JP6836016B2 - 電解銅析出用のめっき組成物、その使用、および基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させる方法 - Google Patents

電解銅析出用のめっき組成物、その使用、および基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させる方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6836016B2
JP6836016B2 JP2020518643A JP2020518643A JP6836016B2 JP 6836016 B2 JP6836016 B2 JP 6836016B2 JP 2020518643 A JP2020518643 A JP 2020518643A JP 2020518643 A JP2020518643 A JP 2020518643A JP 6836016 B2 JP6836016 B2 JP 6836016B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
unsubstituted
groups
plating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020518643A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020536168A (ja
Inventor
ヴァハター フィリップ
ヴァハター フィリップ
プフィルマン クリスティーナ
プフィルマン クリスティーナ
クレチュマー シュテファン
クレチュマー シュテファン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Atotech Deutschland GmbH and Co KG
Original Assignee
Atotech Deutschland GmbH and Co KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Atotech Deutschland GmbH and Co KG filed Critical Atotech Deutschland GmbH and Co KG
Publication of JP2020536168A publication Critical patent/JP2020536168A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6836016B2 publication Critical patent/JP6836016B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/38Electroplating: Baths therefor from solutions of copper
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B17/00Azine dyes
    • C09B17/02Azine dyes of the benzene series

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Description

発明の分野
本発明は、電解銅析出用のめっき組成物、それらの使用、および基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させる方法に関する。
発明の背景
銅めっきのさまざまな方法および析出溶液を使用して、装飾的で明るく平坦な表面、例として大きな表面が、金属またはプラスチック材料に生成される。とりわけ、それらの方法および溶液を使用して、たとえば衛生設備または自動車設備用の装飾コーティングの分野では延性層が形成されるが、この場合、たとえば腐食防止層および/または装飾層用の異なる金属層をその後に析出させるための中間銅層が必要である。
基材表面の最終的な金属層には、均一で明るい外観が特に要求される。銅層の電気めっき中の電流密度分布は狭い範囲内にあるため、複雑な形状を持たない基材上で外観の均一性を容易に実現できる。
光沢剤、レベラー、界面活性剤として知られているさまざまな添加剤を添加してもよく、これらは、たとえば明度の分布および平坦な析出を考慮した析出の品質ならびに適用可能な電流密度および浴安定性を考慮した析出浴の特性を担う。
フェナジニウム化合物としての特定の染料(または当該技術分野で参照されるフェナンジン染料)および明るい銅層を生成するためのその誘導体の利用は昔から知られている。たとえば独国特許発明第947656号明細書に記載されているこれらのフェナジニウム化合物は、銅コーティングの電解製造用の浴中添加剤として使用される。そのような染料は、特に大量に使用される場合、特定の欠点を有する。たとえば、こぼれた場合、それらの除去が難しく、それらは非常に高価であり、銅めっきプロセスのコストを大幅に増加させる。さらに、多くの市販のフェナジニウム化合物は、アニリンおよびニトロベンゼンなどの、しばしば毒性である使用済み出発物質を一定量含んでいる。
米国特許第6,518,182号明細書は、Tetronic(登録商標)TR 704、ヤヌスブラックおよびMPSを含む銅電解質の使用を開示している(実施例2)。
特開2013−044035号公報および特開2013−044007号公報は、光沢剤、促進剤および任意に以下の成分:(a)アミドおよびアミノ酸に属さない窒素含有有機化合物を含む潤滑剤、(b)高分子界面活性剤または(c)塩化物のうちの少なくとも1種を含む銅電解質を使用する2段階めっきプロセスを報告している。
さらに、上記の銅電解質の中には、電気めっき用に望ましい高電流密度を使用できないものがある。記載されている添加剤は、電流密度の狭い範囲でのみ有効である。
複雑な形状および/または構造化表面を有する基材については、既知の方法およびめっき溶液では十分ではない。過度に平坦な構造、流体力学的欠陥、孔食およびこぶ状めっきなどの望ましくない効果を有しない、装飾的で明るくコンフォーマルな表面を生成することはできない。さらに、既知の溶液を使用する場合、表面層の明るい外観を損なうことなく、また、より高い電流密度を使用することなく、良好なレベリング性能を達成することはできない。特に、突起、異なる深い凹部、または刻み目を持つ小さな構造体は、銅層が構造体の形状に滑らかに追従しない不均一な表面外観をもたらす、望ましくない異なる銅成長を示す。
さらに、特に明るく、すなわち鏡面研磨されているだけでなく、十分に平坦で延性のある銅析出物の再現可能な品質を達成することはしばしば不可能である。先行技術の別の欠点は、当該技術分野で知られている銅電解質から形成された銅層の粗さが、多くの用途にとって高すぎるだけでなく、浴の寿命にわたって急速に増加することである。それに、引掻き傷または他の凸凹などの欠陥を有する基材が使用される場合、銅電解質は少なくとも部分的にそれを補償し、理想的には下地の基材の凸凹をもはや示さない滑らかな銅層を形成できるようにすることが最も重要である。
銅層の粗さは、銅層の外観、たとえばそれらの光沢に影響を与える可能性がある。上記の粗さの増加についての1つの説明が、電解質における個々の成分の急速な消費であり、これは電解質の補充により部分的に克服され得る。しかしながら、そのような化合物の補充は、すべての化合物が同じ比率で消費されるわけではなく、成分の不正確な添加がさらに望ましくない効果をもたらす可能性があるため、多大な労力を要してこのニーズに適応させる必要がある。したがって、この困難な最適化の改善が、当該技術分野で強く望まれている。
本発明の目的
したがって、本発明の1つの目的は、金属またはプラスチック基材などのワークピースのメタライゼーション中の既知のめっき組成物および方法の欠点を回避すること、より具体的には、特に明るいだけでなく、平坦で延性のある銅コーティングを再現可能に製造することを可能にする添加剤を提供することである。
本発明の別の目的は、先行技術の欠点を回避することを可能にし、めっき組成物および電解銅析出用の方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、めっき組成物の改善されたレベリング効果を可能にすることであり、これにより、基材の表面、特に、凸凹または引掻き傷などの欠陥を示す基材の表面に形成される銅析出物の粗さが少なくなる。
本発明の概要
上記表題の目的は、銅イオン、ハロゲン化物イオンおよび少なくとも1種の酸を含む電解銅析出用の本発明によるめっき組成物において、めっき組成物がさらに、
(a)下記式(BT)
Figure 0006836016
[式中、
BT1は、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から選択され、
BT2およびRBT3は、独立して、置換および非置換のアルキル基であり、
BT4、RBT5、RBT6およびRBT7のそれぞれは、水素、置換および非置換のアルキル基、ならびに置換、非置換のオキシアルキル基、ならびに
Figure 0006836016
[式中、RBT8は、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から選択され、
BT9、RBT10、RBT11およびRBT12のそれぞれは、水素、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のオキシアルキル基、ならびにスルホン酸基からなる群から独立して選択される]からなる群から独立して選択される]で表される少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物と、
(b)少なくとも1種のフェナンジン染料と、
(c)下記式(ED)
Figure 0006836016
[式中、
ED1、RED2、RED3およびRED4は、置換および非置換のオリゴ(オキシアルカンジイル)基、ならびに置換および非置換のポリ(オキシアルカンジイル)基からなる群から独立して選択される]により表される少なくとも1種のエタンジアミン誘導体と
を含むことを特徴とする、本発明によるめっき組成物によって解決される。
上記の目的は、本発明によるめっき組成物を使用して、基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させることによっても解決される。
上記の目的は、銅層または銅合金層を基材の少なくとも1つの表面上に電解析出させる本発明の方法であって、以下の方法ステップ:
i)基材を準備するステップと、
ii)基材を本発明によるめっき組成物と接触させるステップと、
iii)基材と少なくとも1つのアノードとの間に電流を印可し、それによって前記層を基材の少なくとも1つの表面上に析出させるステップと
を含む方法によってさらに解決される。
本発明者らは、成分a)下記式(BT)で表されるベンゾチアゾール化合物と、b)少なくとも1種のフェナンジン染料と、c)下記式(ED)で表される少なくとも1種のエタンジアミン誘導体とが、本明細書に記載されている上記の目的および利点を達成するための電解銅析出用のめっき組成物中で相乗的に作用することを見出した(たとえば、比較例1〜3対本発明による実施例1および2を参照)。本発明の好ましい実施形態は、とりわけ従属請求項に示されている。
本発明によるめっき組成物、その使用、および銅層または銅合金層を電解析出させるための本発明の方法により、より平坦な銅層または銅合金層の形成が可能になる。非常に広範囲の電流密度を本発明による方法に適用して、前記層をさらに光沢のあるものにできる。さらに、それらの明度および鏡面研磨された外観は、本発明による方法において、また、本発明によるめっき組成物を用いることで、広範囲の電流密度にわたって達成可能である。
有利には、本発明によるめっき組成物は、電解析出された銅層または銅合金層の特性を実質的に変化させることなく、長時間のめっき期間にわたって使用することができる。例示的に、レベリング特性はかなり長期間にわたって保持される(本発明による実施例3および比較例4を参照)。
本発明の別の利点は、銅層が望ましい機械的特性を有すること、たとえば、それらが延性であり、基材の下地表面に対する接着が優れていることである。
本発明のさらに別の利点は、本発明による電解銅析出用のめっき組成物が非常に高い均一電着性を有することである。例示的に、それが非常に均一な銅層の形成を可能にする。この効果は、プロセスをさらに促進し、プロセスの更なる最適化を可能にする広範囲の電流密度にわたって特に有利に存在する。
