JP6829058B2 - ドア開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドア開閉装置に関する。
近年の車両には、手を使うことなくドアを開閉できるようにしたドア開閉装置が搭載されている。特許文献1には、使用者がドアの近傍で設定された動作を行ったと判断すると、ドアを開閉駆動するようにしたドア開閉装置が開示されている。
特開2014−189970号公報
しかしながら、特許文献1のドア開閉装置は、車両に荷物を積み降ろしする際の動きがドアを閉じるための動作と一致するとドアが閉鎖されるため、使用性が悪い。
本発明は、意図しないドアの閉鎖を抑制できるドア開閉装置を提供することを課題とする。
本発明は、車体に対するドアの開閉状態を検出するためのドア検出手段と、前記車体に対して前記ドアを閉鎖可能なドア駆動手段と、前記ドア周辺の被検出物を検出するための検出手段と、前記検出手段の検出結果から得られる距離の変化によって、前記被検出物の動きを判断するための判断手段と、前記ドア検出手段による検出結果が開状態を示し、前記被検出物が定められた設定時間停止したことを含む閉鎖動作を行ったと前記判断手段が判断すると、前記ドア駆動手段を閉駆動させる制御手段とを備え、前記検出手段は、前記被検出物を検出可能な第1検出範囲を有する第1検出センサと、前記被検出物を検出可能な第2検出範囲を有する第2検出センサとを有し、前記第1検出センサ及び前記第2検出センサはそれぞれ、超音波を送波する送波器と、前記超音波の反射波を受波する受波器とを有し、前記制御手段は、前記判断手段が判断した前記被検出物の動きに基づいて、前記ドアから定められた距離以上離れた前記被検出物を検出するための交互発振設定、及び前記定められた距離未満の前記被検出物を検出するための相互発振設定のいずれかに、前記第1検出センサ及び前記第2検出センサによる検出態様を切り換えており、前記交互発振設定では、前記第1検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第1検出センサの前記受波器で前記反射波を受波した後、前記第2検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第2検出センサの前記受波器で前記反射波を受波し、前記相互発振設定では、前記第1検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第2検出センサの前記受波器で前記反射波を受波した後、前記第2検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第1検出センサの前記受波器で前記反射波を受波する、ドア開閉装置を提供する。

本発明のドア開閉装置では、使用者が所定時間停止したと判断されなければドアが閉鎖されないため、ドアに近づいたり遠のいたりする荷物の積み降ろし中に、ドアが閉鎖されることはない。よって、使用者が意図しないドアの閉鎖を防止できるため、使用者の利便性を向上できる。
ドアを開放するための動作の一工程を示す斜視図。 ドアを開放するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアを開放するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアが開放した状態を示す斜視図。 ドアを閉鎖するための動作の一工程を示す斜視図。 ドアを閉鎖するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアを閉鎖するための動作の他の一工程を示す斜視図。 ドアが閉鎖した状態を示す斜視図。 ドア開閉装置の構成を示すブロック図。 ドア開閉装置の検出範囲と表示位置の関係を示す平面図。 制御手段による制御を示すメインのフローチャート。 図5Aの続きのフローチャート。 図5Aのアプローチ処理のフローチャート。 図5Aのスタート処理のフローチャート。 図5Aのトリガ処理のフローチャート。 図5Bの開放処理のフローチャート。 図5Bのドア閉鎖判断のフローチャート。 図5Bの閉鎖処理のフローチャート。 図11Aの続きのフローチャート。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
図1Aから図2Dは、本実施形態に係るドア開閉装置10を採用した車両1を示す。ドア開閉装置10は、車両1の後部に設けたハッチバックドア(以下、単にドアと記載する。)4を自動開閉するためのものである。このドア開閉装置10によれば、ドア4の後方側で使用者が定められた動作を行えば、手を使わずにドア4を自動開閉することができる。ドア4を自動開閉する処理内容については後に詳述する。
