JP2014118474A - 発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法、スチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 輻射抑制剤、臭素系難燃剤、炭素数4の炭化水素および炭素数5の炭化水素からなる発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子であって、発泡性スチレン系樹脂粒子中の炭素数4の発泡剤と炭素数5の発泡剤の比率が2/98〜20/80となるように含有させることにより、高い断熱性と難燃性を両立し、さらに実質的に熟成期間を必要としない発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。
【選択図】なし
Description
[1] スチレン系樹脂100重量部に対して、輻射伝熱抑制剤を1〜6重量部、臭素系難燃剤を0.5〜6重量部、炭素数4の炭化水素および炭素数5の炭化水素からなる発泡剤を4〜10重量部含有する発泡性スチレン系樹脂粒子であって、
発泡性スチレン系樹脂粒子中の、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする、発泡性スチレン系樹脂粒子。
[2] スチレン系樹脂100重量部に対して、さらに、ラジカル発生剤を0.02〜1.0重量部含有することを特徴とする、[1]記載の発泡性スチレン系樹脂粒子
[3] さらに、臭素系難燃剤100重量部に対して、熱安定剤を0.1〜10重量部含有することを特徴とする、[1]または[2]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[4] 輻射抑制剤が、グラファイト、グラフェン、活性炭、カーボンブラック、酸化チタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[5] 臭素系難燃剤が、臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化スチレン−ブタジエン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[6] 炭素数4の炭化水素が、ノルマルブタン、イソブタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[7] 炭素数5の炭化水素がノルマルペンタン、イソペンタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[8] ラジカル発生剤が、ジクミルパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、ポリ−1,4−イソプロピルベンゼンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[9] 熱安定剤がヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、エポキシ化合物、またはこれらの混合物であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[10] [1]〜[9]のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を、加熱して予備発泡させて予備発泡粒子を得た後、成形キャビティ内に充填して型内発泡成形することにより得られることを特徴とする、スチレン系樹脂発泡成形体。
[11] スチレン系樹脂100重量部に対して、輻射抑制剤2〜6重量部、臭素系難燃剤1〜5重量部および、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素からなる発泡剤4〜10重量部を押出機で溶融混練し、押出機先端に取り付けられた小孔を有するダイスを通じて加圧循環水で満たされたカッターチャンバー内に押出し、押出直後から回転カッターにより切断すると共に、加圧循環水により冷却固化して発泡性スチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、
発泡性スチレン系樹脂粒子中の炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれか1項記載の発泡成スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[12] スチレン系樹脂100重量部に対して、輻射抑制剤2〜6重量部および臭素系難燃剤1〜5重量部を押出機で溶融混練し、コールドカット法またはホットカット法を用いてスチレン系樹脂粒子を得た後、
該スチレン系樹脂粒子を水中に懸濁させると共に、スチレン系樹脂100重量部に対して、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素からなる発泡剤を4〜8重量部含有させることにより、発泡性スチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、
発泡性スチレン系樹脂粒子中の、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれか1項記載の発泡成スチレン系樹脂粒子の製造方法。
ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物;
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル化合物;
(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
ブダジエンなどのジエン系化合物またはその誘導体;
無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物;
N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−4−ジフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミドなどのN−アルキル置換マレイミド化合物、などがあげられる。
これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
アルミニウム、酸化アルミニウム等のアルミニウム系化合物、アルミン酸亜鉛等の亜鉛系化合物;ハイドロタルサイト等のマグネシウム系化合物;銀等の銀系化合物:
