図1は本発明に係る部品実装システムの一例を模式的に示す平面図である。図1に示すように、本明細書では、基板搬送方向X、幅方向Yおよび鉛直方向Zで構成されるXYZ直交座標軸を適宜用いる。基板搬送方向Xおよび幅方向Yは水平方向に並行であるとともに互いに直交し、鉛直方向Zは基板搬送方向Xおよび幅方向Yに直交する。
この部品実装システム1は、基板搬送方向Xの上流側から搬入された基板Bに対して部品を実装して基板搬送方向Xの下流側に搬出する1台の部品実装機10により構成される。基板Bには複数の実装対象点Bpが設けられており、部品実装機10に具備された制御部100は、部品実装機10の各部を制御することで、各実装対象点Bpに部品Wpを1個ずつ実装する。ここで、各部品WpはダイシングされたウェハーWのベアチップであり、互いに同一の構成を有する。
この部品実装機10は基板搬送方向Xに基板Bを搬送する搬送部2を備える。搬送部2は、基板搬送方向Xにこの順番で並ぶ、待機コンベア21、実装コンベア22、待機コンベア23、実装コンベア24および搬出コンベア25を有し、これらのコンベア21〜25が協働して基板搬送方向Xに基板Bを搬送することができる。待機コンベア21は、部品実装システム1の外部から搬入した基板Bを待機させ、あるいは実装コンベア22に受け渡す。実装コンベア22は待機コンベア21の基板搬送方向Xの下流側に位置する実装位置Pm1に対して設けられ、待機コンベア21から受け取った基板Bを実装位置Pm1に固定し、あるいは待機コンベア23に受け渡す。待機コンベア23は実装位置Pm1の基板搬送方向Xの下流側に位置する待機位置Pwに対して設けられ、実装コンベア22から受け取った基板Bを待機位置Pwで待機させ、あるいは実装コンベア24に受け渡す。実装コンベア24は待機位置Pwの基板搬送方向Xの下流側に位置する実装位置Pm2に対して設けられ、待機コンベア23から受け取った基板Bを実装位置Pm2に固定し、あるいは搬出コンベア25に受け渡す。搬出コンベア25は実装位置Pm2の基板搬送方向Xの下流側の位置に対して設けられ、実装コンベア24から受け取った基板Bを部品実装システム1の外部へ搬出する。このように、搬送部2では、M個の実装位置Pm1、Pm2が基板搬送方向Xに並んで設けられており、基板搬送方向Xに隣り合う実装位置Pm1、Pm2の間に待機位置Pwが配置されている。ここで、Mは2以上の整数で、図1の例ではM=2である。なお、以下では、実装位置Pm1、Pm2を区別しない場合には、実装位置Pmと称する。
また、部品実装機10は部品Wpを供給する部品供給機構3を備える。部品供給機構3は、複数のウェハーWを収納可能なウェハー収納部31と、ウェハー収納部31からウェハー供給位置PpまでウェハーWを引き出すウェハー引出部33とを有する。ウェハー収納部31は、それぞれウェハーWを保持する複数のウェハーホルダーWhを鉛直方向Zに並べて収納するラックを鉛直方向Zに昇降させることで、ウェハー引出部33がウェハーWを受取可能な高さにウェハーホルダーWhを位置させて、このウェハーホルダーWhをウェハー引出部33に押し出すことができる。
ウェハー引出部33は、ウェハーホルダーWhを支持するウェハー支持テーブル331と、ウェハー支持テーブル331を幅方向Yに移動可能に支持する固定レール332と、幅方向Yに設けられてウェハー支持テーブル331に取り付けられたボールネジ333と、ボールネジ333を駆動するY軸モーター334とを有する。したがって、Y軸モーター334によりボールネジ333を回転させることで、ウェハー支持テーブル331を固定レール332に沿って幅方向Yに移動させることができる。なお、図1に示すように、ウェハー収納部31とウェハー供給位置Ppとは搬送部2を幅方向Yから挟むように配置されており、ウェハー支持テーブル331は搬送部2の下方を通過する。かかるウェハー支持テーブル331は、ウェハー収納部31に隣接する受取位置でウェハー収納部31からウェハーホルダーWhを受け取って、受取位置よりウェハー収納部31から幅方向Yに離れたウェハー供給位置Ppへと移動することで、ウェハー供給位置PpにウェハーWを引き出す。
さらに、部品供給機構3は、ウェハー供給位置Ppから部品Wpを取り出す部品取出部35を有する。部品取出部35は、ウェハー供給位置Ppから部品Wpを取り出す取出ヘッド36を有し、取出ヘッド36をXY方向に駆動可能である。つまり、部品取出部35は、取出ヘッド36を基板搬送方向Xに移動可能に支持する支持部材351と、基板搬送方向Xに設けられて取出ヘッド36に取り付けられたボールネジを駆動するX軸モーター352とを有し、X軸モーター352によりボールネジを駆動することで、取出ヘッド36を基板搬送方向Xに移動させることができる。また、部品取出部35は、支持部材351を幅方向Yに移動可能に支持する固定レール353と、幅方向Yに設けられて固定レール353に取り付けられたボールネジ354と、ボールネジ354を駆動するY軸モーター355とを有する。したがって、Y軸モーター355によりボールネジ354を駆動することで、支持部材351とともに取出ヘッド36を幅方向Yに移動させることができる。
取出ヘッド36は、基板搬送方向Xに延設されたブラケット361と、ブラケット361に回転可能に支持された2個のノズル362とを有する。各ノズル362は、基板搬送方向Xに平行な回転軸を中心に回転することで、下方を向く吸着位置および上方を向く受渡位置(図1の位置)のいずれかに位置する。また、ブラケット361は、各ノズル362を伴って昇降可能である。
かかる部品供給機構3は、吸着位置に位置させたノズル362を、ウェハー供給位置Pp上の部品Wpに上方から対向させると、ノズル362を下降させて部品Wpに接触させる。さらに、部品供給機構3はノズル362に負圧を与えつつノズル362を上昇させることで、ウェハー供給位置Ppから部品Wpを吸着する。そして、部品供給機構3は、ノズル362を受渡位置に位置させることで、部品Wpを供給する。
部品実装機10は、こうして部品供給機構3によって供給された部品Wpを基板Bに実装する実装部4A、4Bを備える。特にM個の実装位置Pm1、Pm2に対して一対一の対応関係で、M個の実装部4A、4Bが設けられている(上述の通り、図1の例ではM=2である)。つまり、実装部4Aは、実装位置Pm1に対応して設けられ、実装部4Bは、実装位置Pm2に対応して設けられている。実装部4A、4Bは、部品実装機10の天井に幅方向Yに設けられた固定レールに沿って移動可能な支持部材41と、支持部材41によって基板搬送方向Xに移動可能に支持された実装ヘッド42とを有し、実装ヘッド42をXY方向に移動させることができる。実装ヘッド42は、下方を向く2個のノズル421を有する。
部品Wpの吸着・実装に際しては、実装部4A、4Bそれぞれは、取出ヘッド36の上方に移動して、受渡位置に位置するノズル362に保持される部品Wpに対してノズル421を上方から対向させると、ノズル421を下降させて部品Wpに接触させる。続いて、部品供給機構3がノズル362の負圧を解除するとともに、実装部4A、4Bがノズル421に負圧を与えつつノズル421を上昇させる。こうして実装ヘッド42によって部品Wpを吸着すると、実装部4Aは、対応する実装位置Pm1に固定された基板Bの実装対象点Bpに部品Wpを実装し、実装部4Bは、対応する実装位置P4に固定された基板Bの実装対象点Bpに部品Wpを実装する。このように、実装部4A、4Bは、単一種類の部品Wpを基板Bに実装する。なお、以下では、実装部4A、4Bを区別しない場合には、実装部4と称する。
かかる部品実装システム1では、制御部100は、実装位置Pm1、Pm2において基板Bに部品実装を実行することができる。この際、制御部100は、一の基板Bに設けられた複数の実装対象点Bpに対する部品実装をM個の実装位置Pm1、Pm2の間で分配する(換言すれば、分担させる)。つまり、搬送部2は、当該一の基板Bを基板搬送方向Xに搬送しつつ、M個の実装位置Pm1、Pm2のうち部品実装が分配された実装位置Pmに停止させる。そして、実装部4は、対応する実装位置Pmで停止する当該一の基板Bに対して、対応する実装位置Pmに分配された部品実装を実行する。
通常は、制御部100は、基板Bの複数の実装対象点Bpのうち、基板搬送方向Xの上流側半分の実装対象点Bpの部品実装を実装位置Pm1に分配し、基板搬送方向Xの下流側半分の実装対象点Bpの部品実装を実装位置Pm2に分配する(通常実装モード)。具体的には、搬送部2は一の基板Bを実装位置Pm1に搬送して、実装部4Aが実装位置Pm1に停止する基板Bの基板搬送方向Xの上流側半分の実装対象点Bp(通常分配点)に部品Wpを実装する。実装位置Pm1での部品実装が完了すると、搬送部2は、基板Bを実装位置Pm1から実装位置Pm2に搬送して、実装部4Bが実装位置Pm2に停止する基板Bの基板搬送方向Xの下流側半分の実装対象点Bp(通常分配点)に部品Wpを実装する。つまり、通常実装モードは、一の基板Bを実装位置Pm1、Pm2に順番に停止させて、各実装位置Pm1、Pm2に停止する一の基板Bに対して各実装位置Pm1、Pm2に分配された部品実装を実行する。そして、制御部100は、複数の基板Bを基板搬送方向Xに順番に搬送しつつ、各基板Bに対して通常実装モードを実行することができる。
