実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る収納容器について説明する。本実施の形態では、収納容器として、住宅で使用されるランドリーバスケットを例に挙げる。ランドリーバスケットは、日常生活の中で生じた汚れた衣類等を収納物として収納するものである。衣類には、布おむつ及び紙おむつが含まれるものとする。以下の説明では、ランドリーバスケットに収納される汚れた衣類等の収納物をまとめて、単に「衣類」という。例えば、ユーザは、洗濯が必要な衣類をランドリーバスケットに一定期間収納しておく。洗濯を行う際、ユーザは、ランドリーバスケットに収納されている衣類を洗濯機の処理槽に移動させる。ランドリーバスケットは、ランドリーセラーと呼ばれる場合もある。
本実施の形態のランドリーバスケットは、洗濯前の衣類に付着している臭い又は衣類を放置することにより発生する臭いを脱臭できるように構成されている。ここで、「脱臭」とは、臭気物質を除去することである。例えば、活性炭又は吸着材を用いて臭気物質を吸着除去すること、及びオゾンガスにより臭気物質を分解除去することは、「脱臭」の一例である。また、本願明細書では、化学物質との反応による臭いの低減、及び、別の臭いの追加によるマスキングも、「脱臭」に含まれるものとする。
図1は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の構成を示す上面図である。図3は、図2のIII−III断面を示す断面図である。図4は、図3のIV−IV断面を示す断面図である。図1及び図2では、蓋部12の図示を省略している。図1及び図3における上下方向は、ランドリーバスケット100が使用可能な状態に設置されたときの鉛直上下方向を表している。図3では、空気の流れ方向を白抜き太矢印で表している。
図1〜図4に示すように、ランドリーバスケット100は、収納部20、脱臭部40及び送風部50と、これらを収容する筐体10と、を有している。筐体10は、全体として、上面視で略楕円形状となる形状を有している。筐体10は、筐体本体部11、蓋部12及び仕切板13を有している。筐体本体部11は、上方に開口した上面開口部11aを有している。蓋部12は、上面開口部11aを開閉できるように、筐体本体部11に取り付けられている。仕切板13は、断面円弧状の形状を有している。仕切板13は、筐体本体部11の内部の空間を、収納部20が着脱自在に格納される格納空間14と、脱臭部40及び送風部50が格納される脱臭空間15と、に仕切るように構成されている。格納空間14の周囲は、筐体本体部11及び仕切板13によって円筒状に囲まれている。仕切板13には、第1仕切板開口部13aと、第1仕切板開口部13aよりも下方に配置された第2仕切板開口部13bと、が形成されている。
格納空間14の下部には、円板状の台座板16が設けられている。台座板16は、筐体本体部11の底部よりも上方に位置している。台座板16の下方の空間には、後述する戻りダクト62等が配置される。収納部20が格納空間14に格納されると、収納部20の底面部24は台座板16の上面に接触する。台座板16の中心部には、台座板開口部16aが形成されている。
脱臭部40は、送風部50の吹出し側に接続されている。すなわち、脱臭部40は、空気の流れにおいて送風部50の下流側に配置されている。脱臭部40と第1仕切板開口部13aとの間は、送りダクト61によって接続されている。これにより、送風部50により送風されて脱臭部40を通過した空気は、送りダクト61を通り、第1仕切板開口部13aから格納空間14に吹き出される。
送風部50の吸込み側と台座板開口部16aとの間は、第2仕切板開口部13bを貫通した戻りダクト62によって接続されている。これにより、格納空間14内の空気は、台座板開口部16a及び戻りダクト62を通って送風部50に吸い込まれる。
第1仕切板開口部13aの開口端には、送りダクト61の外周面が隙間なく密着している。台座板開口部16aの開口端には、戻りダクト62の外周面が隙間なく密着している。蓋部12が閉じられた状態では、蓋部12は、筐体本体部11及び仕切板13のそれぞれの上端部と隙間なく密着している。これにより、蓋部12が閉じられると、格納空間14と脱臭空間15との間では、送りダクト61又は戻りダクト62を介してのみ空気が移動する。
蓋部12は、筐体本体部11の上面開口部11aを開閉自在となるように、例えばヒンジ部を介して筐体本体部11に取り付けられている。蓋部12は筐体本体部11及び仕切板13のそれぞれの上端部と密着するため、蓋部12が閉じられた状態では、収納部20が格納された格納空間14が筐体10の外部から密閉される。また、蓋部12は、格納空間14に格納された収納部20の内周壁21及び外周壁22のそれぞれの上端部とも密着するように構成されている。ランドリーバスケット100は、不図示のインタロック装置を備えている。予め設定された条件下において、インタロック装置により蓋部12の施錠又は解錠が行われる。なお、図3に示す蓋部12は板状の形状を有しているが、蓋部12の形状はこれに限られない。蓋部12は、筐体本体部11の上面開口部11aを閉じることができる形状であれば、種々の形状を有することができる。
収納部20は、筐体本体部11内の格納空間14に着脱自在に格納される。収納部20は、大まかには、上面が開口された円筒状の形状を有している。具体的には、収納部20は、内周壁21と外周壁22とを備えた同心の二重円筒状の形状を有している。外周壁22は、底面部24と共に、収納部20の外形を構成している。内周壁21は、底面部24から収納部20の内部に突出して設けられた筒状の突出部位である。内周壁21及び外周壁22は、いずれも鉛直上下方向に沿って延びている。収納部20において内周壁21と外周壁22とに挟まれたドーナツ形状の空間は、衣類が収納される収納空間23となる。内周壁21と外周壁22とは、内周壁21及び外周壁22の径方向において、収納空間23を挟んで互いに対向している。収納空間23の下方には、底面部24が形成されている。収納空間23の上方には、上面開口部25が形成されている。底面部24及び上面開口部25はいずれも、ドーナツ形状に形成されている。上面開口部25は、ユーザによる収納空間23への衣類の出し入れが可能なように構成されている。収納空間23に入れられた衣類は、底面部24上に貯められる。内周壁21、外周壁22及び底面部24は、収納空間23を画定する機能とともに、収納された衣類を保持する衣類保持部材としての機能を有する。収納部20は、大まかには、上面が開口された円筒状の形状を有している。そのため、周方向で収納空間23のどの場所においても、内周壁21と外周壁22との最短距離、つまり、内周壁21及び外周壁22の互いの対向面同士の水平方向での距離を実質的に等しくすることができる。外周壁22には、後述する通風流入口22aが形成されている。内周壁21には、後述する通風流出口21aが形成されている。これにより、収納空間23のどの場所においても、空気の流れ方向での衣類の厚みを均等化できる。このため、収納空間23のどの場所においても、衣類を通過する空気の圧力損失を均等化することができる。
収納部20の外周壁22と、収納部20を囲む筐体本体部11及び仕切板13と、の間には、格納空間14の一部である円筒状の空間として、外周空間17が形成されている。外周空間17は、収納部20が格納空間14に格納された状態において、外周壁22よりも外側に全周にわたって設けられている。
外周壁22には、外周空間17から収納空間23に空気を流入させる通風流入口22aが形成されている。通風流入口22aは、外周壁22の周方向及び高さ方向のいずれにおいても、外周壁22の全体に形成されている。通風流入口22aは、例えば網目状に形成された複数の開口孔によって構成されている。通風流入口22aを構成する複数の開口孔のそれぞれは、ランドリーバスケット100の動作中において、放電生成物又は水蒸気を含む空気の通過が許容され、衣類の通過が阻止されるような大きさに形成される。例えば、複数の開口孔のそれぞれは、10mm角の正方形状に形成される。
内周壁21の内側には、内周空間18が形成されている。収納部20が格納空間14に格納された状態では、内周壁21の下部は、台座板開口部16aと接続される。これにより、内周空間18の空気は、台座板開口部16aを通って戻りダクト62に流出し、送風部50に吸い込まれる。
内周壁21には、収納空間23から内周空間18に空気を流出させる通風流出口21aが形成されている。通風流出口21aは、内周壁21の周方向及び高さ方向のいずれにおいても、内周壁21の全体に形成されている。通風流出口21aは、例えば網目状に形成された複数の開口孔によって構成されている。通風流出口21aを構成する複数の開口孔のそれぞれは、ランドリーバスケット100の動作中において、放電生成物又は水蒸気を含む空気の通過が許容され、衣類の通過が阻止されるような大きさに形成される。外周壁22の全体に通風流入口22aが形成され、内周壁21の全体に通風流出口21aが形成されていることから、通風流入口22aを通って収納空間23に流入し通風流出口21aを通って収納空間23から流出する空気は、概ね水平に流れる。
