以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置]
図1及び図2は、本形態に係る画像形成装置100の概略構成を示す斜視図である。図1は、画像形成装置100における前カバー101が閉じている状態を示しており、図2は、画像形成装置100における前カバー101が開いている状態を示している。図3は、図1及び図2に示す画像形成装置100における内部構造の概略構成を示す断面図である。図4及び図5は、それぞれ、画像形成装置100における画像形成部30部分を拡大して示す概略正面図及び概略背面図である。図6は、画像形成装置100から抜き出した画像形成部30の概略平面図である。また、図7は、図6に示す画像形成部30の要部の概略正面図である。なお、図6では中間転写ベルト7を透視して下の部材を露出させて示している。
本実施の形態に係る画像形成装置100(図1から図3参照)は、トナー像がそれぞれ形成される複数の静電潜像担持体(具体的には感光体)を所定方向(この例では左右方向X)に並設した構成、所謂タンデム式のカラー画像形成装置とされている。この例では、画像形成装置100は、フルカラー画像を形成できる中間転写方式のカラー複合機とされている。なお、本実施の形態では、画像形成装置100を、タンデム式のカラー画像形成装置としたが、その他のカラー画像形成装置としてもよい。また、画像形成装置100を、カラー画像形成装置としたが、モノクロ画像形成装置としてもよい。
画像形成装置100は、トナーTa,Tb,Tc,Td(図3参照)により画像形成装置本体1(図1から図3参照)に備えられた画像形成部30(図2から図7参照)で画像を形成する一方、画像形成部30から排出される廃トナーを画像形成装置本体1に着脱可能とされた廃トナーボックス90(図2から図4及び図6参照)に回収するようになっている。具体的には、画像形成装置100は、画像形成装置本体1に着脱可能とされたトナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5db(図2及び図3参照)から供給されるトナーTa,Tb,Tc,Tdにより画像形成部30で画像を形成する。なお、図3において、廃トナーボックス90は1点鎖線で示している。
画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成装置であり、複数(この例では4組)の画像形成ステーションpa,pb,pc,pd(図3及び図5参照)、露光部として作用する露光ユニット4、1次転写部として作用する複数(この例では4つ)の1次転写ユニット6a,6b,6c,6d(図3、図5及び図7参照)、トナー像を担持するトナー像担持体として作用する中間転写ベルト7(図3、図5及び図7参照)、ベルトクリーニング部として作用するベルトクリーニングユニット9(図3、図5から図7参照)、2次転写部として作用する2次転写ユニット11(図3から図6参照)、定着部として作用する定着ユニット12(図3参照)、記録紙等の記録材P(図3参照)を収容する記録材収容部(具体的には給紙ユニット13)(図3参照)及び本体フレーム1a(図3参照)を備えている。本体フレーム1aは、画像形成ステーションpa,pb,pc,pd、露光ユニット4、1次転写ユニット6a,6b,6c,6d、2次転写ユニット11や定着ユニット12等の画像形成装置本体1の構成部材を支持し、画像形成装置本体1の筐体及び支持フレームを構成している。画像形成部30は、この例では、画像形成ステーションpa,pb,pc,pd、露光ユニット4及び1次転写ユニット6a,6b,6c,6dで構成されている。なお、画像形成部30は、さらに、2次転写ユニット11及び/又は定着ユニット12で構成されていてもよい。
画像形成装置100は、画像形成装置本体1の上部に画像読取装置40(図1から図3参照)が設けられている。画像読取装置40は、原稿G(図3参照)の画像を読み取るための画像読取部41(図1から図3参照)と、原稿Gを搬送する原稿搬送部42(図1から図3参照)と、原稿Gが載置される原稿載置台43(図1から図3参照)とを備えている。
画像読取装置40は、原稿搬送部42で搬送される原稿Gを画像読取部41で読み取るか、或いは、原稿載置台43に載置された原稿Gを画像読取部41で読み取る。画像読取装置40で読み取られた原稿Gの画像は、画像データとして画像形成装置本体1に送られ、又は、外部機器からの画像データが画像形成装置本体1に送られ、画像形成装置本体1において画像データに基づき形成された画像が記録材Pに記録される。
画像形成ステーションpa,pb,pc,pdは、それぞれ、像担持体として作用する複数(この例では4つ)の感光体2a,2b,2c,2d(具体的には感光体ドラム)(図3及び図7参照)、帯電部として作用する帯電ユニット3a,3b,3c,3d(図3参照)、現像部として作用する現像ユニット5a,5b,5c,5d及び感光体クリーニング部として作用する感光体クリーニングユニット8a,8b,8c,8d(図3参照)を備えている。感光体2a,2b,2c,2dの周囲には、それぞれ、帯電ユニット3a,3b,3c,3d、現像ユニット5a,5b,5c,5d及び感光体クリーニングユニット8a,8b,8c,8dがこの順で配設されている。
画像形成ステーションpa,pb,pc,pdでは、それぞれ、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナーが収容されるトナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbが現像ユニット5a,5b,5c,5dに着脱可能に接続され、トナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbからトナーTa,Tb,Tc,Tdを現像ユニット5a,5b,5c,5dに供給しつつ現像ユニット5a,5b,5c,5dにおける各色の現像剤Da,Db,Dc,Dd(図3参照)によりブラック(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のトナー像を感光体2a,2b,2c,2d上にそれぞれ形成する。この例では、現像剤Da,Db,Dc,Ddは、二成分現像剤(トナー及びキャリア)とされている。
廃トナーボックス90及びトナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbは、画像形成装置本体1に対して着脱可能となっている。これにより、ユーザーは、廃トナーボックス90及びトナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbを必要に応じて交換することができる。
詳しくは、画像形成装置本体1には、幅方向Y(奥行き方向)に沿って延び、かつ、トナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbを幅方向Yに挿通する挿通穴1aa,1ab,1ac,1ad(図2及び図3参照)が設けられている。ここで、幅方向Yは、画像形成部30の操作側(この例では画像形成装置100の正面側)から操作側とは反対側(この例では画像形成装置100の背面側)への方向、及び、画像形成部30の操作側とは反対側から操作側への方向をいい、この例では、画像形成装置100の正面側から背面側に向かう方向が幅方向Yの一方側Y1とされ、画像形成装置100の背面側から正面側に向かう方向が幅方向Yの他方側Y2とされている。
トナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbは、幅方向Yの一方側Y1(この例では背面側)に向けて画像形成装置本体1における挿通穴1aa,1ab,1ac,1adに挿通されることにより、画像形成装置本体1に装着されるようになっている。また、トナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbは、幅方向Yの他方側Y2(この例では正面側、操作側)に向けて引き出されることにより、画像形成装置本体1から離脱されるようになっている。トナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbは、画像形成装置本体1に装着された状態でトナー排出口(図示せず)が現像ユニット5a,5b,5c,5dのトナー供給口(図示せず)と連通するようになっている。
トナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbは、幅方向Yに直交する第1直交方向(この例では左右方向X)に並設されている。幅方向Y及び第1直交方向(この例では左右方向X)の双方に直交する第2直交方向(この例では上下方向Z)においてトナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbの下方には、画像形成部30が設けられている。
廃トナーボックス90は、幅方向Yの他方側Y2(この例では正面側、操作側)に設けられている。トナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5db及び廃トナーボックス90は、画像形成装置100の操作側から視て互いにオーバーラップしないように画像形成装置本体1に設けられている。これにより、ユーザー等の操作者は、廃トナーボックス90を画像形成装置本体1から離脱させることなくトナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbを交換することができる。