(ドア開閉装置の構成)
図3に示すように、ドア開閉装置10は、検出手段12、照明手段16、照合手段17、ドア駆動手段18、ドアロック装置19、及び制御手段20を備える。但し、図3中、一点鎖線で囲まれた部分が今回追加した構成であり、検出手段12、照合手段17、及びドアロック装置19には、車両1に搭載された既存の部品を利用する。
図4を併せて参照すると、検出手段12は、リアバンパー3に取り付けられた合計4つのバックソナー(超音波センサ)のうち、中央部で車幅方向に隣り合っている2箇所の第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bで構成されている。両側2箇所の第3検出センサ13Cと第4検出センサ13Dの検出結果は、ドア開閉制御では使用しない。なお、バックソナーとしての検出センサ13A〜13Dは、車両1の走行時に後方を監視するために搭載されている。これら検出センサ13A〜13Dを用いた走行支援としては、バック走行時に人を含む異物を検知した際の警報や、空きスペースに駐車するための自動パーキングがある。これらの走行支援機能については、詳細な説明を省略する。
検出センサ13A〜13Dはそれぞれ、送波器14及び受波器15を備える。送波器14から発せられる超音波によって、車両後方に向かって円錐状に広がった検出範囲がそれぞれ形成される。地面においては、扇型(中心角度が約45度)に広がった検出範囲となる。検出範囲32A〜32Dに送波された超音波の反射光は受波器15で受波される。第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bの検出結果は、検出範囲32A,32B内での被検出物の有無の判定と、被検出物までの距離の演算とに利用される。なお、被検出物には、使用者、及び使用者以外の第三者が含まれている。
図4は、平面視で地面に設定される検出センサ13A〜13Dの検出範囲32A〜32Dを示す。この図4に示すように、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bのそれぞれによって検出される範囲32A,32Bの全体がアプローチ領域33である。また、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bの双方によって検出される範囲(重なり領域)が操作区画34である。この操作区画34は、検出距離の違いによって複数の区域に分けられている。第1設定距離s1(例えば20cm)と第2設定距離s2(例えば40cm)の間はトリガ区域35に設定されている。第3設定距離s3(例えば50cm)と第4設定距離s4(例えば120cm)の間はスタート区域36に設定されている。スタート区域36は、第1区分37と第2区分38とを含んでいる。第1区分37は、第3設定距離s3と第5設定距離s5(例えば80cm)の間である。第2区分38は、第5設定距離s5と第4設定距離s4の間である。
照明手段16はLEDで構成されている。詳細については図示しないが、LEDは、リアバンパー3の中央部に取り付けたケーシング内の基板に実装されている。ケーシングには開口が形成され、そこにはレンズが設けられている。LEDからの光はレンズで集光され、車両1の周囲が暗いときは勿論、明るいときにも使用者が視認できるような照度で地面を照射できるようになっている。照射位置はトリガ区域35であり、使用者を誘導するための光学的な表示(操作マーク)30となる。
照合手段17は、キー(携帯機)とLF(Low Frequency)信号による通信を行い、車外におけるキー認証を行う車外LF送受信アンテナを備えた送受信機を備える。送受信機は、上位ECU(Electronic Control Unit)からの命令に応じて起動し、キー認証処理が行われる。キー認証処理では、キーに対して認証コードの送信要求を行い、キーから受信した認証コードを登録された正規コードと比較し、これらが合致(成立)すれば使用者であると判断する。
ドア駆動手段18は、図示しないが、ドア4を開方向及び閉方向に回転可能なモータ、ギア機構、ダンパー等で構成されている。ドア駆動手段18は、通信ケーブルによって制御手段20と通信可能に接続されている。なお、ドア駆動手段18と制御手段20とは無線接続してもよい。
ドアロック装置19はドア4に配置され、車体2に対してドア4を開放可能に閉鎖するものである。このドアロック装置19は、通信ケーブルによって制御手段20と通信可能に接続されており、ドア4の開放状態で開信号(例えばオン信号)を出力し、ドア4の閉鎖状態で閉信号(例えばOFF信号)を出力する。即ち、ドアロック装置19は、ドア4の開閉状態を検出するためのドア検出手段としての機能を兼ね備えている。
