JP6819897B2 - 発光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光素子の製造方法に関する。
基板上に発光層となる化合物半導体を積層した発光素子を製造する方法において、レーザ照射することによって、素子分離線を形成する方法が提案されている。発光素子の製造方法において、生産性の向上が求められる。
特許5119463号公報
本発明は、生産性を向上できる発光素子の製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、発光素子の製造方法は、レーザ光照射工程と、分離工程と、を含む。前記レーザ照射工程は、第1面及び第2面を有する基板と、前記第2面に設けられた半導体構造と、を含むウェーハの前記基板にレーザ光を照射し、前記基板の内部に複数の改質領域を形成する。前記分離工程は、前記レーザ光照射工程の後に前記ウェーハを複数の発光素子に分離する。前記レーザ光照射工程は、複数の第1線に沿って前記レーザ光を走査し、互いに重なり合う前記複数の改質領域を形成する第1照射工程と、複数の第2線に沿って前記レーザ光を走査する第2照射工程と、を含む。前記複数の第1線は、前記第1面に平行な第1方向に延び、前記第1面に平行で前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ。前記複数の第2線は、前記第2方向に延び、前記第1方向に並ぶ。前記複数の第1線の前記第2方向における第1ピッチは、前記複数の第2線の前記第1方向における第2ピッチよりも大きい。前記第1照射工程における複数の第1線の1つに沿った前記レーザ光の照射において、前記レーザ光は、前記第1方向に沿う複数の第1位置に照射され、前記第1方向に沿う前記複数の第1位置の第1照射ピッチは、2.0μm以下である。前記分離工程は、前記複数の第2線に沿って前記ウェーハを複数のバーに分離する第1分離工程と、前記第1分離工程の後に前記複数の第1線に沿って前記バーを前記複数の発光素子に分離する第2分離工程と、を含む。前記第2照射工程における複数の第2線の1つに沿った前記レーザ光の照射において、前記レーザ光は、前記第2方向に沿う複数の第2位置に照射され、前記第2方向に沿う前記複数の第2位置の第2照射ピッチは、3.0μm以上3.5μm以下である。
本発明の一態様によれば、生産性を向上できる発光素子の製造方法が提供される。
実施形態に係る発光素子の製造方法を例示するフローチャートである。 実施形態に係る発光素子の製造方法で用いられるウェーハを例示する模式図である。 実施形態に係る発光素子の製造方法で用いられるウェーハを例示する模式図である。 実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式図である。 実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。 実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。 実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。 実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。 発光素子の分離に関する実験結果を例示するグラフである。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る発光素子の製造方法を例示するフローチャートである。
図2及び図3は、実施形態に係る発光素子の製造方法で用いられるウェーハを例示する模式図である。図2は、図3のII−II線断面図である。図3は、図2の矢印ARから見た平面図である。
図1に示すように、実施形態に係る発光素子の製造方法は、レーザ光照射工程(ステップS110)及び分離工程(ステップS120)を含む。レーザ光照射工程は、第1照射工程(ステップS111)及び第2照射工程(ステップS112)を含む。分離工程は、第1分離工程(ステップS121)及び第2分離工程(ステップS122)を含む。
レーザ照射工程においては、ウェーハにレーザ光を照射する。以下、ウェーハの例について説明する。
図2及び図3に示すように、ウェーハ50Wは、基板50及び半導体構造51を含む。基板50は、第1面50a及び第2面50bを有する。第2面50bは、第1面50aとは反対側の面である。半導体構造51は、例えば、第2面50bに設けられる。
半導体構造51は、例えば、n形半導体層、活性層及びp形半導体層を含む。p形半導体層と基板50との間にn形半導体層が位置する。p形半導体層とn形半導体層との間に活性層が位置する。半導体構造51は、例えば、InAlGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y<1)等の窒化物半導体を含む。活性層が発する光のピーク波長は、例えば、360nm以上650nm以下である。
