JP4956471B2 - プレキャストパネルおよび防護構造 - Google Patents

プレキャストパネルおよび防護構造 Download PDF

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本発明は、プレキャストパネルおよびこのプレキャストパネルを利用した防護構造に関する。
老朽化したトンネルについて、既存のトンネル覆工(既設の覆工)に沿って新規のセグメント(プレキャストパネル)を組み立てて、このセグメントと既設の覆工との間に裏込めコンクリートを打設することにより補強を行う場合がある。
このようなセグメントの組立ては、セグメントの端面同士を突き合わせた状態で両セグメントに跨って配設されたボルトを締め付けることにより行うのが一般的である。
ところが、ボルトの固定時に使用するボルトボックスが、セグメントに形成されているため、トンネルの内壁面に凹凸が形成されるという問題点を有していた。
また、ボルトナット等を利用したセグメントリング同士の組立ては、多数のボルトを締め付ける作業に手間がかかるという問題点を有していた。
そのため、本出願人は、例えば特許文献1に示すように、所定の間隔をあけて配設されたプレキャストパネル同士を、この間隔に充填された充填材により接合する接合構造であって、両プレキャストパネルの端面には孔あき鋼板プレートが突設されていて、この孔あき鋼板プレートが充填材に埋設されることで強固に連結される接合構造を開発し、実用化に至っている。これにより、簡易な施工により表面に凹凸が形成されることがないプレキャストパネル同士の接合を行うことが可能となる。
特開2005−226246号公報
ところが、特許文献1に記載の接合構造は、接合部における充填材の充填に型枠を設置する必要があり、供用中の鉄道トンネルや道路トンネルの防護構造等に適用する際には、型枠が建築限界を侵すことなどにより、適用できない場合があった。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、施工時においても表面側に突出部分が発生することがなく、簡易かつ早期に組み立てることが可能なプレキャストパネルと、このプレキャストパネルを利用した防護構造を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のプレキャストパネルは、板状の本体部と、前記本体部の一端に形成されたオス側継手部と、前記本体部の他端に形成されたメス側継手部と、を有するプレキャストパネルであって、前記オス側継手部には、前記本体部の裏面よりも外側において孔あき鋼板ジベルが突設されおり、前記メス側継手部には、前記孔あき鋼板ジベルが貫通可能な形状の開口部が前記孔あき鋼板ジベルに対応する位置に形成されていることを特徴としている。
かかるプレキャストパネルは、オス側継手部の孔あき鋼板ジベルをメス側継手部の開口部に貫通させることにより、プレキャストパネル同士の連結が完了するため、簡易かつ早期に作業を行うことができる。
また、孔あき鋼板ジベルは、本体部よりも背面側に配設されるため、表面側に突出部が形成されることがなく、供用中のトンネルの防護構造として使用した場合であっても、内空断面への影響を最小限に抑えることができる。
また、前記プレキャストパネルの前記本体部が、繊維補強セメント系混合材料により構成されていれば、部材の薄肉化が可能となる。
また、本発明の防護構造は、既設の覆工面に沿って請求項1または請求項2に記載のプレキャストパネルを複数連結することにより形成された新設覆工と、前記新設覆工の背面に注入された裏込め材と、を備えることを特徴としている。
かかる防護構造によれば、孔あき鋼板ジベルが裏込め材に埋設されることにより、裏込め材とプレキャストパネルとが一体となって覆工構造として必要な強度を発現する。そのため、プレキャストパネル自体の薄肉化が可能となり、搬送時および施工時の取り扱いが容易となる。
また、前記防護構造において、前記セグメントの下端が、インバートに設けた固めコンクリートに固定されていてもよい。
本発明のプレキャストパネルおよび防護構造によれば、施工時においても表面側に突出部分が発生することがなく、簡易かつ早期に組み立てることが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
本実施形態では、図1に示すように、老朽化したトンネルの内空にプレキャストパネルを組み立てて補強を行う防護構造について説明する。
本実施形態に係る防護構造Aは、トンネルTの既設の覆工T1の表面に沿って形成された新設覆工1と、新設覆工1の背面に注入された裏込め材2と、新設覆工1の下端を固定する固めコンクリート3と、を備えて構成されている。