ただし、制御部100は、L枚(LはMより大きい整数)の基板Bを順番に搬送部2により搬送しつつ各基板Bに部品実装を実行するにあたっては、基板Bの搬送順序Nに応じて実装位置Pm1、Pm2への部品実装の分配を動的に変更する。図2〜図4を用いて、この点を詳述する。なお、以下では、基板搬送方向Xの下流あるいは上流を単に「下流」あるいは「上流」と適宜称する。
図2は基板を基板搬送方向に搬送しつつ基板に部品実装を実行するに際して実行される搬入時判断処理の一例を示すフローチャートであり、図3は基板搬送方向に搬送しつつ基板に部品実装を実行するに際して実行される実装完了時判断処理の一例を示すフローチャートであり、図4は図2および図3のフローチャートに従って実行される動作の第1例を模式的に示す図である。図4では、4枚(すなわち、L=4)の基板Bを基板搬送方向Xに順番に搬送しつつ、各基板Bに部品実装を実行する例が示されている。また、図4では、L枚の基板Bの搬送順序N(N=1〜4)が符号Bに付されている。
制御部100は、実装位置Pm1、Pm2のそれぞれについて図2および図3のフローチャートに示す搬入時・実装完了時判断処理を実行することで、図4の動作を実行する。1番目の基板B1の下流端が実装位置Pm1に搬入されると(図2のステップS101で「YES」)、基板B1の複数の実装対象点Bpのうちに、部品Wpが実装されていない未実装点が存在するかが判断される(ステップS102)。基板B1には未実装点が存在するため(ステップS102で「YES」)、ステップS103に進む。ステップS103では、本実装位置Pm1がM個の実装位置Pm1、Pm2のうち最下流の実装位置Pmであるかが判断される。実装位置Pm1は最下流の実装位置Pmでないため(ステップS103で「NO」)、ステップS104に進む。ステップS104では、本実装位置Pm1より下流の実装位置Pm2で、基板B1への部品実装を実行可能かが判断される。実装位置Pm2で部品実装を実行予定の基板Bは存在せず、実装位置Pm2が基板B1への部品実装を実行可能であるため(ステップS104で「YES」)、ステップS105へ進む。そして、ステップS105では、制御部100は、基板B1の部品実装を、本実装位置Pm1に分配せず、下流の実装位置Pm2に分配すると決定する。
ステップS105での決定によって、基板B1は実装位置Pm1を通過して実装位置Pm2へ向けて搬送される。こうして基板B1の下流端が実装位置Pm2に搬入されると(ステップS101で「YES」)、基板B1の未実装点の存在が判断される(ステップS102)。基板B1には未実装点が存在するため(ステップS102で「YES」)、ステップS103で、本実装位置Pm2が最下流の実装位置Pmであるかが判断される。実装位置Pm2は最下流の実装位置Pmであるため(ステップS103で「YES」)、ステップS106へ進む。そして、ステップS106では、制御部100は、基板B1の部品実装を本実装位置Pm2に分配すると決定する。具体的には、基板B1が停止せずに通過した実装位置Pm1への通常分配点(上流側半分)と、基板B1の搬入先である実装位置Pm2への通常分配点(下流側半分)とに対する部品実装が、実装位置Pm2に分配される。これによって、図4の動作A101の欄に示すように、基板B1は実装位置Pm2に搬入され、基板B1の全実装対象点Bpへの部品実装が実装位置Pm2に分配される。
2番目の基板B2の下流端が実装位置Pm1に搬入されると(ステップS101で「YES」)、ステップS102で基板B2に未実装点が存在する(YES)と判断され、さらにステップS103で本実装位置Pm1が最下流の実装位置Pmでない(NO)と判断され、ステップS104に進む。下流の実装位置Pm2では先の基板B1に部品実装を実行予定であるため、ステップS104では、実装位置Pm2では基板B2の部品実装を実装できない(NO)と判断され、ステップS106に進む。そして、ステップS106では、制御部100は、基板B2の部品実装を実装位置Pm1に分配すると決定する。これによって、図4の動作A101の欄に示すように、基板B2は実装位置Pm1に搬入され、基板B2の全実装対象点Bpのうち実装位置Pm1の通常分配点(上流側半分)への部品実装が実装位置Pm1に分配される。
そして、実装位置Pm2では、実装位置Pm1、Pm2への通常分配点への部品実装が1番目の基板B1に対して開始され、実装位置Pm1では、実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が2番目の基板B2に対して開始される。図4の動作A102の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B2に対して完了すると(ステップS201で「YES」)、基板B2に未実装点が存在するかが判断される(ステップS202)。基板B2の複数の実装対象点Bpのうち下流側半分には部品Wpが実装されていないため(ステップS202で「YES」)、ステップS203に進む。ステップS203では、実装位置Pm1の上流側、すなわち待機コンベア21に基板Bが存在するかが判断される。待機コンベア21には3番目の基板B3が存在するため(ステップS203で「YES」)、ステップS204に進む。ステップS204では、実装位置Pm1の下流側、すなわち待機位置Pwに基板Bが存在するかが判断される。待機位置Pwには基板Bが存在しないため(ステップS204で「NO」)、ステップS205に進む。そして、ステップS205では、基板B2が実装位置Pm1の下流、すなわち待機位置Pwに搬出され、基板B3の下流への搬送が開始される。
3番目の基板B3の下流端が実装位置Pm1に搬入されると(ステップS101で「YES」)、ステップS102で基板B3に未実装点が存在する(YES)と判断され、さらにステップS103で本実装位置Pm1が最下流の実装位置Pmでない(NO)と判断され、ステップS104に進む。下流の実装位置Pm2は先の基板B1に部品実装を実行中であるため、ステップS104では、実装位置Pm2では基板B3の部品実装を実装できない(NO)と判断され、ステップS106に進む。そして、ステップS106では、制御部100は、基板B3の部品実装を実装位置Pm1に分配すると決定する。これによって、図4の動作A103の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm1に搬入され、基板B3の全実装対象点Bpのうち実装位置Pm1の通常分配点(上流側半分)への部品実装が実装位置Pm1に分配される。
そして、実装位置Pm1では、実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が3番目の基板B3に対して開始される。図4の動作A104の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B1に対して完了すると(図3のステップS201で「YES」)、基板B1に未実装点が存在するかが判断される(ステップS202)。基板B1の全実装対象点Bpに対して部品Wpが実装されているため(ステップS202で「NO」)、図4の動作A105の欄に示すように、基板B1が実装位置Pm2から下流へ搬出され、基板B2の下流への搬送が開始される(ステップS205)。
また、図4の動作A104の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B3に対して完了すると(ステップS201で「YES」)、基板B3に未実装点が存在するかが判断される(ステップS202)。基板B3の複数の実装対象点Bpのうち下流側半分に部品Wpが実装されていないため(ステップS202で「YES」)、実装位置Pm1の上流側、すなわち待機コンベア21に基板Bが存在するかが判断される(ステップS203)。待機コンベア21には4番目の基板B4が存在するため(ステップS203で「YES」)、ステップS204に進む。ステップS204では、実装位置Pm1の下流側、すなわち待機位置Pwに基板Bが存在するかが判断される。実装位置Pm2から基板B1が搬出されるのに伴って待機位置Pwから基板B2が搬出されるため、ステップS204では、待機位置Pwには基板Bが存在しない(NO)と判断され、ステップS205に進む。そして、図4の動作A105の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm1から待機位置Pwに搬出されるとともに、基板B4の下流への搬送が開始される(ステップS205)。
基板B2の下流端が実装位置Pm2に搬入されると(ステップS101で「YES」)、基板B2の未実装点の存在が判断される(ステップS102)。基板B2の複数の実装対象点Bpのうち下流側半分には部品Wpが実装されていないため(ステップS102で「YES」)、ステップS103で、本実装位置Pm2が最下流の実装位置Pmであるかが判断される。実装位置Pm2は最下流の実装位置Pmであるため(ステップS103で「YES」)、ステップS106へ進む。そして、ステップS106では、制御部100は、基板B2の未実装点への部品実装を本実装位置Pm2に分配すると決定する。これによって、図4の動作A105の欄に示すように、基板B2が実装位置Pm2に搬入され、基板B2の全実装対象点Bpのうち実装位置Pm2の通常分配点(下流側半分)への部品実装が実装位置Pm2に分配される。