発明の詳細な説明
特に明記しない限り、この明細書全体のパーセンテージは重量パーセント(重量%)である。本明細書で示される濃度は、特に明記しない限り、溶液/組成物全体の体積または質量を指す。化学物質の濃度が示されている場合、前記濃度は、純粋な化学物質(たとえばHSO)が96重量%硫酸などの調製物として使用される場合であっても、それらを基準にして示される。「析出」および「めっき」という用語は、本明細書では互換的に使用される。それに「層」および「析出物」も、本明細書では同義的に使用される。
本明細書に記載される本発明の実施形態は、これが技術的に実行可能でないか、または特に除外されない限り、組み合わせられると理解される。
本発明による「アルキル基」という用語は、環状および/または非環状構造要素を含む分岐または非分岐のアルキル基を含み、ここで、アルキル基の環状構造要素は、少なくとも3個の炭素原子を必然的に必要とする。本明細書および特許請求の範囲におけるC〜C−アルキル基は、1〜X個の炭素原子(Xは整数)を有するアルキル基を指す。たとえば、C〜C−アルキル基には、とりわけ、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルが含まれる。置換アルキル基は、理論的には、少なくとも1個の水素を官能基で置き換えることにより得られる。特に明記しない限り、アルキル基は、それらの水への溶解性が向上するため、好ましくは、置換または非置換のC〜C−アルキル基から選択され、より好ましくは、置換または非置換のC〜C−アルキル基から選択される。
本発明による「アリール基」という用語は、環状の芳香族炭化水素残基、たとえばフェニルまたはナフチル(この場合、個々の環炭素原子は、N、Oおよび/またはSで置き換えられてもよい)、たとえばベンゾチアゾリルを指す。さらに、アリール基は、それぞれの場合に水素原子を官能基で置き換えることにより任意に置換される。C〜C−アリール基という用語は、環状の芳香族基中に5〜X個の炭素原子(任意にN、Oおよび/またはSで置換され、Xは整数である)を有するアリール基を指す。特に明記しない限り、アリール基は、それらの水への溶解性が向上するため、好ましくは、置換または非置換のC〜C10−アリール基から選択され、より好ましくは、置換または非置換のC〜C−アリール基から選択される。C−アリール基は、NまたはOなどのヘテロ原子の存在を必然的に必要とする。アルキルリチウムなどの強力な還元剤を使用して、適切なシクロペンタジエン誘導体から芳香族シクロペンタジエンアニオンを調製できるが、これらのアニオンは水中では安定しないため、好ましくは使用されない。当該技術分野および本明細書のさまざまな化学式において、フェニル基は「Ph」として表される。
「アルカンジイル基」という用語は、2つの結合部位を有するアルキル基の対応する誘導体である。アルカンジイル基は、当該技術分野ではアルキレン基と呼ばれることもある。本明細書(Xは整数)および特許請求の範囲におけるC〜C−アルカンジイル基は、1〜X個の炭素原子、たとえば1〜12個の炭素原子を有するアルカンジイル基を指す。アルカンジイル基の例は、1,1−メタンジイル、1,2−エタンジイル、1,1−エタンジイル、1,1−プロパンジイル、1,2−プロパンジイル、1,3−プロパンジイルである。特に明記しない限り、アルカンジイル基は、それらの水への溶解性が向上するため、好ましくは、置換または非置換のC〜C−アルカンジイル基から選択され、より好ましくは、置換または非置換のC〜C−アルカンジイル基から選択される。
本発明による「アルカリール基」という用語は、少なくとも1個のアリール基と、ベンジル(−CH−C)およびp−トリル(−C−CH)などの少なくとも1個のアルキル基とを含む炭化水素基を指す。そのようなアルカリール基の他の部分への結合は、アルカリール基のアルキル基またはアリール基を介して起こり得る。アルキル基およびアリール基に対する上記の選択は、必要な変更を加えてアルカリール基に適用される。特に好ましいアルカリール基は、ベンジルおよびトリルである。
本発明による「オキシアルキル基」という用語は、少なくとも酸素原子と少なくとも1個のアルキル基とを含む炭化水素基を指す。典型的には、それらは前記酸素原子を介して結合される。オキシアルキル基の例には、メトキシ(−O−CH)、エトキシ(−O−C)、プロポキシ(−O−C)、ブトキシ(−O−C)などが含まれる。
当該技術分野において、「ポリ(オキシアルカンジイル)基」という用語は、「ポリエーテル」、「ポリアルキレングリコール」、「ポリオキシアルキレン」などの用語としばしば互換的に使用される。ポリ(オキシアルカンジイル)基は、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよび/またはスチレンオキシドのようなアルキレンオキシドなどの適切なエポキシドの(開環)重合により調製できる。一般的に、当該技術分野では、「オリゴ」および「ポリ」という接頭語は、必ずしもはっきりと区別されるわけではない。本明細書において、「オリゴ」とは、2〜4個の繰り返し単位を有する化合物を指し、「ポリ」とは、5個以上の繰り返し単位を有する化合物を指す。オリゴ(オキシアルカンジイル)基およびポリ(オキシアルカンジイル)基の文脈において:オリゴ(オキシアルカンジイル)基は、上記のエポキシドに由来する繰り返し単位がより少ない、たとえば2〜4個の、上記のより短い誘導体である。ポリ(オキシアルカンジイル)基は、通常は5個以上の繰り返し単位を有する。
本発明による「アルキルスルホン酸基」という用語は、少なくとも1個のアルキル基に結合した少なくとも1個のスルホン酸基(−SOH)またはその塩(好ましくは、アンモニウムスルホン酸塩、アルカリ金属スルホン酸塩、またはアルカリ土類金属スルホン酸塩)を含む炭化水素基を指す。本明細書(Xは整数)および特許請求の範囲におけるC〜C−アルキルスルホン酸基は、1〜X個、たとえば1〜8個の炭素原子を有するアルキルスルホン酸基を指す。
特に明記しない限り、上記で定義された基は、置換(当該技術分野では「官能化」とも呼ばれる)または非置換(当該技術分野では「非官能化」とも呼ばれる)である。置換基としての官能基は、好ましくは、ヒドロキシル(−OH)、アミノ(−NR、ここで、各Rは、水素、アルキル基およびアリール基からなる群から独立して選択され、好ましくは、両方のRは水素である)、オキシ(=O)およびカルボキシル(−COH)からなる群から選択されて、関連化合物の水への溶解性を改善する。
2個以上の残基(置換基)が特定の群から選択される場合、本明細書で特に明記しない限り、各残基は互いに独立して選択される。化学式におけるアステリスクは、その式の結合部位を強調することを意図している。化学式と化合物の名前が一致しない場合、化学式が優先される。さらに、常用名はIUPAC名よりも優先されるものとし、これは主題をさらに説明するのにも役立つ。
以下、上記の目的を解決し、本明細書に記載される利点を達成するのに特に効果的であることが見出された本発明の詳細および好ましい実施形態を説明する。
本発明によるめっき組成物は、通常は水溶液である。「水溶液」という用語は、溶液中の溶媒である占有的な液体媒体が水であることを意味する。たとえばアルコールおよび他の極性有機液体などの水と混和性の液体をさらに添加してもよい。その生態学的に良性の特性のために、水のみを使用することが好ましい(すなわち、組成物中のすべての溶媒を基準として99重量%超、より好ましくは、すべての溶媒を基準として99.9重量%超)。
本発明によるめっき組成物は銅イオンを含む。銅イオンは、少なくとも1種の水溶性銅塩または銅錯体を使用することにより、めっき組成物中に含められる。そのような水溶性銅塩および銅錯体は、好ましくは、硫酸銅、メタンスルホン酸銅などのアルキルスルホン酸銅、p−トルエンスルホン酸銅およびフェニルスルホン酸銅などのアリールスルホン酸銅、塩化銅などのハロゲン化銅、酢酸銅、クエン酸銅、フルオロホウ酸銅、酸化銅、炭酸銅および前述したものの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、硫酸銅、アルキルスルホン酸銅または前述したものの混合物が銅イオン源として使用される。硫酸銅が最も好ましい。
好ましくは、銅イオンの濃度は、10〜100g/L、好ましくは20〜80g/L、より好ましくは30〜60g/Lの範囲である。銅イオンの濃度が高すぎると、たとえば使用される少なくとも1種の酸に応じて溶解性の問題が生じることもある一方で、濃度が低すぎると、銅層または銅合金層の析出が減速する場合がある。
より好ましくは、本発明によるめっき組成物イオンにおけるすべての還元可能な金属イオンの95重量パーセント以上が銅イオンである;さらにより好ましくは、本発明によるめっき組成物イオンにおけるすべての還元可能な金属イオンの99重量パーセント以上が銅イオンである。本発明の文脈における還元可能な金属イオンは、所定の条件下で析出させて金属層または金属合金層を形成できる金属イオンとして理解される。そのような還元可能な金属イオンには、たとえば、金イオン、スズイオン、銀イオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、パラジウムイオン、鉄イオンおよび天然銅イオンが含まれる。これらの還元可能な金属イオンには、通常適用される条件下ではそれらの金属状態に還元できないため、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンは含まれない。さらにより好ましくは、本発明による銅めっき浴は、銅イオン以外の更なる還元可能な金属イオンを含まない(技術原料に一般に存在する微量の不純物およびFe3+/Fe2+などの典型的に使用される酸化還元対、すなわち、銅イオンに対するそのような更なる還元可能な金属イオンの0.1重量%未満は無視する)。特に、本発明によるめっき組成物は、意図的に添加された亜鉛イオンおよび/またはスズイオンを含まない。亜鉛および/またはスズと銅との共析出は、形成された析出物の導電率を純粋な銅と比較して著しく低下させ、亜鉛と銅とのそのような共析出物をエレクトロニクス産業での使用に適さないものとし、色、光沢などに関する、そのような析出物の外観を大幅に変える。本発明によるめっき組成物は、純粋な銅層(≧99重量%の銅、好ましくは≧99.9重量%の銅)の析出に特に有用である。
本発明によるめっき組成物はハロゲン化物イオンを含む。好ましくは、ハロゲン化物イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび前述したものの混合物からなる群から選択される。ハロゲン化物イオンは、より好ましくは、塩化物イオンである。ハロゲン化物イオンは、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化リチウムなどのアルカリ性ハロゲン化物として、かつ/または塩化水素などのハロゲン化水素として、本発明によるめっき組成物に添加される。ハロゲン化物イオンは、本明細書に記載される他の添加剤の成分として、たとえば、少なくとも1種のフェナンジン染料の対イオンとして部分的または完全に添加されてもよい。好ましくは、ハロゲン化物イオンの総濃度は、10〜250mg/L、より好ましくは50〜150mg/L、さらにより好ましくは70〜130mg/Lの範囲である。
本発明によるめっき組成物は、少なくとも1種の酸を含む。本発明の一実施形態では、少なくとも1種の酸はブレンステッド酸である。好ましくは、少なくとも1種の酸は、硫酸、有機硫酸(たとえば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびプロパンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、ならびにアルカノールスルホン酸)、フルオロホウ酸、リン酸および前述したものの混合物からなる群から選択され、好ましくは、少なくとも1種の酸は硫酸であるか、または硫酸を含む混合物がその高い伝導性のために使用される。
好ましくは、少なくとも1種の酸の総濃度は、0.1〜1.5mol/L、好ましくは0.3〜1.3mol/L、より好ましくは0.6〜0.82mol/Lの範囲である。少なくとも1種の酸の総濃度は、2種以上の酸が使用される場合、使用されるすべての酸の全体濃度が、好ましくは上記で定義された範囲であることを意味する(この推論は、必要な変更を加えて、本明細書に記載されるすべての濃度に適用される)。前記濃度範囲は、特に、本発明によるめっき組成物のレベルリング特性を改善する。