制御手段20は、記憶部21、測定部22、判断部23、及び照明制御部24を備えたコントローラで構成されている。本実施形態では、制御手段20として1個のマイクロコンピュータを用いているが、測定部22、判断部23、及び照明制御部24を個別のマイクロコンピュータで構成してもよい。
記憶部21には、制御プログラム、制御プログラムで使用する閾値や判定値等の設定データ、及び検出センサ13A,13Bの検出結果から距離を演算するためのデータテーブル等が記憶されている。
測定部22は、検出センサ13A,13Bの送波器14が超音波を送波してから、受波器15が反射波を受波するまでの時間(検出結果)に基づいて、被検出物までの距離を測定する。即ち、測定部22と検出センサ13A,13Bとにより、検出センサ13A,13Bから被検出物までの距離を測定可能な測距センサが構成される。測定結果は、距離情報として記憶部21に記憶される。記憶部21では、設定回数分(例えば10回)の距離情報を記憶できるようになっている。記憶する距離情報が設定回数を越えれば、古いものから順に消去される。
判断部23は、測定部22の測定結果である距離の変化によって、使用者の動きを判断するものである。即ち、今回の測定結果と前回の測定結果との差(変化量)に基づいて使用者が移動したか停止しているかを判断する。変化量が大きければ、移動距離が大きく、逆に小さければ移動距離も小さい。予め判定値Jを設定しておき、変化量が判定値Jを超えていれば移動したと判断し、判定値J以下であれば停止していると判断する。
照明制御部24は、照明手段16を点灯状態、点滅状態、及び消灯状態に切り換える。例えば、ドア4の開放処理を行う際には、使用者がスタート区域36に位置していると判断すれば、照明手段16の照射状態を消灯から点滅に切り換える。また、使用者がスタート区域36からトリガ区域35へ移動したと判断すれば、照明手段16の照射状態を点滅から点灯に切り換える。このようにして、使用者を特定の領域であるトリガ区域35へと誘導する。
制御手段20によるドア4の自動開閉制御は、車両1が駐車され、エンジンが停止されることで開始される。制御手段20は、ドア4が閉状態の場合、照合手段17によるキー認証が成立し、使用者が設定された開放動作を行ったと判断部23が判断することで、ドア4の開放処理を実行する。また、ドア4が開状態の場合、使用者が設定された閉鎖動作を行ったと判断部23が判断することで、ドア4の閉鎖処理を実行する。但し、ドア4を閉鎖する場合にもキー認証を行うようにしてもよい。
車体2に対してドア4を開放させる場合、使用者は、図1Aから図1Cに示す開放動作を行う。詳しくは、図1Aに示すようにドア4に近づくように前進し、図1Bに示すように表示30を踏む(第1の動き)。続いて、図1Cに示すようにドア4から離れるように後退する(第2の動き)。制御手段20は、この設定された開放動作が行われたと判断部23が判断することで、図1Dに示すようにドア4を開放する。
この開放動作は、ドア4に近づいた後にドアから遠ざかる動きであり、荷物の積み降ろすための行動と似ている。開放動作と同様の動きをドア4の閉鎖動作とした場合、荷物の積み降ろし中にドア4が閉鎖される可能性があり、閉鎖されると開放動作を行ってドア4を開放しなければならないため、不便である。
そこで、本実施形態では、意図しないドア4の閉鎖を防ぐために、使用者が図2Aから図2Cに示す動作を行うことで、閉鎖処理が行われるようにしている。詳しくは、図2Aに示すようにドア4に近づくように前進し、図2Bに示すように荷物を積み降ろし可能な接近区域(第1領域)39までドア4に近づく。続いて、図2Cに示すようにドア4から離れるようにスタート区域(第2領域)36まで後退し、スタート区域36で立ち止まる。ドア開閉装置10は、この設定された閉鎖動作が行われたと判断部23が判断することで、図2Dに示すようにドア4を閉鎖する。
(閉鎖処理の詳細)
ドア4の閉鎖処理は、ドアロック装置19による検出結果が開状態を示し、使用者が定められた第6設定距離s6よりもドア4に近づくと実行される。また、閉鎖処理では、使用者が定められた第7設定距離s7よりもドア4から離れ、定められた設定時間Ts以上立ち止まる(停止する)ことで、ドア駆動手段18の閉駆動が開始される。即ち、使用者が荷物を積み降ろすために、ドア4に近づいたり遠のいたりを繰り返し、最後に所定位置で停止すると、ドア4が閉鎖される。