また、4番目の基板B4の下流端が実装位置Pm1に搬入されると(ステップS101で「YES」)、ステップS102で基板B4に未実装点が存在する(YES)と判断され、さらにステップS103で本実装位置Pm1が最下流の実装位置Pmでない(NO)と判断され、ステップS104に進む。下流の実装位置Pm2は先の基板B2に部品実装を実行予定であるため、ステップS104では、実装位置Pm2では基板B4の部品実装を実装できない(NO)と判断され、ステップS106に進む。そして、ステップS106では、制御部100は、基板B4の部品実装を実装位置Pm1に分配すると決定する。これによって、図4の動作A105の欄に示すように、基板B4が実装位置Pm1に搬入され、基板B4の全実装対象点Bpのうち実装位置Pm1の通常分配点(上流側半分)への部品実装が実装位置Pm1に分配される。
そして、実装位置Pm2では、実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が2番目の基板B2に対して開始され、実装位置Pm1では、実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が4番目の基板B4に対して開始される。図4の動作A106の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B2に対して完了すると(ステップS201で「YES」)、基板B2に未実装点が存在するかが判断される(ステップS202)。基板B2の全実装対象点Bpに対して部品Wpが実装されているため(ステップS202で「NO」)、図4の動作A107の欄に示すように、基板B2が実装位置Pm2から下流へ搬出され、基板B3の下流への搬送が開始される(ステップS205)。
図4の動作A106の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B4に対して完了すると(ステップS201で「YES」)、基板B4に未実装点が存在するかが判断される(ステップS202)。基板B4の複数の実装対象点Bpのうち下流側半分に部品Wpが実装されていないため(ステップS202で「YES」)、実装位置Pm1の上流側、すなわち待機コンベア21に基板Bが存在するかが判断される(ステップS203)。待機コンベア21には基板Bが存在しないため(ステップS203で「NO」)、ステップS206に進む。ステップS206では、制御部100は、基板B4の部品実装を実装位置Pm1に分配すると決定する。これによって、図4の動作A107の欄に示すように、基板B4は実装位置Pm1に留まり、基板B4の全実装対象点Bpのうち実装位置Pm2の通常分配点(下流側半分)への部品実装が実装位置Pm1に分配される。
基板B3の下流端が実装位置Pm2に搬入されると(ステップS101で「YES」)、基板B3の未実装点の存在が判断される(ステップS102)。基板B3の複数の実装対象点Bpのうち下流側半分には部品Wpが実装されていないため(ステップS102で「YES」)、ステップS103で、本実装位置Pm3が最下流の実装位置Pmであるかが判断される。実装位置Pm2は最下流の実装位置Pmであるため(ステップS103で「YES」)、ステップS106へ進む。そして、ステップS106では、制御部100は、基板B3の未実装点への部品実装を本実装位置Pm2に分配すると決定する。これによって、図4の動作A107に示すように、基板B3が実装位置Pm2に搬入され、基板B3の全実装対象点Bpのうち実装位置Pm2の通常分配点(下流側半分)への部品実装が実装位置Pm2に分配される。
そして、実装位置Pm2では、実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が3番目の基板B3に対して開始され、実装位置Pm1では、実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が4番目の基板B4に対して開始される。図4の動作A108の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B3に対して完了すると(ステップS201で「YES」)、基板B3に未実装点が存在するかが判断される(ステップS202)。基板B3の全実装対象点Bpに対して部品Wpが実装されているため(ステップS202で「NO」)、基板B3が実装位置Pm2から下流へ搬出される(ステップS205)。
図4の動作A108の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B4に対して完了すると(ステップS201で「YES」)、基板B4に未実装点が存在するかが判断される(ステップS202)。基板B4の全実装対象点Bpに対して部品Wpが実装されているため(ステップS202で「NO」)、基板B4が実装位置Pm1から下流へ搬出される(ステップS205)。さらに、基板B4の下流端が実装位置Pm2に搬入されると(ステップS101で「YES」)、基板B4に未実装点が存在するかが判断される(ステップS102)。基板B4の全実装対象点Bpに対して部品Wpが実装されているため(ステップS102で「NO」)、ステップS107で基板B4が実装位置Pm1から下流へ搬出される。
以上のように構成された実施形態では、実装位置Pmの個数Mは「2」であり、基板Bの枚数Lは「4」である。つまり、一の基板Bに設けられた複数の実装対象点Bpに対する部品実装が2個の実装位置Pm1、Pm2の間で分配される。そして、当該一の基板Bを基板搬送方向Xに搬送しつつ2個の実装位置Pm1、Pm2のうち部品実装を分配した実装位置Pmに停止させて、実装位置Pmで停止する当該一の基板Bに対して実装位置Pmに分配された部品実装が実行される。この際、4枚の基板B1〜B4のうち基板搬送方向Xへの搬送順序NがM未満の基板B1に対しては初期実装モード(動作A101〜A104における基板B1に対する動作)で部品実装が実行され、搬送順序NがM以上であって(L−M+2)番未満の基板B3に対しては通常実装モード(動作A103〜A108における基板B3に対する動作)で部品実装が実行される。初期実装モードでは、搬送順序1の基板B1に関して、2個の実装位置Pm1、Pm2のうち基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1よりも下流側の実装位置Pm2に基板B1への部品実装が選択的に分配される。したがって、基板B1は1番目の実装位置Pm1を通過して、1番目の実装位置Pm1よりも下流側の実装位置Pm2で基板B1の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。一方、通常実装モードでは、2個の実装位置Pm1、Pm2のそれぞれに基板B3への部品実装が分配され、基板B3は2個の実装位置Pm1、Pm2に順番に停止して、2個の実装位置Pm1、Pm2のそれぞれで順番に基板B3の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。
したがって、4枚の基板のうち搬送順序が最初の2枚の基板については、次のようにして部品実装が実行される。つまり、1番目の基板B1は、初期実装モードによって、基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目の実装位置Pm2に搬送され、2番目の基板B2は、通常実装モードによって、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1に搬送される。こうして、2個の実装位置Pm1、Pm2のそれぞれに基板B2、B1を搬送して、各実装位置Pm1、Pm2で基板B2、B1への部品実装を開始することができる。これによって、部品実装システム1の稼働率の低下を抑制することが可能となっている。
また、搬送部2は、基板搬送方向Xに隣り合う実装位置Pm1、Pm2の間に配置された待機位置Pwをさらに有する。そして、基板搬送方向Xにおいて、2個の実装位置Pm1、Pm2のうち、最下流の実装位置Pm2以外の実装位置Pm1は、下流側で隣り合う実装位置Pm2で部品実装が実行する場合には、分配された部品実装が完了した基板Bを下流側の待機位置Pwに搬出して、分配された部品実装が未完の基板Bを基板搬送方向Xの上流側から搬入する(動作A102〜A103の基板B2、B3等)。かかる構成では、最下流の実装位置Pm2以外の実装位置Pm1では、分配された部品実装が完了した基板Bを速やかに待機位置Pwに搬出され、部品実装が未完の次の基板Bが基板搬送方向Xの上流側から搬入される。その結果、部品実装システム1の稼働率の低下をより効果的に抑制することが可能となっている。
また、通常実装モードでは、実装位置Pm1、Pm2のそれぞれで部品Wpが実装される実装対象点Bpの個数の差が1個以下となるように(上記の実施形態では、個数の差はゼロである)、2個の実装位置Pm1、Pm2のそれぞれに基板Bへの部品実装が分配される。一方、初期実装モードでは、搬送順序1の基板B1に関して、基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目の実装位置Pm2には、通常実装モードで基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2に分配される部品実装が分配される。かかる構成では、仮に搬送順序NがM未満の基板B1に対して通常実装モードを実行した場合に、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2に分配される部品実装が、初期実装モードにおいて2番目の実装位置Pm2に分配される。つまり、初期実装モードでは、搬送順序1の基板B1に関して、2番目の実装位置Pm2より上流側の実装位置Pm1での部品実装が省略されるものの、この部品実装を2番目の実装位置Pm2で確実に実行することが可能となっている。
