JP5308116B2 - トンネルの構築方法 - Google Patents
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Description
本発明は、都市部や地盤の弱い場所に、地下鉄や道路などに使用するトンネルを構築するトンネルの構築方法、及びトンネルの構造に関するものである。
従来、地盤を掘削して地中に空洞を形成するに際して、地表面の沈下などを抑えるために、複数の鋼管を先行して地中に向けて押し込んで断面視コ字形のパイプルーフを構築し、そのパイプルーフで保護された内側の地盤を、剛性の高い連続地中壁や支持杭などの支保工によって支持しながら掘削する方法が知られている(特許文献1など参照)。
また、特許文献2には、線形に曲線部が含まれるトンネルを構築するために開発された曲線パイプルーフ工法が開示されている。
さらに、特許文献3,4には、地盤の弱い場所にトンネルを掘削する際に、前方掘削面の崩落を防ぐために、長尺の先受け鋼材を掘進方向に向けて放射状に打設して対処する方法が開示されている。
しかしながら、平屋根状のパイプルーフを構築した場合、そのパイプルーフに作用する荷重をすべて支保工で支持させなければならないので、支保工が大掛りになって内部掘削の支障になったり、工事費が高くなったりする原因になっていた。また、隣接するパイプルーフ同士を継手などで連結させる場合、連結部の拘束力が強く、曲線部を設けることが難しい。
他方、先受け鋼材は、横断方向に間隔を置いて配置されているので、先受け鋼材間では横断方向に断面力が伝達できず、アーチ効果を発揮させることができない。また、特許文献4に開示されているようにアーチ状の支保工で先受け鋼材間を連結する場合であっても、掘削から支保工を設置するまでの間に地盤の緩みが進行して変形を抑えることができない。
そこで、本発明は、アーチ効果を発揮させることで極力、地盤の変形を抑えることが可能なうえに、線形に曲線部を含むトンネルであっても容易に構築することが可能なトンネルの構築方法、及びトンネルの構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のトンネルの構築方法は、少なくとも上方が断面視アーチ状に形成されるトンネルを構築する方法であって、前記トンネルの上方アーチ部の外周の地盤に、前記トンネルの延伸方向に向けた長尺材を周方向に間隔を置いて複数本、押し込む工程と、前記長尺材間を含む前記トンネルの外周を囲繞するように断面視環状に地盤改良する工程と、前記地盤改良された内周側を掘削してトンネルを構築する工程とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記地盤改良された内周側を掘削した際に、前記長尺材と略直交する向きに交差させたタイドアーチ形状の支保材を設置し、その支保材と前記長尺材とをそれぞれピン接合することができる。
また、前記支保材の内周面側にプレキャストパネルを取り付け、そのプレキャストパネルを型枠にして外周側にコンクリートを充填することもできる。この際、前記長尺材として周面に孔が穿孔された長尺管を使用することが好ましい。
また、本発明のトンネルの構造は、少なくとも上方が断面視アーチ状に形成されるトンネルの構造であって、前記トンネルの上方アーチ部の外周の地盤に、前記トンネルの延伸方向に向けて周方向に間隔を置いて配置される複数本の長尺材と、前記長尺材間を含む前記トンネルの外周を囲繞するように断面視環状に形成される地盤改良部と、を備えたことを特徴とする。
ここで、前記長尺材と略直交する向きに交差させたタイドアーチ形状の支保材を備え、その支保材と前記長尺材とがそれぞれピン接合されている構造であってもよい。
また、前記支保材の内周面側に取り付けられるプレキャストパネルと、そのプレキャストパネルの外周側に打設されるコンクリートとを備えた構造とすることもできる。
このように構成された本発明のトンネルの構築方法では、トンネルの上方アーチ部の外周の地盤に、周方向に間隔を置いて複数本の長尺材を押し込むとともに、トンネルの外周を囲繞するように地盤改良をおこない、その後に、地盤改良された内周側を掘削してトンネルを構築する。
このため、掘削前から閉成された地盤改良部が形成されており、掘削当初からアーチ効果を発揮させることができるので、掘削による地盤の緩みを最小限にして変形を極力、抑えることができる。
また、上方アーチ部の外周に長尺材を押し込んでおくことで、上方地盤を先受けさせて構造物で支えることができる。
さらに、これらの長尺材は、周方向に間隔を置いて押し込まれるので、長尺材間が拘束されず、線形に曲線部を含むトンネルであっても、容易に構築することができる。