図4に示すように、第6設定距離s6は、開放処理を実行するための開放動作の中で、ドア4に最も近づいた接近距離よりもドア4に近く(短く)に設定されている。この動作中でドア4に最も近づいた接近距離とは、トリガ区域35におけるドア4側の端(第1設定距離s1)である。第6設定距離s6は、第1設定距離s1よりもドア4に近い距離であり、本実施形態では第1設定距離s1を20cmとし、第6設定距離s6と15cmとしている。第7設定距離s7は、第6設定距離s6よりも離れた位置であり、本実施形態では第3設定距離s3と同一の50cmとしている。但し、第7設定距離s7は、第3設定距離s3からと第5設定距離s5までの間であればよい。
使用者が第6設定距離s6よりもドア4に近い接近区域39に移動したことは、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bのうちいずれか一方でも、検出距離Dが第6設定距離s6以下を示すことで判断される。使用者が設定距離s7よりもドア4から離れたスタート区域36に移動したことは、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bのうちいずれか一方でも、検出距離Dが第7設定距離s7以上を示すことで判断される。これにより、使用者が荷物を積み降ろす動きを広い範囲で確実に検出できる。
使用者が停止したことは、検出センサ13A,13B両方の検出結果D(操作区画34)で判断される。詳しくは、第1検出センサ13Aの今回の検出距離DA0と前回の検出距離DA1との差が判定値J(例えば20cm)未満で、第2検出センサ13Bの今回の検出距離DB0と前回の検出距離DB1との差が判定値J未満である場合に、判断部23は使用者が停止していると判断する。そして、判断部23による停止判断が設定時間Ts以上継続すると、ドア駆動手段18を閉駆動させる。
ここで、接近している使用者を検出センサ13A,13Bで検出する場合、送波器14による超音波の送波中に、受波器15が反射波を受波することになる。この場合、送波した超音波と受波した反射波が混信して区別できないため、使用者までの距離を誤検出したり、測定不能になったりする。
そこで、検出センサ13A,13Bによる検出は、交互発振設定と相互発振設定のいずれかに切り換えて行うようにしている。交互発振設定は、離れた使用者を検出する場合に用いられるもので、検出センサ13Aの送波器14が超音波を送波し、検出センサ13Aの受波器15が反射波を受波する。また、検出センサ13Aによる検出が完了した後、続いて検出センサ13Bによる検出を行う。相互発振設定は、近くの使用者を検出する場合に用いられるもので、検出センサ13Aの送波器14が超音波を送波し、検出センサ13Bの受波器15が反射波を受波する。続いて、検出センサ13Bの送波器14が超音波を送波し、検出センサ13Aの受波器15が反射波を受波する。
このように、遠距離(例えば50cm以上)を検出する場合と、それ未満の近距離を検出する場合とで、発振設定を変更することで、使用者までの距離を正確に検出できるようにしている。また、検出センサ13A,13Bによる検出は、定められた検出時間Tdが経過することで行われる間欠発振設定と、検出センサ13A,13Bによる検出が繰り返し行われる連続発振設定のいずれかに切り換えて行われる。
次に、前記構成からなるドア開閉装置10の動作について図5Aから図11Bに示すフローチャートに従って説明する。なお、以下の説明で用いられるカウンタNは、以下を計数するものである。
カウンタNa:アプローチ領域33内での被検出物の検出回数
カウンタNb:認証処理の不成立回数
カウンタNc:スタート区域36で使用者を検出できない回数
カウンタNd:トリガ区域35で使用者を検出できない回数
カウンタNe:使用者の後退を検出できない回数
カウンタNf:使用者が停止していると判断した回数
(メインフロー)
図5A及び図5Bに示すように、制御手段20によるドア開閉制御は、アプローチ処理(ステップS6)、スタート処理(ステップS8)、トリガ処理(ステップS10)、開放処理(ステップS12)、ドア閉鎖判断(ステップS14)、及び閉鎖処理(ステップS16)によって行われる。
制御手段20は、まず、ドア開閉制御で使用する各データを初期化した後(ステップS1)、定められた検出時間Tdが経過するまで待機する(ステップS2)。検出時間Tdが経過すると、交互発振設定によって、送波器14から超音波を送波し(ステップS3)、受波器15で超音波の反射波を受波する(ステップS4)。また、設定されている処理がいずれの処理であるのかを判断し(ステップS5、S7、S9、S11、S13、S15)、以下に記載するようにして該当するモードに対応する処理を実行する(ステップS6、S8、S10、S12、S14、S16)。いずれのモードでもなく、第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bによる検出距離Dが設定値(ここでは120cmに設定)未満でもなければ(ステップS17:No)、モードを全てクリアする(ステップS18)。