また、通常実装モードにおいて、実装位置Pm1、Pm2のそれぞれで部品Wpが実装される実装対象点Bpの個数の差を1個以下とすることで、各実装位置Pm1、Pm2での実装時間を均等化できる。すなわち、各実装位置Pm1、Pm2での実装対象点Bpの個数がおおよそ均等であれば、各実装位置Pm1、Pm2からの基板Bの搬送を略同時に実行できる。また、各実装位置Pm1、Pm2の実装時間自体が均等化されるように、各実装位置Pm1、Pm2での実装対象点Bpの個数を決めても良い。この場合、各実装位置Pm1、Pm2での実装時間を完全に等しくできないにしても、各実装位置Pm1、Pm2での実装時間の差を抑えるように、各実装位置Pm1、Pm2での実装対象点Bpの個数を決めても良い。
また、制御部100は、4枚の基板B1〜B4のうち搬送順序Nが4番以上の基板B4に対しては終期実装モード(動作A105〜A108における基板B4に対する動作)で部品実装を実行する。この終期実装モードでは、搬送順序4の基板B4に関して、2個の実装位置Pm1、Pm2のうち基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1に基板B4への部品実装が選択的に分配され、1番目の実装位置Pm1で基板B4の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。かかる構成では、4枚の基板B1〜B4のうち搬送順序Nが(L−M+2)番以上の基板B4に対しては、2個の実装位置Pm1、Pm2のうち基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1に基板B4への部品実装が選択的に分配され、1番目の実装位置Pm1で基板B4の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。したがって、基板搬送方向Xにおいて、1番目より下流側の実装位置Pm2で部品実装を実行中であっても、1番目の実装位置Pm1を稼動させて、搬送順序Nが(L−M+2)番以上の基板B4に対して部品実装を効率的に実行できる。その結果、部品実装システム1の稼働率の低下をより効果的に抑制することが可能となっている。
また、終期実装モードでは、搬送順序4の基板B4に関して、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1には、通常実装モードで基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2に分配される部品実装が分配される。かかる構成では、仮に搬送順序Nが(L−M+2)番以上の基板B4に対して通常実装モードを実行した場合に、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2に分配される部品実装が、終期実装モードにおいて1番目の実装位置Pm1に分配される。つまり、終期実装モードでは、搬送順序4の基板B4に関して、1番目の実装位置Pm1より下流側の実装位置Pm2での部品実装が省略されるものの、この部品実装を1番目の実装位置Pm1で確実に実行することが可能となっている。
図5および図6は図2および図3のフローチャートに従って実行される動作の第2例を模式的に示す図である。図5および図6では、8枚(すなわち、L=8)の基板Bを基板搬送方向Xに順番に搬送しつつ、各基板Bに部品実装を実行する例が示されている。また、図5および図6では、L枚の基板Bの搬送順序N(N=1〜8)が符号Bに付されている。
図5および図6に示すように、搬送部2では、実装コンベア24と搬出コンベア25(図1)との間に、待機コンベア26と実装コンベア27とが基板搬送方向Xにこの順で並べて設けられており、待機コンベア26は待機位置Pw2で基板Bを停止・固定させ、実装コンベア27は実装位置Pm3で基板Bを停止・固定させる。つまり、搬送部2では、M個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3が基板搬送方向Xに並んで設けられており、基板搬送方向Xに隣り合う実装位置Pm1、Pm2の間に待機位置Pw1が配置され、基板搬送方向Xに隣り合う実装位置Pm2、Pm3の間に待機位置Pw2が配置されている。ここで、図5および図6の例ではM=3であり、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3に一対一で対応して3個の実装部4が設けられており、各実装部4は対応する実装位置Pmで停止する基板Bに対して部品実装を実行する。なお、以下では、実装位置Pm1、Pm2、Pm3を区別しない場合には、実装位置Pmと称し、待機位置Pw1、Pw2を区別しない場合には、待機位置Pwと称する。
第2例においても、制御部100は、L枚の基板Bを順番に搬送部2により搬送しつつ各基板Bに部品実装を実行するにあたっては、基板Bの搬送順序Nに応じて実装位置Pm1、Pm2、Pm3への部品実装の分配を動的に変更する。この際、実装位置Pmの個数の違いに応じて、通常実装モードで実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれに分配される実装対象点Bpが第1例と異なる。つまり、基板Bの複数の実装対象点Bpのうち、実装位置Pm1では上流側の3分の1の実装対象点Bp(通常分配点)に対して部品Wpが実装され、実装位置Pm2では中央の3分の1の実装対象点Bp(通常分配点)に対して部品Wpが実装され、実装位置Pm3では下流側の3分の1の実装対象点Bp(通常分配点)に対して部品Wpが実装される。
そして、制御部100は、実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれについて図2および図3のフローチャートに示す搬入時・実装完了時判断処理を実行することで、図5および図6の動作を実行する。なお、図2および図3のフローチャートに基づく判断の詳細は上記の第1例と同様であるので、その説明は適宜省略する。
図5の動作A201の欄に示すように、1番目の基板B1を基板搬送方向Xに搬送しつつ、基板B1に対して実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれで搬入時判断処理が実行された結果、基板B1は、実装位置Pm1、Pm2を通過して実装位置Pm3に搬入され、基板B1への部品実装が実装位置Pm3に分配される。具体的には、基板B1が停止せずに通過した実装位置Pm1、Pm2への通常分配点と、基板B1の搬入先である実装位置Pm3への通常分配点とに対する部品実装が、実装位置Pm3に分配される。これによって、基板B1の全実装対象点Bpへの部品実装が実装位置Pm3に分配される。
また、2番目の基板B2を基板搬送方向Xに搬送しつつ、基板B2に対して実装位置Pm1、Pm2のそれぞれで搬入時判断処理が実行された結果、基板B2は、実装位置Pm1を通過して実装位置Pm2に搬入され、基板B2への部品実装が実装位置Pm2に分配される。具体的には、基板B2が停止せずに通過した実装位置Pm1への通常分配点と、基板B2の搬入先である実装位置Pm2への通常分配点とに対する部品実装が、実装位置Pm2に分配される。これによって、基板B2の上流側の3分の2の実装対象点Bpへの部品実装が実装位置Pm2に分配される。
さらに、3番目の基板B3を基板搬送方向Xに搬送しつつ、基板B3に対して実装位置Pm1で搬入時判断処理が実行された結果、基板B3は実装位置Pm1に搬入され、基板B3への部品実装が実装位置Pm1に分配される。具体的には、実装位置Pm1の通常分配点に対する部品実装が、実装位置Pm1に分配される。これによって、基板B3の上流側の3分の1の実装対象点Bp(通常分配点)への部品実装が実装位置Pm1に分配される。
そして、実装位置Pm3では、実装位置Pm1、Pm2、Pm3への通常分配点への部品実装が1番目の基板B1に対して開始され、実装位置Pm2では、実装位置Pm1、Pm2への通常分配点への部品実装が2番目の基板B2に対して開始され、実装位置Pm1では、実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が1番目の基板B3に対して開始される。図5の動作A202の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B3に対して完了すると、実装位置Pm1で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A203の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm1から待機位置Pw1に搬出される。これと並行して、4番目の基板B4の下流への搬送が開始されて、基板B4の下流端が実装位置Pm1に搬入されると、実装位置Pm1で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A203の欄に示すように、基板B4が実装位置Pm1に搬入され、基板B4への部品実装が実装位置Pm1に分配される。これによって、実装位置Pm1には、基板B4の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm1ではこの部品実装が基板B4に対して開始される。