また、画像形成装置100は、画像形成部30を覆う前カバー101(図1及び図2参照)と、搬送経路Sを開放する側面ドア102(図1及び図2参照)とを備えている。
画像形成ステーションpa,pb,pc,pdにおける感光体2a,2b,2c,2dに対応して1次転写ユニット6a,6b,6c,6dが中間転写ベルト7を介して配設されている(図3参照)。
帯電ユニット3a,3b,3c,3dは、感光体2a,2b,2c,2dの表面をそれぞれ一様に帯電する。露光ユニット4は、帯電ユニット3a,3b,3c,3dにて一様に帯電した感光体2a,2b,2c,2dの表面を露光して感光体2a,2b,2c,2dの表面に静電潜像をそれぞれ形成する。現像ユニット5a,5b,5c,5dは、現像剤Da,Db,Dc,Ddをそれぞれ収容する現像槽5aa,5ba,5ca,5da(図3参照)を有し、現像剤Da,Db,Dc,Ddを用いて露光ユニット4にて感光体2a,2b,2c,2dの表面に形成した静電潜像をそれぞれ現像して可視像を形成する。
1次転写ユニット6a,6b,6c,6dは、感光体2a,2b,2c,2dに形成されたトナー像を中間転写ベルト7に1次転写する。
詳しくは、1次転写ユニット6a,6b,6c,6dは、現像ユニット5a,5b,5c,5dにて感光体2a,2b,2c,2dの表面に形成した可視像を中間転写ベルト7にそれぞれ転写(例えば重ね転写)して中間転写ベルト7上にトナー像(例えばカラートナー像)を形成する。
感光体クリーニングユニット8a,8b,8c,8dは、クリーニング部材(具体的にはクリーニングブレード)を備え、1次転写ユニット6a,6b,6c,6dにて中間転写ベルト7に転写されずに感光体2a,2b,2c,2dの表面に残った残留トナーをクリーニング部材により廃トナーとしてそれぞれ収集し、廃トナーボックス90に回収する。2次転写ユニット11は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー像を記録材Pに2次転写する。この例では、2次転写ユニット11は、2次転写ローラ11a(図3及び図6参照)を備えている。2次転写ローラ11aは、1次転写ユニット6a,6b,6c,6dにて中間転写ベルト7に転写されたトナー像を記録材Pに静電転写して記録材P上に未定着のトナー像を形成する。
ベルトクリーニングユニット9は、クリーニング部材91(具体的にはクリーニングブレード)(図3、図6及び図7参照)を備え、2次転写ユニット11にて記録材Pに転写されずに中間転写ベルト7上に残った残留トナーをクリーニング部材91により廃トナーとして収集し、廃トナーボックス90に回収する。
詳しくは、ベルトクリーニングユニット9は、クリーニング部材91に加えて、内側ローラ92(図7参照)と、廃トナー搬送部材93(具体的にはスパイラルローラ)(図7参照)と、クリーニングローラ94(図6及び図7参照)と、筐体95(図6及び図7参照)とを備えている。
クリーニング部材91は、中間転写ベルト7に当接させた状態で中間転写ベルト7を回転させつつ中間転写ベルト7上の残留トナーをクリーニングする。内側ローラ92は、中間転写ベルト7を間にして中間転写ベルト7に当接されるクリーニング部材91とは反対側の内側に設けられてクリーニング部材91により中間転写ベルト7が押し当てられる。廃トナー搬送部材93は、クリーニング部材91にてクリーニングされた残留トナーを廃トナーとして廃トナーボックス90に向けて搬送する。クリーニングローラ94は、中間転写ベルト7上の残留トナーを中間転写ベルト7の回転(表面移動)と共に回転してクリーニングする。筐体95には、クリーニング部材91、内側ローラ92、廃トナー搬送部材93及びクリーニングローラ94を含む各構成部材が設けられている(具体的には取り付けられている)。そして、クリーニング部材91は、中間転写ベルト7に常時当接している。
ここで、クリーニングローラ94は、クリーニング部材91を中間転写ベルト7から離さないと(具体的にはベルトクリーニングユニット9を画像形成部30から取り外さないと)、交換、清掃等するメンテナンスを行うことができない構成部材である。かかる構成部材は、勿論、クリーニングローラ94に限定されるものではなく、クリーニング部材91を中間転写ベルト7から離さないと、交換、清掃等するメンテナンスを行うことができない構成部材であれば何れのものも例示でき、例えば、廃トナー搬送部材93(具体的にはスパイラルローラ)等のベルトクリーニングユニット9の構成部材の他、ベルトクリーニングユニット9以外の構成部材であってもよい。
廃トナーボックス90は、クリーニング部材91によりクリーニングされた残留トナーを廃トナーとして回収する。
中間転写ベルト7は、感光体2a,2b,2c,2dに対向して設けられている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ7a(図3、図6及び図7参照)及び第1から第5従動ローラ7b〜7f(図3及び図7参照)に張架されており、駆動ローラ7aが回転駆動されることにより、予め定めた所定の回転方向D(図3及び図7参照)に回転(換言すれば周回移動)する。中間転写ベルト7の駆動ローラ7a側には、2次転写ユニット11が、また、中間転写ベルト7の上部の設けられた第5従動ローラ7b側には、ベルトクリーニングユニット9が、それぞれ配設されている。
露光ユニット4は、ポリゴンミラーを含む光源部4a(図3参照)からの4つの光ビーム(具体的にはレーザービーム)を、それぞれ所定方向(図3では時計方向)に回転駆動される4つの感光体2a,2b,2c,2dの表面に主走査方向(感光体の回転軸線方向)に走査する構成とされている。詳しくは、露光ユニット4は、外部から入力されるブラック(B)成分、シアン(C)成分、マゼンタ(M)成分、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じた画像データ或いは単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データに基づいて変調された各ビームを光源部4aから出射し、各ミラーにて感光体2a,2b,2c,2dに導いて、帯電ユニット3a,3b,3c,3dにて一様に帯電された感光体2a,2b,2c,2dをそれぞれ露光し、感光体2a,2b,2c,2dの表面に静電潜像をそれぞれ形成する。
定着ユニット12は、2次転写ユニット11にて記録材P上に転写された未定着のトナー像を熱及び圧力によって記録材P上に定着させる。詳しくは、定着ユニット12は、ヒータ等の熱源12c(図3参照)と、熱源12cを作動制御することによって予め定めた所定の温度に維持されるように温度制御される定着ローラ12a(図3参照)と、定着ローラ12aと圧接される加圧ローラ12b(図3参照)とを備えている。定着ローラ12a及び加圧ローラ12bは、軸受け等の受け部材を介して定着フレーム12d(図3参照)に支持されている。定着ユニット12は、熱源12cにより定着ローラ12aを所定の定着温度に加熱した後、未定着画像(具体的には未定着のトナー像)が形成された記録材Pを定着ローラ12a及び加圧ローラ12bの圧接部である定着ニップ部N(図3参照)に供給し、定着ニップ部Nに通過させることで定着ニップ部Nにおける熱及び圧力により記録材Pに未定着画像(具体的には未定着のトナー像)を定着させる構成とされている。
画像形成装置100は、転写前帯電ユニット10(図3参照)をさらに備えている。転写前帯電ユニット10は、中間転写ベルト7上のトナー像の記録材Pへの2次転写に先立って中間転写ベルト7上のトナー像を帯電する。
以上説明した画像形成装置100では、画像形成を行うにあたり、感光体2a,2b,2c,2dの表面をそれぞれ帯電ユニット3a,3b,3c,3dで一様に帯電し、一様に帯電した感光体2a,2b,2c,2dの表面を露光ユニット4により画像データ(画像情報)に応じてそれぞれレーザー露光し、感光体2a,2b,2c,2d上に静電潜像をそれぞれ形成する。
画像形成装置100では、その後、感光体2a,2b,2c,2d上に形成した静電潜像を現像ユニット5a,5b,5c,5dにより現像してトナー像にそれぞれ顕像化し、顕像化したトナー像を、トナーとは逆極性のバイアス電圧がそれぞれ印加された1次転写ユニット6a,6b,6c,6dにより中間転写ベルト7上に転写して中間転写ベルト7上にトナー像を形成する。このとき、感光体クリーニングユニット8a,8b,8c,8dは、中間転写ベルト7に転写されずに感光体2a,2b,2c,2dの表面に残った残留トナーを廃トナーボックス90に回収する。
次に、画像形成装置100では、中間転写ベルト7上に形成したトナー像を、2次転写ユニット11の直前で転写前帯電ユニット10によって帯電した後、中間転写ベルト7上のトナー像を所定の回転方向Dに回転される中間転写ベルト7により2次転写ユニット11まで搬送する。一方、給紙ユニット13の給紙ローラ13a(図3参照)から搬送経路S(図3参照)に向けて引き出されて、搬送経路Sを通じて搬送されてきた記録材Pを搬送ローラ14(図3参照)及びレジストローラ15(図3参照)により2次転写ユニット11まで中間転写ベルト7上のトナー像と同期をとって搬送する。そして、2次転写ユニット11に搬送されてきたトナー像を、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された2次転写ユニット11にて、2次転写ユニット11に搬送されてきた記録材Pに転写する。このとき、ベルトクリーニングユニット9は、記録材Pに転写されずに中間転写ベルト7上に残った残留トナーを廃トナーボックス90に回収する。