また、掘削後に長尺材間をタイドアーチ形状の支保材で連結することで、安定的に支保された掘削空間を短期間に形成することができる。さらに、ピン接合であれば、ボルトによる接合であってもよいので、迅速に接合作業をおこなうことができる。
また、長尺材及び支保材を利用したトンネルの覆工を構築するのであれば、支保材を仮設のみに使用する場合に比べてコストを削減することができる。
さらに、支保材の内周面側にプレキャストパネルを取り付け、それを型枠にしてコンクリートを充填する方法であれば、脱型の手間もなく、迅速かつ容易にトンネルの覆工を構築することができる。
また、周面に孔が穿孔された長尺管を長尺材として使用すれば、その周囲に打設されたコンクリートのエア抜きをその孔でおこなうことができ、空洞のない、高品質の覆工コンクリートを構築することができる。
さらに、本発明のトンネルの構造は、環状の地盤改良部と、周方向に間隔を置いた複数本の長尺材とを備えている。
このため、トンネルの外周がアーチ効果によって保護され、地盤の変形を極力抑えることができる。また、長尺材は間隔を置いて配置されるので、トンネルの平面視の線形が曲線になる場合であっても、容易に対応させることができる。
また、タイドアーチ形状の支保材に長尺材がピン接合されていれば、接合部に曲げ応力が発生しないので、長尺材及び支保材の断面を低減させて材料費を削減することができる。
さらに、プレキャストパネルを利用することで、品質の高い覆工を形成することができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のトンネル1の構造を示す断面図である。
このトンネル1は、トンネル1の上方アーチ部11の外周の地盤20に、周方向に間隔を置いて配置される複数本の長尺材としての鋼管3,・・・と、鋼管3,3間を含むトンネル1の外周を囲繞するように断面視環状に形成される地盤改良部2と、鋼管3と略直交する向きに交差させたタイドアーチ形状の支保材としてのリング支保材4と、リング支保材4の内周面側に取り付けられるプレキャストパネル5と、そのプレキャストパネル5の外周側に打設されるコンクリートとしての覆工コンクリート6とによって主に構成される。
また、トンネル1の内空は、断面視略半円形となる上方アーチ部11と、その上方アーチ部11の脚部間を水平に結ぶ下床コンクリート61とによって、断面視馬蹄形に形成される。
また、鋼管3は、推進工法などによって地盤20に水平方向に向けて押し込まれる管材である。鋼管3の直径及び肉厚は、トンネル1の直径、地盤20の強度、作用荷重の大きさなどに基づいて決定すればよい。
さらに、この鋼管3は、トンネル1の上方アーチ部11に沿って、周方向に略等間隔に配置される。なお、この実施の形態では、上方アーチ部11の頂部から脚部にかけて鋼管3,・・・を配置したが、地盤20の地質や、許容沈下量によっては、上方アーチ部11の頂部付近にのみ鋼管3,・・・を配置する構成であってもよい。
また、地盤改良部2は、アーチ効果が発揮されやすいように、トンネル1の内空形状に関わらず、断面視略円形のリング状になるように形成するのが好ましい。この実施の形態においても、図1に示すように、トンネル1の基礎部43とその下方の地盤改良部2との間には、未改良の地盤20が存在している。
この地盤改良部2は、地盤20にセメント系固化材を充填し撹拌することによって形成することができる。また、地盤20に薬液などを注入することよって地盤改良部2を形成することもできる。
一方、リング支保材4は、上方アーチ部11に沿って配置されるアーチ部41と、そのアーチ部41の脚部間を水平に連結するタイド部42とによって主に構成される。このアーチ部41は、脚部間がタイド部42によって連結されることによって、上載荷重が作用しても脚部間が開くことなく荷重を支持することができる。
このようなアーチ部41及びタイド部42は、図9に示すような断面視H形のH形鋼材によって製作することができる。また、タイド部42は、掘削底面上にモルタルや捨石などによって形成される基礎部43上に設置される。
また、このアーチ部41と、それに直交する向きで配置される鋼管3とは、ピン接合としてのピン接合部7によって連結される。このピン接合部7は、図7に示すように、鋼管3とアーチ部41の間に介在させるスペーサ部72と、鋼管3とスペーサ部72とアーチ部41とを繋ぐボルト部71とを備えている。
すなわち、このアーチ部41は、上下に平行に配置されるフランジ411,411と、そのフランジ411,411間を繋ぐウェブ412とによって構成されており、図8に示すようにアーチ部41の外側のフランジ411に鋼管3を接合する。
