JP6814537B2 - 接合構造及び接合方法 - Google Patents

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本発明は、複数のプレキャストコンクリート部材が組み合わされて構成されるカルバート構造体において2つのプレキャストコンクリート部材を互いに接合する接合構造及び接合方法に関する。
従来、水路や共同溝等として設置されるコンクリート製のカルバート構造体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなカルバート構造体の中には、予め工場等で形成された複数のプレキャストコンクリート部材が組み合わされて構成される、いわゆるプレハブ式のカルバート構造体がある。このようなプレキャストコンクリート部材でカルバート構造体を構成することで、設置作業の現場等での作業が簡素化されることから工期の短縮等を図ることができる。
特開2005−336710号公報
ここで、上記のようなプレハブ式のカルバート構造体において互いに接合された2つのプレキャストコンクリート部材には、両者の接合部を開かせる方向の荷重が、カルバート構造体の現場設置後に繰り返し作用することがある。そのような場合、荷重によって2つのプレキャストコンクリート部材の接合部が開いてしまう恐れがある。
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、2つのプレキャストコンクリート部材の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができる接合構造及び接合方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の接合構造は、複数のプレキャストコンクリート部材が組み合わされて構成されるカルバート構造体において2つのプレキャストコンクリート部材を互いに接合する接合構造であって、前記2つのプレキャストコンクリート部材のうち、一方の部材は鋼製の定着棒材を内蔵するとともに該定着棒材における少なくとも端部にはネジが切られていて当該端部が他方の部材に向かって突出し、前記他方の部材には、前記定着棒材の前記端部が貫通する貫通孔が設けられており、前記定着棒材の前記端部のネジに対する螺合によって当該端部に締結されるとともに、締結時の締付けトルクによって前記定着棒材に軸方向の緊張力を付与する締結部材と、前記貫通孔における前記一方の部材とは反対側の縁と前記締結部材との間に介在して、前記緊張力に対する反力を前記締結部材から受けることで前記他方の部材を前記一方の部材に押圧する押圧部材と、前記貫通孔と前記定着棒材の前記端部との間に注入される充填材と、を備え、前記貫通孔に前記充填材を注入するための注入口と、前記貫通孔の内部に充填された後の余剰な前記充填材を溢れ出させるための排出口と、のそれぞれが、前記貫通孔に繋がるとともに前記押圧部材による押圧位置から少なくとも一部が外れた位置になるように、前記他方の部材に設けられており、前記他方の部材の外面に対する平面視で、前記注入口及び前記排出口それぞれにおいて前記押圧位置から外れた部分と前記押圧部材とが、前記注入口及び前記排出口それぞれにおける前記外れた部分の相互間に前記押圧部材を挟んで並んでいることを特徴としている。
本発明の接合構造では、一方の部材から突出して他方の部材の貫通孔を貫通した定着棒材の端部に、押圧部材を介在させて締結部材が締結され、さらに貫通孔と定着棒材の端部との間に充填材が注入されることで、2つのプレキャストコンクリート部材が接合されている。このとき、本発明の接合構造によれば、定着棒材の端部に軸方向に緊張力が付与されて、その緊張力に対する反力を締結部材から受けることで押圧部材が他方の部材を一方の部材に押圧している。この押圧部材による押圧力が、2つのプレキャストコンクリート部材の接合部を開かせるような荷重に対する抵抗力として作用するため、接合部が開き難くなる。このように本発明の接合構造によれば、2つのプレキャストコンクリート部材の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができる。
また、本発明の接合構造において、前記一方の部材が立壁であって、該立壁における上端縁から、前記定着棒材の前記端部が突出しており、前記他方の部材が、前記立壁の前記上端縁上に配置される頂板であり、前記上端縁と重なる部分に、前記頂板の厚み方向に貫通して前記貫通孔が設けられていることも好適である。
この好適な接合構造によれば、立壁としての一方の部材の上端縁に、頂板としての他方の部材を載せるだけで2つのプレキャストコンクリート部材を組み立てることができる。これにより、プレキャストコンクリート部材の組み立てについて、設置現場での作業が簡素化されることから、工期の短縮やコストの低減を図ることができる。
また、本発明の接合構造では、上述したように、前記貫通孔に前記充填材を注入するための注入口と、前記貫通孔の内部に充填された後の余剰な前記充填材を溢れ出させるための排出口と、のそれぞれが、前記貫通孔に繋がるとともに前記押圧部材による押圧位置から少なくとも一部が外れた位置になるように、前記他方の部材に設けられており、前記他方の部材の外面に対する平面視で、前記注入口及び前記排出口それぞれにおいて前記押圧位置から外れた部分と前記押圧部材とが、前記注入口及び前記排出口それぞれにおける前記外れた部分の相互間に前記押圧部材を挟んで並んでいる。
この好適な接合構造によれば、注入口から容易に充填材を注入することができるとともに、排出口から充填材が溢れ出てきたことを目視することで、貫通孔の内部への充填完了を確認することができる。これにより、充填材の注入作業について、設置現場での作業が簡素化されることから、工期の短縮やコストの低減を図ることができる。