チタン、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム等のチタン系化合物;
ステンレス、ニッケル、錫、銀、銅、ブロンズ、シラスバルーン、セラミックバルーン、マイクロバルーン、パールマイカ等の熱線反射剤や、
カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、活性炭などの炭素系化合物;
硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸カルシウム、メルカライト、ハロトリ石、ミョウバン石、鉄ミョウバン石等の硫酸金属塩;
三酸化アンチモン、酸化アンチモン、無水アンチモン酸亜鉛等のアンチモン系化合物;
酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジニウム錫、等の金属酸化物;ア
ンモニウム系、尿素系、イモニウム系、アミニウム系、シアニン系、ポリメチン系、アントラキノン系、ジチオール系、銅イオン系、フェニレンジアミン系、フタロシアニン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、ベンゾトリアゾール系等の熱線吸収剤が挙げられる。
これら輻射伝熱抑制剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、臭素化ランダムスチレン・ブタジエン共重合体、臭素化スチレン・ブタジエングラフと共重合体などの臭素化ブタジエン・ビニル芳香族炭化水素共重合体(例えば、特表2009−516019号公報に開示されている)などが挙げられる。
これら臭素系難燃剤は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ただし、臭素系難燃剤の含有量は、後述する、ラジカル発生剤、熱安定剤の添加有無、添加量などによっても異なる。
トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスフェート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトなどのヒンダードフェノール系化合物;
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2−(トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(2−(トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−t−オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジルオキシカルボニル)ブタン、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルオキシカルボニル)ブタン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカンなどのヒンダードアミン化合物;
トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−t−ブチル−4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリーt−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキスーt−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ−t−ブチルフェノールのホスファイトなどのリン系化合物;
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系化合物、3,3−チオビスプロピオン酸ジオデシルエステル、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクタデシルエステルなどの硫黄系化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ化合物が挙げられる。
これらの化合物は、単独または2種以上を混合して使用できる。
該マスターバッチ中での臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物の比率を30重量%以上50重量%以下にすることにより、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物の分散性が優れるため、低い添加量で優れた難燃性を得ることができる。
前述したヒンダードアミン類、リン系安定剤、エポキシ化合物の他、フェノール系抗酸化剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類などの耐光性安定剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤;
シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物、メタクリル酸メチル系共重合体、ポリエチレンワックスなどの、オレフィン系ワックス、タルク、メチレンビスステアリルアマイド、エチレンビスステアリルアマイド、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイドなどの脂肪酸ビスアマイド、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などの造核剤;
スチレン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族有機化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の、大気圧下における沸点が200℃以下である溶剤などの発泡助剤を含有していてもよい。
スチレン系樹脂100重量部に対して、炭素数4の炭化水素および炭素数5の炭化水素からなる発泡剤を4〜10重量部、輻射伝熱抑制剤を1〜6重量部、臭素系難燃剤を0.5〜6重量部、必要に応じて、ラジカル発生剤を0.02〜1.0重量部、熱安定剤を臭素系難燃剤100重量部に対して0.1〜10重量部、さらには必要に応じて他の添加剤を押出機で溶融混練し、所定の温度に冷却した後、小孔を有するダイスを通じて、加圧循環水で満たされたカッターチャンバー内に押出し、押出し直後から、回転カッターにより切断すると共に、加圧循環水により冷却固化して発泡性スチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、発泡性スチレン系樹脂粒子中の炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が挙げられる。