また、スペーサ部72は、鋼管3の内周側に配置される内周スペーサ721と、鋼管3の外周側に配置される外周スペーサ722と、鋼管3とアーチ部41との離隔によって厚さが調整される間隔調整スペーサ723,723とによって構成される。この内周スペーサ721及び外周スペーサ722は、鋼管3の曲率に合わせて鋼管3と接する側が円弧状に成形される。
また、ボルト部71は、鋼管3、スペーサ部72及びフランジ411を貫通して他方に突出する長さを備えたボルト711と、そのボルト711に装着されるナット712及び座金713とによって構成される。
そして、ピン接合部7を設ける箇所の鋼管3とフランジ411には、ボルト孔31,413がそれぞれ穿孔されている。また、スペーサ部72の対応する位置にもボルト孔が設けられている。
この図8では、鋼管3の内周面に当接させる内周スペーサ721側からボルト711を挿入し、鋼管3のボルト孔31並びに外周スペーサ722及び間隔調整スペーサ723,723のボルト孔を貫通させ、フランジ411のボルト孔413から下方に突出させたボルト711の先端に、座金713とナット712を装着する構成としている。なお、ボルト711を下から上に向けて挿入し、ナット712及び座金713を鋼管3の内部に配置する構成であってもよい。
また、図1及び図9に示すように、リング支保材4のアーチ部41の内周面側には、円弧板状のプレキャストパネル5が取り付けられる。ここで、図9(a)は、プレキャストパネル5の周方向端面が示された図で、図9(b)は、プレキャストパネル5の内周面をトンネル1の内部から見た図である。
このプレキャストパネル5は、アーチ部41,41の設置間隔と略同じ幅に成形されており、外周面側の両側縁には、フランジ411,411に係止させる係合金具52,52が設けられている。
さらにプレキャストパネル5の外周面側には、鉄筋などを取り付ける断面視コ字形の取付治具51が設けられている。この取付治具51には、トンネル1の周方向に向けて配筋する周方向鉄筋53,・・・を取り付け、その周方向鉄筋53,・・・に直交するようにトンネル1の軸方向に向けた軸方向鉄筋54,・・・を配置する。
また、隣接するプレキャストパネル5,5間には、目地50が生じるので、必要に応じてシール材などを充填する。
そして、このプレキャストパネル5の外周側には、図1に示すように覆工コンクリート6を充填する。この覆工コンクリート6は、掘削面とプレキャストパネル5との隙間に充填され、周方向鉄筋53,・・・、軸方向鉄筋54,・・・及びアーチ部41を一体化して、鉄骨鉄筋コンクリート構造の覆工が形成される。
また、下床コンクリート61も、タイド部42が埋設されることから鉄骨コンクリート構造となる。さらに、鉄筋を配筋することで鉄骨鉄筋コンクリート構造にすることもできる。
次に、本実施の形態のトンネル1の構築方法について説明する。
まず、図4及び図11に示すように、地盤20に発進立坑24Aと到達立坑24Bを設け、トンネル1に接続させる側の地盤20を地盤改良して坑口改良部25,25を設けておく。
そして、発進立坑24Aの内部から図11に示すように鋼管3を押し込む。この鋼管3の先端には掘進機33が配置されており、掘進機33によって地盤20を切削させるとともに、鋼管3の後端を推進ジャッキなどによって押すことで推力を与えて、鋼管3を順次、地盤20に押し込んでいく。
また、この鋼管3,・・・は、図2に示すようにトンネル1の上方アーチ部11の外周に沿って、周方向に間隔を置いて押し込まれる。
続いて、図3に示すように、トンネル1の外周を囲繞するように断面視リング状の地盤改良部2を設ける。
この地盤改良部2の構築は、発進立坑24A及び到達立坑24Bの両方又は一方の内部からおこなわれる。図4は、発進立坑24Aの内部から地盤改良部2を構築する工程を説明する図である。
地盤改良部2を構築するには、まず、先端に拡幅改良装置22が接続された推進管21を、発進立坑24Aの内部に設置された推進ジャッキ23によって推力を与えることで地盤20に押し込む。
この押し込みは、拡幅改良装置22が所定の位置に到達するまで推進管21を継ぎ足しながらおこなわれる。そして、所定の位置に到達した拡幅改良装置22の先端から、セメント系固化材を吐出させ、掘削された土砂と一緒に撹拌させながら推進管21を徐々に引き抜いていく。
このように推進管21及び拡幅改良装置22を引き抜いた後には、円筒形の地盤改良部2が形成される。また、推進管21及び拡幅改良装置22は、発進立坑24Aの内部に回収されて、引き続き別の位置の地盤改良に使用される。このように円筒形の地盤改良部2を構築する作業を繰り返すことによって、図5に示すようなトンネル1を囲繞するリング状の地盤改良部2が形成される。
