JP5193326B2 - 基板加工装置および基板加工方法 - Google Patents

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本発明は、短パルスレーザを用いた基板加工装置に関し、特に硬脆性材料基板であるサファイア基板等の加工に適した基板加工装置および基板加工方法に関する。
ここで、短パルスレーザとは、パルス幅が10−13〜10−10秒(0.1〜100ピコ秒)以下のレーザをいう。
ガラス基板、Si基板、サファイア基板等の脆性材料基板に対し、スクライブ溝(切溝)のような分割起点を形成する加工方法として、パルスレーザを用いたいくつかの加工方法が知られている。これらの加工方法はパルスレーザにより照射されるエネルギーによって基板を加熱するという点では共通しているが、分割起点が形成されるメカニズムがそれぞれ大きく異なっており、異なる特徴を有している。
例えばガラス基板を分断する際には、分断予定ラインにスクライブ溝を形成するために、「熱歪」によるレーザスクライブ加工が使用されている(特許文献1)。これは、まず分断予定ラインに沿ってレーザビームを照射することにより軟化温度以下(すなわちガラスが変質しない温度範囲)で加熱を行い、続いて、加熱直後の高温領域に向けて冷媒噴射を行う加工である。加熱と冷却とにより、基板に局所的な熱応力分布が与えられ、この熱応力により生じた熱歪によって、基板表面上に、分断予定ラインに沿ったスクライブ溝(クラック)が形成される。
熱歪によるレーザスクライブ加工では、形成されるスクライブ溝の端面を非常に美しく仕上げることができるので、端面強度の大きな加工が可能になる。しかしながら、熱歪によるレーザスクライブ加工は、ガラス基板に対しては有効であるが、サファイア基板のような硬い脆性材料基板に対しては、この方法でスクライブ溝を形成することが困難である。
一方、Si基板やサファイア基板に対する加工では、従来より、YAGレーザなどの高出力パルスレーザ(パルス幅10−9〜10−7秒)を用いて基板を加工する方法として、「レーザアブレーション」や「多光子吸収」が利用されている。すなわち、レーザ光を基板表面近傍あるいは基板内部に集光し、基板表面近傍にアブレーションを生起させてスクライブ溝を形成したり(特許文献2)、多光子吸収によって基板内部に加工変質部を形成したりし(特許文献3)、これら加工部分を、ブレイクのための分割起点にするようにしている。
しかしながら、硬脆性材料のサファイア基板をレーザで加工する場合は、アブレーション、多光子吸収のいずれの方法についても、ガラスに対する加工に比べると照射エネルギーを高めた加工が必要になるため、アブレーションの場合はスクライブ溝の溝幅が広くなってしまい、多光子吸収の場合は基板内部の変質部位が広がってしまうとともに変質部位に形成される分割面の表面粗さが粗くなり、好ましい精度での分断面が得られなくなる。また、溶融部分では光透過性が損なわれる。そのため、発光ダイオード(LED)のような発光素子用の基板としてサファイア基板を用いている場合には、光の取出し率が低下する要因となる。
これに対して、近年、短パルス幅で高出力パルスのレーザを用いた新しいレーザ加工方法が開示されている(特許文献4)。
上記特許文献に記載の短パルスレーザを用いた新しいレーザ加工方法によれば、Nd:YAGレーザ(波長1064nm)を用いて、短いパルス幅(2ピコ秒〜8ナノ秒)および高パワー密度(15GW/cm〜8TW/cm以上)を有する短パルスレーザを、サファイア基板の表面近傍で集光するように焦点を調整して出射する。このときのレーザ光は、集光点近傍以外では基板材料(サファイア)に吸収されないが、集光点では多光子吸収が惹起されて、瞬間的かつ局部的に溶融・昇華(局部的な微小アブレーション)が発生するようになる。そして、基板の表層部位から表面に至る範囲に、衝撃圧による微小クラックが形成される。
すなわち、従来のアブレーション加工(レーザパルス幅10−9〜10−7秒)では、照射されたレーザビームによるエネルギーのほとんどすべてが基板材料の溶融・蒸散に費やされ、広いアブレーション穴(溶融痕)の形成(穴径が8μm程度)に用いられるが、新しいレーザ加工方法では照射レーザのエネルギーは微小な溶融痕(穴径が1μm以下の小穴)の形成に一部が費やされ、残りのエネルギーが微小クラックを形成する衝撃力として費やされる。このような微小溶解痕を分割予定ラインに沿ってミシン目のごとく離散的に形成することにより、隣接する溶解痕の間が微小クラックで連なった分離容易化領域が形成されるようになり、この領域に沿って基板が分割可能になる。この加工方法によれば、溶融痕が微小化されているので基板の透明性が維持され、光の取出し率が要求されるLEDの製造工程でのサファイア基板の加工に好適となる。