図5の動作A204の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B2に対して完了すると、実装位置Pm2で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A205の欄に示すように、基板B2が実装位置Pm2から待機位置Pw2に搬出される。これと並行して、基板B3の下流への搬送が開始され、基板B3の下流端が実装位置Pm2に搬入されると、実装位置Pm2で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A205の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm2に搬入され、基板B3への部品実装が実装位置Pm2に分配される。これによって、実装位置Pm2には、基板B3の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm2ではこの部品実装が基板B3に対して開始される。
図5の動作A204の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B4に対して完了すると、実装位置Pm1で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A205の欄に示すように、基板B4が実装位置Pm1から待機位置Pw1に搬出される。これと並行して、5番目の基板B5の下流への搬送が開始され、基板B5の下流端が実装位置Pm1に搬入されると、実装位置Pm1で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A205の欄に示すように、基板B5が実装位置Pm1に搬入され、基板B5への部品実装が実装位置Pm1に分配される。これによって、実装位置Pm1には、基板B5の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm1ではこの部品実装が基板B5に対して開始される。
図5の動作A206の欄に示すように、実装位置Pm3で分配された部品実装が基板B1に対して完了すると、実装位置Pm3で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A207の欄に示すように、基板B1が実装位置Pm3から搬出される。これと並行して、基板B2の下流への搬送が開始され、基板B2の下流端が実装位置Pm3に搬入されると、実装位置Pm3で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A207の欄に示すように、基板B2が実装位置Pm3に搬入され、基板B2への部品実装が実装位置Pm3に分配される。これによって、実装位置Pm3には、基板B2の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm3への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm3ではこの部品実装が基板B2に対して開始される。
図5の動作A206の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B3に対して完了すると、実装位置Pm2で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A207の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm2から待機位置Pw2に搬出される。これと並行して、基板B4の下流への搬送が開始され、基板B4の下流端が実装位置Pm2に搬入されると、実装位置Pm2で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A207の欄に示すように、基板B4が実装位置Pm2に搬入され、基板B4への部品実装が実装位置Pm2に分配される。これによって、実装位置Pm2には、基板B4の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm2ではこの部品実装が基板B4に対して開始される。
図5の動作A206の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B5に対して完了すると、実装位置Pm1で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A207の欄に示すように、基板B5が実装位置Pm1から待機位置Pw1に搬出される。これと並行して、6番目の基板B6の下流への搬送が開始され、基板B6の下流端が実装位置Pm1に搬入されると、実装位置Pm1で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A207の欄に示すように、基板B6が実装位置Pm1に搬入され、基板B6への部品実装が実装位置Pm1に分配される。これによって、実装位置Pm1には、基板B6の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm1ではこの部品実装が基板B6に対して開始される。
図5の動作A208の欄に示すように、実装位置Pm3で分配された部品実装が基板B2に対して完了すると、実装位置Pm3で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A209の欄に示すように、基板B2が実装位置Pm3から搬出される。これと並行して、基板B3の下流への搬送が開始され、基板B3の下流端が実装位置Pm3に搬入されると、実装位置Pm3で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A209の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm3に搬入され、基板B3への部品実装が実装位置Pm3に分配される。これによって、実装位置Pm3には、基板B3の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm3への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm3ではこの部品実装が基板B3に対して開始される。
図5の動作A208の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B4に対して完了すると、実装位置Pm2で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A209の欄に示すように、基板B4が実装位置Pm2から待機位置Pw2に搬出される。これと並行して、基板B5の下流への搬送が開始され、基板B5の下流端が実装位置Pm2に搬入されると、実装位置Pm2で搬入時判断処理が実行される。その結果、図5の動作A209の欄に示すように、基板B5が実装位置Pm2に搬入され、基板B5への部品実装が実装位置Pm2に分配される。これによって、実装位置Pm2には、基板B5の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm2ではこの部品実装が基板B5に対して開始される。
図5の動作A208の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B6に対して完了すると、実装位置Pm1で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A209の欄に示すように、基板B6が実装位置Pm1から待機位置Pw1に搬出される。これと並行して、7番目の基板B7の下流への搬送が開始され、基板B7の下流端が実装位置Pm1に搬入されると、実装位置Pm1で搬入時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A209の欄に示すように、基板B7が実装位置Pm1に搬入され、基板B7への部品実装が実装位置Pm1に分配される。これによって、実装位置Pm1には、基板B7の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm1ではこの部品実装が基板B7に対して開始される。
