C)2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン[第一工業製薬(株)製、SR−130、臭素含有量=66重量%]
(熱安定剤)
(D1)テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジルオキシカルボニル)ブタン[(株)ADEKA製 LA−57]
(D2)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[(株)ADEKA製 PEP−36]
(発泡剤)
(E1)ノルマルペンタン[和光純薬工業(株)製、試薬品]
(E2)イソペンタン[和光純薬工業(株)製、試薬品]
(その他添加剤)
(F)エチレンビスステアリン酸アミド[日油(株)製、アルフローH−50S]
(グラファイトマスターバッチ)
(G)バンバリーミキサーに、スチレンホモポリマー(A)49重量%、グラファイト(B)50重量%、エチレンビスステアリン酸アミド(F)1重量%の全重量(A+B+F)が100重量%となる様に原料投入して、5kgf/cmの荷重をかけた状態で加温冷却を行わずに20分間溶融混練した。この際、樹脂温度を測定したところ180℃であった。ルーダーに供給して先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して吐出250kg/hrで押出されたストランド状の樹脂を30℃の水槽で冷却固化させた後、切断してマスターバッチを得た。マスターバッチ中のグラファイト含有量は50重量%であった。
(臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ)
(H)二軸押出機に、スチレンホモポリマー(A)を供給して溶融混練した後、押出機途中より臭素系難燃剤(C)、安定剤(D1)及び(D2)の混合物を供給して、さらに溶融混練した。ただし、各材料の重量比率は、(A):(C):(D1):(D2)=70:28.5:0.6:0.9、(A)+(C)+(D1)+(D2)=100重量%とした。押出機先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して、吐出300kg/hrで押出されたストランド状の樹脂を20℃の水槽で冷却固化させた後、切断して臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチを得た。このとき押出機の設定温度は170℃で実施した。
(実施例1)
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の作製]
ポリスチレン系樹脂(A)、臭素系難燃剤と熱安定剤の混合物のマスターバッチ(H)、及びバンバリーミキサーを用いて上述のごとく作製したグラファイトマスターバッチ(G)を、それぞれブレンダーに投入して、10分間ブレンドし、樹脂混合物を得た。各材料の重量比は、(A):(H):(G)=83.65:8.35:8.00、(A)+(H)+(G)=100重量%であった。
得られた樹脂混合物を口径40mmの同方向2軸押出機(第1押出機)と口径90mmの単軸押出機(第2押出機)を直列に連結したタンデム型二段押出機へ供給し、口径40mm押出機の設定温度190℃、回転数150rpmにて溶融混練した。口径40mm押出機(第1押出機)の途中から、上記樹脂組成物100重量部に対して、混合ペンタン[ノルマルペンタン(E1)80重量%とイソペンタン(E2)20重量%の混合物]を6.5重量部の割合で圧入した。その後、200℃に設定された継続管を通じて、口径90mm押出機(第2押出機)に供給した。
口径90mm押出機(第2押出機)にて樹脂温度を160℃まで溶融樹脂を冷却した後、250℃に設定した第2押出機の先端に取り付けられた直径0.65mm、ランド長3.0mmの小孔を36個有するダイスから、吐出量50kg/時間で、温度40℃及び1.0MPaの加圧循環水中に押出した。押出された溶融樹脂は、ダイスに接触する6枚の刃を有する回転カッターを用いて、2950rpmの条件にて切断・小粒化され、遠心脱水機に移送されて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。このとき、第1押出機内滞留時間2分、第2押出機の滞留時間は5分であった。
[予備発泡粒子の作製]
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、15℃で2週間以上保管した後に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子にステアリン酸亜鉛を0.04部ドライブレンドした。前記添加剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子880gを予備発泡機[大開工業株式会社製、BHP−300]に投入し、缶内圧力設定を0.05kg/cm〜0.15kg/cmとし、0.10MPaの水蒸気を予備発泡機に導入して発泡させ、予備発泡粒子を得た。
[ポリスチレン系樹脂発泡成形体の作製]
得られた予備発泡粒子を30℃で24時間養生させた後に、発泡スチロール用成形機[ダイセン工業(株)製、KR−57]に取り付けた型内成形用金型(長さ400mm×幅400mm×厚み50mm)内に充填して、0.06MPaの水蒸気を導入して型内発泡させた後、金型に水を噴霧して冷却した。ポリスチレン系樹脂発泡成形体が金型を押す圧力が0.01MPa(ゲージ圧力)なるまでポリスチレン系樹脂発泡成形体を金型内に保持した後に、ポリスチレン系樹脂発泡成形体取り出して、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、および、ポリスチレン系樹脂発泡成形体について、各種特性を上述の測定方法および評価方法により測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(実施例2)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水中の水温度を65℃、水圧を0.8MPa、カッター回転速度を2900rpmに変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、および、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(実施例3)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水中の水温度を65℃に変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、および、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(実施例4)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水中の水温度を75℃、水圧を0.8MPa、カッター回転速度を3000rpmに変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子およびポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(実施例5)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水中の水温度を75℃、カッター回転速度を3000rpmに変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子およびポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(比較例1)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水の、水圧を0.8MPa、カッター回転速度を3000rpmに変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子およびポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(比較例2)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水中の水温度を50℃、水圧を0.6MPaに変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子およびポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(比較例3)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水中の水温度を65℃、水圧を0.6MPaに変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子およびポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
(比較例4)