また、本発明の接合構造において、前記貫通孔における前記反対側の縁の周囲は、前記他方の部材における外面よりも窪んだ凹部となっており、該凹部の底に前記貫通孔が開口しており、前記押圧部材及び前記締結部材は前記凹部に収容されて設けられ、該凹部には、前記押圧部材及び前記締結部材を覆って前記充填材が充填されることも好適である。
この好適な接合構造によれば、上記凹部に押圧部材及び締結部材が収容されて充填材が充填されるので、これらの部材が充填材で保護されることとなり、締結強度の向上が図られる。また、好適な接合構造によれば、外面が平滑で、露出して設置された場合等に外観の良好なカルバート構造体を得ることができる。
また、本発明の接合構造において、前記貫通孔は、その深さ方向について、少なくとも一部が、前記反対側の縁から前記一方の部材の方に向かって窄まった形状を有していることも好適である。
この好適な接合構造によれば、上記のように窄まった形状の貫通孔に充填された充填材が、2つのプレキャストコンクリート部材の接合部を開かせるような荷重に対して抵抗する働きをする。これにより、この好適な接合構造によれば、上記の接合部が一層開き難くなっている。
また、上記目的を達成するために、本発明の接合方法は、複数のプレキャストコンクリート部材が組み合わされて構成されるカルバート構造体において2つのプレキャストコンクリート部材を互いに接合する接合方法であって、前記2つのプレキャストコンクリート部材のうち、一方の部材は鋼製の定着棒材を内蔵するとともに該定着棒材における少なくとも端部にはネジが切られていて当該端部が他方の部材に向かって突出し、前記他方の部材には、前記定着棒材の前記端部が貫通する貫通孔が設けられており、前記貫通孔を前記定着棒材の前記端部が貫通するように、前記2つのプレキャストコンクリート部材を組み合わせる組立て工程と、前記貫通孔における前記一方の部材とは反対側の縁との間に、前記他方の部材を前記一方の部材に押圧する押圧部材を介在させて、前記貫通孔を貫通した前記定着棒材の前記端部のネジに対する螺合によって当該端部に締結されるとともに、締結時の締付けトルクによって前記定着棒材に軸方向の緊張力を付与し、前記押圧部材に、前記緊張力に対する反力を前記締結部材から受けることで前記他方の部材を前記一方の部材に押圧させるプレストレス工程と、前記貫通孔と前記定着棒材の前記端部との間に充填材を注入する注入工程と、を備え、前記貫通孔に前記充填材を注入するための注入口と、前記貫通孔の内部に充填された後の余剰な前記充填材を溢れ出させるための排出口と、のそれぞれが、前記貫通孔に繋がるとともに前記押圧部材による押圧位置から少なくとも一部が外れた位置になるように、前記他方の部材に設けられており、前記プレストレス工程では、前記他方の部材の外面に対する平面視で、前記注入口及び前記排出口それぞれにおいて前記押圧位置から外れた部分と前記押圧部材とが、前記注入口及び前記排出口それぞれにおける前記外れた部分の相互間に前記押圧部材を挟んで並ぶように当該押圧部材が配置されることを特徴としている。
本発明の接合方法によれば、2つのプレキャストコンクリート部材を組み合わせる組立て工程の後に行われるプレストレス工程によって、上記の定着棒材の端部に軸方向に緊張力が付与されている。この緊張力に対する反力を締結部材から受けることで、押圧部材が他方の部材を一方の部材へと押圧する。この押圧力が、2つのプレキャストコンクリート部材の接合部を開かせるような荷重に対する抵抗力として作用するため、接合部が開き難くなる。このように本発明の接合方法によれば、2つのプレキャストコンクリート部材の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができる。
尚、本発明の接合方法については、基本形態のみを記載し、その好適な形態については割愛したが、上述した本発明の接合構造について記載した種々の好適な形態のそれぞれが、本発明の接合方法にも対応していることは言うまでもない。
本発明によれば、2つのプレキャストコンクリート部材の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができる。
本発明の第1〜第3実施形態に係る接合構造が共通して適用されるカルバート構造体の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態の接合構造を示す平面図と断面図である。 図2に示されている接合構造を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の接合構造を示す平面図と断面図である。 図4に示されている接合構造を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の接合構造を、図2(B)と同様の断面で示す図である。 接続構造に対する検証実験の模様を示す模式図である。 第1比較例の接続構造を、図6と同様の断面で示す図である。 第2比較例の接続構造を、図6と同様の断面で示す図である。 図6に示されている第3実施形態の接続構造、図8に示されている第1比較例の接続構造、及び図9に示されている第2比較例の接続構造のそれぞれに対する静的な曲げ載荷試験の試験結果を示すグラフである。 斜角形状のカルバート構造体の頂板をなすプレキャストコンクリート部材の一例を示す模式図である。
以下、本発明の第1〜第3実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1〜第3実施形態に係る接合構造が共通して適用されるカルバート構造体の一例を示す図である。図1(A)には、単ボックス形状のカルバート構造体1が示され、図1(B)には、多径間ボックス形状のカルバート構造体2が示されている。
図1(A)のカルバート構造体1は、予め工場で形成される複数のプレキャストコンクリート部材が組み合わされて構成される、いわゆるプレハブ式のカルバート構造体であり、第1のプレキャストコンクリート部材11と、第2のプレキャストコンクリート部材12と、を有している。