図6の動作A210の欄に示すように、実装位置Pm3で分配された部品実装が基板B3に対して完了すると、実装位置Pm3で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A211の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm3から搬出される。これと並行して、基板B4の下流への搬送が開始され、基板B4の下流端が実装位置Pm3に搬入されると、実装位置Pm3で搬入時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A211の欄に示すように、基板B4が実装位置Pm3に搬入され、基板B4への部品実装が実装位置Pm3に分配される。これによって、実装位置Pm3には、基板B4の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm3への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm3ではこの部品実装が基板B4に対して開始される。
図6の動作A210の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B5に対して完了すると、実装位置Pm2で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A211の欄に示すように、基板B5が実装位置Pm2から待機位置Pw2に搬出される。これと並行して、基板B6の下流への搬送が開始され、基板B6の下流端が実装位置Pm2に搬入されると、実装位置Pm2で搬入時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A211の欄に示すように、基板B6が実装位置Pm2に搬入され、基板B6への部品実装が実装位置Pm2に分配される。これによって、実装位置Pm2には、基板B6の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm2ではこの部品実装が基板B6に対して開始される。
図6の動作A210の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B7に対して完了すると、実装位置Pm1で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A211の欄に示すように、基板B7が実装位置Pm1から待機位置Pw1に搬出される。これと並行して、8番目の基板B8の下流への搬送が開始され、基板B8の下流端が実装位置Pm1に搬入されると、実装位置Pm1で搬入時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A211の欄に示すように、基板B8が実装位置Pm1に搬入され、基板B8への部品実装が実装位置Pm1に分配される。これによって、実装位置Pm1には、基板B8の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm1ではこの部品実装が基板B8に対して開始される。
図6の動作A212の欄に示すように、実装位置Pm3で分配された部品実装が基板B4に対して完了すると、実装位置Pm3で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A213の欄に示すように、基板B4が実装位置Pm3から搬出される。これと並行して、基板B5の下流への搬送が開始され、基板B5の下流端が実装位置Pm3に搬入されると、実装位置Pm3で搬入時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A213の欄に示すように、基板B5が実装位置Pm3に搬入され、基板B5への部品実装が実装位置Pm3に分配される。これによって、実装位置Pm3には、基板B5の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm3への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm3ではこの部品実装が基板B5に対して開始される。
図6の動作A212の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B6に対して完了すると、実装位置Pm2で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A213の欄に示すように、基板B6が実装位置Pm2から待機位置Pw2に搬出される。これと並行して、基板B7の下流への搬送が開始され、基板B7の下流端が実装位置Pm2に搬入されると、実装位置Pm2で搬入時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A213の欄に示すように、基板B7が実装位置Pm2に搬入され、基板B7への部品実装が実装位置Pm2に分配される。これによって、実装位置Pm2には、基板B7の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm2ではこの部品実装が基板B7に対して開始される。
図6の動作A212の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B8に対して完了すると、実装位置Pm1で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A213の欄に示すように、基板B8は実装位置Pm1に留まり、基板B8への部品実装が実装位置Pm1に分配される。これによって、実装位置Pm1には、基板B8の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm1ではこの部品実装が基板B8に対して開始される。
図6の動作A214の欄に示すように、実装位置Pm3で分配された部品実装が基板B5に対して完了すると、実装位置Pm3で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A215の欄に示すように、基板B5が実装位置Pm3から搬出される。これと並行して、基板B6の下流への搬送が開始され、基板B6の下流端が実装位置Pm3に搬入されると、実装位置Pm3で搬入時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A215の欄に示すように、基板B6が実装位置Pm3に搬入され、基板B6への部品実装が実装位置Pm3に分配される。これによって、実装位置Pm3には、基板B6の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm3への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm3ではこの部品実装が基板B6に対して開始される。
図6の動作A214の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B7に対して完了すると、実装位置Pm2で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A215の欄に示すように、基板B7は実装位置Pm2に留まり、基板B7への部品実装が実装位置Pm2に分配される。これによって、実装位置Pm2には、実装位置Pm3への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm2ではこの部品実装が基板B7に対して開始される。
図6の動作A214の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B8に対して完了すると、実装位置Pm1で実装完了時判断処理が実行される。その結果、図6の動作A215の欄に示すように、基板B8は実装位置Pm1に留まり、基板B8への部品実装が実装位置Pm1に分配される。これによって、実装位置Pm1には、実装位置Pm3への通常分配点への部品実装が分配され、実装位置Pm3ではこの部品実装が基板B8に対して開始される。
図6の動作A216の欄に示すように、実装位置Pm3、Pm2、Pm1で、それぞれに分配された部品実装が基板B6、B7、B8に対して完了すると、これら基板B6、B7、B8は、実装完了時・搬入時判断処理に従って、搬送部2から搬出される。こうして、L枚(8枚)の基板B1〜B8への部品実装が完了する。