本発明によるめっき組成物は、式(BT)で表される少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物を含む。式(BT)で表される少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物を、以下「ベンゾチアゾール化合物」と呼ぶ。
少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物はカチオン性であり、したがって、通常は対イオンが存在する。任意のアニオンを対イオンとして使用できる。そのような対イオンは、好ましくは、水酸化物、硫酸水素塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トルエンスルホン酸塩およびメタン硫酸塩(CH−O−SO )からなる群から選択される。より好ましくは、前記対イオンは、塩化物およびメタン硫酸塩からなる群から選択される。
典型的には、上記の対イオンは、ベンゾチアゾール化合物の1つのカチオン電荷を中和するのに十分な量で使用される。たとえば、2つのベンゾチアゾール化合物に対して1つの硫酸イオンが存在すれば、基礎となる電気的中性要件を満たすのに十分である。
好ましくは、RBT1は、置換および非置換のC〜C−アルキル基、置換および非置換のフェニル基、ならびに置換および非置換のベンジル基からなる群から選択される。より好ましくは、RBT1は、メチル基およびベンジル基からなる群から選択される。
好ましくは、RBT2およびRBT3は、独立して、置換および非置換のC〜C−アルキル基である。より好ましくは、RBT2およびRBT3は、メチル基およびエチル基から独立して選択される。本発明の一実施形態では、RBT2およびRBT3は、そのような化合物の調製を促進するために同じ基であるように選択される。
好ましくは、RBT4、RBT5、RBT6およびRBT7のそれぞれは、水素、置換および非置換のC〜C−アルキル基、置換および非置換のC〜C−オキシアルキル基、ならびに
Figure 0006836016
[式中、RBT8は、置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択され、RBT9、RBT10、RBT11およびRBT12のそれぞれは、水素、置換および非置換のC〜C−アルキル基およびスルホン酸からなる群から独立して選択される]からなる群から独立して選択される。
より好ましくは、RBT4、RBT5、RBT6およびRBT7のそれぞれは、水素、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基および
Figure 0006836016
[式中、RBT8は、メチル基およびエチル基からなる群から選択され、RBT9、RBT10、RBT11およびRBT12のそれぞれは、水素、メチル基、エチル基およびスルホン酸基からなる群から独立して選択される]からなる群から独立して選択される。
好ましくは、RBT11およびRBT12は水素である。
本発明の好ましい実施形態では、RBT6およびRBT7は水素であり、RBT4およびRBT5は、上記で定義された基から選択される。より好ましくは、RBT4、RBT6およびRBT7は水素であり、RBT5は、上記で定義された基から選択される。
好ましくは、RBT4、RBT5、RBT6およびRBT7のうちの1つが
Figure 0006836016
であるか、またはいずれもそうではない。
本発明の好ましい実施形態では、ベンゾチアゾール化合物は、式(BT−1)
Figure 0006836016
[式中、
BT1は、置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択され、
BT2およびRBT3は、メチル基およびエチル基から独立して選択され、
BT5は、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基および
Figure 0006836016
[式中、RBT8は、メチル基およびエチル基からなる群から選択され、RBT9、RBT10、RBT11およびRBT12のそれぞれは、水素、メチル基、エチル基およびスルホン酸基からなる群から独立して選択される]からなる群から選択される]で表される。より好ましくは、RBT11およびRBT12は水素である。この実施形態では、RBT4、RBT6およびRBT7は水素である。
特に好ましくは、少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物は、チオフラビンT(4−(3,6−ジメチル−1,3−ベンゾチアゾール−3−イウム−2−イル)−N,N−ジメチルアニリンクロリド、ベーシックイエロー1、CAS番号2390−54−7)およびチオフラビンS(ダイレクトイエロー7、CAS番号1326−12−1)からなる群から選択される。
好ましくは、少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物の総濃度は、0.01〜100mg/L、好ましくは0.05〜50mg/L、より好ましくは0.1〜20mg/Lの範囲である。
上記の最大閾値を上回る濃度は、析出した銅層または銅合金層に、ブリスターや孔食などの欠陥を生じる場合がある。上記の最小閾値を下回る濃度では、必ずしも十分な効果は得られない場合がある。
本発明によるめっき組成物は、少なくとも1種のフェナンジン染料を含む。フェナンジン染料自体は、当該技術分野で知られており、とりわけUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,7th ed.,2011, Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KG,Weinheim,Chapter “Azine Dyes”(特に480〜489頁を参照)に記載されている。
多くの場合、少なくとも1種のフェナンジン染料に特定の化学構造を与えることはできない。少なくとも1種のフェナンジン染料は、モノメリック、オリゴメリックまたはポリメリックである。本発明の一実施形態では、モノメリックおよびオリゴメリックなフェナンジン染料、またはモノメリックおよびポリメリックなフェナンジン染料、またはオリゴメリックおよびポリメリックなフェナンジン染料、またはモノメリック、オリゴメリックおよびポリマメリックなフェナンジン染料を含むフェナンジン染料の混合物が使用される。モノメリックおよびオリゴメリックなフェナンジン染料は同じ染料に基づいていることが例示的に可能である(たとえば、サフラニンおよびオリゴサフラニンおよびポリサフラニンを使用してもよい)。同じことが上述の他のすべての組合せにも自然に当てはまる。
少なくとも1種のフェナンジン染料は、好ましくはジアミノフェナンジン染料である。少なくとも1種のフェナンジン染料は、より好ましくは、ユーロジン染料(eurhodine dyes)、塩基性サフラニン染料、酸性サフラニン染料、インデュリン、ニグロシンおよびアニリンブラックからなる群から選択される。
ユーロジン染料には、とりわけ、ニュートラルバイオレット(3−アミノ−7−(ジメチルアミノ)フェナジン−5−イウム、CAS番号167382−91−4)、3−((2−クロロ−2−ヒドロキシエチル)(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)−7−(ジメチルアミノ)フェナジン−5−イウム(塩化物などの適切な対イオンを有する)およびニュートラルレッド(3−アミノ−7−(ジメチルアミノ)−2−メチルフェナジン−5−イウム、CAS番号553−2−2)が含まれる。塩基性サフラニン染料には、とりわけ、サフラニンT(ベーシックレッド、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニル−フェナンジニウムクロリド、CAS番号477−73−6)、トリメチルサフラニン(3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−(o−トリル)フェナジン−5−イウムクロリド)、フェノサフラニン(3,7−ジアミノ−2−メチル−5−フェニルフェナジン−5−イウムクロリド、CAS番号81−93−6)、3−アミノ−7−N,N−ジエチルアミノ−2−メチル−5−フェニルフェナジニウムクロリド、ロデュリンレッド(3−アミノ−2−メチル−7−(メチルアミノ)−5−フェニルフェナジン−5−イウムクロリド、CAS番号10130−52−6)、ロデュリンバイオレット(CAS番号23279−70−1)、メチレンバイオレット(3−アミノ−7−(ジエチルアミノ)−5−フェニルフェナジニウムクロリド、CAS番号4569−86−2)およびモーベイン(CAS番号6373−22−4)(これは、とりわけモーベインA、モーベインB、モーベインB2およびモーベインCを含む混合物である)(たとえば、J.S.S.de Melo et al.,“A study in Mauve Unveiling Perkin’s Dye in Historic Samples”,Chemistry−A European Journal,2008,14巻,8507〜8513頁を参照)およびサフラニンアゾ染料、たとえばヤヌスブラック(ベーシックブラック2,3−(ジエチルアミノ)−7−((4−ヒドロキシフェニル)ジアゼニル)−5−フェニルフェナジン−5−イウムクロリド、CAS番号4443−99−6)およびヤヌスグリーンB(8−(4−ジメチルアミノフェニル)ジアゼニル−N,N−ジエチル−10−フェニルフェナジン−10−イウム−2−アミンクロリド、CAS番号2869−83−2)が含まれる。サフラニンアゾ染料は、サフラニン染料のようなフェナンジン基ではない、芳香族アミン、フェノール、およびN−複素環からなる群から選択されるジアゾ部分(−N=N−)によって結合された基を有する。
好ましくは、少なくとも1種の(モノメリックな)サフラニンは、ジアゾ基(−N=N−)を含まず、特に、前記基がサフラニンアゾ染料の場合のように芳香族アミン、フェノールおよびN複素環のうちの1つを結合するために使用される場合には含まない。これは特に、好ましくはジアゾ基を含まないモノメリックなサフラニン染料の場合に当てはまる。1個以上のジアゾ基を含むモノメリックなサフラニン染料は、本発明の根底にある問題を解決するのにあまり適していないことが本発明者によって見出された。特に、少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物と少なくとも1種のエタンジアミン誘導体との上記の相乗作用は、この場合ではあまり顕著ではない。少なくとも1種のフェナンジン染料としてあまり好ましくはなく使用されるそのようなモノメリックなサフラニンアゾ染料の例は、ヤヌスブラック(ベーシックブラック2,3−(ジエチルアミノ)−7−((4−ヒドロキシフェニル)ジアゼニル)−5−フェニルフェナジン−5−イウムクロリド、CAS番号4443−99−6)およびヤヌスグリーンB(8−(4−ジメチルアミノフェニル)ジアゼニル−N,N−ジエチル−10−フェニルフェナジン−10−イウム−2−アミンクロリド、CAS番号2869−83−2)である。反復基として個々のサフラニン部分間のカップリング部分としてジアゾ基を使用するオリゴメリックまたはポリメリックなサフラニン染料は、望ましくない効果を示さない。
本発明の一実施形態では、サフラニン染料は、サフラニンアゾ染料について概説したのと同じ理由で、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチルフェナジン一塩酸塩ではない。
酸性サフラニン染料には、とりわけ、アシッドシアニンBF(CAS番号6448−97−1)、スプラノールブルーBL(CAS番号6378−88−7)、ウールファーストブルーFFG(CAS番号6837−47−4)が含まれる。
特に、インデュリン、ニグロシンおよびアニリンブラックは、典型的には、出発物質および反応条件に応じて異なる化合物の混合物を形成する。インデュリンには、たとえば、7−アミノ−5−フェニル−2,3−ビス(フェニルアミノ)フェナジン−5−イウムクロリド、5−フェニル−2,3,7−トリス(フェニルアミノ)フェナジン−5−イウムクロリドおよび5−フェニル−2,3,7,8−テトラキス(フェニルアミノ)フェナジン−5−イウムクロリドが含まれる。それらは、たとえば、インダミンブルーB(CAS番号6471−73−4)およびファストブルーベースRF(CAS番号8004−98−6)として利用可能であり、好ましくは使用される。