ダイより押し出される直前の溶融混練物の温度がガラス転移温度+40℃よりも低い場合は、吐出樹脂の粘度が高すぎて、小孔で詰まってしまい、実質小孔開口率の低下のために得られる樹脂粒が変形する場合がある。一方で、ダイより押し出される直前の溶融混練物の温度がガラス転移温度+100℃よりも高い場合は、吐出樹脂が完全に固化されず、発泡してしまう場合や、吐出樹脂の粘度が低すぎて、安定的に加圧冷却水中に吐出できず、実質小孔開口率が低下する場合がある。
スチレン系樹脂100重量部に対して、輻射伝熱抑制剤を1〜6重量部、臭素系難燃剤を0.5〜6重量部、必要に応じて、ラジカル発生剤を0.02〜1.0重量部、熱安定剤を臭素系難燃剤100重量部に対して0.1〜10重量部、さらには必要に応じて、他の添加剤を押出機で溶融混練し、小孔を有するダイスを通じて押出した後カッターで切断することによりスチレン系樹脂粒子を得た後、
該スチレン系樹脂粒子を水中に懸濁させると共に、炭素数4の炭化水素および炭素数5の炭化水素からなる発泡剤を4〜10重量部含有させる量を供給して、発泡性スチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、
発泡性スチレン系樹脂粒子中の炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が挙げられる。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子約1gをジクロロメタン20mlに溶解し、内部標準液(シクロペンタノール)0.005gを加えた後、ガスクロマトグラフ(GC)を用いて、以下の条件による測定を行い、各発泡剤の含有量を求め、炭素数4の発泡剤と炭素数5の発泡剤の含有比率を算出した。
装置:(株)島津製作所製 GC−14B
カラム:GLサイエンス製 Dinonyl Phthalate 25% 3.0m×3.0mmID
カラム温度:40℃
キャリアガス:He
検出:FID
試料注入量:1μL
分析時間:60分
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を、製造1時間後に、予備発泡機[大開工業株式会社製、BHP−300]を用い、0.08MPaの水蒸気を予備発泡機に導入して発泡させ、発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を以下の基準で目視にて評価した。
○:収縮がなく、概ね球形の発泡スチレン系樹脂粒子が得られた。
×:収縮が発生し、歪な形の発泡スチレン系樹脂粒子が得られた。
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、容積が2000mlになるようにメスシリンダーに入れて重量を測定し、体積と重量から下記の式により求めた。
発泡倍率=2000(ml)/発泡粒子の重量(g)
実施例および比較例に示した条件で型内成形を行い、得られた発泡成形体に関して、以下の基準で目視にて評価した。
○:ヒケ、メルト、収縮等なく、成形体表面の発泡粒子間隙が少なく平滑で、
成形体を割った時の破断面において材破する融着ビーズが8割以上である
発泡成形体が得られた。
×:ヒケ、メルト、収縮等が発生し、成形体表面の発泡粒子間隙が大きく、
成形体を割った時の破断面において材破する融着ビーズが8割未満である
発泡成形体が得られた。
得られた発泡成形体から、長さ200mm×幅200mm×厚み25mmの平板を切り出したサンプルを、50℃温度下にて48時間静置した後、さらに、23℃温度下にて24時間静置した後、熱伝導率測定装置[英弘精機(株)製、HC−072]を用いて、平均温度23℃にて熱伝導率を測定した。
(自己消火性)
得られた発泡成形体に対して、60℃温度下にて48時間静置した後、さらに23℃温度下にて24時間静置した後、JIS A9511(発泡プラスチック保温材)測定方法Aに準じた評価を行った。
○:消火時間が3秒以内。
×:消火時間が3秒を超える、或いは、消火しなかった。
(最低酸素指数[LOI])
得られた発泡成形体に対して、60℃温度下にて48時間静置した後、さらに23℃温度下にて24時間静置した後、JIS K7201に準じて、最低酸素指数を測定した。
(スチレン系樹脂)
(A1)ポリスチレンホモポリマー[PSジャパン(株)製、G9401]
(A2)ポリスチレンホモポリマー[PSジャパン(株)製、680]
(炭素数4の発泡剤)
(B1)ノルマルブタン[三井化学(株)製]
(B2)イソブタン [三井化学(株)製]
(B3)ノルマルブタン/イソブタン=70/30の混合物 [三井化学(株)製、工業用脱臭ブタン]
(炭素数5の発泡剤)
(C1)ノルマルペンタン[和光純薬工業(株)製、試薬品]
(C2)イソペンタン[和光純薬工業(株)製、試薬品]
(輻射伝熱抑制剤)
(D1)グラファイト[(株)丸豊鋳材製作所製、鱗状黒鉛SGP−40B]
(D2)二酸化チタン[堺化学工業(株)製、R−7E]
(臭素系難燃剤)
(E1)2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン [第一工業製薬(株)製、SR−130:1%重量減少温度=231℃、臭素含有量=66重量%]
(E2)臭素化スチレン・ブタジエン共重合体 [Chemtura社製 Emerald3000:1%重量減少温度=243℃、臭素含有量=65重量%]
(熱安定剤)
(F1)テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジルオキシカルボニル)ブタン
(F2)ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[Chemtura社製、Ultranox626]
(F3)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂[アラルダイト、ECN−1280]
(ラジカル発生剤)
(G1)2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン[日本油脂(株)製、ノフマーBC]
(G2)ポリ−1,4−イソプロピルベンゼン[United Initiators社製、CCPIB]
(臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物)
(H1)臭素系難燃剤(E1)100重量部に対して、熱安定剤として(F1)3重量部および(F2)2重量部を混合した。