本実施の形態では、通風流入口22aは、鉛直方向の位置によらず外周壁22の開口率が一定となるように形成されている。一方、通風流出口21aは、内周壁21の開口率が鉛直方向で下方に向かって徐々に増加するように形成されている。ここで、開口率とは、面積当たりの開口部の割合のことである。
図5は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の収納部20における内周壁21の構成の例を示す図である。図5の上下方向は、鉛直上下方向を表している。図5では、円筒状の内周壁21を平面状に展開した状態を示している。図5に示すように、通風流出口21aは、複数の開口孔によって構成されている。複数の開口孔のそれぞれは、円形状に形成されている。複数の開口孔の大きさは、鉛直方向で下方に向かって徐々に大きくなっている。例えば、複数の開口孔のうち、第1開口孔21a1と、第1開口孔21a1よりも鉛直方向で下方に位置する第2開口孔21a2と、に注目すると、第2開口孔21a2の大きさは、第1開口孔21a1の大きさよりも大きくなっている。一方、複数の開口孔の配置密度は、鉛直方向の位置によらず概ね一定である。これにより、内周壁21の開口率は、鉛直方向で下方に向かって徐々に増加する。
収納部20における内周壁21及び外周壁22以外の壁、例えば底面部24は、板状に形成されていてもよいし、複数の開口孔を備えた網状に形成されていてもよい。ただし、これらの壁は、通風流入口22aから流入した空気が直接、通風流出口21aに流出しないように構成されるのが望ましい。
収納部20は、種々の材料によって形成され得る。例えば、収納部20は、樹脂を用いて形成されていてもよいし、金属を用いて形成されていてもよい。樹脂を用いて収納部20を形成した場合、軽量で安価な収納部20が得られる。金属を用いて収納部20を形成した場合、放電生成物による劣化の生じにくい収納部20が得られる。金属が蒸着された樹脂を用いて収納部20を形成した場合、軽量でかつ放電生成物による劣化が生じにくい収納部20が得られる。
通風流入口22a及び通風流出口21aは、適宜の方法によって作製される。例えば、通風流入口22a及び通風流出口21aは、テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂製のシートにパンチング加工を施すことによって作製されるようにしてもよい。パンチング加工とは、パンチとダイとからなる金型を使ってシート材料を打ち抜く加工方法である。内周壁21及び外周壁22の素材となるシートに円形状の開口孔を規則正しい配列で形成することにより、内周壁21及び外周壁22に網目状の通風流出口21a及び通風流入口22aをそれぞれ形成することができる。パンチング加工を用いることにより、複数の開口孔が規則正しく配列した内周壁21及び外周壁22を短時間で安価に形成することができる。また、例えば、内周壁21となるシートにおいて、開口孔の面積、すなわち開口孔の大きさを鉛直方向で下方ほど大きくしてもよい。これにより、鉛直方向で下方に向かって徐々に開口率が増加する内周壁21を形成することができる。また、内周壁21となるシートにおいて、開口孔の個数、すなわち開口孔の配置密度を鉛直方向で下方ほど増加させるようにしてもよい。これにより、鉛直方向で下方に向かって徐々に開口率が増加する内周壁21を形成することができる。また、専用の金型を用いることにより、色々な形状の開口孔を形成することも可能である。互いに大きさの異なる複数種類のパンチ及びダイの組合せを用いて、内周壁21に形成される開口孔の大きさを鉛直方向で下方ほど大きくしてもよい。これにより、図5に示したように、鉛直方向で下方に向かって徐々に開口率が増加する内周壁21を形成することができる。
なお、開口孔の形状は、種々の形状とすることができる。開口孔の形状を円形状にすることにより、開口孔への衣類の引っかかりを防ぐことができる。開口孔の形状は、花柄状又は十字架状にすることもできる。開口孔の配列、形状及び大きさを工夫することにより、内周壁21及び外周壁22にデザイン性を持たせることができる。
また、上記の説明では複数の開口孔がパンチング加工により形成されているが、複数の開口孔は、エキスパンド加工により形成されるようにしてもよい。エキスパンド加工とは、エキスパンド製造機などにより、内周壁21又は外周壁22となるシートに千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形又は亀甲形に成形させる加工方法である。エキスパンド加工によっても、網目状の開口孔を備えた内周壁21又は外周壁22を作製できる。また、千鳥状の切れ目を鉛直方向で下方ほど大きく形成することにより、鉛直方向で下方に向かって徐々に開口率が増加する内周壁21又は外周壁22を形成することができる。エキスパンド加工を用いることにより、軽量かつ高強度で取付け容易な収納部20を作製することができる。
収納部20は、上面に上面開口部25を有している。このため、ユーザは、上面開口部25を介して、収納部20内の収納空間23に衣類を出し入れすることができる。また、収納部20は、筐体本体部11の格納空間14に着脱自在に格納されている。このため、ユーザは、衣類が収納された収納部20を、筐体本体部11から取り外して洗濯機のそばまで運ぶことができる。
収納部20は、不図示の持ち手部を備えている。持ち手部は、収納空間23内に設けられる。例えば、持ち手部は、2本の棒状部材を有している。2本の棒状部材のそれぞれの一端は、収納部20の底面部24にねじ止め等によって接続されている。2本の棒状部材のそれぞれの他端は、ユーザが手を引っかける引っかけ部を介して互いに接続されている。また、持ち手部における引っかけ部の中央部には棒状部材が存在しないため、引っかけ部はユーザにとって持ちやすい構造になっている。ユーザは、持ち手部の引っかけ部を持って収納部20を持ち上げることで、収納部20を筐体本体部11から取り外すことができ、また、収納部20単体で持ち運ぶことができる。具体的には、ユーザは、洗濯を行う際に、収納部20を筐体本体部11から取り外し、洗濯機の設置場所まで収納部20を持ち運ぶ。そして、ユーザは、収納部20内に収納されている衣類を洗濯機の処理槽に移動させ、洗濯を行う。
持ち手部は、収納部20の底面部24ではなく、収納部20の外周壁22に接続されるようにしてもよい。持ち手部は、収納空間23への通風の妨げにならないように、通風流入口22aに大きく干渉しないように設けられるのが望ましい。持ち手部は、ユーザが当該持ち手部を持って収納部20を持ち上げることができるようになっていれば、どの位置に設けられていてもよい。
脱臭部40及び送風部50のそれぞれは、吸気口と排気口とを有している。本実施の形態では、脱臭部40が送風部50の下流側に配置されているため、脱臭部40の吸気口は、送風部50の排気口に接続されている。脱臭部40及び送風部50は、仕切板13によって格納空間14から分離された脱臭空間15に配置されている。
脱臭部40は、脱臭装置を備えている。脱臭装置は、衣類に付着している臭気物質を分解除去できる脱臭成分を生成するように構成されている。あるいは、脱臭装置は、収納部20から戻った空気に含まれる臭気物質を吸着除去又は分解除去するように構成されている。本実施の形態の脱臭部40は、脱臭装置として放電機構を備える。放電機構は、複数のワイヤ電極と複数の板電極とが交互に配置された放電部と、放電部を覆う電極カバーと、を備えている。放電機構は、脱臭成分として放電生成物を生成する。放電機構は、一体的に形成されてユニット化されている。さらに、放電機構は、高電圧発生回路などを搭載した制御回路基板を内蔵するとともに、外部から電力が供給されるコネクタを備えている。
放電機構において、ワイヤ電極は放電電極として機能し、板電極は接地電極として機能する。商用電源から得られた電力は、コネクタを介し、電線を通じて放電機構に供給される。放電機構に供給された電力は、制御回路基板により高電圧に変換されて放電電極に供給される。放電電極と接地電極との間に高電圧が印加されると放電が起こり、放電生成物として、イオン及びオゾンガスの少なくとも一方が空気中に発生する。放電については、既存の一般的な技術であるため、詳細な説明を省略する。放電機構による放電動作は、制御回路基板により構成される脱臭制御部によって制御される。脱臭制御部による放電機構に対しての具体的な制御動作については、後述する。
本実施の形態では、放電機構が複数のワイヤ電極を備えているが、これは一例に過ぎない。ワイヤ電極は、放電機構に1層のみ設けられるようにしてもよい。