次に、画像形成装置100では、記録材P上に転写したトナー像を定着ユニット12に搬送し、定着ユニット12に通過させるときに記録材P上のトナー像を加熱・加圧して記録材上に融着させ、定着ユニット12にてトナー像を定着処理した記録材Pを排出ローラ16(図3参照)にて画像形成装置本体1の外部に排出して排出トレイ17(図1から図3参照)に載置し、画像形成処理を終了する。
また、搬送経路Sは、排出ローラ16にて逆方向に搬送される記録材Pを表裏が反転するようにレジストローラ15よりも上流側に案内する反転経路Srを備えている。画像形成装置100は、記録材Pの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、記録材Pを排出ローラ16から反転経路Srへ逆方向に搬送して、記録材Pの表裏を反転させてレジストローラ15へ再度導き、記録材Pの表面と同様にして、記録材Pの裏面にトナー像を形成して定着させた後、画像形成装置本体1の外部に排出して排出トレイ17に載置する。
本実施の形態に係る画像形成装置100において、2次転写ユニット11(この例では2次転写ローラ11a)は、中間転写ベルト7に対して離接可能とされている。
図8及び図9は、2次転写ローラ11aの中間転写ベルト7への接離状態を説明するための説明図である。図8は、2次転写ローラ11aが中間転写ベルト7に接触している状態を示しており、図9は、2次転写ローラ11aが中間転写ベルト7から離間している状態を示している。
2次転写ユニット11は、2次転写ローラ11aが設けられた2次転写ユニットフレーム11b(図3から図6、図8及び図9参照)が幅方向Yに沿った揺動軸線〔具体的には揺動軸Q(図8及び図9参照)〕に揺動自在とされている。揺動軸Qは、画像形成装置本体1に固定されている。
画像形成装置100は、中間転写ベルト7に対して2次転写ユニット11を離接させる離接部として作用する離接装置18(図8及び図9参照)をさらに備えている。
離接装置18は、2次転写ユニットフレーム11bを揺動軸Q回りの中間転写ベルト7側(2次転写ローラ11aの中間転写ベルト7への接触側)に付勢する付勢部材181(この例では巻バネ)(図8及び図9参照)と、駆動されることにより2次転写ユニットフレーム11bを揺動軸Q回りの中間転写ベルト7とは反対側(2次転写ローラ11aの中間転写ベルト7からの離間側)に揺動させる駆動部182(この例では電磁ソレノイド)(図8及び図9参照)とを備えている。付勢部材181は、一端が画像形成装置本体1に固定された係止部1b(図8及び図9参照)に係止され、かつ、他端が2次転写ユニットフレーム11bに固定された係止部11ba(図8及び図9参照)に係止されている。駆動部182は、画像形成装置本体1に固定されている。
かかる構成を備えた離接装置18は、駆動部182への駆動が遮断されているときに、付勢部材181により2次転写ユニットフレーム11bにおける2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7に接触させることができる。一方、離接装置18は、駆動部182への駆動が遮断されているときに、駆動部182により2次転写ユニットフレーム11bにおける2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7から離間させることができる。
画像形成装置100は、画像形成装置100全体の制御を司る制御部20(図3参照)をさらに備えている。
図10は、画像形成装置100における制御系の概略構成を示すシステムブロック図である。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部21(図10参照)と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部22(図10参照)とを有している。制御部20は、処理部21が記憶部22のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部22のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の作動制御を行うようになっている。記憶部22のRAMは、それぞれ、処理部21に対して作業用のワークエリア及び画像データを格納する画像メモリとしての領域を提供する。
図11は、画像形成装置100における中間転写ベルト7上に供給用トナー像STを形成した状態を模式的に示す平面図である。
そして、制御部20は、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部にトナーを供給するための供給用トナー像ST(図11参照)を中間転写ベルト7に形成してクリーニング部材91で供給用トナー像STをクリーニングさせるクリーニングモードCM(図10参照)を有している。
詳しくは、制御部20は、クリーニングモードCMにおいて、クリーニング部材91を中間転写ベルト7に当接させた状態で中間転写ベルト7を回転させて中間転写ベルト7上に供給用トナー像STを形成し、クリーニング部材91で供給用トナー像STをクリーニングさせる。
これにより、制御部20は、クリーニングモードCMにより、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部でトナーが滑り剤としての役割を確実に果たす程度に存在している状態にして、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数を小さくすることができる。
しかし、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部にトナーが滑り剤としての役割を確実に果たす程度に存在している状態であっても、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されて〔例えば、サービスマン等の作業者がクリーニング部材91を新品に交換することで、或いは、クリーニング部材91やクリーニング部材91の周辺の部材(具体的には中間転写ベルト7等)のメンテナンス(具体的には交換等)のためにクリーニング部材91を一旦取り外して再度取り付けることで(具体的にはベルトクリーニングユニット9を画像形成部30から一旦取り外して、再度、画像形成部30に取り付けることで)、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されて〕、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部にトナーが無くなり或いは少なくなり、次に、中間転写ベルト7に当接させた状態で中間転写ベルト7を回転させる際に、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数(すなわち摩擦力)が大きくなり、この状態がある程度継続すると、クリーニング部材91の捲れや一部欠損といった不都合の発生に起因するクリーニング不良が発生する恐れがある。
(第1実施形態)
かかる観点から、第1実施形態では、制御部20は、画像形成装置100の起動時にクリーニングモードCMを実行する構成とされている。
ところで、第1実施形態において、クリーニングモードCMを画像形成装置100の起動毎に実行すると、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されていないにも関わらず、クリーニングモードCMを実行することがあり、そうすると、供給用トナー像STのトナー消費量が無駄になる。
この点、第1実施形態において、制御部20は、クリーニングモードCMの実行を設定するクリーニングモード実行設定CS(図10参照)が設定された場合に、クリーニングモードCMを実行する構成とされている。ここで、クリーニングモード実行設定CSは、クリーニングモードCMを実行するための設定である。
詳しくは、制御部20は、画像形成装置100の起動時(具体的にはウォームアップ時、より具体的にはウォームアップ開始時)において、クリーニングモード実行設定CSを検出した場合に、クリーニングモードCMを実行する。そして、制御部20は、クリーニングモードCMの実行後、クリーニングモード実行設定CSの設定を解除する。
(第2実施形態)
また、第2実施形態では、制御部20は、クリーニングモードCMの実行を設定するクリーニングモード実行設定CSが設定された場合に、クリーニングモードCMを実行する構成とされている。ここで、クリーニングモード実行設定CSは、クリーニングモードCMを実行するための設定である。
詳しくは、制御部20は、画像形成装置100の起動時に関わらず、クリーニングモード実行設定CSを検出した場合に、クリーニングモードCMを実行する。そして、制御部20は、クリーニングモードCMの実行後、クリーニングモード実行設定CSの設定を解除する。
(第1実施形態及び第2実施形態について)
第1実施形態及び第2実施形態によれば、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されて〔例えば、サービスマン等の作業者がクリーニング部材91を新品に交換することで、或いは、周辺の部材(例えば中間転写ベルト7)のメンテナンス(例えば交換)のためにクリーニング部材91を一旦取り外して再度取り付けることで、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されて〕、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部にトナーが無くなる或いは少なくなると、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦力が大きくなるものの、第1実施形態の画像形成装置100では、画像形成装置100の起動時にクリーニングモードCMを実行するので、画像形成装置100の起動時にクリーニングモードCMを実行することができ、また、第2実施形態の画像形成装置100では、クリーニングモードCMの実行を設定するクリーニングモード実行設定CSが設定された場合に、クリーニングモードCMを実行するので、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離された場合にクリーニングモード実行設定CSを設定することで、クリーニングモードCMを実行することができる。