さらには、改良された短パルスレーザによる加工方法として、極めて短いパルス幅であるフェムト秒オーダーの短パルスレーザを用い、一つの分割予定ラインに対して、走査速度を変えてレーザビームの走査を繰り返すことにより、分断予定ラインの方向に連続しない改質部を基板内部に形成し、さらに分断予定ラインの方向に連続する溝部を表面に形成し、基板の深さ方向に対し上下に溝部および改質部を形成することが開示されている(特許文献5)。これによれば、200μm程度のサファイア基板の加工ができることが記載されている。
特表平8−509947号公報 特開2004−009139号公報 特開2004−268309号公報 特開2005−271563号公報 特開2008−098465号公報
既述のように、硬くて光学的に透明なサファイア基板に対しては、特許文献4、特許文献5に記載されるような短パルスレーザを用いた分割起点の加工が適している。
特に、特許文献5に記載されるように、基板表面と基板内部とに短パルスレーザを複数回走査することにより、厚いサファイア基板の分断(分離)が可能になる。
しかしながら、基板表面への加工と基板内部への加工を繰り返し行うとなると、レーザの走査回数が増えることとなっていた。
例えば、サファイア基板の厚さが150μm程度であれば、少なくとも2回の走査が必要となっていた。
そこで、本発明は、走査回数を増やすことなく、基板の表面と基板内部とに、短パルスレーザによる加工が行える基板加工装置を提供することを目的とする。
また、特許文献5での走査順は、基板の深い層を先に改質し、浅い層を後に改質し、最後に表面層の溝部を形成する必要がある。この場合、先に形成されているより深い層の微小クラックの影響を受けて、次の浅い層の微小クラックが形成される方向が定まりやすくなっている。そのため、最後に連続する表面層の溝部を形成する走査が行われたとしても、先に形成されている内部の改質層の微小クラックの影響で、直線性が十分ではない分断面になることがあった。特に、サファイア基板では結晶構造に起因する「へき開面」が存在するので、分断面はへき開面に沿ったジグザグ面となりやすい傾向があった。
そこで、本発明はサファイア基板のようなへき開性を有する基板であっても、直線性のよい分断面が形成できる基板加工装置を提供することも目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の基板加工装置は、テーブル上に載置された脆性材料基板に対してレーザビームを照射して加工を行う基板加工装置であって、以下の構成を備えるようにしている。
すなわち、本発明の基板加工装置は、パルス幅が10−10秒以下である短パルスレーザを第一周波数で繰り返し発振するようにして出力するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射される短パルスレーザビームを、第一光路側のレーザビームと第二光路側のレーザビームとに分岐する光路分岐部と、第二光路上に配置され、第二光路側レーザビームが第一周波数よりも小さな第二周波数で繰り返し発振するように繰り返し発振周波数を変換するパルスピッカー部と、少なくとも第一光路上に配置され、第二光路側レーザビームの出力パワーが第一光路側レーザビームの出力パワーよりも大きくなるように調整する出力調整部と、前記パルスピッカー部と前記出力調整部とを通過した後の第一光路側レーザビームおよび第二光路側レーザビームを重ね合わせた合成レーザビームを形成する光路合成部と、前記合成レーザビームの焦点位置を調整する対物レンズを含み、前記基板に向けて前記合成レーザビームを照射する合成レーザビーム照射光学部と、前記基板に対し、前記合成レーザビームを相対的に走査させる走査機構とを備えるようにしている。
本発明によれば、パルス幅が10−10秒以下である短パルスレーザを走査機構で走査しながら基板に照射して加工することで、視認できるような溶融痕が生じるアブレーションや多光子吸収による加工ではなく、視認できない微小アブレーション(最大穴径が1μm以下の小穴)が形成されるレーザ加工を行う。
