JP7194535B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7194535B2 JP7194535B2 JP2018162244A JP2018162244A JP7194535B2 JP 7194535 B2 JP7194535 B2 JP 7194535B2 JP 2018162244 A JP2018162244 A JP 2018162244A JP 2018162244 A JP2018162244 A JP 2018162244A JP 7194535 B2 JP7194535 B2 JP 7194535B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polystyrene resin
- expandable polystyrene
- resin particles
- weight
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、炭素系輻射伝熱抑制剤を含む発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ポリスチレン系樹脂粒子中に炭素系輻射伝熱抑制剤および発泡剤を含有させたものである。
アスペクト比 =(短径)/(長径)
第一の溶融混練法の特徴から、アスペクト比は0.95以下である。一方、真球度0.970以上を満たすために、アスペクト比は0.75以上であることが好ましい。
真球度 = 4×π×(面積)/(周囲長)2
収縮抑制の観点から、真球度は0.970以上であることが好ましく、更に0.980以上であることがより好ましい。真球度が0.980以上であると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造から時間が経過して揮発分が低下した状態でも高倍率まで回復することができる。尚、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のアスペクト比及び真球度の詳細な測定方法については後述する。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体(ポリスチレンホモポリマー)のみならず、本発明の効果を損なわない範囲で、スチレンと共重合可能な他の単量体又はその誘導体とスチレンとの共重合体であっても良い。これらは一種のみであってもよいし、2種以上を組みあせて使用してもよい。ただし、後述する臭素化ポリスチレン・ブタジエン共重合体は除く。
本発明においては、炭素系輻射伝熱抑制剤を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させることにより、高い断熱性を有するポリスチレン系樹脂発泡成形体が得られる。ここで、炭素系輻射伝熱抑制剤とは、近赤外又は赤外領域(例えば、800~3000nm程度の波長域)の光を反射、散乱又は吸収する特性を有する炭素材料をいう。
本発明で用いられる発泡剤は、特に限定されないが、発泡性と製品ライフのバランスが良く、実際に使用する際に高倍率化しやすい観点から、炭素数3~6の炭化水素が望ましく、更に望ましくは炭素数4~5の炭化水素である。発泡剤の炭素数が3以上であると揮発性が低くなり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子にした場合に発泡剤が逸散しにくくなるため、実際に使用する際に発泡工程で発泡剤が十分に残り、十分な発泡力を得ることが可能となり、高倍率化が容易となるため好ましい。また、炭素数が6以下であると、発泡剤の沸点が高すぎないため、予備発泡時の加熱で十分な発泡力を得やすく、高発泡化が易しい傾向となる。炭素数3~6の炭化水素としては、例えばプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、又はシクロヘキサン等の炭化水素が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明で用いることができる難燃剤としては、特に限定されず、従来からポリスチレン系樹脂発泡成形体に用いられる公知の難燃剤をいずれも使用できるが、その中でも、難燃性付与効果が高い臭素系難燃剤が好ましい。本発明で用いることができる臭素系難燃剤としては、例えば、2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル))、2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル))等の臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、臭素化ランダムスチレン・ブタジエン共重合体、臭素化スチレン・ブタジエングラフト共重合体等の臭素化ブタジエン・ビニル芳香族炭化水素共重合体(例えば、特表2009-516019号公報に開示されている)、テトラブロモシクロオクタン等が挙げられる。これら臭素系難燃剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子においては、さらに、熱安定剤を併用することによって、製造工程における難燃剤の分解による難燃性の悪化及び発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の劣化を抑制することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、上述の添加剤のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、ラジカル発生剤、加工助剤、耐光性安定剤、造核剤、発泡助剤、帯電防止剤、顔料等の着色剤よりなる群から選ばれる1種以上のその他添加剤を含有していてもよい。ラジカル発生剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン、又はポリ-1,4-イソプロピルベンゼン等が挙げられる。加工助剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン等が挙げられる。耐光性安定剤としては、前述したヒンダードアミン類、リン系安定剤、エポキシ化合物の他、フェノール系抗酸化剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類等が挙げられる。