そうすると、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部にトナーを滑り剤としての役割を確実に果たす程度に存在させることができ、これにより、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦力を小さくすることができる。従って、たとえクリーニング部材91が中間転写ベルト7から離された場合でも、クリーニング部材91の捲れや一部欠損といった不都合の発生を抑制することができる。すなわち、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数の増大に起因するクリーニング不良を効果的に防止することができる。
ここで、クリーニングモード実行設定CSは、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されたことを制御部20に認識させる設定(クリーニング部材91の中間転写ベルト7からの離間判定用の設定)とすることができる。
また、第1実施形態の画像形成装置では、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離された場合にクリーニングモード実行設定CSを設定することで、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離された場合にのみ、クリーニングモードCMを実行することができ、これにより、供給用トナー像STのトナー消費量の無駄をなくすことができる。
例えば、サービスマン等の作業者が画像形成装置100の電源を一旦オフして、クリーニング部材91を中間転写ベルト7から離す作業を行っても、画像形成装置100の電源を再度オンした後、該作業者の操作によりシミュレーションモードに入り、該作業者がクリーニングモード実行設定CSを行ってシミュレーションモードを抜けることで、画像形成装置100の再起動(具体的にはウォームアップ時)に確実にクリーニングモードCMを実行することができる。
(第3実施形態)
−クリーニングモード実行設定−
ところで、既述のとおり、メンテナンス部材のメンテナンスによってはクリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されることがある。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、クリーニングモード実行設定CSは、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されたメンテナンスを実施したことを示す設定である。
この例では、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されたメンテナンスをサービスマン等の作業者が実施した場合に、該作業者が記憶部22におけるクリーニングモード実行用フラグをオン(例えば「1」)にする。
なお、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されたことを示す離間検知を検知するスイッチやセンサ等の離間検知部を設け、離間検知部による離間検知を検出することで、クリーニングモード実行設定CSを自動的に設定するようにしてもよい。
このように、クリーニングモード実行設定CSは、クリーニング部材91のメンテナンスを実施したことを示す設定であることで、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離された場合に、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数の増大に起因するクリーニング不良を効果的に防止することができる。
−メンテナンス部材−
ところで、クリーニング部材91及び/又は中間転写ベルト7を交換するメンテナンスを行う場合、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離される。また、クリーニング部材91及び/又は中間転写ベルト7を清掃等するメンテナンスを行う場合、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されることがある。或いは/さらに、画像形成装置100は、クリーニング部材91を中間転写ベルト7から離さないと、交換、清掃等するメンテナンスを行うことができない構成部材(この例では中間転写ベルト7上の残留トナーを中間転写ベルト7の回転と共に回転してクリーニングするクリーニングローラ94)を備えている場合において、例えば、構成部材を交換、清掃等するメンテナンスを行う場合、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離される。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離されるメンテナンスを実施するメンテナンス部材は、クリーニング部材91と、中間転写ベルト7と、クリーニング部材91を中間転写ベルト7から離さないとメンテナンスを行うことができない構成部材(この例ではクリーニングローラ94)とのうち少なくとも1つである。
この例では、メンテナンス部材は、クリーニング部材91と、中間転写ベルト7と、構成部材(この例ではクリーニングローラ94)とのうち少なくとも1つのメンテナンスをサービスマン等の作業者が実施した場合に、該作業者が記憶部22におけるクリーニングモード実行用フラグをオン(例えば「1」)にする。
このように、メンテナンス部材は、クリーニング部材91と、中間転写ベルト7と、構成部材(この例ではクリーニングローラ94)とのうち少なくとも1つであることで、クリーニング部材91と、中間転写ベルト7と、構成部材(この例ではクリーニングローラ94)とのうち少なくとも1つに対してメンテナンスを実施したときに、確実にクリーニングモードCMを実行することができる。
−メンテナンスカウンターのクリア−
第1実施形態及び第2実施形態において、クリーニングモード実行設定CSは、メンテナンス部材(この例ではクリーニング部材91、中間転写ベルト7及びクリーニングローラ94)のメンテナンスカウンターをクリアにする設定である。
詳しくは、制御部20は、画像形成装置本体1の操作側の上部に設けられた操作部103(図1及び図2参照)の表示部103a(図1及び図2参照)に対してシミュレーションモードの表示を行うようになっている。
図12は、操作部103における表示部103aに表示されるシミュレーションモードのメンテナンスカウンタークリア画面G1を示す平面図である。
操作部103は、表示部103a及び入力部103bを備えている。操作部103は、入力部103bにて装置全体の各種設定情報や各機能を動作させるための入力情報を受け付けるようになっている。また、操作部103は、表示部103aにて入力内容や装置全体の動作状況が表示されるようになっている。入力部103bは、ここでは、複数の入力キー103cを有し、操作者によりキー入力操作可能なキー入力操作部とされている。
制御部20は、シミュレーションモードを有している。制御部20は、予め定めた所定の操作によりシミュレーションモードに入ることができるようになっている。
図12に示すように、制御部20は、サービスマン等の作業者の操作によりシミュレーションモードに入って、表示部103aにおいて図示を省略した選択画面で選択されたメンテナンスカウンタークリア画面G1においてメンテナンス部材のメンテナンスカウンターを選択可能に表示し、該作業者の操作により選択されたメンテナンス部材のメンテナンスカウンターをクリア(具体的には「0」に)する。
具体的には、制御部20は、メンテナンスカウンタークリア画面G1において、クリーニング部材91、中間転写ベルト7及びクリーニングローラ94の表示欄MD1,MD2,MD3に対応する「カウンタクリア」キーCB1,CB2,CB3の選択操作を受け付け、「実行」キーEXEを受け付けると、クリーニング部材91、中間転写ベルト7及びクリーニングローラ94のメンテナンス値MC1,MC2,MC3(図10も参照)のうち選択操作を受け付けたメンテナンス値をクリア(具体的には「0」に)する。
そして、制御部20は、メンテナンス部材のメンテナンスカウンター(この例ではクリーニング部材91、中間転写ベルト7及びクリーニングローラ94の少なくとも1つのメンテナンスカウンター)のクリアを検出した場合に、クリーニングモードCMを実行する。
このように、クリーニングモード実行設定CSは、メンテナンス部材(この例ではクリーニング部材91、中間転写ベルト7及びクリーニングローラ94)のメンテナンスカウンターをクリアにする設定であることで、かかるメンテナンスカウンターをクリアにする設定をクリーニングモード実行設定CSと兼用することができ、それだけサービスマン等の作業者の操作性を向上させることができる。