以上のように構成された実施形態では、実装位置Pmの個数Mは「3」であり、基板Bの枚数Lは「8」である。つまり、一の基板Bに設けられた複数の実装対象点Bpに対する部品実装が3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3の間で分配される。そして、当該一の基板Bを基板搬送方向Xに搬送しつつ3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のうち部品実装を分配した実装位置Pmに停止させて、実装位置Pmで停止する当該一の基板Bに対して実装位置Pmに分配された部品実装が実行される。この際、8枚の基板B1〜B8のうち基板搬送方向Xへの搬送順序NがM未満の基板B1、B2に対しては初期実装モード(動作A201〜A208における基板B1、B2に対する動作)で部品実装が実行され、搬送順序NがM以上であって(L−M+2)番未満の基板B3〜B6に対しては通常実装モード(動作A201〜A216における基板B3〜B6に対する動作)で部品実装が実行される。初期実装モードでは、搬送順序1の基板B1に関して、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のうち基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目の実装位置Pm2よりも下流側の実装位置Pm3に基板B1への部品実装が選択的に分配される。したがって、基板B1は1〜2番目の実装位置Pm1、Pm2を通過して、2番目の実装位置Pm2よりも下流側の実装位置Pm3で基板B1の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。また、搬送順序1の基板B2に関して、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のうち基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1よりも下流側の実装位置Pm2、Pm3に基板B2への部品実装が選択的に分配される。したがって、基板B1は1番目の実装位置Pm1を通過して、1番目の実装位置Pm1よりも下流側の実装位置Pm2、Pm3で基板B2の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。一方、通常実装モードでは、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれに基板B3〜B6への部品実装が分配され、基板B3〜B6は3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3に順番に停止して、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれで順番に基板B3〜B6の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。
したがって、8枚の基板のうち搬送順序が最初の3枚の基板については、次のようにして部品実装が実行される。つまり、1番目の基板B1は、初期実装モードによって、基板搬送方向Xの上流側から数えて3番目の実装位置Pm3に搬送され、2番目の基板B2は、初期実装モードによって、基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目の実装位置Pm2に搬送され、3番目の基板B3は、通常実装モードによって、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1に搬送される。こうして、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれに基板B3、B2、B1を搬送して、各実装位置Pm1、Pm2、Pm3で基板B3、B2、B1への部品実装を開始することができる。これによって、部品実装システム1の稼働率の低下を抑制することが可能となっている。
また、搬送部2は、基板搬送方向Xに隣り合う実装位置Pm1、Pm2、Pm3の間に配置された待機位置Pw1、Pw2をさらに有する。そして、基板搬送方向Xにおいて、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のうち、最下流の実装位置Pm3以外の実装位置Pm1、Pm2は、下流側で隣り合う実装位置Pm2、Pm3で部品実装が実行する場合には、分配された部品実装が完了した基板Bを下流側の待機位置Pw1、Pw2に搬出して、分配された部品実装が未完の基板Bを基板搬送方向Xの上流側から搬入する(動作A204〜A205の基板B2、B4等)。かかる構成では、最下流の実装位置Pm3以外の実装位置Pm1、Pm2では、分配された部品実装が完了した基板Bを速やかに待機位置Pw1、Pw2に搬出され、部品実装が未完の次の基板Bが基板搬送方向Xの上流側から搬入される。その結果、部品実装システム1の稼働率の低下をより効果的に抑制することが可能となっている。
また、通常実装モードでは、実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれで部品Wpが実装される実装対象点Bpの個数の差が1個以下となるように(上記の実施形態では、個数の差はゼロである)、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のそれぞれに基板Bへの部品実装が分配される。一方、初期実装モードでは、搬送順序1の基板B1に関して、基板搬送方向Xの上流側から数えて3番目の実装位置Pm3には、通常実装モードで基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から3番目までの実装位置Pm1、Pm2、Pm3に分配される部品実装が分配される。かかる構成では、仮に搬送順序1がM未満の基板B1に対して通常実装モードを実行した場合に、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から3番目までの実装位置Pm1、Pm2、Pm3に分配される部品実装が、初期実装モードにおいて3番目の実装位置Pm3に分配される。つまり、初期実装モードでは、搬送順序1の基板B1に関して、3番目の実装位置Pm3より上流側の実装位置Pm1、Pm2での部品実装が省略されるものの、この部品実装を3番目の実装位置Pm3で確実に実行することが可能となっている。
また、初期実装モードでは、搬送順序2の基板B2に関して、基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目の実装位置Pm2には、通常実装モードで基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2に分配される部品実装が分配される。かかる構成では、仮に搬送順序2がM未満の基板B2に対して通常実装モードを実行した場合に、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2に分配される部品実装が、初期実装モードにおいて2番目の実装位置Pm2に分配される。つまり、初期実装モードでは、搬送順序2の基板B2に関して、2番目の実装位置Pm3より上流側の実装位置Pm1での部品実装が省略されるものの、この部品実装を2番目の実装位置Pm2で確実に実行することが可能となっている。
また、制御部100は、8枚の基板B1〜B8のうち搬送順序Nが(L−M+2)番以上の基板B7、B8に対しては終期実装モード(動作A209〜A216における基板B7、B8に対する動作)で部品実装を実行する。つまり、この終期実装モードでは、搬送順序7の基板B7に関して、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のうち基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2に基板B7への部品実装が選択的に分配され、1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2で基板B7の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。したがって、基板搬送方向Xにおいて、2番目より下流側の実装位置Pm3で部品実装を実行中であっても、1番目から2番目までの実装位置Pm1、Pm2を稼動させて、搬送順序Nが7番の基板B7に対して部品実装を効率的に実行できる。また、搬送順序8の基板B8に関して、3個の実装位置Pm1、Pm2、Pm3のうち基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1に基板B8への部品実装が選択的に分配され、1番目の実装位置Pm1で基板B8の複数の実装対象点Bpへの部品実装が実行される。したがって、基板搬送方向Xにおいて、1番目より下流側の実装位置Pm2、Pm3で部品実装を実行中であっても、1番目の実装位置Pm1を稼動させて、搬送順序Nが8番の基板B8に対して部品実装を効率的に実行できる。その結果、部品実装システムの稼働率の低下をより効果的に抑制することが可能となっている。
また、終期実装モードでは、搬送順序7の基板B7に関して、基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目の実装位置Pm2には、通常実装モードで基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目から3番目までの実装位置Pm2、Pm3に分配される部品実装が分配される。かかる構成では、仮に搬送順序7の基板B7に対して通常実装モードを実行した場合に、基板搬送方向Xの上流側から数えて2番目から3番目までの実装位置Pm2、Pm3に分配される部品実装が、終期実装モードにおいて2番目の実装位置Pm2に分配される。つまり、終期実装モードでは、搬送順序7の基板B7に関して、2番目の実装位置Pm2より下流側の実装位置Pm3での部品実装が省略されるものの、この部品実装を2番目の実装位置Pm2で確実に実行することが可能となっている。