造核剤としては、シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、タルク等の無機化合物、メタクリル酸メチル系共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂等の高分子化合物、ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワックス、メチレンビスステアリルアマイド、エチレンビスステアリルアマイド、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド等の脂肪酸ビスアマイド等が挙げられる。発泡助剤としては、大気圧下での沸点が200℃以下である溶剤を望ましく使用でき、例えば、スチレン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル等が挙げられる。なお、帯電防止剤及び着色剤としては、各種樹脂組成物に用いられるものを特に限定なく使用できる。これらの他の添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、公知の溶融混練法で得られることができ、具体的には、ポリスチレン系樹脂、炭素系輻射伝熱抑制剤および発泡剤を押出機で溶融混練し(溶融混練工程)、溶融混練物を押出機先端に取り付けられた小孔を有するダイスを通じて加圧循環水で満たされたチャンバー内に押出し(押出工程)、押出直後の溶融混練物を回転カッターにより切断すると共に、加圧循環水により冷却固化する(冷却工程)ことにより製造することができる(以下、「本発明の製法」と称することがある。)
本発明の製法においては、ポリスチレン系樹脂と各種成分との分散性の観点から、予め、二軸の攪拌機を備えた(例えばバンバリーミキサー等)混練装置を用いてポリスチレン系樹脂と各種成分とを荷重をかけて混練して混練物を作製し、得られた混練物とポリスチレン系樹脂とを押出機に投入して溶融混練した後、粒子状に切断することが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、特に限定されないが、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を所定の発泡倍率に発泡させて予備発泡粒子とし、この予備発泡粒子を用いて成形を行なう予備発泡法により、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を製造することができる。
予備発泡工程は、予備発泡機を用い、従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡と同様にして実施できる。
・ 測定装置;
Retsch Technology製 CAMSIZER P4
(2)設定条件;
フィーダーとファネルパラメーターを次の条件に設定した。
・前方へ高速で動かすときのコントロールレベル:55
・前方へ高速で動かすときの最大時間[秒]:60
・測定開始時のレベル:50
・最大コントロールレベル:75
・目標カバーエリア[%]:0.5
・フィーダの幅[mm]:60
・ガイダンスシートを使用
また以下の条件のとき、測定データとして採用した。
・ベーシックカメラのカバーエリア[%] < 3
・ズームカメラのカバーエリア[%] < 5
但し、撮影した投影図から次の条件を満たす粒子については、測定データから除外した。
・Convexity ≧ 0.99
粒子同士が重なって投影図測定箇所に落下した場合、各粒子の形状を正確に評価できないため、フィーダー及びファネルパラメータを上記条件に設定した。また、多量の粒子が同時に落下してしまうと、同様に各粒子形状の正確な評価ができない可能性がある。このことから、設定したカバーエリア以上の粒子が落ちたときは、その投影図・データを除外した。
更に、埃などの微小異物を影響を除外するため、Convexity(表面凹凸度)が0.99以上のデータは除外して解析を実施した。
約50gの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の投影図を上記のように設定したCAMSIZER P4によって撮影し、得られた各発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の投影図の周囲長、面積、長径、短径を測定した。得られた各発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の投影図の周囲長及び面積から以下の式に基づき、真球度の平均値を算出した。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100粒の重量を測定し、以下の式に基づき、粒重量を算出した。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を測定試料としてW(kg)採取し、この測定試料をエタノールが入ったメスシリンダー内に自然落下させ、その質量(kg)と体積(m3)を測定し、以下の式に基づき、真密度を測定した。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の揮発分は製造後7日後、及び製造後15日後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を対象として測定した。
ここで、W1を加熱前の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の質量(g)とし、W2を加熱後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の質量(g)とする。
以下に示す予備発泡粒子は製造後7日後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子と製造後15日後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子を対象として測定した。
予備発泡粒子を各々測定試料としてW(g)採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後にメスシリンダーをたたき試料の見掛け体積V(cm3)を一定とし、その質量(g)と体積(cm3)を測定し、以下の式に基づき、かさ倍率を測定した。
更に、発泡直後のかさ倍率の測定後、10℃で24時間養生した後の予備発泡粒子のかさ倍率を養生後のかさ倍率と定義する。