第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bによる検出距離Dが設定値未満となれば(ステップS17:Yes)、ドア4が開放状態であるか否かを確認する(ステップS19)。ドア4は開放されているが、被検出物が第6設定距離s6内の接近区域39に進入していない場合(ステップS20:No)、処理モードをアプローチモードに設定する(ステップS21)。このアプローチモードの設定は、ドア4が開放されていない場合にも行われる(ステップS19:No)。ドア4が開放されており、被検出物が接近区域39に進入している場合(ステップS20:Yes)、処理モードをドア閉鎖判断モードに設定する(ステップS22)。
このメインフローのうち、アプローチ処理(ステップS6)からトリガ処理(ステップS10)は、ドア4の開放処理(ステップS12)を行うための判断処理である。また、ステップS17からステップS20とドア閉鎖判断(ステップS14)は、ドア4の閉鎖処理(ステップS16)を行うための判断処理である。
(アプローチ処理:ステップS6)
ステップS5で、アプローチモードに設定されていれば、図6に示すアプローチ処理を実行する。アプローチ処理では、アプローチ領域33内に被検出物である使用者が位置しているか否かを判断する(ステップS6−1)。第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bによる検出信号があれば、アプローチ領域33内に被検出物が進入していると判断する。
アプローチ領域33内に被検出物が進入していない、あるいは、進入していたとしても所定時間内にアプローチ領域33外に移動すれば(ステップS6−1:No)、アプローチモードをクリアし、カウンタNaをリセットする(ステップS6−2)。
アプローチ領域33内に被検出物が位置していれば(ステップS6−1:Yes)、カウンタNaに1を加算し(ステップS6−3)、カウンタNaが2を超えるまで待機する(ステップS6−4)。そして、アプローチ領域33内に被検出物が所定時間待機していると判断すると(ステップS6−4:Yes)、キー認証を要求する(ステップS6−5)。照合手段17は、キーから受信した認証コードを正規コードと比較し、これらが合致すれば使用者であると判断する。その後、アプローチモードをクリアしてスタートモードに設定することで、処理モードを変更し、カウンタNaをリセットする(ステップS6−6)。
このように、アプローチ処理では、予め設定した広い範囲のアプローチ領域33内に使用者が位置することにより認証処理が行われる。これにより、使用者がドア4を自動開閉させる際、特定の動作を実行する前に、予めキー認証処理を完了しておくことができる。
(スタート処理:ステップS8)
アプローチ処理でスタートモードに設定されていれば、図7に示すスタート処理を実行する。スタート処理では、アプローチ処理での認証が成立しているか否かを読み込む(ステップS8−1)。認証が成立していなければ、カウンタNbに1を加算する(ステップS8−2)。カウンタNbが3を超えたか否かを判断し(ステップS8−3)、超えた場合にはスタートモードをクリアし、カウンタNb,Ncをリセットする(ステップS8−4)。
認証が成立していれば(ステップS8−1:Yes)、照明手段16を点灯させ(ステップS8−5)、第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bからの検出信号によって使用者がスタート区域36内に移動しているか否かを判断する(ステップS8−6)。
使用者がスタート区域36内に移動している場合(ステップS8−6:Yes)、照明手段16を点滅させ、処理モードをスタートモードからトリガモードに変更し、カウンタNb,Ncをリセットし、検出手段12を相互発振設定に切り換える(ステップS8−7)。スタート区域36内に使用者が停止していない場合(ステップS8−6:No)、カウンタNcに1を加算する(ステップS8−8)。カウンタNbが20を超えるまで使用者がスタート区域36内で停止しなければ(ステップS8−9:Yes)、スタートモードをクリアし、カウンタNb,Ncをリセットする(ステップS8−10)。