使用される好ましいニグロシンは、アシッドブラック2(CAS番号8005−03−6)、ソルベントブラック5(CAS番号11099−03−9)およびソルベントブラック7(CAS番号8005−02−5)である。
本発明の一実施形態では、フェナンジン染料は、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチルフェナジン一塩酸塩ではない。
好ましくは、塩基性サフラニン染料は、塩基性サフラニンアゾ染料ではない。
さらにより好ましくは、少なくとも1種のフェナンジン染料は、塩基性サフラニン染料および酸性サフラニン染料からなる群から選択される。さらにより好ましくは、少なくとも1種のフェナンジン染料は塩基性サフラニン染料であり、その上さらにより好ましくは、塩基性サフラニンジアゾ染料ではない塩基性サフラニン染料である。
本発明のこの特に好ましい実施形態では、少なくとも1種のフェナンジン染料は、モノメリック、オリゴメリックまたはポリメリックな塩基性サフラニン染料(塩基性サフラニンアゾ染料ではない)である。前記モノメリックな塩基性サフラニン染料は、式(P):
Figure 0006836016
[式中、
P1、RP4、RP5、RP6、RP7およびRP10は、水素、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から独立して選択され、
P2、RP3、RP8およびRP9は、水素、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から独立して選択され、
P11、RP12およびRP13は、水素ならびに置換および非置換のアルキル基からなる群から独立して選択される]で表すことができる。この実施形態では、オリゴマーおよびポリマーは、式(P)で表される上記のモノメリックな塩基性サフラニン染料から得られる。好ましくは、オリゴマーおよびポリマーは、以下に記載される方法の1つにより、式(P)で表される上記のモノメリックな塩基性サフラニン染料から得られる。
上記のモノメリックな塩基性サフラニン染料はカチオン性であり、したがって、通常は対イオンが存在する。十分な電荷を有する任意のアニオン(またはアニオンの群)を、対イオンとして使用できる。そのような対イオンは、好ましくは、水酸化物、硫酸水素塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トルエンスルホン酸塩およびメタン硫酸塩(CH−O−SO )からなる群から選択される。より好ましくは、前記対イオンは、塩化物、酢酸塩、硫酸水素塩および硫酸塩からなる群から選択され、さらにより好ましくは、塩化物が使用される。
典型的には、上記の対イオンは、塩基性サフラニン染料のカチオン電荷を中和するのに十分な量で使用される。たとえば、2種のモノメリックな塩基性サフラニン染料に対して1つの硫酸イオンが存在すれば、基礎となる電気的中性要件を満たすのに十分である。
好ましくは、RP1は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP1は、より好ましくは水素である。
好ましくは、RP2は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP2は、より好ましくは水素である。
好ましくは、RP3は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP3は、より好ましくは水素である。
好ましくは、RP4は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP4は、より好ましくは、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP4は、さらにより好ましくは、水素およびメチル基からなる群から選択される。その上さらにより好ましくは、RP4はメチル基である。
好ましくは、RP5は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP5は、より好ましくは水素である。
好ましくは、RP6は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP6は、より好ましくは、水素およびメチル基からなる群から選択される。さらにより好ましくは、RP6は水素である。
好ましくは、RP7は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP7は、より好ましくは、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP7は、さらにより好ましくは、水素およびメチル基からなる群から選択される。その上さらにより好ましくは、RP7はメチル基である。
好ましくは、RP8は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基、置換および非置換のフェニル基、ならびに置換および非置換のトリル基からなる群から選択される。RP8は、より好ましくは、水素、メチル基、非官能化フェニル基および非官能化トリル基からなる群から選択される。RP8は、さらにより好ましくは、水素およびメチル基からなる群から選択される。その上さらにより好ましくは、RP8は水素である。
好ましくは、RP9は、水素ならびに置換および非置換C〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP9は、より好ましくは、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP9は、さらにより好ましくは、水素およびメチル基からなる群から選択され、その上さらにより好ましくは、RP9は水素である。
好ましくは、RP10は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP10は、より好ましくは水素である。
好ましくは、RP11は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP11は、より好ましくは、水素およびメチル基からなる群から選択される。さらにより好ましくは、RP11は水素である。
好ましくは、RP12は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP12は、より好ましくは、水素およびメチル基からなる群から選択される。さらにより好ましくは、RP12は水素である。
好ましくは、RP13は、水素ならびに置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択される。RP13は、より好ましくは水素である。
以下のモノメリックな塩基性サフラニン染料が、少なくとも1種のフェナンジン染料として特に有用であることが見出された:
Figure 0006836016
(サフラニンT、ベーシックレッド2として知られている、対イオンとして好ましくは塩化物を有する3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−フェニルフェナジン−5−イウム、CAS番号477−73−6);
Figure 0006836016
(トリメチルサフラニンとして知られている、対イオンとして塩化物を好ましくは有する3,7−ジアミノ−2,8−ジメチル−5−(o−トリル)フェナジン−5−イウム);
Figure 0006836016
(ロデュリンバイオレットとして知られている、対イオンとして塩化物を好ましくは有する3−アミノ−7−(ジメチルアミノ)−2−メチル−5−フェニルフェナジン−5−イウム、CAS番号23279−70−1);
Figure 0006836016
(ロデュリンレッドとして知られている、対イオンとして塩化物を好ましくは有する3−アミノ−2−メチル−7−(メチルアミノ)−5−フェニルフェナジン−5−イウム、CAS番号10130−52−6);
Figure 0006836016
(フェノサフラニンとして知られている、対イオンとして塩化物を好ましくは有する3,7−ジアミノ−2−メチル−5−フェニルフェナジン−5−イウム、CAS番号81−93−6として);
Figure 0006836016
(対イオンとして塩化物を好ましくは有する3,7−ジアミノ−2,8−ジエチル−5−フェニル−フェナジニウム);
Figure 0006836016
(3−アミノ−7−N,N−ジエチルアミノ−2−メチル−5−フェニルフェナジニウム);
Figure 0006836016
(対イオンとして塩化物を好ましくは有する3−アミノ−7−(ジエチルアミノ)−5−フェニルフェナジニウム、CAS番号4569−86−2);
Figure 0006836016
(対イオンとして塩化物を有するメチレンバイオレットとして知られている、対イオンとして酢酸塩または塩化物を好ましくは有する3−アミノ−7−(メチルアミノ)−5−フェニルフェナジン−5−イウム)
Figure 0006836016
(対イオンとして塩化物を好ましくは有する3−アミノ−7−(エチルアミノ)−2,5−ジフェニルフェナジン−5−イウム)
Figure 0006836016
(対イオンとして硫酸水素塩を好ましくは有する3−アミノ−7−(ジエチルアミノ)−1,2,6,9−テトラメチル−5−フェニルフェナジン−5−イウム)
Figure 0006836016
(対イオンとして硫酸水素塩を好ましくは有する7−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−4−メチル−5−フェニルフェナジン−5−イウム)
Figure 0006836016
(対イオンとして塩化物を好ましくは有する3−アミノ−7−(ジエチルアミノ)−2,8−ジメチル−5−(o−トリル)フェナジン−5−イウム)
Figure 0006836016
(対イオンとして硫酸水素塩を好ましくは有する7−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−4−メチル−1,5,8−トリフェニルフェナジン−5−イウム)
Figure 0006836016
(3−アミノ−2−メチル−5−フェニル−7−(p−トリルアミノ)フェナジン−5−イウム、モーベインA)、
Figure 0006836016
(7−アミノ−1,8−ジメチル−5−フェニル−3−(p−トリルアミノ)フェナジン−5−イウム、モーベインB、CAS番号153343−19−2)
Figure 0006836016
(3−アミノ−2−メチル−5−(p−トリル)−7−(p−トリルアミノ)フェナジン−5−イウム、モーベインB2)
Figure 0006836016
(7−アミノ−1,8−ジメチル−5−(p−トリル)−3−(p−トリルアミノ)フェナジン−5−イウム、モーベインC)
Figure 0006836016
(3−アミノ−5−フェニル−7−(フェニルアミノ)フェナジン−5−イウム、擬似モーベイン)、
Figure 0006836016
(3−アミノ−2−メチル−5−フェニル−7−(フェニルアミノ)フェナジン−5−イウム、モーベインC25a)、
Figure 0006836016
(3−アミノ−5−フェニル−7−(p−トリルアミノ)フェナジン−5−イウム、モーベインC25b)、
A22)前述したものの2つ以上の混合物。
さらに、とりわけ化合物A15)〜A21)を含む混合物であるモーベイン(CAS番号6373−22−4)も使用できる。
当該技術分野では、式(P)で表されるモノメリックなフェナンジン染料、好ましくはフェナンジン染料A1)〜A21)などのモノメリックな塩基性サフラニン染料に基づくオリゴメリックおよびポリメリックな塩基性サフラニン染料の調製の仕方にはさまざまな方法がある。独国特許出願公開第2028803号明細書および独国特許出願公開第2039831号明細書では、ポリ(サフラニン)の形成が報告されている。そこに記載されている反応プロトコルは、1)硫酸などの強いブレンステッド酸による酸性化;2)ニトロシル硫酸(HSO/HNO)によるジアゾ化と、それに続く過剰な亜硝酸の除去、および3)水酸化カリウムなどの塩基による中和の各ステップを含む。そのような反応は、本明細書ではジアゾ化カップリング反応と呼ばれる。
さらに、Pschorrカップリングが国際公開第2004/057061号に報告されている。このPschorrカップリングには、金属銅およびテトラフルオロホウ酸などの強酸の存在下で硝酸ナトリウムを用いた塩基性サフラニン染料のジアゾ化合物の形成が含まれ、これによりオリゴマー化および/または重合が早くも起こる。その後、反応混合物を苛性ソーダに移して、オリゴマーおよび/またはポリマーを沈殿させる。この反応は、本明細書ではPschorrカップリングオリゴマー化および/または重合と呼ばれる。