なお、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子のかさ倍率「倍」は慣習的に「cm3/g」でも表されている。
上記の10℃で24時間養生した後の予備発泡粒子を対象として測定を行った。10℃で24時間養生した後の予備発泡粒子を測定試料としてW(g)採取し、この測定試料をアルミ容器に投入し、150℃の恒温槽で30分加熱し、加熱前後の質量変化から揮発分を算出した。
揮発分(%)={(W3―W4)/W3}×100
ここで、W3を加熱前の予備発泡粒子の質量(g)とし、W4を加熱後の予備発泡粒子の質量(g)とする。
以下の測定では、製造後7日後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子を発泡成形した成形体と、製造後15日後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子を発泡成形した成形体とを対象とした。
成型金型から取り出したポリスチレン系樹脂発泡成形体を30℃で24時間乾燥させた後、発泡成形体の重量(g)を測定すると共に、ノギスを用いて、縦寸法、横寸法、厚さ寸法を測定した。測定された各寸法からポリスチレン系樹脂発泡成形体の体積(cm3)を計算し、下記計算式に従って発泡倍率を算出した。
なお、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の発泡倍率「倍」は慣習的に「cm3/g」でも表されている。
一般的に熱伝導率の測定平均温度が大きい方が熱伝導率の値は大きくなることが知られており、断熱性を比較するためには測定平均温度を定める必要がある。本明細書では発泡プラスチック保温材の規格であるJIS A9511:2006Rで定められた23℃を基準に採用している。
(1)観察条件
装置:キーエンス社製 DIGITAL MICROSCOPE VHX-900
(2)測定条件
ポリスチレン系樹脂発泡成形体をカミソリで切削し、その断面をキーエンス社製 DIGITAL MICROSCOPEを用いて、観察倍率100倍で写真を撮影した。その断面の1000μm×1000μm四方の範囲内に存在するセル数をカウントした。そのセル数を用い、以下の式に基づき、平均セル径を算出した。
平均セル径(μm)=2×{1000μm×1000μm/(セル数×円周率)}0.5
以下に、実施例及び比較例で用いた原材料を示す。
(A)スチレンホモポリマー[PSジャパン(株)製、680]
(グラファイト)
(B)グラファイト[(株)丸豊鋳材製作所製、鱗片状黒鉛SGP-40B]
(臭素系難燃剤)
(C)2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン[第一工業製薬(株)製、SR-130、臭素含有量=66重量%]
(D1)テトラキス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジルオキシカルボニル)ブタン[(株)ADEKA製 LA-57]
(D2)ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[(株)ADEKA製 PEP-36]
(E1)ノルマルペンタン[和光純薬工業(株)製、試薬品]
(E2)イソペンタン[和光純薬工業(株)製、試薬品]
(E3)イソブタン[三井化学(株)製]
(F)エチレンビスステアリン酸アミド[日油(株)製、アルフローH-50S]
バンバリーミキサーに、ポリスチレン系樹脂(A)49重量部、グラファイト(B)50重量部、エチレンビスステアリン酸アミド(F)1重量部を投入して、5kgf/cm2の荷重をかけた状態で加温冷却を行わずに20分間溶融混練した。この際、樹脂温度を測定したところ180℃であった。ルーダーに供給して先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して吐出250kg/hrで押出されたストランド状の樹脂を30℃の水槽で冷却固化させた後、切断してマスターバッチ(G)を得た。マスターバッチ(G)中のグラファイト含有量は50重量%であった。
二軸押出機に、ポリスチレン系樹脂(A)を供給して溶融混練した後、押出機途中より臭素系難燃剤(C)、安定剤(D1)及び(D2)の混合物を供給して、さらに溶融混練した。ただし、各材料の重量比率は、(A):(C):(D1):(D2)=70:28.5:0.6:0.9、(A)+(C)+(D1)+(D2)=100重量%とした。押出機先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して、吐出300kg/hrで押出されたストランド状の溶融物を20℃の水槽で冷却固化させた後、切断して臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(H)を得た。このとき押出機の設定温度は170℃で実施した。
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]
ポリスチレン系樹脂(A)、マスターバッチ(H)、及び、グラファイトマスターバッチ(G)を、それぞれブレンダーに投入して、10分間ブレンドし、樹脂混合物を得た。各材料の重量比は、(A):(H):(G)=83.65:8.35:8.00、(A)+(H)+(G)=100重量%であった。得られた樹脂混合物を口径40mmの同方向2軸押出機に供給し、設定温度190℃、スクリュ回転数230rpmで溶融混練し、押出機先端に取り付けられた直径1.4mmの小穴が30穴設けられたダイスを通じて、吐出量70kg/時間で押出されたストランド状の樹脂を20℃の水槽で冷却固化させた後、ストランドカッターで切断し、スチレン系樹脂粒子を得た。この時の押出機先端での樹脂温度は220℃であった。
