JP2020019310A - 車両 - Google Patents

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治郎 山田
Jiro Yamada
治郎 山田
智基 平山
Tomoki Hirayama
智基 平山
美春 益田
Miharu Masuda
美春 益田
謙一 櫻井
Kenichi Sakurai
謙一 櫻井
悠 南岳
Haruka Nangaku
悠 南岳
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Abstract

【課題】車両の後方に位置する壁等の障害物と車両の後部との距離に依らずバックドアを開放することができる車両を提供する。【解決手段】車両(1)の後部に設けられ、車両後方に向かって開放するバックドア(31)と、車両を前後進させる駆動装置(3)と、バックドアの開放要求を検出する開放要求検出部(23,63)と、車両と車両の後方に位置する障害物(65)との距離を計測する後方距離計測部(61)と、駆動装置を駆動させて車両を前進させる制御部(71)と、を備え、制御部は、開放要求検出部によってバックドアが開放要求されたことを検出し、後方距離計測部によって計測される(S10)車両と障害物との距離が所定距離より小さい(S30)とき、駆動装置を駆動して車両を所定距離以上前進させる(S50)。【選択図】図4

Description

本発明は車両に係り、特にバックドアを容易に開放可能にする技術に関する。
例えば車両を駐車場に駐車するとき、車両の後部から駐車位置に侵入して車両を駐車する所謂バック駐車をすることが多く行われている。
このように車両をバック駐車することは、車両の後部に配設されているバックドアを開放する際、車両の後方に障害物が位置する場合にバックドアが該障害物にぶつかる虞があった。
そこで、車両と該車両の後方に位置する障害物との距離(後方距離)に応じてバックドアの開動可能範囲を設定し、該開動可能範囲を越えないようにバックドアを開放する技術が開発されている(特許文献1)。
特開2005−336934号公報
ところで、昨今では、車両の後部にバックカメラを設け、該バックカメラが撮影する映像を運転席近傍のモニタに映し出すバックモニタ装置が備えられた車両が普及している。
このようなバックモニタ装置が備えられた車両では、車両をバック駐車するとき、運転手は液晶モニタを見ながら後方距離を認識することができるため、従来より後方距離を詰めて車両を駐車することが可能である。
一方、上記特許文献1に開示される技術では、後方距離に応じてバックドアの開動可能範囲を設定するため、後方距離が比較的狭いとバックドアの開動可能範囲も狭くなる。このため、後方距離を詰めて車両を駐車すると、運転手等の人が入り込めないほどにバックドアの開動可能範囲が狭くなるという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、後方距離に依らずバックドアを開放することができるバックドア付き車両を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のバックドア付き車両は、車両の後部に設けられ、車両後方に向かって開放するバックドアと、前記車両を前後進させる駆動装置と、前記バックドアの開放要求を検出する開放要求検出部と、前記車両と該車両の後方に位置する障害物との距離を計測する後方距離計測部と、前記駆動装置を駆動させて前記車両を前進させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記要求操作検出部によって前記バックドアが開放要求されたことを検出し、前記後方距離計測部によって計測される前記車両と前記障害物との距離が所定距離より小さいとき、前記駆動装置を駆動して前記車両を所定距離以上前進させることを特徴とする。
これにより、バックドアが開放要求された場合において、車両と該車両の後方に位置する障害物との距離が所定距離より小さいときに駆動装置によって車両を所定距離以上前進させることで、運転手が車両を運転して前進させることなく、車両と該車両の後方に位置する障害物との距離を広げてバックドアを開放しやすくすることが可能とされる。
その他の態様として、前記所定距離は、前記バックドアを開放するために必要な距離であり、前記制御部は、前記後方距離計測部によって計測される前記車両と該車両の後方に位置する障害物との距離が前記所定距離より離れるまで前記車両を前進させるのが好ましい。
これにより、車両と該車両の後方に位置する障害物との距離がバックドアを開放するために必要な距離より離れるまで車両を前進させることで、バックドアの開閉を確実に可能にすることができる。