新設覆工1は、プレキャストパネル10を複数連結することにより形成されている。
このプレキャストパネル10は、図2に示すように、板状の本体部11と、本体部11の一端に形成されたオス側継手部12と、本体部11の他端に形成されたメス側継手部13と、を有している。
本体部11は、所定の厚みを有して形成された板状部材であって、繊維補強セメント系混合材料により構成することで、薄肉化が図られている。
なお、本体部11の部材厚は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。また、本体部11を構成する材料は繊維補強セメント系材料に限定されるものではなく、例えば、鉄筋コンクリートを使用するなど、適宜公知の材料から選定して使用することが可能である。
本実施形態では、本体部11を、トンネルTの形状に応じた曲率の円弧面状に形成する。
また、本体部11のトンネル軸方向の端面には、本体部11同士をトンネル軸方向で接続するための継手部11aが形成されている。
本実施形態では、トンネル軸方向に譲り合う本体部11同士をピン接合するものとし、ピン挿入孔からなる継手部11aが本体部11に形成されている。なお、継手部11aの構成や箇所数等は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、継手部11aは必要に応じて設置すればよく、必ずしも有してなくてもよい。
オス側継手部12は、本体部11のトンネルTの周方向の一端において、本体部11の裏面側(図2において上側)に突出するように形成された部分である。オス側継手部12は、繊維補強セメント系材料からなり、本体部11と一体に形成されている。
オス側継手部12は、断面台形状に形成されており、トンネル周方向の端面から孔あき鋼板ジベル14が突設している。
孔あき鋼板ジベル14は、複数の貫通孔14aが形成された鋼板であって、一方の端部が、台形状のオス側継手部12に埋設されている。本実施形態では、孔あき鋼板ジベル14が2枚配設されている。また、孔あき鋼板ジベル14の突出部分には、二つの貫通孔14a,14aが形成されている。
なお、孔あき鋼板ジベル14の枚数は限定されるものではなく適宜設定することが可能である。また、孔あき鋼板ジベル14に形成された貫通孔14aの数、間隔、大きさ、形状等も限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
メス側継手部13は、平板状に形成されており、本体部11のトンネル周方向のオス側継手部12と反対側の端部において、本体部11の裏面側に立設するように形成されている。メス側継手部13は、繊維補強セメント系材料からなり、本体部11と一体に形成されている。
また、メス側継手部13には、図2および図3に示すように、オス側継手部12の孔あき鋼板ジベル14に対応する位置に、孔あき鋼板ジベル14を貫通することが可能な開口部13aが形成されている。開口部13aは、孔あき鋼板ジベル14の断面積よりも若干大きな開口面積を有している。
プレキャストパネル10同士の連結は、図3(a)および(b)に示すように、隣接する他のプレキャストパネル10の開口部13aに孔あき鋼板ジベル14を挿入することにより行う。
さらに、図3(c)に示すように、プレキャストパネル10同士を連結することにより形成された新設覆工1の背面に裏込め材2を注入することにより、裏込め材2が、孔あき鋼板ジベル14の貫通孔14aを貫通した状態で硬化するため、裏込め材2と新設覆工1との一体化が実現される。
固めコンクリート3は、図1に示すように、トンネルTのインバートT2の側部(内空面内において下端角部)に形成された、新設覆工1の脚部である。
固めコンクリート3は、図4(a)に示すように、トンネル軸方向に沿って形成されており、上面に孔あき鋼板ジベル14を挿入するためのジベル挿入穴30が所定の間隔で複数形成されている。
プレキャストパネル10は、孔あき鋼板ジベル14が固めコンクリート3のジベル挿入穴30に挿入されることで、固めコンクリート3に固定される。
ジベル挿入穴30は、図4(b)に示すように、孔あき鋼板ジベル14の挿入が可能な形状に形成された矩形状の穴本体部31と、穴本体部31に沿って形成された半円状の注入穴32とにより構成されている。
注入穴32は、穴本体部31に孔あき鋼板ジベル14を挿入した状態で、固化材をジベル挿入穴30へ注入するために設けられたものであり、穴本体部31と連通している。孔あき鋼板ジベル14が挿入されたジベル挿入穴30に注入穴32を介して固化材が穴本体部31に注入されて固化することで、固めコンクリート3とプレキャストパネル10との一体化が行われる。