このように、スタート処理では、ドア4の開閉制御を開始してよいのか否かを、使用者がスタート区域36内で停止しているか否かによって判定するようにしている。このため、スタート処理からトリガ処理への移行が不用意に実行されてしまうことを防止できる。また、照明手段16を点滅表示させることにより、使用者が移動すべき場所を一目で分かるように示すことができる。
(トリガ処理:ステップS10)
スタート処理でトリガモードに設定されていれば、図8に示すトリガ処理を実行する。トリガ処理では、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bでの検出結果により、使用者がトリガ区域35内に移動しているか否かを判断する(ステップS10−1)。図1Bに示すように、使用者がトリガ区域35内に移動していれば、照明手段16を点滅状態から点灯状態とし、処理モードをトリガモードから開放モードに変更し、カウンタNdをリセットし、検出手段12を交互発振設定に切り換える(ステップS10−2)。
使用者がトリガ区域35内に移動していなければ(ステップS10−1:No)、カウンタNdに1を加算する(ステップS10−3)。カウンタNdが20を超えるまでに使用者がトリガ区域35内に移動しなければ(ステップS10−4)、照明手段16を消灯し、トリガモードをクリアし、カウンタNdをリセットし、検出手段12を交互発振設定に切り換える(ステップS10−5)。
このように、トリガ処理では、照明手段16を点滅状態から点灯状態に変化させることにより、スタート区域36からトリガ区域35への移動が完了したことを使用者に視覚により認識させることができる。また、トリガ処理では、検出手段12を相互発振設定に切り換えるため、近くに位置する使用者を高精度に検出できる。
(開放処理:ステップS12)
トリガ処理で開放モードに設定されていれば、図9に示す開放処理を実行する。開放処理では、照明手段16を点灯状態から点滅状態とし(ステップS12−1)、ドア4が閉状態であるか否かを判断する(ステップS12−2)。
ドア4が閉状態であれば(ステップS12−2:Yes)、使用者がスタート区域36の第1区分37に移動しているか否かを判断する(ステップS12−3)。図1Cに示すように、使用者が第1区分37に移動していれば(ステップS12−3:Yes)、ドア駆動手段18を駆動制御してドア4を開放させるドア開出力、照明手段16の消灯、開放モードのクリア、及びカウンタNeのクリアを実行する(ステップS12−4)。
使用者がスタート区域36の第1区分37内に移動していなければ(ステップS12−3:No)、カウンタNeに1を加算する(ステップS12−5)。カウンタNeが20を超えるまでに使用者が第1区分37内に移動しなければ(ステップS12−6)、照明手段16を消灯し、開放モードをクリアし、カウンタNeをクリアする(ステップS12−7)。なお、このステップS12−7は、ドア4が閉状態でない場合にも同様に行われる(ステップS12−2:No)。
このように、使用者がスタート区域36の第1区分37に移動して安全が確認できたところで、図1Dに示すようにドア4を開放する。このため、スムーズかつ安全にドア4を自動開放させることができる。
(ドア閉鎖判断:ステップS14)
メインフローのステップS22で、ドア閉鎖判断モードに設定されていれば、図10に示すドア閉鎖判断を実行する。ドア閉鎖判断では、検出手段12を連続発振設定に切り換える(ステップS14−1)。そして、判定時間Tj(例えば15秒)を第1タイマによって計時しているか否かを確認し(ステップS14−2)、計時中でない場合には第1タイマによる計時を開始する(ステップS14−3)。
ついで、判定時間Tjが経過したかどうかを確認する(ステップS14−4)。判定時間Tjが経過した場合には、ドア閉鎖判断モードをクリアし、第1タイマをクリアし、検出手段12を間欠発振設定に切り換える(ステップS14−5)。判定時間Tjが経過していない場合には、第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bからの検出信号によって、使用者が第7設定距離s7よりも離れているか否かを判断する(ステップS14−6)。
使用者が離れていれば(ステップS14−6:Yes)、検出手段を相互発振設定に切り換え(ステップS14−7)、第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bからの検出信号によって、使用者が接近区域39内に移動したか否かを判断する。使用者が接近区域39に移動していなければ(ステップS14−8:No)、検出手段12を交互発振設定に切り換える(ステップS14−9)。使用者が接近区域39に移動していれば(ステップS14−8:Yes)、照明手段16を消灯状態から点灯状態とし、処理モードをドア閉鎖判断モードから閉鎖モードに変更し、第1タイマをクリアする(ステップS14−10)。