送風部50は、送風機能を有する送風機51と、ほこりを除去し、かつオゾンガスを分解する活性炭又は触媒を備えるフィルター52と、を有している。ここでは、触媒を備えるフィルター(以下、「触媒フィルター」という)について説明する。触媒フィルターは、二酸化マンガンを主成分とする触媒が担持されたハニカム形状のフィルターによって構成されている。具体的には、触媒フィルターは、コア材に触媒成分を担持させることによって形成されている。コア材としては、酸化マンガンベースのセラミック製ハニカム成形品、又は金属製ハニカム成形品が用いられる。触媒成分としては、二酸化マンガンを主成分とする触媒成分が用いられる。ハニカム形状のフィルターを用いることによって、フィルターを通過する空気の圧力損失を低減することができる。
フィルター52は、送風機51の吸気口側に設けられている。フィルター52は、収納部20から戻った空気中のほこりを除去するように構成されている。これにより、送風機51、及びその下流側の脱臭部40へのほこりの侵入を防止することができる。また、フィルター52は、収納部20から戻った空気中のオゾンガスを分解するように構成されている。これにより、ランドリーバスケット100内でのオゾンガスの蓄積、及びそれに伴うオゾンガス濃度の上昇を防止することができる。
送風機51としては、静圧が高くかつ静音のもの、例えばシロッコファンなどが用いられる。これにより、衣類によって圧力損失が高くなった収納部20に対しても、静音で送風することができる。シロッコファンの基本構造について説明する。シロッコファンは、羽根車と、羽根車を覆う渦巻き形状のスクロールケースと、を有している。羽根車には、回転方向で前方に傾斜した複数の前向き羽根すなわちランナーが、全体として円筒状に配置されている。スクロールケースの中心部には、吸込口が形成されている。吸込口からは、回転軸に沿って空気が吸い込まれる。スクロールケースの外周部には、吹出口が形成されている。吹出口からは、回転軸を中心とする渦巻きの接線方向に空気が吹き出される。モータの駆動力により羽根車が回転すると、吸込口から吸い込まれた空気は、複数のランナーの遠心力により、回転軸と垂直な面内の旋回流として羽根車の外周側に吹き出される。羽根車の外周側に吹き出された空気は、スクロールケースによって一方向に整流され、吹出口から渦巻きの接線方向に吹き出される。シロッコファンでは、吹出口が絞られるとともに吹出風が一方向に集中して吹き出されるため、静圧を高めることができる。また、シロッコファンでは、羽根の枚数が多いことから空気循環効率を高くすることができるため、騒音を低減することができる。
ランドリーバスケット100の風路について、図3及び図4を参照しつつ説明する。送風部50の排気口は、脱臭部40の吸気口に接続されている。脱臭部40の排気口は、送りダクト61の一端に接続されている。送りダクト61の他端は、仕切板13の第1仕切板開口部13aを貫通して、収納部20の外周側に設けられた外周空間17に接続されている。
外周空間17は、通風流入口22aを介して、収納部20の収納空間23とつながっている。収納空間23は、通風流出口21aを介して、収納部20の内周空間18とつながっている。内周空間18は、台座板開口部16aを介して、戻りダクト62の一端に接続されている。戻りダクト62は、仕切板13の第2仕切板開口部13bを貫通している。戻りダクト62の他端は、送風部50の吸気口に接続されている。
風路を構成する部材は、イオン及びオゾンガスを吸着又は分解しにくい材料によって形成されている。例えば、風路を構成する部材は、絶縁体を用いて形成されている。絶縁体としては、アルマイト処理により酸化被膜が形成されたアルミニウム、又は、絶縁塗料などによりコーティングされた各種金属を用いることができる。また、絶縁体としては、ガラス又はアクリル樹脂を用いることもできる。風路を構成する部材は、PS(PolyStyrene)、ABS(Acrylonitrile、Butadiene、Styreneの共重合合成樹脂)、PP(PolyPropylene)等の樹脂を用いて形成することもできる。ただし、風路を構成する部材に樹脂を用いる場合、風路を通過した空気においてイオン及びオゾンガスの濃度低下が生じないことを事前に確認するのが望ましい。このように構成することで、脱臭部40で生成されたイオン及びオゾンガスは、濃度を維持したまま収納部20まで供給される。これにより、収納部20に収納した衣類の脱臭及び除菌を効率良く行うことができる。
ランドリーバスケット100の筐体10内での空気の流れについて説明する。送風機51が駆動すると、送風部50の排気口から空気が吹き出される。送風部50から吹き出された空気は、脱臭部40を通過する。脱臭部40では、放電生成物等の脱臭成分が生成される。生成された脱臭成分は、空気と共に脱臭部40から流出する。あるいは、脱臭部40では、脱臭部40に流入した空気に含まれる臭気物質が除去される。脱臭部40から流出した空気は、外周空間17に供給される。外周空間17に供給された空気は、通風流入口22aを通って収納部20の収納空間23に流入する。収納空間23に流入した空気は、収納空間23に収納されている衣類を通過し、通風流出口21aを介して収納空間23から流出し、内周空間18に流入する。内周空間18に流入した空気は、台座板開口部16aを通って収納部20から流出する。収納部20から流出した空気は、戻りダクト62を通って送風部50の吸気口に吸い込まれる。送風部50の吸気口に吸い込まれた空気は、再び送風部50の排気口から吹き出される。このように、筐体10内の空気は、送風部50、脱臭部40、収納部20及び送風部50をこの順に循環する。
上記のように本実施の形態では、収納空間23に空気を流入させる通風流入口22aは外周壁22に形成されており、収納空間23から空気を流出させる通風流出口21aは内周壁21に形成されている。外周壁22の半径は内周壁21の半径よりも大きいため、外周壁22の面積は内周壁21の面積よりも大きい。そのため、外周壁22に通風流入口22aが形成されることにより、脱臭部40から供給される放電生成物が直接衣類に触れる部分の表面積が大きくなり、脱臭効果が高まる。
本実施の形態では、収納空間23に保管されている衣類には、鉛直方向の位置によらず均一に空気が通過する。このため、空気に含まれる放電生成物が衣類全体に均一に接触し、均一な脱臭効果が得られる。鉛直方向での位置によらず均一な脱臭効果が得られる理由について説明する。
収納部20は、収納空間23を規定するとともに、衣類保持部材として機能する。収納空間23には、衣類が鉛直方向に積み重ねられて保管される。衣類は、細い糸状の物質である繊維が折り重なってできたものであるため、空隙を有する。繊維には、植物繊維、合成繊維などがある。植物繊維には、綿、麻などがある。合成繊維には、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどがある。
図6は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の収納部20において鉛直方向に積み重ねられた複数の衣類200を示す模式図である。図6の上下方向は鉛直上下方向を表している。図6では、複数の衣類200のそれぞれにドットを付している。ドット密度の高低は、衣類200の密度の高低を表している。図6に示すように、底面部24上に積み重ねられた複数の衣類200のうち下方に位置する衣類200は、上方に位置する衣類200の重さで押しつぶされる。これにより、下方に位置する衣類200ほど空隙が小さくなるため、下方に位置する衣類200ほど密度が高くなる。
衣類の密度が高くなると、衣類200を通過する空気に対する衣類の圧力損失ΔPcが高くなる。衣類の圧力損失ΔPcについて説明する。衣類の圧力損失ΔPcは、下記の式(1)のように、衣類材質圧力損失ΔP1と構造圧力損失ΔP2との和で表される。衣類材質圧力損失ΔP1は、衣類を不織布ろ材、つまり円柱繊維の集合とみなした抗力モデルにより推定でき、式(2)で表される。構造圧力損失ΔP2は、積み重ねられた衣類により空気が遮られるために生じる圧力損失であるものとする。この場合、構造圧力損失ΔP2は、衣類による送風流路の断面変化、具体的には送風流路の急縮小による圧力損失と同様であると仮定でき、式(3)で表される。
ΔPc=ΔP1+ΔP2 ・・・(1)
ΔP1=Cd・(4/π)・(a/(a−1))・(L/Dd)・(ρV2/2) ・・・(2)
ΔP2=ζ1・(ρ/2)・V2≒0.6[kg/m3]・ζ1・V2 ・・・(3)
ζ1=As/Ao ・・・(4)
Cd:抗力係数[−]、a:衣類の繊維充填率[−]、L:衣類の厚さ[m]、Dd:衣類の繊維径[m]、ρ:空気の密度[kg/m3](20℃で1.205kg/m3)、V:衣類上の線風速[m/s]、ζ1:急縮小での局所損失係数、As:送風流路の断面積(=衣類の断面積+空隙面積)[m2]、Ao:空隙面積[m2]