なお、固めコンクリートを構成する材料は限定されるものではなく、鉄筋コンクリート、無筋コンクリート等、適宜公知の材料から形成することが可能である。また、ジベル孔の形状や配置等も限定されるものではなく、プレキャストパネル10の構成に応じて適宜設定することが可能である。また、固めコンクリートは、現場施工により形成してもよいし、プレキャスト部材を使用してもよい。
裏込め材2は、プレキャストパネル10を組み立てることにより形成された新設覆工1と既設の覆工T1との間に形成された空間に充填されるものであって、本実施形態ではコンクリートを使用する。
なお、裏込め材2を構成する材料は、新設覆工1と既設の覆工T1との間に形成された空間に充填されることが可能な、流動性を有した材料であれば限定されるものではなく、例えば、繊維補強セメント系材料、グラウト、モルタル等、適宜公知の材料の中から選定して採用すればよい。
裏込め材2を充填することにより、裏込め材2が孔あき鋼板ジベル14の貫通孔14aに入り込むとともに、固めコンクリート3のジベル挿入穴30に入り込む。そして、裏込め材2が硬化することで、新設覆工1、裏込め材2、固めコンクリート3の一体化が行われる。
ここで、既設の覆工T1に予め後施工アンカーを打設しておくことにより、既設の覆工T1と防護構造Aとの一体化を図ることができる。
次に図面を参照して、本実施形態に係る防護構造の構築方法について説明する。
本実施形態に係る防護構造の施工は、(1)固めコンクリート作成工程と、(2)プレキャストパネル組立て工程と、(3)裏込め材充填工程と、により行う。
(1)固めコンクリート作成工程
固めコンクリート作成工程は、図4に示すように、インバートT2に固めコンクリート3を構築する工程であって、設計された固めコンクリート3の形状に応じて図示しない型枠を配設し、コンクリートを打設することにより行う。
このとき、根固めコンクリート3の上面に開口するジベル挿入穴30が、既設の覆工T1から所定長離れた位置に形成されるように、型枠を配置しておく。
(2)プレキャストパネル組立て工程は、既設の覆工T1の表面に沿って、プレキャストパネル10を組み立てて、新設覆工1を形成する工程である。
新設覆工1は、図4(a)に示すように、まず、最下段に配置されるプレキャストパネル10の孔あき鋼板ジベル14を固めコンクリート3のジベル孔30に挿入し、プレキャストパネル10を固めコンクリート3の上面に載置する。
最下段のプレキャストパネル10を配置したら、図5に示すように、最下段のメス側継手部13の端面と、二段目のプレキャストパネル10のオス側継手部12の端面とを突き合わせるとともに、最下部のプレキャストパネル10のメス側継手部13の開口部13aに、二段目のプレキャストパネル10の孔あき鋼板ジベル14を挿入する。孔あき鋼板ジベル14は、最下段のプレキャストパネル10の本体部11と隙間をあけて対向している。同様に順次プレキャストパネル10を継ぎ足していくことにより新設覆工1を組み立てる。
開口部13aは、孔あき鋼板ジベル14より若干大きく形成されているため、開口部13aに孔あき鋼板ジベル14を挿入すると、その周囲に隙間が形成される。そのため、プレキャストパネル10の組み立て時にこの隙間を利用してプレキャストパネル10同士のずれやプレキャストパネル10の方向の修正を行うことが可能となる。
プレキャストパネル10同士の突合せ部に、図示しないシール材を配置することにより、裏込め材2の充填時に突合せ部からの裏込め材2の流出を防止することが可能である。
なお、プレキャストパネル10の組立てに先立ち、既設の覆工T1に図示しない後施工アンカーを設置しておき、この後施工アンカーを利用して、プレキャストパネル10の仮固定を行ってもよい。
また、プレキャストパネル10の組立て時に、支保工を組み立ててもよい。この場合において、支保工を利用してプレキャストパネル10の仮位置決めを行うことも可能である。
また、プレキャストパネル10の組立て時に、トンネルTの軸方向に隣接するプレキャストパネル10と、両プレキャストパネル10の継手部11aに跨ってピンを配置することで、トンネルTの軸方向の連結も行う。
プレキャストパネル10の組立ては、図6(a)および(b)に示すように、トンネルTの断面に対して左右から行い、頂点においてキーパネル15をトンネル軸方向から挿入し、新設覆工1を形成する。
キーパネル15は、板状の本体部11と本体部11の両端に形成されたメス側継手部13,13とを備えた部材であって、繊維補強セメント系材料により形成されたプレキャスト部材である。なお、本体部11およびメス側継手部13の詳細は、プレキャストパネル10で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