(I1)タルク[林化成(株)製、タルカンパウダーPK−S]
(臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ)
(J1)二軸押出機に、ポリスチレンホモポリマー(A2)100重量部を供給して溶融混練した後、押出機途中より臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物(G1)を73重量部供給して、さらに溶融混練した。押出機先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して、吐出300kg/hrで押出されたストランド状の樹脂を20℃の水槽で冷却固化させた後、切断して臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチを得た。
このとき押出機の設定温度は170℃で実施した。マスターバッチ中の臭素系難燃剤含有量は40重量%であった。
(J2)二軸押出機に、ポリスチレンホモポリマー(A2)100重量部を供給して溶融混練した後、押出機途中より臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物(G2)を100重量部供給して、さらに溶融混練した。押出機先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して、吐出300kg/hrで押出されたストランド状の樹脂を20℃の水槽で冷却固化させた後、切断して臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチを得た。
このとき押出機の設定温度は170℃で実施した。マスターバッチ中の臭素系難燃剤含有量は43重量%であった。
(輻射伝熱抑制剤のマスターバッチ)
(K1)バンバリーミキサーに、ポリスチレンホモポリマー(A2)100重量部、輻射伝熱抑制剤(D1)67重量部を投入して設定温度220℃にて10分間溶融混練した後、ルーダーに供給して先端に取り付けられた小穴を有するダイスを通して吐出300kg/hrで押出されたストランド状の樹脂を20℃の水槽で冷却固化させた後、切断してマスターバッチを得た。
マスターバッチ中の輻射伝熱抑制剤含有量は40重量%であった。
[発泡性スチレン系樹脂粒子の作製]
スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤の混合物(H1)を3重量部、輻射伝熱抑制剤(D1)2重量部、タルク(I1)0.2重量部をブレンダーに投入して、10分間ブレンドして、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を口径65mmの単軸押出機(第一押出機)と口径90mmの単軸押出機(第二押出機)を直列に連結したタンデム型二段押出機へ供給し、口径65mm押出機の設定温度220℃にて溶融混練した。口径65mm押出機(第一押出機)の途中から、スチレン系樹脂100重量部に対して、工業用脱臭ブタン(B3)2重量部と混合ペンタン[ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物]6重量部を圧入した。その後、230℃に設定された継続管を通じて、口径90mm押出機(第二押出機)に供給した。
口径90mm押出機(第二押出機)にて樹脂温度を167℃まで溶融樹脂を冷却した後、275℃に設定した第2押出機の先端に取り付けられた直径0.7mm、ランド長3.0mmの小孔を40個有するダイリップから、吐出量50kg/時間で、温度60℃および0.9MPaの加圧循環水中に押出した。押出された溶融樹脂は、ダイリップに接触する10枚の刃を有する回転カッターを用いて、2500rpmの条件にて切断・小粒化され、遠心脱水機に移送されて、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。このとき第一押出機内滞留時間4分であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部に対してステアリン酸亜鉛0.08重量部をドライブレンドした後、50メッシュのナイロン製網袋に入れ、25℃で保管した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡性スチレン系樹脂粒子を作製してから1時間後に、発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡機[大開工業株式会社製、BHP−300]に投入し、0.08MPaの水蒸気を予備発泡機に導入して発泡させ、発泡倍率68倍の発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
別途、作製後2ヶ月保管した発泡性スチレン系樹脂粒子に関しても、同様の操作を行い、発泡倍率67倍の発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
[発泡成形体の作製]
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、発泡スチロール用成形機[ダイセン工業株式会社製、KR−57]に取り付けた型内成形用金型(長さ450mm×幅300mm×厚み50mm)内に充填して、0.06MPaの水蒸気を導入し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡性スチレン系樹脂粒子の作製]
スチレン系樹脂(A2)89.87重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(J1)を7.13重量部、輻射伝熱抑制剤マスターバッチ(K1)10重量部、タルク(I1)0.2重量部をブレンダーに投入して、10分間ブレンドして、樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子を得、ステアリン酸亜鉛をドライブレンドした後、50メッシュのナイロン製網袋に入れ25℃で保管した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡性スチレン系樹脂粒子を作製してから1時間後に、実施例1と同様の操作により、発泡倍率70倍の発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
別途、作製後2ヶ月保管した発泡性スチレン系樹脂粒子に関しても、同様の操作を行い、発泡倍率70倍の発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