このように、判定時間Tj内に使用者がドア4に接近したと判断することで、閉鎖モードに移行する。この動きは、車両1の荷物を積み降ろすとき特有の行動の一部であるため、使用者は意識することなく行うことができる。よって、特別な操作を行うことなく閉鎖モードに移行されるため、使用者の利便性を向上できる。
(閉鎖処理:ステップS16)
ドア閉鎖判断で閉鎖モードに設定されていれば、図11A及び図11Bに示す閉鎖処理を実行する。閉鎖処理では、荷物の積み降ろしであるか否かを再確認するための時間Tc(例えば15秒)を第2タイマによって計時しているか否かを確認し(ステップS16−1)、計時中でない場合には第2タイマによる計時を開始する(ステップS16−2)。
ついで、確認時間Tcが経過したかどうかを確認する(ステップS16−3)。確認時間Tcが経過した場合には、荷物の積み降ろしではないと判断して、照明手段16の消灯、閉鎖モードのクリア、カウンタNhのクリアし、第2タイマのクリアし、間欠発振設定への検出手段12の切り換え、及び交互発振設定への検出手段12の切り換えを実行する(ステップS16−4)。確認時間Tcが経過していない場合には、第1検出センサ13A又は第2検出センサ13Bからの検出信号によって、使用者が第7設定距離s7よりも離れているか否かを判断し(ステップS16−5)、使用者が離れていれば、検出手段12を交互発振設定に切り換える(ステップS16−6)。
続いて、第1検出センサ13Aと第2検出センサ13の検出信号によって、使用者が第7設定距離s7外のスタート区域36で停止しているか否かを確認する(ステップS16−7)。停止している場合には、カウンタNhに1を加算する(ステップS16−8)。カウンタNhが29を超えるまで使用者がスタート区域36に停止していれば(ステップS16−9:Yes)、ドア駆動手段18を駆動制御してドア4を閉鎖させるドア閉出力を行う(ステップS16−10)。なお、カウンタNhが29を超えるまでに要する時間が、設定時間Tsである。また、照明手段16を消灯し、閉鎖モードをクリアし、カウンタNhをクリアし、第2タイマをクリアし、検出手段12を間欠発振設定に切り換える(ステップS16−11)。一方、使用者がスタート区域36に停止していない場合には、カウンタNhをリセットする(ステップS16−12)。
以上のように、ドア開閉装置10は、開放動作よりもドア4に近づくことで実行される閉鎖処理を備えている。この閉鎖処理を実行するための動きは、車両1に荷物を積み降ろしするとき特有の行動の一部であるため、使用者は意識することなく行うことができる。
また、閉鎖処理は、使用者が所定時間停止したと判断されなければドア4が閉鎖されないため、ドア4に近づいたり遠のいたりする荷物の積み降ろし中に、ドア4が閉鎖されることはない。よって、意図しないドア4の閉鎖を防止できるため、使用者の利便性を向上できる。逆に、使用者がドア4から離れて設定時間Tsが経過するまで立ち止まるだけで、ドア4を閉鎖できる。よって、車両1から荷物を運び出し、手がふさがっている状態で、面倒な動作を行うことなく、簡単にドア4を閉鎖できる。
しかも、使用者の停止判断は、重複させた検出範囲32A,32Bからなる操作区画34内で行われるため、特別な装置を使用することなく、使用者の動作を安定かつ高精度に検出でき、誤検出を確実に防止できる。また、ドア開閉装置10の検出手段12として、車両1に搭載された既存のバックソナーセンサの一部を使用するため、専用の検出センサの搭載は不要である。よって、車両1にドア開閉装置10を搭載するためのコスト増を抑えることができる。また、隣り合って配置されている第1検出センサ13Aと第2検出センサ13Bを利用するため、被検出物を高精度で検出できる。
なお、本発明のドア開閉装置10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、ドア4は、乗降用のヒンジ式ドアやスライド式ドアであってもよい。また、閉鎖処理の制御開始は、車体2に配置した専用のスイッチとしてもよい。即ち、スイッチの操作後に、使用者がドア4の後方で設定時間を超えて停止することで、ドア4が閉鎖されるようにしてもよい。この場合、スイッチを2回連続操作したり、設定時間以上長押しすることで、制御が開始されるようにしてもよい。
1 車両
2 車体