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、加圧循環水中の水温度を75℃、水圧を0.6MPa、カッター回転速度を3000rpmに変更した以外は実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。
作製された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子およびポリスチレン系樹脂発泡成形体の各種特性を実施例1と同様にして測定および評価した。測定結果及び評価結果を表1に示す。
Figure 0006837820
表1から実施例1〜5は気泡数が550以下であり、比較例1〜4と比べて小さい。気泡数を550以下の範囲で制御することによって、予備発泡粒子のセル径が150μm〜350μmの範囲で変化し、それに伴い熱伝導率と予備発泡直後の収縮率が変化する。気泡数を前記範囲に制御することで、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をかさ倍率80倍に予備発泡後、収縮が生じた予備発泡粒子を30℃で24時間養生した場合に、収縮が生じた予備発泡粒子のかさ倍率が45倍以上であり、かつ、養生後のかさ倍率が65倍以上となる。また、表1の結果から明らかなとおり、0.032W/m・K以下の優れた断熱性能を有する。
図2に示されるとおり、実施例1〜5における水温度および水圧は、本発明の製法における式(1)、(2)の条件を満たし、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡数が制御されているのに対し、比較例1〜4における水温度および水圧は当該式(1)、(2)の条件が満たさず、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡数が多くなってしまっており、本発明の製法によれば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡数を制御することができることがわかる。
図3に示されるとおり、実施例1〜5における水温度、水圧および樹脂溶融物温度は、本発明の製法における式(3)〜(5)の条件を満たし、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡数が制御されているのに対し、比較例1〜4における水温度および水圧は当該式(3)〜(5)の条件が満たさず、得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡数が多くなってしまっており、本発明の製法によれば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡数を制御することができることがわかる。
実施例1〜5は比較例1〜4に比較して、成形体倍率が高くなる傾向であるため、軽量性やコスト面を考慮し、壁や屋根などの断熱材として使用するためには実施例1〜5で作製したポリスチレン系樹脂発泡成形体の方が有意である。
また、実施例1〜5は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の真密度が1000kg/m〜1060kg/mであり、比較例1〜4と比べて、真密度は高い。密度が低ければ、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保管スペースがより必要となり、輸送効率も低下する。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。

Claims (9)

  1. グラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
    前記グラファイトの含有量が前記ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において2〜10重量%であり、
    前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面の中心点から半径300μmの範囲内に存在する気泡数が単位平方ミリメートル当たりで550以下であり、
    前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の真密度が1000〜1060kg/m である、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. グラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
    前記グラファイトの含有量が前記ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において2〜10重量%であり、
    前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面の中心点から半径300μmの範囲内に存在する気泡数が単位平方ミリメートル当たりで550以下であり、
    前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のかさ密度が620〜720kg/m である、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のかさ密度が620〜720kg/mである、請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  4. 前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有される発泡剤が、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルブタンおよびイソブタンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  5. 前記ポリスチレン系樹脂組成物が、難燃剤を前記ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において0.5〜6重量%含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  6. グラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなるポリスチレン系樹脂溶融物を複数の小孔を有するダイスから加圧冷却水中に押出し、ダイスに接する回転カッターで切断して粒子化する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    前記加圧冷却水が、温度(A)30〜80℃、水圧(B)0.5〜1.4MPaであり、かつ、前記温度(A)および水圧(B)が(式1)と(式2)を満たす、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
    (式1)気泡数≦0.2653×(A×B)−47.229×(A×B)+2200
    (式2)気泡数≦700
  7. グラファイトを含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなるポリスチレン系樹脂溶融物を複数の小孔を有するダイスから加圧冷却水中に押出し、ダイスに接する回転カッターで切断して粒子化する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    前記加圧冷却水が温度(A)30〜80℃、水圧(B)0.5〜1.4MPaであり、前記樹脂溶融物温度(C)140℃〜210℃であり、かつ、前記温度(A)、水圧(B)および樹脂溶融物温度(C)が(式3)、(式4)、(式5)とを満たす、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
    (式3)気泡数≦10−5×(A×B×C)−0.2952(A×B×C)+2250
    (式4)気泡数≦700
    (式5)2000≦A×B×C≦14500
  8. 前記グラファイトの含有量が前記ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において2〜10重量%であり、
    前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の長軸直径に対する垂直二等分面の中心点から半径300μmの範囲内に存在する気泡数が単位平方ミリメートル当たりで550以下である、請求項またはに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  9. 前記発泡剤が、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルブタンおよびイソブタンからなる群から選択される少なくも1種である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
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