このリング状の地盤改良部2が完成すると、その内周側の地盤20は、地盤改良部2のアーチ効果で保護されることになる。そこで、発進立坑24Aに搬入されたバックホウなどの掘削機12を使って、図5に示すように地盤改良部2の内周側の掘削をおこなう。
また、この掘削は、地盤改良部2によって保護された内周側の掘削となるため、小断面に分割して段階的におこなう必要がなく、トンネル1の全断面を一度に掘削することができるので掘削効率がよい。
続いて、図6に示すように、トンネル1の掘削底面にモルタルなどを打設して基礎部43を構築する。そして、その基礎部43の上にリング支保材4のタイド部42を載置する。この際、リング支保材4のアーチ部41は、鋼管3,・・・と略直交する向きに配置される。すなわち、リング支保材4は、トンネル1の横断面の内周に沿って配置される。
また、このアーチ部41と鋼管3との間には、図7,8に示すようにスペーサ部72を介在させて、ボルト711を使って鋼管3,・・・をアーチ部41にピン接合させる。この接合作業は、ボルト711を締結することによって完了するため、迅速かつ確実に両者を接合させることができる。
さらに、アーチ部41の内周面側には、図9に示すようにプレキャストパネル5を取り付ける。この取り付けは、プレキャストパネル5の両側縁の係合金具52,52をアーチ部41のフランジ411,411に係止させるだけで容易におこなうことができる。
また、プレキャストパネル5を設置することで、同時に周方向鉄筋53,・・・の配筋もおこなうことができる。他方、軸方向鉄筋54,・・・は、複数のアーチ部41,・・・のウェブ412,・・・を貫通させて配置する場合は、プレキャストパネル5を取り付ける前に配筋をおこなう。これに対して、アーチ部41,41間毎に軸方向鉄筋54,・・・を配筋する場合は、周方向鉄筋53,・・・に軸方向鉄筋54,・・・を取り付けて、プレキャストパネル5と同時に配置することができる。
また、プレキャストパネル5の下方には、図1に示すように、コンクリートを打設して下床コンクリート61を構築する。この際、必要に応じて配筋をおこなってからコンクリートを打設する。
さらに、プレキャストパネル5の外周側にもコンクリートを打設する。このコンクリートは、プレキャストパネル5と掘削面との隙間に流れ込んで、下方から頂部に向けて充填されていくことになる。
ここで、図10に示すように、鋼管3のトンネル1内周側には、複数のエア抜き孔32,・・・が設けられており、コンクリートが充填される空間の空気及びコンクリート内部の空気が、そのエア抜き孔32,・・・を通して排出されることになる。このように余分な空気を排出できるので、空洞が発生することなく、密実にコンクリートが充填された覆工コンクリート6が構築される。
以上に説明したトンネル1内周側の掘削作業、リング支保材4の設置作業、プレキャストパネル5の取り付け作業、コンクリートの打設作業は、トンネル1の全長にわたって一度におこなわれるのではなく、単位長さで逐次おこなわれてその作業が繰り返される。
一方、鋼管3,・・・の押し込み及び地盤改良部2の構築は、トンネル1全長にわたって一度におこなうことができる。また、掘削作業に所定以上の距離を置いて先行するようにおこなうこともできる。
次に、本実施の形態のトンネル1の構築方法及びトンネル1の構造の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のトンネル1の構築方法では、トンネル1の上方アーチ部11の外周の地盤20に、周方向に間隔を置いて複数本の鋼管3,・・・を押し込むとともに、トンネル1の外周を囲繞するように地盤改良部2を形成し、その後に、地盤改良部2の内周側を掘削してトンネル1を構築する。
このため、掘削前から地盤改良部2によって閉成されたリングが形成されており、掘削当初からアーチ効果を発揮させることができるので、掘削による地盤20の緩みを最小限にして変形を極力、抑えることができる。
また、上方アーチ部11の外周に鋼管3を押し込んでおくことで、上方地盤が先受けされるので、剥離落下を確実に抑えることができる。
さらに、これらの鋼管3,・・・は、周方向に間隔を置いて押し込まれるので、鋼管3,3間が拘束されず、平面視の線形が曲線となるトンネル1であっても、容易に構築することができる。すなわち、図11に示すように平面視S字形となるトンネル1であっても、地表まで開削することなく構築することができる。