その他の態様として、前記車両の外部に第1の態様で警告する第1警告部を有し、前記制御部は、前記駆動装置を駆動して前記車両を前進させるとき、前記第1警告部を作動させるのが好ましい。
これにより、車両を前進させるとき、第1警告部を作動させて第1の態様で車両の外部に警告することで、周囲に注意喚起をして、安全に車両を前進させることが可能とされる。
その他の態様として、前記制御部は、前記車両の後方に位置する障害物との距離が前記所定距離より離れると前記バックドアを自動で開放させるのが好ましい。
これにより、制御部がバックドアを自動で開放させるので、運転手2によるバックドア31を開放する手間を省くことができる。
その他の態様として、前記バックドアが閉止されたことを検出する閉止検出部を有し、前記制御部は、前記駆動装置を駆動して前記車両を前進させた後、前記閉止検出部によって前記バックドアが閉止されたことを検出してから一定時間経過すると、前記駆動装置を駆動して前記車両を後退させるのが好ましい。
これにより、バックドアが閉止されたことを検出してから一定時間経過すると、車両を後退させることで、バックドアを開放しやすくするために車両を前進させたままにすることなく、車両を後退させて駐車位置に戻すことが可能とされる。
その他の態様として、前記車両を停止させる停止装置と、前記車両の停止条件を判定する停止条件判定部と、を有し、前記制御部は、前記駆動装置を駆動して前記車両を前進または後退させるとき、前記停止条件判定部によって前記車両の停止条件を判定すると、前記停止装置によって前記車両を停止させるのが好ましい。
これにより、車両の停止条件を判定すると、停止装置によって前進または後退する車両を停止させることで、安全に車両を前後進させることが可能とされる。
その他の態様として、前記車両の外部に第2の態様で警告する第2警告部を有し、前記制御部は、前記停止装置によって前記車両を停止させるとき、前記第2警告部を作動させるのが好ましい。
これにより、車両を停止させるとき、第2警告部を作動させて第2の態様で車両の外部に警告することで、車両が停止したことを車両の外部に警告し、停止条件が停止条件判定部によって判定されたことを警告することが可能とされる。
本発明のバックドア付き車両によれば、バックドアが開放要求された場合において、車両と該車両の後方に位置する障害物との距離が所定距離より小さいときに駆動装置によって車両を所定距離以上前進させるので、運転手が車両を運転して前進させることなく、車両と該車両の後方に位置する障害物との距離を自動的に広げてバックドアを開放しやすくすることができる。
これにより、車両の後方に位置する壁等の障害物と車両の後部との距離に依らずバックドアを容易に開放することができる。
本発明に係るバックドア付き車両の概略構成図である。 FOBキーの斜視図である。 本発明に係るバックドア付き車両の制御に係るECUの接続構成が示されたブロック図である。 ECUが実行する、本発明に係るバックドア付き車両の制御手順を示すルーチンが示されたフローチャートである。 前進制御部が実行する前進制御の制御手順を示すルーチンが示されたフローチャートである。 後退制御部が実行する後退制御の制御手順を示すルーチンが示されたフローチャートである。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明に係るバックドア31付き車両1の概略構成図が示されている。
車両1は、モータ(駆動装置)3、エンジン4、車輪5及びブレーキ装置(停止装置)7を備えたワンボックスカーである。この車両1は、モータ3やエンジン4を駆動することで車輪5を回転させて走行し、ブレーキ装置7を作動させることで車輪5を制動して停止することが可能である。
また、車両1には、フード9、充電口11、給油口13、搭乗用ドア15及びバックドア31が備えられている。フード9は、モータ3やエンジン4の整備をするために開閉可能なカバー部材である。充電口11は、モータ3に供給する電力を蓄電する図示しないバッテリに車両1の外部から給電するためのソケットである。給油口13は、エンジン4に供給する燃料を貯蓄する図示しない燃料タンクに車両1の外部から燃料を供給するためのフィラーである。この充電口11及び給油口13は、使用しないときには蓋が閉じられている。
搭乗用ドア15は、運転手2等の乗員が車室内に乗り込むために開閉可能なドアである。バックドア31は、運転手2等の作業者が荷室に荷物を入れるため、車両1の後部上端に配設されたヒンジ31aを軸にして車両後方に向かって開閉可能なドアである。このバックドア31は、FOBキー21が操作され、またはハンズフリーセンサ(開放要求検出部)63により開放要求を検知することで開閉することが可能である。