抗力係数Cdは、衣類の繊維材質によって異なる。繊維充填率aは、衣類1枚全体の繊維充填率を表す。このため、繊維充填率aは、衣類が積み重ねられることにより衣類の密度が高くなると大きくなる。局所損失係数ζ1は、送風流路の断面積Asを空隙面積Aoで除した値、つまり、収納部20の収納空間23における空隙率の逆数である。ここで、空隙率は、収納空間23内の送風流路の流路断面において、衣類と衣類の間で空気が通過する空隙の存在比率(=Ao/As)である。また、局所損失係数ζ1は、空間率の逆数である。空間率は、収納空間23内の送風流路において、衣類が充填された充填部以外の空間の存在比率である。
収納空間23に衣類が積み重ねられた場合、鉛直方向で下方ほど、衣類の密度が高くなる。すなわち、繊維充填率aは、鉛直方向で下方ほど大きくなる。このため、衣類材質圧力損失ΔP1は、鉛直方向で下方ほど大きくなる。また、収納空間23に衣類が積み重ねられた場合、鉛直方向で下方ほど空間率が減少する。すなわち、空間率の逆数である局所損失係数ζ1は、鉛直方向で下方ほど大きくなる。このため、構造圧力損失ΔP2は、鉛直方向で下方ほど大きくなる。衣類材質圧力損失ΔP1及び構造圧力損失ΔP2がいずれも鉛直方向で下方ほど大きくなるため、衣類の圧力損失ΔPcは、鉛直方向で下方ほど大きくなる。以上のことから、衣類の圧力損失ΔPcは、衣類の密度が高くなるほど高くなることが分かる。
本実施の形態において、脱臭部40で生成された放電生成物を含む空気は、送風部50により送風され、送りダクト61を通って外周空間17に吹き出される。収納部20の収納空間23に衣類が収納されている場合、収納空間23の圧力損失が大きくなる。一方、外周空間17と収納空間23との間の通風流入口22aは、外周壁22の全周にわたって形成されている。このため、外周空間17に吹き出された空気は、まず外周空間17の周方向の全体に充満し、その後、外周壁22の全周にわたって形成された通風流入口22aを通って収納空間23に流入し、収納空間23内の衣類に侵入する。このため、通風流入口22aの単位面積当たりの衣類への送風量は、どの部分でもほぼ同等とみなすことができる。
通風流入口22a及び通風流出口21aは、いずれも網目状に形成されている。このため、空気が通風流入口22aを通って収納空間23に流入するとき、及び空気が通風流出口21aを通って収納空間23から流出するときには、それぞれ圧力損失ΔPhが生じる。圧力損失ΔPhは、空気が網目を通過する際の局部流路断面変化による圧力損失に相当する。具体的には、圧力損失ΔPhは、吸込口に設けられた打抜き狭板を空気が通過する際の圧力損失に相当し、下記の式(5)で表される。打抜き狭板とは、複数の貫通孔が形成された板のことである。
ΔPh=ζ2・(ρ/2)・V2≒0.6[kg/m3]・ζ2・V2 ・・・(5)
ζ2:打抜き狭板を通過する際の局部損失係数
局部損失係数ζ2は、自由面積比から決定される。自由面積比は、流路断面中での開口率、すなわち流路断面中で空気が通過できる断面率に相当する。自由面積比が0.2、0.4、0.6、0.8のとき、局部損失係数ζ2はそれぞれ、35.0、7.6、3.0、1.2となる。空気が通風流入口22aを通って収納空間23に流入するときにおける自由面積比は、通風流入口22aの開口率に相当する。このため、通風流入口22aの開口率が0.2、0.4、0.6、0.8のとき、局部損失係数ζ2はそれぞれ、35.0、7.6、3.0、1.2となる。また、空気が通風流出口21aを通って収納空間23から流出するときにおける自由面積比は、通風流出口21aの開口率に相当する。このため、通風流出口21aの開口率が0.2、0.4、0.6、0.8のとき、局部損失係数ζ2はそれぞれ、35.0、7.6、3.0、1.2となる。
収納部20を通過する空気の総圧力損失について説明する。収納部20を通過する空気は、通風流入口22aを通って収納空間23に流入し、収納空間23内で衣類を通過し、通風流出口21aを通って収納空間23から流出する。すなわち、収納部20を通過する空気の総圧力損失は、圧力損失ΔPh(in)と、圧力損失ΔPcと、圧力損失ΔPh(out)と、の和となる。圧力損失ΔPh(in)は、空気が通風流入口22aを通って収納空間23に流入するときの圧力損失である。圧力損失ΔPcは、空気が収納空間23内で衣類を通過するときの圧力損失である。圧力損失ΔPh(out)は、空気が通風流出口21aを通って収納空間23から流出するときの圧力損失である。
通風流入口22aは、鉛直方向での位置によらず外周壁22の開口率が一定となるように形成されている。このため、圧力損失ΔPh(in)は、鉛直方向での位置によらず同値である。一方、通風流出口21aは、内周壁21の開口率が鉛直方向で下方に向かって徐々に増加するように形成されている。つまり、空気が通風流出口21aを通って収納空間23から流出するときの自由面積比は、鉛直方向で下方に向かって徐々に大きくなっている。このため、圧力損失ΔPh(out)は、鉛直方向で下方に向かって徐々に小さくなる。
すなわち、本実施の形態の収納部20の構成では、鉛直方向で下方に向かって、圧力損失ΔPh(in)は変化せず、圧力損失ΔPh(out)は徐々に小さくなる。また、収納空間23に衣類が格納された状態では、鉛直方向で下方に向かって、圧力損失ΔPcは徐々に大きくなる。鉛直方向での位置によらず下記の式(6)の関係が満たされるようにすれば、収納部20を通過する空気の総圧力損失を、鉛直方向での位置によらず一定にすることができる。この結果、収納空間23に衣類が積み重ねられた状態であっても、収納空間23内の衣類を通過する空気の風量を、鉛直方向での位置によらず同等にすることができる。したがって、鉛直方向での位置によらず、収納空間23内の衣類に同じ風量の空気を供給することができる。
ΔPh(in)+ΔPc+ΔPh(out)=一定 ・・・(6)
ここで、本実施の形態では、鉛直方向での位置によらず圧力損失ΔPh(in)が同値である。このため、鉛直方向での位置によらず圧力損失ΔPh(out)と圧力損失ΔPcとの和が一定である場合、式(6)の関係が満たされる。式(6)の関係が満たされれば、圧力損失ΔPh(in)が鉛直方向での位置によって変化するようにしてもよい。
本実施の形態では、鉛直方向での位置によらず、収納空間23に収納された衣類を通過する空気の圧力損失が均一となる。このため、鉛直方向での位置によらず、収納空間23内の衣類に空気を均等に供給することができる。その結果、脱臭部40で生成された放電生成物を、収納空間23内の衣類に対し、鉛直方向での位置によらず均等に供給することができる。これにより、収納空間23内の衣類では、放電生成物による酸化作用又は中和作用が鉛直方向での位置によらず均等に生じるため、衣類全体の臭気物質が均等に除去される。また、収納空間23内の衣類では、放電生成物による酸化作用が鉛直方向での位置によらず均等に生じるため、衣類全体の微生物又はウイルスが均等に殺菌される。さらに、放電生成物による酸化作用が鉛直方向での位置によらず均等に生じるため、収納空間23内の衣類に付着した汚れの表面が親水化される。これにより、後に衣類が洗濯機によって洗濯される際、汚れが水に溶解しやすくなるため、汚れが落ちやすくなる。
放電生成物を用いて脱臭及び除菌を行う場合、イオン濃度が106個/cm3以上、又はオゾンガス濃度が0.01〜0.05ppm程度で、脱臭及び除菌を効率的に行うことができる。収納空間23内の衣類には、鉛直方向での位置によらずイオン及びオゾンガスが均等に供給されるため、衣類全体を必要最小限のイオン量及びオゾンガス量で曝露することができる。したがって、衣類が部分的に傷んでしまうのを防ぎつつ、衣類全体を十分に脱臭及び除菌することができる。
ランドリーバスケット100は、ランドリーバスケット100を構成する各部の動作を制御する制御部を備えている。制御部による制御は、ソフトウェアに基づくCPU(Central Processing Unit)を用いたプログラム処理によって実行される。制御部は、例えば、蓋部12の動作を制御する蓋制御部と、既に述べた脱臭制御部と、を有している。蓋制御部は、蓋部12の施錠動作及び解錠動作を制御する。脱臭制御部は、脱臭部40の放電機構及び送風部50の送風機51の動作を制御する。
ランドリーバスケット100の制御部による各種制御動作について説明する。まず、蓋制御部による蓋部12の開閉制御について具体例を挙げて説明する。蓋制御部は、解錠指示を受け付けた場合には蓋部12を解錠させる。例えば、ユーザは、ランドリーバスケット100の電源をオンにし、蓋部12又は筐体本体部11に設けられた「開」ボタン(図示せず)を押すことにより、解錠指示を入力する。また、例えば、ユーザは、リモコン等を操作して、解錠指示を入力するようにしてもよい。この場合、ランドリーバスケット100が備える通信部(図示せず)が、リモコンから送信された解錠指示を受信する。蓋制御部は、解錠指示を受け付けると、蓋部12を解錠させる。蓋部12が解錠されると、蓋部12は開閉可能な状態となる。