3 リアバンパー
4 ドア
10 ドア開閉装置
12 検出手段
13A 第1検出センサ
13B 第2検出センサ
13C 第3検出センサ
13D 第4検出センサ
14 送波器
15 受波器
16 照明手段
17 照合手段
18 ドア駆動手段(ドア検出手段)
19 ドアロック装置
20 制御手段
21 記憶部
22 測定部(測定手段)
23 判断部(判断手段)
24 照明制御部(照明制御手段)
30 表示
32A〜32D 検出範囲
33 アプローチ領域
34 操作区画
35 トリガ区域
36 スタート区域
37 第1区分
38 第2区分
39 接近区域

Claims (9)

  1. 車体に対するドアの開閉状態を検出するためのドア検出手段と、
    前記車体に対して前記ドアを閉鎖可能なドア駆動手段と、
    前記ドア周辺の被検出物を検出するための検出手段と、
    前記検出手段の検出結果から得られる距離の変化によって、前記被検出物の動きを判断するための判断手段と、
    前記ドア検出手段による検出結果が開状態を示し、前記被検出物が定められた設定時間停止したことを含む閉鎖動作を行ったと前記判断手段が判断すると、前記ドア駆動手段を閉駆動させる制御手段と
    を備え、
    前記検出手段は、前記被検出物を検出可能な第1検出範囲を有する第1検出センサと、前記被検出物を検出可能な第2検出範囲を有する第2検出センサとを有し、
    前記第1検出センサ及び前記第2検出センサはそれぞれ、超音波を送波する送波器と、前記超音波の反射波を受波する受波器とを有し、
    前記制御手段は、前記判断手段が判断した前記被検出物の動きに基づいて、前記ドアから定められた距離以上離れた前記被検出物を検出するための交互発振設定、及び前記定められた距離未満の前記被検出物を検出するための相互発振設定のいずれかに、前記第1検出センサ及び前記第2検出センサによる検出態様を切り換えており、
    前記交互発振設定では、前記第1検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第1検出センサの前記受波器で前記反射波を受波した後、前記第2検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第2検出センサの前記受波器で前記反射波を受波し、
    前記相互発振設定では、前記第1検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第2検出センサの前記受波器で前記反射波を受波した後、前記第2検出センサの前記送波器から前記超音波を送波して前記第1検出センサの前記受波器で前記反射波を受波する、ドア開閉装置。
  2. 前記閉鎖動作には、前記被検出物が定められた設定距離よりも前記ドアに近い第1領域に移動する動きと、前記被検出物が前記設定距離よりも前記ドアから離れた第2領域に移動する動きと、前記被検出物が前記第2領域で前記設定時間停止することが含まれている、請求項1に記載のドア開閉装置。
  3. 前記第1検出センサと前記第2検出センサとは、走行時に前記車体の後方を監視するために配置された複数の検出センサのうちの2個が用いられている、請求項1又は2に記載のドア開閉装置。
  4. 前記第1検出センサと前記第2検出センサとは隣り合っている、請求項3に記載のドア開閉装置。
  5. 前記第1領域への前記被検出物の移動は、前記第1検出範囲と前記第2検出範囲の全体で判断される、請求項2を引用する請求項3又は4に記載のドア開閉装置。
  6. 前記第2領域への前記被検出物の移動は、前記第1検出範囲と前記第2検出範囲の全体で判断される、請求項2を引用する請求項3から5のいずれか1項に記載のドア開閉装置。
  7. 前記被検出物の停止は、前記第1検出範囲と前記第2検出範囲の重なり領域で判断される、請求項2を引用する請求項3から6のいずれか1項に記載のドア開閉装置。
  8. 前記ドア駆動手段は、前記ドアを開放可能であり、
    前記制御手段は、前記閉鎖動作とは異なる開放動作を行ったと前記判断手段が判断すると、前記ドア駆動手段を開駆動させるように構成されており、
    前記設定距離は、前記開放動作の中で前記ドアに最も近づいた接近距離よりも前記ドアに近くに設定されている、請求項2に記載のドア開閉装置。
  9. 前記開放動作は、前記被検出物が前記ドアに近づく向きへ前進する第1の動きと、前記被検出物が前記ドアから離れる向きへ後退する第2の動きとを有する、請求項8に記載のドア開閉装置。
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