このレーザ加工の際に、レーザ光源から出射される短パルスレーザビームを、光路分岐部で第一光路と第二光路とに分岐し、第一光路側のレーザビームはレーザ光源から出射される第一周波数のまま繰り返し発振するようにし、第二光路側のレーザビームはそれよりも小さい周波数で繰り返し発振するようにパルスピッカー部により発振周波数を変換する。これにより、第二光路側レーザビームは第一光路側レーザビームに対して間欠的に発振されるようになる。また、出力調整部により、第二光路側レーザビームは第一光路側レーザビームよりも大きな出力パワーのレーザビームになるようにする。
このようにして、短いピッチで、かつ、小さい出力パワーで照射する第一光路側レーザビームと、長いピッチで、かつ、大きい出力パワーで照射する第二光路側レーザビームとを形成し、これらを光路合成部で重ね合わせることで2種類のレーザビームが合成された合成レーザビームを形成し、これをレーザビーム照射光学部の対物レンズにより合成レーザビームの焦点を調整して基板に向けて照射する。
本発明によれば、一度の走査で、基板の表面近傍を短いピッチで連続的に加工する第一光路側レーザビームと、基板内部まで浸透し離散的に加工する第二光路側レーザビームとを同時に照射することができるようになり、走査回数を増やすことなく、より深くまで浸透したスクライブ溝を分割起点として形成することができる。
また、深く浸透する第二光路側レーザビームが間欠的(例えば1:10の比率)に照射されるので、深い微小アブレーションの数も少なくなり、端面がきれいに仕上がるようになる。それでいて、隣接する微小アブレーションの間は、衝撃により形成された見えないクラックが隣接する微小アブレーション間でつながるように連続して形成されているので、スクライブ溝に沿って小さな押圧力を与えるだけで簡単に分断することができる。
さらに、基板表面と基板内部とを同時に加工できるので、へき開性を有するサファイア基板のような材料であっても、基板表面の短いピッチでの直線状の連続加工の影響を強く受けて、直線性のよい分断加工ができる。
上記発明において、第一光路上または第二光路上のいずれかに、第一レーザビームまたは第二レーザビームの深さ方向の焦点位置を独立して調整する個別焦点調整部を備えるようにしてもよい。
これにより、第一レーザビームまたは第二レーザビームによる加工する深さ位置を個別に調整できるので、基板の厚さや硬さに応じて最適な深さでの加工が容易になる。
上記発明において、出力調整部は、光路上に介在させた偏光プリズムと半波長板との組み合わせからなるようにしてもよい。
これにより、偏光プリズム(例えばグランレーザプリズム)と半波長板との偏光角を調整することで出力を減衰できるので、通過するレーザビームの出力パワー(第一光路と第二光路との出力パワー比)を簡単に調整することができる。
上記発明において、走査機構は、合成レーザビームに含まれる第一光路側レーザビームにより基板上に形成されるビームスポットが連続する走査速度で走査するようにしてもよい。
これにより、基板表面近傍には、連続したスクライブ溝が確実に形成できるようになり、スクライブ溝に沿って連続した分割起点が形成されるので、分割不良が激減する。
本発明の一実施形態である基板加工装置の全体構成を示す図である。 図1の装置におけるレーザ光学系を示すブロック図である。 レーザ光学系の各位置でのビームの状態を示す模式図である。 基板上でビームスポットが連続する状態を示す模式図である。 加工されたサファイア基板の断面状態を示す模式図である。
以下、本発明の基板加工装置について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である基板加工装置LAの全体構成を示す図である。
基板加工装置LAは、水平な架台1上に平行に配置された一対のガイドレール3,4に沿って、紙面前後方向(以下Y方向という)に往復移動するスライドテーブル2が設けられている。両ガイドレール3,4の間に、スクリューネジ5が前後方向に沿って配置され、このスクリューネジ5に対し、スライドテーブル2に固定されたステー6が螺合されており、スクリューネジ5をモータ(不図示)によって回転することにより、スライドテーブル2がガイドレール3,4に沿ってY方向に移動するように構成されている。