重合の更なる形態が、おそらくアゾカップリング型反応に基づいて、国際公開第2012/040417号に記載されている。塩基性サフラニン染料は、ギ酸などの有機酸でジアゾ化された後、スルファミン酸の添加により過剰の亜硝酸が除去される。オリゴマー化および/またはポリマーは、ガス(窒素)の形成をもたらさず、したがって、オリゴマーおよび/またはポリマーは、おそらくジアゾ基によって結合される。これは、本明細書では、アゾカップリングオリゴマー化および/または重合と呼ばれる反応である。
上記のオリゴマー化および重合のための上記のすべての方法は、少なくともRP2とRP3および/またはRP8とRP9が水素であるように選択されるが、さもなければ中間体として必要なジアゾ化合物が得られなくなるからである。更なるタイプのオリゴマー化および/または重合は、R.Pauliukaite et al.,Thin Solid Films 2009,517巻,5435〜5441頁に記載されている。このタイプのオリゴマー化および重合は、さまざまなpH値の硝酸塩を含む溶液中での電解重合に基づいている。上記の方法は、他のフェナンジン染料のオリゴマー化または重合にも使用できる。
上記の反応のうちの1つから得られたフェナンジン染料A1)〜A21)などの上記のモノメリックな塩基性サフラニン染料から得られるオリゴマーおよびポリマーが好ましい。上記のモノメリックな塩基性サフラニン染料、たとえばフェナンジン染料A1)〜A21)から得られるオリゴマーおよびポリマーは、以下の反応タイプのうちの1つにより得られることがより好ましい:
− ジアゾ化カップリング反応;
− Pschorrカップリングオリゴマー化および/または重合;ならびに
− アゾカップリングオリゴマー化および/または重合。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種のフェナンジン染料は、モノメリックな塩基性サフラニン染料A1)〜A21)、それらから得られるオリゴマーおよびポリマー、ならびに前述したものの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、少なくとも1種のフェナンジン染料は、モノメリックな塩基性サフラニン染料A1)〜A14)、それらから得られるオリゴマーおよびポリマー、ならびに前述したものの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、少なくとも1種のフェナンジン染料は、モノメリックな塩基性サフラニン染料A1)〜A9)、それらから得られるオリゴマーおよびポリマー、ならびに前述のものの混合物からなる群から選択される。その上さらにより好ましくは、少なくとも1種のフェナンジン染料は、モノメリックな塩基性サフラニン染料A1)〜A5)、それらから得られるオリゴマーおよびポリマー、ならびに前述のものの混合物からなる群から選択される。好ましくは、オリゴマーおよびポリマーは、上記の好ましい方法のうちの1つによって得られる。
あるいは、以下のオリゴメリックおよびポリメリックなフェナンジン染料の1種以上を、少なくとも1種のフェナンジン染料として使用してもよい:
B1)オリゴまたはポリ(6−メチル−7−ジメチルアミノ−5−フェニルフェナゾニウムスルフェート);
B2)オリゴまたはポリ(2−メチル−7−ジエチルアミノ−5−フェニルフェナゾニウムクロリド);
B3)オリゴまたはポリ(2−メチル−7−ジメチルアミノ−5−フェニルフェナゾニウムスルフェート);
B4)オリゴまたはポリ(5−メチル−7−ジメチルアミノフェナゾニウムアセテート);
B5)オリゴまたはポリ(2−メチル−7−アニリノ−5−フェニルフェナゾニウムスルフェート);
B6)オリゴまたはポリ(2−メチル−7−ジメチルアミノフェナゾニウムスルフェート);
B7)オリゴまたはポリ(7−メチルアミノ−5−フェニルフェナゾニウムアセテート);
B8)オリゴまたはポリ(7−エチルアミノ−2,5−ジフェニルフェナゾニウムクロリド);
B9)オリゴまたはポリ(2,8−ジメチル−7−ジエチルアミノ−5−p−トリル−フェナゾニウムクロリド);
B10)オリゴまたはポリ(2,5,8−トリフェニル−7−ジメチルアミノフェナゾニウムスルフェート);および
B11)オリゴまたはポリ(7−ジメチルアミノ−5−フェニルフェナゾニウムクロリド)。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種のフェナンジン染料の総濃度は、0.01〜100mg/L、好ましくは0.05〜50mg/L、より好ましくは0.1〜20mg/L、さらにより好ましくは0.2〜10mg/L、その上さらにより好ましくは0.25〜7mg/L、最も好ましくは0.5〜5mg/Lである。上記の最大閾値を上回る濃度は、析出した銅層または銅合金層に、ブリスターや孔食などの欠陥を生じる場合がある。上記の最小閾値を下回る濃度では、必ずしも十分な効果は得られない場合がある。本発明の1つの利点は、電解銅析出用の本発明によるめっき組成物の所望の特性を損なうことなく、少なくとも1種のフェナンジン染料の濃度を先行技術と比較して低減できることである。
本発明によるめっき組成物は、式(ED)による少なくとも1種のエタンジアミン誘導体を含む。式(ED)による少なくとも1種のエタンジアミン誘導体は、本明細書では「エタンジアミン誘導体」と略される。
好ましくは、RED1、RED2、RED3およびRED4は、独立して、式(ED−1)
Figure 0006836016
[式中、
各RED5は、水素、アルキル基およびアリール基からなる群から独立して選択され、
各RED6は、水素、置換および非置換のC〜C−アルキル基、置換および非置換のアリール基からなる群から独立して選択され、
各eは、独立して1〜25の範囲の整数である]で表される。
式(ED−1)中、基RED5を有する炭素原子は、式(ED)で表されるエタンジアミン誘導体の窒素原子に結合している。
より好ましくは、RED6の少なくとも1つ、さらにより好ましくは2つ、その上さらにより好ましくは3つ、その上さらにより好ましくはすべてが、RED6の置換および非置換であるように選択され、C〜C−アルキルスルホン酸基であるように選択され、さらにより好ましくは、RED6は、置換および非置換のC〜C−アルキルスルホン酸基であるように選択される。
その上さらにより好ましくは、RED6の少なくとも1つ、好ましくは2つ、より好ましくは3つ、さらにより好ましくはすべてのRED6
Figure 0006836016
[式中、XおよびXは、独立して、水素、金属原子、または任意の他のカチオン形成ラジカルである]であるように選択される。前記金属原子またはカチオン形成ラジカルは、基礎となる電気中性要件を満たすのに十分な電荷を有する。好ましい金属イオンは、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンからなる群から選択される。好ましいカチオン形成ラジカルはアンモニウムである。より好ましくは、XおよびXのそれぞれは、独立して、水素またはアルカリ金属イオンである。さらにより好ましくは、XおよびXのそれぞれは、独立して、水素、ナトリウムまたはカリウムである。
好ましくは、各RED5は、水素、置換および非置換のC〜C−アルキル基、ならびに置換および非置換のフェニル基からなる群から独立して選択される。より好ましくは、各RED5は、水素、メチル基およびエチル基からなる群から独立して選択される。さらにより好ましくは、各RED5は、水素およびメチルからなる群から独立して選択される。
eは、好ましくは2〜20、より好ましくは5〜12、さらにより好ましくは6〜9の範囲である。
本発明の好ましい実施形態では、RED1、RED2、RED3および/またはRED4の1つ以上のeは2以上であり、少なくとも2つのRED5は、互いに異なるように選択される。したがって、RED1、RED2、RED3およびRED4の1つ以上は、コポリマー(または対応するオリゴマー)を含む。好ましくは、この実施形態では、前記コポリマーはブロックコポリマー(または対応するブロックオリゴマー)である。RED1、RED2、RED3およびRED4のすべてが、コポリマー、好ましくはブロックコポリマーを含むことが特に好ましい。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種のエタンジアミン誘導体は、200〜6000amu(すなわち、200〜6000g/mol)、好ましくは400〜4000amu、より好ましくは600〜2500amuの範囲の重量平均分子量Mを有する。重量平均分子量Mは、HPLC−MSにより決定できる。あるいは、重量平均分子量Mは、適切な標準を使用してNMRまたはゲル浸透クロマトグラフィーにより決定できる。当該技術分野のいくつかの参考文献では、重量平均分子量は質量平均分子量とも呼ばれている。
式(ED)による少なくとも1種のエタンジアミン誘導体の総濃度は、好ましくは1〜1000mg/L、好ましくは10〜500mg/L、より好ましくは50〜400mg/Lの範囲である。
任意に、Fe2+3+イオンなどの酸化還元対が本発明によるめっき組成物に含まれる。そのような酸化還元対は、逆パルスめっきが銅析出用の不活性アノードと組み合わせて使用される場合に特に有用である。逆パルスめっきと不活性アノードとを組み合わせて酸化還元対を使用する銅めっきの適切なプロセスは、たとえば米国特許第5,976,341号明細書および米国特許第6,099,711号明細書に開示されている。
本発明によるめっき組成物は、鉄イオン、すなわち第一鉄イオンおよび/または第二鉄イオンを任意に含む。前記任意の鉄イオンは、水溶性鉄塩および/または鉄錯体として本発明によるめっき組成物に添加される。有用な鉄塩は、たとえば硫酸第一鉄および硫酸第二鉄である。任意の鉄イオンの濃度は、0〜1000mg/l、さらにより好ましくは50〜700mg/l、その上さらにより好ましくは100〜400mg/lの範囲であることが好ましい。
本発明によるめっき組成物は、好ましくは、3−(ベンズチアゾリル−2−チオ)−プロピルスルホン酸、3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸、エチレンジチオジプロピルスルホン酸、ビス−(p−スルホフェニル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホブチル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホヒドロキシプロピル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、ビス−(ω−スルホプロピル)−スルフィド、メチル−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド、メチル−(ω−スルホプロピル)−トリスルフィド、O−エチル−ジチオ炭酸−S−(ω−スルホプロピル)−エステル、チオグリコール酸、チオリン酸−O−エチル−ビス−(ω−スルホプロピル)−エステル、3−N,N−ジメチルアミノジチオカルバモイル−1−プロパンスルホン酸、3,3’−チオビス(1−プロパンスルホン酸)、チオリン酸−トリス−(ω−スルホプロピル)−エステルおよびそれらの対応する塩からなる群から選択される少なくとも1種の光沢剤を任意に含む。好ましくは、少なくとも1種の任意の光沢剤の総濃度は、1〜1000mg/L、より好ましくは5〜100mg/L、さらにより好ましくは10〜50mg/Lの範囲である。
好ましくは、本発明によるめっき組成物のpH値は、3以下、より好ましくは2以下、さらにより好ましくは1以下である。
任意に、本発明によるめっき組成物は、少なくとも1種の湿潤剤を含む。好ましくは、少なくとも1種の湿潤剤は非イオン性湿潤剤である。この非イオン性湿潤剤は、好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリエチレンポリプロピレングリコールのようなポリアルカンジイル(ポリアルキレン)グリコール、ならびにアルコキシレート(ポリオキシアルカンジイル化合物)、たとえばアルコキシル化α−ナフトール、アルコキシル化β−ナフトール、オクタノールアルコキシレートおよびグリセロールアルコキシレートのようなアルカノールアルコキシレート、ノニルフェノールアルコキシレートのようなアルカリールアルコキシレート、オレイン酸アルコキシレートおよびステアリン酸アルコキシレートのような脂肪酸アルコキシレートからなる群から選択される。