図1(A)における第1のプレキャストコンクリート部材11は、カルバート構造体1の設置現場に立設される立壁で、互いに対向して対をなすように2つ設けられている。図1(A)における第2のプレキャストコンクリート部材12は、一対の第1のプレキャストコンクリート部材11の上端縁11a上に架け渡されて配置される長方形スラブ形状の頂板である。図1(A)のカルバート構造体1では、第1のプレキャストコンクリート部材11と第2のプレキャストコンクリート部材12とがこのように互いに組み合わされるとともに、一対の第1のプレキャストコンクリート部材11の間に、現場打ちコンクリートによって底壁13が形成されて、単ボックス形状に構成されている。
図1(B)のカルバート構造体2もプレハブ式のカルバート構造体であり、第1のプレキャストコンクリート部材21と、第2のプレキャストコンクリート部材22と、を有している。
図1(B)における第1のプレキャストコンクリート部材21は、カルバート構造体2の設置現場に立設される立壁で、一定の間隔を空けて並行に3つが配列されるように設けられている。第2のプレキャストコンクリート部材22は、これら3つの第1のプレキャストコンクリート部材21それぞれの上端縁21a上に架け渡されて配置されるように2つ設けられた、各々が長方形スラブ形状の頂板となっている。図1(B)のカルバート構造体2では、第1のプレキャストコンクリート部材21と第2のプレキャストコンクリート部材22とがこのように互いに組み合わされるとともに、3つの第1のプレキャストコンクリート部材21の間に、現場打ちコンクリートによって底壁23が形成されて、2ボックスの多径間形状に構成されている。
ここで、図1(A)の第1のプレキャストコンクリート部材11及び図1(B)の第1のプレキャストコンクリート部材21は、何れも棒状のPC(Prestressed Concrete)鋼棒11b,21bを定着棒材として複数本内蔵した、PC部材あるいはPRC(Prestressed Reinforced Concrete)部材となっている。
他方、図1(A)の第2のプレキャストコンクリート部材12及び図1(B)の第2のプレキャストコンクリート部材22は、ここでは特定しないが、RC(Reinforced Concrete)部材、PC部材、RPC部材の何れの部材であってもよい。
図1(A)の第1のプレキャストコンクリート部材11及び図1(B)の第2のプレキャストコンクリート部材22それぞれの上端縁11a,21aからは、複数本のPC鋼棒11b,21bの端部が各第2のプレキャストコンクリート部材12,22に向かって突出している。そして、第2のプレキャストコンクリート部材12,22において上端縁11a,21aと重なる部分には、PC鋼棒11b,21bの端部が貫通する貫通孔12a,22aが設けられている。
これらのカルバート構造体1,2では、何れも、第1のプレキャストコンクリート部材11,21と第2のプレキャストコンクリート部材12,22との接合が、上記の上端縁11a,21aから突出したPC鋼棒11b,21bの端部を利用した後述の接合構造によって行われている。
以下、図1のカルバート構造体1,2で適用される、本発明の第1実施形態の接合構造及び接合方法について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態の接合構造を示す平面図と断面図である。図2(A)には、第1実施形態の接合構造の平面図が示されており、図2(B)には、図2(A)中のV11−V11断面を表す断面図が示されている。また、図3は、図2に示されている接合構造を示す斜視図である。
本実施形態の接合構造100は、図1に示されているようなカルバート構造体において2つのプレキャストコンクリート部材110,120を互いに接合する構造である。この接合構造100では、立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材110が、定着棒材としてのPC鋼棒112複数本を内蔵したPC部材あるいはPRC部材となっている。そして、その上端縁111から、長方形スラブ形状の頂板としての第2のプレキャストコンクリート部材120に向かって各PC鋼棒112の端部112aが突出している。また、本実施形態のPC鋼棒112は、突出した端部112aにネジが切られている。
尚、PC鋼棒112としては、端部112aだけでなく全長に亘ってネジが切られた総ネジPC鋼棒を採用してもよい。あるいは、PC鋼棒112に替えて、PC部材あるいはPRC部材における緊張力の導入に耐え得る強度を有する鉄筋であってもよい。このような鉄筋としては、例えば、高強度異形鉄筋SD390,SD490,SD590,SD685等が挙げられる。
第2のプレキャストコンクリート部材120は、立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材110の上端縁111上に配置される頂板である。そして、その上端縁111と重なる部分に、頂板の厚み方向に貫通して、各PC鋼棒112の端部112aが貫通する貫通孔121が設けられている。
ここで、本実施形態では、貫通孔121における第1のプレキャストコンクリート部材110とは反対側の縁の周囲は、第2のプレキャストコンクリート部材120の外面よりも窪んだ凹部122となっている。この凹部122は、逆四角錐台形状を有しており、矩形状の底122aに貫通孔121が開口している。
貫通孔121を貫通したPC鋼棒112の端部112aには、後述するようにして軸方向に緊張力が付与されている。また、その端部112aは、貫通孔121の縁を含む凹部122の底122aに当接する矩形板状のアンカープレート123の中央に設けられた貫通孔に通されている。そして、アンカープレート123に通された端部112aにナット124が締結されている。これにより、本実施形態では、PC鋼棒112の端部112aに、軸方向の緊張力を付与しつつナット124が締結され、凹部122の底122aとナット124との間に介在するアンカープレート123が、緊張力に対する反力をナット124から受けることで第2のプレキャストコンクリート部材120を第1のプレキャストコンクリート部材110に押圧している。アンカープレート123、ナット124、及び端部112aの余長部分は、凹部122の中に収容される。