第2面50bから第1面50aに向かう方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。第1面50a及び第2面50bは、X−Y平面に沿って広がる。Z軸方向は、基板50の厚さ方向(例えば、深さ方向)に対応する。
図3に示すように、半導体構造51は、例えば、複数の領域51rを含む。複数の領域51rそれぞれが1つの発光素子に対応する。複数の領域51rは、第1方向D1及び第2方向D2に並ぶ。
第1方向D1は、第1面50aに平行な1つの方向である。第2方向D2は、第1面50aに平行で、第1方向D1と交差する。第2方向D2は、例えば、第1方向D1に対して垂直である。この例では、第1方向D1は、Y軸方向に沿う。第2方向D2は、X軸方向に沿う。
例えば、基板50は、例えば、サファイアからなる。基板50は、例えば、サファイア基板(例えば、c面サファイア基板)である。基板50において、第1面50aは、c面に対して傾斜していても良い。基板50がサファイア基板である場合、1つの例において、第1方向D1は、サファイア基板のa軸に沿う。このとき、第2方向D2は、サファイア基板のm軸に沿う。
基板50は、オリエンテーションフラット55を有する。この例では、オリエンテーションフラット55の延びる方向は、ウェーハ50Wの第2方向D2に沿っている。実施形態において、第1方向D1と、オリエンテーションフラット55の延びる方向と、の関係は、任意である。第2方向D2と、オリエンテーションフラット55の延びる方向と、の関係は、任意である。
このようなウェーハ50Wにレーザ光が照射される。ウェーハ50Wが複数の領域51rの境界に沿って分離される。複数の領域51rから複数の発光素子が得られる。
図4は、実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式図である。
図4は、レーザ光の照射を例示している。図4に示すように、ウェーハ50Wの基板50に、レーザ光61が照射される。この例では、レーザ光61は、第1面50aから基板50に入射する。
レーザ光61は、パルス状に出射される。レーザ光源として、例えば、Nd:YAGレーザ、チタンサファイアレーザ、Nd:YVOレーザ、または、Nd:YLFレーザなどが用いられる。レーザ光61の波長は、基板50を透過する光の波長である。レーザ光61は、例えば、800nm以上1200nm以下の範囲にピーク波長を有するレーザ光である。
レーザ光61は、X−Y平面に平行な方向に沿って走査される。例えば、レーザ光61と、基板50と、の相対的な位置が、X−Y平面に平行な方向に沿って変更される。レーザ光61の集光点のZ軸方向に沿う位置(基板50を基準にしたときの位置)が変更可能でも良い。
例えば、基板50の第1面50aに沿う1つの方向に沿って、レーザ光61が、離散的に照射される。レーザ光61が照射された複数の位置は、その1つの方向に沿って互いに離れている。レーザ光61が照射された複数の位置は、1つのピッチ(レーザ照射ピッチLp)で並ぶ。レーザ照射ピッチLpは、レーザ光61のショット間ピッチに対応する。
レーザ光61の照射により、基板50の内部に、複数の改質領域53が形成される。レーザ光61は基板50の内部に集光される。基板50の内部の特定の深さの位置において、レーザ光61によるエネルギーが集中する。これにより、複数の改質領域53が形成される。複数の改質領域53を形成するときにおけるレーザ光61の集光点のピッチは、レーザ照射ピッチLpに対応する。改質領域53は、例えば、基板50の内部において、レーザ照射により脆化した領域である。
複数の改質領域53から、例えば、亀裂が進展する。亀裂は、基板50のZ軸方向に伸展する。亀裂は、基板50の分離の開始位置となる。例えば、後述する分離工程において、力(例えば、荷重、または衝撃など)が加わる。これにより、亀裂に基づいて、基板50が分離される。
このように、レーザ光照射工程(ステップS110)においては、基板50にレーザ光61を照射して、基板50の内部に複数の改質領域53を形成する。レーザ照射が、例えば、第1方向D1及び第2方向D2に沿って行われる。
そして、分離工程(ステップS120)においては、レーザ光照射工程の後に、ウェーハ50Wを複数の発光素子に分離する。例えば、2つの方向に沿った分離を行うことで、ウェーハ50Wが複数の発光素子に分離される。
以下、レーザ光照射工程の例について説明する。
図5は、実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。
図5は、第1照射工程(ステップS111)を例示している。図5に示すように、第1照射工程においては、複数の第1線L1に沿ってレーザ光61を走査する。