次いで,容積が6Lの撹拌装置付きオートクレーブに,得られたスチレン系樹脂粒子100重量部に対して脱イオン水200重量部、リン酸三カルシウム1重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03重量部、塩化ナトリウム1重量部を投入し圧力容器を密閉した。その後1時間で105℃まで加温し、発泡剤として混合ペンタン(ノルマルペンタン80%とイソペンタン20%の混合物)7重量部及びイソブタン1.5重量部を30分間かけて圧力容器内に添加した後、115℃まで10分かけて昇温し、そのまま4時間保持した。保持後室温まで冷却し、オートクレーブから発泡剤の含浸された樹脂粒子を取り出し、塩酸での酸洗、水洗し、遠心分離機で脱水後、気流乾燥機で樹脂粒子表面に付着している水分を乾燥させた。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の粒重量は1.5mg/粒、アスペクト比は0.985、真球度は0.988であった。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、ステアリン酸亜鉛0.08重量部をドライブレンドした後、10℃で保管した。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、10℃で保管してから15日後に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子250gを大開工業(株)製バッチ式予備発泡機に投入し、0.1MPaの水蒸気を予備発泡機に導入して発泡させた。予備発泡直後のかさ倍率は80cm3/gであった。その後、10℃で24時間養生した後の予備発泡粒子のかさ倍率は81cm3/gであった。
養生後の予備発泡粒子を、発泡スチロール用成形機[ダイセン工業(株)製、KR-57]に取り付けた型内成形用金型(長さ400mm×幅400mm×厚み50mm)内に充填して、0.06MPaの水蒸気を導入して型内発泡させた後、金型に水を噴霧して冷却した。ポリスチレン系樹脂発泡成形体が金型を押す圧力が0.01MPa(ゲージ圧力)なるまでポリスチレン系樹脂発泡成形体を金型内に保持した後に、ポリスチレン系樹脂発泡成形体取り出し、30℃にて24時間乾燥させ、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率は81cm3/gであった。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の作製]
ポリスチレン系樹脂(A)、マスターバッチ(H)、及び、グラファイトマスターバッチ(G)を、それぞれブレンダーに投入して、10分間ブレンドし、樹脂混合物を得た。各材料の重量比は、(A):(H):(G)=83.65:8.35:8.00((A)+(H)+(G)=100重量%)であった。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、30℃で保管してから7日後に参考例1と同様に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子250gを大開工業(株)製バッチ式予備発泡機に投入し、0.1MPaの水蒸気を予備発泡機に導入して発泡させた。予備発泡直後のかさ倍率は77cm3/gであった。その後、10℃で24時間養生した後の予備発泡粒子のかさ倍率は83cm3/gであった。
参考例1と同様の処理を行い、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。参考例1と同様に評価し、その測定結果及び評価結果を表1に示す。
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、口径90mm押出機(第2押出機)にて168℃まで溶融樹脂の温度を冷却した以外は、実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。実施例1と同様に評価し、その測定結果及び評価結果を表1に示す。
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、口径90mm押出機(第2押出機)にて177℃まで溶融樹脂の温度を冷却した以外は、実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。実施例1と同様に評価し、その測定結果及び評価結果を表1に示す。
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、口径90mm押出機(第2押出機)にて182℃まで溶融樹脂の温度を冷却した以外は、実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。実施例1と同様に評価し、その測定結果及び評価結果を表1に示す。
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、口径90mm押出機(第2押出機)にて186℃まで溶融樹脂の温度を冷却した以外は、実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。実施例1と同様に評価し、その測定結果及び評価結果を表1に示す。
[ポリスチレン系樹脂粒子の作製]において、口径90mm押出機(第2押出機)にて190℃まで溶融樹脂の温度を冷却した以外は、実施例1と同様の処理によりポリスチレン系樹脂発泡成形体を作製した。実施例1と同様に評価し、その測定結果及び評価結果を表1に示す。
また、実施例1~5で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、参考例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のアスペクト比よりも小さいものの、予備発泡粒子の収縮は抑えられ、同等の発泡性を有することが明らかである。つまり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のアスペクト比が0.95以下であっても、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の真球度を本発明の要件を満たすように制御することによって、高い発泡倍率と、低い熱伝導率、即ち、高い断熱性能とを両立するポリスチレン系樹脂発泡成形体を与えうるポリスチレン発泡性スチレン系樹脂粒子が提供できることが判る。
Claims (13)
- 炭素系輻射伝熱抑制剤を含むポリスチレン系樹脂組成物および発泡剤からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のアスペクト比が0.95以下であり、且つ真球度が0.970以上であり、
前記アスペクト比および真球度は、以下のとおり算出されるものである、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子:
50gの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の投影図を撮影し、得られた各発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の投影図の周囲長、面積、長径、短径を測定する。得られた各発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の投影図の周囲長及び面積から以下の式に基づき、真球度の平均値を算出する。