任意に、本発明によるめっき組成物は、ポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種の酸素化高分子化合物を含む。
塩基、緩衝剤、錯化剤(キレート剤とも呼ばれる)、安定剤、還元剤などの他の成分を本発明によるめっき組成物に添加してもよい。これらの成分およびその適切な濃度は、当該技術分野で知られている。
本発明によるめっき組成物は、すべての成分を水性液体媒体、好ましくは水に溶解することにより調製できる。
本発明による方法は、ステップi)〜iii)を含む。ステップは所定の順序で実行されるが、必ずしも連続して実行されない。本発明による方法のステップi)では、基材が準備される。基材は、その上に銅層または銅合金層を電解析出させるのに適した少なくとも1つの表面を有する。
好ましくは、基材は、導電性基材および非導電性基材からなる群から選択される。導電性基材には、真鍮または亜鉛ベースのダイカストなどの金属基材が含まれる。非導電性基材には、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)、ポリアミド(PA)およびポリエチレンイミンなどのプラスチック、ガラスおよびシリコンが含まれる。基材は、全体が上記の材料で作られていてもよく、またはそれらで作られた少なくとも1つの表面のみを含んでもよい。したがって、大部分はプラスチックでできているが、めっきが実行される金属表面を有する品目は、本明細書では金属基材とみなされる。同じことが、金属粒子を含むラッカー層にも当てはまる(これにより層全体が導電性になる)。導電性基材が好ましい。より好ましいのは金属基材である。銅、パラジウム、銀、亜鉛、それらの混合物および合金からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属基材がさらにより好ましい。典型的に適用される合金は、たとえば、黄銅および青銅などの銅合金、ならびにニッケル−リン、ニッケル−ホウ素およびニッケル−リン−ホウ素などのニッケル合金である。亜鉛用の従来の合金は、少量(5重量%以下)のアルミニウム、マグネシウムおよび/または銅を含む。
任意に、基材(特にその少なくとも1つの表面)は、1つ以上の前処理ステップに供される。典型的に適用される前処理ステップは、エッチングステップ、クリーニングステップおよび活性化ステップである。そのような前処理ステップは、当該技術分野で知られている。
本発明による方法の工程ii)では、基材は、本発明によるめっき組成物と接触させられる。本発明による方法のステップiii)では、基材と少なくとも1つのアノードとの間に電流が印加され、それによって前記層が基材の少なくとも1つの表面上に析出される。
析出中の本発明によるめっき組成物の温度は、好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜50℃、さらにより好ましくは20〜40℃の範囲である。
カソード電流密度は、広範囲にわたって変化してもよい。好ましくは、それは0.5〜12A/dm、より好ましくは1〜8A/dm、より好ましくは2〜6A/dmの範囲である。本発明の1つの利点は、銅析出物もしくは銅合金析出物のレベリング特性または光沢および明度を損なうことなく、広範囲のカソード電流密度を適用できることである。
析出の継続時間は、とりわけ銅層または銅合金層の所望の厚さに依存する。典型的な継続時間は10〜120分、好ましくは15〜100分、より好ましくは20〜80分である。
任意に、析出中の本発明によるめっき組成物の混合は、強い流れと、必要に応じて、混合物に清浄空気を吹き込むこととによって、本発明によるめっき組成物の表面を強く撹拌することで達成される。その結果、電極に近接した物質の輸送が最大化され、これにより、より高い電流密度を達成することが可能になる。さらに、カソードを移動させることにより、それぞれの表面での物質の輸送を強化することができる。このように増加した対流と電極の動きのおかげで、一定の拡散制御析出が実行される。電極は、水平方向、垂直方向に、かつ/またはたとえば振動または超音波によって移動させてもよい。これは、空気が吹き込まれている場合に特に効果的である。
本発明の文脈では、任意のアノードを使用できる。本発明によるめっき組成物の銅含有量は、析出中に可溶性銅アノードを使用して電気化学的に補充できる。したがって、可溶性銅アノードが好ましい。使用されるアノード材料は、より好ましくは、リンを0.02〜0.06重量%含む銅である。
銅のアノードに汚れが蓄積するのを防ぐため、アノードをアノードバッグで電解液から密封する必要がある。代替案として、不活性アノードを使用してもよい。この場合、銅含有量は、別の方法で、たとえば、別の溶解コンパートメントから補充しなければならない。
任意に、機械的および/または化学的残留物を保持するためのフィルターをめっき組成物の循環システムに挿入してもよい。これは、使用中に本発明によるめっき組成物の品質を維持するのに有利に役立つ。可溶性銅アノードが使用される場合、リンがアノードスラッジを形成し、これは析出プロセスを妨げる可能性があるため、濾過が非常に推奨される。不活性アノードを使用すると、より低コストで溶液の品質を維持できる。
本発明による方法では、水平または垂直のコンベヤー式めっきラインを使用して、基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を析出させることができる。
本発明による方法は、任意に、たとえば、銅層または銅合金層を基材上に析出させた後の基材の、好ましくは水によるすすぎ工程、および/または乾燥工程を含む。
好ましくは、基材の少なくとも1つの表面上に析出された銅または銅合金の厚さは、5〜100μm、より好ましくは7.5〜70μm、さらにより好ましくは10〜40μmの範囲である。
本発明による方法において、少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物、少なくとも1種のフェナンジン染料、および少なくとも1種のエタンジアミン誘導体などの成分の1つ以上を補充することが可能である。典型的には、先行技術のめっき組成物の多くは、その性能を急速に失い、めっき組成物の成分の補充により部分的に回復され得る。驚くべきことに、発明者らは、本発明によるめっき組成物は、たとえば上記の成分の補充を一切必要とせずに長期間使用できることを見出した。それにより、本発明によるめっき組成物は、個々の成分を先行技術のように厳密に監視する必要がないため、メンテナンスの必要が少なく、故障しにくい。
実施例
以下の非限定的な実施例を参照することにより、本発明をこれから説明する。市販製品は、特に明記しない限り、本明細書の提出日に入手可能な技術データシートに記載されているように使用した。Tetronic(登録商標)304(下記式(ED)で表されるエタンジアミン誘導体)はBASF SEの製品である。すべての例の基材材料は、サイズが100mm×75mmの黄銅シートであった。
粗さの測定:
外表面の粗さ(または滑らかさ)は、走査原子間力顕微鏡(先端半径が7nm未満のNanosensorsのPointProbe(登録商標)を搭載したDigital Instruments、NanoScope)、スキャンサイズ:5×5μm、タップモードにおけるスキャンを使用して決定した。S値(平均粗さ)を、これらの測定によって得て、以下のそれぞれの例を提供する。粗さの値をより比較し易くするために、個々の測定で同じ位置を使用した。前記位置は、ハルセルでめっきした場合の上記基材の1つの2ASDおよび4ASDに対応する。
レベリング効果の測定:
レベリング効果を測定するために、すべての基材に同じ力を加えて、(以下で説明するめっき組成物でそれらを処理する前に)従来の家庭用クリーニングスポンジの粗面で基材にかき傷を付けた。めっきされた基材の比較として、同じくかき傷を付けたが、めっき組成物で処理していない基材とそれらを比較した。そのような基材は、本明細書では「かき傷を付けた未加工の基材」と呼ぶ。以下の実施例では、かき傷を付けた未加工の基材の違いを、これ以降に記載するめっき組成物で処理された基材と比較して、「レベリング効果」と呼ぶ。
比較例1:ベンゾチアゾール化合物およびエタンジアミン誘導体なし
以下の成分を含むめっき組成物を、指定の成分を水に溶解することにより調製した:
CuSO×5HO 220.0g/L
硫酸(96重量%) 70.0g/L
NaCl 160mg/L
鉄イオン 100mg/L
β−ナフトール−エトキシレート(M600 g/mol) 200mg/L
ポリメリックなサフラニン 3mg/L
ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド 30mg/L
めっき組成物をハルセルで使用して、以下のパラメーターで基材にめっきした:パネルあたり電流2A、温度25℃、時間:10分、リン含有可溶性銅アノードを使用した空気注入。
得られた粗さは、(2ASDで)80.8nmであり、かき傷を付けた未加工の基材と比較して16%のレベリング効果に相当していた。かき傷を付けた未加工の基材の粗さSは96.5nmであった。
比較例2:エタンジアミン誘導体なし
チオフラビンT 6mg/L
をさらに含む比較例1のめっき組成物を使用した。
めっき条件は、比較例1に記載したものと同じであった。
得られた粗さSは、(2ASDで)70.0nmであり、かき傷を付けた未加工の基材と比較して27%のレベリング効果に対応していた。
比較例3:ベンゾチアゾール化合物なし
比較例1のめっき組成物を使用したが、β−ナフトール−エトキシレート(M600g/mol)を、以下:
Tetronic(登録商標)304 200mg/L
に置き換えて使用した。
めっき条件は、比較例1に記載したものと同じであった。得られた粗さSは、(2ASDで)67.5nmであり、かき傷を付けた未加工の基材と比較して30%のレベリング効果に相当していた。
本発明による実施例1:
以下の成分を含むめっき組成物を、指定の成分を水に溶解することにより調製した:
CuSO×5HO 220.0g/L
硫酸(96重量%)70.0g/L
NaCl 160mg/L
鉄イオン 100mg/L
ポリメリックなサフラニン 3mg/L
ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド 30mg/L
Tetronic(登録商標)304 200mg/L
チオフラビンT 6 mg/L
めっき条件は、比較例1に記載したものと同じであった。得られた粗さSは、(2ASDで)46.6nmであり、かき傷を付けた未加工の基材と比較して52%のレベリング効果に相当していた。銅層は、基材全体にわたって光沢があり、鏡面研磨された外観を有していた。それらはさらに下地の基材に対する接着が優れており、当該技術分野で望まれるように延性であった。
本発明による実施例2:好ましい実施形態
本発明による実施例1のめっき組成物を使用したが、Tetronic(登録商標)304の代わりに、エタンジアミン誘導体を、本発明による実施例1のTetronic(登録商標)304と同じ濃度で使用した。エタンジアミン誘導体のRED1〜RED4の少なくとも1つは、
Figure 0006836016
であった。RED1〜RED4の残りは
Figure 0006836016
であった。
めっき条件は、比較例1に記載したものと同じであった。
得られた粗さSは、(2ASDで)40.7nmであり、かき傷を付けた未加工の基材と比較して、58%のレベリング効果に相当していた。上記のエタンジアミン誘導体(これは本発明の好ましい実施形態である)を使用することにより、比較例3と比較して粗さを有意に減少させることができた(40%)。
比較例4:ベンゾチアゾール化合物なし
以下の成分を含むめっき組成物を、指定の成分を水に溶解することにより調製した:
CuSO×5HO 220.0g/L
硫酸(96重量%) 70.0g/L
NaCl 160mg/L
鉄イオン 100mg/L
ポリメリックなサフラニン 3mg/L
ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド 30mg/L
本発明による実施例2のエタンジアミン誘導体 200mg/L
めっき組成物をハルセルで使用して、以下のパラメーターを用いて、かき傷を付けた未加工の基材にめっきした:パネルあたりの電流:2A、温度:25℃、時間:10分、リン含有可溶性銅アノードを使用した空気注入。次いで粗さを測定し、以下の例と比較した。かき傷を付けた基材上に上記のパラメーターでめっきすることによるめっき組成物の評価の間に、規定の電荷(表を参照)を溶液に通すことによりめっき組成物をエージングした。
Figure 0006836016