複数の第1線L1は、第1方向D1に延び、第2方向D2に並ぶ。既に説明したように、第1方向D1は、第1面50aに平行である。第2方向D2は、第1面50aに平行で、第1方向D1と交差する。複数の第1線L1は、第1ピッチP1で並ぶ。第1ピッチP1は、第2方向D2において隣接する2つの第1線L1が第2方向D2に沿う距離である。
複数の第1線L1は、例えば、第2方向D2に並ぶ複数の領域51r(図3参照)どうしの間の境界に沿う。
図5に示すように、複数の第1線L1の1つに沿ったレーザ光61の照射において、レーザ光61は、複数の第1位置61aに照射される。複数の第1位置61aは、第1方向D1に沿って並ぶ。複数の第1位置61aのピッチは、第1照射ピッチLp1に対応する。第1照射ピッチLp1は、第1方向D1において隣接する2つの第1位置61aが第1方向D1に沿う距離である。
実施形態においては、第1照射ピッチLp1は、例えば、2.0μm以下である。これにより、下記で詳述するように、分離工程における破断強度を十分に上昇させることができる。
図6は、実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。
図6は、第2照射工程(ステップS112)を例示している。図6に示すように、第2照射工程においては、複数の第2線L2に沿ってレーザ光61を走査する。
複数の第2線L2は、第2方向D2に延びる。複数の第2線L2は、第1方向D1において、第2ピッチP2で並ぶ。第2ピッチP2は、第1方向D1において隣接する2つの第2線L2が第1方向D1に沿う距離である。
複数の第2線L2は、例えば、第1方向D1に並ぶ複数の領域51r(図3参照)どうしの間の境界に沿う。
第2照射工程における複数の第2線L2の1つに沿ったレーザ光61の照射において、レーザ光61は、複数の第2位置61bに照射される。複数の第2位置61bは、第2方向D2に沿って並ぶ。複数の第2位置61bのピッチは、第2照射ピッチLp2に対応する。第2照射ピッチLp2は、第2方向D2において隣接する2つの第2位置61bが第2方向D2に沿う距離である。
1つの例において、第1照射ピッチLp1は、第2照射ピッチLp2よりも小さい。これにより、下記で詳述するように、分離工程におけるウェーハの意図しない分離を抑制できる。
実施形態において、第1ピッチP1(図5参照)は、第2ピッチP2(図6参照)よりも大きい。
以下、分離工程の例について説明する。
図7は、実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。
図7は、第1分離工程を例示している。第1分離工程においては、複数の第2線L2に沿って、ウェーハ50Wを複数のバー52に分離する。例えば、ブレードを用いて、荷重を第2線L2に沿ってウェーハ50Wに加えることにより、ウェーハ50Wが、複数のバー52に分離される。実施形態において、1つのバー52は、複数の領域51rが第2方向D2に並んだ状態である。
図8は、実施形態に係る発光素子の製造方法の一部を例示する模式的平面図である。
図8は、第2分離工程を例示している。第2分離工程は、第1分離工程の後に行われる。第2分離工程は、第1分離工程の後に、複数の第1線L1に沿って、バー52を複数の発光素子51eに分離する。例えば、ブレードを用いて、荷重を第1方向D1に沿ってバー52(ウェーハ50W)に加えることにより、バー52が、複数の発光素子51eに分離される。
上記の分離は、例えば、割断により実行される。
既に説明したように、実施形態においては、第1ピッチP1は、第2ピッチP2よりも大きい。上記の製造方法により得られる複数の発光素子51eの1つにおいて、第2方向D2に沿う長さは、第1方向D1に沿う長さよりも長い。複数の発光素子51eの1つは、長辺と短辺とを有する。長辺の長さが、第1ピッチP1に実質的に対応する。短辺の長さは、第2ピッチP2に対応する。
実施形態においては、第1分離工程を実施した後に第2分離工程を実施する。例えば、長辺に沿った個片化予定線(第2線L2)に沿って分離する。この後、短辺に沿った個片化予定線(第1線L1)に沿って分離する。
一方、第1線L1に沿って分離した後に、第2線L2に沿って分離することもできる。この場合は、第1線L1に沿って分離した後に、第2線L2に沿った分離をすることが難しい傾向にある。つまり、短辺に沿った個片化予定線に沿って分離した後、長辺に沿った個片化予定線に沿って分離をすることが難しい。これは、短辺に沿って分離したウェーハを、さらに細かい長辺に沿って分離することが難しいためである。
実施形態においては、第1分離工程を実施した後に第2分離工程を実施する。これにより、基板50を複数の発光素子に分離しやすい。
短辺に沿った個片化予定線に沿って分離するときに比べて、長辺に沿った個片化予定線に沿って分離するときの方が、意図しない分離が生じやすい。つまり、分離工程の際に、長辺よりも短辺の方が意図しない分離が生じやすい。実施形態においては、長辺に沿った個片化予定線に沿って分離する場合であっても短辺における意図しない分離が抑制できる。