一方、蓋制御部は、施錠指示を受け付けた場合には蓋部12を施錠させる。例えば、ユーザは、蓋部12又は筐体本体部11に設けられた「閉」ボタン(図示せず)を押すことにより、施錠指示を入力する。また、例えば、ユーザは、リモコン等を操作して、施錠指示を入力するようにしてもよい。蓋制御部は、施錠指示を受け付けると、蓋部12を施錠させる。蓋部12が施錠されると、蓋部12は開閉できない状態となる。
また、蓋制御部は、予め設定された条件下において、インタロック装置による蓋部12の施錠又は解錠を行う。例えば、上述の放電生成物にオゾンガスが含まれる場合、蓋制御部は、収納空間23内のオゾンガス濃度に基づいて以下のような蓋部12の制御を行う。まず、蓋制御部は、オゾンガス濃度センサ(図示せず)から収納空間23内のオゾンガス濃度の情報を取得するとともに、放電電圧測定部(図示せず)から放電機構における放電電圧の情報を取得する。オゾンガス濃度センサおよび放電電圧測定部は、ランドリーバスケット100の適宜の場所に設けられる。蓋制御部は、収納空間23内のオゾンガス濃度が0.05ppm以上であるか、又は放電機構における放電電圧が0kVより大きい場合には、インタロック装置により蓋部12を施錠させる。これにより、蓋部12は開閉できない状態になる。蓋制御部は、収納空間23内のオゾンガス濃度が0.05ppm未満であり、かつ放電機構における放電電圧が0kVである場合には、インタロック装置により蓋部12を解錠させる。これにより、蓋部12は開閉可能な状態になる。
なお、オゾンガス濃度が0.05ppm以下であることは、世界的な室内環境基準である。アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA;Food and Drug Administration)では、室内環境基準の最大許容濃度が0.05ppm(24hr)と定められている(1992年)。また、日本空気清浄協会では、オゾンを発生する器具による室内ガスの許容濃度が、最大0.1ppm、平均0.05ppmと定められている。オゾンガスは、高い脱臭効果を有するものの、濃度によっては人体に影響を及ぼす場合がある。収納空間23内に高濃度のオゾンガスが存在している状態で蓋部12が開けられると、オゾンガスが収納空間23からランドリーバスケット100の外部に漏洩してしまう。蓋制御部は、上述のように、オゾンガス濃度が0.05ppm未満であり、かつ放電電圧が0kVである場合に、蓋部12が開閉可能な状態になるように制御する。このため、ランドリーバスケット100の外部へのオゾンガスの漏洩を防止することができる。
次に、脱臭制御部による脱臭部40の放電機構と送風部50の送風機51の制御動作について、具体例を挙げて説明する。例えば、ユーザは、ランドリーバスケット100の電源をオンにして蓋部12を開け、収納空間23内に衣類を入れる。一定期間経過後、ユーザは、収納空間23内に収納されたまま放置されている衣類の脱臭を行うものとする。ユーザは、ランドリーバスケット100の電源をオンにして脱臭開始指示を入力する。例えば、ユーザは、蓋部12又は筐体本体部11に設けられた「脱臭開始」ボタンを押すことにより、脱臭開始指示を入力する。また、例えば、ユーザは、リモコン等を操作して、脱臭開始指示を入力するようにしてもよい。この場合、ランドリーバスケット100が備える通信部が、リモコンから送信された脱臭開始指示を受信する。脱臭制御部は、脱臭開始指示を受け付け、放電機構に印加電圧が供給されるよう制御し、当該放電機構を動作させる。また、脱臭制御部は、送風機51に電力を供給し、モータを駆動させ、送風機51を動作させる。これにより、放電機構により生成された放電生成物が空気と共に収納空間23に供給され、収納空間23内の衣類の脱臭が行われる。
脱臭制御部は、放電機構で生成される放電生成物の濃度を制御することもできる。例えば、放電機構がオゾンガスを生成する場合、脱臭制御部は、放電機構で生成されるオゾンガスの濃度を制御することができる。高濃度のオゾンガスが衣類に接触すると、衣類を傷めるおそれがある。そこで、脱臭制御部は、放電機構で生成されるオゾンガスの濃度が0.05ppm未満になるように放電機構を制御する。具体的には、脱臭制御部は、オゾンガス濃度センサから収納空間23内のオゾンガス濃度の情報を取得し、オゾンガス濃度が0.05ppm以上であれば、放電機構に対して印加電圧を低下させるようにする。放電機構は、供給される電力の電圧又は周波数の変化に応じて、生成するオゾンガスの濃度を変化させることができる。
また、本実施の形態の放電機構は、放電生成物として、オゾンガスと負イオンとを生成することができる。これにより、収納空間23では、オゾンガスだけでなく負イオンによっても衣類の脱臭が行われる。このため、上述のようにオゾンガスの濃度が0.05ppm未満に制御されたとしても、衣類の脱臭を十分に行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、衣類の傷みを低減しつつ衣類の脱臭を行うことができる。
脱臭制御部は、放電機構を動作させる際には、蓋制御部に放電中である旨の通知を行う。蓋制御部は、放電中である旨の通知を脱臭制御部から受けると、インタロック装置に蓋部12を施錠させる。これにより、放電中にユーザが蓋部12を開けてしまうことを防止できるため、放電中に高濃度で存在する収納空間23内のオゾンガスがランドリーバスケット100の外部に漏洩するのを防ぐことができる。
本実施の形態に係るランドリーバスケット100の構成は、以上説明した構成に限られず、適宜変形させることができる。上記の説明では、放電機構の放電電極をワイヤ電極とした。しかし、放電電極はワイヤ電極に限られない。例えば、放電電極は、リボン状電極又は針電極であってもよい。リボン状電極は、長方形状又はそれに類似した形状の断面を有する導電性リボンで構成される。リボン状電極の厚み、すなわち断面の短辺は、0.05mm〜0.5mmであり、例えば0.1mmである。リボン状電極の幅、すなわち断面の長辺は0.3mm〜1mmであり、例えば0.5mmである。リボン状電極の材質には、タングステン、チタン、ステンレス、導電性樹脂などが用いられる。リボン状電極では、断面の短辺側となる表面を接地電極側に向けるようすると効率的に荷電できる。リボン状電極を用いることにより、ワイヤ電極よりも、放電時のスパッタによる電極磨耗による断線の影響を小さくできる効果がある。また、リボン状電極は、ワイヤ電極よりも強度が強く折れにくい。リボン状電極は、厚み0.05mm〜0.5mmの平板を、エッチング、ワイヤ加工、レーザー加工、板金打ち抜き等により、幅0.3〜1.0mmの短冊が並ぶように加工することによって作製される。電極としての張りを保つため、リボン状電極の周囲にはヘミング曲げ等の曲げ加工を施してもよいし、リボン状電極の周囲を絶縁物等により補強してもよい。
このように、放電機構で放電によって放電生成物が生成されるようになっており、かつ、生成された放電生成物が空気と共に脱臭部40から収納部20へと送られるように構成されていれば、放電電極の構成は限定されない。
また、上記の説明では、図1等に示したように、収納部20の平面形状を円形状とした。しかしながら、収納部20の平面形状は円形状に限られない。収納部20の平面形状は、略楕円形状であってもよいし、長方形状であってもよいし、ドーナツ形状であってもよい。収納部20は、格納空間14に着脱自在に格納され、通風流入口22a及び通風流出口21aを有し、通風流入口22a及び通風流出口21aのそれぞれが送風部50及び脱臭部40に接続できるようになっていれば、適宜の形状を取ることができる
図7は、本実施の形態の変形例に係るランドリーバスケット100の構成を示す斜視図である。図7に示すように、本変形例の収納部20は、略楕円形状の平面形状を有している。収納部20の外周壁22は、略楕円形状の平面形状を有している。収納部20の内周壁21は、外周壁22の平面形状よりも扁平な略楕円形状の平面形状を有している。そのため、収納部20の長軸に沿った内周壁21と同長軸に沿った外周壁22との最短距離と、収納部20の短軸に沿った内周壁21と同短軸に沿った外周壁22との最短距離と、実質的に等しくすることができる。つまり、内周壁21及び外周壁22の互いの対向面同士の水平距離を、収納部20の全周において実質的に均等にすることができる。これにより、収納空間23のどの場所においても、空気の流れ方向での衣類の厚みを均等化できる。このため、収納空間23のどの場所においても、衣類を通過する空気の圧力損失を均等化することができる。このように、外周壁22及び内周壁21のそれぞれの平面形状は、空気の流れ方向での衣類の厚みを均等化できる形状であれば、円形状に限られず、楕円形状、長円形状、多角形状などの種々の形状を有することができる。