得られた各発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の投影図の長径と短径から以下の式に基づき、アスペクト比の平均値を算出する。
- 真球度が0.980以上である、請求項1記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記炭素系輻射伝熱抑制剤が、ポリスチレン系樹脂組成物100重量%において2~10重量%である、請求項1または2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記炭素系輻射伝熱抑制剤が、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、活性炭、および、膨張黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡剤が、ペンタン及び/またはブタンを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡剤がブタンを含み、前記ブタンがイソブタンを含む、請求項5に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡剤がペンタンを含み、前記イソブタンを前記ペンタンおよび前記ブタンの総量100重量%に対して20重量%超50重量%以下含む、請求項6に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡剤がペンタンを含み、前記ペンタンがノルマルペンタンおよびイソペンタンの重量比が100/0~60/40である、請求項5~7のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の真密度が950~1060kg/m3である、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させたかさ倍率75cm3/g以上85cm3/g以下の予備発泡粒子を発泡成形した時における発泡成形体の熱伝導率が0.0330W/m・K以下である、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡粒子。
- かさ倍率が75cm3/g以上である、請求項11に記載の予備発泡粒子。
- 請求項1~10のいずれか一項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、または請求項11または12の予備発泡粒子を成形して得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018162244A JP7194535B2 (ja) | 2018-08-31 | 2018-08-31 | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018162244A JP7194535B2 (ja) | 2018-08-31 | 2018-08-31 | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020033481A JP2020033481A (ja) | 2020-03-05 |
JP7194535B2 true JP7194535B2 (ja) | 2022-12-22 |
Family
ID=69667168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018162244A Active JP7194535B2 (ja) | 2018-08-31 | 2018-08-31 | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7194535B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010527390A (ja) | 2007-05-18 | 2010-08-12 | ポリメリ ユーロパ ソシエタ ペル アチオニ | 発泡性熱可塑性ポリマーに基づく顆粒および関連製品の製造方法 |
JP2014080514A (ja) | 2012-10-16 | 2014-05-08 | Kaneka Corp | 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 |
JP2014118474A (ja) | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Kaneka Corp | 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 |
WO2015137363A1 (ja) | 2014-03-10 | 2015-09-17 | 株式会社カネカ | スチレン系樹脂発泡成形体及びその製造方法 |
JP2018090707A (ja) | 2016-12-02 | 2018-06-14 | 株式会社カネカ | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法 |
JP2018127612A (ja) | 2017-02-09 | 2018-08-16 | 株式会社カネカ | スチレン系樹脂組成物、および発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 |
-
2018
- 2018-08-31 JP JP2018162244A patent/JP7194535B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010527390A (ja) | 2007-05-18 | 2010-08-12 | ポリメリ ユーロパ ソシエタ ペル アチオニ | 発泡性熱可塑性ポリマーに基づく顆粒および関連製品の製造方法 |
JP2014080514A (ja) | 2012-10-16 | 2014-05-08 | Kaneka Corp | 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 |