さらに、実施形態においては、第1線L1に沿う第1照射ピッチLp1は、2.0μm以下と小さくされる。これにより、第1分離工程における意図しない第1線L1に沿った分離が抑制される。
後述するように、第1照射ピッチLp1を小さくすることで、第1線L1に沿う破断強度を上げることができる。これにより、例えば、第1線L1に沿う分離が生じ難くなる。例えば、第1分離工程における衝撃によって意図しない分離が生じることが、さらに抑制できる。
実施形態においては、第2照射工程におけるレーザ光61の照射において、レーザ光61は、第2照射ピッチLp2で照射される。実施形態において、第2照射ピッチLp2は、第1照射ピッチLp1よりも大きいことが好ましい。
第2線L2に沿うレーザ光61の照射において、第2照射ピッチLp2が大きいことにより、第2線L2に沿う破断強度が低くなる。その結果、第2線L2に沿う分離が容易になる。
例えば、第2線L2に沿う分離(第1分離工程)において、ブレードなどによる荷重を小さくしても、第2線L2に沿う分離が実施できる。小さい荷重により第2線L2に沿う分離が行えるため、第1線L1にかかる荷重も小さくなり意図せずに第1線L1に沿った分離が生じることが、より抑制できる。
例えば、第2照射ピッチLp2は、例えば、3.0μm以上3.5μm以下である。このような第2照射ピッチLp2を用いることにより、意図しない分離の発生が安定して抑制できる。
例えば、2つの方向に沿った2つの分離工程において、例えば、不均一な荷重が基板50に加わることで、意図しない分離が生じる。意図しない分離により、基板の欠けなどの不良が生じる。実施形態においては、一方のレーザ照射の条件として、他方のレーザ照射の条件よりも分離し難い条件が採用される。これにより、意図しない分離が抑制される。
2つの方向に沿った2つの分離工程において、一方の方向に沿う分離のし易さが、他方の方向に沿う分離のし易さと異なる場合がある。例えば、基板50の結晶方位の方向に応じて、分離のし易さが異なる場合がある。このような場合において、分離のし易さの差を小さくしようとする参考例がある。
これに対して、実施形態においては、一方のレーザ照射の条件として、他方のレーザ照射の条件よりも分離し難い条件を採用する。すなわち、第1レーザ照射工程における第1照射ピッチLp1、を第2レーザ照射工程における第2照射ピッチLp2よりも小さくする。第1レーザ照射工程で形成される複数の改質領域53により、第1線L1に沿った分離がされ難い状態となる。これにより、第2分離工程で分離されるべき部分が、第1分離工程において、意図せず分離されることが抑制される。
実施形態においては、第1分離工程と、第2分離工程と、が行われる場合において、分離(割断)の順序に応じて、レーザ照射ピッチLpが適切に設定される。これにより、意図しない分離が抑制できる。
実施形態によれば、生産性を向上できる発光素子の製造方法が提供できる。
以下、レーザ照射した後のウェーハ50Wにおける破断強度に関する実験結果の例について説明する。実験における試料は、基板50(サファイア基板)と窒化物半導体が積層された半導体構造51(図2参照)とを含む。試料の厚さは、約120μmである。試料の平面形状は長方形であり、主面の1つの辺(長辺)の長さは、2200μmであり、別の辺(短辺)の長さは、2000μmである。試料の長辺に対して平行な中心線に沿って、試料にレーザ光61が照射される。実験においては、レーザ照射ピッチLpが、1μm〜3.5μmの間で0.5μmごとに変更される。実験においては、サファイア基板のm軸に沿ってレーザ光61が照射される場合と、サファイア基板のa軸に沿ってレーザ光61が照射される場合と、の2種の条件が採用される。レーザ光61のパルス周期は一定であり、レーザ光61の走査速度を変更することで、レーザ照射ピッチLpが変更される。レーザ光61は、YAGレーザから出射される。レーザ光61の波長は、1040nmである。
種々のレーザ照射ピッチLpでレーザ光61が照射された試料について、破断強度を測定した。破断強度の測定において、曲げ試験を行った。試料に3点曲げ荷重が加えられ、破断するときの荷重を、破断強度とした。
図9は、発光素子の分離に関する実験結果を例示するグラフである。
図9の横軸は、レーザ照射ピッチLp(μm)である。縦軸は、破断強度F1(ニュートン:N)である。図9には、a軸方向に沿ってレーザ光61を照射したときの破断強度F1の値が、丸印で示されている。m軸に沿ってレーザ光61を照射したときの破断強度F1の値が、三角印で示されている。a軸方向に沿ってレーザ光61を照射したときの破断強度F1の値の平均値が、四角印で示されている。
図9に示すように、レーザ照射ピッチLpが小さいと、破断強度F1が高くなった。図9の結果から、レーザ照射ピッチLpが3μmである場合に、m軸方向に沿うレーザ照射と、a軸に沿うレーザ照射と、において、実質的に同様の傾向が観察される。