少なくとも1種のフェナンジン染料の補充後
銅層の粗さは、めっき組成物の長期間の使用にわたって大幅に増加した。したがって、レベリング効果は衰え、それに層は光沢と明度を失った。観察された特性の低下は、析出物が破損しやすくなり、その結果、スクラップが生じる可能性があるため、非常に望ましくない。
本発明による実施例3:
以下の成分を含むめっき組成物を、指定の成分を水に溶解することにより調製した:
CuSO×5HO 220.0g/L
硫酸(96重量%) 70.0g/L
NaCl 160mg/L
鉄イオン 100mg/L
ポリメリックなサフラニン 3mg/L
ビス−(ω−スルホプロピル)−ジスルフィド 30mg/L
チオフラビン T 2mg/L
本発明による実施例2のエタンジアミン誘導体 200mg/L
めっき組成物をハルセルで使用して、以下のパラメーターを用いて基材にめっきした:パネルあたりの電流:2A、温度:25℃、時間:10分、リン含有可溶性銅アノードを使用した空気注入。次いで粗さを測定し、以下の例と比較した。かき傷を付けた未加工の基材に上記のパラメーターでめっきすることによるめっき組成物の評価の間に、規定の電荷(表を参照)を組成物に通すことによりめっき組成物をエージングした。
Figure 0006836016
少なくとも1種のフェナンジン染料および少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物の補充後
本発明による実施例3の初期粗さ(1.3Ah/L)は、比較例4の初期粗さ(1.3Ah/L)よりも既に約12%低かったが、この低減した粗さの効果、ひいては改善されたレベリング効果が、より長いめっき時間の適用時にさらに増加した。5.3Ah/Lに達したとき、この効果は特に顕著であった。したがって、本発明によるめっき組成物は、初期に改善されたレベリング効果だけでなく、先行技術と比較して使用中のその改善も可能にした。(6.7Ah/Lで)成分の補充後、本発明による実施例3の低減した粗さの効果、ひいては改善されたレベリング効果は、より長いめっき時間の適用時に再び明らかとなる。
発明者はさらに、本発明による実施例3で得られた銅層の粗さは、所定のめっき液寿命で比較例4からの対応するものと比較して低いことを見出した。これは、特に、低い局所電流密度、たとえば2A/dmで評価した場合である。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察または本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示としてのみ考慮されることを意図しており、本発明の正確な範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。

Claims (15)

  1. 銅イオン、ハロゲン化物イオンおよび少なくとも1種の酸を含む電解銅析出用のめっき組成物において、前記めっき組成物がさらに、
    (a)下記式(BT)
    Figure 0006836016
    [式中、
    BT1は、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から選択され、
    BT2およびRBT3は、独立して、置換および非置換のアルキル基であり、
    BT4、RBT5、RBT6およびRBT7のそれぞれは、水素、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のオキシアルキル基、ならびに
    Figure 0006836016
    [式中、RBT8は、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から選択され、
    BT9、RBT10、RBT11およびRBT12のそれぞれは、水素、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のオキシアルキル基、ならびにスルホン酸基からなる群から独立して選択される]からなる群から独立して選択される]で表される少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物と、
    (b)少なくとも1種のフェナンジン染料と、
    (c)下記式(ED)
    Figure 0006836016
    [式中、
    ED1、RED2、RED3およびRED4は、置換および非置換のオリゴ(オキシアルカンジイル)基、ならびに置換および非置換のポリ(オキシアルカンジイル)基からなる群から独立して選択される]により表される少なくとも1種のエタンジアミン誘導体と
    を含むことを特徴とする、めっき組成物。
  2. ED1、RED2、RED3およびRED4が、独立して、式(ED−1)
    Figure 0006836016
    [式中、
    各RED5は、水素、アルキル基およびアリール基からなる群から独立して選択され、
    各RED6は、水素、置換および非置換のC〜C−アルキル基、置換および非置換のアリール基からなる群から独立して選択され、
    各eは、独立して、1〜25の範囲の整数である]で表されることを特徴とする、請求項1記載のめっき組成物。
  3. ED6の少なくとも1つが、C〜C−アルキルスルホン酸基であるように選択されることを特徴とする、請求項2記載のめっき組成物。
  4. ED6の少なくとも1つが
    Figure 0006836016
    [式中、XおよびXは、独立して、水素、金属原子、または任意の他のカチオン形成ラジカルである]であるように選択されることを特徴とする、請求項3記載のめっき組成物。
  5. 各RED5が、水素およびメチル基からなる群から独立して選択されることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載のめっき組成物。
  6. 前記少なくとも1種のエタンジアミン誘導体が、200〜6000amuの範囲の重量平均分子量Mを有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のめっき組成物。
  7. 前記少なくとも1種のフェナンジン染料が、モノメリック、オリゴメリックまたはポリメリックであることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のめっき組成物。
  8. 前記少なくとも1種のフェナンジン染料が、ユーロジン染料、塩基性サフラニン染料、酸性サフラニン染料、インデュリン、ニグロシンおよびアニリンブラックからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のめっき組成物。
  9. 前記少なくとも1種のフェナンジン染料が、モノメリック、オリゴメリックまたはポリメリックな塩基性サフラニン染料からなる群から選択され、前記モノメリックな塩基性サフラニン染料は、式(P):
    Figure 0006836016
    [式中、
    P1、RP4、RP5、RP6、RP7およびRP10は、水素、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から独立して選択され、
    P2、RP3、RP8およびRP9は、水素、置換および非置換のアルキル基、置換および非置換のアリール基、ならびに置換および非置換のアルカリール基からなる群から独立して選択され、
    P11、RP12およびRP13は、水素ならびに置換および非置換のアルキル基からなる群から独立して選択され、
    前記オリゴマーおよびポリマーは、上記のモノメリックな塩基性サフラニン染料から得られる]で表されることを特徴とする、請求項8記載のめっき組成物。
  10. 前記少なくとも1種のフェナンジン染料が、
    Figure 0006836016
    これらから得られたオリゴマーおよびポリマーならびに前述のものの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9記載のめっき組成物。
  11. 前記少なくとも1種の酸が、硫酸、有機硫酸、フルオロホウ酸、リン酸および前述のものの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載のめっき組成物。
  12. 前記少なくとも1種のベンゾチアゾール化合物が、式(BT−1)
    Figure 0006836016
    [式中、
    BT1は、置換および非置換のC〜C−アルキル基からなる群から選択され、
    BT2およびRBT3は、メチル基およびエチル基から独立して選択され、
    BT5は、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基および
    Figure 0006836016
    [式中、RBT8は、メチル基およびエチル基からなる群から選択され、RBT9、RBT10、RBT11およびRBT12のそれぞれは、水素、メチル基、エチル基およびスルホン酸基からなる群から独立して選択される]からなる群から選択される]で表されることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のめっき組成物。
  13. 前記めっき組成物が、少なくとも1種の光沢剤を含むことを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のめっき組成物。
  14. 基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させるための、請求項1から13までのいずれか1項記載のめっき組成物の使用。
  15. 銅層または銅合金層を基材の少なくとも1つの表面上に電解析出させる方法であって、
    i)前記基材を準備するステップと、
    ii)前記基材を請求項1から13までのいずれか1項記載のめっき組成物と接触させるステップと、
    iii)前記基材と少なくとも1つのアノードとの間に電流を印可し、それによって前記層を前記基材の少なくとも1つの表面上に析出させるステップと
    を含む方法。
JP2020518643A 2017-11-09 2018-10-16 電解銅析出用のめっき組成物、その使用、および基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させる方法 Active JP6836016B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP17200836.9A EP3483307B1 (en) 2017-11-09 2017-11-09 Plating compositions for electrolytic copper deposition, its use and a method for electrolytically depositing a copper or copper alloy layer onto at least one surface of a substrate
EP17200836.9 2017-11-09
PCT/EP2018/078281 WO2019091721A1 (en) 2017-11-09 2018-10-16 Plating compositions for electrolytic copper deposition, its use and a method for electrolytically depositing a copper or copper alloy layer onto at least one surface of a substrate

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020536168A JP2020536168A (ja) 2020-12-10
JP6836016B2 true JP6836016B2 (ja) 2021-02-24

Family

ID=60293883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020518643A Active JP6836016B2 (ja) 2017-11-09 2018-10-16 電解銅析出用のめっき組成物、その使用、および基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させる方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US10982343B2 (ja)