ここで、制御部20は、クリーニングモードCMを実行すると、メンテナンスカウンターに「1」を加算するようにしてもよい。
−供給用トナー像の一面画像−
第1実施形態及び第2実施形態において、供給用トナー像STは、中間転写ベルト7の回転方向Dに直交する中間転写ベルト7の表面に沿った方向(幅方向Y、主走査方向)において予め定めた所定の寸法d1(図11参照)で一面に形成された一面画像(所謂ベタ画像、以下、ベタ画像という。)とされている。
詳しくは、供給用トナー像STは、幅方向Yにおいて有効画像形成領域全体に亘って一面に形成されている。ここで、有効画像形成領域とは、画像形成装置100で形成できる幅方向Yにおける最大の画像形成領域(具体的には露光ユニット4にてレーザービームが主走査方向に走査される最大の走査範囲)をいう。
この例では、中間転写ベルト7は、幅方向Yにおけるサイズが319mmとされ、クリーニング部材91は、幅方向Yにおけるサイズが330mmとされ、供給用トナー像STは、幅方向Yにおけるサイズがクリーニング部材91の幅方向Yにおけるサイズ程度又はクリーニング部材91の幅方向Yにおけるサイズよりも若干小さいサイズとされている。
このように、供給用トナー像STは、中間転写ベルト7の回転方向Dに直交する中間転写ベルト7の表面に沿った方向(幅方向Y、主走査方向)において所定の寸法d1で一面に(具体的には有効画像形成領域全体に亘って一面に)形成されたベタ画像とされていることで、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部において、中間転写ベルト7の回転方向Dに直交する中間転写ベルト7の表面に沿った方向でトナーを全体的にかつ均一又は略均一に供給することができ、これにより、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数を均等又は略均等に小さくすることができ、従って、トナー消費量を抑えた状態でクリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数の増大に起因するクリーニング不良を安定的に防止することができる。
ここで、ベタ画像とは、画像形成装置100が出せる最大濃度のベタ画像の他、最大濃度よりも淡いハーフトーンのベタ画像も含む概念である。
−トナーパターン検出モード−
図13は、画像形成装置100における中間転写ベルト7上にトナーパターン(所謂トナーパッチ、以下、トナーパッチという。)TPを形成した状態を模式的に示す平面図である。
制御部20は、中間転写ベルト7に予め定めた所定のトナーパッチTP(図13参照)を形成してトナーパッチを検出するトナーパッチ検出モードTM(図10参照)(この例ではトナー濃度や現像バイアス等の調整といった画像形成条件を制御するプロセスコントロールモード)をさらに有している
詳しくは、制御部20は、ブラック用、シアン用、マゼンタ用及びイエロー用の各トナーパッチTP〜TPを中間転写ベルト7上に形成する。
具体的には、制御部20は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各感光体2a,2b,2c,2d上に露光ユニット4にてブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各トナーパッチTP〜TPに対応する静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像ユニット5a,5b,5c,5dにてトナー像に現像し、現像したトナー像をブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各トナーパッチTP〜TPとして1次転写ユニット6a,6b,6c,6dにて中間転写ベルト7に静電的に転写する。
この例では、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー用の各トナーパッチTP〜TPは、中間転写ベルト7上において中間転写ベルト7の幅方向Yにおける両端部に形成されている。
画像形成装置100は、トナーパッチTP〜TPを検知するトナー像センサ19(図10、図11及び図13参照)をさらに備えている。
トナー像センサ19は、中間転写ベルト7の幅方向Y(主走査方向)の異なる位置に形成される各トナーパッチTP〜TP,TP〜TPに対応して設けられている。この例では、トナー像センサ19は、第1トナー像センサ19a及び第2トナー像センサ19bからなっている。第1トナー像センサ19a及び第2トナー像センサ19bは、中間転写ベルト7上の幅方向Yにおける複数箇所の各トナーパッチTP〜TP,TP〜TPが形成されるべき位置に対向して配設されている。第1トナー像センサ19a及び第2トナー像センサ19bは、中間転写ベルト7の回転方向D(左右方向X、副走査方向)で揃うように(オーバーラップするように)幅方向Y(主走査方向)に沿って配設されている。なお、中間転写ベルト7の幅方向Yにおける複数箇所で各トナーパッチTP〜TP,TP〜TPを検知する場合、その値は、該複数箇所で検知した値の平均値をとすることができる。このことは、第1トナー像センサ19a及び第2トナー像センサ19bの後述する供給用トナー像STの検知についても同様である。
ところで、制御部20は、トナーパッチ検出モードTM(この例ではトナー濃度や現像バイアス等の調整といった画像形成装置100の画像形成条件を制御するプロセスコントロールモード)をさらに有している場合、トナーパッチTPを中間転写ベルト7に形成してクリーニング部材91でトナーパッチTPをクリーニングさせたとしても、通常は、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部にトナーを滑り剤としての役割を確実に果たす程度に存在させることができず、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数の増大に起因するクリーニング不良を招く。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、トナーパッチ検出モードTMを実行するのに先立ってクリーニングモードCMを実行する。
こうすることで、クリーニングモードCMをトナーパッチ検出モードTMよりも前に実行してクリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部にトナーを滑り剤としての役割を確実に果たす程度に存在させることができ、これにより、トナーパッチ検出モードTMにおいて、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数の増大に起因するクリーニング不良を有効に回避することができる。
なお、この例では、トナーパッチ検出モードTMを画像形成装置100の画像形成条件を制御するプロセスコントロールモードとしたが、それに限定されるものではなく、トナーパッチ検出モードTMとしては、トナーパッチTPを検出するモードであれば、何れのモードであってもよい。
−供給用トナー像の量−
ところで、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部には、滑り剤としての役割を確実に果たす程度の量(具体的には重量)のトナーを供給することが好ましい。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、供給用トナー像STは、全体のトナーの量が予め定めた所定の量になるように形成されている。
詳しくは、制御部20は、全体のトナーの量が予め定めた所定の量になるように供給用トナー像STを形成する。従って、供給用トナー像STの中間転写ベルト7の回転方向D(左右方向X、副走査方向)における寸法d2(図11参照)は、全体のトナーの量、主走査方向の寸法d1及びベタ画像の濃度によって決まる。すなわち、画像形成装置100が出せる最大濃度のベタ画像の供給用トナー像STの回転方向D(副走査方向)の長さは、最大濃度よりも淡いハーフトーンのベタ画像の供給用トナー像STの回転方向D(副走査方向)の長さよりも短くなる。
このように、供給用トナー像STは、全体のトナーの量(具体的には重量)が所定の量(具体的には重量)以上になるように形成されていることで、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部に滑り剤としての役割を確実に果たす程度の量(具体的には重量)のトナーを確実に供給することができる。
−イエロートナーによる供給用トナー像−
ところで、ブラックトナーには、通常は、カーボンが含まれている。このように、カーボンが含まれているブラックトナーは、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部に供給する滑り剤としては適さない。このため、供給用トナー像STを形成するトナーとして、互いに異なる複数色のシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー等のカラートナーを用いることが好ましい。このうち、イエロートナーは、通常は、他のカラートナーに比べて使用頻度が低いことが多い。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、供給用トナー像STを形成するトナーは、イエロートナーである。
詳しくは、制御部20は、イエロートナーTd用の画像形成ステーションpdで供給用トナー像STを形成する。