また、上記の説明では、通風流入口22aが外周壁22の全体に形成され、通風流出口21aが内周壁21の全体に形成されるものとしたが、これは一例に過ぎない。例えば、通風流入口22aは、外周壁22の一部のみに形成されていてもよい。また、通風流出口21aは、内周壁21の一部のみに形成されていてもよい。
通風流出口21aは、内周壁21だけでなく、収納部20の底面部24にも形成されるようにしてもよいし、底面部24のみに形成されるようにしてもよい。通風流出口21aが底面部24に形成され、内周壁21が存在しない場合、収納空間23の容積を大きくすることができるため、衣類の収納量を増大させることができる。
通風流入口22aが内周壁21に形成され、通風流出口21aが外周壁22に形成されるようにしてもよい。内周壁21の半径は外周壁22の半径よりも小さいため、内周壁21の面積は外周壁22の面積よりも小さい。このため、内周壁21に通風流入口22aが形成されると、通風流入口22aの面積が小さくなる。したがって、同じ送風機51が用いられた場合であっても、送風機51の吐出圧を高めることができる。これにより、収納空間23に密に積み重ねられた衣類に対しても、高い静圧で通風させることができるため、脱臭効果が高まる。
また、通風流入口22aを構成する複数の開口孔のそれぞれの形状は、円形状であってもよいし、長方形状であってもよいし、それ以外の形状であってもよい。同様に、通風流出口21aを構成する複数の開口孔のそれぞれの形状は、円形状であってもよいし、長方形状であってもよいし、それ以外の形状であってもよい。収納部20は、通風流入口22a及び通風流出口21aがそれぞれ送りダクト61及び戻りダクト62を介して送風部50等に接続され、収納空間23に衣類を収納できるようになっていれば、適宜の形状とすることができる。
また、上記の説明では、通風流出口21aが形成された内周壁21の開口率のみを鉛直方向で変化させているが、これは一例に過ぎない。通風流入口22aが形成された外周壁22の開口率のみを鉛直方向で変化させてもよいし、内周壁21の開口率及び外周壁22の開口率の双方を鉛直方向で変化させてもよい。いずれにしても、衣類が収納された収納部20を通過する空気の圧力損失が鉛直方向で均等になればよい。また、内周壁21の開口率及び外周壁22の開口率のそれぞれが鉛直方向で一定となるように通風流出口21a及び通風流入口22aを形成した上で、通風流出口21a及び通風流入口22aのうちの不要な開口孔を樹脂板などを用いて閉塞するようにしてもよい。
また、上記の説明では、ユーザから入力された脱臭開始指示に基づきランドリーバスケット100の脱臭動作を開始し、ユーザから入力された脱臭終了指示に基づきランドリーバスケット100の脱臭動作を終了しているが、これは一例に過ぎない。例えば、ランドリーバスケット100は、電源が投入されると脱臭動作を開始するように構成されていてもよい。ランドリーバスケット100は、タイマー機能を備え、ユーザにより予め設定された時刻になると脱臭動作を開始又は終了するように構成されていてもよい。
また、上記の説明では、収納部20が筐体10の格納空間14内に着脱自在に格納されるものとしたが、これは一例に過ぎない。収納部20は、格納空間14内に着脱不能に固定されていてもよい。
また、上記の説明では、筐体本体部11、蓋部12及び仕切板13が別々に形成されているが、これは一例に過ぎない。筐体本体部11、蓋部12及び仕切板13は、一体的に形成されていてもよい。
また、上記の説明では、収納容器として、住宅で使用されるランドリーバスケット100を例に挙げたが、これは一例に過ぎない。本実施の形態は、脱臭対象となる収納物を収納する種々の収納容器に適用することができる。
また、上記の説明では、脱臭部40が備える脱臭装置として放電機構を例に挙げたが、これは一例に過ぎない。脱臭部40が備える脱臭装置としては、活性炭などの吸着部材、又は帯電微粒子ミストの噴霧装置を用いることもできる。
以上説明したように、本実施の形態に係るランドリーバスケット100は、収納した収納物に脱臭を行う収納容器である。ランドリーバスケット100は、収納物が収納される収納部20と、脱臭を行う脱臭部40と、収納部20の内部に突出する内周壁21と、収納部20、脱臭部40、および内周壁21に空気を送風して循環させる送風部50と、を備える。ここで、内周壁21は、突出部位の一例である。
この構成によれば、収納部20のどの場所においても、空気の流れ方向での衣類の厚みを均等化できるため、衣類を通過する空気の圧力損失を均等化することができる。したがって、収納部20に収納された衣類に対し放電生成物をより均等に供給できるため、収納された衣類に対し、より均一な脱臭効果が得られる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、内周壁21は、収納部20に供給された放電生成物を内周空間18に排出する複数の通風排出口を備えている。送風部50は、収納部20に収納された衣類に供給される放電生成物が鉛直方向で均等となるよう構成してある。ここで、放電生成物は、脱臭成分の一例である。内周空間18は、突出部位の内部の一例である。複数の通風排出口は、例えば、通風流出口21aの複数の開口孔である。この構成によれば、収納部20に収納された衣類に対し、放電生成物を鉛直方向で均等に供給できるため、収納された衣類に対し、より均一な脱臭効果が得られる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、収納部20は、衣類が収納される収納空間23を挟んで互いに対向する外周壁22及び内周壁21を有している。外周壁22には、送風部50から供給される空気を収納空間23に流入させる通風流入口22aが形成されている。内周壁21には、収納空間23から空気を流出させる通風流出口21aが形成されている。収納空間23に収納された衣類を通過する空気の風量は、鉛直方向での位置によらず同等とする。ここで、外周壁22は、第1側壁の一例である。内周壁21は、第2側壁の一例である。
この構成によれば、脱臭部40で生成された放電生成物を、収納空間23内の衣類に対し、鉛直方向での位置によらず均等に供給することができる。したがって、収納空間23内に収納された衣類に対し、鉛直方向での位置によらず均一な脱臭効果が得られる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、外周壁22及び内周壁21は、いずれも筒状に形成されている。外周壁22は、収納空間23を挟んで内周壁21を囲むように設けられている。この構成によっても、衣類を通過する空気の風量を、鉛直方向での位置によらず同等とすることができる。したがって、収納された衣類に対し、鉛直方向での位置によらず均一な脱臭効果が得られる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、通風流出口21aは、複数の開口孔により構成されている。この構成によれば、内周壁21の機械的強度を維持しつつ、内周壁21の広範囲にわたって通風流出口21aを形成することができる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、内周壁21は、開口率が上下方向で異なるように形成されている。この構成によれば、圧力損失ΔPh(out)を上下方向で異ならせることができるため、衣類を通過する空気の風量を、鉛直方向での位置によらず一定にすることが可能となる。
実施の形態1においては、図1に示してあるように、収納部20内で突出する突出部位となる内周壁21が鉛直上方に向けて延出しており、その突出部位の鉛直上方に蓋部12が配置してあるランドリーバスケット100の一例について説明した。具体的には、収納物が収納部20の鉛直下方に位置する底面部24で保持され、その底面部24から鉛直上方の蓋部12に向けて内周壁21が延出するよう構成したランドリーバスケット100の一例について説明した。しかしながら本実施の形態は、この例に限定されない。例えば、ランドリーバスケット100は、蓋部12と底面部24とが水平方向で対向し、底面部24から蓋部12に向けて内周壁21が水平に延出するよう構成されていてもよい。この構成によれば、ランドリーバスケット100の設計自由度の向上が実現する。例えば、収納部20の配置姿勢と処理槽の配置姿勢とを対応付けた場合、図1に示したランドリーバスケット100と上記のランドリーバスケット100との関係は、縦型洗濯機とドラム式洗濯機との関係に相当する。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る収納容器について説明する。図8は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の構成を示す断面図である。図9は、図8のIX−IX断面を示す断面図である。本実施の形態に係るランドリーバスケット100は、収納部20の収納空間23に少なくとも1つの仕切部材70、71が設けられている点で実施の形態1と異なっている。上記の点以外の構成は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。図8及び図9に示すように、仕切部材70及び仕切部材71のそれぞれは、円筒状に形成されている。仕切部材70は、内周壁21を囲み、かつ隙間を挟んで内周壁21に沿うように配置されている。仕切部材71は、仕切部材70を囲み、かつ隙間を挟んで仕切部材70に沿うように配置されている。例えば、仕切部材70及び仕切部材71はいずれも、内周壁21及び外周壁22と同心となるように配置されている。仕切部材70は、内周壁21よりも外周側であって外周壁22よりも内周側に配置されている。仕切部材71は、仕切部材70よりも外周側であって外周壁22よりも内周側に配置されている。仕切部材70及び仕切部材71は同様の構成及び機能を有しているため、以下、仕切部材70を例に挙げて説明する。