[発泡成形体の作製]
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、実施例1と同様の操作により、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[スチレン系樹脂粒子の作製]
スチレン系樹脂(A2)90.55重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(I1)5.95重量部、輻射伝熱抑制剤マスターバッチ(J1)10重量部、タルク(H1)0.2重量部をブレンダーに投入して、10分間ブレンドして、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、口径90mm単軸押出機に供給して、押出機内で溶融混錬し、押出機先端に取り付けられた直径1.4mmの小穴が140個設けられたダイスを通して、吐出量335kg/時間で押出されたストランド状の樹脂を20℃の水槽で冷却固化させた後、ストランドカッターでスチレン系樹脂粒子を得た。
このとき押出機先端部での樹脂の温度が245℃、押出機内滞留時間3分であった。
[発泡性スチレン系樹脂粒子の作製]
容積6Lの撹拌装置付きオートクレーブ内に、得られたスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、脱イオン水200重量部、リン酸三カルシウム1重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03重量部、塩化ナトリウム4重量部を投入し、オートクレーブを密閉した。その後、1時間で105℃まで加温した後、発泡剤として工業用脱臭ブタン(B3)2重量部を5分間かけてオートクレーブ内に添加し、次いで、混合ペンタン[ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物]6重量部を25分間かけてオートクレーブ内に添加した後、115℃まで10分かけて昇温し、そのまま4時間保持した。
次いで、室温まで冷却し、オートクレーブから発泡剤が含浸された樹脂粒子を取り出し、塩酸で酸洗後、水洗し、遠心分離機で脱水後、気流乾燥機で樹脂粒子表面に付着している水分を乾燥させ、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、ステアリン酸亜鉛0.08重量部をドライブレンドした後、50メッシュのナイロン製網袋に入れ25℃で保管した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡性スチレン系樹脂粒子を作製してから1時間後に、実施例1と同様の操作により、発泡倍率70倍の発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
別途、作製後2ヶ月保管した発泡性スチレン系樹脂粒子に関しても、同様の操作を行い、発泡倍率71倍の発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
[発泡成形体の作製]
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、実施例1と同様の操作により、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂粒子100重量部にして、発泡剤として工業用脱臭ブタン(B3)1.4重量部を5分かけて添加し、次いで、混合ペンタン[ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物]6.6重量部を25分かけて添加した以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、発泡剤として工業用脱臭ブタン(B3)0.8重量部を5分かけて添加し、次いで混合ペンタン[ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物]7.2重量部を25分かけて添加した以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、発泡剤として工業用脱臭ブタン(B3)1.13重量部を5分かけて添加し、次いで混合ペンタン[ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物]3.37重量部を25分かけて添加した以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、発泡剤として混合ブタン[ノルマルブタン(B1)50%とイソブタン(B2)の混合物]2重量部を5分かけて添加し、次いでイソペンタン(C2)6重量部を25分かけて添加したこと以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、発泡剤としてイソブタン(B2)2重量部を5分かけて添加し、次いでノルマルペンタン(C1)6重量部を25分かけて添加したこと以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡性スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤の混合物(H1)を3重量部、輻射伝熱抑制剤(D1)2重量部、輻射伝熱抑制剤(D2)2重量部、タルク(I1)0.2重量部をブレンダーに投入して、10分間ブレンドして、樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A2)90.93重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(I2)6.07重量部、輻射伝熱抑制剤マスターバッチ(J1)10重量部、タルク(H1)0.2重量部を用いて樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様の操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A2)92.55重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(I1)2.5重量部、輻射伝熱抑制剤マスターバッチ(J1)10重量部、ラジカル発生剤(G1)0.05重量部、タルク(H1)0.2重量部を用いて樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様の操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A2)92.48重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(I2)3重量部、輻射伝熱抑制剤マスターバッチ(J1)10重量部、ラジカル発生剤(G2)0.02重量部、タルク(H1)0.2重量部を用いて
樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様の操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表1に示した。
[発泡性スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、発泡剤として混合ペンタン(ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物)8重量部を用いて樹脂組成物を得た以外は、実施例2と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡性スチレン系樹脂粒子を作製してから1時間後に、実施例1と同様の操作により、発泡粒子を得た。
得られた発泡スチレン系樹脂粒子の表面には、収縮シワが多数あり、いびつな形状の発泡スチレン系樹脂粒子であった。
[発泡成形体の作製]
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、実施例1と同様の操作により、スチレン系発泡成形体を得たが、大きく収縮し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体は得られなかった。
これに対して、作製後2ヶ月保管した発泡性スチレン系樹脂粒子に関して、実施例1と同様の操作により発泡粒子を得たところ、シワのない球形の発泡スチレン系樹脂粒子であり、さらに、実施例1と同様の操作により発泡成形体を得たところ、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体であった。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。
[発泡性スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A2)100重量部に対して、発泡剤として工業用脱臭ブタン(B3)8重量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡性スチレン系樹脂粒子を作製してから1時間後に、実施例1と同様の操作により、発泡させたところ、発泡倍率71倍の発泡スチレン系樹脂粒子が得られた。
これに対して、作製後2ヶ月保管した発泡性スチレン系樹脂粒子に関しても、同様の操作を行ったが、発泡剤の散逸が早いため、発泡倍率34倍と低くなっており、使用可能期間が短い結果となった。
[発泡成形体の作製]
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、実施例1と同様の操作により、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、発泡剤として工業用脱臭ブタン(B3)0.4重量部を2分間かけて添加し、次いで混合ペンタン[ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物]7.6重量部を30分間かけて添加したこと以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡性スチレン系樹脂粒子を作製してから1時間後に、実施例1と同様の操作により、発泡粒子を得た。
得られた発泡スチレン系樹脂粒子の表面には、収縮シワが多数あり、いびつな形状の発泡スチレン系樹脂粒子であった。
[発泡成形体の作製]
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、実施例1と同様の操作により、スチレン系発泡成形体を得たが、大きく収縮し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体は得られなかった。
これに対して、作製後2ヶ月保管した発泡性スチレン系樹脂粒子に関して、実施例1と同様の操作により発泡粒子を得たところ、シワのない球形の発泡スチレン系樹脂粒子であり、さらに、実施例1と同様の操作により発泡成形体を得たところ、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体であった。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、発泡剤として工業用脱臭ブタン(B3)3重量部を10分間かけて添加し、次いで混合ペンタン[ノルマルペンタン(C1)80%とイソペンタン(C2)20%の混合物]5重量部を20分間かけて添加したこと以外は、実施例3と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
[発泡スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡性スチレン系樹脂粒子を作製してから1時間後に、実施例1と同様の操作により、発泡させたところ、発泡倍率70倍の発泡スチレン系樹脂粒子が得られた。
これに対して、作製後2ヶ月保管した発泡性スチレン系樹脂粒子に関しても、同様の操作を行ったが、炭素数4の発泡剤含有比率が本発明の規定外であるため、発泡剤の散逸が早くなることで発泡倍率48倍と低くなっており、使用可能期間が短い結果となった。
[発泡成形体の作製]
得られた発泡スチレン系樹脂粒子を、実施例1と同様の操作により、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。
[スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A2)96.55重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(I1)5.95重量部、タルク(H1)0.2重量部を用いて樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様の操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。輻射伝熱抑制剤を添加していない為、実施例と比較して熱伝導率が高いことが判る。