EP (1) EP3483307B1 (ja)
JP (1) JP6836016B2 (ja)
KR (1) KR102161944B1 (ja)
CN (1) CN111295468B (ja)
BR (1) BR112020003856B1 (ja)
ES (1) ES2800292T3 (ja)
MX (1) MX2020004882A (ja)
PL (1) PL3483307T3 (ja)
PT (1) PT3483307T (ja)
WO (1) WO2019091721A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110438531B (zh) * 2019-08-12 2021-12-24 湖北中一科技股份有限公司 一种应用于锂电池的超薄铜箔制备方法及系统
CN110396704B (zh) * 2019-08-12 2021-07-20 湖北中一科技股份有限公司 一种超薄电解铜箔及制备方法
CN114250489B (zh) * 2022-01-05 2023-09-22 三门峡宏鑫新材料科技有限公司 一种基于电沉积法制备铜铁合金的方法
CN114351195A (zh) * 2022-03-19 2022-04-15 深圳市创智成功科技有限公司 一种脉冲通孔填孔的电镀铜配方及其电镀工艺
CN115142113B (zh) * 2022-08-08 2023-10-13 哈尔滨工业大学 一种用于镍基合金的电解抛光液添加剂、抛光液及抛光方法

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL178453B (nl) 1952-05-26 Mita Industrial Co Ltd Werkwijze voor het elektrostatisch copieren.
US3328273A (en) * 1966-08-15 1967-06-27 Udylite Corp Electro-deposition of copper from acidic baths
DE2039831C3 (de) 1970-06-06 1979-09-06 Schering Ag, 1000 Berlin Und 4619 Bergkamen Saures Bad zur galvanischen Abscheidung glänzender Kupferüberzüge
US4347108A (en) * 1981-05-29 1982-08-31 Rohco, Inc. Electrodeposition of copper, acidic copper electroplating baths and additives therefor
DE4344387C2 (de) 1993-12-24 1996-09-05 Atotech Deutschland Gmbh Verfahren zur elektrolytischen Abscheidung von Kupfer und Anordnung zur Durchführung des Verfahrens
DE19545231A1 (de) 1995-11-21 1997-05-22 Atotech Deutschland Gmbh Verfahren zur elektrolytischen Abscheidung von Metallschichten
JP2000248397A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Electroplating Eng Of Japan Co 硫酸銅めっき液及びそれを用いた電解めっき方法
US6444110B2 (en) * 1999-05-17 2002-09-03 Shipley Company, L.L.C. Electrolytic copper plating method
KR100659544B1 (ko) * 1999-11-12 2006-12-19 에바라 유지라이토 코포레이션 리미티드 비아 필링 방법
JP2003129274A (ja) * 2001-10-29 2003-05-08 Applied Materials Inc 電解めっき方法
DE10261852B3 (de) 2002-12-20 2004-06-03 Atotech Deutschland Gmbh Gemisch oligomerer Phenaziniumverbindungen und dessen Herstellungsverfahren, saures Bad zur elektrolytischen Abscheidung eines Kupferniederschlages, enthaltend die oligomeren Phenaziniumverbindungen, sowie Verfahren zum elektrolytischen Abscheiden eines Kupferniederschlages mit einem das Gemisch enthaltenden Bad
US20050133376A1 (en) * 2003-12-19 2005-06-23 Opaskar Vincent C. Alkaline zinc-nickel alloy plating compositions, processes and articles therefrom
US7442286B2 (en) * 2004-02-26 2008-10-28 Atotech Deutschland Gmbh Articles with electroplated zinc-nickel ternary and higher alloys, electroplating baths, processes and systems for electroplating such alloys
JP4499502B2 (ja) * 2004-08-05 2010-07-07 荏原ユージライト株式会社 めっき用レベリング剤、酸性銅めっき浴用添加剤組成物、酸性銅めっき浴および該めっき浴を用いるめっき方法
JP2009041097A (ja) 2007-08-10 2009-02-26 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 銅めっき方法
JP5442188B2 (ja) 2007-08-10 2014-03-12 ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. 銅めっき液組成物
US8691987B2 (en) 2010-09-24 2014-04-08 Andrew M. Krol Method of producing polymeric phenazonium compounds
RU2013133648A (ru) 2010-12-21 2015-01-27 Басф Се Композиция для электролитического осаждения металлов, содержащая выравнивающий агент
JP5864161B2 (ja) 2011-08-23 2016-02-17 石原ケミカル株式会社 銅フィリング方法及び当該方法を適用した電子部品の製造方法
JP5903706B2 (ja) 2011-08-25 2016-04-13 石原ケミカル株式会社 銅フィリング方法及び当該方法を適用した電子部品の製造方法
CN103179806B (zh) * 2011-12-21 2019-05-28 奥特斯有限公司 组合的通孔镀覆和孔填充的方法
US9243339B2 (en) 2012-05-25 2016-01-26 Trevor Pearson Additives for producing copper electrodeposits having low oxygen content
US20140238868A1 (en) 2013-02-25 2014-08-28 Dow Global Technologies Llc Electroplating bath
CN106637311A (zh) * 2017-02-09 2017-05-10 济南德锡科技有限公司 一种凹印制版电镀硬铜镀液的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
BR112020003856A2 (pt) 2020-09-08
PL3483307T3 (pl) 2020-11-16
US10982343B2 (en) 2021-04-20
ES2800292T3 (es) 2020-12-29
EP3483307A1 (en) 2019-05-15
MX2020004882A (es) 2020-08-06
US20200347504A1 (en) 2020-11-05
PT3483307T (pt) 2020-07-03
BR112020003856B1 (pt) 2024-01-09
JP2020536168A (ja) 2020-12-10
KR20200035317A (ko) 2020-04-02
WO2019091721A1 (en) 2019-05-16
EP3483307B1 (en) 2020-04-01
CN111295468A (zh) 2020-06-16
KR102161944B1 (ko) 2020-10-06
CN111295468B (zh) 2021-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6836016B2 (ja) 電解銅析出用のめっき組成物、その使用、および基材の少なくとも1つの表面上に銅層または銅合金層を電解析出させる方法
CN101435099B (zh) 镀铜方法
JP2859326B2 (ja) 光沢があり、亀裂を有さない銅被膜を電気的に析出させる酸性水浴及び印刷回路の導電路補強法
JP4263363B2 (ja) 亜鉛被膜または亜鉛合金被膜のめっき堆積のためのシアン化物を含まない水性アルカリ浴
TWI379841B (en) Polyvinylammonium compound, method of manufacturing same, acidic solutioin containing said compound and method of electrolytically depositing a copper deposit
US20210262105A1 (en) Acidic aqueous composition for electrolytic copper plating
JPS6056085A (ja) 亜鉛/鉄合金めつき浴及び方法
KR20160038805A (ko) 구리 이온(i) 기반의 백색 청동용 시안화물이 없는 전기 도금조
TW201016898A (en) Zinc alloy electroplating baths and processes
JP4586020B2 (ja) 銅被膜を電解で析出するための酸性水溶液と方法に加えて上記水溶液の使用
KR20010100890A (ko) 구리 전기도금
JP2009149978A (ja) 銅−亜鉛合金電気めっき浴およびこれを用いためっき方法
US20230142446A1 (en) Acidic aqueous composition for electrolytically depositing a copper deposit
JP2020523481A (ja) 水性酸性銅電気めっき浴および銅コーティングの電解析出方法
TW201908534A (zh) 用於沉積鈷沉積物之水性組合物及電解沉積該沉積物之方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200331

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200331

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201005

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20201112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6836016

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250