スライドテーブル2上に、水平な台座7がガイドレール8に沿って、図1の左右方向(以下X方向という)に往復移動するように配置されている。台座7に固定されたステー10aに、モータ9によって回転するスクリューネジ10が貫通螺合されており、スクリューネジ10が回転することにより、台座7がガイドレール8に沿って、X方向に移動し、モータの回転の向きによって往復移動する。
台座7上には、回転機構11によって回転する回転テーブル12が設けられており、この回転テーブル12の載置面上に、加工対象となるサファイア基板Gが水平な状態で載置され、テーブル内に設けられた吸引チャック機構(不図示)により固定される。回転機構11は、回転テーブル12を、載置面に垂直な軸を回転軸として、回転できるようにしてあり、任意の回転角度になるように回転できるように形成されている。
回転テーブル12の上方には、サファイア基板Gを位置決めする際にモニタとして使用するカメラ20と、サファイア基板Gに向けてレーザビームを照射するためのレーザ光源31およびレーザ光学系32(図2参照)とが、フレーム15に固定してある。
レーザ光源31には、微小アブレーションによる加工が可能なパルス幅が10−10秒以下の短パルスレーザを出射できるものが選ばれるが、特に、パルス幅が10−12秒〜5×10−11秒(1ピコ秒〜50ピコ秒)のものが好適である。
また、レーザの波長については500nm〜1600nm程度、レーザビームの照射エネルギー(パルスエネルギー)については0.1μJ〜50μJ程度、繰り返し発振周波数については10kHz〜200kHz程度、がそれぞれ好適である。なお、レーザ光源31の繰り返し発振周波数は、後述する第一光路側レーザビームの繰り返し周波数と同一の第一周波数である。ここでは、具体的には、Nd:YAGレーザ(波長1064nm)を用いている。
図2は、図1の装置におけるレーザ光学系32を示すブロック図である。レーザ光源31から出射された第一周波数で繰り返し発振するレーザビームL0はミラー33で反射され、エキスパンダ34を通過する。エキスパンダ34はレーザビームL0の径を調整し、後述する対物レンズの大きさに合わせることでレーザビームの照射パワー密度を高めるものである。また、必要に応じて基板G上に照射されるビームスポットの形状を決定するビーム断面形状(円、楕円)を調整する。
エキスパンダ34を通過したレーザビームL0はハーフミラー35(光路分岐部)により、第一光路側のレーザビームL1と第二光路側のレーザビームL2とに分岐される。
第一光路側のレーザビームL1は、続いて出力調整部36を通過する。出力調整部36は、第一光路側レーザビームL1の照射エネルギー(出力パワー)を調整するものであり、具体的には偏光プリズム37(例えば非偏光を直線偏光にするグランレーザプリズム)と半波長板38とからなる。偏光プリズム37の半波長板38に対する位相角を調整することで、偏光を利用して、通過するレーザビームL1の照射エネルギー(出力パワー)が減衰するようにしてある。したがって、出力調整部36によって第一光路側と第二光路側とのレーザビームの出力比を調整するようにする。
出力調整部36を通過したレーザビームL1はハーフミラー46に向けられる。
また、第二光路側のレーザビームL2は、パルスピッカー部39を通過するようにしてある。パルスピッカー部39は、レーザ光源31内の基準クロック発振回路(不図示)で発生するクロック信号に同期させたパルスピッカー駆動信号により、第一周波数で入射する(パルス)レーザビームを遮断/通過させ、間欠的に通過させることにより、第一周波数よりも小さな第二周波数で発振する(パルス)レーザビームL2を生成する。これによりレーザビームの周波数変換が行われたことになる。第二周波数は、具体的には第一周波数の1/5〜1/100程度になるよう遮断/通過比を設定すればよいが、1/10程度にするのが好適である。このようなパルスピッカー部39としては、具体的にはKapteyn-Murnane Laboratories社製のパルスピッカーEclipseを用いることができる。
パルスピッカー部39を通過した第二光路側のレーザビームL2は、ミラー40を経て出力調整部41に入射するようにしてある。出力調整部41は、偏光プリズム42と半波長板43とからなり、第一光路側の出力調整部36(偏光プリズム37、半波長板38)と同様に、第二光路側レーザビームL2の照射エネルギー(出力パワー)を調整するものである。
なお、出力調整部36とともに出力調整部41を設けたことにより、出力パワーの調整の自由度を高めることができるが、第一光路側レーザビームL1よりも出力パワーを大きくなるように出力比を調整するようにする。