[発泡性スチレン系樹脂粒子の作製]においてスチレン系樹脂(A1)100重量部に対して、臭素系難燃剤(E1)を0.3重量部、輻射伝熱抑制剤(D1)4重量部、タルク(I1)0.2重量部を用いて樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を作製し、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。臭素系難燃剤の添加量が本発明の規定外であるため、十分な難燃性が得られなかった。
[スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A2)96.55重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(I2)16.16重量部、輻射伝熱抑制剤マスターバッチ(J1)10重量部、タルク(H1)0.2重量部を用いて樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様の操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子、発泡成形体を得た。
しかし、メルトや変色が起こり、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体は得られなかった。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。
[スチレン系樹脂粒子の作製]において、スチレン系樹脂(A2)90.55重量部に対して、臭素系難燃剤と熱安定剤との混合物のマスターバッチ(I1)5.95重量部、輻射伝熱抑制剤マスターバッチ(J1)10重量部、ラジカル発生剤(G1)1.5重量部、タルク(H1)0.2重量部を用いて樹脂組成物を得た以外は、実施例3と同様の操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂粒子を得た。
しかし、スチレン系樹脂の劣化が著しいため、収縮シワが多く外観美麗な発泡スチレン系樹脂粒子は得られなかった。また、メルトや変色が起こり、外観美麗な直方体状のスチレン系発泡成形体は得られなかった。
得られた発泡成形体の評価結果を、表2に示した。
Claims (12)
- スチレン系樹脂100重量部に対して、輻射伝熱抑制剤を1〜6重量部、臭素系難燃剤を0.5〜6重量部、炭素数4の炭化水素および炭素数5の炭化水素からなる発泡剤を4〜10重量部含有する発泡性スチレン系樹脂粒子であって、
発泡性スチレン系樹脂粒子中の、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする、発泡性スチレン系樹脂粒子。 - スチレン系樹脂100重量部に対して、さらに、ラジカル発生剤を0.02〜1.0重量部含有することを特徴とする、請求項1記載の発泡性スチレン系樹脂粒子
- さらに、臭素系難燃剤100重量部に対して、熱安定剤を0.1〜10重量部含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 輻射抑制剤が、グラファイト、グラフェン、活性炭、カーボンブラック、酸化チタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 臭素系難燃剤が、臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化スチレン−ブタジエン共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 炭素数4の炭化水素が、ノルマルブタン、イソブタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 炭素数5の炭化水素がノルマルペンタン、イソペンタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- ラジカル発生剤が、ジクミルパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、ポリ−1,4−イソプロピルベンゼンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7にいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 熱安定剤がヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、エポキシ化合物、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を、加熱して予備発泡させて予備発泡粒子を得た後、成形キャビティ内に充填して型内発泡成形することにより得られることを特徴とする、スチレン系樹脂発泡成形体。
- スチレン系樹脂100重量部に対して、輻射抑制剤2〜6重量部、臭素系難燃剤1〜5重量部および、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素からなる発泡剤4〜10重量部を押出機で溶融混練し、押出機先端に取り付けられた小孔を有するダイスを通じて加圧循環水で満たされたカッターチャンバー内に押出し、押出直後から回転カッターにより切断すると共に、加圧循環水により冷却固化して発泡性スチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、
発泡性スチレン系樹脂粒子中の炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の発泡成スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - スチレン系樹脂100重量部に対して、輻射抑制剤2〜6重量部および臭素系難燃剤1〜5重量部を押出機で溶融混練し、コールドカット法またはホットカット法を用いてスチレン系樹脂粒子を得た後、
該スチレン系樹脂粒子を水中に懸濁させると共に、スチレン系樹脂100重量部に対して、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素からなる発泡剤を4〜8重量部含有させることにより、発泡性スチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、
発泡性スチレン系樹脂粒子中の、炭素数4の炭化水素と炭素数5の炭化水素の含有比率が2/98〜20/80であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項記載の発泡成スチレン系樹脂粒子の製造方法。
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