図2を参照すると、FOBキー21の斜視図が示されている。FOBキー21は、運転手2が携帯する無線式の鍵であり、施錠ボタン21aを押下することで車両1の施錠をし、解錠ボタン21bを押下することで車両1の解錠をすることが可能である。
また、FOBキー21には、バックドア開閉ボタン21cが備えられている。すなわち、バックドア開閉ボタン21cを押下することで、後述するECU71は、バックドア31に備えられたバックドアアクチュエータ33を作動させてバックドア31を開放する(開放制御)。
またさらに、FOBキー21には、後退用ボタン21dが備えられている。この後退用ボタン21dは、例えば0.5秒間に2回、間欠的に押下することで、ECU71の後述する後退制御により車両1を後退させることができる(後退操作)。
このFOBキー21は、車両1に備えられるキー通信部(開放要求検出部)23と通信可能である。これにより、車両1はFOBキー21の各ボタンが押下されたことを受信することが可能である。また、キー通信部23は、FOBキー21との距離を算出することが可能である。
図1に戻り、ハンズフリーセンサ63は、車両1の後部の下端に配設されたセンサである。このハンズフリーセンサ63は、例えば音波を利用したセンサであり、FOBキー21を携帯した運転手2が足をハンズフリーセンサ63の下方にかざしたことを検出することが可能である。
そして、ハンズフリーセンサ63の下方に運転手2の足がかざされた場合に、後述するECU71は、バックドアアクチュエータ33を作動させてバックドア31を開放する(開放制御)。
また、車両1には、ハザードランプ(第1警告部、第2警告部)35、スピーカ(第1警告部、第2警告部)41、ドアセンサ(閉止検出部)51、フードセンサ52、充電口センサ53、給油口センサ55、フロントレーダ57、ソナー59、バックレーダ(後方距離計測部)61及びECU(制御部)71が備えられている。
ハザードランプ35は、車両1の前部及び後部の左右両端に設けられたランプであり、車両1が右左折するときに進行方向側のランプを点滅させることによって車両1の右左折する方向を車両1の外部に意思表示することが可能である。このハザードランプ35は、例えば車両1を路上に駐停車するときに車室内に設けられた図示しないハザードスイッチをON操作することで、左右両方が点滅する。スピーカ41は、車両1の外部に聞こえるように音を発することが可能に配設されている。
ドアセンサ51は、搭乗用ドア15及びバックドア31の開閉を検出するセンサであり、各ドアのうち、どのドアが開放されているかを検出することが可能である。フードセンサ52は、フード9の開閉を検出するセンサである。充電口センサ53は、充電口11の蓋が空いていることを検出するセンサである。給油口センサ55は、給油口13の蓋が空いていることを検出するセンサである。
フロントレーダ57は、車両1と車両1前方に位置する障害物との距離を電波によって計測するセンサである。ソナー59は、車両1の周囲の障害物を検出する所謂音波式の近接センサである。バックレーダ61は、フロントレーダ57と同様の車両1と車両1後方に位置する障害物65との距離(後方距離L0)を電波によって計測するセンサである。
図3を参照すると、本発明に係るバックドア31付き車両1の制御に係るECU71の接続構成がブロック図で示されている。
ECU71は、モータ3やエンジン4の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。このECU71には、自動運転制御部72、警告部82、開閉制御部91、計時部93、記憶部95及び停止条件判定部97が備えられている。
自動運転制御部72には、前進制御部73、停止制御部75及び後退制御部77が備えられている。前進制御部73は、後述する前進制御を実行する制御部である。停止制御部75は、後述する停止制御を実行する制御部である。後退制御部77は、後述する後退制御を実行する制御部である。
警告部82には、前進警告部83、停止警告部85及び後退警告部87が備えられている。前進警告部83は、前進制御部73によって車両1が前進するときにハザードランプ35を間欠的に点滅させ、スピーカ41からブザー音を間欠的に鳴らす(第1の態様)前進警告制御を実行する制御部である。停止警告部85は、停止制御部75によって車両1が停止するときにハザードランプ35を連続して点灯させ、スピーカ41からブザー音を3秒間連続的に鳴らす(第2の態様)停止警告制御を実行する制御部である。後退警告部87は、後退制御部77によって車両1が後退するときにハザードランプ35を間欠的に点滅させ、スピーカ41からブザー音を間欠的に鳴らす後退警告制御を実行する制御部である。