ここで、PC鋼棒112の端部112aに対する緊張力の付与は、貫通孔121に通された端部112aを油圧ジャッキ等で軸方向に引っ張る方法もあるが、本実施形態では、ナット124を所定の締付けトルクで締結することで、軸方向に引っ張る方法が採用されている。
貫通孔121とPC鋼棒112の端部112aとの間には、充填材としてのモルタル125が注入されている。モルタル125としては、無収縮モルタルが採用されている。このとき、凹部122の底122aには、貫通孔121にモルタル125を注入するための注入口126と、貫通孔121の内部が満たされた後の余剰なモルタル125を溢れ出させるための排出口127と、が、貫通孔121に繋がるとともにアンカープレート123による押圧位置から一部が外れた位置になるように、設けられている。
注入口126と排出口127は、貫通孔121の縁の両脇に三角翼状に拡がった一対の空間であり、凹部122の底122aに開いた長方形状の各開口の一部がアンカープレート123から外れている。モルタル125は、注入口126から注入され、排出口127から溢れ出るまで注入が続けられる。これにより、貫通孔121とPC鋼棒112の端部112aとの間にモルタル125が充填される。さらに、本実施形態では、凹部122の中にも、アンカープレート123、ナット124、及びPC鋼棒112の端部112aの余長部分を覆ってモルタル125が充填される。尚、図3では、図を見易くするため凹部122の中のモルタル125については図示が省略されている。
また、ここでの説明では、貫通孔121の縁の両脇に拡がった一対の空間のうち、便宜上図中右側のものを注入口126、左側のものを排出口127と呼んだが、一対の空間のうち何れが注入口で何れが排出口であってもよいことは言うまでもない。
次に、図2及び図3に示されている接続構造100による第1及び第2のプレキャストコンクリート部材110,120の接続方法について説明する。以下に説明するこの接続方法が、本発明の接続方法の一実施形態に相当する。
例えば図1に示したようなカルバート構造体の設置現場では、この接続方法による第1及び第2のプレキャストコンクリート部材110,120の接続に先立って、まず、立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材110が所定数立設され、それらの相互間に、現場打ちコンクリートによって底壁が形成される。その後、第1及び第2のプレキャストコンクリート部材110,120の接続が後述の手順を有する接続方法によって行われる。
尚、このようなカルバート構造体の設置手順は、上記に限るものではなく、例えば、立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材110の立設の後に、第1及び第2のプレキャストコンクリート部材110,120の接続が行われ、最後に、現場打ちコンクリートによって底壁が形成される、といった設置手順であってもよい。
この接続方法では、まず、貫通孔121をPC鋼棒112の端部112aが貫通するように、第1及び第2のプレキャストコンクリート部材110,120を組み合わせる組立て工程が行われる。
次に、貫通孔121の縁との間にアンカープレート123を介在させて、貫通孔121を貫通したPC鋼棒112の端部112aに軸方向に緊張力を付与しつつナット124を締結するプレストレス工程が行われる。このプレストレス工程で、アンカープレート123に、緊張力に対する反力をナット124から受けることで第1のプレキャストコンクリート部材110を第2のプレキャストコンクリート部材120に押圧させる。また、上述したように、本実施形態では、緊張力の付与は、所定トルクによるナット124の締結それ自体によって行われる。
そして、貫通孔121とPC鋼棒112の端部112aとの間にモルタル125を注入する注入工程が行われる。本実施形態では、まず、モルタル125が注入口126から注入され、排出口127からモルタル125が溢れだすまでその注入が続けられる。さらに、本実施形態では、凹部122の中にも、アンカープレート123、ナット124、及びPC鋼棒112の端部112aの余長部分を覆ってモルタル125が充填される。
注入したモルタル125が固化するまでの養生期間を経て接続が終了して例えば図1に示したようなカルバート構造体が完成する。
以上に説明した第1実施形態の接続構造100では、第1のプレキャストコンクリート部材110から突出して第2のプレキャストコンクリート部材120の貫通孔121を貫通したPC鋼棒112の端部112aに、アンカープレート123を介在させてナット124が締結され、さらに貫通孔121とPC鋼棒112の端部112aとの間にモルタル125が注入されることで、2つのプレキャストコンクリート部材110,120が接合されている。このとき、本実施形態の接合構造100によれば、PC鋼棒112の端部112aに軸方向に緊張力が付与されて、その緊張力に対する反力をナット124から受けることでアンカープレート123が第2のプレキャストコンクリート部材120を第1のプレキャストコンクリート部材110に押圧している。このアンカープレート123による押圧力が、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部を開かせるような荷重に対する抵抗力として作用するため、接合部が開き難くなる。このように本実施形態の接合構造100によれば、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができる。