出力調整部41を通過した第二光路側のレーザビームL2は、個別焦点調整部44を通過するようにしてある。個別焦点調整部44は、焦点調整用のレンズ群からなり、後述する合成レーザビームL3において、第二光路側のレーザビームL2の成分の焦点を、第一光路側のレーザビームL1の成分の焦点に対して変化させるために用いられる。具体的には第一レーザビームL1の焦点がサファイア基板Gの表面にくるようにしたときに、第二レーザビームL2の焦点が基板内部にくるように調整するために用いられる。
個別焦点調整部44を通過した第二光路側レーザビームL2は、ミラー45を経てハーフミラー46(光路合成部)に入射するようにしてある。
なお、個別焦点調整部44は、第二光路側に代えて第一光路側に設けても同様の調整が可能である。
ハーフミラー46は、第一光路側レーザビームL1と第二光路側レーザビームL2とを合成し、これらを重ね合わせた合成レーザビームL3を生成する。
合成レーザビームL3は、ミラー47を経て、合成レーザビーム照射光学部48に入射する。合成レーザビーム照射光学部48は、対物レンズ49を備えており、これにより、合成レーザビームL3をサファイア基板Gに向けて照射する。このとき、第一光路側レーザビームL1の焦点が基板表面近傍に位置するように対物レンズ49の焦点を調整する。
第二光路側レーザビームL2の焦点は、前述したように、個別焦点調整部44(および対物レンズ49)により基板内部に少し入り込んだ位置に焦点がくるようにしておく。
ここで、レーザ光学系32を通過するレーザビームの変化について説明する。図3は図2における各光路でのレーザビームL0〜L3の最終ポイントにおける繰り返し発振周波数と出力パワーとの関係について示した模式図である。
図3(a)はレーザ光源31から出射し、エキスパンダ34を通過したレーザビームL0である。レーザ光源31から出射されたままの繰り返し発振周波数である第一周波数Fを有し、レーザ光源31から出射されたままの大出力パワーPを有している。
図3(b)は第一光路側の出力調整部36を通過した後のレーザビームL1である。繰り返し発振周波数は第一周波数Fであるが、出力調整部36を通過するときに減衰されて小出力パワーP(ただしP>P)となっている。
図3(c)は第二光路側の出力調整部41あるいは個別焦点調整部44を通過した後のレーザビームL2である。繰り返し発振周波数はパルスピッカー部39を通過したときに周波数変換されて第二周波数F(ただしF>F)となり、出力パワーについては減衰されず元の大出力パワーPを有している。
図3(d)は合成レーザビーム照射光学部48を通過した後の合成レーザビームL3である。図3(b)で示した第一レーザビームと図3(c)で示した第二レーザビームとを重ね合わせた波形になっている。
次に、基板加工装置LAによる加工動作について説明する。加工を始める前に、予め、加工条件の設定をしておく。
具体的には、回転テーブル12(台座7)の走査速度、レーザ光源31の繰り返し発振周波数(第一周波数)、パルスピッカー部39の調整による第二光路側のレーザビームの繰り返し発振周波数(第二周波数)、出力調整部36の調整による第一光路側の第二光路側に対する出力比を調整しておく。
なお、走査速度の設定は、サファイア基板Gの表面に照射される第一光路側レーザビームの成分のビームスポット径φ(例えば1μm)と、第一光路側レーザビームの繰り返し発振周波数(第一周波数F)との関係で、図4に示すように隣接するビームスポットS1,S2,・・・Sn,・・・が重なり合って連続する走査速度を設定する。これにより、基板表面近傍には、連続したスクライブ溝が確実に形成できるように設定しておく。
そして、サファイア基板Gを回転テーブル12上に載置し、カメラ20で加工位置の位置決めを行った上で、レーザ発振させた状態で回転テーブル12(台座7)をX方向に走査する。
サファイア基板Gには第一光路側レーザビームL1と第二光路側レーザビームL2とが合成された合成レーザビームL3(図3(d))が照射されて、スクライブ溝が形成される。
図5は、合成レーザビームL3によって、厚さが150μm程度のサファイア基板Gに対して形成されたスクライブ溝を模式的に示した基板断面図である。LED等の機能素子が形成されたサファイア基板Gの場合には、機能素子とは反対側面からレーザ照射が行われる。