開閉制御部91は、上記したバックドア31の開放制御及び開放制御とは反対にバックドア31を閉止するようバックドアアクチュエータ33を作動させる閉止制御を実行する制御部である。計時部93は、時間を計測することが可能なタイマである。記憶部95は、情報を記憶することが可能なメモリである。
停止条件判定部97は、開閉判定、障害物判定及び停止操作判定を実行する判定部である。開閉判定は、フード9、充電口11の蓋、給油口13の蓋、搭乗用ドア15及びバックドア31の開放状態を判定することができる。
障害物判定は、ソナー59を用いることで、車両1の周囲に障害物があることや接近していることを判定することができる。停止操作判定は、前進制御中や後退制御中にFOBキー21の後退用ボタン21dが1回押下されたとき、運転手2によって車両1を停止させる操作(停止操作)がなされたことを判定することができる。以下、説明の便宜上、バックドア31の開放状態、車両1の周囲に障害物があること及び停止操作がなされたことを、停止条件という。
ECU71の入力側には、キー通信部23、ドアセンサ51、フードセンサ52、充電口センサ53、給油口センサ55、フロントレーダ57、ソナー59、バックレーダ61及びハンズフリーセンサ63が電気的に接続されている。これにより、キー通信部23からは、運転手2によるFOBキー21の各操作情報が入力し、ドアセンサ51、フードセンサ52、充電口センサ53及び給油口センサ55からは、夫々の開閉状態が入力し、フロントレーダ57からは、車両1と車両1前方に位置する障害物との距離が入力し、ソナー59からは、車両1の周囲の障害物の有無が入力し、バックレーダ61からは、車両1と車両1後方に位置する障害物65との距離が入力し、ハンズフリーセンサ63からは、運転手2によるバックドア31の開閉要求が入力する。
また、ECU71の出力側には、モータ3、ブレーキ装置7、バックドアアクチュエータ33、ハザードランプ35及びスピーカ41が電気的に接続されており、モータ3を制御することで車両1を前方または後方に走行させ、ブレーキ装置7を制御することで車両1を停止させ、バックドアアクチュエータ33を作動させることでバックドア31を開閉させ、ハザードランプ35を点灯させ、スピーカ41を鳴らすことができる。
図4を参照すると、ECU71が実行する、本発明に係るバックドア31付き車両1の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されており、以下、同フローチャートに沿い説明する。
本ルーチンは、FOBキー21またはハンズフリーセンサ63が運転手2によって操作されることでスタートする。
ステップS10では、バックレーダ61によって後方距離L0を計測してステップS20に移行する。
ステップS20では、バックドア31を開放するために必要な車両1と車両1後方に位置する障害物65との距離(所定距離)から後方距離L0を減じた距離(必要距離L1)を算出してステップS30に移行する。
ステップS30では、必要距離L1が0mm以下か否かを判定する。ステップS30の判定結果が真(Yes)で必要距離L1が0mm以下であると判定すると、ステップS40に移行してバックドア31を開放して本ルーチンを終了する。一方、ステップS30の判定結果が偽(No)で必要距離L1が0mmより大きいと判定すると、ステップS50に移行する。
すなわち、ステップS10〜ステップS30では、バックドア31を開放するために車両1を前進させる必要があるか否かを判定すると共に、バックドア31を開放するために必要な車両1を前進させる距離である必要距離L1を算出することができる。詳しくは、バックレーダ61によって後方距離L0を計測することで(ステップS10)必要距離L1を算出する(ステップS20)ことができる。この必要距離L1が0mm以下のときは(ステップS30)、車両1を前進させることなくバックドア31を開放可能な場合なので、バックドア31を直ちに開放(ステップS40)して本ルーチンを終了する。一方、必要距離L1が0mmより大きいときは(ステップS30)、車両1の現在の位置ではバックドア31を開放すると障害物65にバックドア31がぶつかる場合なので、ステップS50に移行して車両1を前方に移動することができる。
ステップS50では、前進制御部73によって前進制御が実行される。
図5を参照すると、前進制御部73が実行する前進制御の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されている。
ステップS210では、前進警告部83による前進警告制御の実行を開始して、ステップS220に移行する。