また、第1実施形態の接続構造100では、立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材110の上端縁111から、PC鋼棒112の端部112aが突出しており、第2のプレキャストコンクリート部材120が、その上端縁111上に配置される頂板であり、その上端縁111と重なる部分に、頂板の厚み方向に貫通して貫通孔121が設けられている。このため、立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材110に、頂板としての第2のプレキャストコンクリート部材120を載せるだけで2つのプレキャストコンクリート部材110,120を組み立てることができる。これにより、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の組み立てについて、設置現場での作業が簡素化されることから、工期の短縮やコストの低減を図ることができる。
また、本実施形態の接合構造100では、貫通孔121にモルタル125を注入するための注入口126と、貫通孔121の内部が満たされた後の余剰なモルタル125を溢れ出させるための排出口127と、が設けられている。このため、注入口126から容易にモルタル125を注入することができるとともに、排出口127からモルタル125が溢れ出てきたことを目視することで、貫通孔121の内部への充填完了を確認することができる。これにより、モルタル125の注入作業について、設置現場での作業が簡素化されることから、工期の短縮やコストの低減を図ることができる。
また、本実施形態の接合構造100では、貫通孔121の縁の周囲は、第2のプレキャストコンクリート部材120の外面よりも窪んだ凹部122となっており、その凹部122の底122aに貫通孔121が開口している。アンカープレート123及びナット124は端部112aの余長部分とともに凹部122に収容されて設けられる。そして、この凹部122には、アンカープレート123及びナット124を端部112aの余長部分とともに覆ってモルタル125が充填される。これにより、凹部122にアンカープレート123及びナット124が収容されてモルタル125が充填されるので、ナット124による締結部がモルタル125で保護されることとなり、その締結強度の向上が図られている。また、本実施形態の接合構造100によれば、外面が平滑で、露出して設置された場合等に外観の良好なカルバート構造体を得ることができる。
また上述した本実施形態の接続方法によれば、2つのプレキャストコンクリート部材110,120を組み合わせる組立て工程の後に行われるプレストレス工程によって、PC鋼棒112の端部112aに軸方向に緊張力が付与される。上記のようにこの緊張力により2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部が開き難くなる。このように本実施形態の接続方法によれば、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができる。
また、本実施形態の接続方法では、ナット124が、所定の締付けトルクでPC鋼棒112の端部112aに締結されることで、その端部112aに緊張力が付与される。本実施形態の接続方法によれば、カルバート構造体の設置現場では、2つのプレキャストコンクリート部材110,120を組み立てた後は、アンカープレート123を取付けてナット124を締結し、モルタル125を注入するだけで両者を接合することができる。これにより、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の組み立て後の接合作業について、特にPC鋼棒112の端部112aに対する緊張力の付与の点で設置現場での作業が簡素化されることから、工期の短縮やコストの低減を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態の接合構造及び接合方法について説明する。尚、第2実施形態は、頂板としての第2のプレキャストコンクリート部材における貫通孔の縁周辺の構造が上述した第1実施形態とは異なっている。以下では、第2実施形態の接合構造及び接合方法について、この第1実施形態との相違点に注目して説明する。
図4は、本発明の第2実施形態の接合構造を示す平面図と断面図である。図4(A)には、第2実施形態の接合構造の平面図が示されており、図4(B)には、図4(A)中のV21−V21断面を表す断面図が示されている。また、図5は、図4に示されている接合構造を示す斜視図である。尚、図4及び図5では、上述した図2及び図3に示されている構成要素と同等な構成要素については、図2及び図3と同じ符号が付されており、以下ではそれら同等な構成要素の重複説明を割愛する。
図4及び図5に示されている第2実施形態の接合構造200では、第2のプレキャストコンクリート部材120に、第1実施形態の接合構造100における凹部122に相当する構造が設けられていない。第2実施形態の接合構造200では、貫通孔211は、第2のプレキャストコンクリート部材120の表裏にわたって貫通して設けられており、第2のプレキャストコンクリート部材120の外面に直に開口している。そして、そのように開口した貫通孔211の縁の両脇に、モルタル125の注入口212と排出口213が設けられ、これら注入口212及び排出口213も第2のプレキャストコンクリート部材120の外面に直に開口している。
立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材110の上端縁111から突出して貫通孔211を貫通したPC鋼棒112の端部112aに緊張力を付与しつつ、貫通孔211の縁との間にアンカープレート123を介在させてナット124が締結される。アンカープレート123は、第2のプレキャストコンクリート部材120の外面に直に当接する形で貫通孔211の縁に当接する。また、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、PC鋼棒112の端部112aに対する緊張力の付与は、ナット124の締結それ自体によって行われる。