図9から分かるように、レーザ照射ピッチLpが2.5μm以下になると、破断強度F1が上昇し始める。レーザ照射ピッチLpが2.0μm以下になると、破断強度F1の上昇が顕著となった。一方、レーザ照射ピッチLpが3.0μm以上3.5μm以下においては、破断強度F1は、安定して低くなった。
以上から、第1照射ピッチLp1は、2.0μm以下であることが好ましい。第2照射ピッチLp2は、3.0μm以上(3.5μm以下)であることが好ましい。これにより、第1レーザ照射の破断強度F1と、第2レーザ照射の破断強度F1と、の間において、大きな差が得られる。
図9から分かるように、レーザ照射ピッチLpが1.5μm以下のときの破断強度F1の最小値は、レーザ照射ピッチLpが3.0μm以下のときの最大値よりも大きい。
このことから、第1照射ピッチLp1は、1.5μm以下であることがさらに好ましい。これにより、ばらつきを含めても、破断強度F1において、十分な差が得られる。
このように実施形態においては、分離(割断)の順序に応じて、レーザ照射ピッチLpが適切に設定される。これにより、意図しない分離が抑制できる。
本発明者らは、レーザ照射ピッチを狭くすることで基板が割れやすくなると考えていた。しかしながら、上述のとおり、実際には、レーザ照射ピッチを狭くすることで破断強度F1が上昇し、基板が分離されにくくなることが分かった。分離されにくくなった理由としては、レーザ光の走査線上における基板の内部に複数の改質領域が密に形成され、それらが互いに重なり合うことで基板の分離が抑制されたと考えられる。
実施形態において、第2ピッチP2は、300μm以下であることが好ましい。例えば、第2ピッチP2が、300μmよりも小さいときには、第1分離工程において、意図せずに、第1線L1に沿った分離が生じやすい傾向がある。実施形態においては、第1照射ピッチLp1を所定の値とすることで、第2ピッチP2が300μm以下のときであっても、意図しない分離が抑制される。
実施形態において、第1ピッチP1は、1mm以上であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることがさらに好ましい。
実施形態において、第1照射工程及び第2照射工程におけるレーザ光61の出力は、100mW以上150mW以下であることが好ましい。出力が150mWよりも高いと、例えば、半導体構造51(例えば、発光素子51e)にダメージが生じる場合がある。出力が100mWよりも低いと、例えば、改質領域53が形成し難くなる、または、改質領域53からの亀裂が伸展し難くなる。このため、基板50の分離が困難になる。出力が100mW以上150mW以下のときに、例えば、半導体構造51へのダメージを抑制しつつ、容易な分離が可能になる。
実施形態においては、第1照射工程の後に、第2照射工程が実施されることが好ましい。既に説明したように、第1照射工程における複数の第1線L1の第1ピッチP1は、第2照射工程における複数の第2線L2の第2ピッチP2よりも大きい。例えば、単位面積当たりの複数の第1線L1の数は、単位面積当たりの複数の第2線L2の数よりも小さい。
既に説明したように、レーザ光61の照射により複数の改質領域53が形成され、複数の改質領域53から生じる亀裂が進展して、基板50が分離される。レーザ光61の走査の回数が多いと、改質領域53も多くなりやすく、基板50の内部の応力(例えば、圧縮応力)が大きくなる。基板50の内部の圧縮応力が大きい状態においては、改質領域53が形成されたとしても、改質領域53から生じる亀裂が伸展し難い。このため、基板50は、分離し難い。基板50の内部の圧縮応力が小さいときに、基板50は分離し易い。
走査回数が少ない第1照射工程を先に行うことで、基板内部における圧縮応力が比較的小さい状態で、次の第2照射工程を行える。例えば、走査回数が多い第2照射工程の後に、走査回数が少ない第1照射工程を行う場合、圧縮応力が強く働いている状態で、第1照射工程が行われることになる。この場合、第1照射工程で形成した改質領域53を形成しても亀裂が伸展しにくいため、基板の割断を行うことが難しい。実施形態においては、第1照射工程と第2照射工程とにおける改質領域からの亀裂が伸展し難くなることを抑制できる。これにより、基板50を分離しやすい。
(実施例)
実施例において、ウェーハ50Wとしてサファイア基板上に、窒化物半導体を含む半導体構造51が設けられた。サファイア基板の厚さは、120μmである。レーザ光61の波長は、約1060nmである。レーザ光61の出力は、100mW〜150mW程度である。
レーザ光照射工程において、第1方向D1は、サファイア基板のa軸に対して平行である。第2方向D2は、サファイア基板のm軸に対して平行である。第1ピッチP1は、1100μmである。第2ピッチP2は、200μmである。第1条件において、第1照射ピッチLp1は、1.5μmであり、第2照射ピッチLp2は、3.0μmである。