ステップS220では、停止条件判定部97によって上述の停止条件、即ち開閉判定、障害物判定及び停止操作判定が判定されたか否かを判別する。ステップS220の判別結果が真(Yes)で停止条件のうちいずれかひとつでも判定されたと判別すると、ステップS230に移行して停止制御部75による停止制御を実行してステップS240に移行する。ステップS240では、停止警告部85による停止警告制御を実行して、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS220の判別結果が偽(No)で停止条件のうちいずれも判定されなかったと判別すると、ステップS250に移行する。
ステップS250では、キー通信部23によってFOBキー21が車両1の10m圏内にあるか否かを判定する。ステップS250の判定結果が偽(No)でFOBキー21が車両1の10m圏内にないと判定すると、ステップS230に移行する。なお、ステップS230以降のルーチンは、上記にて説明したため、ここでの説明は省略する。一方、ステップS250の判定結果が真(Yes)でFOBキー21が車両1の10m圏内にあると判定すると、ステップS260に移行する。
ステップS260では、モータ3を駆動して車両1を前進させてステップS270に移行する。
ステップS270では、例えば車輪5の回転数を検出する図示しないロータリーエンコーダを用いて本ルーチンで車両1が前進した距離(前進距離L2)を計測し、前進距離L2が必要距離L1以上になったか否かを判定する。ステップS270の判定結果が偽(No)で前進距離L2は必要距離L1未満であると判定すると、ステップS220に戻る。一方、ステップS270の判定結果が真(Yes)で前進距離L2が必要距離L1以上になったと判定すると、前進制御を終了して図4のステップS60に移行する。
すなわち、前進制御部73によって実行される前進制御(ステップS210〜ステップS270)では、前進警告部83による前進警告制御の実行(ステップS210)により、ステップS220〜ステップS270の間、車両1の外部にいる運転手2等の車両1の周囲にいる人に車両1が前進することを警告することができる。また、停止条件判定部97により、停止条件が判定されず(ステップS220でNo)、FOBキー21が車両1の10m圏内にある(ステップS230でYes)ときは、前進距離L2が必要距離L1以上になる(ステップS270でYes)まで車両1を前進させる(ステップS260)ことができる。
一方、停止条件判定部97により、停止条件が判定され(ステップS220でYes)またはFOBキー21が車両1の10m圏内から離れた(ステップS250でNo)ときは、車両1を停止させる(ステップS230)ことで、前進制御部73による前進制御の安全性を高めることができる。また、車両1を停止させる(ステップS230)ときは、前進警告制御とは異なる態様の停止警告部85による停止警告制御の実行(ステップS240)により、停止条件判定部97がいずれかの停止条件を判定したことによって車両1が停止したことを運転手2に的確に警告することができる。
図4に戻り、ステップS60では、後述する後退制御に用いるため、記憶部95によって前進距離L2が記憶されてステップS70に移行する。ステップS70では、ステップS40と同様にバックドア31を開放してステップS80に移行する。
ステップS80では、運転手2によってバックドア31が閉止されたか否かを判定する。ステップS80の判定結果が真(Yes)でバックドア31が閉止されたと判定するまで本ルーチンを繰り返し行い、バックドア31が閉止されたと判定すると、ステップS90に移行する。
すなわち、ステップS70及びステップS80では、バックドア31が開放された(ステップS70)あと、例えば車両1に荷物の搬入がされている間に車両1が後退制御を実行しないよう、バックドア31が閉止されたと判定されるまでステップS90に移行しない(ステップS80)。
ステップS90では、計時部93により、バックドア31が閉止されてからの経過時間Tの計時を開始してステップS100に移行する。ステップS100では、例えば車両1の運転席近傍に設けられた図示しないイグニッションスイッチ(IGN)が運転手2によってON操作され、車両1が車両1に搭載されたエンジン4を稼動させて車両1を走行させることが可能な状態(走行可能状態)にあるか否かを判定する。なお、運転手2が車両1を走行させる意思があるか否かを判定することができればよく、運転手2の走行操作によってモータ3が車両1を走行させることが可能な状態であることを走行可能状態としてもよい。
ステップS100の判定結果が真(Yes)で車両1が走行可能状態であると判定するときは、後述する後退制御を実行せずに本ルーチンを終了する。また、ステップS100の判定結果が偽(No)で車両1が走行可能状態ではないと判定すると、ステップS110に移行する。