そして、レーザ照射側の表面近傍には、連続して浅い穴(深さ10μm〜20μm)が形成されている領域A(連続加工領域)が存在し、基板内部には間欠的に深い穴(深さ20μm〜50μm)が形成されている領域B(間欠加工領域)が存在するようになった。なお、実際には領域A、領域Bのいずれについても、これらの穴径は1μm以下なので視認できない。さらに領域Bの深い穴には、加工時の衝撃により周囲に視認できないクラックCが生じており、隣接する穴どうしは視認できないクラックでつながっている。
そのため、次工程であるブレイク工程では、スクライブ溝に沿って力を加えたときに、極めて弱い力で分断することができるようになっている。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものでなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
例えば、上記実施形態ではサファイア基板Gを対象としたが、他の硬脆性材料基板に対しても本発明は有効である。
本発明の基板加工装置は、サファイア基板等の硬脆性材料基板のスクライブ加工に利用される。
7 台座
9 モータ
10 スクリューネジ
10a ステー
12 回転テーブル
31 レーザ光源(短パルスレーザ)
32 レーザ光学系
35 ハーフミラー(光路分岐部)
36 出力調整部
37 偏光プリズム
38 半波長板
39 パルスピッカー部
41 出力調整部
42 偏光プリズム
43 半波長板
44 個別焦点調整部
46 ハーフミラー(光路合成部)
48 合成レーザビーム照射光学部
49 対物レンズ
G サファイア基板
L0〜L3 レーザビーム

Claims (5)

  1. テーブル上に載置された脆性材料基板に対してレーザビームを照射して加工を行う基板加工装置であって、
    パルス幅が10−10秒以下である短パルスレーザを第一周波数で繰り返し発振するようにして出力するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射される短パルスレーザビームを、第一光路側のレーザビームと第二光路側のレーザビームとに分岐する光路分岐部と、
    第二光路上に配置され、第二光路側レーザビームが第一周波数よりも小さな第二周波数で繰り返し発振するように繰り返し発振周波数を変換するパルスピッカー部と、
    少なくとも第一光路上に配置され、第二光路側レーザビームの出力パワーが第一光路側レーザビームの出力パワーよりも大きくなるように調整する出力調整部と、
    前記パルスピッカー部と前記出力調整部とを通過した後の第一光路側レーザビームおよび第二光路側レーザビームを重ね合わせた合成レーザビームを形成する光路合成部と、
    前記合成レーザビームの焦点位置を調整する対物レンズを含み、前期基板に向けて前記合成レーザビームを照射する合成レーザビーム照射光学部と、
    前記基板に対し、前記合成レーザビームを相対的に走査させる走査機構とを備えたことを特徴とする基板加工装置。
  2. 第一光路上または第二光路上のいずれかに、第一レーザビームまたは第二レーザビームの深さ方向の焦点位置を独立して調整する個別焦点調整部を備えた請求項1に記載の基板加工装置。
  3. 前記出力調整部は、光路上に介在させた偏光プリズムと半波長板との組み合わせからなる請求項1または請求項2に記載の基板加工装置。
  4. 前記走査機構は、前記合成レーザビームに含まれる第一光路側レーザビームにより前記基板上に形成されるビームスポットが連続する走査速度で走査するようにした請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板加工装置。
  5. ステージ上に載置された脆性材料基板に対してレーザビームを照射して加工を行う基板加工方法であって、
    パルス幅が10−10秒以下である短パルスレーザを2つに分岐し、
    一方の短パルスレーザを、第一周波数で繰り返し発振させ、第一出力パワーで基板表面に設定した第一焦点に合わせて照射すると同時に、
    他方の短パルスレーザを、第一周波数より小さい第二周波数で繰り返し発振するように周波数変換して第一出力パワーよりも大きい第二出力パワーで第一焦点よりも基板内部側に設定した第二焦点に合わせて照射するようにしたことを特徴とする脆性材料基板の加工方法。
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