仕切部材70は、収納空間23を仕切るために、収納部20に着脱自在に取り付けられる部材である。仕切部材70は、空気の通過を許容しつつ衣類の通過を阻止するように構成されている。仕切部材70は、通風流入口22aと通風流出口21aとの間に配置される。収納空間23は、仕切部材70によって、通風流入口22a側の空間と、通風流出口21a側の空間と、に仕切られる。
仕切部材70は、周方向に伸縮自在な円筒状の形状を有している。例えば、仕切部材70は、アコーディオン形状の構造体により構成される。図10は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の仕切部材70の構成を模式的に示す図である。図10に示すように、仕切部材70は、樹脂製の複数の棒状部材を用いて形成されており、複数のパンタグラフ機構が円筒状につながった構造を有している。仕切部材70は、等間隔で並列した複数の第1棒状部材72と、複数の第1棒状部材72と交差して、等間隔で並列した複数の第2棒状部材73と、を有している。互いに交差する第1棒状部材72と第2棒状部材73とは、交差部に設けられたピボットを介して回転自在に連結されている。これにより、仕切部材70が周方向に伸縮自在となるため、仕切部材70の直径が可変となる。したがって、収納空間23の径方向における仕切部材70の位置が可変となるため、仕切部材70と内周壁21又は外周壁22との間隔を調節することができる。
ユーザは、仕切部材70及び仕切部材71のそれぞれの位置を必要に応じて変更しつつ、内周壁21と仕切部材70との間、仕切部材70と仕切部材71との間、又は、仕切部材71と外周壁22との間に衣類を収納する。内周壁21と仕切部材70との間隔は、内周壁21と外周壁22との間隔よりも狭い。このため、内周壁21と仕切部材70との間に収納された衣類は、内周壁21と仕切部材70とによって支持されやすくなる。また、仕切部材70と仕切部材71との間隔は、内周壁21と外周壁22との間隔よりも狭い。このため、仕切部材70と仕切部材71との間に収納された衣類は、仕切部材70と仕切部材71とによって支持されやすくなる。また、仕切部材71と外周壁22との間隔は、内周壁21と外周壁22との間隔よりも狭い。このため、仕切部材71と外周壁22との間に収納された衣類は、仕切部材71と外周壁22とによって支持されやすくなる。このように、互いに対向しかつ鉛直方向に沿った2面により、衣類を支持することができる。このため、下方に位置する衣類が上方に位置する衣類の重さで押しつぶされるの防ぐことができる。したがって、鉛直方向において衣類を均等に収納することができるため、衣類の密度を鉛直方向で均等にすることができる。また、収納部20の周方向においても衣類を均等に収納することができる。
上記構成では、衣類の繊維充填率a及び厚さLを鉛直方向で均一にすることができるため、式(2)で示した衣類材質圧力損失ΔP1を鉛直方向で均一にすることができる。また、空間率を鉛直方向で均一にすることができるため、その逆数である局所損失係数ζ1を鉛直方向で均一にすることができる。このため、式(3)で示した構造圧力損失ΔP2も鉛直方向で均一にすることができる。以上により、式(1)で示した衣類の圧力損失ΔPcを鉛直方向で均一にすることができる。結果として、脱臭部40で生成された放電生成物を含み、収納空間23内の衣類を通過する空気の風量を、鉛直方向での位置によらず同等にすることができる。したがって、収納空間23内の衣類に対して放電生成物を均等に供給することができるため、収納空間23の衣類全体の脱臭、除菌及びウイルス不活化を均等に行うことができる。
上記の説明では、仕切部材70、71のそれぞれをアコーディオン形状としたが、これは一例に過ぎない。仕切部材70、71のそれぞれは、断面円弧状の形状を有する複数の網状構造体により構成されていてもよい。複数の網状構造体は、互いの一部が重ね合わされ、例えば内周壁21及び外周壁22と同軸の円筒となるように配置される。また、仕切部材70、71のそれぞれは、周方向に伸縮自在な蛇腹式の構造体であってもよい。具体的には、この構造体は、蛇腹形状を構成する複数条の蛇腹条を有する。蛇腹条のそれぞれは、シリコン樹脂などの可撓性を有する樹脂で形成された網状の部材であり、鉛直方向に延びる帯状の形状を有している。この構造体の鉛直方向の高さ寸法は、収納空間23の高さ寸法と同程度である。この構造体は、例えば内周壁21及び外周壁22と同軸に配置される。
また、上記の説明では、仕切部材70、71のそれぞれの位置をユーザが手動で変更するものとしたが、これは一例に過ぎない。ランドリーバスケット100は、仕切部材70、71のそれぞれの位置を変更する駆動装置を備えていてもよい。これにより、仕切部材70、71のそれぞれの位置は、ユーザにとって自動的に調節される。
以上説明したように、本実施の形態に係るランドリーバスケット100は、収納空間23を仕切る仕切部材70をさらに備える。この構成によれば、内周壁21と仕切部材70との間に収納された衣類を内周壁21及び仕切部材70の対向する2面によって支持することができ、仕切部材70と外周壁22との間に収納された衣類を仕切部材70及び外周壁22の対向する2面によって支持することができる。これにより、下方に位置する衣類が上方に位置する衣類の重さで押しつぶされるの防ぐことができるため、衣類を通過する空気の風量を、鉛直方向での位置によらず同等とすることができる。したがって、この構成によれば、収納された衣類に対し、鉛直方向での位置によらず均一な脱臭効果が得られる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、仕切部材70は、内周壁21を囲み、かつ隙間を挟んで内周壁21に沿うように配置される。この構成によれば、内周壁21と仕切部材70との間隔、及び仕切部材70と外周壁22との間隔を、周方向の全体にわたって調節することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る収納容器について説明する。図11は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の構成を示す斜視図である。図12は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の外周部の構成を示す断面図である。図13は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100における複数の送風機51の配置を示す上面図である。図11及び図12における上下方向は、ランドリーバスケット100が使用可能な状態に設置されたときの鉛直上下方向を表している。図12では、通風流入口22aの図示を省略している。
図11〜図13に示すように、本実施の形態のランドリーバスケット100は、全体として円筒状の形状を有している。ランドリーバスケット100の内周部には、実施の形態1と同様の収納部20が格納されている。ランドリーバスケット100の外周部には、筐体10の一部として、外周枠19が設けられている。外周枠19は、収納部20の外周の全周を囲むように設けられている。外周枠19には、脱臭部40及び送風部50が収容されている。
送風部50は、径方向で中心側に空気を送風するように構成されている。送風部50は、複数の送風機51を有している。複数の送風機51は、ランドリーバスケット100の周方向に沿って配列している。複数の送風機51のそれぞれは、径方向で中心側に向かって水平に空気を送風するように構成されている。また、複数の送風機51は、鉛直方向においても複数段に配列している。すなわち、ランドリーバスケット100の周方向の各位置では、複数段の送風機51が互いに異なる高さ位置に配置されている。本実施の形態では、鉛直方向に配列する送風機51の段数は3段であるが、2段又は4段以上であってもよい。複数の送風機51は、脱臭制御部により、段毎に独立して制御されるようにしてもよい。