ステップS110では、FOBキー21の後退用ボタン21dが0.5秒間に2回、間欠的に押下(後退操作)されたか否かを判定する。ステップS270の判定結果が偽(No)で後退用ボタン21dが後退操作されていないと判定すると、ステップS120に移行する。
ステップS120では、計時部93によって計時されるバックドア31が閉止されてからの経過時間Tが例えば5分(一定時間)経過したか否かを判定する。ステップS120の判定結果が偽(No)で経過時間Tが5分以下であると判定すると、ステップS100に移行する。
一方、ステップS110の判定結果が真(Yes)またはステップS120の判定結果が真(Yes)で、後退用ボタン21dが後退操作されたと判定するときまたは経過時間Tが5分経過したと判定するときは、ステップS130に移行して後退制御を実行する。
すなわち、ステップS90〜ステップS120では、バックドア31が閉止されてからの経過時間Tを計時し(ステップS90)、経過時間Tが5分経過するまでの間に車両1が走行可能状態になると(ステップS100でYes)、運転手2によって車両1を走行させる可能性が高く車両1を後退させる必要がない可能性が高いので、後述する後退制御を実行せずに本ルーチンを終了することができる。また、経過時間Tが5分経過するまでの間に後退用ボタン21dが後退操作された(ステップS110でYes)ときは、運転手2から車両1の後退制御を実行する指示があったものと判定し、経過時間Tが5分経過するまで待つことなく車両1を後退させることができる。
またさらに、経過時間Tが5分経過するまでの間に車両1が走行可能状態にならず(ステップS100でNo)、後退用ボタン21dが後退操作されないときは(ステップS110でNo)、運転手2が後退用ボタン21dを後退操作し忘れている可能性があるため、ステップS130に移行して後退制御が実行される。
図6を参照すると、後退制御部77が実行する後退制御の制御手順を示すルーチンがフローチャートで示されている。
ステップS310では、後退警告部87による後退警告制御の実行を開始して、ステップS320に移行する。
ステップS320では、停止条件判定部97によって停止条件が判定されたか否かを判別する。ステップS320の判別結果が真(Yes)で停止条件のうちいずれかひとつでも判定されたと判別すると、前進制御部73の前進制御におけるステップS230及びステップS240と同様にステップS330及びステップS340に移行して本ルーチンを終了する。なお、前進制御におけるステップS230及びステップS240とステップS330及びステップS340は同様のため、ここではステップS330及びステップS340についての説明を省略する。
一方、ステップS320の判別結果が偽(No)で停止条件のうちいずれも判定されなかったと判別すると、ステップS350に移行し、ステップS350の判定結果が真(Yes)でFOBキー21が車両1の10m圏内にあると判定すると、ステップS360に移行する。なお、前進制御におけるステップS250とステップS350は同様のため、ここではステップS350についての説明を省略する。
ステップS360では、モータ3を駆動して車両1を例えば5mm後退させてステップS370に移行する。
ステップS370では、例えば図示しないロータリーエンコーダを用いて本ルーチンで車両1が後退した距離(後退距離L3)を計測し、後退距離L3が前進距離L2以上になったか否かを判定する。ステップS370の判定結果が偽(No)で後退距離L3は前進距離L2未満であると判定すると、ステップS320に戻る。一方、ステップS370の判定結果が真(Yes)で後退距離L3が前進距離L2以上になったと判定すると、ステップS380に移行する。
ステップS380では、スピーカ41からブザー音を例えば2回、後退時とは異なる音で間欠的に鳴らすことで後退制御が終了することを車両の外部に通知したあと、後退制御を終了し、後退制御ルーチンを終了する。
すなわち、後退制御部77によって実行される後退制御(ステップS310〜ステップS370)では、後退警告部87による後退警告制御の実行(ステップS310)により、ステップS320〜ステップS370の間、車両1の外部にいる運転手2等に車両1が後退することを警告することができる。また、停止条件判定部97により、停止条件が判定されず(ステップS320でNo)、FOBキー21が車両1の10m圏内にある(ステップS350でYes)ときは、後退距離L3が前進距離L2以上になる(ステップS370でYes)まで車両1を後退させる(ステップS360)ことができる。
一方、停止条件判定部97により、停止条件が判定され(ステップS320でYes)またはFOBキー21が車両1の10m圏内から離れた(ステップS350でNo)ときは、車両1を停止させる(ステップS330)ことで、後退制御部77による後退制御の安全性を高めることができる。