本実施形態では上記のように凹部122に相当する構造が設けられていないので、モルタル125は、貫通孔121とPC鋼棒112の端部112aとの間と注入口212及び排出口213のみを満たすように注入される。そして、完成したカルバート構造体では、アンカープレート123、ナット124、及びPC鋼棒112の端部112aの余長部分が外部に突出した状態となる。
また、第2実施形態の接続方法は、上記のように凹部122に相当する構造が設けられていないので、モルタル125の注入工程が、排出口127からモルタル125が溢れだすまでモルタル125が注入口126から注入された時点で終了する。これ以外は、上述した第1実施形態の接続方法と同等な手順で行われる。
以上に説明した第2実施形態の接続構造200及び接続方法によっても、上述した第1実施形態の接続構造100及び接続方法と同様に、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができることはいうまでもない。
次に、本発明の第3実施形態の接合構造及び接合方法について説明する。尚、第3実施形態は、頂板としての第2のプレキャストコンクリート部材における貫通孔の形状が上述した第1実施形態とは異なっている。以下では、第3実施形態の接合構造及び接合方法について、この第1実施形態との相違点に注目して説明する。
図6は、本発明の第3実施形態の接合構造を、図2(B)と同様の断面で示す図である。尚、図6では、上述した図2に示されている構成要素と同等な構成要素については、図2と同じ符号が付されており、以下ではそれら同等な構成要素の重複説明を割愛する。
図6に示されている第3実施形態の接合構造300では、第2のプレキャストコンクリート部材120に設けられた凹部122の底122a(図3参照)に開口する貫通孔311が、その開口側の縁から第1のプレキャストコンクリート部材110の方に向かって窄まった形状を有している。この貫通孔311の内面の、奥行き方向の勾配は、内部に注入、充填されるモルタル125の付着と、PC鋼棒112の端部112aの引抜け耐力を向上させる目的で設けられており、3〜10%(概ね5%)の勾配となっている。
また、貫通孔311は、凹部122の底122aに、アンカープレート123が当接して係止する部分を残して開口しており、さらに、その開口の一部がアンカープレート123から外れてモルタル125の注入口及び排出口となっている。モルタル125は、貫通孔311とPC鋼棒112の端部112aとの間と、凹部122の中に注入、充填される。また、本実施形態でも、PC鋼棒112の端部112aへの緊張力の付与は、ナット124の締結それ自体によって行われる。
また、第3実施形態の接続方法については、上述した第1実施形態の接続方法と同等な手順で行われるので重複説明を割愛する。
以上に説明した第3実施形態の接続構造300及び接続方法によっても、上述した第1実施形態の接続構造100及び接続方法と同様に、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部の開きが生じ難いカルバート構造体を得ることができることはいうまでもない。
また、第3実施形態の接続構造300及び接続方法によれば、上記のように窄まった形状の貫通孔311に充填されたモルタル125が、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部を開かせるような荷重に対して抵抗する働きをする。これにより、PC鋼棒112の端部112aの引抜け耐力が向上されて、上記の接合部が一層開き難くなる。
次に、上述した第3実施形態の接続構造300を例に挙げて、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部を開かせるような荷重に対して高い耐性が得られることを検証した検証実験について説明する。
図7は、接続構造に対する検証実験の模様を示す模式図である。この図7に示されているように、検証実験では、図6に示されている第3実施形態の接続構造300が、検証対象として供される。この検証実験では、第3実施形態の接続構造300における2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部に、この接合部にどれだけ開きが生じたか、即ち接合部における開口変位を検出する開きセンサM1が取り付けられる。開きセンサM1としては、パイ型変位計が採用されている。そして、第1のプレキャストコンクリート部材110から十分に離れた位置で、第2のプレキャストコンクリート部材120に静的な曲げ載荷重F1を加える静的な曲げ載荷試験が行われる。
ここで、この検証実験では、第3実施形態の接続構造300と比較するために、次のような2つの比較例の接続構造についても同様の曲げ載荷試験が行われる。
図8は、第1比較例の接続構造を、図6と同様の断面で示す図であり、図9は、第2比較例の接続構造を、図6と同様の断面で示す図である。尚、図8及び図9では、図6と同様の構成要素については、図6と同じ符号が付されており重複説明を省略する。
図8に示されている第1比較例の接続構造400は、2つのプレキャストコンクリート部材110,120それぞれの鉄筋401,402を、各端縁から突出させ、設置現場で両者を重ね合せるとともに現場打ちコンクリート403で固める重ね継手による接続構造である。また、図9に示されている第2比較例の接続構造500は、2つのプレキャストコンクリート部材110,120それぞれの鉄筋501,502を、高強度の特殊モルタルを充填した継手スリーブ503の内部に挿入して繋ぐ機械式鉄筋継手による接続構造である。