また、終期実装モードでは、搬送順序8の基板B8に関して、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目の実装位置Pm1には、通常実装モードで基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から3番目までの実装位置Pm1、Pm2、Pm3に分配される部品実装が分配される。かかる構成では、仮に搬送順序8の基板B8に対して通常実装モードを実行した場合に、基板搬送方向Xの上流側から数えて1番目から3番目までの実装位置Pm1、Pm2、Pm3に分配される部品実装が、終期実装モードにおいて1番目の実装位置Pm1に分配される。つまり、終期実装モードでは、搬送順序8の基板B8に関して、1番目の実装位置Pm1より下流側の実装位置Pm2、Pm3での部品実装が省略されるものの、この部品実装を1番目の実装位置Pm1で確実に実行することが可能となっている。
ところで、上述の第1例あるいは第2例の実行中に、いずれかの実装位置Pmでの部品実装の進捗が予定より遅れる場合がある。そこで、次に示すように、かかる進捗の遅れをリカバリーするように構成しても良い。
図7は部品実装の進捗のリカバリーを実行可能な部品実装処理の一例を示すフローチャートであり、図8は図7に示す部品実装処理でのリカバリー要否判定の一例を示すフローチャートであり、図9は図7および図8のフローチャートに従って実行される動作の一例を模式的に示す図である。図9に示すように、ここで示す例では、搬送部2は2個の実装位置Pm1、Pm2が設けられている。
制御部100は、実装位置Pm1、Pm2のそれぞれについて図7および図8のフローチャートを実行することで、図9および図10の動作を実行する。つまり、図7に示すように、部品実装処理が開始すると、上述の第1例と同様にして、実装位置Pmに基板Bが搬入され(ステップS301)、実装位置Pmに部品実装が分配される(ステップS302)。そして、いずれかの実装位置Pmで部品実装が完了すると(ステップS303)、各実装位置Pmについてリカバリー要否判定が実行される(ステップS304、図8)。
図9に示す例では、動作A103までは、上記の第1例と同様に実行されている。つまり、実装位置Pm2には、実装位置Pm1への通常分配点(上流側半分)へ部品Wpが実装された基板B1が搬入され、待機位置Pwでは、実装位置Pm1への通常分配点(上流側半分)へ部品Wpが実装された基板B2が待機し、実装位置Pm1には、基板B3が搬入されている。また、実装位置Pm2では、基板B1の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点(下流側半分)への部品実装が分配され、実装位置Pm1では、基板B3の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm1への通常分配点(上流側半分)への部品実装が分配される。
この状態から、実装位置Pm1、Pm2での部品実装を開始した結果が、図9の動作A111の欄に示される。実装位置Pm2では、基板B1への部品実装が完了している。したがって、この部品実装の完了時点で、ステップS304(図8)のリカバリー要否判定が実装位置Pm1、Pm2のそれぞれについて実行される。
具体的には、実装位置Pm2について、実装位置Pm2の下流に基板Bが存在するかが判断される(ステップS401)。実装位置Pm2の下流に基板Bは存在しないため(ステップS401で「NO」)、ステップS402で、実装位置Pm2の部品実装の進捗に遅れがあるかが判断される。進捗に遅れはないため(ステップS402で「NO」)、ステップS404でリカバリー不要と判断され、図7フローチャートに戻る。
つまり、図7のステップS304では「不要」に分岐して、各実装位置Pm2について、実装完了時判断処理(図3)が実行される(ステップS306)。その結果、動作A112の欄に示すように、基板B1が実装位置Pm2から搬出されるとともに、基板B2が待機位置Pwから実装位置Pm2に搬入される。また、実装位置Pm2には、基板B2の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm2への通常分配点への部品実装が分配される。
さらに、実装位置Pm1について、実装位置Pm1の下流に基板Bが存在するかが判断される(ステップS401)。待機位置Pwの基板B2は、基板B1の搬出とともに実装位置Pm2に搬送されるため(ステップS401で「NO」)、ステップS402で、実装位置Pm1の部品実装の進捗に遅れがあるかが判断される。実装位置Pm1では、基板B3での部品実装の進捗に遅れがあるため(ステップS402で「YES」)、ステップS403で、残りの実装点数が閾値(例えば、通常分配点の数の半分)以上かが判断される。残りの実装点数が閾値未満である場合(ステップS403で「NO」の場合)には、ステップS404でリカバリー不要と判断される。一方、ここの例のように、残りの実装点数が閾値以上である場合(ステップS403で「YES」の場合)には、ステップS405でリカバリーが必要と判断され、図7のフローチャートに戻る。
つまり、図7のステップS304では、「必要」に分岐して、部品実装が再分配される(ステップS305)。具体的には、実装位置Pm1に停止する基板B3について、実装位置Pm1の通常分配点の一部(ここでは、半分)が実装位置Pm1から実装位置Pm2へ移される。そして、実装位置Pm1について、実装完了時判断処理(図3)が実行される(ステップS306)。その結果、動作A112の欄に示すように、基板B3は実装位置Pm1に留まる。また、実装位置Pm1では、基板B3の複数の実装対象点Bpのうち実装位置Pm1への通常分配点の半分への部品実装が分配されて、ステップS306からステップS303に戻る。
図9の動作A113の欄に示すように、実装位置Pm1で分配された部品実装が基板B3に対して完了すると(ステップS303)、リカバリー要否判定が各実装位置Pm1、Pm2について実行される。実装位置Pm1、Pm2のいずれにおいても、部品実装の進捗に遅れはないため(ステップS402で「NO」)、ステップS404でリカバリー不要と判断され、図7のフローチャートに戻る。そして、実装位置Pm1、Pm2のそれぞれについて、ステップS304で「不要」に分岐して、ステップS306で「実装完了時判断処理」が実行される。その結果、図9の動作A114の欄に示すように、基板B3が待機位置Pwに搬出され、基板B4が実装位置Pm1に搬入される。また、実装位置Pm1では、基板B4の複数の部品Wpのうち、実装位置Pm1への通常分配点への部品実装が分配される。
図9の動作A115の欄に示すように、実装位置Pm2で分配された部品実装が基板B2に対して完了すると(ステップS303)、リカバリー要否判定が各実装位置Pm1、Pm2について実行される。実装位置Pm1、Pm2のいずれにおいても、部品実装の進捗に遅れはないため(ステップS402で「NO」)、ステップS404でリカバリー不要と判断され、図7のフローチャートに戻る。そして、実装位置Pm1、Pm2のそれぞれについて、ステップS304で「不要」に分岐して、ステップS306で「実装完了時判断処理」が実行される。その結果、図9の動作A116の欄に示すように、基板B3が実装位置Pm2に搬入される。また、実装位置Pm2では、基板B3の複数の実装対象点Bpのうち、実装位置Pm2への通常分配点と、先のステップS305で写された、実装位置Pm1への通常分配点の半分の分配点とが分配される。したがって、図9の動作A117の欄に示すように、実装位置Pm2では、実装位置Pm1への通常分配点の半分の分配点に対して部品Wp(ハッチングが施された部品Wp)が、基板B3に対して実装される。
このように、制御部100は、M個の実装位置Pm1、Pm2のうち、一の実装位置Pm1および他の実装位置Pm2の少なくとも一方の実装位置Pm1での部品実装の進捗に応じて、一の実装位置Pm1と他の実装位置Pm2との間での部品実装の分配を調整する。かかる構成では、一の実装位置Pm1での部品実装の進捗が例えば予定より遅い場合に、一の実装位置Pm1に分配予定であった部品実装を他の実装位置Pm2に分配するといったことができる。これによって、各実装位置Pm1、Pm2での部品実装の進捗のバランスを取ることが可能となっている。
このように本実施形態では、部品実装システム1が本発明の「部品実装システム」の一例に相当し、搬送部2が本発明の「搬送部」の一例に相当し、実装部4、4A、4Bが本発明の「実装部」の一例に相当し、制御部100が本発明の「制御部」の一例に相当し、実装位置Pm1、Pm2、Pm3に配置された実装コンベア22、24、27が本発明の「実装ステージ」の一例に相当し、待機位置Pw、Pw1、Pw2に配置された待機コンベア23、26が本発明の「待機ステージ」の一理絵に相当し、基板搬送方向Xが本発明の「基板搬送方向」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、実装位置Pmの個数Mや、基板搬送方向Xに順番に搬送する基板Bの枚数Lを適宜変更することができる。
また、図7および図8のフローチャートは、実装位置Pmの個数Mが2の場合に限られず、3以上の場合にも適用可能である。
また、上記の部品実装システム1は、1台の部品実装機10で構成されていた。しかしながら、例えば、それぞれ単一の実装位置を具備する複数の部品実装機10を搬送方向Xに並べて部品実装システム1を構成しても良い。かかる構成では、搬送部2は、複数の部品実装機10に順に基板Bを搬送しつつ、各部品実装機10での実装位置Pmに当該基板Bを停止・固定し、各部品実装機10は、その実装位置Pmに固定された基板Bに部品Wpを実装する。