図4に戻り、ステップS130で後退警告部87による後退警告制御の実行が終了すると、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本発明に係るバックドア付き車両では、車両1の後部に設けられ、車両1後方に向かって開放するバックドア31と、車両1を前後進させるモータ3と、FOBキー21及びハンズフリーセンサ63によりバックドア31がFOBキー21またはハンズフリーセンサ63により開放要求されたことを検出するキー通信部23及びハンズフリーセンサ63と、車両1と該車両1の後方に位置する障害物65との距離である後方距離L0を計測するバックレーダ61と、モータ3を駆動させて車両1を前進させるECU71と、を備え、ECU71は、FOBキー21またはハンズフリーセンサ63によってバックドア31が開放要求されたことを検出し、バックレーダ61によって計測される後方距離L0が所定距離より小さいとき、モータ3を駆動して車両1を所定距離以上前進させる。
従って、バックドア31が開放要求された場合において、後方距離L0が所定距離より小さく、所定距離から後方距離L0を減じて算出した必要距離L1が0より大きいときに車両1を前進させるので、運転手2が車両1を運転して前進させることなく、後方距離L0を広げてバックドア31を開放しやすくすることができる。
特に、所定距離は、バックドア31を開放するために必要な距離であり、ECU71は、前進距離L2が必要距離L1を超え、後方距離L0が所定距離より離れるまで車両1を前進させるので、バックドア31の開閉を確実に可能にすることができる。
また、ECU71は、車両1の後方に位置する障害物65との距離が所定距離より離れるとバックドア31を自動で開放させるので、運転手2によるバックドア31を開放する手間を省くことができる。
そして、前進警告制御に基づいて車両1の外部に警告するハザードランプ35及びスピーカ41を有し、ECU71は、モータ3を駆動して車両1を前進させるとき、前進警告制御を実行してハザードランプ35及びスピーカ41を作動させて車両1の外部に警告するようにしたので、安全に車両1を前進させることができる。
また、バックドア31が閉止されたことを検出するドアセンサ51を有し、ECU71は、モータ3を駆動して車両1を前進させた後、ドアセンサ51によってバックドア31が閉止されたことを検出してから5分経過すると、モータ3を駆動して車両1を後退させる。
従って、ECU71は、バックドア31を開放しやすくするために車両1を前進させたあと、前進させたままにすることなく車両1を後退して元の駐車位置に戻すことができる。
そして、車両1を停止させるブレーキ装置7と、車両1の停止条件を判定する停止条件判定部97と、を有し、ECU71は、モータ3を駆動して車両1を前進または後退させるとき、停止条件判定部97によって車両1の停止条件を判定すると、ブレーキ装置7によって車両1を停止させるようにしたので、安全に車両1を前後進させることができる。
そして、停止警告制御に基づいて車両1の外部に警告するハザードランプ35及びスピーカ41を有し、ECU71は、車両1を停止させるとき、ブレーキ装置7によって停止警告制御を実行してハザードランプ35及びスピーカ41を作動させて車両1の外部に警告する。
従って、停止条件が停止条件判定部97によって判定されたことによって車両1の停止を例えば運転手2に警告することができる。
以上で本発明に係るバックドア付き車両の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、前進制御部73による前進制御及び後退制御部77による後退制御を実行して車両1を前進または後退させるとき、モータ3を駆動するようにしたが、エンジン4を稼動して得られる駆動力を利用して車両1を前進または後退するようにしてもよい。
また、本実施形態では、バックドア31をヒンジ31aを軸にして開閉可能なドアとして説明したが、所謂観音扉型のバックドアであってもよい。また、バックドア31は、FOBキー21のバックドア開閉ボタン21cを押下し、またはハンズフリーセンサ63の下方に足をかざすことで開放するようにしたが、バックドア31にドアハンドルを備え、該ドアハンドルを操作することで開閉するようにした車両に本発明を適用してもよい。