具体的には、制御部20は、イエロー用の感光体2d上に露光ユニット4にてイエローの供給用トナー像STに対応する静電潜像を形成し、形成した静電潜像を現像ユニット5dにてトナー像に現像し、現像したトナー像をイエローの供給用トナー像STとして1次転写ユニット6dにて中間転写ベルト7に静電的に転写する。
このように、供給用トナー像STを形成するトナーは、イエロートナーTdであることで、イエロートナーTdは、通常は、他のカラートナーに比べて使用頻度が低いことが多いことから、イエロートナーTdを供給用トナー像STに使用しても、他のカラートナー(例えばシアントナーTbやマゼンタトナーTc)を使用するよりも、実使用上有利である。
なお、カラートナーのそれぞれの残量(具体的にはトナーカートリッジの残量)を検知して複数色のカラートナーのうちトナーの残量が最も多い(換言すれば使用頻度が最も少ない)カラートナーを供給用トナー像STの形成に使用するようにしてもよい。
−クリーニングモードの終了−
ところで、クリーニングモードCMにおいて中間転写ベルト7の回転方向Dにおいて供給用トナー像STの上流側端(後端)がクリーニング部材91を通過したときに、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部に存在するトナーの量(具体的には重量)を滑り剤としての役割を確実に果たす程度の規定の量(具体的には重量)以上にすることが好ましい。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、クリーニングモードCMにおいて中間転写ベルト7の回転方向Dにおける供給用トナー像STの上流側端(後端)がクリーニング部材91を通過したことを検出することによりクリーニングモードCMの実行を終了する。
ここで、制御部20の供給用トナー像STの後端がクリーニング部材91を通過したか否かは、トナー像センサ19が供給用トナー像STの後端を検知してから予め定めた所定の時間経過したか否かで検出することができる。
このように、クリーニングモードCMにおいて中間転写ベルト7の回転方向Dにおける供給用トナー像STの上流側端(後端)がクリーニング部材91を通過したことを検出することによりクリーニングモードの実行を終了することで、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部に存在するトナーの量(具体的には重量)を滑り剤としての役割を確実に果たす程度の規定の量(具体的には重量)以上にすることができる。
−クリーニングモードの中断−
ところで、クリーニングモードCMの実行中に途中で画像形成装置100の動作が停止〔例えば前カバー101、側面ドア102の開放等によりインターロックスイッチ50(図10参照)のオフ動作により、或いは、電源オフにより中断〕した場合には、クリーニングモードCMにおいて中間転写ベルト7の回転方向Dにおける供給用トナー像STの上流側端(後端)がクリーニング部材91を通過していないため、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部に存在するトナーの量(具体的には重量)を滑り剤としての役割を確実に果たす程度の規定の量(具体的には重量)以上にすることができない。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、クリーニングモードCMの実行中に画像形成装置100の動作が停止した場合には、再度、クリーニングモードCMを最初からやり直す。
こうすることで、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部に存在するトナーの量(具体的には重量)を確実に滑り剤としての役割を確実に果たす程度の規定の量(具体的には重量)以上にすることができる。
−クリーニングモードの設定−
ところで、クリーニング部材91が中間転写ベルト7から離された際に、サービスマン等の作業者が手作業でクリーニング部材91にトナーを塗布することもある。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、クリーニングモードCMの実行を許可する許可設定と、クリーニングモードCMの実行を禁止する禁止設定とを選択的に切り替え可能な構成とされている。そして、制御部20は、許可設定が設定されている場合にクリーニングモードCMの実行を許可する一方、禁止設定が設定されている場合にはクリーニングモードCMの実行を禁止する。
この例では、クリーニングモードCMの実行の許可設定及び禁止設定は、ソフトスイッチによる設定である。
詳しくは、記憶部22におけるクリーニングモード実行用フラグFL1(図10参照)において、禁止設定としてオフ(この例では「0」)が記憶され、かつ、許可設定としてオン(この例では「1」)が記憶される。なお、クリーニングモード実行用フラグFL1の初期設定値は、オフ(この例では「0」)が記憶されている。そして、制御部20は、記憶部22におけるクリーニングモード実行用フラグFL1がオン(例えば「1」)のときのクリーニングモードCMの実行を許可する一方、クリーニングモード実行用フラグFL1がオフ(この例では「0」)のときにクリーニングモードCMの実行を禁止する。
図14は、操作部103における表示部103aに表示されるシミュレーションモードのソフトスイッチ設定画面G2を示す平面図である。
図14に示すように、制御部20は、サービスマン等の作業者の操作によりシミュレーションモードに入って、表示部103aにおいて図示を省略した選択画面で選択されたソフトスイッチ設定画面G2においてクリーニングモードCMの実行を許可する許可設定と、クリーニングモードCMの実行を禁止する禁止設定とを選択可能に表示する。
具体的には、制御部20は、ソフトスイッチ設定画面G2において、ソフトスイッチのアドレスADの入力欄ADIで各種設定のソフトスイッチの番地(ここではクリーニングモードCMの実行又は非実行を設定するための番地)を「up」キーUK若しくは「down」キーDK又はキー入力欄KIから受け付け、かつ、データDTの入力欄DTIで各種設定のデータ(ここではクリーニングモード実行用フラグFL1のオン「1」又はオフ「0」)をキー入力欄KIから受け付ける。
そして、制御部20は、サービスマン等の作業者の操作により「閉じる」キーCLを受け付けると、記憶部22におけるクリーニングモード実行用フラグFL1にデータ(ここではクリーニングモード実行用フラグFL1のオン「1」又はオフ「0」)を設定し、シミュレーションモードを終了して画像形成装置100を再起動(ウォームアップ)させる。
このように、クリーニングモードCMの実行を許可する許可設定(この例ではクリーニングモード実行用フラグFL1に「1」)と、クリーニングモードCMの実行を禁止する禁止設定(この例ではクリーニングモード実行用フラグFL1に「0」)とを選択的に切り替え可能な構成とされていることで、必要に応じて禁止設定を設定することにより、サービスマン等の作業者が手作業でクリーニング部材91にトナーを塗布する際に、クリーニングモードCMの実行を禁止することができる。
−トナーパッチ検出モードの設定−
第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、トナーパッチ検出モードTMの実行を許可する許可設定と、トナーパッチ検出モードTMの実行を禁止する禁止設定とを選択的に切り替え可能な構成とされている。そして、制御部20は、許可設定が設定されている場合にトナーパッチ検出モードTMの実行を許可する一方、禁止設定が設定されている場合にはトナーパッチ検出モードTMの実行を禁止する。
この例では、トナーパッチ検出モードTMの実行の許可設定及び禁止設定は、ソフトスイッチによる設定である。
詳しくは、記憶部22におけるトナーパッチ検出モード実行用フラグFL2(図10参照)において、禁止設定としてオフ(この例では「0」)が記憶され、かつ、許可設定としてオン(この例では「1」)が記憶される。なお、トナーパッチ検出モード実行用フラグFL2の初期設定値は、オン(この例では「1」)が記憶されている。そして、制御部20は、記憶部22におけるトナーパッチ検出モード実行用フラグFL2がオン(例えば「1」)のときのトナーパッチ検出モードTMの実行を許可する一方、トナーパッチ検出モード実行用フラグFL2がオフ(この例では「0」)のときにトナーパッチ検出モードTMの実行を禁止する。
具体的には、制御部20は、ソフトスイッチ設定画面G2(図14参照)において、ソフトスイッチのアドレスADの入力欄ADIで各種設定のソフトスイッチの番地(ここではトナーパッチ検出モードTMの実行又は非実行を設定するための番地)を「up」キーUK若しくは「down」キーDK又はキー入力欄KIから受け付け、かつ、データDTの入力欄DTIで各種設定のデータ(ここではトナーパッチ検出モード実行用フラグFL2のオン「1」又はオフ「0」)をキー入力欄KIから受け付ける。
そして、制御部20は、サービスマン等の作業者の操作により「閉じる」キーCLを受け付けると、記憶部22におけるトナーパッチ検出実行用フラグFL2にデータ(ここではトナーパッチ検出モード実行用フラグFL2のオン「1」又はオフ「0」)を設定(設定)し、シミュレーションモードを終了する。
−廃トナーボックスのニアエンド検知時のクリーニングモードの実行−
制御部20は、廃トナーボックス90に回収された廃トナーが予め定めた所定量に達した場合に、クリーニングモードCMの実行を禁止する構成とされている。