第1及び第2比較例の接続構造400,500は、何れも現場打ちコンクリートや特殊モルタルが所定の強度に達するまではある程度の養生期間を要する。これに対し、図6に示されているものを含む第1〜第3実施形態の接続構造100,200,300は、何れもPC鋼棒112の端部112aに対する緊張力の付与と、アンカープレート123を介したナット124の締結によって、モルタル125の養生を待たずとも直ぐに十分な接合強度を得ることができる。このように、第1〜第3実施形態の接続構造100,200,300は、何れも第1及び第2比較例の接続構造400,500に対して、まず、工期短縮の点で有利である。
また、第1比較例の接続構造400では、2つのプレキャストコンクリート部材110,120と現場打ちコンクリート403との間のヤング係数や収縮特性の違いから、両者間にひび割れが生じる恐れがあり、品質管理や維持管理の徹底が要求される場合が多い。これに対し、第1〜第3実施形態の接続構造100,200,300は、何れもこのような現場打ちコンクリートを用いないことから、品質管理や維持管理の容易さの点でも有利である。
また、第2比較例の接続構造500では、特殊モルタルや継手スリーブ503等といった継手資材が高価であること、継手スリーブ503内に確実に鉄筋501,502を挿入しなければならず、その観点から設計上不利であること、また、施工時には特殊モルタルの充填作業者(資格保有の特殊作業員)が必要になる等、製造・施工を通じて作業性や経済性の点での問題が見られる場合がある。これに対し、第1〜第3実施形態の接続構造100,200,300は、何れも上記のような高価な資材や特殊作業員を必要としないことから、作業性や経済性の点でも有利である。
そして、第3実施形態の接続構造300を代表例とした静的な曲げ載荷試験による検証実験で次のように裏付けられるように、接合強度の点でも、第1〜第3実施形態の接続構造100,200,300は、第1及び第2比較例の接続構造400,500に対して有利である。
図10は、図6に示されている第3実施形態の接続構造、図8に示されている第1比較例の接続構造、及び図9に示されている第2比較例の接続構造のそれぞれに対する静的な曲げ載荷試験の試験結果を示すグラフである。
静的な曲げ載荷試験では、静的な曲げ載荷重F1(図7参照)を変化させつつ、各荷重に対して開きセンサM1で接合部の開口変位を検出した。図10に示されているグラフG1では、縦軸に荷重(kN)がとられ、横軸に開口変位(mm)がとられている。そして、第3実施形態の接続構造300における開口変位が黒丸印でプロットされ、重ね継手を用いた第1比較例の接続構造400における開口変位が黒三角印でプロットされ、機械式鉄筋継手を用いた第2比較例の接続構造500における開口変位が黒四角印でプロットされている。また、このグラフG1には、各接続構造300,400,500を適用したカルバート構造体の設置場所において、常時掛かると想定される荷重と、レベル1(L1)地震振動時に掛かると想定される荷重と、レベル2(L2)地震振動時に掛かると想定される荷重と、がそれぞれ点線で示されている。
この図10のグラフG1から、第3実施形態の接続構造300では、荷重の増加に対する開口変位の増大が、第1及び第2比較例の接続構造400,500に対して大幅に抑制されていることが分かる。このことから、基本的に同じ構造を有する第1及び第2実施形態の接続構造100,200でも、第1及び第2比較例の接続構造400,500に対して同様に荷重の増加に対する開口変位の増大が抑制されることが分かる。つまり、第1〜第3実施形態の接続構造100,200,300によれば、2つのプレキャストコンクリート部材110,120の接合部を開かせるような荷重に対して高い耐性が得られることとなる。
なお、前述した第1〜第3実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の接続構造及び接続方法の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、第1〜第3実施形態の接続構造100,200,300や接続方法が適用されるカルバート構造体の一例として、図1に示されている単ボックス形状のカルバート構造体1や、多径間ボックス形状のカルバート構造体2が例示されている。しかしながら、本発明の接続構造や接続方法が適用されるカルバート構造体は、これらに限られるものではなくその具体的な形状を問うものではない。即ち、図1に示されているカルバート構造体1,2は何れも直管状のカルバート構造体であるが、適用対象のカルバート構造体は、例えば上面視で略平行四辺形の形状を有する斜角形状のカルバート構造体等であってもよい。
図11は、斜角形状のカルバート構造体の頂板をなすプレキャストコンクリート部材の一例を示す模式図である。この図11のプレキャストコンクリート部材31は、上面視で略平行四辺形の形状を有する他は、図1に示されている第2のプレキャストコンクリート部材12,22と同様のスラブ形状の部材である。そして、不図示の立壁の端縁と重なる部分には、その立壁から突出したPC鋼棒の端縁が貫通する貫通孔31aが設けられている。
このような斜角形状のカルバート構造体を含む種々の形状のカルバート構造体に、本発明の接続構造や接続方法は適用し得る。
また、上述した第1〜第3実施形態では、何れも、本発明にいう一方の部材の一例として立壁としての第1のプレキャストコンクリート部材11,21,110が例示され、本発明にいう他方の部材の一例として頂板としての第2のプレキャストコンクリート部材12,22,120が例示されている。しかしながら、本発明にいう一方の部材及び他方の部材は、これらに限るものではなく、カルバート構造体おいて互いに組み合わされる2つのプレキャストコンクリート部材であれば、何れが本発明にいう一方の部材であってもよく、何れが本発明にいう他方の部材であってもよい。
また、上述した第1〜第3実施形態では、何れも、本発明にいう締結部材の一例としてナット124が例示されている。しかしながら、本発明にいう締結部材は、これに限るものではなく、例えば貫通孔と定着棒材の間に打ち込まれるクサビ等であってもよい。