分離工程において、第2線L2に沿った第1分離工程を行い、その後に、第1線L1に沿った第2分離工程を行った。
意図しない割れが発生し、発光素子が欠けるなどの状態を不良であると判定した。実施例において、不良が生じた割合は、0.5%であった。
(参考例)
参考例においては、第1照射ピッチLp1が、3.0μmである。参考例におけるこれ以外の条件は、上記の実施例と同じである。参考例において、不良が生じた割合は2.0%であった。実施例における製造方法により、不良を抑制し生産性を向上させることができる。
実施形態によれば、生産性を向上できる発光素子の製造方法を提供できる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光素子の製造方法で用いられるウェーハ、基板、半導体構造、発光素子及びレーザなどのそれぞれの具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した発光素子の製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての発光素子の製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
50…基板、 50W…ウェーハ、 50a…第1面、 50b…第2面、 51…半導体構造、 51e…発光素子、 51r…領域、 52…バー、 53…改質領域、 55…オリエンテーションフラット、 61…レーザ光、 61a、61b…第1、第2位置、 AR…矢印、 D1、D2…第1、第2方向、 F1…破断強度、 L1、L2…第1、第2線、 Lp…レーザ照射ピッチ、 Lp1、Lp2…第1、第2照射ピッチ、 P1、P2…第1、第2ピッチ

Claims (7)

  1. 第1面及び第2面を有する基板と、前記第2面に設けられた半導体構造と、を含むウェーハの前記基板にレーザ光を照射し、前記基板の内部に複数の改質領域を形成するレーザ光照射工程と、
    前記レーザ光照射工程の後に前記ウェーハを複数の発光素子に分離する分離工程と、
    を備え、
    前記レーザ光照射工程は、
    複数の第1線に沿って前記レーザ光を走査し、互いに重なり合う前記複数の改質領域を形成する第1照射工程であって、前記複数の第1線は、前記第1面に平行な第1方向に延び、前記第1面に平行で前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ、前記第1照射工程と、
    複数の第2線に沿って前記レーザ光を走査する第2照射工程であって、前記複数の第2線は、前記第2方向に延び、前記第1方向に並ぶ、前記第2照射工程と、
    を含み、
    前記複数の第1線の前記第2方向における第1ピッチは、前記複数の第2線の前記第1方向における第2ピッチよりも大きく、
    前記第1照射工程における複数の第1線の1つに沿った前記レーザ光の照射において、前記レーザ光は、前記第1方向に沿う複数の第1位置に照射され、前記第1方向に沿う前記複数の第1位置の第1照射ピッチは、2.0μm以下であり、
    前記分離工程は、
    前記複数の第2線に沿って前記ウェーハを複数のバーに分離する第1分離工程と、
    前記第1分離工程の後に前記複数の第1線に沿って前記バーを前記複数の発光素子に分離する第2分離工程と、
    を含み、
    前記第2照射工程における複数の第2線の1つに沿った前記レーザ光の照射において、前記レーザ光は、前記第2方向に沿う複数の第2位置に照射され、前記第2方向に沿う前記複数の第2位置の第2照射ピッチは、3.0μm以上3.5μm以下である、発光素子の製造方法。
  2. 前記第2ピッチは、300μm以下である、請求項1記載の発光素子の製造方法。
  3. 前記第1照射工程及び前記第2照射工程における前記レーザ光の出力は、100mW以上150mW以下である、請求項1または2に記載の発光素子の製造方法。
  4. 前記第1照射工程の後に、前記第2照射工程が実施される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
  5. 前記基板は、サファイアからなる、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
  6. 前記第1方向は、前記基板のa軸に沿い、前記第2方向は、前記基板のm軸に沿う、請求項5記載の発光素子の製造方法。
  7. 前記第1ピッチは、1mm以上である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
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