詳しくは、画像形成装置100は、廃トナーボックス90に回収された廃トナーの満タン間近を検知するニアエンド検知を行うニアエンド検知部60(図10、図11及び図13参照)と、廃トナーボックス90に回収された廃トナーの満タンを検知する満タン検知を行う満タン検知部70(図10、図11及び図13参照)とをさらに備えている。
ニアエンド検知部60及び満タン検知部70は、廃トナーボックス90内に設けられている。ニアエンド検知部60及び満タン検知部70は、制御部20の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部20は、ニアエンド検知部60からニアエンド検知信号によりニアエンド検知を検出(認識)することができる。また、制御部20は、満タン検知部70から満タン検知信号により満タン検知を検出(認識)することができる。
そして、制御部20は、ニアエンド検知部60にてニアエンド検知を検出しても画像形成動作を許容する一方、満タン検知部70にて満タン検知を検出すると、画像形成動作を禁止する構成とされている。
ところで、本実施の形態のように、ニアエンド検知を検出しても画像形成動作を許容する一方、満タン検知を検出すると、画像形成動作を禁止する構成とされている場合、ニアエンド検知を検出している状態において、クリーニングモードCMを実行して、供給用トナー像STの廃トナーを廃トナーボックス90に回収すると、満タン検知を検出する可能性があり、そうすると、画像形成動作を禁止することになってしまう。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、廃トナーボックス90に回収された廃トナーが所定量に達した場合に(この例では廃トナーの満タン間近を検知するニアエンド検知を検出した場合に)、クリーニングモードCMの実行を禁止する。
こうすることで、廃トナーボックス90に回収された廃トナーが所定量に達したこと(この例ではニアエンド検知)を検出すると、クリーニングモードCMの実行を禁止することができ、これにより、満タン検知の検出、ひいては、画像形成動作の禁止を有効に回避することができる。
−トナーエンド検知時のクリーニングモードの禁止−
画像形成装置100は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー用のトナーカートリッジ5ab,5bb,5cb,5dbにトナーが無いことを検知するトナーエンド検知を行うブラック、シアン、マゼンタ、イエロー用のトナーエンド検知部80a,80b,80c,80d(図10参照)をさらに備えている。
ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー用のトナーエンド検知部80a,80b,80c,80dは、制御部20の入力系に電気的に接続されている。これにより、制御部20は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー用のトナーエンド検知部80a,80b,80c,80dからトナーエンド検知信号によりトナーエンド検知を検出(認識)することができる。
そして、制御部20は、ブラック用のトナーエンド検知部80aにてトナーエンド検知を検出すると、モノクロ及びカラーの双方の画像形成動作を禁止する構成とされている。また、制御部20は、シアン、マゼンタ、イエロー用のトナーエンド検知部80b,80c,80dにてトナーエンド検知を検出すると、カラーの画像形成動作を禁止する構成とされている。このとき、制御部20は、ブラック用のトナーエンド検知部80aにてトナーエンド検知を検出していない場合には、モノクロの画像形成動作は許容(継続)する。
ところで、供給用トナー像STを形成するトナー(この例ではイエロートナーTd)が無いことを検知するトナーエンド検知を検出する場合、該トナーエンド検知を検出している状態では、供給用トナー像STを形成することができない。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、供給用トナー像ST(この例ではイエロートナーTd)を形成するトナーが無いことを検知するトナーエンド検知を検出した場合にはクリーニングモードCMの実行を禁止する。
こうすることで、供給用トナー像STを形成するトナー(この例ではイエロートナーTd)が無いことを検知するトナーエンド検知を検出すると、クリーニングモードCMの実行を禁止することができ、これにより、供給用トナー像STの形成動作を有効に回避することができる。
−トナーエンド検知時のクリーニングモードの実行−
ところで、供給用トナー像STを形成するトナーは、本実施の形態のように、互いに異なる複数色のカラートナーのうち何れか1つのカラートナー(この例ではイエロートナーTd)である場合には、供給用トナー像STを形成するカラートナー(この例ではイエロートナーTd)が無くなった場合には、該カラートナーに代えて他のカラートナー(この例ではシアントナーTb又はマゼンタトナーTc)を使用することが好ましい。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、供給用トナー像STを形成するカラートナー(この例ではイエロートナーTd)が無いことを検知するトナーエンド検知を検出した場合には、該カラートナー(この例ではイエロートナーTd)に代えて他のカラートナー(この例ではシアントナーTb又はマゼンタトナーTc)で供給用トナー像STを形成してクリーニングモードCMを実行する。
こうすることで、供給用トナー像STを形成するカラートナー(この例ではイエロートナーTd)が無くなった場合でも、他のカラートナー(この例ではシアントナーTb又はマゼンタトナーTc)で供給用トナー像STを確実に形成することができる。
−カラートナーの優先選択−
ところで、供給用トナー像STを形成する箇所からクリーニング部材91までに到る距離が大きい程、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数の増大に起因するクリーニング不良が発生する可能性が高くなる。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、複数のカラートナーのうち、該複数のカラートナーで供給用トナー像STを形成するそれぞれの箇所からクリーニング部材91までに到る距離が小さいカラートナーを優先して(この例ではシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーの順で)選択することが好ましい。
こうすることで、クリーニング部材91と中間転写ベルト7との当接部の摩擦係数の増大に起因するクリーニング不良が発生する可能性を低減することができる。
なお、供給用トナー像STを形成する箇所からクリーニング部材91までに到る距離に関わらず、供給用トナー像STを形成するトナーとして、イエロートナーを優先して選択することができる。
−中間転写ベルトに対する2次転写部の接離−
離接装置18における駆動部182は、制御部20の出力系に電気的に接続されている(図10参照)。そして、制御部20は、離接装置18における駆動部182に駆動信号を供給する一方、離接装置18における駆動部182への駆動信号の供給を遮断する構成とされている。これにより、制御部20は、離接装置18における駆動部182に駆動信号を供給することにより2次転写ユニット11における2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7から離間させる一方、離接装置18における駆動部182への駆動信号の供給を遮断することにより2次転写ユニット11における2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7に接触させることができる。
ところで、クリーニングモードCMの実行中には2次転写ユニット11の2次転写機能を機能させる必要がなく、また、クリーニングモードCMの実行中に2次転写ユニット11(この例では2次転写ローラ11a)が中間転写ベルト7に接触していると、供給用トナー像STに影響を及ぼし易く、好ましくない。
この点、第1実施形態及び第2実施形態において、制御部20は、クリーニングモードCMを実行するにあたり、供給用トナー像STが2次転写ユニット11を少なくとも通過するときには(この例ではクリーニングモードCMを実行している間)、2次転写ユニット11(この例では2次転写ローラ11a)を中間転写ベルト7から離間させる構成とされている。また、制御部20は、クリーニングモードCMの実行中において供給用トナー像STの後端が2次転写ユニット11(この例では2次転写ローラ11a)を通過したときには(この例ではクリーニングモードCMの実行が終了した場合には)、2次転写ユニット11(この例では2次転写ローラ11a)を中間転写ベルト7に接触させる構成とされている。
こうすることで、2次転写ユニット11を機能させることなく、2次転写ユニット11による供給用トナー像STへの影響を効果的に防止することができる。
なお、クリーニングモードCMの場合での中間転写ベルト7に対する2次転写ローラ11aの接離動作は、トナーパッチ検出モードTMの場合についても同様である。
(クリーニングモードの動作制御)
図15及び図16は、それぞれ、制御部20によるクリーニングモードCMの動作制御の一例の前半部分及び後半部分を示すフローチャートである。
図15に示すように、先ず、制御部20は、サービスマン等の作業者の操作によりシミュレーションモードに入り、メンテナンス部材(この例ではクリーニング部材91、中間転写ベルト7及びクリーニングローラ94)のメンテナンスカウンターのクリア(リセット)操作を受け付けた後(ステップS1)、シミュレーションモードを終了して画像形成装置100のウォームアップを開始する(ステップS2)。