また、上述した第1〜第3実施形態では、何れも、本発明にいう押圧部材の一例として矩形板状のアンカープレート123が例示されている。しかしながら、本発明にいう押圧部材は、これに限るものではなく、緊張力に対する反力を締結部材から受けることで押圧力を発揮するものであればその具体的な形状等を問うものではない。
また、上述した第1〜第3実施形態では、何れも、本発明にいう充填材の一例としてモルタル125が例示されている。しかしながら、本発明にいう充填材は、これに限るものではなく、例えば樹脂系の接着剤等であってもよい。
1,2 カルバート構造体
11,21,110 第1のプレキャストコンクリート部材(一方の部材の一例)
11a,21a,111 上端縁
11b,21b,112 PC鋼棒(定着棒材の一例)
12,22,120 第2のプレキャストコンクリート部材(他方の部材の一例)
12a,22a,23a,31a,121,211,311 貫通孔
100,200,300 接合構造
112a 端部
122 凹部
122a 底
123 アンカープレート(押圧部材の一例)
124 ナット(締結部材の一例)
125 モルタル(充填材の一例)
126,212 注入口
127,213 排出口

Claims (5)

  1. 複数のプレキャストコンクリート部材が組み合わされて構成されるカルバート構造体において2つのプレキャストコンクリート部材を互いに接合する接合構造であって、
    前記2つのプレキャストコンクリート部材のうち、一方の部材は鋼製の定着棒材を内蔵するとともに該定着棒材における少なくとも端部にはネジが切られていて当該端部が他方の部材に向かって突出し、
    前記他方の部材には、前記定着棒材の前記端部が貫通する貫通孔が設けられており、
    前記定着棒材の前記端部のネジに対する螺合によって当該端部に締結されるとともに、締結時の締付けトルクによって前記定着棒材に軸方向の緊張力を付与する締結部材と、
    前記貫通孔における前記一方の部材とは反対側の縁と前記締結部材との間に介在して、前記緊張力に対する反力を前記締結部材から受けることで前記他方の部材を前記一方の部材に押圧する押圧部材と、
    前記貫通孔と前記定着棒材の前記端部との間に注入される充填材と、
    を備え
    前記貫通孔に前記充填材を注入するための注入口と、前記貫通孔の内部に充填された後の余剰な前記充填材を溢れ出させるための排出口と、のそれぞれが、前記貫通孔に繋がるとともに前記押圧部材による押圧位置から少なくとも一部が外れた位置になるように、前記他方の部材に設けられており、
    前記他方の部材の外面に対する平面視で、前記注入口及び前記排出口それぞれにおいて前記押圧位置から外れた部分と前記押圧部材とが、前記注入口及び前記排出口それぞれにおける前記外れた部分の相互間に前記押圧部材を挟んで並んでいることを特徴とする接合構造。
  2. 前記一方の部材が立壁であって、該立壁における上端縁から、前記定着棒材の前記端部が突出しており、
    前記他方の部材が、前記立壁の前記上端縁上に配置される頂板であり、前記上端縁と重なる部分に、前記頂板の厚み方向に貫通して前記貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の接合構造。
  3. 前記貫通孔における前記反対側の縁の周囲は、前記他方の部材における外面よりも窪んだ凹部となっており、該凹部の底に前記貫通孔が開口しており、
    前記押圧部材及び前記締結部材は前記凹部に収容されて設けられ、該凹部には、前記押圧部材及び前記締結部材を覆って前記充填材が充填されることを特徴とする請求項1又は2のうち何れか一項に記載の接合構造。
  4. 前記貫通孔は、その深さ方向について、少なくとも一部が、前記反対側の縁から前記一方の部材の方に向かって窄まった形状を有していることを特徴とする請求項1〜のうち何れか一項に記載の接合構造。
  5. 複数のプレキャストコンクリート部材が組み合わされて構成されるカルバート構造体において2つのプレキャストコンクリート部材を互いに接合する接合方法であって、
    前記2つのプレキャストコンクリート部材のうち、一方の部材は鋼製の定着棒材を内蔵するとともに該定着棒材における少なくとも端部にはネジが切られていて当該端部が他方の部材に向かって突出し、
    前記他方の部材には、前記定着棒材の前記端部が貫通する貫通孔が設けられており、
    前記貫通孔を前記定着棒材の前記端部が貫通するように、前記2つのプレキャストコンクリート部材を組み合わせる組立て工程と、
    前記貫通孔における前記一方の部材とは反対側の縁との間に、前記他方の部材を前記一方の部材に押圧する押圧部材を介在させて、前記貫通孔を貫通した前記定着棒材の前記端部のネジに対する螺合によって当該端部に締結されるとともに、締結時の締付けトルクによって前記定着棒材に軸方向の緊張力を付与し、前記押圧部材に、前記緊張力に対する反力を前記締結部材から受けることで前記他方の部材を前記一方の部材に押圧させるプレストレス工程と、
    前記貫通孔と前記定着棒材の前記端部との間に充填材を注入する注入工程と、
    を備え
    前記貫通孔に前記充填材を注入するための注入口と、前記貫通孔の内部に充填された後の余剰な前記充填材を溢れ出させるための排出口と、のそれぞれが、前記貫通孔に繋がるとともに前記押圧部材による押圧位置から少なくとも一部が外れた位置になるように、前記他方の部材に設けられており、
    前記プレストレス工程では、前記他方の部材の外面に対する平面視で、前記注入口及び前記排出口それぞれにおいて前記押圧位置から外れた部分と前記押圧部材とが、前記注入口及び前記排出口それぞれにおける前記外れた部分の相互間に前記押圧部材を挟んで並ぶように当該押圧部材が配置されることを特徴とする接合方法。
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