また、本実施形態では、前進警告部83、停止警告部85及び後退警告部87がそれぞれ実行する前進警告制御、停止警告制御及び後退警告制御では、ハザードランプ35の点灯及び点滅態様並びにスピーカ41によるブザー音の態様をそれぞれ規定したが、車両の外部に警告できればよく、フロントランプやブレーキランプを点滅させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、停止条件判定部97によって判定される停止条件として、バックドア31の開放状態、車両1の周囲に障害物があること及び停止操作を挙げたが、車両1の前後進を停止する必要があるような状態が判定できればよい。
また、本実施形態では、フロントレーダ57、ソナー59及びバックレーダ61を用いて車両1と車両1の外部との距離や状況を計測及び検出するようにしたが、車両1の周囲をレーザーレーダまたはカメラを用いて計測及び検出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ECU71が実行する、本発明に係るバックドア31付き車両1の制御手順を示すルーチンを図4〜図6に記載のフローチャートで説明したが、本願発明を実施可能な限りフロー中の順序を変更してもよい。
また、本実施形態では、開放要求として、FOBキー21及びハンズフリーセンサ63によって開放要求する態様を説明したが、カメラ等に向かってジェスチャーをすることでバックドアを開放することや、事前にスマートフォン等の携帯端末機器で予約をしておき、車両1から電波を所定エリア内に発信し、FOBキー21を持った運転手が所定の範囲内に入った場合にバックドア31を開放するようにしてもよい。
1 車両
2 運転手
3 モータ(駆動装置)
7 ブレーキ装置(停止装置)
21 FOBキー(開放要求部)
23 キー通信部(開放要求検出部)
31 バックドア
35 ハザードランプ(第1警告部、第2警告部)
41 スピーカ(第1警告部、第2警告部)
51 ドアセンサ(閉止検出部)
61 バックレーダ(後方距離計測部)
63 ハンズフリーセンサ(開放要求部、開放要求検出部)
65 障害物
71 ECU(制御部)
97 停止条件判定部

Claims (7)

  1. 車両の後部に設けられ、車両後方に向かって開放するバックドアと、
    前記車両を前後進させる駆動装置と、
    前記バックドアの開放要求を検出する開放要求検出部と、
    前記車両と該車両の後方に位置する障害物との距離を計測する後方距離計測部と、
    前記駆動装置を駆動させて前記車両を前進させる制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記開放要求検出部によって前記バックドアが開放要求されたことを検出し、前記後方距離計測部によって計測される前記車両と前記障害物との距離が所定距離より小さいとき、前記駆動装置を駆動して前記車両を所定距離以上前進させる、車両。
  2. 前記所定距離は、前記バックドアを開放するために必要な距離であり、
    前記制御部は、前記後方距離計測部によって計測される前記車両と該車両の後方に位置する障害物との距離が前記所定距離より離れるまで前記車両を前進させる、請求項1に記載の車両。
  3. 前記車両の外部に第1の態様で警告する第1警告部を有し、
    前記制御部は、前記駆動装置を駆動して前記車両を前進させるとき、前記第1警告部を作動させる、請求項1または2に記載の車両。
  4. 前記制御部は、前記車両の後方に位置する障害物との距離が前記所定距離より離れると前記バックドアを自動で開放させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両。
  5. 前記バックドアが閉止されたことを検出する閉止検出部を有し、
    前記制御部は、前記駆動装置を駆動して前記車両を前進させた後、前記閉止検出部によって前記バックドアが閉止されたことを検出してから一定時間経過すると、前記駆動装置を駆動して前記車両を後退させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両。
  6. 前記車両を停止させる停止装置と、
    前記車両の停止条件を判定する停止条件判定部と、を有し、
    前記制御部は、前記駆動装置を駆動して前記車両を前進または後退させるとき、前記停止条件判定部によって前記車両の停止条件を判定すると、前記停止装置によって前記車両を停止させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両。
  7. 前記車両の外部に第2の態様で警告する第2警告部を有し、
    前記制御部は、前記停止装置によって前記車両を停止させるとき、前記第2警告部を作動させる、請求項6に記載の車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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