キーパネル15は、図6(b)に示すように、隣接する左右のプレキャストパネル10,10と、孔あき鋼板ジベル14’を介して連結されている。
プレキャストパネル10とキーパネル15との連結は、図7(a)に示すように、互いのメス側継手部13を突き合わせた状態で、両メス側継手部13,13の開口部13a,13aに跨った状態で孔あき鋼板ジベル14’を貫通させる。このとき、孔あき鋼板ジベル14’の挿入は、トンネルTの妻側から、作業員が手を挿入して行えばよい。
なお、キーパネル15として、他のプレキャストパネル10と同様に、一端にオス側継手部12、他端にメス側継手部13を有したものを使用することで、鋼板ジベル14’による接合を、他端側のみで行ってもよい。
(3)裏込め材充填工程
裏込め材充填工程は、図1に示すように、キーパネル15を設置することで組み立てられた新設覆工1の背面に裏込め材2を充填する工程である。
本実施形態では、裏込め材2の充填を、妻側から行うものとするが、裏込め材2の充填方法は限定されるものではない。なお、裏込め材2の充填は、新設覆工1の端部に図示しない妻型枠を設置した状態で行い、この妻型枠には、裏込め材2を注入するための注入孔が形成されている。
裏込め材2を新設覆工1の背面に充填することにより、裏込め材2がプレキャストパネル10(キーパネル15)を連結する孔あき鋼板ジベル14(14’)の貫通孔14a内にも充填される。そして、裏込め材2が硬化することにより、新設覆工1と裏込め材2との一体化が実現される。
また、裏込め材2を新設覆工1の背面に充填することにより、充填材2が固めコンクリート3の注入穴32からジベル挿入穴30に浸入し、孔あき鋼板ジベル14とジベル挿入穴30との隙間が充填される。そして、裏込め材2が硬化することにより、新設覆工1と固めコンクリート3とが一体化し、新設覆工1が固定される。
なお、孔あき鋼板ジベル14とジベル挿入穴30との隙間への固化剤の充填は、最下段のプレキャストパネル10を固めコンクリート3に設置した時点で行ってもよく、そのタイミングは限定されるものではない。
裏込め材2の充填が完了し、硬化することにより、既設のトンネルTの防護構造Aが完成する。
以上、本実施形態に係る防護構造Aによれば、孔あき鋼板ジベル14を介して、新設覆工1の組立ておよび新設覆工1と裏込め材2との一体化がなされるため、防護構造Aとして、新設覆工1と裏込め材2とが一体となって強度を発現する。
そのため、プレキャストパネル10(キーパネル15)の薄肉化を図ることが可能となり、経済的に優れている。
また、プレキャストパネル10の薄肉化が実現されることで、プレキャストパネル10が取り扱いやすくなり、施工性の向上を図ることが可能となる。したがって、簡易かつ早期に施工を行うことができる。
また、プレキャストパネル10を構成する材料として、剛性に優れた繊維補強セメント系材料を使用しているため、更なる薄肉化を図ることが可能となる。
プレキャストパネル10同士の接合は、背面側に突設された孔あき鋼板ジベル14をメス側継手部13に貫通させることにより行うため、防護構造Aの表面に突起物が形成されることがない。そのため、トンネルの内空断面(建築限界等)への影響を最小限に抑えることが可能となる。そのため、老朽化した供用中の鉄道トンネルや道路トンネルなどの補強に好適に採用することができる。
プレキャストパネル10同士の固定は、裏込め材2を背面に充填することにより行われるため、ボルト接合等のプレキャストパネル10を固定するために要する手間を省略することが可能となる。
新設覆工1は、孔あき鋼板ジベル14を介して応力が伝達されるため、優れた耐力を有している。
また、孔あき鋼板ジベル14は、裏込めコンクリート2内に埋設されるため、腐食することがない。そのため、別途、腐食防止の作業を行う必要がなく、経済的に優れているとともに、メンテナンスの手間を省略することが可能となる。
また、プレキャストパネル10も繊維補強セメント系材料により形成されているため、腐食することがない。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、本発明のプレキャストパネルの使用用途は、既設の構造物の内面に設置する場合に限定されるものではなく、例えば新設の地下構造物のセグメント(防護工)等として使用することも可能である。この場合において、比較的部材厚が薄いプレキャストパネルと裏込め材とが一体となって強度を発現するため、掘削断面積を小さくすることが可能となり、建設コストを大幅に削減することが可能となる。
また、プレキャストパネルを構成する材料は、繊維補強セメント系材料に限定されるものではなく、鋼材、ステンレス材、コンクリートなど、用途に応じて適宜選択して使用すればよい。
例えば、プレキャストパネルとして、セメント系の材料を使用する変わりに、図8に示すように、スチールパネル40を使用してもよい。
スチールパネル40には、前記実施形態で説明したプレキャストパネル10と同様に、板状の本体部41と、本体部41の一端に形成されたオス側継手部42と、本体部41の他端に形成されたメス側継手部43とを有しており、オス側継手部42には、孔あき鋼板ジベル14が溶接接合されている。
スチールパネル40による新設覆工1の形成は、メス側継手部43の開口部43aにオス側継手部42に突設された孔あき鋼板ジベル14を挿入することにより行う。なお、スチールパネル40を利用した防護構造の構築方法は、前記実施形態で示した方法と同様なため、詳細な説明は省略する。
また、想定される防護構造Aに作用する応力に対して、裏込め材2のせん断抵抗が弱い場合には、図9(a)に示すように、補強鉄筋Rを配筋してもよい。この場合において、補強筋Rを、孔あき鋼板ジベル14の貫通孔14aを利用すれば、補強筋Rの位置決めや配置等の配筋作業を容易に行うことが可能となる。補強筋Rの配筋は、新設覆工1(トンネルT)の周方向に限定されるものではなく、軸方向に配筋してもよい。
また、孔あき鋼板ジベル14の貫通孔14aに充填された充填材2のせん断抵抗が低いと予想される場合には、図9(b)に示すように、孔あき鋼板ジベル14の長さ(突出長)Lを長くすることにより、抵抗力を補う構成としてもよい。
ここで、孔あき鋼板ジベル14の抵抗力は、鋼板の厚さ、鋼板の長さ(突出長)L、貫通孔の内径、鋼板の幅、貫通孔の数等により算出する。
また、本発明に係る防護構造は、トンネルの補強に限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、地下タンク(立坑)T’のセグメントBとしても適用可能である。
本発明の好適な実施形態に係る防護構造を示す断面図である。 本発明の好適な実施形態に係るプレキャストパネルを示す斜視図である。 図1に示す防護構造のプレキャストパネルの連結構造を示す図であって、(a)は連結前の状況を示す斜視図、(b)は連結状況を示す斜視図、(c)は充填材の充填後の状況を示す断面図である。 図1に示す防護構造の固めコンクリートを示す図であって、(a)は斜視図、(b)はジベル挿入穴を示す斜視図である。 図1に示す防護構造の施工状況を示す斜視図である。 (a)および(b)は図1に示す防護構造のキーパネルの設置状況を示す断面図である。 キーパネルの設置方法を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 (a)は本発明に係るプレキャストパネルの変形例を示す斜視図、(b)および(c)は(a)に示すプレキャストパネルの連結方法を示す斜視図である。 (a)は本発明に係る防護構造の変形例を示す断面図であって、(b)本発明に係るプレキャストパネルの他の変形例を示す断面図である。 本発明に係る防護構造の他の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 新設覆工
10 プレキャストパネル
11 本体部
12 オス側継手部
13 メス側継手部
13a 開口部
14 孔あき鋼板ジベル
2 裏込め材
固めコンクリート
A 防護構造
T トンネル
T1 既設の覆工
T2 インバート

Claims (4)

  1. 板状の本体部と、
    前記本体部の一端に形成されたオス側継手部と、
    前記本体部の他端に形成されたメス側継手部と、を有するプレキャストパネルであって、
    前記オス側継手部には、前記本体部の裏面よりも外側において孔あき鋼板ジベルが突設されおり、
    前記メス側継手部には、前記孔あき鋼板ジベルが貫通可能な形状の開口部が前記孔あき鋼板ジベルに対応する位置に形成されていることを特徴とする、プレキャストパネル。
  2. 前記本体部が、繊維補強セメント系混合材料からなることを特徴とする、請求項1に記載のプレキャストパネル。
  3. 既設の覆工面に沿って請求項1または請求項2に記載のプレキャストパネルを複数連結することにより形成された新設覆工と、
    前記新設覆工の背面に注入された裏込め材と、を備えることを特徴とする防護構造。
  4. 前記新設覆工の下端が、インバートに設けた固めコンクリートに固定されていることを特徴とする、請求項3に記載の防護構造。
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