脱臭部40は、収納部20よりも外周側であって送風部50よりも内周側、すなわち空気の流れにおいて収納部20よりも上流側で送風部50よりも下流側に配置されている。脱臭部40は、放電機構として、鉛直方向における送風機51の段数と同数のワイヤ電極41と、円筒状に形成された1つの金網42と、を有している。ワイヤ電極41は放電電極として機能し、金網42は接地電極として機能する。各段のワイヤ電極41は、ランドリーバスケット100の周方向に沿って延伸している。各段のワイヤ電極41には、互いに独立して電圧が印加されるように構成されていてもよい。金網42は、収納部20よりも外周側であってワイヤ電極41よりも内周側に配置されている。
送風部50により送風された空気は、脱臭部40を通り、収納部20に供給される。収納部20に供給された空気は、外周壁22に形成された通風流入口22aから収納空間23に流入し、収納空間23に収納された衣類を通過し、内周壁21に形成された通風流出口21aを通って収納空間23から流出する。収納空間23から流出した空気は、内周空間18及び不図示の戻り風路を通って送風部50に吸い込まれる。
本実施の形態では、収納空間23に収納される衣類は、実施の形態1と同様に、鉛直方向で下方に位置する衣類ほど密度が高くなっている。すなわち、収納空間23内の衣類の圧力損失ΔPcは、鉛直方向で下方ほど大きくなっている。このため、本実施の形態では、鉛直方向で下方に位置する送風機51には、それより上方に位置する送風機51よりも高い電圧が印加される。これにより、収納空間23内の衣類を通過する空気の風量を、鉛直方向での位置によらず同等にすることができる。したがって、収納空間23内の衣類に対して放電生成物を均等に供給することができるため、収納空間23の衣類全体の脱臭、除菌及びウイルス不活化を均等に行うことができる。
上記の説明では、送風機51への印加電圧を制御することにより衣類に供給される風量を制御しているが、これは一例に過ぎない。送風部50は、圧力損失ΔPcが鉛直方向で下方ほど高くなっている収納空間23内の衣類に対し、鉛直方向での位置によらず同程度の風量の空気が供給されるように構成されていればよい。例えば、鉛直方向で下方ほど、同じ電圧で得られる風量が多い送風機51を配置してもよい。あるいは、鉛直方向で下方ほど、送風機51の配置台数を多くしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係るランドリーバスケット100は、収納部20の外周を囲んで設けられ、脱臭部40及び送風部50を収容する外周枠19をさらに備える。この構成によれば、実施の形態1と同様に、収納された衣類に対し、鉛直方向での位置によらず均一な脱臭効果が得られる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、送風部50は、鉛直方向で互いに異なる高さ位置に配置された複数の送風機51を有している。この構成によれば、収納空間23内の衣類に供給される空気の風量を、鉛直方向の位置によって調節することができる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、複数の送風機51への印加電圧が互いに異なる。この構成によれば、収納空間23内の衣類に供給される空気の風量を、鉛直方向の位置によって調節することができる。
また、本実施の形態に係るランドリーバスケット100において、鉛直方向で下方に位置する送風機51への印加電圧ほど高い。この構成によれば、圧力損失ΔPcの高い下方の衣類に供給される空気の風量を増加させることができるため、衣類に供給される空気の風量を鉛直方向の位置によらず均一にすることができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る収納容器について説明する。図14は、本実施の形態に係るランドリーバスケット100の構成を示す断面図である。図14における上下方向は、ランドリーバスケット100が使用可能な状態に設置されたときの鉛直上下方向を表している。また、図14では、通風流入口22a及び通風流出口21aの図示を省略している。図14に示すように、本実施の形態に係るランドリーバスケット100は、少なくとも風速計80a、80b、80cが設けられている点で実施の形態3と異なっている。実施の形態3と同様の構成については説明を省略する。
風速計80a、80b、80cはいずれも同様の構成を有しているため、以下、風速計80aを例に挙げて説明する。風速計80aは、例えば熱線式風速計である。風速計80aは、受感部及び検知部を備える。受感部は、純ニッケル線などの細い金属線で構成されている。受感部は、外壁に穴のあいたステンレス製保護筒にヒーター部と共に装着されている。検知部は、金属線の電気抵抗の変化によって熱損失を計測するホイートストンブリッジ回路を備える。ヒーター部で加熱された細い金属線に風が当たると、熱が奪われて金属線が冷却される。金属線から奪われる熱量は風速と相関するため、金属線の熱損失から風速を算出することができる。
3つの風速計80a、80b、80cは、通風流出口21aよりも下流側、例えば、上面視で内周空間18の中心部に配置されている。3つの風速計80a、80b、80cは、鉛直方向で互いに異なる位置に配置されている。風速計80aは、内周空間18のうちの下部に配置されている。風速計80aは、例えば、下段の送風機51と同じ高さ位置に配置されている。風速計80bは、内周空間18のうち風速計80aよりも上方に配置されている。風速計80bは、例えば、中段の送風機51と同じ高さ位置に配置されている。風速計80cは、内周空間18のうち風速計80bよりも上方に配置されている。風速計80cは、例えば、上段の送風機51と同じ高さ位置に配置されている。
図15は、本実施の形態に係るランドリーバスケットの脱臭制御部で実行される風速均等化処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15に示す風速均等化処理は、例えば、脱臭制御部が脱臭開始指示を受けたときに、脱臭制御の一部として実行される。
図15に示すように、脱臭制御部は、まず脱臭開始直後に、全ての送風機51に同等の電圧を印加し、全ての送風機51を駆動させる(ステップS1)。次に、脱臭制御部は、3つの風速計80a、80b、80cを用いて、鉛直方向の各位置の風速を測定し、鉛直方向の各位置の風速が均等であるか否かを判定する(ステップS2)。脱臭制御部は、鉛直方向の各位置の風速が均等であると判定した場合には、図15に示す風速均等化処理を終了し、例えば実施の形態1で説明したような脱臭制御の処理に移行する。
一方、脱臭制御部は、鉛直方向の各位置の風速が均等でないと判定した場合には、鉛直方向の各位置の風速が均等になるように、各送風機51への印加電圧を調節する(ステップS3)。具体的には、ある高さ位置の風速が相対的に低い場合には、その高さ位置の送風機51への印加電圧を上昇させる。ある高さ位置の風速が相対的に高い場合には、その高さ位置の送風機51への印加電圧を低下させる。これにより、収納空間23を通過する空気の風速は、鉛直方向での位置によらず同等になる。その後、脱臭制御部は、図15に示す風速均等化処理を終了し、例えば実施の形態1で説明したような脱臭制御の処理に移行する。
このように、本実施の形態では、収納空間23を通過する空気の風速が鉛直方向での位置によらず同等になるように送風部50が制御される。これにより、収納空間23内の衣類に対して放電生成物を均等に供給することができる。したがって、収納空間23の衣類全体の脱臭、除菌及びウイルス不活化を均等に行うことができる。
上記の説明では、鉛直方向の各位置での風速が同等となるように送風部50を制御しているが、これは一例に過ぎない。鉛直方向の各位置において通風流入口22aと通風流出口21aとの間の差圧を差圧計により測定し、鉛直方向の各位置での差圧が同等となるように送風部50を制御するようにしてもよい。
また、上記の説明では、風速計80a、80b、80cとして熱線式風速計を用いたが、これは一例に過ぎない。風速計80a、80b、80cとしては、プロペラ式、差圧計カップ式などの各種風速計を用いることができる。
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、収納された衣類に対し、鉛直方向での位置によらず均一な脱臭効果が得られる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、又は実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本発明に係る収納容器は、内部に収納している収納物のにおいを除去することが可能となるため、例えば、洗濯前の衣類を収納するランドリーバスケット等の収納容器に適用することができる。