また、掘削後に鋼管3,・・・間をリング支保材4で連結することで、短期間で確実な支保を設置することができる。すなわち、タイドアーチ形状のリング支保材4で鋼管3,・・・を連結することで、リング支保材4によるアーチ効果も付加された安定した掘削空間が形成される。さらに、リング支保材4と鋼管3との接合をボルト711の締結によっておこなうことで、迅速な接合作業とすることができる。
さらに、鋼管3,・・・を先に配置しておくことで、地盤改良の範囲を低減でき、工費の削減及び工期の短縮を実現することができる。
また、リング支保材4に鋼管3,・・・がピン接合されていれば、ピン接合部7,・・・に曲げ応力が発生しないので、鋼管3及びリング支保材4の断面を低減させて材料費を削減することができる。
さらに、コンクリートを充填することによって鋼管3,・・・及びリング支保材4を利用した覆工コンクリート6を構築することができ、支保材を仮設のみに使用する場合に比べて材料の有効活用ができ、コストを削減することが可能になる。
また、リング支保材4の内周面側にプレキャストパネル5を取り付け、それを型枠にしてコンクリートを充填する方法であれば、型枠を脱型する手間が不要となり、迅速かつ容易にトンネル1の覆工を構築することができる。
さらに、工場などの品質管理されたところで製作されたプレキャストパネル5を利用することで、品質の高い覆工を形成することができる。また、プレキャストパネル5であれば、高強度にするなど材質の調整も容易におこなうことができる。
また、周面に複数のエア抜き孔32,・・・が穿孔された鋼管3を使用すれば、その周囲に打設されたコンクリートのエア抜きをそのエア抜き孔32,・・・でおこなうことができ、空洞のない、高品質の覆工コンクリート6を構築することができる。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、長尺材として鋼管3を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、鋼棒などの芯材、合成樹脂管などを長尺材として利用することもできる。さらに、前記実施の形態では、断面が円形の鋼管3を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、断面が四角形や台形などの角型鋼管などであっても長尺材として使用できる。
また、前記実施の形態では、プレキャストパネル5をリング支保材4の内周面側に取り付ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、コンクリート打設後に撤去する型枠を使って覆工コンクリート6を構築してもよい。
さらに、前記実施の形態では、断面視馬蹄形のトンネル1を構築する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、断面視円形や断面視楕円形のトンネルであってもよい。
また、前記実施の形態では、円形に近いリング状の地盤改良部2を形成したが、これに限定されるものではなく、上方がアーチ状で閉成された形状であれば、例えば馬蹄形のトンネル1外形に近い形状の地盤改良部であってもよい。
1 トンネル
11 上方アーチ部
2 地盤改良部
20 地盤
3 鋼管(長尺材)
32 エア抜き孔(孔)
4 リング支保材(支保材)
41 アーチ部
42 タイド部
5 プレキャストパネル
6 覆工コンクリート(コンクリート)
7 ピン接合部(ピン接合)
Claims (4)
- 少なくとも上方が断面視アーチ状に形成されるトンネルを構築する方法であって、
前記トンネルの上方アーチ部の外周の地盤に、前記トンネルの延伸方向に向けた長尺材を周方向に間隔を置いて複数本、押し込む工程と、
前記長尺材間を含む前記トンネルの外周を囲繞するように、地盤にセメント系固化材を充填し撹拌することによって断面視環状に地盤改良する工程と、
前記地盤改良された内周側を掘削してトンネルを構築する工程とを備えたことを特徴とするトンネルの構築方法。 - 前記地盤改良された内周側を掘削した際に、鋼製の前記長尺材と略直交する向きに交差させたタイドアーチ形状の鋼製の支保材を設置し、その支保材のフランジと前記長尺材とをそれぞれボルト接合することを特徴とする請求項1に記載のトンネルの構築方法。
- 前記支保材の内周面側にプレキャストパネルを取り付け、そのプレキャストパネルを型枠にして外周側にコンクリートを充填することを特徴とする請求項2に記載のトンネルの構築方法。
- 前記長尺材として周面に孔が穿孔された長尺管を使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトンネルの構築方法。
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