次に、制御部20は、メンテナンス部材のメンテナンスカウンター(この例ではクリーニング部材91、中間転写ベルト7及びクリーニングローラ94の少なくとも1つのメンテナンスカウンター)のクリアを検出したか否かを判断する(ステップS3)。制御部20は、メンテナンスカウンターのクリアを検出していないと判断した場合には(ステップS3:No)、クリーニングモードを実行しないクリーニングモード非実行表示(例えば「クリーニングモードは行われません」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS4)、図16のステップS25に移行する。一方、制御部20は、メンテナンスカウンターのクリアを検出したと判断した場合には(ステップS3:Yes)、ステップS5に移行する。
次に、制御部20は、ソフトスイッチのクリーニングモード実行用フラグFL1がオンになっているか否かを判断する(ステップS5)。制御部20は、クリーニングモード実行用フラグFL1がオフになっていると判断した場合には(ステップS5:No)、クリーニングモード非実行表示(例えば「クリーニングモードは行われません」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS4)、図16のステップS25に移行する。一方、制御部20は、クリーニングモード実行用フラグFL1がオンになっていると判断した場合には(ステップS5:Yes)、ステップS6に移行する。
次に、制御部20は、ニアエンド検知部60により廃トナーボックス90における廃トナーの満タン間近のニアエンド検知を検出したか否かを判断する(ステップS6)。制御部20は、ニアエンド検知を検出したと判断した場合には(ステップS6:Yes)、廃トナーボックス90に回収された廃トナーが満タン間近であることを示すニアエンド表示(例えば「廃トナーが満タン間近です」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS7)、さらに、クリーニングモード非実行表示(例えば「クリーニングモードは行われません」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS4)、図16のステップS25に移行する。一方、制御部20は、ニアエンド検知を検出していないと判断した場合には(ステップS6:No)、ステップS8に移行する。
次に、制御部20は、イエロー用のトナーエンド検知部80dによりイエロー用のトナーカートリッジ5dbにイエロートナーTdが無いことを検知するイエロートナーエンド検知を検出したか否かを判断する(ステップS8)。制御部20は、イエロートナーエンド検知を検出していないと判断した場合には(ステップS8:No)、駆動部182により2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7から離間させ(ステップS9)、イエロートナーTdでクリーニングモードCMを開始する(ステップS10)。一方、制御部20は、イエロートナーエンド検知を検出した判断した場合には(ステップS8:Yes)、イエロートナーTdが無いことを示すイエロートナーエンド表示(例えば「イエロー用のトナーカートリッジ5dbを交換して下さい」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS11)、ステップS12に移行する。
次に、制御部20は、シアン用のトナーエンド検知部80bによりシアン用のトナーカートリッジ5bbにシアントナーTbが無いことを検知するシアントナーエンド検知を検出したか否かを判断する(ステップS12)。制御部20は、シアントナーエンド検知を検出していないと判断した場合には(ステップS12:No)、駆動部182により2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7から離間させ(ステップS13)、シアントナーTbでクリーニングモードCMを開始する(ステップS14)。一方、制御部20は、シアントナーエンド検知を検出した判断した場合には(ステップS12:Yes)、シアントナーTbが無いことを示すシアントナーエンド表示(例えば「シアン用のトナーカートリッジ5bbを交換して下さい」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS15)、ステップS16に移行する。
次に、制御部20は、マゼンタ用のトナーエンド検知部80cによりマゼンタ用のトナーカートリッジ5cbにマゼンタトナーTcが無いことを検知するマゼンタトナーエンド検知を検出したか否かを判断する(ステップS16)。制御部20は、マゼンタトナーエンド検知を検出していないと判断した場合には(ステップS16:No)、駆動部182により2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7から離間させ(ステップS17)、マゼンタトナーTcでクリーニングモードCMを開始する(ステップS18)。一方、制御部20は、マゼンタトナーエンド検知を検出した判断した場合には(ステップS16:Yes)、マゼンタトナーTcが無いことを示すマゼンタトナーエンド表示(例えば「マゼンタ用のトナーカートリッジ5cbを交換して下さい」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS19)、さらに、クリーニングモード非実行表示(例えば「クリーニングモードは行われません」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS4)、図16のステップS25に移行する。
次に、制御部20は、図16に示すように、インターロックスイッチ50のオフ等によりクリーニングモードCMが中断したか否かを判断する(ステップS20)。制御部20は、クリーニングモードCMが中断したと判断した場合には(ステップS20:Yes)、クリーニングモードCMを再度最初から実行することを示すクリーニングモード再実行表示(例えば「クリーニングモードを再度実行します」といった表示)を表示部103aに表示し(ステップS21)、図15のステップS8に移行する。一方、制御部20は、クリーニングモードCMが中断していないと判断した場合には(ステップS20:No)、トナー像センサ19により供給用トナー像STの後端がクリーニング部材91を通過したことを検出したか否かを判断する(ステップS22)。制御部20は、供給用トナー像STの後端のクリーニング部材91への通過を検出していないと判断した場合には(ステップS22:No)、ステップS20に移行する。一方、制御部20は、供給用トナー像STの後端のクリーニング部材91への通過を検出したと判断した場合には(ステップS22:Yes)、クリーニングモードCMを終了し(ステップS23)、駆動部182により2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7に接触させる(ステップS24)。
次に、制御部20は、ソフトスイッチのトナーパッチ検出モード実行用フラグFL2がオンになっているか否かを判断する(ステップS25)。
制御部20は、トナーパッチ検出モード実行用フラグFL2がオンになっていると判断した場合には(ステップS25:Yes)、トナーパッチ検出モードTM(この例ではプロセスコントロールモード)を開始し(ステップS26)、トナーパッチ検出モードTMを実行した後、トナーパッチ検出モードTMを終了し(ステップS27)、画像形成装置100のウォームアップを終了する(ステップS28)。ここで、図16のフローチャートでは図示を省略したが、制御部20は、クリーニングモードCMの場合と同様に、トナーパッチ検出モードTMを実行するにあたり、トナーパッチTP〜TPが2次転写ユニット11を少なくとも通過するときには(この例ではトナーパッチ検出モードTMを実行している間)、2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7から離間させる。また、制御部20は、トナーパッチ検出モードTMの実行中においてトナーパッチTP〜TP(最後部のトナーパッチTP)の後端が2次転写ローラ11aを通過したときには(この例ではトナーパッチ検出モードTMの実行が終了した場合には)、2次転写ローラ11aを中間転写ベルト7に接触させる。従って、制御部20は、クリーニングモードCM及びトナーパッチ検出モードTMの双方の実行する場合、クリーニングモードCM終了の際の2次転写ローラ11aの中間転写ベルト7への接触処理(ステップS24)及びトナーパッチ検出モードTM開始の際の2次転写ローラ11aの中間転写ベルト7からの離間処理を省略することができる。
一方、制御部20は、トナーパッチ検出モード実行用フラグFL2がオフになっていると判断した場合には(ステップS25:No)、そのまま、画像形成装置100のウォームアップを終了する(ステップS28)。
(その他の実施形態)
なお、以上説明した例では、トナー像担持体を中間転写ベルト7とし、クリーニングモードCMにおいてベルトクリーニングユニット9におけるクリーニング部材91で供給用トナー像STをクリーニングしたが、トナー像担持体を感光体2a,2b,2c,2dとし、クリーニングモードCMにおいて感光体クリーニングユニット8a,8b,8c,8dにおけるクリーニング部材で供給用トナー像STをクリーニングするようにしてもよい。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。