JP2014118474A (ja) | 2012-12-14 | 2014-06-30 | Kaneka Corp | 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 |
WO2015137363A1 (ja) | 2014-03-10 | 2015-09-17 | 株式会社カネカ | スチレン系樹脂発泡成形体及びその製造方法 |
JP2018090707A (ja) | 2016-12-02 | 2018-06-14 | 株式会社カネカ | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法 |
JP2018127612A (ja) | 2017-02-09 | 2018-08-16 | 株式会社カネカ | スチレン系樹脂組成物、および発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020033481A (ja) | 2020-03-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6216506B2 (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 | |
JP6555251B2 (ja) | スチレン系樹脂発泡成形体及びその製造方法 | |
US11015033B2 (en) | Expandable styrene resin particles, pre-expanded particles of styrene resin, styrene resin foam molded body, and method for producing expandable resin particles | |
US9458301B2 (en) | Expandable vinyl aromatic polymers containing graphite particles having a polymodal particle size distribution | |
JP2014080514A (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 | |
ES2619358T5 (es) | Artículos expandidos térmicamente aislantes y composiciones para la preparación de los mismos | |
JP2023063388A (ja) | スチレン系樹脂組成物、および発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JP7405516B2 (ja) | 発泡性塩素化塩化ビニル系樹脂粒子、その発泡粒子、およびこれを用いた塩素化塩化ビニル系樹脂発泡成形体 | |
JP7194535B2 (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体 | |
JP7227228B2 (ja) | 発泡性熱可塑性樹脂粒子 | |
JP7144955B2 (ja) | スチレン系樹脂組成物および発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JP6306643B2 (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 | |
JP6854669B2 (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、成形体 | |
JP6837820B2 (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法 | |
JP6854672B2 (ja) | マスターバッチ、およびその製造方法、並びに、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法 | |
JP6854671B2 (ja) | 発泡性熱可塑性樹脂粒子、およびその製造方法 | |
JP7100995B2 (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子及びポリスチレン系発泡成形体 | |
JP6961440B2 (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、および製造方法 | |
JP7482740B2 (ja) | 発泡性塩化ビニル系樹脂粒子、その発泡粒子およびこれを用いた発泡成形体 | |
JP2023145171A (ja) | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、および製造方法 | |
JP2024140138A (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子 | |
JP2024142436A (ja) | スチレン系樹脂組成物の製造方法及び発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JP2018001637A (ja) | 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 | |
JP2017132972A (ja) | スチレン系樹脂発泡性粒子、スチレン系樹脂発泡粒子及びスチレン系樹脂発泡成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210614 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220517 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20220531 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220719 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221115 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221212 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7194535 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |